JP2013168601A - 有機薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】不活性金属をゲート電極に用い、フレキシブルな高分子材料をゲート絶縁膜に用いたときにも、優れたトランジスタ性能を発揮できる、有機薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】この有機薄膜トランジスタは、支持基板1と、支持基板1上に形成されたゲート電極2と、ゲート電極2上に形成された第一ゲート絶縁層3と、第一ゲート絶縁層3上に形成された第二ゲート絶縁層4と、第二ゲート絶縁層4上に所定の間隔を隔てて形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5及びドレイン電極6上形成された有機半導体層7とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】この有機薄膜トランジスタは、支持基板1と、支持基板1上に形成されたゲート電極2と、ゲート電極2上に形成された第一ゲート絶縁層3と、第一ゲート絶縁層3上に形成された第二ゲート絶縁層4と、第二ゲート絶縁層4上に所定の間隔を隔てて形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5及びドレイン電極6上形成された有機半導体層7とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、有機半導体を用いた有機薄膜トランジスタ及びその製造方法に関する。
有機半導体を用いる有機エレクトロニクスは、フレキシブルデバイスなどを製造するための次世代技術として大きく注目されている。すでに製品化された有機電界発光ダイオード(OLED)に加えて、アクティブマトリクス用スイッチング素子を用途とする有機電界効果トランジスタ(OFET)の研究開発が近年大きく進展している。
有機電界効果トランジスタの性能は、現在ディスプレイに多く使用されているアモルファスシリコン薄膜電界効果トランジスタの特性を凌駕しており、実用化に向けデバイス特性と長期安定性をさらに向上させるため技術開発が行われている。
有機電界効果トランジスタを可能にする有機薄膜トランジスタのゲート絶縁膜としては、一般的には自己組織化膜を処理したSiO2などの無機酸化物が使われることが多い。しかしながら、フレキシブルデバイスにするためにはゲート絶縁膜にやわらかい材料を用いることが必要であり、例えば特許文献1には、パリレンといった高分子材料を用いることが開示されている。
一方、有機薄膜トランジスタにおいてデバイス駆動の要となる電荷輸送は、有機半導体層とゲート絶縁層との境界に沿った界面で生じる。特に、ゲート絶縁膜上の水分子やヒドロキシル基などは電荷輸送のトラップになることが知られている。そのため、ゲート絶縁膜上を高撥水性にする必要があり、無機酸化物がゲート絶縁膜の場合は、自己組織化膜によって高撥水性処理を行うことが一般的である。また、高分子材料の場合は、水に対する接触角が大きいフルオロポリマーをゲート絶縁膜に用いることが報告されている(非特許文献1)。
W. L. Kalb, T. Mathis, S. Haas, A. F. Stassen, and B. Batlogg「Organic small molecule field-effect transistors with CytopTM gate dielectric: Eliminating gate bias stress effects」APPLIED PHYSICS LETTERS 90, 092104(2007)
しかしながら、ゲート絶縁膜としてパリレンを用いた有機薄膜トランジスタでは、水に対する接触角が100°未満と低くゲート絶縁膜上の水分子を排除できないため、トランジスタ性能は移動度0.5cm2/Vs程度と十分ではなかった。また、ゲート絶縁膜としてフルオロポリマーを用いた有機薄膜トランジスタでは、フルオロポリマーとゲート電極上のヒドロキシル基とが反応し密着する機構のため、ゲート電極が不活性金属の場合用いることができず、金など導電性の良い材料の電極を用いることができないという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、不活性金属をゲート電極に用い、フレキシブルな高分子材料をゲート絶縁膜に用いたときにも、優れたトランジスタ性能を発揮できる、有機薄膜トランジスタを提供することにある。また、その製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の有機薄膜トランジスタは、支持基板上に形成された不活性金属を用いたゲート電極と、前記ゲート電極上に形成された第一高分子ゲート絶縁層と、前記第一高分子ゲート絶縁層上に形成され、前記第一高分子ゲート絶縁層を構成する高分子絶縁材料よりも水に対する接触角が大きい高分子絶縁材料で構成された第二高分子ゲート絶縁層と、前記第二高分子ゲート絶縁層上に所定の間隔を隔てて形成されたソース電極及びドレイン電極と、前記ソース電極及び前記ドレイン電極上に形成された有機半導体層とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の有機薄膜トランジスタは、支持基板上に形成された不活性金属を用いたゲート電極と、前記ゲート電極上に形成された第一高分子ゲート絶縁層と、前記第一高分子ゲート絶縁層上に形成され、前記第一高分子ゲート絶縁層を構成する高分子絶縁材料よりも水に対する接触角が大きい高分子絶縁材料で構成された第二高分子ゲート絶縁層と、前記第二高分子ゲート絶縁層上に形成された有機半導体層と、前記有機半導体層上に所定の間隔を隔てて形成されたソース電極及びドレイン電極とを備えたことを特徴とする。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいては、前記第二ゲート絶縁層は前記第一ゲート絶縁層表面を親水処理した該第一ゲート絶縁層上に形成されていることが好ましい。
また、前記第一高分子ゲート絶縁層は、水に対する接触角が100°未満の高分子絶縁材料で構成され、前記第二高分子ゲート絶縁層は、水に対する接触角が100°以上の高分子絶縁材料で構成されたものであることが好ましい。
一方、本発明の有機薄膜トランジスタの製造方法は、支持基板上に形成された不活性金属を用いたゲート電極上に第一高分子ゲート絶縁層を形成する工程と、前記第一高分子ゲート絶縁層表面を親水処理する工程と、前記表面処理した第一高分子ゲート絶縁層上に、前記第一高分子ゲート絶縁層を構成する高分子絶縁材料よりも水に対する接触角が大きい高分子絶縁材料で第二高分子ゲート絶縁層を形成する工程と、前記第二高分子ゲート絶縁層上に所定の間隔を隔ててソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、前記ソース電極及び前記ドレイン電極上に有機半導体層を形成する工程を備えることを特徴とする。
また、本発明の有機薄膜トランジスタの製造方法は、支持基板上に形成された不活性金属を用いたゲート電極上に第一高分子ゲート絶縁層を形成する工程と、前記第一高分子ゲート絶縁層表面を親水処理する工程と、前記表面処理した第一高分子ゲート絶縁層上に、前記第一高分子ゲート絶縁層を構成する高分子絶縁材料よりも水に対する接触角が大きい高分子絶縁材料で第二高分子ゲート絶縁層を形成する工程と、前記第二高分子ゲート絶縁層上に有機半導体層を形成する工程と、前記有機半導体層上に所定の間隔を隔ててソース電極及びドレイン電極を形成する工程を備えることを特徴とする。
本発明の有機薄膜トランジスタの製造方法においては、前記第一高分子ゲート絶縁層を構成する高分子絶縁材料が、水に対する接触角が100°未満の高分子絶縁材料であり、前記第二高分子ゲート絶縁層を構成する高分子絶縁材料が、水に対する接触角が100°以上の高分子絶縁材料であることが好ましい。
また、前記第一ゲート絶縁層表面を親水処理する工程が、UVオゾン処理であることが好ましい。
また、前記第一ゲート絶縁層表面を親水処理する工程が、酸素プラズマ処理であることが好ましい。
本発明の有機薄膜トランジスタによれば支持基板上に形成されたゲート電極上に、第一ゲート絶縁層を形成し、その上に第二ゲート絶縁層を形成するという、ゲート絶縁膜の構成を採用したので、例えば、第一ゲート絶縁層としてパリレンといった高分子材料を用い、第二ゲート絶縁層として水に対する接触角が大きいアモルファスフッ素樹脂を用いることによって、優れたトランジスタ性能を発揮できる、有機薄膜トランジスタを提供することができる。
また、本発明の有機薄膜トランジスタの製造方法によれば、支持基板上に形成されたゲート電極上に、第一ゲート絶縁層を形成し、その第一ゲート絶縁層表面を親水処理したうえで、その上に、第二ゲート絶縁層を形成するという、ゲート絶縁膜の形成工程を採用したので、例えば、第一ゲート絶縁層としてパリレンといった高分子材料を用い、第二ゲート絶縁層として水に対する接触角が大きいアモルファスフッ素樹脂を用いる場合にも、その第一ゲート絶縁層上に第二ゲート絶縁層を確実に密着させて、その第一ゲート絶縁層と第二ゲート絶縁層からなるゲート絶縁膜を備えた、有機薄膜トランジスタを製造することができる。
以下、図1〜7を参照しつつ、本発明の有機薄膜トランジスタ及びその製造方法の実施形態について説明する。
図1に示すように、この実施形態の有機薄膜トランジスタは、ボトムコンタクト型のデバイス構造をなしている。すなわち、支持基板1上にゲート電極2が形成され、ゲート電極2上に第一ゲート絶縁層3、第一ゲート絶縁層3上に第二ゲート絶縁層4が形成されている。そして、第二ゲート絶縁層4、ソース電極5及びドレイン電極6上に、有機半導体層7が直接形成されている。
支持基板1は、後述するプロセスに対する耐久性を有するものであればよく、例えば、ガラス基板、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム、PC(ポリカーボネート)フィルム、PES(ポリエーテルスルホン)フィルムなどの各種フィルム基板などが挙げられる。
ゲート電極2の電極材料としては、電極として用いるのに十分導電性を有する、金、白金、ニッケルなどの不活性金属材料を使用することができる。
ゲート電極2の厚さは、用途により適宜調整できる。例えば、50〜200nmが好ましく、50〜100nmがより好ましい。200nmを超えると、プロセス時間を要する傾向にある。50nm未満であると、配線抵抗が大きくなる傾向にある。
第一ゲート絶縁層3は、十分な絶縁性を有する高分子材料で形成される。この実施形態では、第一ゲート絶縁層3は、水に対する接触角が100°未満である高分子絶縁材料で構成されている。なお、水に対する接触角とは、水平な材料表面に水滴を静的に置いたとき、水滴が材料表面と接している部分で水滴表面による接線がなす角度を意味し、材料の撥水性をあらわすひとつの指標となる。その測定は、従来公知のθ/2法、接線法、カーブフィッティング法などの測定手法に基づき、市販の接触角計などを用いて行なうことができる。
第一ゲート絶縁層3を構成する高分子絶縁材料の具体例としては、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート、水に対する接触角:58°)、パリレン(パラキシレン系ポリマー、水に対する接触角:90°)、PVA(ポリビニルアルコール、水に対する接触角:45°)などが挙げられる。
第一ゲート絶縁層3の膜厚は、200〜1000nmが好ましく、200〜500nmがより好ましい。膜厚が薄すぎると絶縁性が低くなる傾向にあり、膜厚が厚すぎるとトータルのゲート絶縁層の膜厚が厚くなり、静電容量が小さくなり、後述する有機半導体層7に注入されるキャリア量が少なくなる傾向にある。
第二ゲート絶縁層4は、十分な絶縁性を有する高分子材料で形成される。そして、第一ゲート絶縁層3を構成する高分子絶縁材料よりも水に対する接触角が大きい高分子絶縁材料で構成される。この実施形態では、第二ゲート絶縁層4は、水に対する接触角が100°以上である高分子絶縁材料で構成されている。
第二ゲート絶縁層4を構成する高分子絶縁材料の具体例としては、アモルファスフッ素樹脂などが挙げられる。アモルファスフッ素樹脂としては、例えば、旭硝子株式会社から市販されている、「Cytop」(商品名、水に対する接触角:115°)などを用いることができる。
第二ゲート絶縁層4の膜厚は、20〜200nmが好ましく、20〜100nmがより好ましい。膜厚が薄いと平坦な膜形成が難しくなる傾向にあり、膜厚が厚すぎるとトータルのゲート絶縁層の膜厚が厚くなり、静電容量が小さくなり、後述する有機半導体層7に注入されるキャリア量が少なくなる傾向にある。
第一ゲート絶縁層3の膜厚と第二ゲート絶縁層4の膜厚との比は、1:1〜0.02であることが好ましく、1:0.5〜0.04であることがより好ましい。
ソース電極5及びドレイン電極6の電極材料としては、電極として用いるのに十分導電性を有するものであればよく、特に制限はない。金、銀、チタン、クロム、ニッケルなどの各種金属材料を使用できる。
ソース電極5及びドレイン電極6の厚さは、用途により適宜調整できる。例えば、50〜200nmが好ましく、50〜100nmがより好ましい。200nmを超えると、プロセス時間を要する傾向にある。50nm未満であると、配線抵抗が大きくなる傾向にある。
ソース電極6とドレイン電極7との間の距離(チャネル長)Lは、例えば、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。チャネル長を短くすることで、高速応答性や、素子の高集積化などが可能となる。
有機半導体層7の有機半導体材料としては、従来公知のものを用いることができる。例えば、ペンタセン、ルブレンなどのP型低分子有機半導体材料、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)などのP型高分子有機半導体材料、フラーレンなどのn型有機半導体材料などを用いることができる。
有機半導体層7の膜厚は、例えば、10〜100nmが好ましく、20〜50nmがより好ましい。100nmを超えると、成膜に時間を要し、プロセス時間が嵩む傾向にある。10nm未満であると、有機半導体材料がアイランド状となり膜形成ができていない場合があり、また、特性が悪くなる可能性がある。
図2には、本発明の有機薄膜トランジスタの別の実施形態を示す。この実施形態では、第二ゲート絶縁層4上に有機半導体層7が形成され、有機半導体層7上にソース電極5及びドレイン電極6が形成されている。本発明はこのようなトップコンタクト構造のデバイスにも適用される。
次に、本発明の有機薄膜トランジスタの製造方法について、図3〜7を参照しつつ説明する。
まず、図3に示すように、支持基板1上にゲート電極2を形成する(ゲート電極形成工程)。ゲート電極2の形成は、従来公知の方法に準じて行えばよく、例えば、上述した電極材料を用いて、抵抗加熱蒸着法、スパッタ法、電子ビーム蒸着法などの方法により行なうことができる。
次に、図4に示すように、支持基板1のゲート電極2が形成された側の面に第一ゲート絶縁層3を形成し、ゲート電極2上に第一ゲート絶縁層3を形成する(第一ゲート絶縁層形成工程)。第一ゲート絶縁層3の形成は、従来公知の方法に準じて行えばよく、例えば、上述した高分子絶縁材料を用いて、スピンコート法、スリットコート法、ディップコート法などの各種塗布方法により行なうことができる。また、高分子絶縁材料としてパリレンを用いる場合には、CVD法により高分子絶縁層を形成することができる。
次に、第一ゲート絶縁層3の表面を親水処理する。親水処理方法としては、UVオゾン処理、酸素プラズマ処理などが挙げられる。なお、この親水処理により、第一ゲート絶縁層表面の水に対する接触角が変化する。例えば、典型的にパリレンでは、処理前の90°から処理後40°に低下する。
次に、図5に示すように、表面処理した第一ゲート絶縁層3上に第二ゲート絶縁層4を形成する(第二ゲート絶縁層形成工程)。第二ゲート絶縁層4の形成は、従来公知の方法に準じて行えばよく、例えば、上述したアモルファスフッ素樹脂を用いて、スピンコート法、スリットコート法、ディップコート法などの各種塗布方法により行なうことができる。前述したように、第一ゲート絶縁層3上は親水処理になっているため、アモルファスフッ素樹脂(ポリマー末端がシラノール基やカルボキシル基)と第一ゲート絶縁層3表面(ヒドロキシル基が表面にある状態)とが反応することができ、水素結合や共有結合により膜形成が可能となる。親水処理をしていない場合では、樹脂が第一ゲート絶縁層3上ではじかれてしまい膜形成が難しい。
次に、図6に示すように、第二ゲート絶縁層4上にソース電極5及びドレイン電極6を形成する(ソース・ドレイン電極形成工程)。ソース電極5及びドレイン電極6の形成は、従来公知の方法に準じて行えばよく、例えば、上述した電極材料を用いて、マスク蒸着法(抵抗加熱蒸着法)、スパッタ法、電子ビーム蒸着法、インクジェット法、スクリーン印刷、スピンコート法などにより行なうことができる。インクジェット法、スクリーン印刷、スピンコート法などの塗布法の場合には、銀インクなどの金属ナノ粒子インクを用いることができる。また、フォトリソ法で形成してもよい。
次に、図7に示すように、第二ゲート絶縁層4のソース電極5及びドレイン電極6が形成された側の面に有機半導体層7を形成し、ソース電極5及びドレイン電極6上に有機半導体層7を形成する(有機半導体層形成工程)。有機半導体層7の形成は、従来公知の方法に準じて行えばよく、例えば、上述した有機半導体材料を用いて、抵抗加熱蒸着法、インクジェット法などにより行うことができる。あるいは、PVT法(フィジカル・ベーパー・トランスポート法)で単結晶薄膜を形成し、それを第二ゲート絶縁層4のソース電極5及びドレイン電極6が形成された側の面に配設して、有機半導体層7としてもよい。
このようにして、本発明の有機薄膜トランジスタを製造できる。なお、以上には、ボトムコンタクト構造のデバイス(図1参照)を例に説明したが、ソース・ドレイン電極形成工程と、有機半導体層形成工程との工程順を入れかえることにより、トップコンタクト構造のデバイス(図2参照)とすることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
<実施例1>
以下の工程により、ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタを製造した。
以下の工程により、ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタを製造した。
支持基板としては、10mm×10mm×0.7mm厚の石英ガラスを用いた。この石英ガラスを抵抗加熱蒸着装置に装着し、Auを蒸着して膜厚30nmのゲート電極を形成した。
次に、高分子絶縁材料としてパリレンCを用い、支持基板のゲート電極を形成した側の面に、パリレンコータ(CVD法)により、膜厚500nmの第一ゲート絶縁層を形成した。
次に、上記第一ゲート絶縁層を形成した支持基板をUVオゾン処理装置に入れ、20分間UVオゾン処理を行った。なお、第一ゲート絶縁層表面の水に対する接触角を、接触角計(「DM301」協和界面科学株式会社製)を用いて測定したところ、この親水処理により、処理前の90°から処理後40°に低下した。
次に、アモルファスフッ素樹脂(商品名「Cytop」 旭硝子株式会社製)を用い、スピンコート法により、上記親水処理した第一ゲート絶縁層上に膜厚100nmの第二ゲート絶縁層を形成した。
次に、上記第二ゲート絶縁層を形成した支持基板を抵抗加熱蒸着装置に装着し、第二ゲート絶縁層の上面に膜厚50nm、チャネル長50μmのAuをマスク蒸着して、ソース電極及びドレイン電極を形成した。
次に、別途PVT法で形成した、ペンタセン(シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社製:昇華精製を二回実施)の単結晶(膜厚:60nm)を、第二ゲート絶縁層上に形成したソース電極及びドレイン電極の上から配設し、有機半導体層を形成した。
<実施例2>
実施例1において、表面処理を酸素プラズマ(装置:キャノンアネルバ株式会社製)で行ったこと以外は、実施例1と同様にして、有機薄膜トランジスタを製造した。
実施例1において、表面処理を酸素プラズマ(装置:キャノンアネルバ株式会社製)で行ったこと以外は、実施例1と同様にして、有機薄膜トランジスタを製造した。
<実施例3>
以下の工程を経て、トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタを製造した。
以下の工程を経て、トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタを製造した。
支持基板としては、10mm×10mm×0.7mm厚の石英ガラスを用いた。この石英ガラスを抵抗加熱蒸着装置に装着し、Auを蒸着して膜厚30nmのゲート電極を形成した。
次に、高分子絶縁材料としてパリレンCを用い、支持基板のゲート電極を形成した側の面に、パリレンコータ(CVD法)により、膜厚500nmの第一ゲート絶縁層を形成した。
次に、上記第一ゲート絶縁層を形成した支持基板をUVオゾン処理装置に入れ、20分間UVオゾン処理を行った。なお、第一ゲート絶縁層表面の水に対する接触角を、接触角計(「DM301」協和界面科学株式会社製)を用いて測定したところ、この親水処理により、処理前の90°から処理後40°に低下した。
次に、アモルファスフッ素樹脂(商品名「Cytop」旭硝子株式会社製)を用い、スピンコート法により、上記親水処理した第一ゲート絶縁層上に膜厚100nmの第二ゲート絶縁層を形成した。
次に、別途PVT法で形成した、ペンタセン(シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社製:昇華精製を二回実施)の単結晶(膜厚:60nm)を、第二ゲート絶縁層上に配設し、有機半導体層を形成した。
次に、上記有機半導体層を形成した支持基板を抵抗加熱蒸着装置に装着し、ペンタセン単結晶上面に膜厚50nm、チャネル長50μmのAuをマスク蒸着して、ソース電極及びドレイン電極を形成した。
<実施例4>
実施例3において、表面処理を酸素プラズマ(装置:キャノンアネルバ株式会社製)で行ったこと以外は、実施例3と同様にして、有機薄膜トランジスタを製造した。
実施例3において、表面処理を酸素プラズマ(装置:キャノンアネルバ株式会社製)で行ったこと以外は、実施例3と同様にして、有機薄膜トランジスタを製造した。
<比較例1>
実施例1において、表面処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にした。この場合、第一ゲート絶縁層上に第二ゲート絶縁層を形成できず、有機薄膜トランジスタを製造できなかった。
実施例1において、表面処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にした。この場合、第一ゲート絶縁層上に第二ゲート絶縁層を形成できず、有機薄膜トランジスタを製造できなかった。
<比較例2>
実施例1において、表面処理を行わなかったことと第二ゲート絶縁層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、有機薄膜トランジスタを製造した。
実施例1において、表面処理を行わなかったことと第二ゲート絶縁層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、有機薄膜トランジスタを製造した。
<比較例3>
実施例1において、第一ゲート絶縁層を形成しなかったこと、表面処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にした。この場合、ゲート電極上に第二ゲート絶縁層を形成できず、有機薄膜トランジスタを製造できなかった。
実施例1において、第一ゲート絶縁層を形成しなかったこと、表面処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にした。この場合、ゲート電極上に第二ゲート絶縁層を形成できず、有機薄膜トランジスタを製造できなかった。
実施例1〜4、比較例1〜3の有機薄膜トランジスタについて、移動度を測定した。なお、移動度は半導体パラメータ測定装置(Agilent社製)で測定されたゲート電圧−ドレイン電流特性より求めた。
結果を表1にまとめて記す。
上記結果から明らかなように、実施例1〜4の有機薄膜トランジスタは、ゲート絶縁膜としてパリレンからなる第一ゲート絶縁層のみを備えた、比較例2の有機薄膜トランジスタに比べて移動度に優れていた。
この理由としては、水に対する接触角が100°未満であるパリレン(90°)からなる第一ゲート絶縁層のみを備えただけでは、電荷輸送のトラップになる水分子などの影響が残っているため特性が悪く、一方、その第一ゲート絶縁層に、水に対する接触角が100°以上であるアモルファスフッ素樹脂(115°)からなる第二ゲート絶縁層を積層してゲート絶縁膜を構成したことにより、水分子などの影響を少なくすることができたため、優れたトランジスタ性能が得られたと考えられた。
また、パリレンからなる第一ゲート絶縁層がないと、不活性金属(Au)からなるゲート電極と第二ゲート絶縁層であるアモルファスフッ素樹脂とが反応できず膜形成ができなかった(比較例3)。
また、パリレンからなる第一ゲート絶縁層を親水処理しないと、第二ゲート絶縁層であるアモルファスフッ素樹脂と反応できず膜形成ができなかった(比較例1)。
これに対し実施例1〜4の有機薄膜トランジスタでは、不活性金属(Au)からなるゲート電極上にパリレンからなる第一ゲート絶縁層を形成し、その表面を親水処理したうえで、アモルファスフッ素樹脂からなる第二ゲート絶縁層を積層したことにより、特性の良いトランジスタが形成可能であった。
1:支持基板
2:ゲート電極
3:第一ゲート絶縁層
4:第二ゲート絶縁層
5:ソース電極
6:ドレイン電極
7:有機半導体層
2:ゲート電極
3:第一ゲート絶縁層
4:第二ゲート絶縁層
5:ソース電極
6:ドレイン電極
7:有機半導体層
Claims (9)
- 支持基板上に形成された不活性金属を用いたゲート電極と、前記ゲート電極上に形成された第一高分子ゲート絶縁層と、前記第一高分子ゲート絶縁層上に形成され、前記第一高分子ゲート絶縁層を構成する高分子絶縁材料よりも水に対する接触角が大きい高分子絶縁材料で構成された第二高分子ゲート絶縁層と、前記第二高分子ゲート絶縁層上に所定の間隔を隔てて形成されたソース電極及びドレイン電極と、前記ソース電極及び前記ドレイン電極上に形成された有機半導体層とを備えたことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
- 支持基板上に形成された不活性金属を用いたゲート電極と、前記ゲート電極上に形成された第一高分子ゲート絶縁層と、前記第一高分子ゲート絶縁層上に形成され、前記第一高分子ゲート絶縁層を構成する高分子絶縁材料よりも水に対する接触角が大きい高分子絶縁材料で構成された第二高分子ゲート絶縁層と、前記第二高分子ゲート絶縁層上に形成された有機半導体層と、前記有機半導体層上に所定の間隔を隔てて形成されたソース電極及びドレイン電極とを備えたことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
- 前記第二ゲート絶縁層は前記第一ゲート絶縁層表面を親水処理した該第一ゲート絶縁層上に形成されている、請求項1又は2に記載の有機薄膜トランジスタ。
- 前記第一高分子ゲート絶縁層は、水に対する接触角が100°未満の高分子絶縁材料で構成され、前記第二高分子ゲート絶縁層は、水に対する接触角が100°以上の高分子絶縁材料で構成されたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
- 支持基板上に形成された不活性金属を用いたゲート電極上に第一高分子ゲート絶縁層を形成する工程と、前記第一高分子ゲート絶縁層表面を親水処理する工程と、前記表面処理した第一高分子ゲート絶縁層上に、前記第一高分子ゲート絶縁層を構成する高分子絶縁材料よりも水に対する接触角が大きい高分子絶縁材料で第二高分子ゲート絶縁層を形成する工程と、前記第二高分子ゲート絶縁層上に所定の間隔を隔ててソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、前記ソース電極及び前記ドレイン電極上に有機半導体層を形成する工程を備えることを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
- 支持基板上に形成された不活性金属を用いたゲート電極上に第一高分子ゲート絶縁層を形成する工程と、前記第一高分子ゲート絶縁層表面を親水処理する工程と、前記表面処理した第一高分子ゲート絶縁層上に、前記第一高分子ゲート絶縁層を構成する高分子絶縁材料よりも水に対する接触角が大きい高分子絶縁材料で第二高分子ゲート絶縁層を形成する工程と、前記第二高分子ゲート絶縁層上に有機半導体層を形成する工程と、前記有機半導体層上に所定の間隔を隔ててソース電極及びドレイン電極を形成する工程を備えることを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記第一高分子ゲート絶縁層を構成する高分子絶縁材料が、水に対する接触角が100°未満の高分子絶縁材料であり、前記第二高分子ゲート絶縁層を構成する高分子絶縁材料が、水に対する接触角が100°以上の高分子絶縁材料である、請求項5又は6に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記第一高分子ゲート絶縁層表面を親水処理する工程が、UVオゾン処理である、請求項5〜7のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記第一高分子ゲート絶縁層表面を親水処理する工程が、酸素プラズマ処理である、請求項5〜7のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
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