JP2013170746A - 冷却装置およびこれを搭載した電気自動車、および電子機器 - Google Patents

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郁 佐藤
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Abstract

【課題】安定した冷却性能が得られる冷却装置を提供する。
【解決手段】受熱部5と、放熱部7とを備え、受熱部5は、発熱体3に接触させて、熱を吸収する受熱板12と、作動流体11が流入する流入口15と、作動流体11が排出される排出口16と、受熱板12の表面を覆うとともに表面に流れ込んだ作動流体11を蒸発させる受熱空間13を形成する受熱カバー14とを備え、受熱部5の排出口16と放熱部7とを接続する放熱経路6と、放熱部7と受熱部5の流入口15とを接続する帰還経路8とによる循環経路9を備え、帰還経路8には、流入口15に凝縮して停留した作動流体11の水頭高さによる水頭圧と帰還経路8内と受熱空間13内との圧力バランスによって開動する逆止弁10とを備え、循環経路9の内壁に凹凸構造21を設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、作動流体を循環させて冷却を行う冷却装置およびこれを搭載した電気自動車、および電子機器に関するものである。
従来この種の冷却装置は、電気自動車および電子機器の電力変換回路に搭載されたものが知られている。
電気自動車では、駆動動力源となる電動モータを電力変換回路であるインバータ回路でスイッチング駆動していた。インバータ回路には、パワートランジスタを代表とする半導体スイッチング素子が複数個使われていて、それぞれの素子に数十アンペアの大電流が流れていた。そのため、大きな熱が発生し、冷却することが必要であった。
そこで従来は、例えば特許文献1のように、受熱部101と放熱部102と放熱経路103と帰還経路104とで構成するループ型ヒートパイプにより半導体スイッチング素子などの発熱体105の冷却を行っていた。
以下、特許文献1に示すループ型ヒートパイプについて、図6を用いて詳しく説明する。
図6に示すようにループ型ヒートパイプは放熱経路103と帰還経路104とを別個に含む循環経路106と、循環経路106に真空化において封入された熱媒体である作動流体107と、循環経路106の一部を構成しかつ循環経路106の上方に位置する放熱部102と、放熱経路103の下部に位置する受熱部101と、循環経路106内の下部に介装し循環経路106内の作動流体107の循環方向を限定する逆止弁108とを備えている。
ここで、受熱部101に接触させた発熱体105に熱が発生すると、発生した熱は受熱部101へ伝わり、受熱部101を循環する作動流体107に熱が加えられ沸騰し蒸発する。逆止弁108によりその循環方向が制限され、蒸発した作動流体107は放熱経路103を通り、放熱部102に導かれて冷却され、ここで、受熱部101で加えられた熱を放出する。放熱部102で熱を放出した作動流体107は帰還経路104を下降し、逆止弁108を介して再び受熱部101へと循環する。
特開昭61−38396号公報
従来の冷却装置では、作動流体が循環経路を循環する際、循環経路の内壁にて、作動流体の表面張力γSが大きいことや、循環経路内壁と液相作動流体との間にはたらく力すなわち付着力γLが小さいことなどにより、液相作動流体が内壁へ濡れ広がり難く、冷却装置の運転初期や発熱体の発熱が小さい時に、作動流体が循環経路内に停留することとなり、それが作動流体の循環の障壁となっていた。
このように、液相作動流体が循環経路内で停留し、帰還経路や受熱部へ円滑に流入し難くなることで、冷却装置の駆動が不安定となり、冷却性能が低下するという課題を有していた。
そこで本発明は、従来の課題を解決するものであり、冷却装置の駆動を安定させ、
冷却性能の低下を抑制する冷却装置を提供することを目的とする。
そしてこの目的を達成するために本発明は、受熱部と、この受熱部の排出口と放熱経路を介して接続した放熱部と、この放熱部と前記受熱部の流入口とを接続する帰還経路とによる循環経路を備え、前記受熱部は、発熱体に接触させて、熱を吸収する受熱板と、この受熱板の表面を覆うとともに表面に流れ込んだ作動流体を蒸発させる受熱空間を形成する受熱カバーとを備え、前記帰還経路には、前記流入口に凝縮して停留した前記作動流体の水頭高さによる水頭圧と前記帰還経路内と前記受熱空間内との圧力バランスによって開動する逆止弁と、前記循環経路の内壁に凹凸構造を設けた冷却装置である。これにより、所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、循環経路の内壁に凹凸構造を設けることで、凹凸構造の凹部に液相作動流体が引き込まれるという毛細管現象が発生する。
すなわち、液相作動流体の表面張力γSよりも内壁への付着力γLの方が大きくなることで、液相作動流体が内壁へ濡れ広がり、作動流体の循環の障壁を小さくすることができ、この結果として、液相作動流体が帰還経路や受熱部へ円滑に流入し易くなり、冷却装置の駆動を安定させ、冷却性能の低下を抑制するという効果を奏する。
本発明の実施の形態1の冷却装置を電気自動車に適用した図 (a)同冷却装置の斜視図、(b)A方向から見た図、(c)B方向から見た断面概略図 同帰還経路の凹凸構造の構成を示す図 同放熱部の凹凸形状の構成を示す図 (a)同凹凸構造の一例を示す図、(b)同凹凸構造の一例を示す図、(c)同凹凸構造の一例を示す図、(d)同凹凸構造の一例を示す図、(e)同凹凸構造の一例を示す図 (a)ある壁面において液相作動流体の付着接触角が大きい状態を示す図、(b)ある壁面において液相作動流体の付着接触角が小さい状態を示す図 (a)運転初期時の帰還経路において作動流体の状態を示す断面概略図、 (b)低発熱時の帰還経路において作動流体の状態を示す断面概略図 従来の冷却装置を示す概略図
本発明の請求項1記載の冷却装置は、作動流体の循環により、発熱体の冷却を行うものであって、前記発熱体からの熱を受熱する受熱部と、外気へ熱を放熱する放熱部とを備え、前記受熱部は、前記発熱体に接触させて熱を吸収する受熱板と、前記受熱板の表面を覆うとともに表面に流れ込んだ前記作動流体を蒸発させる受熱空間を形成する受熱カバーと、前記受熱空間に凝縮した前記作動流体が流入する流入口と、前記作動流体が排出される排出口とを備え、前記受熱部の前記排出口と放熱部とを接続する放熱経路と、前記放熱部と前記受熱部の前記流入口とを接続する帰還経路とによる循環経路を備え、前記帰還経路には、前記流入口に凝縮して停留した前記作動流体の水頭高さによる水頭圧と前記帰還経路内と前記受熱空間内との圧力バランスによって開動する逆止弁とを備えたものであって、前記循環経路内の少なくとも一部に凹凸構造を有する。これにより、凹凸構造の凹部に液相作動流体が引き込まれるという毛細管現象が発生し、すなわち、液相作動流体の表面張力γSよりも内壁への付着力γLの方が大きくなることで、液相作動流体が内壁へ濡れ広がり、作動流体の循環の障壁を小さくすることができ、この結果として、液相作動流体が帰還経路や受熱部へ円滑に流入し易くなり、冷却装置の駆動を安定させ、冷却性能の低下を抑制するという効果を奏する。
また、帰還経路に凹凸構造を設けたことを特徴とする請求項1記載の冷却装置という構成にしてもよい。これにより、凹凸構造の凹部に液相作動流体が引き込まれるという毛細管現象が発生し、すなわち、液相作動流体の表面張力γSよりも内壁への付着力γLの方が大きくなることで、液相作動流体が内壁へ濡れ広がり、作動流体の循環の障壁を小さくすることができ、この結果として、液相作動流体が帰還経路や受熱部へ円滑に流入し易くなり、冷却装置の駆動を安定させ、冷却性能の低下を抑制するという効果を奏する。
また、放熱部に凹凸構造を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の冷却装置という構成にしてもよい。これにより凹凸構造の凹部に液相作動流体が引き込まれるという毛細管現象が発生し、すなわち、液相作動流体の表面張力γSよりも内壁への付着力γLの方が大きくなることで、液相作動流体が内壁へ濡れ広がり、作動流体の循環の障壁を小さくすることができ、この結果として、液相作動流体が帰還経路や受熱部へ円滑に流入し易くなり、冷却装置の駆動を安定させ、冷却性能の低下を抑制するという効果を奏する。
また、帰還経路に設けた凹凸構造は、前記作動流体循環方向に沿って形成することを特徴とする請求項1または2記載の冷却装置という構成にしてもよい。これにより、凹凸構造の凹部に液相作動流体が引き込まれるという毛細管現象が発生し、すなわち、液相作動流体の表面張力γSよりも内壁への付着力γLの方が大きくなることで、液相作動流体が内壁へ濡れ広がり、作動流体の循環の障壁を小さくすることができ、この結果として、作動流体の循環方向への作動流体の運動を妨げることなく、冷却装置の駆動を安定させることができる。
また、請求項1から3いずれかひとつに記載の冷却装置の受熱部を、電気自動車の発熱体に熱伝導可能状態で取り付けたという構成にしてもよい。これにより、電気自動車の発熱体を安定して冷却できる冷却装置として活用することができる。
また、請求項1から3いずれかひとつに記載の冷却装置の受熱部を、高発熱を伴う電子機器の発熱体に熱伝導可能状態で取り付けたという構成にしてもよい。これにより、電子機器の発熱体を安定して冷却できる冷却装置として活用することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、電気自動車1に本発明の冷却装置4を装着した場合の略図であり、図2、図3、図4、図5は、それぞれ本発明の冷却装置4と、その帰還経路8および放熱部7の構造図の一例であり、図6と図7は本発明の冷却装置4における作動流体11の循環状態を示す概略図である。
図1に示すように、電気自動車1の車軸1aを駆動する電動機1bは、電気自動車1内に配置した電力変換装置であるインバータ回路2に接続されている。
インバータ回路2は、電動機1bに電力を供給するもので、複数の半導体スイッチング素子を備えており、この半導体スイッチング素子が動作中に、例えば数十アンペアの大電流が流れることで発熱する。つまり、この実施形態では、半導体スイッチング素子が発熱体3となっている。
このため、この発熱体3を冷却するために、冷却装置4を備えている。
冷却装置4は図2(a)に示すように、受熱部5、放熱経路6、放熱部7、帰還経路8を順に連結して作動流体11の循環経路9を形成するとともに、前記放熱部7から受熱部5の間に、逆止弁10を介在させた構造となっている。
また、この循環経路9内の気圧は大気圧よりも低く(例えば気圧を−97KPa)しており、この状態にてこの循環経路9内には、作動流体11の例として水やエタノールが封入されている。
以下、各部の詳細な構成について、説明する。
受熱部5は、発熱体3に接触させて熱を吸収する受熱板12と、この受熱板12の表面を覆い、流れ込んだ作動流体11を蒸発させる受熱空間13を形成する受熱カバー14と、受熱空間13に凝縮した作動流体11が流入する流入口15と、作動流体11が排出される排出口16とを備えたものであり、この受熱板12の底面表面が発熱体3に対して熱伝導が可能な状態で取り付けられている。
また、放熱部7は、図2(a)に示すように、例えば箱状のチャンバー部の底面にアルミニウム板を短冊状に薄く形成した複数の放熱フィン17を所定の間隔をあけて設けたものであって、その放熱フィン17の開口部の一方に、放熱フィン17に対し平行に外気を送風する送風機18、例えばボックスファン、を設けたものであり、この放熱フィン17と受熱部5は図2(a)のように水平方向に配置されている。
そして、放熱経路6は一端が、受熱カバー14の天面に取り付けられた排出口16に接続され、他端は放熱部7の上流側に接続されている。
また、帰還経路8は一端が、放熱部7の下流側に接続され、他端は逆止弁10を介して、受熱カバー14の天面に設けられた流入口15に接続されている。
ここで、逆止弁10は、帰還経路8内の圧力および帰還経路8に停留した作動流体11の水頭圧高さより与えられる水頭圧による逆止弁10上流側の圧力と、受熱空間13内の圧力により与えられる逆止弁10下流側の圧力との圧力バランスによって開動する。
逆止弁10を容易に開動させるためには凝縮した作動流体11を逆止弁10上に十分に停留させ、その水頭圧を利用することが最良である。そこで、帰還経路8は逆止弁10の上流側に形成し、その直下に逆止弁10を配置している。
次に、図3、図4、図5を用いて、本発明の特徴である、凹凸構造21の構成について説明する。
循環経路9内には、図3および図4に示すような凹凸構造21を備えている。図3は帰還経路8に設けた凹凸構造21a、図4は放熱部7に設けた凹凸構造21bをそれぞれ示している。
図3に示すように、この凹凸構造21aを備えた帰還経路8は、例えば、エアコンなどの熱交換器に広く使われる内面微細溝構造を設けた高性能伝熱管として知られる銅管であり、この凹凸構造21aは、作動流体の循環を妨げることがないよう作動流体11の循環方向に沿って形成しており、図5(a)に示すように略断面形状が例えばV字状の内面微細溝構造になっている。尚、この断面形状は、図5(b)、(c)、(d)および(e)に示すような構成にしてもよい。
また、図4に示すように、この凹凸構造21bを備えた放熱部7は、箱型チャンバー部の内底面に所定の間隔で設けられた内フィン22と平行に凹凸構造21bを備えたものであり、上流側の放熱経路6より気相作動流体11bが流入し、この凹凸構造21bに沿うように作動流体11が凝縮して下流側の帰還経路8へと流出する。また、この凹凸構造21bは図5に示すように略断面図が例えばV字状の溝構造になっている。尚、この断面形状は、図5(b)、(c)、(d)および(e)に示すような構成にしてもよい。
次に、図2を用い、冷却装置4の基本動作について説明する。
発熱体3から発する熱は、受熱板12から受熱空間13の凝縮した作動流体11に熱が移される。この移された熱によって作動流体11は沸騰し蒸発する。
そして、排出口16から放熱経路6を通って、外気によって冷やされることにより内部圧力が低い状態となる放熱体側へと圧力差により排出される。
ここで、作動流体11の熱は、放熱部7の内壁面から外壁表面へ伝わり、送風機18によって送風された外気へと放熱し、同時に作動流体11は凝縮して帰還経路8を通り逆止弁10上に溜まることとなる。
そして、凝縮した作動流体11は、徐々に逆止弁10上に停留し、帰還経路8内の圧力および逆止弁10上に停留した作動流体11の水頭高さにより与えられる水頭圧による逆止弁10上流側圧力が受熱空間13内の圧力により与えられる逆止弁10下流側の圧力よりも大きくなった瞬間に逆止弁10は押し下がり開動して、作動流体11は再び受熱空間13内へと流入する。
このようなサイクルを繰り返すことで、作動流体11が冷却装置4内を循環し、発熱体3の冷却を行なうことになる。
ここで、従来の冷却装置4では、液相作動流体が循環経路内で停留し、帰還経路や受熱部へ円滑に流入し難くなることで、冷却装置の駆動が不安定となり、冷却性能が低下するという課題を有していた。
この現象について図6を用いて詳しく説明する。
図6(a)、図6(b)は、ある壁面で液相作動流体11aが付着している様子である。図6(a)は、液相作動流体11aと循環経路9の内壁との間にはたらく力すなわち付着力γLが小さいことなどにより、内壁面に作動流体11が濡れ広がらない状態を示している。これは、液相作動流体11aが循環経路9を循環する上でより望ましくない状態である。
つまり、液相作動流体11aの表面張力γSが循環経路9の内壁への付着力γLよりも大きくなることで、液相作動流体11aと循環経路9の内壁との接触角θが90度よりも大きくなり、雫のような作動流体11の塊が存在することとなる。
これが、作動流体11が循環経路9の内壁へ濡れ広がり難くなる主要因であり、作動流体11の循環の障壁となるため、すなわち循環経路9の圧力損失を大きくするため、液相作動流体11aが帰還経路8や受熱部5へ円滑に流入し難くなることで、冷却装置4の駆動が不安定となり、冷却性能が低下することとなる。
そこで、循環経路9の内壁に凹凸構造21を設けることで、作動流体11が循環経路9の内壁へ濡れ広がり易くすることができ、つまりは作動流体11の循環の障壁を小さくすることができ、上記のような課題を解決することができるものである。
すなわち循環経路9の内壁に凹凸構造21を設けることで、この凹凸構造21の凹部に液相作動流体11aが引き込まれるという毛細管現象が発生し、この作用により、図6(b)に示すような液相作動流体11aの表面張力γSよりも内壁への付着力γLの方が大きくなる効果が得られ、液相作動流体11aと内壁との接触角θが90度よりも小さくなっていくものである。
そのため、液相作動流体11aが循環経路9の内壁へ濡れ広がり易く、作動流体11の循環の障壁を小さくすることができ、この結果として、液相作動流体11aが帰還経路8や受熱部5へ円滑に流入し易くなるという効果が得られるのである。
更に詳細に説明すると、放熱部7から帰還経路8へ流入した液相作動流体11aは、この作動流体11の循環方向に沿って設けられた凹凸構造21aの凹部に引き込まれるという毛細管現象により、帰還経路8の内壁に濡れ広がるので、帰還経路8が気相作動流体11bにより分断されるという現象が生じにくくなり、結果として液相作動流体11aが受熱部5へ円滑に流入し易くなる。また、放熱部7の内底面に所定の間隔で設けられた内フィン22と平行な凹凸構造21bの凹部に液相作動流体11aが引き込まれるという毛細管現象が発生し、形成された凹凸構造21bに沿うように作動流体11が凝縮し、放熱部7の内壁へ濡れ広がるので、結果として放熱部7の下流側に接続した帰還経路8へ液相作動流体11aが円滑に流入し易くなる。
このような凹凸構造21の効果により、冷却装置4の駆動を安定させ、冷却性能の低下を抑制することができる。
次に、図6および図7を用いて冷却装置4の運転初期の動作について説明する。
冷却装置4の駆動時において、作動流体11の循環の初期段階では、一部に停留している作動流体11が存在し、循環経路9内壁には、図6(a)に示すような、液相作動流体11aが内壁との接触角θの大きな状態でまだらに付着し停留している。
このとき循環経路9内では、この停留した液相作動流体11aが障壁となり、作動流体11を円滑に循環させることが困難となるので、作動流体11が帰還経路8内から、受熱部5まで流入し難くなっている。
そこで、本実施の形態の特徴のように帰還経路8内に凹凸構造21aを設けることにより、帰還経路8の内壁にまだらに付着した液相作動流体11aと帰還経路8の内壁において毛細管現象が発生することで、図6(b)に示すように、帰還経路8の内壁面と液相作動流体11aとの接触角θが小さくなるので、図7(a)に示すように、まだらに付着していた液相作動流体11aが帰還経路8の内壁で濡れ広がり易くすることができ、つまりは作動流体11の循環の障壁を小さくすることができるので、停留した作動流体11の循環を円滑に開始させることができる。
また次に、同じく図6および図7を用いて発熱体3の発熱量が、例えば数十Wである低発熱時から数百Wの高発熱時の範囲で変化するときの動作について説明する。
高発熱時は受熱部5において爆発的な沸騰現象が生じるので、作動流体11の循環に十分な駆動力が得られ、帰還経路8内に気相作動流体11bが混入し液相作動流体11aを気相作動流体11bが分断した場合に、液相作動流体11aの表面張力γSがはたらいたとしても、その表面張力γSを打ち破り作動流体11の循環を安定して行うことができる。
しかしながら、低発熱時は受熱部5における沸騰現象が緩やかなので、作動流体11の循環に十分な駆動力が得られず、帰還経路8内に気相作動流体11bが混入し液相作動流体11aを気相作動流体11bが分断した場合に、液相作動流体11aの表面張力γSがはたらいたとき、その表面張力γSを打ち破ることが出来ないので、気相作動流体11bがそのまま帰還経路8内に停留することとなり、作動流体11が帰還経路8から受熱部5まで流入できなくなるという現象、すなわちドライアウトが発生する。
そこで、本実施の形態の特徴のように、帰還経路8の内壁に凹凸構造21aを設けることにより、液相作動流体11aが帰還経路8の内壁面上に濡れ広がる毛細管現象が得られ、つまり液相作動流体11aの表面張力γSを相対的に小さくすることができるので、図6(b)に示すように、帰還経路8の内壁面と液相作動流体11aとの接触角θが小さくなり、図7(b)に示すように、低発熱時のように作動流体11の循環の駆動力が小さくても、作動流体11の循環を円滑に行うことができ、冷却装置4の駆動を安定させ、冷却性能の低下を抑制することができる。
尚、作動流体11の循環の障壁を小さくすることができるので、循環経路9の高低差が小さくても作動流体11を安定して循環させることができるので、製品の構成を全体的に低背化することができ、冷却装置の設置スペースに厳しい制限のある製品への活用を図ることができる。
尚、放熱経路6内部に凹凸構造21を設けても良く、この構成により放熱経路6内を循環する作動流体11の一部が、放熱経路6内壁にて凝縮する際に毛細管現象により放熱経路6内壁上に薄く濡れ広がることとなり、つまりは作動流体11の循環の障壁を小さくすることができるので、作動流体11の循環を円滑に行うことができ、冷却装置4の駆動を更に安定させることができる。
また更に、循環経路9を形成する、放熱経路6と帰還経路8とを同じ部材にて製造することができるので、冷却装置4の製造コストを抑えることができる。
尚、放熱経路6の外壁面側には断熱手段を設けても良く、この構成により放熱経路6内での過度の凝縮を防ぐことができ、作動流体11の循環を円滑に行うことができる。
尚、流入口15および排出口16は、受熱カバー14の側面に設けても良く、この構成により受熱部5の構造を低背化でき、発熱体3上部の設置スペースに高さ方向の制限がある場合でも、冷却装置4の設置が可能となる。
尚、上記実施形態においては、冷却装置4を電気自動車1に適用したものを説明したが、電子機器に冷却装置4を適用することも出来る。
本発明にかかる冷却装置は、循環経路の内壁に凹凸構造を設けることで、液相作動流体が内壁へ濡れ広がり、作動流体の循環の障壁を小さくすることがでる。この結果として、液相作動流体が帰還経路や受熱部へ円滑に流入し易くなるので、冷却装置の駆動を安定させ、冷却性能の低下を抑制する効果を奏する。また更に、作動流体の循環の障壁が小さくなることで、循環経路の高低差が小さくても作動流体が安定して循環するので、その結果として電気自動車や、各種電子機器などへの活用が有用である。
1 電気自動車
1a 車軸
1b 電動機
2 インバータ回路
3 発熱体
4 冷却装置
5 受熱部
6 放熱経路
7 放熱部
8 帰還経路
9 循環経路
10 逆止弁
11 作動流体
11a 液相作動流体
11b 気相作動流体
12 受熱板
13 受熱空間
14 受熱カバー
15 流入口
16 排出口
17 放熱フィン
18 送風機
21 凹凸構造
21a 凹凸構造
21b 凹凸構造
22 内フィン
101 受熱部
102 放熱部
103 放熱経路
104 帰還経路
105 発熱体
106 循環経路
107 作動流体
108 逆止弁

Claims (6)

  1. 作動流体の循環により、発熱体の冷却を行うものであって、前記発熱体からの熱を受熱する受熱部と、外気へ熱を放熱する放熱部とを備え、前記受熱部は、前記発熱体に接触させて熱を吸収する受熱板と、前記受熱板の表面を覆うとともに表面に流れ込んだ前記作動流体を蒸発させる受熱空間を形成する受熱カバーと、前記受熱空間に凝縮した前記作動流体が流入する流入口と、前記作動流体が排出される排出口とを備え、前記受熱部の前記排出口と放熱部とを接続する放熱経路と、前記放熱部と前記受熱部の前記流入口とを接続する帰還経路とによる循環経路を備え、前記帰還経路には、前記流入口に凝縮して停留した前記作動流体の水頭高さによる水頭圧と前記帰還経路内と前記受熱空間内との圧力バランスによって開動する逆止弁とを備えたものであって、前記循環経路内の少なくとも一部に凹凸構造を有したことを特徴とする冷却装置。
  2. 帰還経路に凹凸構造を設けたことを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
  3. 放熱部に凹凸構造を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の冷却装置。
  4. 帰還経路に設けた凹凸構造は、前記作動流体循環方向に沿って形成することを特徴とする請求項2記載の冷却装置。
  5. 請求項1から4いずれかひとつに記載の冷却装置の受熱部を、発熱体に熱伝導可能状態で取り付けた電気自動車。
  6. 請求項1から4いずれかひとつに記載の冷却装置の受熱部を、発熱体に熱伝導可能状態で取り付けた電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109689405A (zh) * 2016-09-09 2019-04-26 株式会社电装 设备温度调节装置

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