JP2013168317A - 接合構造、蓄電装置、及び車両 - Google Patents

接合構造、蓄電装置、及び車両 Download PDF

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Abstract

【課題】リード群と集電部材との接合部における電気抵抗を低減し、充放電に伴う発熱を抑制できる蓄電装置、及び車両を提供すること。
【解決手段】シート状をなすセパレータを間に挟んだ状態で正極シート21及び負極シートが層状をなす電極体25における正極シート21の少なくとも1辺から延出形成された正極リード21aが層状をなして構成される正極集電部28と、正極集電端子30とを導電性エポキシ樹脂33により接合した二次電池であって、導電性エポキシ樹脂33は、導電性を有し、且つ正極集電部28において隣り合う正極リード21a間の隙間37の少なくとも一部に充填されて隣り合う正極リード21a同士を接合するとともに隣り合う正極リード21aを正極集電端子30に接合している。
【選択図】図5

Description

本発明は、リード群と集電部材とを接合材により接合した蓄電装置、及びこの蓄電装置を搭載した車両に関する。
従来から、蓄電装置としては、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池などがよく知られている。例えばニッケル水素二次電池では、電極シートが層状をなす電極体における電極シートの1辺から延出形成された電極リードが層状をなして形成されたリード群と、ケースの外部に露出する外部端子とを、集電部材により電気的に接続することが行われている(例えば、特許文献1)。特許文献1の二次電池では、正極の各電極リードと集電部材とをロウ付けして接合し、電気的に接続した構成とされている。
特開2006−302781号公報
しかしながら、特許文献1の二次電池において、リード群をなす電極リードと、集電部材とはあくまで先端部でのみロウ付けされているに過ぎない。一般に、リード群と集電部材との接合部では、電気抵抗によって発熱し易いことが知られており、リード群と集電部材との接合部における電気抵抗をさらに低減し、充放電に伴う発熱を抑制することが期待されている。このようなことは、電気二重層キャパシタにおいても同様に言える。
この発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、リード群と集電部材との接合部における電気抵抗を低減し、充放電に伴う発熱を抑制できる蓄電装置、及び車両を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、シート状をなすセパレータを間に挟んだ状態で正極シート及び負極シートが層状をなす電極体における前記正極シート及び前記負極シートの少なくとも1辺から延出形成された電極リードが層状をなして構成されるリード群と、集電部材とを接合材により接合した蓄電装置であって、前記接合材は、導電性を有し、且つ前記リード群において隣り合う電極リード間の隙間の少なくとも一部に充填されて前記隣り合う電極リード同士を接合するとともに前記隣り合う電極リードを前記集電部材に接合していることを要旨とする。
これによれば、リード群において隣り合う電極リード間の隙間の少なくとも一部に、導電性を有する接合材が充填されることにより、隣り合う電極リード同士が接合されるとともに隣り合う電極リードが集電部材に接合されている。このため、電極リードの先端部でのみ集電部材と接合された従来の構成と比較して、リード群と集電部材との接合部における導電性を高めることができる。したがって、リード群と集電部材との接合部における電気抵抗を低減し、充放電に伴う発熱を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の蓄電装置において、前記集電部材には、前記リード群を構成する電極リードのうち少なくとも先端部が収容される収容部が形成されていることを要旨とする。これによれば、収容部にリード群を構成する電極リードの少なくとも先端部を収容した状態で接合することができるため、リード群と集電部材とをより確実に接合することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の蓄電装置において、前記集電部材は、前記リード群の先端部と対向する対向面を有し、前記対向面は平坦に形成されていることを要旨とする。これによれば、集電部材においてリード群の先端部と対向する対向面が平坦に形成されていることから、集電部材を簡便に形成することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の蓄電装置において、前記集電部材は、前記リード群の先端部と対向する対向面を有し、前記対向面には前記隣り合う電極リードの間に配置される凸部が形成されていることを要旨とする。
これによれば、集電部材においてリード群の先端部が対向する対向面には、隣り合う電極シートの間に配置される凸部が形成されている。したがって、電極リードと集電部材とが近接して配置される領域を大きくし、リード群と集電部材との接合部における電気抵抗をさらに低減することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電装置において、前記集電部材には、前記電極リードの先端部から根元部に向かう方向に延びるとともに、前記電極リードの積層方向において前記リード群に隣り合う延出部が形成されており、前記延出部における前記リード群と対向する面は、前記延出部の先端部側が前記延出部の根元部側よりも前記リード群に近づく形状をしていることを要旨とする。
これによれば、集電部材には、電極リードの積層方向においてリード群に隣り合う延出部が形成されているとともに、この延出部におけるリード群と対向する面は、延出部の先端部側が延出部の根元部側よりもリード群に近づく形状をしている。このため、延出部とリード群との間に接合材を充填することにより、リード群及び接合材が集電部材から離脱する方向に力が付与された場合であっても、延出部におけるリード群と対向する面と干渉することによって、リード群及び接合材が集電部材から離脱してしまうことを抑制できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電装置において、前記集電部材には、前記電極リードの先端部から根元部に向かう方向に延びるとともに、前記電極リードの積層方向において前記電極リードと隣り合う延出部が形成されており、前記延出部の先端部には、前記電極リードの延出方向と直交する方向の断面積が、前記延出部の根元部の断面積より大きい規制部が形成されていることを要旨とする。
これによれば、集電部材には、電極リードの積層方向においてリード群に隣り合う延出部が形成されているとともに、この延出部の先端部には、電極リードの延出方向と直交する方向の断面積が、延出部の根元部の断面積より大きい規制部が形成されている。このため、延出部と電極リードとの間に接合材を充填することにより、リード群及び接合材が集電部材から離脱する方向に力が付与された場合であっても、延出部における規制部と干渉することによって、リード群及び接合材が集電部材から離脱してしまうことを抑制できる。
請求項7に記載の発明は、車両において、請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓄電装置を搭載したことを要旨とする。これによれば、リード群と集電部材との接合部における発熱によって蓄電装置としての性能に悪影響を及ぼすことを抑制できる。したがって、蓄電装置の交換サイクルが短くなることを抑制できる。
本発明によれば、リード群と集電部材との接合部における電気抵抗を低減し、充放電に伴う発熱を抑制できる。
二次電池を模式的に示す斜視図。 分解した電極体を模式的に示す斜視図。 正極集電部と正極集電端子との接合部を模式的に示す分解斜視図。 正極集電部と正極集電端子との接合部を模式的に示す斜視図。 図4に示すA−A線断面図。 別の実施形態における正極集電部と正極集電端子との接合部を模式的に示す斜視図。 別の実施形態における正極集電部と正極集電端子との接合部を模式的に示す斜視図。 (a)は、別の実施形態における正極集電部と正極集電端子との接合部を模式的に示す断面図、(b)及び(c)は、別の実施形態における平板部を模式的に示す断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
図1に示すように、車両(例えば産業車両や乗用車両)に搭載される蓄電装置としての二次電池10は、全体として扁平な略直方体状をなすケース11を備えている。ケース11は、有底筒状(本実施形態では四角筒状)に形成された本体部材12、及び本体部材12の開口部12aを密閉するように、本体部材12に組み付けられる平板状(本実施形態では矩形平板状)をなす蓋部材13から形成されている。本体部材12、及び蓋部材13は、何れも金属(例えばステンレスやアルミニウムなど)から形成されている。以下の説明では、矢印Y1に示すケース11の長手方向を左右方向と示し、矢印Y2に示すケース11の高さ方向を上下方向と示し、図3で矢印Y3に示すケース11の短手方向を前後方向と示す。
蓋部材13の外面(上面)には、円柱状(略円柱状)をなす正極端子15、及び負極端子16が突出形成されている。なお、正極端子15及び負極端子16は、ケース11(本体部材12及び蓋部材13)と絶縁された状態とされている。
また、ケース11(本体部材12)には、シート状のセパレータ(隔膜)23を間に挟んだ状態(介在させた状態)で正極シート21及び負極シート22が層状(積層構造)をなす電極体25が収容(収納)されている。電極体25は、全体として左右方向に扁平な直方体状(略直方体状)をなしている。なお、電極体25は、絶縁材料からなる図示しない絶縁袋に覆われた状態でケース11に収容されている。また、ケース11内には、例えばリチウムイオン二次電池や、ニッケル水素二次電池というように、二次電池10の種類に応じた電解質(電解液)が充填されている。
図2に示すように、正極シート21及び負極シート22は、矩形のシート状をなす金属シート(金属薄板)としての金属箔26を備えている。金属箔26の厚さは、例えば10μm〜50μmであり、好ましくは15μm〜25μmである。また、金属箔26は、例えばリチウムイオン二次電池や、ニッケル水素二次電池というように、二次電池10の種類に応じた金属により形成される。また、金属箔26に用いられる金属は、正極シート21と、負極シート22とでも異なる。例えば、正極シート21の金属箔26は、アルミニウムであり、また負極シート22の金属箔26は、銅である。
各金属箔26の両面(前面及び後面)には、各金属箔26の上辺26aから左右方向の全幅にわたって一定幅で設定された未塗工部としての非塗布領域26bを除き、その全面に活物質が塗布され、活物質層27が形成されている。即ち、非塗布領域26bは、金属箔26の上辺26aに沿って延設されている。なお、金属箔26には、二次電池10の種類に応じた活物質が塗布される。また、金属箔26に塗布される活物質は、正極シート21と、負極シート22とでも異なる。
また、各正極シート21における上辺26aの左側には、非塗布領域26bを打ち抜き加工して矩形(略矩形)をなす電極リードとしての正極リード21aが上方(蓋部材13)に向かって延出形成されている。各負極シート22における上辺26aの右側には、非塗布領域26bを打ち抜き加工して矩形(略矩形)をなす電極リードとしての負極リード22aが上方(蓋部材13)に向かって延出形成されている。このため、正極リード21a、及び負極リード22aの表面には、活物質層27が形成されていない。
また、セパレータ23は、絶縁性を有する樹脂材料からなり、極めて微細な空孔構造をなす矩形の多孔性シートとされている。詳しく説明すると、本実施形態のセパレータ23は、ポリプロピレンからなる多孔性シートを、ポリエチレンからなる多孔性シートで挟むように積層した多層構造(本実施形態では3層構造)とされている。セパレータ23は、多孔性シートを構成するポリエチレンの融点(本実施形態では135℃〜140℃)に達すると、空孔構造が崩壊して細孔が塞がれる。この場合、セパレータ23は、正極シート21と負極シート22との間のイオンの通過を遮断して二次電池10の内部抵抗を高め、二次電池10の温度上昇を抑制するようになっている。以下の説明では、セパレータ23を構成するポリエチレンの融点を特に遮断温度と示す。
そして、電極体25は、正極シート21及び負極シート22の間にセパレータ23を間に挟んだ状態で、正極シート21及び負極シート22を前後方向(厚さ方向)に積層して形成されている。詳しく言えば、電極体25において、正極シート21及び負極シート22は、…→正極シート21→負極シート22→正極シート21…のように、交互に配置されている。本実施形態では、矢印Y3に示す前後方向が電極体25(正極シート21及び負極シート22)の積層方向となる。
図1に示すように、電極体25において上辺26aの左側には、複数の正極リード21aがセパレータ23を間に挟まない状態で層状(積層構造)をなして構成されるリード群としての正極集電部28が上方に向かって延出形成されている。また、電極体25において上辺26aの右側には、複数の負極リード22aがセパレータ23を間に挟まない状態で層状(積層構造)をなして構成されるリード群としての負極集電部29が形成されている。本実施形態では、矢印Y2に示す左右方向が正極集電部28(正極リード21a)及び負極集電部29(負極リード22a)の延設方向となり、矢印Y1に示す上下方向が、正極集電部28(正極リード21a)及び負極集電部29(負極リード22a)の延出方向となる。
そして、正極集電部28(正極リード21a)と、前述した正極端子15とは、集電部材としての正極集電端子30によって電気的に接続されている。また、負極集電部29(負極リード22a)と、負極端子16とは、集電部材としての負極集電端子31によって電気的に接続されている。以下、電極体25に形成された正極集電部28(正極リード21a)及び負極集電部29(負極リード22a)と、各集電端子30,31とを各々接合して電気的に接続するための接合構造(接続構造)について、図3〜図5にしたがって詳しく説明する。
なお、図3及び図4は、電極体25(正極集電部28)及び正極集電端子30を下方から見た場合における模式的な斜視図である。また、図3〜図5では、負極シート22及びセパレータ23の図示が省略されている。そして、図3〜図5では、簡略化して11枚の正極シート21が記載されているが、実際には、電極体25はさらに多数の正極シート21を含んで形成されている。
図3及び図4に示すように、正極集電端子30は、金属(本実施形態ではアルミニウム)からなる。正極集電端子30は、平面視で矩形平板状をなす平板部34と、当該平板部34の下面34aにおける周縁部から、電極体25(正極集電部28)に向かって垂下された壁部35とを備え、全体として矩形のキャップ状をなしている。即ち、正極集電端子30には、正極リード21aの先端部21b(正極集電部28の先端部28a)から、正極リード21aの根元部に向かう方向に延びるとともに、正極リード21aの積層方向において正極集電部28に隣り合うように、正極集電部28の周囲を囲う壁部35が形成されている。平板部34の下面34aは、平坦に形成されている。平板部34において、下面34aとは反対面(上面)には、正極端子15において蓋部材13の上面から突出する上端部とは反対側の下端部が接合され、電気的に接続されている。
また、壁部35は、平板部34の下面34aにおける周縁部の全体にわたって形成されることにより、連続した四角環状をなしている。そして、電極体25の積層方向(前後方向)において、相互に平行をなして対向配置される一対の壁部35の離間距離は、正極集電部28における積層方向の大きさより僅かに大きく形成されている。また、正極集電部28(非塗布領域26b)の延設方向(左右方向)において、相互に平行をなして対向配置される一対の壁部35の離間距離は、正極集電部28における延設方向の大きさよりも僅かに大きく形成されている。
したがって、正極集電端子30の下面34a側には、平板部34及び壁部35により、正極集電部28をなす正極リード21aの先端部21bを収容する収容部36が形成されている。なお、下面34aから壁部35の下端面までの長さ(即ち収容部36の深さ)は、例えば1mm〜10mmである。そして、図5に示すように、正極集電部28は、各正極リード21aの先端部21bを平板部34の下面34aに接触(当接)させた状態で収容部36に収容(挿入)されている。また、正極集電部28は、当該正極集電部28における延出方向の先端(先端部28a)から一部(本実施形態では半分)が収容部36に収容(挿入)されている。本実施形態では、正極集電部28の延出方向(上下方向)が、収容部36に対する正極集電部28の挿入方向となる。また、平板部34の下面34aは、各正極リード21aの先端部21b、即ち正極集電部28の先端部28aと対向する対向面となる。
また、正極集電部28をなす各正極リード21aは、接合材としての導電性エポキシ樹脂33により正極集電端子30と接合(接着)され、接合部32が形成されている。これにより、正極集電部28と正極集電端子30とは電気的に接続されている。ここで導電性エポキシ樹脂33は、エポキシ樹脂に充填材として導電性材料の粉末(例えば黒鉛や金属粉)を配合されてなり、導電性を有する。また、本実施形態の導電性エポキシ樹脂33は、セパレータ23の遮断温度よりも低い温度(例えば常温〜120℃)で硬化するエポキシ樹脂が用いられている。
そして、導電性エポキシ樹脂33は、正極集電部28において隣り合う正極リード21aの間に形成される隙間37の少なくとも一部に充填されて、隣り合う正極リード21a同士を接合している。具体的に言えば、導電性エポキシ樹脂33は、正極集電部28において正極リード21aの間に形成される全ての隙間37について、下面34aから壁部35の下端面と面一(略面一)となる高さまで、正極集電部28の延設方向の全幅にわたって充填され、硬化している。
したがって、各隙間37に充填された導電性エポキシ樹脂33は、隣り合う正極リード21a同士を一体に接合(固定)するとともに、正極集電部28(隣り合う正極リード21a)を収容部36の下面34aに接合(固定)している。また、正極集電部28を構成する各正極リード21aは、何れも正極シート21の面方向と直交する方向へ屈曲されておらず、側面視において端面が直線状となる平面状をなしている。
なお、負極集電端子31は、正極集電端子30とは異なる金属(本実施形態では銅)から形成されている点を除いて、正極集電端子30と同一構成(形状)とされている。また、負極集電端子31と負極集電部29との接合構造は、正極集電端子30と正極集電部28との接合構造と左右対称とされている。したがって、負極集電端子31の構成、及び負極集電端子31と負極集電部29との接合構造については、同一符号を付すなどしてその説明を省略する。
次に、本実施形態の二次電池10の作用について説明する。
図5に示すように、本実施形態では、正極集電部28において隣り合う正極リード21a間の隙間37の少なくとも一部に、導電性を有する導電性エポキシ樹脂33が充填されることにより、隣り合う正極リード21a同士を接合するとともに隣り合う正極リード21aを正極集電端子30に接合している。このため、例えば正極リード21aの先端部21bでのみ正極集電端子30と接合する構成と比較して、導電性エポキシ樹脂33を介して、正極集電端子30と正極集電部28との接合面積を拡大し、正極集電部28と正極集電端子30との接合部32における導電性を高めることができる。
また、本実施形態の正極集電端子30には、収容部36が形成されている。そして、正極集電部28は、当該正極集電部28をなす正極リード21aの先端部21bを収容部36に収容した状態で接合されている。このため、正極集電部28と正極集電端子30とをより確実に接合(接着)することができる。また、本実施形態の正極集電端子30は、平板部34の下面34aが平坦に形成されていることから、正極集電端子30を簡便に形成することができる。
そして、本実施形態において、正極集電部28を構成する各正極リード21aは、何れも正極シート21の面方向と直交する方向へ屈曲させない状態のまま正極集電端子30に接合されている。負極集電部29を構成する負極リード22aについても同様である。
従来、リード群(集電部)は、当該リード群を構成する各電極リードを集電端子側へ屈曲させつつ寄せ集めた状態でスポット溶接などにより接合させるのが一般的であった。しかしながら、このような接合構造では、集電端子から離間した電極シートであるほど電極リードの長さが必要であることに加えて、電極リードを大きく屈曲させる場合には当該屈曲部において電極リードに破損が生じやすくなる。このため、従来の接合構造では、延出方向における電極リードの長さを短縮して、二次電池10のエネルギー密度を向上させることが難しかった。なお、従来の接合構造によれば、延出方向における電極リードの長さは例えば20mm〜30mmである。
また、上記従来の接合構造では、リード群において各電極リードの先端部の位置ズレが生じ、リード群の先端が鋭角状をなすことが知られている。このため、従来の接合構造では、リード群の先端部が上述した絶縁袋に接触して破損させてしまうことを抑制するため、絶縁袋とリード群の先端との間に間隙(クリアランス)を設ける必要があり、二次電池10のエネルギー密度を向上させる妨げとなっていた。
これに対して、本実施形態では、正極集電部28を構成する各正極リード21aを屈曲させることなく正極集電端子30に接合しており、正極リード21aにおける延出方向の長さを好適に短縮できる。そして本実施形態では、各正極リード21aの隙間37に導電性エポキシ樹脂33を充填することにより、正極リード21aを屈曲させて正極集電端子30の下面34aに面接触させることなく、接合部32における導電性を確保している。負極集電部29と負極集電端子31との接合についても同様である。
このため、本実施形態の二次電池10では、体積エネルギー密度や重量エネルギー密度を好適に向上させることができる。即ち、二次電池10として同一の電池容量のまま小型化したり、同一のサイズのまま高容量化したりできる。
次に、本実施形態の二次電池10の製造方法について説明する。
まず、正極シート21、負極シート22、及びセパレータ23をそれぞれ用意する。次に、セパレータ23を間に挟んだ状態で、正極シート21、及び負極シート22を積層し、電極体25を形成する。これにより、電極体25における上辺26aの左側には、正極集電部28が上方に向かって延出形成される。同様に、電極体25における上辺26aの右側には、負極集電部29が上方に向かって延出形成される。
また、切削加工やプレス加工により正極集電端子30を形成するとともに、正極集電端子30における平板部34の上面(下面34aとは反対面)に正極端子15を溶接などにより接合し、電気的に接続する。同様にして、負極集電端子31を形成するとともに、負極集電端子31における平板部34の上面に負極端子16を溶接などにより接合し、電気的に接続する。
次に、下面34aを上方に向けた状態で正極集電端子30及び負極集電端子31を支持するとともに、収容部36にそれぞれ硬化前の導電性エポキシ樹脂33を充填する。続けて、正極集電端子30の収容部36に正極集電部28を挿入し、当該正極集電部28をなす正極リード21aの先端部21bを硬化前の導電性エポキシ樹脂33に埋設させる。これにより、隣り合う正極リード21aの各隙間37に導電性エポキシ樹脂33が充填される。同様に、負極集電端子31の収容部36に負極集電部29を挿入し、当該負極集電部29をなす負極リード22aの先端部を硬化前の導電性エポキシ樹脂33に埋設させる。これにより、隣り合う負極リード22aの各隙間に導電性エポキシ樹脂33が充填される。
そして、正極集電端子30及び負極集電端子31を組み付けた電極体25を加熱器に入れ、セパレータ23の遮断温度より低い温度(例えば80℃)で3時間、加熱して導電性エポキシ樹脂33を完全に硬化させる。これにより、導電性エポキシ樹脂33は、正極集電部28において正極リード21aの隙間37に充填された状態で硬化され、各正極リード21a同士や、正極集電部28と正極集電端子30とが接着(接合)される。同様に、導電性エポキシ樹脂33は、負極集電部29において負極リード22aの隙間に充填された状態で硬化され、各負極リード22a同士や、負極集電部29と負極集電端子31とが接着(接合)される。
そして、電極体25を本体部材12に収容するとともに、この本体部材12には、正極端子15及び負極端子16を上面から突出させつつ蓋部材13が組み付けられる。そして、ケース11に電解質(電解液)が充填され、二次電池10が完成される。
したがって、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、正極集電部28において隣り合う正極リード21a間の隙間37の少なくとも一部に、導電性を有する導電性エポキシ樹脂33が充填されることにより、隣り合う正極リード21a同士が接合されるとともに、隣り合う正極リード21aが正極集電端子30に接合されている。このため、正極リード21aの先端部21bでのみ正極集電端子30と接合された従来の構成と比較して、正極集電部28と正極集電端子30との接合部32における導電性を高めることができる。したがって、正極集電部28と正極集電端子30との接合部32における電気抵抗を低減し、充放電に伴う発熱を抑制することができる。負極集電部29と負極集電端子31との接合についても同様である。
(2)正極集電端子30には、収容部36が形成されている。そして、正極集電部28は、当該正極集電部28を構成する正極リード21aの先端部21bを収容部36に収容した状態で接合させている。このため、正極集電部28と正極集電端子30とをより確実に接合(接着)することができる。負極集電部29と負極集電端子31との接合についても同様である。
(3)正極集電端子30及び負極集電端子31において、平板部34の下面34aは平坦に形成されている。このため、正極集電端子30、及び負極集電端子31を簡便に形成することができる。
(4)正極集電部28と正極集電端子30との接合部32、及び負極集電部29と負極集電端子31との接合部32が充放電に伴って発熱することを抑制できる。このため、接合部32における発熱によって二次電池10としての性能に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
(5)各正極リード21aを屈曲させることなく、正極集電部28を正極集電端子30に接合していることから、正極リード21aにおける延出方向の長さを好適に短縮できる。そして本実施形態では、各正極リード21aの隙間37に導電性エポキシ樹脂33を充填することにより、正極リード21aを屈曲させて正極集電端子30の下面34aに面接触させることなく、接合部32における導電性を確保している。負極集電部29と負極集電端子31との接合(接合部32)についても同様である。このため、本実施形態の二次電池10では、体積エネルギー密度や重量エネルギー密度を好適に向上させることができる。即ち、二次電池10として同一の電池容量のまま小型化したり、同一のサイズのまま高容量化したりできる。
実施形態は上記のように限定されるものではなく、例えば以下のように具体化してもよい。
○ 正極集電端子30は、下面34aの周縁部の一部のみに壁部35を形成してもよい。例えば、図6に示すように、下面34aに一対の壁部35を設け、当該一対の壁部35に挟まれた領域を収容部36としてもよい。また、図7に示すように壁部35を省略した構成としてもよい。この場合には収容部36を省略した構成となる。負極集電部29と負極集電端子31との接合についても同様に変更できる。
○ 図6に示すように、正極集電端子30において、正極リード21aの先端部21bが対向する下面34aには、隣り合う正極リード21aの間に配置される凸部35aを設けてもよい。この凸部35aは、例えば下面34aにおいて、正極集電部28の延設方向の全幅にわたって延びる凸条(壁部)としてもよい。また、図7に示すように、各凸部35aは、円錐状に形成してもよく、また角錐状に形成してもよい。これによれば、正極リード21aと正極集電端子30とが近接して配置される領域を大きくし、正極集電部28と正極集電端子30との接合部32における電気抵抗をさらに低減することができる。なお負極集電部29と負極集電端子31との接合についても同様に変更できる。
○ 図8(a)に示すように、導電性エポキシ樹脂33は、各正極リード21aの隙間37において壁部35の下端面より下方まで充填されていてもよく、隙間37の全体に充填されていてもよい。この場合、各正極リード21aの表面に、正極リード21a(正極集電部28)の延出方向に沿って延びる微細な溝部を設けるとよい。このような構成によれば、毛細管現象によって硬化前の導電性エポキシ樹脂33を隙間37に充填しやすくできる。
○ 図8(a)に示すように、壁部35は、壁部35(収容部36)の内壁面を下面34aに対して傾斜する逆テーパ状に形成し、正極集電部28の延出方向に直交する方向の断面積が、下面34aに近接するほど小さくなるようにしてもよい。即ち、壁部35において正極集電部28と対向する面(収容部36の内壁面)は、壁部35の先端部側が壁部35の根元部側よりも正極集電部28に近づく形状をしていてもよい。さらにこの場合、壁部35の少なくとも基端部を導電性エポキシ樹脂33に埋設させるとよい。これによれば、正極集電部28及び導電性エポキシ樹脂33が正極集電端子30から離脱する方向に力が付与された場合であっても、壁部35における正極集電部28と対向する面(先端部)が導電性エポキシ樹脂33と干渉することによって、正極集電部28及び導電性エポキシ樹脂33が正極集電端子30から離脱してしまうことを抑制できる。本別例では、壁部35は、正極リード21aの先端部21bから根元部に向かう方向に延びるとともに、正極リード21aの積層方向において正極集電部28に隣り合う延出部としても機能する。なお負極集電部29と負極集電端子31との接合についても同様に変更できる。
○ また、図8(b)及び図8(c)に示すように、正極集電端子30の下面34aには、正極リード21aの先端部21bから根元部に向かう方向に延びるとともに、正極リード21aの積層方向において正極リード21aと隣り合う延出部としての突起部38を垂下させて形成してもよい。そして、この突起部38の先端部(下端部)には、正極集電部28の延出方向と直交する方向の断面積が、突起部38の根元部の断面積より大きい規制部38aを形成するとよい。この場合、突起部38を導電性エポキシ樹脂33に埋設させるとよい。規制部38aは、図8(b)に示すように球状に形成してもよく、図8(c)に示すように、円錐状に形成してもよい。これによれば、規制部38aが導電性エポキシ樹脂33と干渉することによって、正極集電部28及び導電性エポキシ樹脂33が正極集電端子30から離脱してしまうことを抑制できる。なお突起部38は、上述した凸部35aと兼用した構成としてもよい。本別例では、突起部38及び規制部38aによって延出部が形成される。また、負極集電部29と負極集電端子31との接合についても同様に変更できる。
○ 平板部34と壁部35とを別体に設け、組み合わせて正極集電端子30及び負極集電端子31を形成してもよい。
○ 導電性エポキシ樹脂33に代えて、接合材としてのはんだを用いてもよい。この場合、正極集電端子30及び負極集電端子31のみを局所的に加熱してはんだを溶融させ、はんだを隙間37に充填しつつ接合させるとよい。これによれば、電極体25の温度がセパレータ23の遮断温度に到達することを抑制しつつ、正極集電部28と正極集電端子30、及び負極集電部29と負極集電端子31をそれぞれ接合できる。
○ 収容部36は、正極集電部28や負極集電部29の全体を収容可能な大きさに形成されていてもよい。
○ 平板部34は、平面視で円形状や三角形状に形成してもよい。
○ 電極体25は、正極シート21、負極シート22、及びセパレータ23を長尺のシート状(帯状)に形成するとともに、セパレータ23を間に挟んだ状態で、正極シート21及び負極シート22を渦まき状に捲回し、正極シート21及び負極シート22が層状(積層構造)をなすように形成してもよい。この場合、正極シート21において幅方向(左右方向)の一方の端部(本別例では左端部)には、正極シート21の長さ方向に沿って所定間隔で延びるように、幅方向の外側(左側)へ突出する正極リード21aを設ける。その一方で、負極シート22において幅方向の他方の端部(本別例では右端部)には、負極シート22の長さ方向に沿って所定間隔で延びるように、幅方向の外側(右側)へ突出する負極リード22aを設ける。そして、正極シート21及び負極シート22を捲回することで、電極体25の左端部に複数の正極リード21aが層状をなす正極集電部28を形成する一方で、電極体25の右端部に複数の負極リード22aが層状をなす負極集電部29を形成するとよい。
○ 正極集電部28、及び負極集電部29は2つ以上形成してもよい。
○ 正極集電端子30、及び負極集電端子31の形状は適宜変更してもよい。
○ 電極体25は、セパレータ23を間に挟んだ状態で正極シート21及び負極シート22を蛇腹状に折り曲げて積層してもよい。
○ 電極体25を構成する正極シート21、及び負極シート22の数は適宜変更してもよい。例えば、正極シート21、及び負極シート22をそれぞれ1つ備えた電極体25としてもよい。
○ ケース11の形状は、円柱状や、左右方向に扁平な楕円柱状に形成してもよい。
○ 本発明は、蓄電装置としての電気二重層キャパシタとして具体化してもよい。
○ 上記実施形態の二次電池10を車両(例えば産業車両や乗用車両など)に搭載し、車両に装備された発電機により充電する一方で、二次電池10から供給する電力によりエアコン用のコンプレッサや、車輪を駆動するための電動モータ、或いはカーナビゲーションシステムなどの電装品を駆動してもよい。これによれば、正極集電部28と正極集電端子30、及び負極集電部29と負極集電端子31との接合部32における発熱によって二次電池10としての性能に悪影響を及ぼすことを抑制できる。したがって、二次電池10の交換サイクルが短くなることを抑制できる。
10…二次電池、21…正極シート、21a…正極リード(電極リード)、21b…先端部、22…負極シート、22a…負極リード(電極リード)、23…セパレータ、25…電極体、28…正極集電部(リード群)、28a…先端部、29…負極集電部(リード群)、30…正極集電端子(集電部材)、31…負極集電端子(集電部材)、33…導電性エポキシ樹脂(接合材)、34a…下面(対向面)、35…壁部(延出部)、35a…凸部、36…収容部、37…隙間、38…突起部(延出部)、38a…規制部(延出部)。

Claims (7)

  1. シート状をなすセパレータを間に挟んだ状態で正極シート及び負極シートが層状をなす電極体における前記正極シート及び前記負極シートの少なくとも1辺から延出形成された電極リードが層状をなして構成されるリード群と、集電部材とを接合材により接合した蓄電装置であって、
    前記接合材は、導電性を有し、且つ前記リード群において隣り合う電極リード間の隙間の少なくとも一部に充填されて前記隣り合う電極リード同士を接合するとともに前記隣り合う電極リードを前記集電部材に接合していることを特徴とする蓄電装置。
  2. 前記集電部材には、前記リード群を構成する電極リードのうち少なくとも先端部が収容される収容部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記集電部材は、前記リード群の先端部と対向する対向面を有し、前記対向面は平坦に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄電装置。
  4. 前記集電部材は、前記リード群の先端部と対向する対向面を有し、前記対向面には前記隣り合う電極リードの間に配置される凸部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄電装置。
  5. 前記集電部材には、前記電極リードの先端部から根元部に向かう方向に延びるとともに、前記電極リードの積層方向において前記リード群に隣り合う延出部が形成されており、
    前記延出部における前記リード群と対向する面は、前記延出部の先端部側が前記延出部の根元部側よりも前記リード群に近づく形状をしていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電装置。
  6. 前記集電部材には、前記電極リードの先端部から根元部に向かう方向に延びるとともに、前記電極リードの積層方向において前記電極リードと隣り合う延出部が形成されており、前記延出部の先端部には、前記電極リードの延出方向と直交する方向の断面積が、前記延出部の根元部の断面積より大きい規制部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓄電装置を搭載したことを特徴とする車両。
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