JP2013170656A - 軸受装置の予圧調整構造および予圧調整方法 - Google Patents

軸受装置の予圧調整構造および予圧調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 外部からの温度等の制御を必要とせず、比較的簡単な構造で予圧調整を行うことができる軸受装置の予圧調整構造および予圧調整方法を提供する。
【解決手段】 この軸受装置の予圧調整構造は、共通の軸1をハウジング2に対して支持する複数の転がり軸受形の軸受3,4を備える。これら各軸受が定位置予圧形式で予圧された軸受装置において、各軸受3,4の内輪3a,4aを軸1に対して次の初期締め代とする。すなわち、最低一つの軸受3は、内輪3aが、この軸受3の最高回転速度内で常に軸1に締まり嵌め状態となるように、軸1に固定とする。残りの軸受4は、内輪4aが、回転停止状態では締まり嵌めとなり、前記最高回転速度未満の遷移回転速度以上の高速ではすきま嵌めとなって軸1に対して移動可能となるようにする。
【選択図】 図2

Description

この発明は、工作機械主軸装置等において高速で使用される軸受装置の予圧調整構造および予圧調整方法に関する。
従来、工作機械主軸装置に使用される軸受の予圧方式には、高速軽切削加工を目的としてばね等で一定の負荷しか軸受に作用しない定圧予圧方式と、軸受の組立位置を固定して使用する定位置予圧方式とがある。この定位置予圧方式は低速での重切削加工を目的とするため、予圧を負荷した状態で使用されることが多い。しかし、予圧を負荷した軸受を高速で運転すると、主に内輪の温度上昇と遠心力による膨張のため、ラジアル負すきま量が増大してしまう。その結果、予圧過大となって、温度上昇さらには軸受寿命を低下させる等の不具合を発生させる場合がある。
加工精度と加工能率を考えた場合、定位置予圧方式で高速加工を行いたいが、軸受剛性と高速性は相反する要因であり、両立が難しいのが現状である。軸受を高速運転した時に生じる過大予圧を緩和させるための方法として、以下に挙げる技術が提案されている(特許文献1〜3)。
特許文献1に開示された方法は、ねじとばねを利用することで、機械的に低速での重切削加工時に定位置予圧とし、高速時にはばねによる定圧予圧が付与できるようにしたものである。
特許文献2に開示された方法は、背面組合せされたアンギュラ玉軸受において、軸受間(背面側)に配置された外輪間座に発熱部を設け、間座の寸法を温度制御により変化させることで軸受予圧を調整するものである。この方法において、低速での重切削加工時には、予圧を大として軸受剛性を高くする。この場合、間座を加熱することで軸方向に膨張させて予圧を大きくしている。一方、高速での軽切削加工時においては、発熱を抑制し限界速度を向上させるために、低速時とは逆に放熱することで間座を収縮させて予圧を減少させている。
特許文献3に開示された方法は、組合せ軸受の一部外輪を軸方向に段階的に位置決めしながら移動させることで、軸受の軸方向すきまを変化させて予圧を調整するものである。一例として、0〜使用最高回転速度域で、3 段階の予圧調整が可能とされるものが開示されている。具体的には,4 列のアンギュラ玉軸受の前側2列軸受の外輪を外筒に固定し、後側2列軸受の外輪を固定した軸受箱を軸方向に油圧力を使用して、3 段階に軸方向移動させることで軸受の軸方向すきまを変えている。
特開平3−79205号公報 特開2006−64127号公報 特開平2−279203号公報
運転中の軸受予圧は、内外輪の温度差の影響を受ける。一般的に鋼製の内外輪を使用して運転すると、内輪での発生熱は軸受箱が強制冷却される外輪側に比べ放熱し難く、結果として内外輪の温度は、
内輪温度>外輪温度
となってしまう。すなわち、運転中の内輪軌道径の膨張量は、この温度上昇と回転による遠心力のため、外輪軌道径の膨張量に対して大きくなってしまう。このことが、運転中の予圧増大をもたらす主要因となっている。
この運転中の予圧増大要因のことを念頭に置いて、上記各特許文献1〜3に開示された技術についてその特性を見てみると、以下のことが言える。
特許文献1に開示の方法では、構造が複雑となり、コスト面で高価なものになってしまう。
また、特許文献2に開示の方法では、発熱体による間座の温度上昇、または冷却に時間を要し、予圧制御の応答性が悪くなってしまう欠点がある。すなわち、一定回転速度での長時間加工には向いているが、頻繁に回転速度が変化する加工機には不向きである。
また、特許文献3に開示のように、軸受外輪を軸方向に強制的に移動させて予圧調整する方法は、後ろ側軸受部において軸受箱と外筒の2重構造となっていること、軸受箱を軸方向に移動して位置決めする部品が必要になるなど、部品点数が多くなってしまう。また、予圧調整を行うための軸受箱の移動手段として油圧源が必要となる。このように、この方法では、予圧調整のためのコストが高くなってしまうという課題がある。
この発明の目的は、外部からの温度等の制御を必要とせず、比較的簡単な構造で予圧調整を行うことができて、低速では定位置予圧軸受特有の高い支持剛性を与え、かつ単なる定位置予圧の軸受では到達困難な高速回転を、簡便な自律機構で達成することができる軸受装置の予圧調整構造および予圧調整方法を提供することである。
この発明の軸受装置の予圧調整構造は、共通の軸をハウジングに対して支持する複数の転がり軸受形の軸受を備え、これら複数の軸受のうちの一部または全部の軸受がアンギュラ玉軸受か円すいころ軸受であり、これら各軸受が定位置予圧形式で予圧された軸受装置において、最低一つの軸受は、内輪が、この軸受の最高回転速度内で常に軸に締まり嵌め状態となるように、軸に固定とし、残りの軸受は、内輪が、回転停止状態では締まり嵌めとなり、前記最高回転速度未満の遷移回転速度以上の高速回転ではすきま嵌めとなって軸に対して移動可能となるように、各軸受の内輪の軸に対する初期締め代を設定したことを特徴とする。上記「最高回転速度」は、例えばこの軸受装置が用いられる工作機械等の機器における使用回転速度、または軸受の許容最高回転速度である。
この構成によると、定位置予圧形式であり、かつ複数の軸受のうち、最低一つの軸受は内輪が最高回転速度内で常に軸に締まり嵌め状態となるように、軸に固定としてあるため、予圧によって常に高い軸受剛性が得られ、工作機械等に用いた場合に、低速回転での重切削加工等も精度良く行える。残りの軸受は、回転停止状態や低速状態では締まり嵌めであるが、遷移回転速度以上の高速回転ではすきま嵌めとなって軸に対して移動可能となるように、内輪の軸に対する初期締め代が設定されている。そのため、高速回転を行っても、予圧過大となって過度の温度上昇や軸受寿命の低下を招くことが回避される。また、回転速度による締め代の変化を利用した予圧調整であるため、外部からの制御を必要としない。
このように、外部からの温度等の制御を必要とせず、比較的簡単な構造で予圧調整を行うことができて、低速では定位置予圧軸受特有の高い支持剛性を与え、かつ単なる定位置予圧の軸受では到達困難な高速回転を、簡便な自律機構で達成することができる。
この発明において、締まり嵌めからすきま嵌めとなる前記遷移回転速度は、任意に設定すれば良いが、例えば、軸の高い支持剛性が求められる速度域の上限に設定しても良い。「軸の高い支持剛性が求められる速度域」は、工作機械の主軸に適用される場合は、例えば重切削加工を行う速度域である。
なお。遷移回転速度は、例えば次の速度とする。内輪が締まりばめで且つ定位置予圧において,回転速度の上昇による軸受予圧増大の許容値(いいかえれば許容軸受温度)がある。経験的に締まりばめ,定位置予圧条件での限界回転速度は,概ねdmn値で100万であり,この速度を遷移回転速度とする。
この発明において、軸受の内輪を軸に位置決め固定する環状の幅可変内輪間座を設け、この幅可変内輪間座を、運転中の径方向膨張量が異なる2体の環状の内輪間座分割体で構成し、膨張量小の側の内輪間座分割体に凸のテーパ面を、膨張量大の側の内輪間座分割体に凹のテーパ面を形成し、これらテーパ面の嵌め合いで軸方向の位置決めを行なうようにしても良い。
この場合に、定位置予圧で予圧される複数の軸受のうち、前記内輪間座分割体に接する側の軸受の内輪の軸との嵌め合いが、前記遷移回転速度未満の低速回転時に締まり嵌めとなり、前記遷移回転速度以上の高速回転時にすきま嵌めとなるように、初期締め代を設定しても良い。
前記2体の内輪間座分割体のうち、軸受に接する側の内輪間座分割体を、前記凸のテーパ面を有しかつ運転中の温度上昇および遠心力による径方向膨張量が小さくなる材質とし、軸肩部に接する側のもう1体の内輪間座分割体を、前記凹のテーパ面を有しかつ運転中の温度上昇および遠心力による径方向膨張量が大きくなる材質としても良い。
前記凸のテーパ面を有する内輪間座分割体をセラミックス製とし、前記凹のテーパ面を有する内輪間座分割体を鋼製としても良い。
前記2体の内輪間座分割体のテーパ面のテーパ角度は、例えば、これら内輪間座分割体の膨張量差、予圧調整量、および食い込みを考慮して決定する。
上記2体の環状の内輪間座分割体からなる幅可変内輪間座を用いた場合の予圧調整の作用につき説明する。軸受個数は2つでその間に内輪間座があり、また凸のテーパ面を有する内輪間座分割体をセラミックス製、凹のテーパ面を有する内輪間座分割体を鋼製として説明する。
低速時には2列の軸受の外輪間の間座幅寸法と内輪間の間座幅寸法差により予圧が設定される。回転速度の上昇に伴い、奥側軸受の内輪と軸との嵌め合い部では、内輪と軸とに作用する遠心力の差(内輪>軸)により締め代が減少し、すきまが発生して内輪の軸方向移動を容易にさせる。また、幅可変内輪間座(2体の内輪間座分割体)において、回転速度上昇によるセラミックス製の内輪間座分割体と鋼製の内輪間座分割体の遠心力の差(セラミックス製内輪間座分割体<鋼製内輪間座分割体)、さらに温度による熱膨張差(セラミックス製内輪間座分割体<鋼製内輪間座分割体)により、テーパ面合わせ部では径方向にすきまを発生させて2体の内輪間座分割体による総幅はすきまの増大とともに小さくなって行く。すなわち、回転速度の上昇に伴う内輪位置決め間座幅寸法の減少は、奥側軸受の内輪を軸方向に移動させることになり、軸受予圧の増大を緩和させる方向に作用することになる。逆に、高速からの減速時においては、遠心力の減少と温度の降下により、奥側軸受の内輪を予圧を増大させる方向に移動させることになり、初期の予圧状態に戻る。
ここで、幅可変内輪間座となる2体の内輪間座分割体のうち、セラミックス製内輪間座分割体は、密度と線膨張係数が鋼製のものより小さく、ヤング率が大きければ材質を問わない。また、2体の内輪間座分割体のテーパ部角度は、使用回転速度と運転中の目標とする予圧調整量によって設定される。
上記はそれぞれテーパ面を有する2体の内輪間座分割体により内輪位置を自動調整させる例を示したが、次のように種々のばねを用いても良い。
例えば、前記遷移回転速度以上の高速回転ではすきま嵌めとなって軸に対して移動可能となる軸受の内輪に隣接して、この内輪を軸に位置決め固定するばねを設けても良い。
この場合に、前記ばねの一部を軸に対して締まり嵌めとしても良い。また、前記ばねは皿ばねであっても良い。
この発明において、前記内輪間座を2体の環状の内輪間座分割体とした場合に、軸受に接する側の内輪間座分割体の外径部に、前記軸受の内輪に向けて突出して内径が前記内輪の外径に嵌まり合う円環部を設け、この円環部の初期締め代を、回転停止状態ではすきま嵌めとなり、前記遷移回転速度未満の低速では締まり嵌めとなるように設定したも良い。
この発明において、軸受に接しない側の内輪間座分割体の軸に対する締め代を、絶えず締まり嵌めとなるように設定しても良い。
この発明において、前記2体の内輪間座分割体またはばねが隣接する前記軸受の内輪の前記隣接位置とは反対側に位置する間座の外径部に、前記軸受の内輪に向けて突出して内径が前記内輪の外径に嵌まり合う円環部を設け、この円環部の初期締め代を、回転停止状態ではすきま嵌めとなり、前記内輪と軸がすきま嵌めとなる前記遷移回転速度以上の高速回転では締まり嵌めとなるように設定しても良い。
この場合に、前記円環部が、前記間座の内周の間座機能部分とは別部品であっても良い。また、この場合に、前記間座の軸に対する締め代を、絶えず締まり嵌めとなるように設定しても良い。
この発明の工作機械は、この発明の前記いずれかの構成の軸受装置の予圧調整構造を有する軸受スピンドルを備えたことを特徴とする。
この構成によると、軸受スピンドルの低速での剛性を高めると共に、高速回転も可能となるので、重切削が可能で、かつ加工精度を向上させることができる。
この構成の工作機械において、前記軸受装置における前記締まり嵌めからすきま嵌めに遷移する遷移回転速度を、工作機械に求められる重切削加工での最高回転速度以上に設定しても良い。
この構成によると、低速での重切削加工が高精度に行え、かつ高速での軽切削加工が可能で、加工効率を向上させることができる。
この発明の軸受装置の予圧調整方法は、共通の軸をハウジングに対して支持する複数の転がり軸受形の軸受を備え、これら複数の軸受のうちの一部または全部の軸受がアンギュラ玉軸受か円すいころ軸受であり、これら各軸受が定位置予圧形式で予圧された軸受装置の予圧調整方法において、最低一つの軸受は、内輪が、この軸受の最高回転速度内で常に軸に固定とし、残りの軸受は、内輪を運転中に軸方向に移動させることで予圧調整を行なうことを特徴とする。
この方法によると、外部からの温度等の制御を必要とせず、比較的簡単な構造で予圧調整を行うことができる。また、低速では定位置予圧軸受特有の高い支持剛性を与え、かつ単なる定位置予圧の軸受では到達困難な高速回転を、簡便な自律機構で達成することができる。
この発明の軸受装置の予圧調整構造は、共通の軸をハウジングに対して支持する複数の転がり軸受形の軸受を備え、これら複数の軸受のうちの一部または全部の軸受がアンギュラ玉軸受か円すいころ軸受であり、これら各軸受が定位置予圧形式で予圧された軸受装置において、最低一つの軸受は、内輪が、この軸受の最高回転速度内で常に軸に締まり嵌め状態となるように、軸に固定とし、残りの軸受は、内輪が、回転停止状態では締まり嵌めとなり、前記最高回転速度未満の定められた遷移回転速度以上の高速回転ではすきま嵌めとなって軸に対して移動可能となるように、各軸受の内輪の軸に対する初期締め代を設定したため、外部からの温度等の制御を必要とせず、比較的簡単な構造で予圧調整を行うことができる。また、低速では定位置予圧軸受特有の高い支持剛性を与え、かつ単なる定位置予圧の軸受では到達困難な高速回転を、簡便な自律機構で達成することができる。
この発明の工作機械は、この発明の前記いずれかの構成の軸受装置の予圧調整構造を有する軸受スピンドルを備えるので、軸受スピンドルの低速での剛性を高めると共に、高速回転も可能となり、加工精度を向上させることができる。
この発明の軸受装置の予圧調整方法は、共通の軸をハウジングに対して支持する複数の転がり軸受形の軸受を備え、これら複数の軸受のうちの一部または全部の軸受がアンギュラ玉軸受か円すいころ軸受であり、これら各軸受が定位置予圧形式で予圧された軸受装置の予圧調整方法において、最低一つの軸受は、内輪が、この軸受の最高回転速度内で常に軸に固定とし、残りの軸受は、内輪を運転中に軸方向に移動させることで予圧調整を行なうため、外部からの温度等の制御を必要とせず、比較的簡単な構造で予圧調整を行うことができる。また、低速では定位置予圧軸受特有の高い支持剛性を与え、かつ単なる定位置予圧の軸受では到達困難な高速回転を、簡便な自律機構で達成することができる。
この発明の一実施形態にかかる軸受装置の予圧調整構造を用いた工作機械主軸装置の断面図である。 同予圧調整構造の部分の拡大断面図である。 同予圧調整構造による予圧調整を表した予圧曲線である。 同予圧調整構造における予圧調整のメカニズムを示す説明図である。 この発明の他の実施形態にかかる軸受装置の予圧調整構造の断面図である。 同予圧調整構造による予圧調整を表した予圧曲線である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる軸受装置の予圧調整構造の断面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる軸受装置の予圧調整構造の断面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる軸受装置の予圧調整構造の断面図である。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図4と共に説明する。図1は、この実施形態の軸受装置の予圧調整構造が適用された工作機械主軸装置の一例の断面図を示す。この工作機械主軸装置は、主軸1の前側(同図の左側)に工具(図示せず)が取付けられ、後側(同図の右側)にモータ等の駆動源が回転伝達機構(図示せず)を介して連結される。この主軸1を共通の軸としてハウジング2に対して支持する複数の転がり軸受形の軸受3,4,5が設けられる。工作機械主軸装置における工具取付け側である前側には、ラジアル負荷とアキシアル負荷を受ける2つのアンギュラ玉軸受3,4が背面組合せで配置され、後側にはラジアル荷重を受けながら主軸1の振れ止めを目的とする円筒ころ軸受5が配置される。これらの軸受3〜5は、それぞれ主軸1に嵌め合い固定されている。
2つのアンギュラ玉軸受3,4の内輪3a,4aは、内輪間座6,幅可変内輪間座10と、初期予圧設定用の内輪間座7と、軸受固定ナット13と、主軸1の肩部1aの端面1aaとで軸方向位置が規制されている。幅可変内輪間座10は、2体の内輪間座分割体11,12からなる。外輪3b,4bは、ハウジング2の前側端部に固定された蓋部材14と1つの外輪間座8と、ハウジング2の段差部2aとで軸方向位置が規制されている。後ろ側の円筒ころ軸受5の内輪5aは、主軸1に螺合される軸受固定ナット15と軸受押さえ16と、主軸1の肩部1aの端面1abとで軸方向位置が規制され、外輪5bはハウジング2の後ろ側端部に固定された蓋部材17とハウジング2の段差部2bとで軸方向位置が規制されている。
前側のアンギュラ玉軸受3,4と後ろ側の円筒ころ軸受5は、通常、主軸1の剛性を確保するため、組立後の軸受内部すきまを0〜負すきまとするのが一般的である。また、前記各軸受の潤滑には、グリース、ジェット潤滑、エアオイル潤滑等の方法が用いられる。図2は、前記工作機械主軸装置におけるこの実施形態の軸受装置の予圧調整構造が設けられている部分を拡大して示す断面図である。なお、図2では、内輪間座6を省略して、軸受固定ナット13を直接アンギュラ玉軸受3の内輪3aの前側端面に当接させた構造を示している。
この実施形態の軸受装置の予圧調整構造は、前記2つのアンギュラ玉軸受3,4の運転中の予圧調整を行なうものである。普通、アンギュラ玉軸受を運転すると、先述したように回転に伴う軸受温度上昇(内輪温度上昇>外輪温度上昇)と遠心力により、軸受予圧が増大する。この実施形態の軸受装置の予圧調整構造では、運転中の軸受予圧を、2つのアンギュラ玉軸受3,4のうち、後側のアンギュラ玉軸受4の内輪4aを軸方向に移動させることで、軸受内部すきまを変えて予圧調整する。
この実施形態の軸受装置の予圧調整構造での特徴は次の2点である。1点目は、アンギュラ玉軸受3,4の内輪3a,4aの嵌め合いである。すなわち、2つのアンギュラ玉軸受3,4のうち、前側のアンギュラ玉軸受3の内輪3aについては最高回転数到達時において締め代が確保される締まり嵌めとし、奥側のアンギュラ玉軸受4の内輪4aについては,予圧調整が必要となる高速域において主軸1との嵌め合いが、すきま嵌めとなるような初期締め代としている。
特徴の2点目は、奥側のアンギュラ玉軸受4の内輪4aと主軸1の肩部1aとの間に介在させる内輪間座10を、2体の内輪間座分割体11,12からなる幅可変内輪間座として構成したことである。2体の内輪間座分割体11,12のうち、アンギュラ玉軸受4の内輪4a側に配置した内輪間座分割体12は、セラミックス等の密度が小さく線膨張係数の小さな材質で製作され、主軸1の肩部1a側に配置したもう1体の内輪間座分割体12は鋼製とされている。内輪4a側に位置する1体の内輪間座分割体12には、内輪4a側が大径となる角度αの凸のテーパ面11aが形成され、主軸1の肩部1a側に位置するもう1体の内輪間座分割体12には、内輪4a側が大径となる角度αの凹のテーパ面12aがそれぞれ形成されており、これら両内輪間座分割体11,12がそれらのテーパ面11a,12aで嵌め合い状態とされている。
前記テーパ面11a,12aの角度αは、運転中に生じる軸受予圧の増大を緩和するための奥側内輪4aの軸方向移動量と、移動の再現性とを考慮して決定されるが、小さな角度にならないように設定される。そして、内輪4a側に位置する内輪間座分割体11の主軸1との初期嵌め合いは、使用回転速度域において締まり嵌めとならない大きさとされる。また、主軸1の肩部1a側に位置する内輪間座分割体12のもう一体の内輪間座分割体11との初期嵌め合いについては、両内輪間座分割体11,12の組立時の調芯を考慮して若干の締まり嵌めとするのが望ましい。
このように構成された軸受装置の予圧調整構造によって行なわれる運転中の軸受予圧調整は、以下のようになる。
アンギュラ玉軸受3,4の運転開始からある速度までは、両軸受3, 4とも締まり嵌めとなり、軸受剛性も確保されて重切削加工にも対応できる。さらに高速域(すなわち、遷移回転速度以上の高速)になると、前側のアンギュラ玉軸受3の内輪3aは締まり嵌めのままで、奥側のアンギュラ玉軸受4の内輪4aは締まり嵌めからすきま嵌めに移行する。このとき、アンギュラ玉軸受3,4の位置決め用の2体の内輪間座分割体11,12では、線膨張係数、密度、ヤング率の差により,内輪間座分割体11,12間で径方向の膨張量差が生じる。凸のテーパ面11aつまり外径側にテーパ面11aを有する内輪間座分割体11は材質がセラミックス等とされていることから、凹のテーパ面12aつまり内径側にテーパ面12aを有する鋼製の内輪間座分割体12に比べて運転中の径方向膨張量が小さく、テーパはめあい部ではすきまが生じる方向に変化する。すなわち、内輪4a側に位置する内輪間座分割体11には、前記テーパはめあい部のすきまに対応した軸方向への移動が生じる。その結果、奥側のアンギュラ玉軸受4の内輪4aは軸受予圧により軸方向に容易に移動でき、軸受予圧の調整が可能となる。
なお、奥側のアンギュラ玉軸受4の内輪4aが高速域で径方向にすきま嵌めとなることは軸受剛性の面で不利となるが、アキシアル方向の予圧は作用している状態を維持するため、軽切削加工が主である高速域も実用上問題はない。また、高速からの減速時においては、増速時とは逆に、内径側にテーパ面12aを有する鋼製の内輪間座分割体12が径方向に収縮することにより、奥側のアンギュラ玉軸受4の内輪4aが予圧増加する側に移動することになる。
この予圧調整方法を概念的に表したのが図3と図4である。図3に示すように、この予圧調整方法では、2 本の予圧曲線を設定できる。1つは重切削加工に対応する曲線Iに相当するもので、奥側のアンギュラ玉軸受4の内輪4aと主軸1間が締まり嵌めとなる領域(実線部)での予圧線図である。2つ目の曲線IIは、高速軽切削加工に対応する線図であり、奥側のアンギュラ玉軸受4の内輪4aと主軸1間がすきま嵌めとなり、2 体の内輪間座分割体11,12の遠心力と温度上昇による膨張差(内輪間座分割体12>内輪間座分割体11)で生じる奥側のアンギュラ玉軸受4の内輪4aの軸方向移動を伴った予圧線図である。
例えば、初期予圧を負荷したA点より運転を開始するとする。運転開始ともに両アンギュラ玉軸受3,4の内輪3a,4aの温度上昇と遠心力により、軸受予圧は増大して行く。B点では奥側のアンギュラ玉軸受4の内輪4aが締まり嵌めからすきま嵌めに移行し、B点より高速側では回転速度上昇による軸受予圧の増加と、2 体の内輪間座分割体11,12による予圧軽減作用のバランスにより予圧線図IIが設定される。よって、B点、C点の回転速度は、奥側のアンギュラ玉軸受4の内輪4aの主軸1との初期嵌め合い(B点)と軸受予圧荷重の上限となる最高回転速度(C点)で設定される。すなわち、A点〜B点の速度域では軸受剛性は高く、重切削加工にも対応できる。B点〜C点の速度域における軸受剛性は、低速時に比べ若干劣るが軽切削加工には十分対応できる。
図4は、2 体の内輪間座分割体11,12による軸受予圧の軽減作用において、両内輪間座分割体11,12の膨張量差および間座テーパ面角度αと内輪4a の軸方向移動量の関係を示したものである。奥側のアンギュラ玉軸受4の内輪4aの初期嵌め合い、温度上昇および遠心力による膨張を考慮した運転中の2体の内輪間座分割体11,12で、運転中の膨張量を小とする内輪4a側に位置する内輪間座分割体11の半径方向膨張量をYc、主軸1の肩部1a側に位置する内輪間座分割体12の半径方向膨張量をYs、テーパ面角度をαとし、2 体の内輪間座分割体11,12の膨張量差による内輪4aの軸方向移動量をXcとすると、
Tanα=(Ys −Yc )/Xc
∴ Xc =(Ys −Yc )/Tanα
の関係が得られる。すなわち、2体の内輪間座分割体11,12の運転中の径方向膨張量(Ys,Yc)を計算で求め、必要な内輪移動量(Xc)から必要とするテーパ面角度αを求めることができる。
以上のことから、この予圧調整方法を設計するための手順は次のようになる。
(1) 初期予圧荷重および主軸1と奥側のアンギュラ玉軸4の内輪4aの初期締め代の決定:
重切削加工に必要な軸受剛性と回転速度(B 点)から、初期予圧荷重(A点)と奥側のアンギュラ玉軸受4の内輪4aの初期締め代を決定する。
(2) 奥側のアンギュラ玉軸受4の内輪4aの軸方向移動量(Xc)の設定:
B点での回転速度およびその状態での軸受温度分布において、軸受予圧が0となる初期の軸受内部すきまを計算で求め、その場合の内輪4aの軸方向位置をXa とする。目的とする最高回転速度と、そこで予期される軸受予圧の上限(C点)値から、その状態での軸受内部すきまを求め、その場合の内輪4aの軸方向位置をXb とすると、
Xc=(Xb −Xa )
として求めることができる。
(3) 2体の内輪間座分割体11,12のテ―パ角度αを求める:
B点回転速度からC点回転速度までの2 体の内輪間座分割体11,12の膨張量差(Ys−Yc )を計算する。この膨張量差(Ys−Yc )と内輪4aの軸方向移動量(Xc)よりテ―パ角度αを求める。
ここで注意すべき点は、初期の軸受内部すきま等を計算で求める際には、軸受温度、遠心力、内輪4aの嵌め合いを考慮する必要があるということである。また、最高回転速度で予期される軸受温度は、実験であらかじめ求めておく必要があるということである。
このように、この実施形態の軸受装置の予圧調整構造による予圧調整は、前記2体の内輪間座分割体11,12の回転速度に伴う遠心力、および線膨張係数差を利用して奥側のアンギュラ玉軸受4の内輪4aを軸方向に移動させることで軸受予圧を調整するものである。なお、この実施形態ではアンギュラ玉軸受3,4の予圧調整について説明したが、他の例として接触角を持つ円すいころ軸受にもこの予圧調整方法を適用できる。
この軸受装置の予圧調整構造によると、以下に列挙する効果が得られる。
(1) 予圧調整のための特別な設備および構造を外輪またはハウジング側に必要とせず、簡単な構成で軸受予圧の調整が可能となる。
(2) 運転中の軸受予圧の増大が緩和されて、さらなる高速化すなわち加工効率の向上、または軸受寿命の延長が図れる。
(3) 初期予圧を大きくでき、低速での主軸剛性を高めるとともに、加工精度の向上が期待できる。
(4) 高速回転下での軸受発熱量を低減できて、結果として主軸の熱変位も低減できる。
上記した軸受装置の予圧調整構造を軸受スピンドルに適用した場合、外部からの温度等の制御を必要とせず、比較的簡単な構造で軸受装置の予圧調整を行うことができるので、低速での剛性を高めると共に、高速回転も可能となる。
また、前記軸受スピンドルを搭載した工作機械では、軸受スピンドルの低速での剛性を高めると共に、高速回転も可能となるので、加工精度を向上させることができる。
また、その工作機械における主軸装置では、前記軸受装置における軸受の移動可能な内輪の軸との嵌め合い状態が締まり嵌めからすきま嵌めに遷移する回転速度を、工作機械に求められる重切削加工での最高回転速度以上に設定しているので、低速での重切削加工と高速での軽切削加工が可能で、加工効率を向上させることができる。
また、前記軸受装置の予圧調整方法では、前側のアンギュラ玉軸受3の内輪3aを、このアンギュラ玉軸受3の最高回転速度内で常に主軸1に固定とし、奥側のアンギュラ玉軸受4は、その内輪4aを運転中に軸方向に移動させることで予圧調整を行なうようにしているので、外部からの温度等の制御を必要とせず、比較的簡単な構造で予圧調整を行うことができる。また、低速では定位置予圧軸受特有の高い支持剛性を与え、かつ単なる定位置予圧の軸受では到達困難な高速回転を、簡便な自律機構で達成することができる。
図5および図6は、この発明の他の実施形態を示す。この軸受装置の予圧調整構造では、先の実施形態に用いた2体の内輪間座分割体11,12の代わりに、図5に示すように軸方向に作用するばね20を用いている。その他の構成は、先の実施形態の場合と同様である。この場合、ばね20が主軸1に対して偏るとアンバランスによる振動が増大するため、ばね20の一部を主軸1に対して締まり嵌めとすることが望ましい。そのために、ばね20として例えば皿ばねなど用いれば良い。
ばね20を用いたこの実施形態の場合の予圧線図を図6に示す。この予圧線図を参照して、ばね20を用いた場合の設計の手順を以下に説明する。
(1) C’点は軽切削加工で求められる最高回転速度である。予圧荷重は、あらかじめ実験で求めたこの回転速度に到達可能な予圧荷重となるように選定する。この予圧荷重を負荷できるばね20を選定する。
(2) B’点は重切削加工が求められる上限の回転速度か、あるいはこれよりもわずかに高い回転速度とする。また、B’点では、内輪4aと主軸1との締め代は0となるように設定する。なお、わずかに高い回転速度とした理由は、主軸1と内輪4aの嵌め合い部での摩擦力の影響を考慮するためである。
(3) B’−C’点の間では、内輪4aと主軸1はすきま嵌めであり、ばね20からの荷重が軸受の予圧荷重に相当するため、ほぼ一定の値となる。そのため、回転速度を上昇させても軸受内部の荷重が増加することがないため、限界回転速度は容易に高めることができる。
(4) A’−B’点の間では、内輪4aは主軸1に締まり嵌めで嵌め合わされており、軸方向には動かない。そのため、定位置予圧状態となる。その結果、軸受内部の予圧荷重は内輪4aの熱と遠心力による膨張のために、図6のように右上がりの曲線になる。ただし、内輪4aと主軸1は締まり嵌めで固定されているため、軸受による主軸1の支持剛性は高く、重切削加工が可能となる。
上記した2つの実施形態では、いずれも高速回転下で内輪4aは主軸1に対してすきま嵌めとなっており、内輪4aに対する主軸1の半径方向への偏りが発生する可能性がある。工作機械用にこれを適用した場合には、加工精度に直結するため、問題となる。これを解決するためには、高速回転下で内輪4aが膨張した際にその外径側で内輪4aを支持し、主軸1との半径方向の偏りを防止する部品を設ければ良い。このような対策を施した実施形態を、図7〜図9に示す。
図7に示す実施形態では、図1〜図4に示した実施形態において、前記内輪4aに隣接する内輪間座分割体11の外径部分の一部に、内輪4aの外径部の外側に突き出す円環部11bを設けている。この円環部11bの内径は、主軸1が静止時には内輪4aの外径とすきま嵌めとなっている。外径側にテーパ面11aを有する内輪間座分割体11の遠心力による膨張が、内輪4aの膨張よりも小さくなるように、内輪間座分割体11の材料を選定すれば、高速回転下では内輪4aが膨張し内輪間座分割体11の突出した円環部11bと締まり嵌めとなり、この部分の半径方向の遊び(ガタ)は無くなる。さらに、内径側にテーパ面12aを有する内輪間座分割体12は、外径側にテーパ面11aを有する内輪間座分割体11に対してテーパ面11a,12aで半径方向に案内されている。そのため、外径側にテーパ面11aを有する内輪間座分割体11と主軸1とが締まり嵌めになっていれば、内輪4aと主軸1との半径方向の遊びを無くすことができる。
図8に示す実施形態では、図1〜図4に示した実施形態において、両アンギュラ玉軸受3,4間の内輪間座7の外径部から軸方向に突出する円環部7aを設け、この円環部7aの内径が内輪4aの外径と、高速回転下でのみ締まり嵌めとなるように構成している。高速回転下では、内輪4aと締まり嵌めとなり、かつ、内輪4aの軸方向の移動を妨げない程度の締め代とする必要がある。主軸1が静止時には、前記内輪間座7の外径部から軸方向に突出する円環部7aと内輪4aとはすきま嵌めとする必要がある。さらに、前記内輪間座7の材質には、内輪4aよりも遠心力による膨張が小さくなる材質を選定する必要がある。また、主軸1と前記内輪間座7とは、内輪4aが主軸1とすきま嵌めとなる回転速度域で締まり嵌めとなることが必要となる。同速度域では、前記内輪間座7の円環部7aと内輪4aとはわずかな締まり嵌めとする必要がある。その際、摩擦力が低いほど、内輪4aが自由に動けるため、固体潤滑剤などの表面処理や内輪外径肩部寸法を小さくしたアンギュラ玉軸受4を設置するのが好ましい。
図9に示す実施形態は、図8に示した実施形態と類似の構造であるが、図8の実施形態における円環部付きの内輪間座7を、2体に分割した構造としている。その他の構成は図8の実施形態の場合と同様である。この内輪間座7において、高速回転下の内輪4aと半径方向に接触するのは、別体とした円環部7aのみである。この場合、遠心力に対する膨張を抑制したいのは別体の円環部7aのみであり、この部品のみをセラミックスなどの軽量かつ高剛性な材料を選んで製作すれば良い。また、前記内輪間座7の間座本体7Aおよび円環部7aはいずれも単純な円環状で、加工精度も向上させ易い。この場合、円環部付きの内輪間座7は、主軸1と絶えず締まり嵌めとなる締め代を選択する。
1…主軸
1a…肩部
2…ハウジング
3…前側アンギュラ玉軸受
3a…内輪
3b…外輪
4…奥側アンギュラ玉軸受
4a…内輪
4b…外輪
7…内輪間座
7a…円環部
7A…間座本体
10…幅可変内輪間座
11,12…内輪間座分割体
11a,12a…テーパ面
11b…円環部
20…ばね

Claims (9)

  1. 共通の軸をハウジングに対して支持する複数の転がり軸受形の軸受を備え、これら複数の軸受のうちの一部または全部の軸受がアンギュラ玉軸受か円すいころ軸受であり、これら各軸受が定位置予圧形式で予圧された軸受装置において、
    最低一つの軸受は、内輪が、この軸受の最高回転速度内で常に軸に締まり嵌め状態となるように、軸に固定とし、残りの軸受は、内輪が、回転停止状態では締まり嵌めとなり、前記最高回転速度未満の遷移回転速度以上の高速回転ではすきま嵌めとなって軸に対して移動可能となるように、各軸受の内輪の軸に対する初期締め代を設定したことを特徴とする軸受装置の予圧調整構造。
  2. 請求項1において、軸受の内輪を軸に位置決め固定する環状の幅可変内輪間座を設け、この幅可変内輪間座を、運転中の径方向膨張量が異なる2体の環状の内輪間座分割体で構成し、膨張量小の側の内輪間座分割体に凸のテーパ面を、膨張量大の側の内輪間座分割体に凹のテーパ面を形成し、これらテーパ面の嵌め合いで軸方向の位置決めを行なう軸受装置の予圧調整構造。
  3. 請求項2において、定位置予圧で予圧される複数の軸受のうち、前記内輪間座分割体に接する側の軸受の内輪の軸との嵌め合いが、前記遷移回転速度未満の低速回転時に締まり嵌めとなり、前記遷移回転速度以上の高速回転時にすきま嵌めとなるように、初期締め代を設定した軸受装置の予圧調整構造。
  4. 請求項2または請求項3において、前記2体の内輪間座分割体のうち、軸受に接する側の内輪間座分割体を、前記凸のテーパ面を有しかつ運転中の温度上昇および遠心力による径方向膨張量が小さくなる材質とし、軸肩部に接する側のもう1体の内輪間座分割体を、前記凹のテーパ面を有しかつ運転中の温度上昇および遠心力による径方向膨張量が大きくなる材質とした軸受装置の予圧調整構造。
  5. 請求項2ないし請求項4のいずれか1項において、前記凸のテーパ面を有する内輪間座分割体をセラミックス製とし、前記凹のテーパ面を有する内輪間座分割体を鋼製とした軸受装置の予圧調整構造。
  6. 請求項1において、前記遷移回転速度以上の高速回転ではすきま嵌めとなって軸に対して移動可能となる軸受の内輪に隣接して、この内輪を軸に位置決め固定するばねを設けた軸受装置の予圧調整構造。
  7. 請求項2ないし請求項5のいずれか1項において、軸受に接する側の内輪間座分割体の外径部に、前記軸受の内輪に向けて突出して内径が前記内輪の外径に嵌まり合う円環部を設け、この円環部の初期締め代を、回転停止状態ではすきま嵌めとなり、前記遷移回転速度未満の低速では締まり嵌めとなるように設定した軸受装置の予圧調整構造。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の軸受装置の予圧調整構造を有する
    軸受スピンドルを備えたことを特徴とする工作機械。
  9. 共通の軸をハウジングに対して支持する複数の転がり軸受形の軸受を備え、これら複数の軸受のうちの一部または全部の軸受がアンギュラ玉軸受か円すいころ軸受であり、これら各軸受が定位置予圧形式で予圧された軸受装置の予圧調整方法において、
    最低一つの軸受は、内輪が、この軸受の最高回転速度内で常に軸に固定とし、残りの軸受は、内輪を運転中に軸方向に移動させることで予圧調整を行なうことを特徴とする軸受装置の予圧調整方法。
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