JP2013170950A - 微粒子検知システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被測定ガスEG中の微粒子Sの量を検知する微粒子検知システム1は、通気管EPに装着される検知部10を備える。検知部10は、イオン源11、微粒子帯電部12、補助電極50、被測定ガスEGに接触すると共に、補助電極50の一部を包囲し、補助電極50と微粒子帯電部12との間に介在して、両者を電気的に絶縁する補助電極絶縁部材77,76、及び、補助電極絶縁部材77,76を加熱するヒータ78、を有する。
【選択図】図2
Description
このような微粒子を含む排気ガスは、フィルタで微粒子を捕集して浄化することが行われている。しかるに、フィルタが破損するなどの不具合を生じた場合には、未浄化の排気ガスが直接、フィルタの下流に排出されることとなる。
そこで、排気ガス中の微粒子の量を直接計測したり、フィルタの不具合を検知すべく、フィルタ下流の排気ガス中の微粒子の量を検知可能な微粒子検知システムが求められている。
しかし、この絶縁部材に、被測定ガスに含まれる異物(例えば、被測定ガスが内燃機関の排気ガスである場合、ススや水滴など)が付着することがある。絶縁部材の表面にこのような異物が付着して絶縁部材の絶縁性が低下した場合、補助電極による捕集の補助が十分行えず、微粒子の量の検知が適切に行えない虞がある。
ところで、このシステムは微粒子帯電部を有しており、帯電微粒子に付着して微粒子帯電部から排出された電荷の量を検知することで微粒子の量を検知する。即ち、微粒子帯電部の電位である第1電位と、通気管の電位である接地電位との間を流れる信号電流は、微粒子帯電部から排出された電荷の量に対応する。しかるに、第1電位とされる第1電位部材と、接地電位とされる通気管または接地電位部材との間の絶縁性が低い場合には、この信号電流を検知し難くなり、微粒子の量を適切に検知できなくなる。
本システムでは、ヒータにより補助電極絶縁部材を加熱して、絶縁性を回復あるいは維持させることができるので、このような排気ガスに関する微粒子の検知を適切に行うことができる。
検知部10は、排気管EP(通気管)のうち、取付開口EPOが穿孔された取付部EPTに装着されている。そして、その一部(図2中、取付部EPTよりも右側(先端側))は取付開口EPOを通じて排気管EP内に配置されており、排気ガスEG(被測定ガス)に接触する。
回路部201は、排気管EP外で、複数の配線材からなるケーブル160を介して検知部10に接続されている。この回路部201は、検知部10を駆動するとともに、後述する信号電流Isを検知する回路を有している。
このうち、イオン源電源回路210は、第1放電電位PV1とされる第1出力端211と、第2放電電位PV2とされる第2出力端212とを有している。第2放電電位PV2は、具体的には、第1放電電位PV1に対して、正の高電位とされている。さらに具体的には、第2出力端212からは、第1放電電位PV1に対し、100kHz程度の正弦波を半波整流した、1〜2kV0-pの正のパルス電圧が出力される。なお、イオン源電源回路210は、その出力電流についてフィードバック制御され、自律的に、その実効値が予め定めた電流値(例えば、5μA)を保つ定電流電源を構成している。
なお、本実施形態では、この内側回路ケース250は、イオン源電源回路210、補助電極電源回路240及び絶縁トランス270の二次側鉄心271Bを収容して包囲すると共に、ケーブル160の第1電位配線165に導通している。
なお、本実施形態では、この外側回路ケース260は、内部にイオン源電源回路210、補助電極電源回路240、内側回路ケース250、信号電流検知回路230とヒータ通電回路226とを含む計測制御回路220及び絶縁トランス270の一次側鉄心271Aを収容して包囲すると共に、ケーブル160の接地電位配線167に導通している。
また、計測制御回路220は、マイクロプロセッサ202を含み、通信線CCを介して内燃機関を制御する制御ユニットECUと通信可能となっており、前述した信号電流検知回路230の測定結果(信号電流Isの大きさ)、これを微粒子量などに換算した値、あるいは、微粒子量が所定量を超えたか否かなどの信号を、制御ユニットECUに送信可能となっている。これにより、制御ユニットECUで、内燃機関の制御や、フィルタ(図示しない)の不具合警告を発するなどの動作が可能となる。
なお、本実施形態では、絶縁トランス270は、補助電極電源回路240に電力を供給する補助電極絶縁トランスをも兼ねている。
加えて、このケーブル160は、エアパイプ163内の気体流通路163Hを通じて、ケーブル160の長手方向に、気体を流通させることができる。
ヒータ通電回路226の第1ヒータ通電端226aは、第1ヒータ接続配線169aに接続、導通しており、ヒータ通電回路226の第2ヒータ通電端226bは、第2ヒータ接続配線169bに接続、導通している。
その他、圧送ポンプ300の送気パイプ310は、内側回路ケース250内を通じて、ケーブル160のエアパイプ163に連通されている。
また、内筒80は、ケーブル160の先端側に外嵌されて、ケーブル160の内側絶縁体層164の径方向外側で、これを覆う第1電位配線165と加締め接続され、この第1電位配線165と導通している。
このパイプホルダ60は、内筒80に嵌め込まれ固定されると共に、電気的にも導通している。そして、パイプホルダ60及び内筒80は、針状電極体20の延出部21及び補助電極体50の延出部51を包囲する第1導通部材13をなしている。
また、このノズル部材30は、パイプホルダ60に嵌め込まれ固定されると共に、電気的にも導通し、第1放電電位PV1とされている。
この混合排出部材40のうち、基端部41は、内側に膨出した捕集極42により、内側の空間がスリット状に狭められた形態とされている。一方、先端側筒壁部43内には、円柱状の空間が形成される。なお、捕集極42には、ノズル部材30の取入口33Iの位置に合わせて、切り欠き部42Kが形成されている。
また、この混合排出部材40は、ノズル部材30に嵌め込まれ固定されると共に、電気的にも導通して、第1放電電位PV1とされている。
一方、フランジ部95は、筒状部91の先端部分から径方向外側に張り出した板状で、外形概略長円板形状を有している。また、自身の厚み方向に貫通するボルト貫通孔95H,95Hを有している(本実施形態では2箇所)。
栓金具100の雄ねじ部102を、主体金具90の雌ねじ部92に螺入すると、栓金具100が先端側に進み、その先端押圧部101が、第2絶縁スペーサ122を先端側に押圧する。すると、この第2絶縁スペーサ122は、パイプホルダ60のホルダフランジ部66を先端側に向けて押圧する。さらに、このホルダフランジ部66は、第1絶縁スペーサ121を先端側に向けて押圧する。第1絶縁スペーサ121は、板パッキン124を介して主体金具90の筒状部91の保持孔91Hに係合する。これにより、パイプホルダ60、第1絶縁スペーサ121、第2絶縁スペーサ122、板パッキン124、及び、栓金具100が、主体金具90に保持され、一体化される。
また、パイプホルダ60と主体金具90との間には、第1絶縁スペーサ121及び第2絶縁スペーサ122が介在して、両者を離間、絶縁している。なお、パイプホルダ60のうち、径方向外側に張り出したホルダフランジ部66と、主体金具90(筒状部91)との間は、空間を空けて離間されて、両者間の絶縁が保たれている。さらに、第1絶縁スペーサ121は、検知部10が排気管EPに装着された状態において、パイプホルダ60の筒壁部63と排気管EPとの間に介在して、両者を離間、絶縁している。
なお、主体金具90の先端側面90Sのうち、保持孔91Hの周囲には、円環状のガスケット保持溝96が形成されており、排気管EPの取付部EPTと主体金具90とは、このガスケット保持溝96内に配置された銅製のガスケット130を介して気密に結合している。
これにより、ガスケット130、主体金具90、及び、栓金具100は、排気管EPと同じ接地電位PVEとされる。
また、外筒110の基端部110Kは、その外形が先端側よりも縮径されて、ケーブル160に加締め固定されている。これと同時に、外筒110の基端部110Kの加締め部110KKは、ケーブル160の最も外周の外側絶縁被覆層168を貫通して、その内部の接地電位配線167に導通している。かくして、外筒110及び接地電位配線167は、いずれも金属からなる主体金具90、栓金具100、及びガスケット130を介して、排気管EPと同じく接地電位PVEとされる。
なお、本実施形態では、ケーブル160の先端部160Sが、外筒110内で揺動するのを防止すべく、ケーブル160の先端部160Sと外筒110との間に、円筒状で絶縁ゴムからなるグロメット125を介在させている。
針状電極体20は、ケーブル160の第2電位配線161を介して、イオン源電源回路210の第2出力端212に接続、導通している。従って、この針状電極体20は、前述したように、第1放電電位PV1に対して、100kHz,1〜2kV0-pの正の半波整流パルス電圧である、第2放電電位PV2とされる。
また、補助電極体50は、ケーブル160の補助電位配線162を介して、補助電極電源回路240の補助第2出力端242に接続、導通している。従って、この補助電極体50は、前述したように、第1放電電位PV1に対して、100〜200Vの正の直流電位である、補助電極電位PV3とされる。
さらに、内筒80,パイプホルダ60,ノズル部材30,混合排出部材40は、ケーブル160の第1電位配線165を介して、イオン源電源回路210の第1出力端211、補助電極電源回路240の補助第1出力端241、これらの回路を囲む内側回路ケース250、及び信号電流検知回路230の信号入力端231に接続、導通している。これらは、第1放電電位PV1とされる。
加えて、外筒110,栓金具100,主体金具90,及びガスケット130は、ケーブル160の接地電位配線167を介して、信号電流検知回路230を含む計測制御回路220を囲む外側回路ケース260及び信号電流検知回路230の接地入力端232に接続、導通している。これらは、排気管EPと同じ、接地電位PVEとされる。
本実施形態では、針状先端部22が第2放電電極に相当し、ノズル部材30のノズル部31が第1放電電極に相当する。また、放電空間DSを囲む、パイプホルダ60(保持部61,筒壁部63)及びノズル部材30のノズル部31(第1放電電極)、針状先端部22(第2放電電極)が、イオン源11となり、かつ、イオン気体噴射源11をなしている。
その際、排気ガスEG中に、ススなどの微粒子Sが含まれていた場合、図7に示すように、この微粒子Sも混合領域MX内に取り入れられる。ところで、噴射された空気ARには、イオンCPが含まれている。このため、取り入れられたススなどの微粒子Sは、イオンCPが付着して、正に帯電した帯電微粒子SCとなり、この状態で、混合領域MX及び排出路EXを通って、排出口43Oから、空気ARと共に排出される。
一方、混合領域MXに噴射されたイオンCPのうち、微粒子Sに付着しなかった浮遊イオンCPFは、補助電極体50の補助電極部53から斥力を受け、第1放電電位PV1とされた捕集極42をなす混合排出部材40(基端部41,先端側筒壁部43)に各部に付着し、排出されない(捕捉される)。
但し、この受電捕集電流Ijhは、帯電微粒子SCに付着して排出された排出イオンCPHの電荷に対応する電流分だけ、放電電流Idよりも小さい値となる。このため、放電電流Idと受電捕集電流Ijhとの差分(放電電流Id−受電捕集電流Ijh)に相当する信号電流Isが、第1放電電位PV1と接地電位PVEの間を流れてバランスする。
従って、この帯電微粒子SCにより排出された排出イオンCPHの電荷量に対応する信号電流Isを信号電流検知回路230で検知することにより、排気ガスEG中の微粒子Sの量が検知できる。
本実施形態では、混合領域MX及び捕集極42をなす、ノズル部材30,混合排出部材40,蓋部材48が、微粒子帯電部12に相当する。
本実施形態では、これらパイプホルダ60(保持部61,筒壁部63)及び内筒80が、第1導通部材13に相当する。このうち、パイプホルダ60は、第1導通部材13であると共に、前述の通り、イオン気体噴射源11の一部でもある。
本実施形態では、これら主体金具90,栓金具100,及び、外筒110が、外側包囲部14に相当する。
補助電極体50の延出部51のうち、図3,図6に示すように、先端側で補助電極絶縁パイプ77から露出して微粒子帯電部12内に配置されている先端露出面51cは、排気ガスEG(被測定ガス)に接触している。また、微粒子帯電部12の内側面12cも、排気ガスEGに接触している。
また、ヒータ付き補助電極絶縁パイプ79の補助電極絶縁パイプ77及びこれを被覆する絶縁セラミック層76のうち、その先端側表面79cは、排気ガスEGに接触すると共に、微粒子帯電部12の内側面12cと補助電極体50の延出部51の先端露出面51cとの間に介在している。
さらに、第1絶縁スペーサ121が、本発明におけるガス接触絶縁部材に相当する。
本実施形態のシステム1では、ヒータ78によりヒータ付き補助電極絶縁パイプ79の補助電極絶縁パイプ77及び絶縁セラミック層76(先端側表面79c)あるいは第1絶縁スペーサ121(先端側表面121c)を加熱して、絶縁性を回復あるいは維持させることができるので、このような排気ガスEGに関する微粒子Sの検知を適切に行うことができる。
例えば、実施形態では、第1絶縁スペーサ121(ガス接触絶縁部材)が、第1電位部材13(パイプホルダ60の筒壁部63の外周面63c)と排気管EPの内側面EPiとの間に介在した構成を示した。しかし、図示しないが、排気管EP及び外側包囲部14(接地電位部材)の形状によっては、外側包囲部14が排気管EP内まで延びて、外側包囲部14が排気ガスEG(被測定ガス)に接触する形態もとりうる。この場合には、ガス接触絶縁部材121を、第1電位部材13と接地電位部材14との間に介在させると良い。
また、上記実施形態では、検知部10と回路部201とが、ケーブル160を介して接続された例を示したが、ケーブル160を介さず、検知部10と回路部201とが連設された形態としても良い。
EPi (排気管の)内側面
EPO 取付開口
EG 排気ガス
EGI 取入排気ガス
S 微粒子
SC 帯電微粒子
CP イオン
CPF 浮遊イオン
CPH 排出イオン
Is 信号電流
1 微粒子検知システム
10 検知部
11 イオン気体噴射源(イオン源)
DS 放電空間
12 微粒子帯電部(第1電位部材)
13 第1導通部材(第1電位部材)
14 外側包囲部(接地電位部材)
20 針状電極体
22 (針状電極体の)針状先端部(第2放電電極(イオン源))
30 ノズル部材(イオン源,微粒子帯電部)
31 ノズル部(第1放電電極(イオン源),微粒子帯電部)
31N ノズル
PV1 第1放電電位(第1電位)
PV2 第2放電電位
PV3 補助電極電位
PVE 接地電位
40 混合排出部材(微粒子帯電部)
MX 混合領域
42 捕集極
48 蓋部材(微粒子帯電部)
50 補助電極体(補助電極)
53 (補助電極体の)補助電極部
60 パイプホルダ(第1導通部材)
61 保持部(第1導通部材)
76 絶縁セラミック層(補助電極絶縁部材)
77 補助電極絶縁パイプ(補助電極絶縁部材)
78 ヒータ
79 ヒータ付き補助電極絶縁パイプ
80 内筒(第1導通部材)
90 主体金具(外側包囲部)
100 栓金具(外側包囲部)
110 外筒(外側包囲部)
121 第1絶縁スペーサ(ガス接触絶縁部材)
AK 圧縮空気(気体)
AR 空気(気体)
201 回路部
210 イオン源電源回路
220 計測制御回路
226 ヒータ通電回路
230 信号電流検知回路
240 補助電極電源回路
Claims (4)
- 通気管内を流通する被測定ガス中の微粒子の量を検知する微粒子検知システムであって、
上記通気管の取付開口に装着される検知部を備え、
上記検知部は、
第1放電電極及び第2放電電極を含み、これらの間の気中放電により、イオンを生成するイオン源、
上記イオン源の上記第1放電電極に導通して第1電位とされ、上記微粒子に上記イオンを付着させて帯電微粒子とすると共に、上記イオンのうち上記微粒子に付着しなかった浮遊イオンを捕集する捕集極をなす微粒子帯電部、
補助電極電位とされ、上記微粒子帯電部内に配置されて、上記捕集極による上記浮遊イオンの捕集を補助する補助電極、
上記被測定ガスに接触すると共に、上記補助電極の一部を包囲し、上記補助電極と上記微粒子帯電部との間に介在して、両者を電気的に絶縁する補助電極絶縁部材、及び、
上記補助電極絶縁部材を加熱するヒータ、を有する
微粒子検知システム。 - 請求項1に記載の微粒子検知システムであって、
前記第1電位とされる、前記イオン源の前記第1放電電極、前記微粒子帯電部、及びこれらに導通する部材を第1電位部材としたとき、
前記検知部は、
前記通気管に導通して接地電位とされる接地電位部材、及び、
上記通気管内を臨み、
上記第1電位部材と、上記通気管の内側面または上記接地電位部材との間に介在して、両者を電気的に絶縁すると共に、前記被測定ガスに接触する
ガス接触絶縁部材、を有し、
前記ヒータは、
上記ガス接触絶縁部材をも加熱する兼用ヒータである
微粒子検知システム。 - 請求項1または請求項2に記載の微粒子検知システムであって、
前記ヒータは、
前記補助電極絶縁部材と一体化されてなる
微粒子検知システム。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の微粒子検知システムであって、
前記通気管は、内燃機関の排気管であり、
前記被測定ガスは、上記排気管内を流通する排気ガスである
微粒子検知システム。
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