JP2013168742A - 圧電素子の周波数調整方法、圧電デバイス、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】周波数の粗調整工程と微調整工程の切り替えを短時間で行い、安定したイオンビームで精度良く圧電素子の周波数を調整することができる圧電素子の周波数調整方法、圧電デバイス、電子機器を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明の圧電素子の周波数調整方法は、圧電素子12の電極パターンにイオンビームを照射してエッチングを行うことにより発振周波数を調整する圧電素子の周波数調整方法であって、エッチングレートを変更するために、前記電極パターンに対するイオンビームの照射軸の位置を変える工程を含むことを特徴としている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の圧電素子の周波数調整方法は、圧電素子12の電極パターンにイオンビームを照射してエッチングを行うことにより発振周波数を調整する圧電素子の周波数調整方法であって、エッチングレートを変更するために、前記電極パターンに対するイオンビームの照射軸の位置を変える工程を含むことを特徴としている。
【選択図】図1
Description
本発明は、イオン等の荷電粒子を圧電素子に照射しながら発振周波数を調整する圧電素子の周波数調整方法、圧電デバイス、電子機器に関する。
圧電振動子の製造工程において、圧電素子をパッケージに封入した後、圧電素子の周波数を調整する工程がある。周波数調整工程は、振動子の歩留りを良くするため極めて重要な工程となる。この工程は、例えば、圧電素子に設けられた電極パターンにイオンビームを照射して、その重量を変えることにより、所定の発振周波数に制御することができる。
図6は従来の圧電素子の発振周波数の調整工程における処理フロー図である。
圧電素子の発振周波数の調整工程は、まず、周波数調整装置にチップとなる圧電素子を給材する(ステップ1)。そして装置内部を真空雰囲気下に設定する。
圧電素子の発振周波数の調整工程は、まず、周波数調整装置にチップとなる圧電素子を給材する(ステップ1)。そして装置内部を真空雰囲気下に設定する。
次に発振周波数を粗調整するHighレートモードのイオンビームを照射する放電準備を行う(ステップ2)。
Highレートモードのイオンビームの放電が安定(放電安定時間)するまで待機する(ステップ3)。
Highレートモードのイオンビームの放電が安定(放電安定時間)するまで待機する(ステップ3)。
イオンビームの照射ライン上にチップを移動させる(ステップ4)。
圧電素子の電極に周波数測定部のプローブ電極を接触させて、イオンビームを照射する前(加工前)の発振周波数を測定する(ステップ5)。
チップとイオンガンの間を遮蔽していたシャッター板を開放して圧電素子にイオンビームを照射させる(ステップ6)。
圧電素子の電極に周波数測定部のプローブ電極を接触させて、イオンビームを照射する前(加工前)の発振周波数を測定する(ステップ5)。
チップとイオンガンの間を遮蔽していたシャッター板を開放して圧電素子にイオンビームを照射させる(ステップ6)。
Highレートモードのイオンビームを照射して粗調整を行う(ステップ7)。このとき周波数測定部で発振周波数を測定しながら、所望の発振周波数となるまで照射を継続する。
所望の発振周波数となったら、シャッター板を閉塞して圧電素子のイオンビームの照射を停止する(ステップ8)。
所望の発振周波数となったら、シャッター板を閉塞して圧電素子のイオンビームの照射を停止する(ステップ8)。
Highレートモードのイオンビーム照射後の圧電素子の発振周波数を測定する(ステップ9)。
複数のチップを加工する場合において、載置台に未加工のチップが存在するか否かの判断を行う(ステップ10)。未加工のチップが存在するときは未加工のチップの移動動作を行ない。ステップ5以降の工程を再度行う。
複数のチップを加工する場合において、載置台に未加工のチップが存在するか否かの判断を行う(ステップ10)。未加工のチップが存在するときは未加工のチップの移動動作を行ない。ステップ5以降の工程を再度行う。
未加工のチップが存在しない場合には、Lowレートモードのイオンビームを照射する放電準備を行なう(ステップ11)。発振周波数を微調整するLowレートモードは、Highレートモードよりも照射強度が弱いため、放電電源電流、ビーム電源電圧などの出力を低く設定している。
Lowレートモードのイオンビームの放電が安定(放電安定時間)するまで待機する(ステップ12)。
イオンビームの照射ライン上にチップを移動させる(ステップ13)。
イオンビームの照射ライン上にチップを移動させる(ステップ13)。
圧電素子の電極に周波数測定部のプローブ電極を接触させて、イオンビームを照射する前(加工前)の発振周波数を測定する(ステップ14)。
チップとイオンガンの間を遮蔽していたシャッター板を開放して圧電素子にイオンビームを照射させる(ステップ15)。
チップとイオンガンの間を遮蔽していたシャッター板を開放して圧電素子にイオンビームを照射させる(ステップ15)。
Lowレートモードのイオンビームを照射して微調整を行う(ステップ16)。このとき周波数測定部で周波数を測定しながら、設定した発振周波数となるまで照射を継続する。
設定した発振周波数となったら、シャッター板を閉塞して圧電素子のイオンビームの照射を停止する(ステップ17)。
Lowレートモードのイオンビーム照射後の圧電素子の発振周波数を測定する(ステップ18)。
Lowレートモードのイオンビーム照射後の圧電素子の発振周波数を測定する(ステップ18)。
複数のチップを加工する場合において、載置台に未加工のチップが存在するか否かの判断を行う(ステップ19)。未加工のチップが存在するときは未加工のチップの移動動作を行ない、ステップ14以降の工程を再度行う。
全てのチップの周波数調整工程が終了した場合には、装置内部の大気開放操作を行った後、チップを周波数調整装置から取り出して(ステップ20)、調整工程が終了する。
このような圧電素子の発振周波数の調整方法の一例として、特許文献1を挙げることができる。
特許文献1に開示の弾性表面素子等の圧電素子の周波数を調整する場合、エッチング当初は、比較的エッチングレートが高くなる条件で粗調整が行われる。そして、特性周波数が所定値に達したときに、制御装置から電源回路に切替制御信号が送出されて、電力を低下させ、粗調整よりも小さなエッチングレートでエッチングが行われる微調整が行われる。
特許文献1に開示の弾性表面素子等の圧電素子の周波数を調整する場合、エッチング当初は、比較的エッチングレートが高くなる条件で粗調整が行われる。そして、特性周波数が所定値に達したときに、制御装置から電源回路に切替制御信号が送出されて、電力を低下させ、粗調整よりも小さなエッチングレートでエッチングが行われる微調整が行われる。
図7は従来の圧電素子の発振周波数の調整工程における周波数の時間変化を示すグラフである。同グラフの縦軸は周波数調整量(ΔF)、換言すれば圧電素子の設定周波数からのずれ量を示し、横軸は加工時間(秒)を示している。Highレートモードは、強度の大きいイオンビームを照射する粗調整工程のため、一例として、エッチングレートが1000ppm/secであり、放電電源電流は400mA、ビーム電源電圧は700Vに設定している。Lowレートモードは、Highレートモードよりも強度の小さいイオンビームを照射する微調整工程のため、一例として、エッチングレートが100ppm/secであり、放電電源電流は200mA、ビーム電源電圧は300Vに設定している。図示のように、HighレートモードからLowレートモードに装置の設定条件を変更して、Lowレートモードの放電電圧が安定するまでには、Highレートモードの照射終了後から数十秒程度かかり(放電安定時間T)、その間、調整工程が停止することになる。
前述のHighレートモードからLowレートモードへの切り替えは、電流及び電圧が急激に変化するため、一時的に放電が乱れて不安定な状態となることがある。このため、放電を安定させるまでに時間がかかるという問題があった。
また、Lowレートモードの照射強度は、Highレートモードに比べて電流及び電圧の設定値が小さく、このような設定値で安定したイオンビームを発生させることは難しく、イオンビームを発生できたとしても不安定な場合があった。
そこで上記従来技術の問題点を解決するため、本発明は、周波数の粗調整工程と微調整工程の切り替えを短時間で行い、安定したイオンビームを照射して精度良く圧電素子の周波数を調整することができる圧電素子の周波数調整方法、圧電デバイス、電子機器を提供することを目的としている。
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]圧電素子の電極パターンにイオンビームを照射してエッチングを行うことにより発振周波数を調整する圧電素子の周波数調整方法であって、エッチングレートを変更するために、前記電極パターンに対するイオンビームの照射軸の位置を変える工程を含むことを特徴とする圧電素子の周波数調整方法。
[適用例1]圧電素子の電極パターンにイオンビームを照射してエッチングを行うことにより発振周波数を調整する圧電素子の周波数調整方法であって、エッチングレートを変更するために、前記電極パターンに対するイオンビームの照射軸の位置を変える工程を含むことを特徴とする圧電素子の周波数調整方法。
これにより、電流、電圧などの設定値が同じエッチングレート分布のうちで強度の異なるエッチングレートを照射させることができ、圧電素子の周波数調整を短時間、かつ効率良く行うことができる。また粗調整エッチングと同じエッチングレート分布のうちで、強度の小さいエッチングレートを用いているため照射が安定しており正確な微調整を効率的に行なうことができる。さらに、発振周波数を測定するためのプローブの導電接触数が減少し、接触不良による発振周波数の誤測定を減少させることができる。
[適用例2]前記照射軸の位置を変える工程の後の前記エッチングレートが前記工程の前の前記エッチングレートよりも小さいことを特徴とする適用例1に記載の圧電素子の周波数調整方法。
これにより、従来の粗調整エッチングから微調整エッチングへの切替え時の安定時間を設ける必要がなく、粗調整エッチングと微調整エッチングの切替えを迅速に行なうことができ、周波数調整を短時間、かつ効率良く行うことができる。
[適用例3]少なくとも2つの前記圧電素子を準備する工程と、前記2つの圧電素子のうち一方の圧電素子に前記イオンビームを照射する工程と、前記2つの圧電素子の発振周波数が揃った時に、他方の圧電素子に前記イオンビームの照射を開始して、前記2つの圧電素子に前記イオンビームを照射する工程と、を含むことを特徴とする適用例1または2に記載の圧電素子の周波数調整方法。
これにより、複数の圧電素子に対して、1つのイオンガンで同じエッチングレート分布のイオンビームを照射させて、設定周波数との差が小さい圧電素子を設定周波数との差が大きい圧電素子に合わせて、同時進行で周波数を調整することができる。従って圧電素子単体にエッチングレートの異なるイオンビームを照射する工程と同様に、極めて短時間かつ効率的に周波数を調整することができると共に、量産化することができる。
[適用例4]適用例1ないし3のいずれか1例に記載の圧電素子の周波数調整方法により発振周波数が調整された圧電素子が、容器に封止されていることを特徴とする圧電デバイス。
これにより、安定したイオンビームで精度良く発振周波数を調整した圧電素子を備えた圧電デバイスが得られる。
これにより、安定したイオンビームで精度良く発振周波数を調整した圧電素子を備えた圧電デバイスが得られる。
[適用例5]適用例1ないし3のいずれか1例に記載の圧電素子の周波数調整方法により発振周波数が調整された圧電素子を用いたことを特徴とする電子機器。
これにより、安定したイオンビームで精度良く発振周波数を調整した圧電素子を備えた電子機器が得られる。
これにより、安定したイオンビームで精度良く発振周波数を調整した圧電素子を備えた電子機器が得られる。
本発明の圧電素子の周波数調整方法、圧電デバイス、電子機器の実施形態を添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
図1は本発明の圧電素子の周波数調整方法に用いる周波数調整装置の構成を示す概略図である。
図1は本発明の圧電素子の周波数調整方法に用いる周波数調整装置の構成を示す概略図である。
本実施形態の周波数調整装置10は、イオンガン20と、アクチュエータ30と、マスク40と、周波数測定部50と、シャッター部60と、制御部70を主な基本構成としている。
イオンガン20は、圧電素子12の電極パターンに対して荷電粒子を出射する装置である。イオンガン20は、一例として、次のように構成することができる。ガス導入部から、放電用ガスとして例えばArガスをチャンバー内に導入する。フィラメントを通電加熱し、フィラメントとアノードとの間の直流熱陰極放電によってArプラズマを生成する。そして、高圧電源により加速グリッドに高電圧を印加することによって、イオンを加速する向きに電位勾配を生成する。Arの正イオンを引き出しイオンビームとして出射し、載置台に載置された圧電素子12に照射している。またイオンガン20から照射されるイオンビームは、直線状に並べた複数の圧電素子12に同時に照射することができるようにビーム幅が長尺となるように設定されている。
イオンガン20には、アクチュエータ30が接続されている。アクチュエータ30は、イオンガン20から圧電素子12へ照射されるイオンビームの照射軸を任意に変える駆動手段である。本実施形態のアクチュエータ30は、イオンガン20のイオンビームの照射源を互いに直交するX軸、Y軸、Z軸の中心に配置して、イオンビームの照射方向をZ軸上に合わせたときに、圧電素子12に対して、イオンガンをZ軸と直交する±X方向に移動可能に構成されている。また、アクチュエータ30は、イオンガン20の照射源をX軸上に配置したときに、X軸を回転軸とするθ方向に回転可能に構成されている。さらに、アクチュエータ30は、イオンガン20を±Z方向に移動可能に構成されている。
図2はイオンビームのエッチングレート分布(ビームの強度分布)を示すグラフであり、(A)は縦軸にイオンビームの照射強度を示し、横軸に照射軸の中心から±X方向又はX軸の軸回りとなるθ方向の距離を示し、(B)は縦軸にイオンビームの強度を示し、横軸にイオンガンと圧電素子の間の距離(照射源からZ方向の距離)を示している。
(A)に示すように、例えば、イオンビームのエッチングレート分布が上に凸の放物線状に形成されている場合、エッチングレートの極大値を中心とすると、中心から離れるほど小さくなる。このため、エッチングレートの極大値、換言すればイオンビームの照射軸の中心から±X方向へ照射軸を移動(Z軸方向の平行移動)させることにより、エッチングレートを小さくすることができる。この±X方向と同様に、イオンビームの照射軸の中心からX軸の軸回りとなるθ方向へ回転させることにより、エッチングレートを小さくすることができる。
また、イオンガン20と圧電素子12との間の距離と、エッチングレート分布は反比例の関係にあり、(B)に示すように、イオンビームのエッチングレートが極大値となるイオンガン20と圧電素子12の間の距離を変化させる、換言すれば極大値のエッチングレートとなる相対位置からイオンガン20を近づけたり、遠ざけたりすると(±Z方向)、エッチングレートを小さくすることができる。
このような構成のアクチュエータ30は、予め求めたイオンビームのエッチングレート分布を予め測定しておき、粗調整エッチング又は微調整エッチングなど目的とする強度のイオンビームを照射できるように、エッチングレートの極大値からの相対位置をX軸方向、θ方向、Z軸方向へ移動可能としている。これにより、イオンガン20は、数ppm/sec〜1000ppm/secのエッチングレートの範囲で、加工条件に合わせた任意の強度のイオンビームを照射することができ、細かなレート調整が可能となる。また、圧電素子とマスクの距離、マスクとシャッターの距離は常に一定であることが望ましい。本発明のイオンガン20にアクチュエータ30を配置した構成により、シャッター幅、隣接するシャッターの開閉に影響、換言すれば隣接するシャッターからのビーム漏れに影響されずに圧電素子に対応したシャッターで、イオンビーム照射と遮蔽の制御を行うことができる。
マスク40は、イオンガン20の照射口と対向するX軸線上に配置されている。マスク40は、圧電素子の電極パターンへイオンビームを照射する照射孔42を備え、照射孔42以外へはイオンビームを透過させない構成である。マスク40はチップとなる圧電素子12の載置台としての役割を兼ねる構成でもよい。
圧電素子12は、圧電素子12の振動部が電極の重さによって発振周波数が変化する圧電振動子であればよく、本実施形態では厚みすべりモード(ATカット、SCカット)振動子や屈曲モード(Zカット)振動子などが使用可能である。振動部に厚みすべりモードを主振動とするATカット水晶振動子を採用すれば、周波数温度特性が3次曲線となり、上に凸の2次曲線となる音叉型振動子に比べて、周波数温度特性に優れた圧電デバイスを実現することができる。圧電素子12は、材質に、水晶、BaTiO3、ZnOなどを用いることができる。また圧電素子の主面には励振電極などの電極パターンが形成されている。電極パターンには質量調整部が形成されており、この質量調整部にイオンビームを照射させることにより振動片の重量を変化させることができる。本実施形態の圧電素子は、容器に圧電振動片が配置された構成であり、容器単体あるいは、圧電振動片を搭載した容器を小片化する前のウェハ状であってもよい。
周波数測定部50は一対のプローブ52を備え、一対のプローブ52を圧電素子12上の一対の電極に導電接触させて圧電素子12の発振周波数を測定することができる。
シャッター部60は、シャッター板を備え、イオンガン20と載置台上の圧電素子12との間を開閉可能に構成している。本実施形態のシャッター部60は、イオンガン20とマスク40の間にシャッター板を挿入することによりイオンガン20から圧電素子12へのイオンビームの照射を遮断することができる。
制御部70は、アクチュエータ30と、周波数測定部50と、シャッター部60と電気的に接続させている。制御部70は、周波数測定部50で測定された圧電素子12の発振周波数の測定データが入力可能に構成されている。また制御部70は、アクチュエータ30に対してイオンガン20の位置制御信号を送信可能に構成されている。制御部70は、シャッター部60の開放又は閉塞の制御信号を送信可能に構成されている。このような構成の制御部70は、予め求めたイオンガン20のエッチングレート分布や、周波数測定装部50からの発振周波数の測定データに基づいて、粗調整エッチング又は微調整エッチングに相当する強度のイオンビームを出射できるように、アクチュエータ30へイオンガン20の位置制御信号を送信している。
次に上記構成による周波数調整装置を用いた本発明の圧電素子の周波数調整方法について説明する。
図3は本発明の圧電素子の発振周波数の調整工程における処理フロー図である。圧電素子の発振周波数の調整工程は、まず、周波数調整装置にチップとなる圧電素子12を給材する(ステップ10)。そして装置内部を真空の雰囲気下に設定する。
図3は本発明の圧電素子の発振周波数の調整工程における処理フロー図である。圧電素子の発振周波数の調整工程は、まず、周波数調整装置にチップとなる圧電素子12を給材する(ステップ10)。そして装置内部を真空の雰囲気下に設定する。
次に発振周波数を粗調整するHighレートモードのイオンビームを照射する放電準備を行う(ステップ20)。Highレートモードのイオンビームは、例えば、図2に示すエッチングレートの極大値を適用している。
Highレートモードのイオンビームの放電が安定(放電安定時間)するまで待機する(ステップ30)。
イオンガン20の照射ライン上にチップを移動させる(ステップ40)。
圧電素子12の電極に周波数測定部50のプローブ52を導電接触させて、イオンビームを照射する前の発振周波数を測定する(ステップ50)。
イオンガン20の照射ライン上にチップを移動させる(ステップ40)。
圧電素子12の電極に周波数測定部50のプローブ52を導電接触させて、イオンビームを照射する前の発振周波数を測定する(ステップ50)。
チップとイオンガン20の間を遮蔽していたシャッター板を開放して圧電素子12の電極パターンにイオンビームを照射させる(ステップ60)。
Highレートモードのイオンビームを照射して発振周波数の粗調整を行う(ステップ70)。このとき周波数測定部50で発振周波数を測定しながら、所望の発振周波数となるまで照射を継続する。
Highレートモードのイオンビームを照射して発振周波数の粗調整を行う(ステップ70)。このとき周波数測定部50で発振周波数を測定しながら、所望の発振周波数となるまで照射を継続する。
設定周波数の近傍となったら、Lowレートモードのイオンビームの照射に切替える。Lowレートモードのイオンビームは、イオンビームの出力電力、電圧を変えることなく、イオンガン20の照射軸の相対位置を変えることにより行う。具体的に制御部70では、予め求めてあるイオンビームのエッチングレート分布に基づいて、Lowレートモードに相当する強度のイオンビームを照射できるように、図2(A)に示すようなイオンビームの照射軸の中心から±X軸方向へ照射軸を移動する制御信号や、イオンビームの照射軸の中心からX軸の軸回りとなるθ方向へ回転させる制御信号や、図2(B)に示すようなイオンガン20と圧電素子12の間の距離を変化させる制御信号をアクチュエータ30に送信する。
このようなLowレートモードのイオンビームを照射して発振周波数の微調整を行う。
そして発振周波数の測定データが設定周波数となったら、シャッター板を閉止して圧電素子12のイオンビームの照射を停止する(ステップ80)。
イオンビームを照射した後の圧電素子12の発振周波数を測定する(ステップ90)。
そして発振周波数の測定データが設定周波数となったら、シャッター板を閉止して圧電素子12のイオンビームの照射を停止する(ステップ80)。
イオンビームを照射した後の圧電素子12の発振周波数を測定する(ステップ90)。
複数のチップを加工する場合において、載置台に未加工のチップが存在するか否かの判断を行う(ステップ100)。未加工のチップが存在するときは未加工のチップの移動動作を行ない。ステップ50以降の工程を再度行う。
全てのチップの周波数調整工程が終了した場合には、装置内部の大気開放操作を行った後、チップを周波数調整装置10から取り出して(ステップ110)、調整工程が終了する。
このような本発明の圧電素子の周波数調整方法によれば、イオンガンの主電源の放電電源電流、ビーム電源電圧を変えることなく同じ設定のままで、同一のエッチングレート分布のうち異なる強度のエッチングレートのイオンビームを照射することができる。従って、従来の粗調整エッチングと微調整エッチングで、イオンガンの電流、電圧を変えてイオンビームを切り替える必要がなく、切替えた直後の放電が安定するまで待つ必要がない。このため、周波数調整を短時間で行うことができる。
また、粗調整エッチングと同じエッチングレート分布のうちで、強度の小さいエッチングレートを用いているため、細かなレート調整が可能となり、照射が安定した正確な微調整を効率的に行なうことができる。
さらに、発振周波数を測定するためのプローブの導電接触数が本発明によれば1回で済む。よって、接触不良による発振周波数の誤測定を減少させることができ、周波数調整工程のサイクルタイムを大幅に短縮することができる。
また、これまで、粗調整エッチングと微調整エッチングの切り替えの間シャッターを閉塞させていたが、本発明によればシャッターの開閉工程が1回で済み、従来よりもシャッターの開閉回数が減少する。よってシャッターの経年劣化やメンテナンス回数を抑えることができる。
以上、本実施形態では、圧電素子の発振周波数を調整する手段としてイオンビームを照射させて電極パターンの質量調整部の質量を削減する方法を用いて説明した。この他、蒸着レートに極大値があるスパッタ蒸着で、このレートをずらすことによって、電極パターンの質量調整部の質量を増加する方法を採用することにより発振周波数を調整することもできる。
図4は本発明の圧電素子の周波数調整方法に用いる装置の実施形態の構成を示す変形例の概略図である。変形例の圧電素子の周波数調整方法は、載置部に配置された複数の圧電素子に対して、1つのイオンガンから同じエッチングレート分布のイオンビームを照射して同時に周波数調整を行っている。具体的にイオンガン20Aは、出射するイオンビームが、直線状に並べた複数の圧電素子12に同時に照射することができるようにビーム幅が長尺となるように設定されている。そしてマスク40Aは、イオンガン20Aの長手方向に沿って形成されている。圧電素子12は直線状のイオンビームに対向するマスク40A上に直線状に配置されている。そして各圧電素子12と、イオンガン20Aとの間には、個別にシャッター部60Aを形成している。各シャッター部60Aは、制御部70と電気的に接続して、それぞれ独立に開閉動作できるように構成されている。その他の構成は図1に示す構成と同一である。
上記構成による変形例の圧電素子の周波数調整方法について以下説明する。変形例の圧電素子の周波数調整方法は、図3に示すステップ60までの工程と同様に、まず、周波数調整装置にチップとなる圧電素子12を複数直線状に並べて給材する。そして装置内部を真空の雰囲気下に設定する。
次に発振周波数を粗調整するHighレートモードのイオンビームを照射する放電準備を行う。Highレートモードのイオンビームは、例えば、図2に示すエッチングレート分布の極大値を適用している。Highレートモードのイオンビームの放電が安定(放電安定時間)するまで待機する。そしてイオンガン20Aの照射ライン上にチップを移動させる。
各圧電素子12の電極に周波数測定部50のプローブ電極を接触させて、イオンビームを照射する前の発振周波数を測定する。
チップとイオンガン20Aの間を遮蔽していたシャッター板を開放して圧電素子12にイオンビームを照射させる。
チップとイオンガン20Aの間を遮蔽していたシャッター板を開放して圧電素子12にイオンビームを照射させる。
図5は、変形例の圧電素子の発振周波数の調整工程における周波数の時間変化を示すグラフである。同グラフの縦軸は周波数調整量(ΔF)を示し、横軸は加工時間(秒)を示している。また圧電素子Aは設定周波数との差が大きい圧電素子を示し、圧電素子Bは設定周波数との差が圧電素子Aよりも小さい圧電素子を示している。
まず、矢印aに示すように、圧電素子Bのシャッターを閉塞し、圧電素子Aにイオンビームを照射して周波数調整を行う。そして、圧電素子Aの発振周波数が圧電素子Bの発振周波数と同じ値になったとき、圧電素子Bのシャッターを開放する。その後、圧電素子A及び圧電素子Bは、同じエッチングレート分布のイオンビームを照射させることにより、調整量が同一の状態で設定周波数までエッチング処理することができる。
また、矢印bに示すように、圧電素子Bに圧電素子Aと同じ強度のイオンビームを同時に照射してエッチングを行うと、設定周波数の差が小さい圧電素子Bの方が、先に所定の調整量Faに達することになる。そこで、圧電素子Bが調整量Faに達した時、シャッター板を閉塞して、イオンビームの照射を停止させる。その間イオンビームが照射され続けている圧電素子Aの調整量がFaに達した時、圧電素子Bのシャッターを開放する。その後、圧電素子Bは圧電素子Aと同じ調整量Faから同じ強度のイオンビームを照射させることにより、調整量が同一の状態で設定周波数までエッチング処理することができる。変形例の圧電素子の発振周波数の調整工程は、上記a又はbのいずれの方法であっても良い。
なお、イオンビームの照射は図1、図2に示すHighレートモードとLowレートモードと同様に行っている。Lowレートモードのイオンビームは、イオンビームの出力電力、電圧を変えることなく、イオンガンの照射位置を変えることにより行う。具体的に制御部では、予め求めてあるイオンビームのエッチングレート分布に基づいて、Lowレートモードに相当する強度のイオンビームを照射できるように、図2(A)に示すようなイオンビームの照射軸の中心から±X軸方向へ照射軸を移動する制御信号や、イオンビームの照射軸の中心からX軸の軸回りとなるθ方向へ回転させる制御信号や、図2(B)に示すようなイオンガン20と圧電素子12の間の距離を変化させる制御信号をアクチュエータ30に送信する。このようなLowレートモードのイオンビームを照射して発振周波数の微調整を行う。
そして発振周波数の測定データが設定周波数となったら、シャッター板を閉止して圧電素子のイオンビームの照射を停止する。
そして発振周波数の測定データが設定周波数となったら、シャッター板を閉止して圧電素子のイオンビームの照射を停止する。
イオンビームを照射した後の圧電素子の発振周波数を測定する。チップの周波数調整工程が終了した場合には、装置内部の大気開放操作を行った後、チップを周波数調整装置から取り出し調整工程が終了する。
このような変形例の圧電素子の周波数調整方法によれば、複数の圧電素子に対して、圧電素子単体にエッチングレートの異なるイオンビームを照射する工程と同様の工程で周波数を調整することができ、極めて短時間及び効率的に行うことができ、かつ量産化することができる。
上記圧電素子の周波数調整方法により発振周波数を調整された圧電素子を用いてパッケージ容器に封止する工程を経れば力検出センサーなどの圧電デバイスを製造することができる。
また、上記の圧電素子の周波数調整方法により発振周波数を調整された圧電素子を用いて、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、デジタルスチルカメラ、カーナビゲーション装置、ゲームコントローラー、時計などの電子機器を製造することができる。
10………周波数調整装置、12………圧電素子、20,20A………イオンガン、30………アクチュエータ、40,40A………マスク、42………照射孔、50………周波数測定部、52………プローブ、60,60A………シャッター部、70………制御部。
Claims (5)
- 圧電素子の電極パターンにイオンビームを照射してエッチングを行うことにより発振周波数を調整する圧電素子の周波数調整方法であって、
エッチングレートを変更するために、前記電極パターンに対するイオンビームの照射軸の位置を変える工程を含むことを特徴とする圧電素子の周波数調整方法。 - 前記照射軸の位置を変える工程の後の前記エッチングレートが前記工程の前の前記エッチングレートよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の圧電素子の周波数調整方法。
- 少なくとも2つの前記圧電素子を準備する工程と、
前記2つの圧電素子のうち一方の圧電素子に前記イオンビームを照射する工程と、
前記2つの圧電素子の発振周波数が揃った時に、他方の圧電素子に前記イオンビームの照射を開始して、前記2つの圧電素子に前記イオンビームを照射する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の圧電素子の周波数調整方法。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧電素子の周波数調整方法により発振周波数が調整された圧電素子が、容器に封止されていることを特徴とする圧電デバイス。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧電素子の周波数調整方法により発振周波数が調整された圧電素子を用いたことを特徴とする電子機器。
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-
2012
- 2012-02-14 JP JP2012029850A patent/JP2013168742A/ja active Pending
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