JP2013167706A - 液浸露光用レジスト組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、[A]下記式(i)で表される基を含む構造単位(I)を有し、かつフッ素原子を含む重合体、及び[B]酸発生体を含有する液浸露光用レジスト組成物である。
上記式(i)中、R1は、アルカリ解離性基である。Aは、−SO2−O−*、−SO−O−*、−NO−O−*、−N−O−*、−B(ORa1)−O−*、−P(=O)(ORa2)−O−*又は下記式(ii)で表される基である。*は、上記R1との結合部位を示す。Ra1及びRa2は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。
【選択図】なし
Description
[A]下記式(i)で表される基を含む構造単位(I)を有し、かつフッ素原子を含む重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)、及び[B]酸発生体を含有する液浸露光用レジスト組成物である。
本発明の液浸露光用レジスト組成物は、[A]重合体及び[B]酸発生体を含有する。また、当該組成物は、好適成分として[C]重合体及び[D]酸拡散制御体を含有していてもよい。さらに、当該組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の任意成分を含有してもよい。以下、各成分について説明する。
[A]重合体は、上記式(i)で表される基を含む構造単位(I)を有し、かつフッ素原子を含む重合体である。[A]重合体は、フッ素原子を含んでいるため、形成されるレジスト膜の撥水性が向上し、レジスト膜からの酸発生体等の溶出を抑制できると共に、優れた水切り特性を発揮する。特に、通常併用される後述の[C]重合体等の他の重合体と共に用いた場合には、その表層において[A]重合体の存在分布が高くなって偏在化する傾向にあるため、上記効果をより高めることができる。[A]重合体のフッ素原子含有率としては、5質量%以上であることが好ましく、7質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。なお、フッ素原子含有率は、13C−NMRを用いて重合体の構造を同定し、この構造から算出することができる。
構造単位(I)は、上記式(i)で表される基を含む構造単位である。
上記式(i)中、R1は、アルカリ解離性基である。Aは、−SO2−O−*、−SO−O−*、−NO−O−*、−N−O−*、−B(ORa1)−O−*、−P(=O)(ORa2)−O−*又は上記式(ii)で表される基である。*は、上記R1との結合部位を示す。Ra1及びRa2は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。
[A]重合体は、下記式(2)で表される構造単位(II)を有していてもよい。[A]重合体が構造単位(II)を有することで、現像後のレジストパターンの形状をより改善することができる。
[構造単位(III)]
[A]重合体は、下記式(3)で表される構造単位(III)を有していてもよい。[A]重合体が構造単位(III)を有することで、現像液に対する親和性を向上させることができる。
[A]重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構造単位(I)〜(III)以外の他の構造単位を有していてもよい。
[A]重合体は、ラジカル重合等の常法に従って合成することができる。例えば、(1)単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、(2)単量体を含有する溶液とラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、(3)各々の単量体を含有する複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、(4)単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を無溶媒中や反応溶媒中で重合反応させる方法、等で合成することが好ましい。
[B]酸発生体は、放射線の露光により酸を発生する感放射線性の成分である。当該組成物が[B]酸発生体を含有することで、露光により発生した酸の作用により後述する[C]重合体等の重合体が有する酸解離性基などを解離させ、生成したカルボキシル基等の極性により露光部における上記重合体が現像液に対して易溶となる。当該組成物を構成する[B]酸発生体の含有形態としては、後述のような化合物の形態(以下、適宜「[B]酸発生剤」とも称する)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。なお、[B]酸発生体は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ヨードニウム塩として、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート;
[C]重合体は、[A]重合体よりもフッ素原子含有率の小さい重合体であり、酸解離性基を有するものである。[C]重合体が酸解離性基を有することで、当該組成物の放射線に対する感度を向上させることができると共に、[C]重合体のフッ素原子含有率が[A]重合体よりも小さいことで、[A]重合体がレジスト膜の表層に偏在化する度合いを高め、液浸露光時の液浸露光液に対する撥水性をより向上させることができる。[C]重合体のフッ素原子含有率としては、5質量%未満が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。なお、フッ素原子含有率は、13C−NMRを用いて重合体の構造を同定し、この構造から算出することができる。
上記構造単位(II)の含有割合としては、[C]重合体における全構造単位に対して5モル%〜90モル%が好ましく、10モル%〜80モル%がより好ましく、20モル%〜70モル%が特に好ましい。上記構造単位(II)の含有割合を上記特定範囲とすることで、放射線に対する感度をより高め、現像後のレジストパターンの形状を効果的に改善することができる。
上記構造単位(III)の含有割合としては、[C]重合体における全構造単位に対して80モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましく、10〜50モル%が特に好ましい。上記構造単位(III)の含有割合を上記特定範囲とすることで、現像液に対する親和性を効果的に向上させることができる。
[C]重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構造単位(II)や(III)以外の他の構造単位を有していてもよい。
[C]重合体は、例えば、各構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより製造できる。[C]重合体の合成方法としては、[A]重合体と同様な方法を適用できるため、その詳細な説明は省略する。
本発明の液浸露光用レジスト組成物は、[D]酸拡散制御体をさらに含有することが好ましい。[D]酸拡散制御体としては、例えば、下記式(4)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」ともいう)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(II)」ともいう)、窒素原子を3個以上有する化合物(以下、「含窒素化合物(III)」ともいう)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。当該組成物が[D]酸拡散制御体を含有することで、レジストパターン形状を向上させることができると共に、当該組成物の保存安定性をより高めることができる。[D]酸拡散制御体の当該組成物における含有形態としては、後述するような化合物である酸拡散制御剤の形態(以下、適宜「[D]酸拡散制御剤」ともいう)でも、[A]重合体や[C]重合体等他の重合体の一部として組み込まれた酸拡散制御基の形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[E]溶媒は、本発明の液浸露光用レジスト組成物が通常含有する成分である。[E]溶媒としては、[A]重合体及び[B]酸発生体、並びに必要に応じて含有する[C]重合体や[D]酸拡散制御剤等の任意成分を溶解又は分散することができれば特に限定されない。なお、[E]溶媒は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状又は分岐状のケトン類;
シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状のケトン類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;
2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類;
ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、等のエステル類;
等が挙げられる。
当該液浸露光用レジスト組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、偏在化促進剤、界面活性剤等のその他の任意成分を含有してもよい。その他の任意成分は、それぞれ、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その他の任意成分の含有量は、その目的に応じて適宜決定することができる。
偏在化促進剤は、[A]重合体を、より効率的にレジスト膜表面に偏析させる効果を有する。当該組成物がこの偏在化促進剤を含有することで、[A]重合体の添加量を従来よりも少なくすることができる。従って、感度やLWR等の一般的特性を損なうことなく、レジスト膜から液浸露光液への成分の溶出をさらに抑制したり、高速スキャンにより液浸露光をより高速に行うことが可能となる。
上記カーボネート化合物としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等が挙げられる。
上記ニトリル化合物としては、例えば、スクシノニトリル等が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン等が挙げられる。
界面活性剤は、塗布性等を向上させる成分である。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、以下商品名で、KP341(信越化学工業製)、ポリフローNo.75、同No.95(共栄社化学製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(トーケムプロダクツ製)、メガファックF171、同F173(大日本インキ化学工業製)、フロラードFC430、同FC431(住友スリーエム製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子製)等が挙げられる。
本発明の液浸露光用レジスト組成物は、通常、全固形分濃度が1質量%〜50質量%、好ましくは1質量%〜25質量%となるように[E]溶媒に溶解した後、例えば、孔径5nm程度のフィルターでろ過することによって調製される。フィルターの材質は特に制限されることは無いが、例えば、ナイロン6,6やナイロン6、ポリエチレン、或いはこれらを組み合わせたもの等が挙げられる。
当該液浸露光用レジスト組成物を用いたレジストパターンの形成方法は、通常、
(1)当該液浸露光用レジスト組成物を基板上に塗布し、レジスト膜を形成する工程、
(2)上記レジスト膜上に液浸露光液を配置し、この液浸露光液を介して放射線を上記レジスト膜に照射し、レジスト膜を液浸露光する工程、及び
(3)上記液浸露光されたレジスト膜を現像液により現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
本工程では、本発明の液浸露光用レジスト組成物を基板上に塗布し、レジスト膜を形成する。
本工程では、上記工程(1)で形成されたレジスト膜上に液浸露光液を配置し、この液浸露光液を介して放射線を上記レジスト膜に照射し、このレジスト膜を液浸露光する。
本工程では、工程(2)で液浸露光されたレジスト膜を現像液により現像してレジストパターンを形成する。
東ソー製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量:1.0ミリリットル/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
化合物の1H−NMR分析、各重合体のフッ素原子含有率を求めるための13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子製「JNM−ECP500」)を使用して行った。
[マススペクトロメトリ分析]
化合物のマススペクトロメトリ分析は、GC−MS(アジレント・テクノロジー製、7890A GC、240MSシステム)を使用して行った。
[A]重合体の合成に用いた化合物(M−1)〜(M−7)の合成例を下記に示す。
[合成例1](化合物(M−1)の合成)
窒素置換した300mlの3つ口フラスコに、3−(メタクリロイルオキシ)−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イルスルホン酸ナトリウム塩2.84gを、テトラヒドロフラン20ml、ジクロロメタン20mlの混合溶剤に入れて懸濁液とし、氷浴にて0℃とした。懸濁液をスターラーにて攪拌しながら、オキサリルクロリド1.52gを10分かけて加えた後、N,N−ジメチルホルムアミドを0.1g加えた。その後、反応液を23℃までゆっくり昇温し、1時間攪拌した。反応液を吸引ろ過して固形分を除去し、ろ液をエバポレーターにて濃縮した。濃縮液にジクロロメタンを30ml加え、硫酸ナトリウムを5g加えて30分間攪拌し、吸引ろ過した。ろ液をエバポレーターにて濃縮した。濃縮液を窒素置換した300mlの3つ口フラスコへ移し、そこへ乾燥したジクロロメタンを20ml加えて溶解させ、氷浴にて0℃とした。そこへアセトンオキシム0.73gのジクロロメタン20ml溶液を5分かけて加え、続いてトリエチルアミン1.21gを20分かけて加えた。反応液を0℃にて2時間攪拌した。反応終了後、反応液に1N塩酸を30ml加え、分液ロートへ移して分液操作により有機層を回収した。有機層を純水で3回洗浄し、エバポレーターにて濃縮することで、化合物(M−1)を1.87g得た(収率59%)。
1H−NMR分析(測定溶媒:CDCl3、基準物質:テトラメチルシラン):
σ=6.12(s,1H,=CH2),5.90(m,1H,CH),5.60(s,1H,=CH2),4.45(m,2H,CH2),2.05(s,3H,CH3),1.95(s,3H,CH3),1.90(s,3H,CH3)
マススペクトロメトリ分析(イオン化方法:メタノールCI):m/z 318[M+H]+,248,245,232
化合物(M−1)の合成と同様の手法にて、3−(メタクリロイルオキシ)−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イルスルホン酸ナトリウム塩の代わりに対応するスルホン酸塩を同物質量、アセトンオキシムの代わりに対応する化合物を同物質量用いて合成した。
収率は、化合物(M−2):38%、化合物(M−3):67%、化合物(M−4):33%、化合物(M−5):50%、化合物(M−6):69%、化合物(M−7):70%であった。
1H−NMR分析(測定溶媒:DMSO、基準物質:テトラメチルシラン):
σ=6.19(s,1H,=CH2),6.00(m,1H,CH),5.83(s,1H,=CH2),2.10(s,3H,CH3),1.98(s,3H,CH3),1.89(s,3H,CH3)
マススペクトロメトリ分析(イオン化方法:メタノールCI):m/z 354[M+H]+,284,281,268
1H−NMR分析(測定溶媒:CDCl3、基準物質:テトラメチルシラン):
σ=6.14(s,1H,=CH2),5.64(s,1H,=CH2),5.28(
2.10(s,3H,CH3),1.98(s,3H,CH3),1.89(s,3H,CH3)
マススペクトロメトリ分析(イオン化方法:メタノールCI):m/z 354[M+H]+,284,281,268
1H−NMR分析(測定溶媒:DMSO、基準物質:テトラメチルシラン):
σ=6.19(s,1H,=CH2),6.00(m,1H,CH),5.83(s,1H,=CH2),2.13(s,3H,CH3),1.89(s,3H,CH3)
マススペクトロメトリ分析(イオン化方法:メタノールCI):m/z 408[M+H]+,338,322,281
1H−NMR分析(測定溶媒:CDCl3、基準物質:テトラメチルシラン):
σ=6.11(s,1H,=CH2),5.63(s,1H,=CH2),4.30(t,2H,O−CH2),3.44(t,2H,SO2CH2),2.34(m,2H,CH2),1.95(s,3H,CH3)
マススペクトロメトリ分析(イオン化方法:メタノールCI):m/z 427[M+H]+,357,341,191,
1H−NMR分析(測定溶媒:CDCl3、基準物質:テトラメチルシラン):
σ=7.90(d,2H,C6H4),7.58(d,2H,C6H4),6.78(dd,1H,=CH),5.96(d,1H,=CH2),5.53(d,1H,CH2),5.27(m,1H,O−CH)
マススペクトロメトリ分析(イオン化方法:メタノールCI):m/z 334[M+H]+,167,151
1H−NMR分析(測定溶媒:CDCl3、基準物質:テトラメチルシラン):
σ=7.96(d,2H,C6H4),7.58(d,2H,C6H4),6.78(dd,1H,=CH),5.94(d,1H,=CH2),5.50(d,1H,CH2),2.13(s,1H,CH3)
マススペクトロメトリ分析(イオン化方法:メタノールCI):m/z 294[M+H]+,167,110
下記式(M−1)〜(M−21)で表される化合物を用いて、各重合体を合成した。なお、重合体の合成に用いた化合物(M−1)〜(M−7)は、上記合成例1〜7で合成したものを使用した。各重合体のMw、Mw/Mn及びフッ素原子含有率を表1に示す。
化合物(M−1)12.99gと、化合物(M−8)2.01gを、2−ブタノン30gに溶解し、更に2,2’−アゾビス(2−イソブチロニトリル)0.42gを100mLの三口フラスコに投入した。30分窒素パージした後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、過熱開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液を水冷することにより30℃以下に冷却し、エバポレーターにて重合溶液の重量が12.5gになるまで減圧濃縮した。重合液を0℃に冷却したn−ヘキサン75gへゆっくり投入し、固形分を析出させた。混合液をデカンテーションして液体を除去し、固形分をn−ヘキサンで3回洗浄し、得られた樹脂を40℃で15時間真空乾燥した。白色粉末状の重合体(A−1)11.25g(収率75%)を得た。この重合体(A−1)のMwは9,400であり、Mw/Mnは1.50であった。
表1に示す種類及び使用量の化合物(単量体)を用いた以外は合成例8と同様に操作して、各重合体を合成した。合成した各重合体の収率(%)、Mw、Mw/Mn及びフッ素原子含有率(質量%)を表1に併せて示す。なお、表1中の「−」は、該当する化合物を使用しなかったことを示す。
下記式(M−22)〜(M−26)で表される化合物を用いて、[C]重合体を合成した。[C]重合体の収率、Mw、Mw/Mn及びフッ素原子含有率を表2に示す。
化合物(M−22)11.92g、化合物(M−23)41.07g、化合物(M−24)15.75g、化合物(M−25)11.16、化合物(M−26)20.10g、ジメチル2,2’−アゾビス(2−イソブチロニトリル)3.88gを2−ブタノン200gに溶解して単量体溶液を調製した。一方、1000mLの三口フラスコに2−ブタノン100gを投入し、30分窒素パージした後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱した。そこへ上記単量体溶液を4時間かけて滴下し、さらに滴下終了後2時間80℃にて熟成した。重合終了後、重合溶液を水冷することにより30℃以下に冷却した。その重合溶液をエバポレーターにて重合溶液の重量が200gになるまで減圧濃縮した。その後、重合溶液を1000gのメタノールへ投入し、再沈操作を行った。析出したスラリーを吸引濾過して濾別し、固形分をメタノールにて3回洗浄した。この固形分を60℃で15時間真空乾燥し、白色粉末状の重合体(C−1)88.0g(収率88%)を得た。この重合体(C−1)のMwは9,300であり、Mw/Mnは1.60であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−22)、(M−23)、(M−24)、(M−25)及び(M−26)に由来する構造単位の含有率は、それぞれ16モル%、26モル%、19モル%、11モル%、28モル%であった。
液浸露光用レジスト組成物を構成する[A]重合体及び[C]重合体以外の各成分について以下に示す。
下記式(B−1)で表される化合物
下記式(D−1)〜(D−4)で表される化合物
E−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
E−2:シクロヘキサノン
E−3:γーブチロラクトン
[A]重合体として(A−1)5質量部、[B]酸発生剤として(B−1)8質量部、[C]重合体として(C−1)100質量部、[D]酸拡散制御剤として(D−1)0.6質量部、並びに[E]溶剤として(E−1)1,732質量部、(E−2)743質量部及び(E−3)275質量部を配合し、液浸露光用レジスト組成物を調製した。
配合する各成分の種類及び配合量(質量部)を表3に記載の通りとした以外は、実施例1と同様に操作して、各組成物を調製した。
感度、LWR、現像欠陥評価及び保存安定性を測定し、その結果を表4に示す。
[感度]
直径12インチのシリコンウエハ上に表3に示した各組成物をスピンコートした後、120℃で60秒間ソフトベーク(SB)を行い、膜厚75nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(「NSR S610C」、NIKON製)を用い、NA=1.3、ratio=0.800、Annularの条件により、50nmLine100nmPitchのパターン形成用のマスクパターンを介して露光した。露光後、各レジスト膜ついて90℃で60秒間ポストベーク(PEB)を行った。その後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。このとき、50nmLine100nmPitchのパターン形成用のマスクパターンを介して露光した部分が線幅50nmのLineを形成する露光量を最適露光量(Eop)とした。この最適露光量を感度(mJ/cm2)とした。このとき、感度が40(mJ/cm2)以下であれば「良好」、40(mJ/cm2)を超えれば「不良」とした。なお、測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製、CG4000)を用いた。
上記感度(mJ/cm2)の評価における方法と同様の方法により、ポジ型のレジストパターンを形成し、Eopを測定した。上記Eopにて形成された線幅50nmLine100nmPitchを、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製、CG4000)を用い、パターン上部から観察し、任意の10点において線幅を測定した。線幅の測定値の3シグマ値(ばらつき)をLWR(nm)とした。このとき、LWRの値が5.4nm以下であれば「良好」、5.4nmを超えれば「不良」とした。
下層反射防止膜(日産化学製、ARC66)を形成した12インチシリコンウェハ上に、フォトレジスト組成物によって膜厚110nmの被膜を形成し、120℃で50秒間SBを行うことによりレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜について、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON製、NSR S610C)を用い、NA=1.3、ratio=0.800、Dipoleの条件により、ターゲットサイズが幅45nmのラインアンドスペース(1L/1S)のマスクパターンを介して露光した。露光後、95℃で50秒間PEBを行った。その後、東京エレクトロン製、クリーントラック「ACT12」の現像装置のGPノズルによって2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により10秒間現像し、15秒間純水によりリンスし、2,000rpmで液振り切り乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。このとき、幅45nmの1L/1Sを形成する露光量を最適露光量とした。この最適露光量にてウェハ全面に線幅45nmの1L/1Sを形成し、欠陥検査用ウェハとした。なお、測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製、CC−4000)を用いた。その後、欠陥検査用ウェハ上の欠陥数を、KLA−Tencor製、KLA2810を用いて測定した。更に、上記KLA2810にて測定された欠陥を、レジスト膜由来と判断されるものと外部由来の異物とに分類した。分類後、レジスト膜由来と判断される欠陥数の合計を現像欠陥評価とした。この欠陥数の合計が100個/ウェハ未満であった場合、現像欠陥評価は「良好」とし、100個以上500個以下/ウェハであった場合「やや良好」、500個/ウェハを超える場合「不良」とした。
各実施例及び比較例において、調製直後のフォトレジスト組成物及び調製後23℃かつ暗所に30日間保存した後のフォトレジスト組成物を用い、これらのフォトレジスト組成物から形成されるレジスト膜の後退接触角を、下記手順に従って、測定した。
(1)下層反射防止膜の形成
12インチシリコンウェハ表面に、下層反射防止膜形成用組成物(商品名「ARC66」、日産化学製)を、半導体製造装置(型式名「Lithius Pro−i」、東京エレクトロン製)を使用して、スピンコートした。次いで、プレベーク(PB)(205℃、60秒間)を行うことにより、膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。
(2)レジスト膜の形成
上記下層反射防止膜を形成後、半導体製造装置(型式名「CLEAN TRACK ACT12」、東京エレクトロン製)を使用して、フォトレジスト組成物をスピンコートした。そして、PB(110℃、60秒間)し、冷却(23℃、30秒間)することにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
(3)接触角の測定
上記形成したレジスト膜について、室温23℃、湿度45%、常圧の環境下で、KRUSS製の「DSA−10」を用いて以下の手順で後退接触角を測定した。
まず、ウェハステージ位置を調整する。次に、ウェハをステージにセットする。「DSA−10」の針に水を注入する。次に、針の位置を微調整する。次に、針から水を排出してウェハ上に25μLの水滴を形成した後、水滴から針を一旦引き抜く。次に、針を上記微調整した位置に再び引き下げる。続いて、針によって水滴を10μL/分の速度で90秒間吸引するとともに、接触角を毎秒(計90回)測定する。次に、接触角が安定した時点から計20点の接触角について平均値を算出して後退接触角(°)とした。
Claims (7)
- 上記構造単位(I)が、下記式(1)で表される請求項1に記載の液浸露光用レジスト組成物。
- [C]上記[A]重合体よりもフッ素原子含有率の小さい重合体
をさらに含有し、
この[C]重合体が、酸解離性基を有する請求項1又は請求項2に記載の液浸露光用レジスト組成物。 - 上記式(i)におけるAが、−SO2−O−*又は−NO−O−*である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の液浸露光用レジスト組成物。
- 上記式(i)におけるR1が、下記式(iii)〜(v)のいずれかで表される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の液浸露光用レジスト組成物。
- [D]酸拡散制御体をさらに含有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の液浸露光用レジスト組成物。
- [D]酸拡散制御体が、光分解性酸拡散制御剤である請求項6に記載の液浸露光用レジスト組成物。
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