JP2013170150A - ヒアルロン酸オリゴ糖を有効成分とする分子シャペロン発現誘導剤 - Google Patents

ヒアルロン酸オリゴ糖を有効成分とする分子シャペロン発現誘導剤 Download PDF

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Abstract

【解決課題】本発明は,ヒアルロン酸オリゴ糖の,分子シャペロン発現誘導に対する効果を明らかにし,ヒアルロン酸オリゴ糖を有効成分とする分子シャペロン発現誘導剤を提供することを課題とする。
【解決手段】ヒアルロン酸オリゴ糖,ヒアルロン酸オリゴ糖の塩又はヒアルロン酸オリゴ糖の誘導体を有効成分として含有する分子シャペロン発現誘導剤は,細胞内の分子シャペロンの発現を促進する。
【選択図】図1

Description

本発明は,ヒアルロン酸オリゴ糖を有効成分とする分子シャペロン発現誘導剤に関する。具体的に説明すると,本発明は,細胞内のシャペロンタンパク質の発現を誘導する分子シャペロン発現誘導剤に関する。
従来から,ヒアルロン酸は,医薬品や化粧料に保湿成分として用いられている。また,ヒアルロン酸は,関節,皮膚,脳などの細胞外マトリックスを構成する天然高分子としても知られている。
ヒアルロン酸は,D−グルクロン酸とN−アセチル−D−グルコサミンの二糖単位が連結した多糖類である。ヒアルロン酸は,その分子量によって,高分子量ヒアルロン酸,低分子量ヒアルロン酸又は超低分子量ヒアルロン酸であるヒアルロン酸オリゴ糖に分類される。高分子量ヒアルロン酸の分子量は一般的に10万から100万程度である。低分子量ヒアルロン酸の分子量は1万から10万程度である。超低分子量ヒアルロン酸であるヒアルロン酸オリゴ糖の分子量は,400から1万程度である(非特許文献1)。
特許文献1には,ヒアルロン酸オリゴ糖を含有する医薬品は,熱ショック蛋白質発現増強剤,細胞死抑制剤,細胞障害抑制剤,及び細胞・組織保護剤として有用であることが開示されている。特許文献1では,熱ショック蛋白質発現を増強させることで,細胞死を抑制することができるとされている。
国際公開第2002−004471号公報
Science, 第228巻第1324〜1326頁(1985年)
ヒアルロン酸は,様々な生理活性を持っており,その生理活性は分子量によって大きく異なる。特に,ヒアルロン酸オリゴ糖は,低分子量のヒアルロン酸や高分子量のヒアルロン酸と非常に異なる生理活性を持つことが知られているが,その機能や効用は未だ明らかではなかった。ヒアルロン酸オリゴ糖は,熱ショックタンパク質の発現を「増強」させることは分かっているが,細胞内のシャペロンタンパク質の発現を「誘導」することについては明らかではなかった。
そこで,本発明は,ヒアルロン酸オリゴ糖を有効成分として含有し,細胞内の分子シャペロンの発現を誘導する分子シャペロン発現誘導剤を提供することを課題とする。
本発明者は,ヒアルロン酸オリゴ糖を有効成分として含有する剤が,細胞内の分子シャペロンの発現を誘導するという知見を得た。
本発明は,ヒアルロン酸オリゴ糖,ヒアルロン酸オリゴ糖の塩又はヒアルロン酸オリゴ糖の誘導体を有効成分として,有効量含有する分子シャペロン発現誘導剤に関する。ヒアルロン酸オリゴ糖は,2糖以上20糖以下のサイズから選択されるヒアルロン酸オリゴ糖である。ヒアルロン酸オリゴ糖,ヒアルロン酸オリゴ糖の塩又はヒアルロン酸オリゴ糖の誘導体を含有する分子シャペロン発現誘導剤は,2糖以上20糖以下のサイズから選択されたヒアルロン酸オリゴ糖を含有することにより,細胞内の分子シャペロンの発現を誘導する。
本発明の好ましい態様は,ヒアルロン酸オリゴ糖が,4糖以上10糖以下のサイズから選択されるヒアルロン酸オリゴ糖である。ヒアルロン酸オリゴ糖が4糖以上10糖以下のサイズから選択されることにより,より効果的に,細胞内の分子シャペロンの発現を誘導する。
本発明の好ましい態様は,ヒアルロン酸オリゴ糖が4糖のヒアルロン酸オリゴ糖である。4糖のヒアルロン酸オリゴ糖は,分子量が小さく,細胞内への浸透性に優れているため,より効果的に,細細胞内の分子シャペロンの発現を誘導する。
本発明の他の側面は,分子シャペロン発現誘導剤を含む医薬品に関する。本発明の医薬品は,生体表面に塗布されても良いし,経口投与又は非経口投与によって生体内の組織に吸収されるように投与されても良い。
本発明の他の側面は,分子シャペロン発現誘導剤を含む食品に関する。本発明の食品は,生体内の組織に吸収されるようにヒアルロン酸オリゴ糖を含有する。
本発明の他の側面は,分子シャペロン発現誘導剤を含む化粧料に関する。本発明の化粧料は,生体表面に塗布されることで,皮膚細胞に浸透し,効力を発揮することができる。
本発明の他の側面は,分子シャペロン発現誘導剤を含む医薬部外品に関する。本発明の化医薬部外品は,生体表面に塗布されても良いし,経口投与又は非経口投与によって生体内の組織に吸収されるように投与されても良い。
本発明によれば,ヒアルロン酸オリゴ糖,ヒアルロン酸オリゴ糖の塩又はヒアルロン酸オリゴ糖の誘導体を有効成分として含有する剤は,細胞内の分子シャペロンの発現を誘導することができる。
また,2糖以上20糖以下のヒアルロン酸オリゴ糖は,合成や分解によって容易に生成されるため,製造コストを抑えることができる。このため,本発明に係る分子シャペロン発現誘導剤は,安価なコストで得ることができる。
また,従来の高分子量のヒアルロン酸は,粘性が高かったため,細胞内に浸透しにくいという問題があった。しかし,本発明に係る分子シャペロン発現誘導剤は低粘度であり,低分子量のヒアルロン酸オリゴ糖を有効成分として含有しているため,組織・細胞内に浸透しやすく,効果的に細胞で分子シャペロンの発現を誘導することができる。
図1は,ヒト表皮角化細胞の様子を撮影したものである。図1(a)は,ヒアルロン酸オリゴ糖を加えていない培養液で培養したヒト表皮角化細胞の様子を示したものである。図1(b)は,1ng/mlのヒアルロン酸オリゴ糖を含有した培養液で培養したヒト表皮角化細胞の様子を示したものである。図1(c)は,10ng/mlのヒアルロン酸オリゴ糖を含有した培養液で培養したヒト表皮角化細胞の様子を示したものである。図1(d)は,100ng/mlのヒアルロン酸オリゴ糖を含有した培養液で培養したヒト表皮角化細胞の様子を示したものである。図1(e)は,1000ng/mlのヒアルロン酸オリゴ糖を含有した培養液で培養したヒト表皮角化細胞の様子を示したものである。
本発明の分子シャペロン発現誘導剤には,ヒアルロン酸オリゴ糖,ヒアルロン酸オリゴ糖の塩又はヒアルロン酸オリゴ糖の誘導体が有効成分として含まれる。本発明の分子シャペロン発現誘導剤は,細胞内の分子シャペロンの発現を誘導するものである。
(ヒアルロン酸オリゴ糖)
ヒアルロン酸は,D−グルクロン酸とN−アセチル−D−グルコサミンの二糖単位が連結した多糖類であり,哺乳類の生体内で,関節,硝子体,皮膚,脳などの細胞外マトリックスを構成する天然高分子として知られている。ヒアルロン酸は,その分子量によって,高分子量ヒアルロン酸,低分子量ヒアルロン酸又は超低分子量ヒアルロン酸であるヒアルロン酸オリゴ糖に分類される。高分子量ヒアルロン酸の分子量は一般的に10万から100万程度である。低分子量ヒアルロン酸の分子量は1万から10万程度である。超低分子量ヒアルロン酸であるヒアルロン酸オリゴ糖の分子量は,約400から1万程度である。本明細書において,超低分子量のヒアルロン酸をヒアルロン酸オリゴ糖という。
ヒアルロン酸オリゴ糖は,D−グルクロン酸とN−アセチル−D−グルコサミンの二糖単位が連結した2糖を基本単位として構成される。本発明で使用するヒアルロン酸オリゴ糖は,基本的にはD−グルクロン酸の1位とN−アセチル−D−グルコサミンの3位が結合した2糖の基本単位を少なくとも1単位含む2糖以上のものであればよい。本発明で使用するヒアルロン酸オリゴ糖は,2糖単位が1単位以上10単位以下結合したものであることが好ましく,これらの塩又は誘導体であってもよい。2糖のヒアルロン酸オリゴ糖とは,基本単位を1単位含むもので,4糖のヒアルロン酸オリゴ糖とは,基本単位を2単位含むものである。
本発明で使用するヒアルロン酸オリゴ糖は,基本単位が1単位以上10単位以下,すなわち2糖以上20糖以下のサイズであること好ましい。さらに,本発明に用いるヒアルロン酸オリゴ糖は,基本単位が4糖以上16糖以下のサイズであることがより好ましく,4糖以上10糖以下のサイズであることがさらに好ましく,4糖で構成されることが特に好ましい。本発明で使用するヒアルロン酸オリゴ糖は,2糖以上20糖以下のサイズであれば,複数種のサイズが混合したものでも良く,単一のサイズのものから構成されても良い。本発明で使用するヒアルロン酸オリゴ糖に単一のサイズのものを用いる場合は,4糖のヒアルロン酸オリゴ糖を用いることが好ましい。4糖のヒアルロン酸オリゴ糖は,特に,効果的に分子シャペロンの発現を誘導する。
ヒアルロン酸オリゴ糖の塩とは,薬学的に許容されるヒアルロン酸オリゴ糖の塩を意味する。ヒアルロン酸オリゴ糖の塩として,アルカリ金属塩が好ましく,ナトリウム塩がより好ましい。本明細書において,ヒアルロン酸オリゴ糖の塩には,無水塩のみならず含水塩が含まれても良い。これらの塩は,例えば,溶液内で電離してヒアルロン酸オリゴ糖と同様に機能する。
ヒアルロン酸オリゴ糖の誘導体とは,薬学的に許容されるヒアルロン酸オリゴ糖の誘導体を意味する。ヒアルロン酸オリゴ糖の誘導体として,アシル基などの加水分解性保護基を有したものを使用することができる。
本発明に係る分子シャペロン発現誘導剤は,ヒアルロン酸オリゴ糖,ヒアルロン酸オリゴ糖の塩又はヒアルロン酸オリゴ糖の誘導体のうち1種類のみを含むものであってもよく,複数種の混合物を含むものであってもよい。複数種のアルロン酸オリゴ糖,ヒアルロン酸オリゴ糖の塩又はヒアルロン酸オリゴ糖の誘導体には,サイズや分子構造の異なるアルロン酸オリゴ糖,ヒアルロン酸オリゴ糖の塩又はヒアルロン酸オリゴ糖の誘導体を含んでもよい。
本発明は,2糖以上20糖以下のヒアルロン酸オリゴ糖を有効成分とするものであるため,分子シャペロン発現誘導剤の粘性を低く抑えることができる。従来の高分子量のヒアルロン酸は,粘性が高いため,細胞内に浸透しにくいという問題があった。また,従来の高分子量のヒアルロン酸は,高粘度のため,効率よく広範囲に塗布することが不可能であった。
しかし,本発明に係る分子シャペロン発現誘導剤は,2糖以上20糖以下の低分子量のヒアルロン酸オリゴ糖を有効成分とするものであるため,組織・細胞内に浸透しやすい。また,低粘度であるため,効率よく広範囲に分子シャペロン発現誘導剤を塗布することができる。このため,本発明に係る分子シャペロン発現誘導剤は,より効果的に,分子シャペロンの発現誘導を促進することができる。また,本発明に係る分子シャペロン発現誘導剤は,必要に応じて,増粘剤を添加して,粘性を高めて使用してもよい。このため,本発明に係る分子シャペロン発現誘導剤は,適用領域が広い。
(分子シャペロン)
分子シャペロンは,細胞内で発現するタンパク質である。分子シャペロンは,細胞内の他のタンパク質の折りたたみ(フォールディング)制御する。例えば,何らかの刺激により他のタンパク質の構造が崩れた場合には,分子シャペロンは,その構造の崩れを修復する働きをする。また,分子シャペロンは,他のタンパク質が凝集(アグリゲーション)することを阻止する働きもする。分子シャペロンは,それ自身の中に他のタンパク質を取り込み,他のタンパク質から隔離することができる。
分子シャペロンは,細胞に傷害が生じた場合には,それによって引き起こされるタンパク質の変性を抑制することができる。タンパク質の変性が起こると,変性タンパク質の凝集が起こり,疾患を発症する場合がある。また,タンパク質の変性がその細胞にとって致命的である場合は,細胞が細胞死へと導かれる。
分子シャペロンは,タンパク質の変性を抑制することができるため,分子シャペロン発現誘導剤は,タンパク質の凝集により引き起こされる神経疾患,アルツハイマー病,糖尿病といった疾患の治療薬となり得る。また,分子シャペロンは,細胞死を抑制することができるため,分子シャペロン発現誘導剤は,心臓疾患や,循環器疾患,脳疾患,肝臓疾患といった細胞死を起因とする疾患の治療薬となり得る。
本発明では,ヒアルロン酸オリゴ糖を有効成分として有効量含有する剤を細胞に浸透させることにより,分子シャペロンの発現を誘導することができる。このため,温度上昇により刺激を与えることなく,分子シャペロンの発現を誘導ことができる。
(ヒアルロン酸オリゴ糖の製造方法)
本発明で使用するヒアルロン酸オリゴ糖は,動物等の天然物から抽出されたもの,微生物を培養して得られたもの,化学的もしくは酵素的に合成されたものを使用することができる。例えば鶏冠,臍体,皮膚,関節液などの生体組織から公知の抽出法と精製法によって得ることができる。また乳酸菌やストレプトコッカス属の細菌等を用いた発酵法によっても製造できる。
また本発明で使用するヒアルロン酸オリゴ糖は,市販の高分子量のヒアルロン酸を酵素分解,酸分解,塩基分解,加熱処理,超音波処理などの分解処理により製造することができる。
酵素分解の方法によりヒアルロン酸オリゴ糖を製造する場合,国際公開第2002/4471号パンフレットや,Glycobiology,2002年,第12巻,第7号,第421−426頁に開示される方法に準じて製造することができる。高分子量ヒアルロン酸塩を,溶液のpHが5付近になるように緩衝液(例えば,0.1Mリン酸緩衝液)に溶解し,ヒアルロニダーゼを添加して加水分解を行う。加水分解の温度は,37℃付近が好ましく,1〜24時間程度反応させる。反応後,10,000rpm程度で遠心分離して上清を回収し,この上清をイオン交換カラムなどにより分画することにより特定のサイズのヒアルロン酸オリゴ糖を得ることができる。
酸加水分解によりヒアルロン酸オリゴ糖を製造する場合,高分子量ヒアルロン酸塩を,濃塩酸の50%水溶液中において,40℃〜還流温度で1〜5時間程度反応させる。反応後,イオン交換カラムなどにより分画することにより特定のサイズのヒアルロン酸オリゴ糖を得ることができる。
また,DMSOの溶媒中に0.05〜1M程度の塩酸を用いて加熱することにより,より緩和な条件下で加水分解を行うこともできる。
本発明で使用するヒアルロン酸オリゴ糖は,合成や分解によって容易に生成されるため,製造コストを抑えることができる。このため,本発明に係る分子シャペロン発現誘導剤は,安価なコストで得ることができる。
また,ヒアルロン酸オリゴ糖は毒性や抗原性がほとんどないことや,生体が元来有している治療作用や疾患の防止作用を増強することから,副作用の極めて少ない分子シャペロン発現誘導剤として有効に作用する。
(有効量)
ヒアルロン酸オリゴ糖,ヒアルロン酸オリゴ糖の塩又はヒアルロン酸オリゴ糖の誘導体の含有量は,本発明の効果を発揮すれば特に限定されるものではないが,ヒアルロン酸オリゴ糖,ヒアルロン酸オリゴ糖の塩又はヒアルロン酸オリゴ糖の誘導体は,分子シャペロン発現誘導剤の総重量に対して,0.01重量%以上10重量%以下,好ましくは0.1重量%以上5重量%以下,さらに好ましくは,0.5重量%以上2重量%以下含まれることが好ましい。ヒアルロン酸オリゴ糖に対するヒアルロン酸オリゴ糖の含有率は,ヒアルロン酸オリゴ糖,ヒアルロン酸オリゴ糖の塩又はヒアルロン酸オリゴ糖の誘導体の合計重量の含有率である。
本発明の他の側面は,ヒアルロン酸オリゴ糖,ヒアルロン酸オリゴ糖の塩又はヒアルロン酸オリゴ糖の誘導体を含有する細胞外基質形成促進剤を含む医薬品,食品,化粧料,又は医薬部外品に関する。細胞外基質形成促進剤を含む医薬品は,例えば,錠剤,液剤,乾燥粉末剤,注射剤,点滴剤,外用剤,貼付剤,気化投与用の液剤又は挿入剤とすることができる。
分子シャペロン発現誘導剤を含む食品は,例えば,液状食品,錠剤食品,粉末状食品,及び顆粒状食品とすることができる。
分子シャペロン発現誘導剤を含む化粧料は,例えば,点眼剤,ゲル,クリーム,スプレー液剤,噴霧液剤,又は泡状エアゾール製剤とすることができる。化粧料には,ゲル状やシート状のフェイスマスクも含まれる。
分子シャペロン発現誘導剤を含む医薬部外品は,例えば,錠剤,液剤,乾燥粉末剤,外用剤,貼付剤,液剤,ゲル,クリーム,スプレー液剤,噴霧液剤,又は泡状エアゾール製剤とすることができる。
本発明に係る細胞外基質形成促進剤を含む医薬品,食品,化粧料,又は医薬部外品は,1種又は2種以上の薬学的に許容される担体又は成分と組み合わせて調製しても良い。本発明に係る医薬品,化粧料又は医薬部外品には,例えば,ステアリン酸カルシウムや乳化剤といった滑沢剤,イオン交換水などの角質層へ水分を供給するための精製水,グリセリン,PEGといった角質層の保湿のための保湿剤,エステル油,植物油といった保湿性や使用感の向上のためのエモリエント剤(水分が蒸発することを防ぐ油成分),原料成分を可溶化するための可溶化剤,pHを調整するための緩衝剤,微生物を抑制し,腐敗を防止するための防腐剤,着色するための着色剤,紫外線吸収剤といった退色や変色を防止するための退色防止剤,収れん剤,殺菌剤,賦活剤,及び消炎剤といった薬剤を加えることができる。
本発明に係る食品には,例えば,ビタミンB,ビタミンB,ビタミンB,ビタミンB12,葉酸,ナイアシン,及びビタミンEといったビタミン類,油脂類,増粘剤,防腐剤,着色料,並びに酸化防止剤,調味料,酸味料,甘味料を加えることができる。
分子シャペロン発現誘導剤を含む医薬品を投与する方法としては,経口又は非経口投与する方法があげられる。経口投与の場合は,1日1回又は数回に分けて錠剤や,顆粒剤又は液剤を経口投与することが好ましい。非経口投与の場合は,治療薬を含む液剤を生体内に灌流または静脈注射により投与することが好ましい。
分子シャペロン発現誘導剤の調製
ヒアルロン酸オリゴ糖は,Hyalose社製のHYA−OLIGO4EF5を用いて,分子シャペロン発現誘導剤を調製した。
ヒアルロン酸オリゴ糖の最終濃度が1ng/ml,10ng/ml,100ng/ml,1000ng/mlとなるように,ヒアルロン酸オリゴ糖を細胞培養液に加えて,攪拌し,溶解した。コントロール用組成物として,ヒアルロン酸オリゴ糖を添加していない細胞培養液を用意した。細胞培養液は、GIBCO社製KERATINOCYTE SFMである。
アジア人女性由来のヒト表皮角化細胞を培養し,準備した。ヒト表皮角化細胞は,長期培養用増殖培地(EpiLife−KG2)を用いて37℃,5%CO下で培養した後,トリプシン処理により細胞を回収した。その後,細胞を96wellプレートに1well当たり100μLずつ播種し,一晩培養した。培養終了後,各wellの培養液を,ヒアルロン酸オリゴ糖を添加していない細胞培養液,ヒアルロン酸オリゴ糖を添加した各濃度の細胞培養液に替え,3時間培養した。
3時間培養後に,各wellの細胞の培養液を取り除き,ホルマリンを添加し,細胞を固定した。その後,細胞を抗TCP1抗体で染色した。抗TCP1抗体は,シャペロンタンパク質(TCP1タンパク質)を認識し,染色する抗体である。
染色した細胞を,ニコン社製の顕微鏡を用いて観察し,細胞の形状及び細胞の染色像を撮影した。
図1は,ヒアルロン酸オリゴ糖を添加した細胞培養液又はヒアルロン酸オリゴ糖を添加していない細胞培養液でヒト表皮角化細胞を24時間培養し,抗TCP1抗体で染色した各細胞群を撮影したものである。
図1(a)は,ヒアルロン酸オリゴ糖を加えていない培養液で培養したヒト表皮角化細胞の様子を示したものである。図1(a)に示されているように,細胞全体が薄く染色されていることがわかる。
図1(b)は,1ng/mlのヒアルロン酸オリゴ糖を含有した培養液で培養したヒト表皮角化細胞の様子を示したものである。図1(b)に示されているように,抗TCP1抗体で染色された細胞では,核を中心に細胞全体が濃く染色されていることがわかる。このことから,1ng/mlのヒアルロン酸オリゴ糖を含有した培養液で培養したヒト表皮角化細胞では,核を中心に細胞全体にシャペロンタンパク質が発現していることがわかる。図1(c)は,10ng/mlのヒアルロン酸オリゴ糖を含有した培養液で培養したヒト表皮角化細胞の様子を示したものである。図1(d)は,100ng/mlのヒアルロン酸オリゴ糖を含有した培養液で培養したヒト表皮角化細胞の様子を示したものである。図1(e)は,1000ng/mlのヒアルロン酸オリゴ糖を含有した培養液で培養したヒト表皮角化細胞の様子を示したものである。図1(c)〜図1(e)に示されているように,抗TCP1抗体で染色された細胞では,核を中心に細胞全体が濃く染色されていることがわかる。これらの結果からも,ヒアルロン酸オリゴ糖を含有した培養液で培養したヒト表皮角化細胞では,核を中心に細胞全体にシャペロンタンパク質が発現していることがわかる。シャペロンタンパク質の発現量は,ヒアルロン酸オリゴ糖を10ng/mlの濃度となるように加えた場合が最も多いことがわかった。
以上の結果より,ヒアルロン酸オリゴ糖を添加した細胞培養液で細胞を培養した場合,分子シャペロンの発現が誘導されることがわかった。

Claims (7)

  1. ヒアルロン酸オリゴ糖,ヒアルロン酸オリゴ糖の塩又はヒアルロン酸オリゴ糖の誘導体を有効成分として,有効量含有し,
    前記ヒアルロン酸オリゴ糖は2糖以上20糖以下のサイズから選択されるヒアルロン酸オリゴ糖である,
    分子シャペロン発現誘導剤。
  2. 前記ヒアルロン酸オリゴ糖は4糖以上10糖以下のサイズから選択されるヒアルロン酸オリゴ糖である,請求項1に記載の分子シャペロン発現誘導剤。
  3. 前記ヒアルロン酸オリゴ糖が4糖のヒアルロン酸オリゴ糖である,である,請求項1に記載の分子シャペロン発現誘導剤。
  4. 請求項1に記載の分子シャペロン発現誘導剤を含む,医薬品。
  5. 請求項1に記載の分子シャペロン発現誘導剤を含む,食品。
  6. 請求項1に記載の分子シャペロン発現誘導剤を含む,化粧料。
  7. 請求項1に記載の分子シャペロン発現誘導剤を含む,医薬部外品。
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