JP2013166304A - メッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法及びメッキ膜を有する樹脂成形体 - Google Patents

メッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法及びメッキ膜を有する樹脂成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂成形体の機械的特性を低下させることなく、樹脂成形体へのメッキ膜の形成を可能とする、メッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】
メッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法であって、親水性セグメントを含むブロック共重合体と、熱可塑性樹脂とを、前記ブロック共重合体の前記樹脂成形体に対する混合比が、1〜30wt%になるように混合することと、前記熱可塑性樹脂に金属微粒子を分散させることと、前記熱可塑性樹脂を成形して、樹脂成形体を得ることと、前記ブロック共重合体及び前記金属微粒子を含む前記樹脂成形体の表面に、無電解メッキ液を接触させメッキ膜を形成することを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、メッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法及びメッキ膜を有する樹脂成形体に関する。
樹脂成形体に安価に金属膜を形成する方法として、無電解メッキ法が知られている。無電解メッキ法では、金属膜の樹脂成形体への密着性確保のため、六価クロム酸や過マンガン酸等の酸化剤を含むエッチング液を用いて樹脂成形体表面を粗化する前処理を行う。そのため、無電解メッキ法には、エッチング液により侵食されるABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂)が主に用いられてきた。ABS樹脂は、ブタジエンゴム成分がエッチング液に選択的に侵食され、表面に凹凸が形成される。一方、ABS樹脂以外の樹脂、例えば、ポリカーボネート等では、無電解メッキを可能にするため、ABS樹脂やエラストマー等、エッチング液に選択的に酸化される成分を混合したメッキグレードが市販されている。しかし、このような無電解メッキ法の前処理は、六価クロム酸や過マンガン酸等を使用することから、環境負荷が高いという問題があった。
一方、前処理であるエッチング工程を経ずに、樹脂成形体に金属膜を形成する方法として、超臨界二酸化炭素等の加圧二酸化炭素を用いた樹脂成形体の表面改質法の利用が提案されている。本発明者らは、加圧二酸化炭素を用いた表面改質処理を射出成形と同時に行い、樹脂成形体の表面に無電解メッキの触媒核となるパラジウムを分散させる方法を提案している(特許文献1)。この方法では、表面にパラジウムが偏在化した樹脂成形体に無電解メッキを施すことにより、エッチング工程を経ずに成形体表面にメッキ膜を形成できる。
エッチング工程を経ずに樹脂成形体にメッキ膜を形成する他の方法としては、吸水率の高い樹脂と低い樹脂を混合したマトリクス樹脂を被メッキ体として用いることが提案されている(特許文献2)。
特許第4160623号公報 特開2005−231219号公報
しかし、特許文献2に開示されるマトリックス樹脂を用いた場合、吸水率の高い樹脂を多量に混合させる必要があり、被メッキ体の機械的特性を損なうという問題がある。吸水率の高い樹脂を多量に混合させると、被メッキ体の剛性が低下し、十分な耐熱衝撃性能が得られない。
本発明は、上記課題を解決するものであり、樹脂成形体の機械的特性を低下させることなく、樹脂成形体へのメッキ膜の形成を可能とする、メッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法を提供する。そして、メッキ膜形成後も樹脂成形体は、十分な耐熱衝撃性能を有することができる。
本発明の第1の態様に従えば、メッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法であって、親水性セグメントを含むブロック共重合体と、熱可塑性樹脂とを、前記ブロック共重合体の前記樹脂成形体に対する混合比が、1〜30wt%になるように混合することと、前記熱可塑性樹脂に金属微粒子を分散させることと、前記熱可塑性樹脂を成形して、樹脂成形体を得ることと、前記ブロック共重合体及び前記金属微粒子を含む前記樹脂成形体の表面に、無電解メッキ液を接触させメッキ膜を形成することを含むメッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、メッキ膜を有する樹脂成形体であって、樹脂成形体と、前記樹脂成形体の表面に形成されたメッキ膜を有し、前記樹脂成形体のメッキ膜が形成されている面の表面近傍には、親水性セグメントを含むブロック共重合体と、金属微粒子が含まれるメッキ膜を有する樹脂成形体が提供される。
本発明の態様のメッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法は、被メッキ体である樹脂成形体の機械的特性を低下させることなく、メッキ液の樹脂成形体への浸透性を高める。これにより、メッキ反応が促進され、樹脂成形体へのメッキ膜の付きまわり性が向上する。メッキ膜の欠陥も抑制され、歩留まりが向上する。そして、樹脂成形体は、メッキ膜形成後も十分な耐熱衝撃性能を有する。
第1の実施形態のメッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法を示すフローチャートである。 第2の実施形態のメッキ膜を有する樹脂成形体の表面近傍の断面模式図である。 実施例1で使用した成形機の概略図である。 実施例1で使用した成形機の可塑化シリンダの概略断面図であり、可塑化ゾーン、高圧混練ゾーン及び減圧ゾーンが連通した状態を示す図である。 実施例1で使用した成形機の可塑化シリンダの概略断面図であり、可塑化ゾーン、高圧混練ゾーン及び減圧ゾーンの連通が遮断された状態を示す図である。
[第1の実施形態]
図1に従い、本実施形態のメッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法について説明する。本実施形態の製造方法は、まず、親水性セグメントを含むブロック共重合体と熱可塑性樹脂とを混合する(ステップS1)。親水性セグメントを含むブロック共重合体(以下、単に「ブロック共重合体」と記載する場合がある)と熱可塑性樹脂とを混合する方法は任意である。例えば、熱可塑性樹脂のペレットと粉末状又はペレット状のブロック共重合体とを混合してもよい。または、後述するように、熱可塑性樹脂を射出成形又は押出成形する場合には、射出成形機、又は押出成形機の可塑化シリンダ内で、熱可塑性樹脂とブロック共重合体とを可塑化溶融して混合してもよい。この場合、ブロック共重合体の熱可塑性樹脂への混合(ステップS1)と、後述する熱可塑性樹脂の成形(ステップS3)を同時に行うこととなり、生産効率が良い。
熱可塑性樹脂は、例えば、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリテーテルエーテルケトン、ABS系樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等を用いることできる。また、熱可塑性樹脂には、ガラス繊維、タルク、カーボン繊維等、各種無機フィラー等を混練させることもできる。熱可塑性樹脂は、吸水性及びメッキ反応性が高いナイロンが好ましい。また、熱可塑性樹脂は、―種類の材料を用いても、又は、二種類以上の材料を混合して用いても良いが、二種類以上の材料を混合して用いる場合、ナイロンが主成分であることが好ましい。
本発明者らは、親水性セグメントを含むブロック共重合体と、熱可塑性樹脂とを混合する工程を経てメッキ膜を有する樹脂成形体を製造すると、ブロック共重合体がメッキ膜の成長を促し、更にメッキ膜の質を向上させることを見出した。この理由は定かではないが、以下のように推察される。
熱可塑性樹脂の成形過程、又は成形後において、熱可塑性樹脂に混合されたブロック共重合体は、親水性セグメントが樹脂成形体表面にブリードアウトしようと移動する。よって、ブロック共重合体は、樹脂成形体の表面近傍に偏在する。表面近傍に偏在するブロック共重合体の親水性セグメントにより、樹脂成形体は表面近傍のみが親水化される。
後述するが、本実施形態では、熱可塑性樹脂に金属微粒子を分散させる(図1のステップS2)。よって、メッキの触媒核となる金属微粒子は樹脂成形体の内部に含まれる。触媒核を内部に含んだ成形体に無電解メッキ液を接触させると、メッキ液は樹脂成形体の表面から内部に浸透して金属微粒子と接触し、樹脂成形体の内部から樹脂成形体を押し広げながらメッキ膜が成長していく。このとき、本実施形態の樹脂成形体は、ブロック共重合体により表面近傍が親水化されているため、メッキ液の浸透とメッキ膜の成長を促すと考えられる。本実施形態の樹脂成形体は、メッキ膜の付きまわり性が良好で、短時間でメッキ膜が形成される。メッキ膜形成時間が短くなることで、ピンホール等のメッキ膜の欠陥も生じにくくなる。
一方、ブロック共重合体は、樹脂成形体の表面近傍に偏析するため、ブロック共重合体により親水化されるのは樹脂成形体の表面近傍のみである。ブロック共重合体は樹脂成形体の親水性を部分的に向上させるが、樹脂成形体全体の吸水性(マクロ的吸水性)へ与える影響は小さい。よって、メッキ液中での樹脂成形体の脆性破壊を抑制でき、樹脂成形体の機械的特性を低下させない。この結果、メッキ膜形成後も樹脂成形体は十分な耐熱衝撃性能を有する。
尚、本明細書において、「樹脂成形体の表面近傍」とは、樹脂成形体の内部であって、且つ、表面に近い領域を意味し、樹脂成形体をメッキ液に接触させたときに表面からメッキ液が浸透してメッキ反応が起きる領域を意味する。「樹脂成形体の表面近傍」が、樹脂成形体の表面から、どの程度の深さまでの領域を意味するかは、樹脂成形体に用いられる熱可塑性樹脂によっても異なるが、樹脂成形体の表面から、0.1〜10μmまでの深さの領域であることが好ましい。
本実施形態のブロック共重合体は、親水性セグメントを有し、当然に、親水性セグメントとは異なる他のセグメント(以下、「他のセグメント」と記載する場合がある)も有している。親水性セグメントは、ブロック共重合体と混合する熱可塑性樹脂及び、ブロック共重合体の他のセグメントと比較して親水性が高ければ任意のセグメントでよく、特に、ポリエーテル構造を有することが好ましい。ポリエーテル構造としては、例えばアルキレンの炭素数が2〜4のオキシアルキレン基であるエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等のオキシアルキレン基、ポリエーテルジオール、ポリエーテルジアミン、及びこれらの変性物、並びにポリエーテル含有親水性ポリマーが含まれる。このような親水性セグメントを有することにより、ブロック共重合体は樹脂成形体の表面に偏析することができる。
本実施形態において、ブロック共重合体の他のセグメントは任意であるが、被メッキ体を形成する熱可塑性樹脂と相溶する材料が好ましい。熱可塑性樹脂と相溶するという点から、他のセグメントは、熱可塑性樹脂と同じ構造又は、類似の構造を有する樹脂が好ましい。例えば、熱可塑性樹脂にナイロン等のポリアミド樹脂を用いる場合には、他のセグメントはポリアミド成分を含むナイロン等が好ましい。たま、熱可塑性樹脂にポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂を用いる場合には、他のセグメントはポリオレフィン成分を含むことが好ましい。このように、他のセグメントが被メッキ体を形成する熱可塑性樹脂と相溶する樹脂であると、熱可塑性樹脂との混合時及び、成形後の樹脂成形体内部での相分離を抑制できる。
本実施形態のブロック共重合体は市販品を用いてもよく、例えば、三洋化成工業製ペレスタット(登録商標)、ペレクトロン(登録商標)等を用いることができる。例えば、三洋化成工業製ペレスタットNC6321は、親水性セグメントのポリエーテルと、他のセグメントのナイロンをエステル結合でコポリマー化したブロック共重合体である。
本実施形態では、ブロック共重合体の樹脂成形体に対する混合比が1〜30wt%となるように、ブロック共重合体と熱可塑性樹脂とを混合する。ブロック共重合体の混合比は、樹脂成形体へのメッキ液の浸透性を十分に高めるために1wt%以上が好ましく、樹脂成形体の機械強度及びメッキ膜形成後の耐熱衝撃性能を維持するために、30wt%以下が好ましい。また、ブロック共重合体の混合比は、5〜15wt%とすることが更に好ましい。
尚、本実施形態では、ブロック共重合体を用いることによって、被メッキ体である樹脂成形体の表面近傍のみを親水化し、上述の効果を奏することができる。例えば、同じ構成成分からなるランダム共重合体や、親水性セグメントのみから構成される重合体等では、樹脂成形体の表面近傍のみを親水化することは難しく、本発明と同等の効果は得られない。
次に、図1に示すように、熱可塑性樹脂に金属微粒子を分散させ(ステップS2)、熱可塑性樹脂を成形して樹脂成形体を得る(ステップS3)。金属微粒子は、後述する無電解メッキ工程(ステップS4)においてメッキ触媒として機能し、Pd、Ni、Pt、Cu等の金属微粒子、金属錯体、金属アルコキシド等の金属酸化物の前駆体を用いることができる。金属錯体の種類は任意であるが、より具体的には、ヘキサフルオロアセチルアセトナトパラジウム(II)金属錯体、白金ジメチル(シクロオクタジエン)、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(アセチルアセトネート)パラジウム等が望ましい。後述するように、金属微粒子を加圧二酸化炭素に溶解する場合には、加圧二酸化炭素への溶解性が高い金属錯体を用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂に金属微粒子を分散させる方法、及び、熱可塑性樹脂を成形する方法は任意であるが、例えば、熱可塑性樹脂を射出成形又は押出成形によって成形し、成形と同時に、熱可塑性樹脂に金属微粒子を分散することが好ましい。熱可塑性樹脂への金属微粒子の分散(図1、ステップS2)と、熱可塑性樹脂の成形(ステップS3)を同時に行うこととなり、生産効率が向上する。更に、熱可塑性樹脂の射出成形又は押出成形と同時に、上述したブロック共重合体の熱可塑性樹脂への混合(ステップS1)も行うと、3つの工程(ステップS1〜S3)を同時に行うこととなり、より生産効率が向上する。
また、熱可塑性樹脂への金属微粒子の分散は、金属微粒子を加圧二酸化炭素に溶解又は分散し、金属微粒子が溶解又は分散した加圧二酸化炭素を熱可塑性樹脂へ接触させることにより行うことが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂を射出成形又は押出成形するときに、金属微粒子が溶解又は分散した加圧二酸化炭素を可塑化溶融した前記熱可塑性樹脂へ接触させることにより、熱可塑性樹脂へ金属微粒子を分散させることができる。具体的には、射出成形機又は押出成形機の可塑化シリンダ内で熱可塑性樹脂を可塑化溶融し、その可塑化シリンダへ金属微粒子が溶解した加圧二酸化炭素を導入し、可塑化シリンダ内で溶融樹脂と加圧二酸化炭素を接触させてもよい。加圧二酸化炭素を用いて熱可塑性樹脂に金属微粒子を分散させると、金属微粒子を樹脂成形体の最表面より1〜5μm程度の深さに偏在させることができる。樹脂成形体の表面から深い領域に存在する金属微粒子は無電解メッキ反応に関与できないので、このように金属微粒子を樹脂成形体の表面近傍に偏在させることにより高価である金属微粒子の利用効率を上げ、コストを削減できる。更に、加圧二酸化炭素を用いると、触媒核となる金属微粒子の粒子径を著しく小さくでき、メッキ反応性の高い被メッキ成形体が製造できる。
加圧二酸化炭素としては、液体状態、ガス状態、又は超臨界状態の加圧二酸化炭素を用いることができる。これらの加圧二酸化炭素は、人体に無害であり、また溶融樹脂への拡散性に優れ、しかも溶融樹脂から容易に除去可能であり、更に、溶融樹脂の可塑剤としても機能する。可塑化シリンダへ導入する加圧二酸化炭素の圧力、温度は任意であるが、密度が高く安定であることから液体二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素を用いることが好ましい。加圧二酸化炭素の温度は5℃〜50℃の範囲が好ましい。加圧二酸化炭素の温度は、低いほど高密度となり溶媒効果が高くなるので好ましいが、冷却制御が容易であるという観点から5℃以上が好ましい。また、加圧二酸化炭素の温度が高くなると密度が低くなり液送が不安定になる虞があるので、安定に液送するという観点から、50℃以下が好ましい。加圧二酸化炭素の圧力は、4〜25MPaの範囲が望ましい。圧力が低いと溶媒効果が発現しにくくなるので、適度な溶媒効果を得るという観点から、4MPa以上が好ましく、また、圧力が高いと高圧設備の維持にコストが係るので、コストを抑えるという観点から、25MPa以下が好ましい。尚、金属微粒子を溶解又は分散させた加圧二酸化炭素は、可塑化シリンダ内で瞬時に高温になり圧力も変動する。よって、上述の加圧二酸化炭素の状態、温度及び圧力は、加圧シリンダに導入する前の安定な状態の加圧二酸化炭素の状態、圧力及び温度の値である。
さらに、加圧二酸化炭素は金属微粒子を溶解する溶媒を含有してもよい。例えば、金属錯体を使用する場合、加圧二酸化炭素中の金属錯体の濃度を高めるため、パーフルオロペンチルアミンなどのフッ素系有機溶媒を用いてもよい。
加圧二酸化炭素中の金属微粒子の濃度は、金属微粒子の種類を考慮して適宜選択することができ、特に制限されない。溶融樹脂への浸透性や加圧二酸化炭素中の金属微粒子の凝集を考慮すれば、好ましくは飽和溶解度以下である。特に高温になる成形機の可塑化シリンダ内では急激に二酸化炭素の密度が低下するので、加圧二酸化炭素中の金属微粒子の濃度は、飽和溶解度の1〜50%程度が好ましい。
金属微粒子が溶解又は分散した加圧二酸化炭素と熱可塑性樹脂との接触は、射出成形機の金型内に予め金属微粒子が溶解又は分散した加圧二酸化炭素を導入し、そこへ溶融樹脂を射出充填することによって、金型内で溶融樹脂と加圧二酸化炭素を接触させることによって行ってもよい。更に、金属微粒子が溶解又は分散した加圧二酸化炭素と熱可塑性樹脂との接触は、必ずしも熱可塑性樹脂の成形と同時に行う必要はない。例えば、まず、熱可塑性樹脂を成形して樹脂成形体を得て(図1のステップS3)、次に、樹脂成形体を高圧容器内に設置し、高圧容器内において樹脂成形体に金属微粒子が溶解又は分散した加圧二酸化炭素を接触させ、熱可塑性樹脂の表面近傍に金属微粒子を分散させてもよい(図1のステップS2)。
別の製造方法の例としては、まず、押出成形機を用いて金属微粒子が分散された熱可塑性樹脂のペレットを製造し(図1のステップS2)、この熱可塑性樹脂のペレットを用いて射出成形又は押出成形により、樹脂成形体を得ても良い(ステップS3)。更に、別の製造方法の例としては、押出成形機を用いて金属微粒子及びブロック共重合体が分散された熱可塑性樹脂のペレットを製造し(ステップS1及びS2)、この熱可塑性樹脂のペレットを用いて射出成形又は押出成形により、樹脂成形体を得ても良い(ステップS3)。
以上説明したように、本実施形態の製造方法は、ブロック共重合体と熱可塑性樹脂とを混合することと(図1のステップS1)、熱可塑性樹脂に金属微粒子を分散させることと(ステップS2)、熱可塑性樹脂を成形すること(ステップS3)を含んでいれば、実施の順序は問わず、また、いくつかのステップを同時に実施してもよい。これらの工程を経ることにより、被メッキ体である、ブロック共重合体と金属微粒子を含む樹脂成形体が得られる。
次に、得られたブロック共重合体と金属微粒子を含む樹脂成形体に無電解メッキ液を接触させ、メッキ膜を形成する(図1のステップS4)。無電解メッキ液としては、公知のものを使用できるが、触媒活性が高く液が安定であるという点から、無電解ニッケルリンメッキ液が好ましい。本実施形態の樹脂成形体は、メッキ触媒として働く金属微粒子が分散されているので、メッキ触媒付与処理を行う必要がない。
本実施形態では、無電解メッキ液が樹脂成形体の表面から浸透して樹脂成形体に含まれる金属微粒子に接触し、金属微粒子を触媒としてメッキ膜が成長する。したがって、メッキ膜は樹脂成形体に食い込んだ状態(メッキ膜の一部が樹脂成形体に浸透した状態)で樹脂成形体上に形成される。それゆえ、従来の無電解メッキ法のように樹脂成形体の表面をエッチングで粗化する必要がなく、多様な種類の樹脂成形体に対しても容易に密着性の優れたメッキ膜を形成することができる。また、本実施形態では、従来の無電解メッキ法のように樹脂成形体の表面を粗化しないので、表面粗度の非常に小さい(ナノオーダー)メッキ膜を形成することができる。
本実施形態の樹脂成形体は、ブロック共重合体により表面近傍が親水化されているので、樹脂成形体の表面からの無電解メッキ液の浸透及びメッキ膜の成長が促される。一方、ブロック共重合体により親水化されるのは樹脂成形体の表面近傍のみであり、樹脂成形体全体の吸水性には影響を与えなので、メッキ液中での樹脂成形体の脆性破壊を抑制でき、樹脂成形体の機械的特性を低下させない。よって、メッキ膜形成後も樹脂成形体は十分な耐熱衝撃性能を有する。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態として、図2に示すメッキ膜を有する樹脂成形体100について説明する。メッキ膜を有する樹脂成形体100は、被メッキ体である樹脂成形体101と、樹脂成形体101の表面に形成されたメッキ膜102を有する。そして、メッキ膜102が形成された面の表面近傍には、親水性セグメントを含むブロック共重合体103と、金属微粒子104が含まれる。
本実施形態のメッキ膜を有する樹脂成形体は、表面近傍に偏在するブロック共重合体により表面近傍のみが親水化されている。そして、同様に樹脂成形体の表面近傍に存在する金属微粒子を触媒核として、樹脂成形体の内部からメッキ膜が成長している。メッキ膜は樹脂成形体に食い込んだ状態(メッキ膜の一部が樹脂成形体に浸透した状態)で樹脂成形体上に形成されており、高い密着強度を有する。また、ブロック共重合体により親水化されるのは樹脂成形体の表面近傍のみであり、樹脂成形体全体の吸水性には影響を与えない。よって、樹脂成形体は、十分な機械的強度、耐熱衝撃性能等を有する。
本実施形態のメッキ膜を有する樹脂成形体100は、例えば、第1の実施形態の製造方法によって製造できる。したがって、被メッキ体である樹脂成形体101、メッキ膜102、親水性セグメントを含むブロック共重合体103、金属微粒子104は、第1の実施形態において説明したものと同様の材料を用いることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されない。
[実施例1]
本実施例では、図3に示す成形機1000を用いて、親水性セグメントを含むブロック共重合体及び金属微粒子を含む樹脂成形体を射出成形により製造し、製造した樹脂成形体上に無電解メッキにより金属膜を形成した。
樹脂成形体を形成する熱可塑性樹脂としては、ガラス繊維を30%混合した6ナイロン(東レ製CM1011G30)を、金属微粒子としては、有機金属錯体であるヘキサフルオロアセチルアセトナトパラジウム(II)金属錯体を用いた。親水性セグメントを含むブロック共重合体としては、ポリエチレンオキシドとポリアミド成分をエステル結合させたポリエーテルエステルアミドブロック共重合体(三洋化成工業製、ペレスタットNC6321)を用いた。ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体における親水性セグメントは、ポリエーテルであるポリエチレンオキシドである。
[成形機]
まず、本実施例で樹脂成形体の成形に用いた成形機について説明する。図3に示すように、成形機1000は、金属微粒子を含む加圧二酸化炭素(以下、必要に応じて、「混合加圧流体」と記す)を可塑化シリンダ210に供給する加圧流体供給装置100と、混練装置200と、金型が設けられた型締めユニット250と、制御装置(不図示)を備える。制御装置は、加圧流体供給装置100、混練装置200、及び型締めユニット250を動作制御する。加圧流体供給装置100は、加圧二酸化炭素と、金属微粒子を溶媒に溶解させた溶液Cとを混合して混合加圧流体を調製し、調製された混合加圧流体を可塑化シリンダ210に供給する。また、混練装置200には、ノズル先端29にエアーシリンダ12の駆動により開閉するシャットオフバルブ36が設けられ、可塑化シリンダ210の内部を高圧に保持できる。ノズル先端29には、金型が密着し、金型が形成するキャビティ253内に、ノズル先端29から溶融樹脂が射出充填される。
加圧流体供給装置100は、加圧二酸化炭素に金属微粒子を溶解もしくは分散させて可塑化シリンダ210に導入する機構であれば任意であるが、本実施例においては注射器のように加圧二酸化炭素等を吸引、送液するシリンジポンプを備えた供給装置を用いた。本実施例の加圧流体供給装置100は、加圧二酸化炭素と金属微粒子を混合して供給する装置であり、サイフォン式の二酸化炭素ボンベ101より液体二酸化炭素を吸引した後、加圧して液体二酸化炭素を供給する二酸化炭素用シリンジポンプ102と、金属微粒子含有液体Cを加圧して供給する溶液用シリンジポンプ112より構成される。各シリンジポンプ102、112は圧力制御と流量制御が可能である。液体二酸化炭素ボンベ101と二酸化炭素用シリンジポンプ102とを接続する配管及び二酸化炭素用シリンジポンプ102と可塑化シリンダ210とを接続する配管にはそれぞれ、吸引用エアオペレートバルブ104及び供給用エアオペレートバルブ105が配設されている。また、溶液槽111と溶液用シリンジポンプ112とを接続する配管及び溶液用シリンジポンプ112と可塑化シリンダ210とを接続する配管にはそれぞれ、吸引用エアオペレートバルブ114及び供給用エアオペレートバルブ115が配設されている。
混練装置200は、可塑化シリンダ210と、可塑化シリンダ210内に回転及び進退自在に配設されたスクリュ20と、可塑化シリンダ210内に配置される上流側シール機構S1及び下流側シール機構S2と、可塑化シリンダ210に接続する減圧ゾーン圧力調整機構1を備える。本実施例では、可塑化シリンダ210内において、可塑化溶融された溶融樹脂は、図3〜図5における右手から左手に向かって流動する。したがって、本実施例の可塑化シリンダ210の内部においては、図3〜図5における右手を「上流」又は「後方」、左手を「下流」又は「前方」と定義する。
更に、図示しないが、可塑化シリンダ210の上流側の後端部には、スクリュ20を回転させる回転モータなどの回転駆動手段と、スクリュ20を前後進させるためのボールネジ及びそれを駆動させるモータなどの移動手段とが接続されている。なお、図4及び図5に示すように、本実例の混練装置200は、可塑化シリンダ210の後方側から見た場合に、スクリュ20を反時計回りに回転させると溶融樹脂を前方(ノズル部側)に送る正回転をし、時計回りに回転させると逆回転するように構成されている。
可塑化シリンダ210の上部側面には、上流側から順に、熱可塑性樹脂を可塑化シリンダ210に供給するための樹脂供給口201、混合加圧流体を可塑化シリンダ210内に導入するための導入口202、及び可塑化シリンダ210内からガス化した二酸化炭素を排気するためのベント203が形成されている。これらの樹脂供給口201、及び導入口202にはそれぞれ、樹脂供給用ホッパ211、及び導入バルブ212が配設されており、ベント203には、減圧ゾーン圧力調整機構1が接続されている。また導入バルブ212は、上述の混加圧流体供給装置100と接続される。
可塑化シリンダ210の外壁面には、バンドヒータ(図示せず)が配設されており、これにより可塑化シリンダ210が加熱されて、熱可塑性樹脂が可塑化溶融される。さらに、可塑化シリンダ210の下部側面の導入口202と対向する位置及びベント203に対向する位置にはそれぞれ、圧力及び温度をモニターするセンサ25、26が設けられている。
混練装置200では、樹脂供給口201から可塑化シリンダ210内に熱可塑性樹脂が供給され、熱可塑性樹脂がバンドヒータによって可塑化されて溶融樹脂となり、スクリュ20が正回転することにより下流に送られる。そして、導入口202近傍まで送られた溶融樹脂は、導入された金属微粒子を含む加圧二酸化炭素と高圧下、接触混練される。次いで、混合加圧流体と接触混練された溶融樹脂の樹脂内圧を低下させることにより、ガス化した二酸化炭素が溶融樹脂から分離し、ベント203からこのガス化した二酸化炭素が排気される。そして、さらに前方に送られた溶融樹脂はスクリュ20の先端部に押し出され、溶融樹脂の圧力がスクリュ20に対する反力となり、反力でスクリュ20が後退することにより溶融樹脂が計量される。これにより、可塑化シリンダ210内では、上流側から順に、熱可塑性樹脂を可塑化して溶融樹脂とする可塑化ゾーン21、溶融樹脂と導入口202から導入される混合加圧流体とを高圧下、接触混練する高圧混練ゾーン22、及び混合加圧流体と接触混練した溶融樹脂の樹脂内圧を低下させることにより、溶融樹脂から分離された二酸化炭素をベント203から排気する減圧ゾーン23が形成される。更に、減圧ゾーン23の下流には、再溶融ゾーン24が設けられる。後述するが、本実施例においては、減圧ゾーンにおいて溶融樹脂の粘度が上昇する。この粘度が上昇した溶融樹脂は、再溶融ゾーン24において、射出前に再び可塑化溶融される。
図3〜5に示すように、上記可塑化ゾーン21、高圧混練ゾーン22、及び減圧ゾーン23の間にはそれぞれ、これらのゾーン21、22、23の連通状態を一時的に遮断する上流側シール機構S1及び下流側シール機構S2が配設されている。これにより、例えば、混合加圧流体を高圧混練ゾーン22に導入する際には、機械的に高圧混練ゾーン22の上流側及び下流側がシールされ、確実に高圧混練ゾーン22と隣接するゾーン21、23とを遮断できる。この結果、高圧混練ゾーン22の圧力は高圧に維持されるので、金属微粒子を溶融樹脂に効果的に浸透可能となる。上流側シール機構S1及び下流側シール機構S2は、ゾーン21、22、23の連通を遮断するものであれば、種々のものを利用できるが、本実施例では、後述するスクリュ20の回転状態に応じてこれらのゾーンの連通を遮断するものを用いた
減圧ゾーン圧力調整機構1は、常時、減圧ゾーンの圧力をほぼ一定の圧力に保持する。減圧ゾーン圧力調整機構1は、バッファ容器5と、バッファ容器5の接続口5aから、圧力計4及び背圧弁3を介して排気口11へ接続される排気機構を有する。減圧ゾーン圧力調整機構1は、排気機構の背圧弁3を所定の値に設定し、二酸化炭素ガスの排気量を制限することにより、減圧ゾーン23内部の圧力を制御する。このように、減圧ゾーン圧力調整機構1は、減圧ゾーン23内のガスの圧力を制御している。
減圧ゾーン圧力調整機構1により、減圧ゾーンの圧力を一定に保持することで、可塑化シリンダ210内に導入する加圧二酸化炭素の量を毎ショット安定に制御することができる。更に、二酸化炭素排気時のベントアップ及び、樹脂成形体の不要な発泡等も防ぐことができる。ベントアップとは、減圧した二酸化炭素を排気する排気口から溶融樹脂が同時に漏れる現象である。ベントアップの主原因は、二酸化炭素が混錬されることで樹脂粘度が低下した状態になり、排気のため急減圧されることで樹脂が体積膨張してしまうことだと考えられる。
減圧ゾーン圧力調整機構1のバファ容器5の下部で減圧ゾーン23に接触する部位には、冷却水の流れる通水穴51が設けられ、水が常時流通される。これにより、減圧ゾーン23における可塑化シリンダ210の上面を周囲の可塑化シリンダ温度に対して冷却できる。流通させる水は、例えば、30℃程度の低温の水を用いることができる。減圧ゾーン23を冷却することで、減圧ゾーン23における溶融樹脂の粘度を上昇させることができ、これにより、二酸化炭素の排気時のベントアップを防止することができる。
また、図4及び図5に示すように、混練装置200において、スクリュ20は、フライトを有する第1及び第2フライト部20A、20Cと、第1及び第2フライト部に挟まれて、フライトを有さないフラット部20Bを有し、二酸化炭素が排気されるとき、フラット部20Bの少なくとも一部が、減圧ゾーン23に位置してする。
上述のように、本実施例では、溶融樹脂のベントアップを抑制するために、減圧ゾーン23の温度は他のゾーンより低く制御され、溶融樹脂は、粘度が上昇し半固化状態となる。スクリュのフライトは、本来、低粘度の溶融樹脂を移動させる目的でスクリュに設けられており、このような高粘度の溶融樹脂に対しては、反対に溶融樹脂の移動の妨げとなる。本実施例では、減圧ゾーン23に位置するスクリュ20(20B)がフライトを有さないため、半固化状態の樹脂はスリュ20のフラット部20Bの外周全体に巻きつき、更に、後方の溶融樹脂に押し出されて下流の再溶融ゾーン24に移動する。そして、減圧ゾーン23で冷却され半固化状態の樹脂は、射出前に、再溶融ゾーン24において、再度加熱され可塑化溶融される。
次に、上流側シール機構S1及び下流側シール機構S2について説明する。図4及び図5に示すように、可塑化スクリュ20は、高圧混練ゾーン22と減圧ゾーン23との境界領域において、この境界領域と隣接する領域に比べて縮径された縮径部50を有している。縮径部50には、縮径部50の範囲で軸方向(前後方向)に移動可能となるように遊嵌状態で下流側シールリング60が外嵌している。これら縮径部50と下流側シールリング60とで、下流側シール機構S2が構成されている。同様に、可塑化ゾーン21と高圧混練ゾーン22との境界領域において、縮径部30と上流側シールリング40とで、上流側シール機構S1が構成されている。本実施例においては、上流側シール機構S1と下流側シール機構S2とは基本的に同一の構成である。下流側シールリング60の外周面には、下流側シールリング60の外周面から突出するように金属製の外側シール部材70が嵌合している。これにより、下流側シールリング60と可塑化シリンダ210との間のシール性が確保される。同様に、上流側シールリング40の外周面には、外側シール部材80が嵌合している。
可塑化スクリュ20の縮径部50は、前方(下流)に向かって傾斜するテーパ面を有する円錐台部(シール部)51と、円錐台部51から連接し、軸方向に水平に延びる水平面を有する円筒部52とで構成されている。同様に、縮径部30も、円錐台部(シール部)31と、円筒部32から構成される。
図4に示すように、スクリュ20を正回転(反時計回り)させると、上流側及び下流側シールリング40、60はそれぞれ縮径部30、50の範囲を下流側に移動する。スクリュ20に対して下流側シールリング60が下流側に移動すると、縮径部50のシール部51と下流側シールリング60とが離間して、溶融樹脂及び加圧二酸化炭素の湯道となる隙間Gが形成され、これにより、高圧混練ゾーン22と減圧ゾーン23が連通する。同様に、スクリュ20を正回転(反時計回り)させると、上流側シール機構S1に隙間Gが形成され、、可塑化ゾーン21と高圧混練ゾーン22が連通する。
一方、図5に示すように、スクリュ20を所定回転数以上で逆回転(時計回り)させると、スクリュ20に対して下流側シールリング60が上流側に移動する。スクリュ20に対して下流側シールリング60が上流側に移動すると、縮径部50のシール部51と下流側シールリング60とが当接して、隙間Gは消滅する。これにより、高圧混練ゾーン22と減圧ゾーン23との連通が遮断される。同様に、スクリュ20を逆回転(時計回り)させると、上流側シール機構S1の隙間Gが消滅し、可塑化ゾーン21と高圧混練ゾーン22の連通が遮断される。
[成形方法]
上で説明した図1に示す成形機1000を用いて、以下に説明する方法により、樹脂成形体を成形した。まず、吸引用エアオペレートバルブ104を開放して、液体二酸化炭素ボンベ101から液体二酸化炭素を吸引する。次に、二酸化炭素用シリンジポンプ102の圧力制御により所定圧力まで液体二酸化炭素を加圧する。本実施例では、二酸化炭素用シリンジポンプ102のヘッドと途中の経路を10℃に冷却し、圧力が10MPa、温度が10℃の加圧二酸化炭素を調製した。
また、溶液用シリンジポンプ112側の吸引用エアオペレートバルブ114を開放して、溶液槽111から溶媒に金属微粒子を溶解させた溶液Cをフィルタ113を介して常温で吸引し、溶液用シリンジポンプ112の圧力制御により所定圧力まで溶液Cを加圧する。本実施例では、溶液Cの溶媒としてパーフルオロペンチルアミンのフッ素系有機溶媒を用い、溶液Cを10MPaに加圧した。
次に、供給用エアオペレートバルブ105、115を開放した後、二酸化炭素用シリンジポンプ102及び溶液用シリンジポンプ112を圧力制御から流量制御に切替え、加圧二酸化炭素と加圧した溶液Cとを所定の流量比となるように流動させる。これにより、配管内で加圧二酸化炭素と溶液Cとが混合され、かつ、可塑化シリンダ210内に高圧流体を導入する導入バルブ212までの系内を加圧する。本実施例において、混合加圧流体中の金属微粒子の濃度は、飽和溶解度の10〜20%程度に制御した。
一方、混練装置200において、樹脂供給用ホッパ211から熱可塑性樹脂及び親水性セグメントを含むブロック共重合体のペレットを供給し、可塑化ゾーン21の外壁面に設けられたバンドヒータ(図示せず)により可塑化ゾーン21を加熱し、スクリュ20を正回転させた。これにより、熱可塑性樹脂及びブロック共重合体を混合、加熱、混練し、溶融樹脂とした。本実施例では、溶融樹脂の温度が210〜240℃となるように可塑化シリンダ210の可塑化ゾーン21を加熱した。また、本実施例では、ブロック共重合体の樹脂成形体に対する混合比を、それぞれ、3、10、15、20及び30wt%と変化させた5種類の試料を作製した。
スクリュ20を正回転することにより、溶融樹脂を可塑化ゾーン21から高圧混練ゾーン22に流動させた。そして、高圧混練ゾーン22と、減圧ゾーン23及び可塑化ゾーン21とを遮断するため、可塑化計量完了位置よりも20mm手前(金型側位置)でスクリュ20の回転を一旦停止した後、スクリュ20を逆回転させた(回転数:50rpm)。これにより、上流側及び下流側シールリング40、60を上流側に移動させて、上流側及び下流側シールリング40、60とスクリュ20の縮径部30、50との間に隙間Gを形成し、高圧混練ゾーン22を、減圧ゾーン23及び可塑化ゾーン21から遮断した。
図3に示すように、可塑化シリンダ210の導入口202には、加圧流を導入するための導入バルブ212が設けられている。この導入バルブ212は、可塑化シリンダ210の導入口202と連結された基端部に流体供給口218を有するとともに、内部に導入ピストン217を有している。従って、導入ピストン217で流体供給口218を開放することによって、加圧流体供給装置100から可塑化シリンダ210に混合加圧流体が任意のタイミングで導入される。本実施例では、上流側及び下流側シール機構S1、S2によって高圧混練ゾーン22をシールした後、シリンジポンプ102、112の駆動にあわせて、流体供給口218を開放して混合加圧流体を導入した。本実施例では、圧力10MPa、温度10℃とした混合加圧流体を、成形体1ショット(重量75g)に対し2.5wt%導入し、溶融樹脂に金属錯体を設定量で100ppm分散させた。
導入バルブ212直下に設けた圧力センサ25のモニターした可塑化シリンダ210の内部の圧力は、混合加圧流体の導入前は2MPaであり、混合加圧流体の導入後は、最高9MPaに上昇した。
一方、減圧ゾーン23の圧力を減圧ゾーン圧力調整機構1により、一定の圧力に制御した。減圧ゾーン23の設定圧力は任意であるが、金属微粒子が加圧二酸化炭素に溶解する状態であると、加圧二酸化炭素と一緒にベント口203より排出されてしまうので、金属微粒子の溶解度以下の圧力であることが好ましい。また高圧になるほど、成形品が発泡するので、発泡を回避する目的であれば、圧力は低いほど望ましい。また、減圧ゾーン23の設定圧力が低すぎると、混合高圧流体を導入した際の圧力変化が大きくなり、ショット間のばらつきが大きくなる。金属微粒子が減圧ゾーン23において変質しない場合、以上を鑑みて、減圧ソーン23の適正圧力は0.5〜6MPaが好ましい。より好ましくは、1〜4MPaである。本実施例では、2MPaに背圧弁を設定し、減圧ゾーン23の圧力を、常時、2MPaに制御した。
高圧混練ゾーン22に導入された混合加圧流体を、高圧混練ゾーン22で溶融樹脂中に高圧状態で分散させた後、スクリュ20を正回転(スクリュを可塑化する回転方向)する、又はスクリュ20の逆回転の回転数を低減させることで、高圧混練ゾーン22と減圧ゾーン23とを連通させた。本実施例では、スクリュ20の逆回転の回転数を低下させて(回転数:30rpm)、上流側及び下流側シールリング40、60を元の下流側の位置に戻し、上流側及び下流側シールリング40、60とスクリュ20の縮径部30、50とを離間させ、隙間Gを形成し、高圧混練ゾーン22と減圧ゾーン23を連通させた。次いで、スクリュ20を正回転に戻し、溶融樹脂を減圧ゾーン23へ流動させた。
減圧ゾーン23へ流動した溶融樹脂及び混合加圧流体は、減圧ゾーンの設定圧力、2MPaまで圧力が低下した。これにより、余剰な加圧二酸化炭素はガス化して溶融樹脂から分離した後、可塑化シリンダ210のベント203を経て減圧ゾーン圧力調整機構1の排気口11より排気された。
本実施例では、減圧ゾーン圧力調整機構1の通水穴51に30℃の水を流通させることにより、減圧ゾーン23を冷却し、他のゾーンと比較して低い温度に制御した。減圧ゾーン23と、他のゾーンとの温度差は、樹脂種類やその粘度及び加圧二酸化炭素を含有した際の粘度変化により適正値が変わるので任意であるが、10〜100℃の範囲が望ましい。本実施例では、減圧ゾーン23を他のゾーンと比較して、50℃低い温度に制御した。具体的には、減圧ゾーンは190℃、混練ゾーンは240℃、再溶融ゾーンは240℃とした。これにより、減圧ゾーン23において溶融樹脂は高粘度化し、ベント203からのベントアップは発生しなかった。尚、減圧ゾーン23の温度を他のゾーンより低い温度に制御しなかった場合には、溶融樹脂のベントアップが発生した。
更に、本実施例では、二酸化炭素が排気されるとき、スクリュ20のフライトを有さないフラット部20Bが減圧ゾーン23に位置していた。よって、冷却され高粘度化した溶融樹脂であっても、下流の再溶融ゾーン24に効率的に流動させることができた。
次に、240℃に設定された再溶融ゾーン24において、溶融樹脂を加熱、再溶融した後、スクリュ20の第1フライト部20Aにより可塑化シリンダ210の先端部に送り、可塑化計量を完了した。その後、シャットオブバルブ36を開放して、キャビティ253内に溶融樹脂を射出充填し、金型に保圧をかけて成形体を得た。
上述したように、本実施例では、ブロック共重合体の樹脂成形体に対する混合比を、それぞれ、3、10、15、20及び30wt%と変化させた5種類の試料を作製したが、5種類の試料について、それぞれ、以上説明した射出成形形を連続して10ショット行い、各種10個ずつ成形体を得た。得られた成形体は、全てが白色から薄茶色に着色されており、色調における個体差は認められなかった。これから、有機金属錯体が各成形体に導入され、更に、各ショット間において、各成形体に導入された有機金属錯体の量に差はないと推察される。また、各成形体の内部に、発泡セルは認められなかった。
[無電解メッキ]
上で作製した樹脂成形体を2.5Nの塩酸に1分晒し、水洗し、85℃の1,3−ブタンジオール、75vol%混合水溶液に5分間浸漬させた後、85℃の無電解ニッケルリンメッキ液に浸漬した。以上の無電解メッキ処理により、樹脂成形体上に、ニッケルリンからなるメッキ膜を形成し、メッキ膜を有する樹脂成形体(試料)を完成させた。
作製した試料について、メッキ膜の付きまわり性を評価するため、厚さ1μmのメッキ膜を形成するのに要した時間を測定し、更に、形成したメッキ膜中のピンホールの有無を目視により判断した。結果を表1に示す。
更に、熱衝撃試験として、作製した試料を高温120℃、低温度−35℃の環境に交互に曝す、ヒートサイクル試験を10サイクル繰り返した。その後、メッキ膜の割れや膨れを目視により観察し、以下の評価基準に従って評価した。結果を表1に示す。
ヒートショック試験の評価基準:
○:メッキ膜の割れや膨れなし
×:メッキ膜の割れや膨れあり
[比較例1及び2]
ブロック共重合体の樹脂成形体に対する混合比を、比較例1では、0.1wt%、比較例2では、40wt%とした以外は、実施例1と同様の方法により、メッキ膜を有する樹脂成形体(試料)を、それぞれ10個ずつ作製した。作製した試料に対して、実施例1と同様に、厚さ1μmのメッキ膜を形成するのに要した時間を測定し、更に、形成したメッキ膜中のピンホールの有無を目視により判断した。更に、実施例1と同様に、ヒートサイクル試験を行い、同様の評価基準にしたがって評価した。結果を表1に示す。
Figure 2013166304
表1に示すように、ブロック共重合体の樹脂成形体に対する混合比を1〜30wt%とした実施例1では、メッキ膜形成時間が10分以内と短く、メッキ膜の付きまわり性が良好であった。また、メッキ膜にピンホールも観察されなかった。ヒートサイクル試験結果も良好で、メッキ膜の割れや膨れは生じず、実施例1のメッキ膜を有する樹脂成形体は、十分な耐熱性と耐熱衝撃性能を有することがわかった。
一方、ブロック共重合体の樹脂成形体に対する混合比が1wt%未満の比較例1では、メッキ膜形成時間が15分と長く、メッキ膜の付きまわり性が低かった。更に、メッキ膜にピンホールが多数観察された。これは、ブロック共重合体の混合量が少なすぎるため、実施例1の試料と比較して、メッキ液の浸透性が不均一、不十分であり、メッキの反応性が低かったためと推定される。ブロック共重合体の樹脂成形体に対する混合比が30wt%より多い比較例2では、ヒートサイクル試験の結果、メッキ膜に膨れや割れが生じた。これは、ブロック共重合体の混合量が多過ぎるため、樹脂成形体の熱膨張係数及び剛性が低下し、メッキ膜の耐熱衝撃性能が低下したと推察される。
また、表1から、ブロック共重合体の樹脂成形体に対する混合比が多くなるほどメッキ膜形成時間が減少し、メッキ膜の付きまわり性が向上していることが分かる。しかし、ブロック共重合体の混合比が30wt%のとき(実施例1)と、40wt%のとき(比較例2)とのメッキ膜形成時間が同じことから、メッキ付きまわり性は、ブロック共重合体の混合比が30wt%程度で飽和すると考えられる。
[実施例2]
樹脂成形体を形成する熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン(プライムポリマー製、プライムポリプロ J105G)を、親水性セグメントを含むブロック共重合体として、ポリエーテルとポリオレフィンの共重合体(三洋化成工業製ペレスタット230)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、樹脂成形体を10個作製した。本実施例では、ブロック共重合体の樹脂成形体に対する混合比を、25wt%とした。
作製した樹脂成形体10個を2.5Nの塩酸に1分晒し、水洗し、85℃の1,3−ブタンジオール、75vol%混合水溶液に5分間浸漬させた後、85℃のメタノールを40vol%添加した無電解ニッケルリンメッキ液に浸漬した。以上の無電解メッキ処理により、樹脂成形体上に、ニッケルリンからなるメッキ膜を形成し、メッキ膜を有する樹脂成形体(試料)を完成させた。本実施例では、膜膨れのない薄膜のメッキ膜を形成することができた。
[比較例3]
熱可塑性樹脂にブロック共重合体を混合しなかった以外は実施例2と同様の方法により、樹脂成形体を10個作製した。作製した樹脂成形体10個を実施例2と同様に無電解メッキ処理したが、メッキ反応は生じず、メッキ膜を形成できなかった。
実施例2と比較例3との比較より、以下のことが確認できた。ポリプロピレンからなる樹脂成形体は、内部に無電解メッキ触媒となる金属微粒子を含んでいても、無電解メッキ液中でメッキ反応が進まない(比較例3)。これは、メッキ液が、低吸水性樹脂材料であるポリプロピレン内に浸透しにくいためである。一方、金属微粒子を含むポリプロピレンからなる樹脂成形体に、更に、親水性セグメントを有するブロック共重合体を混合することで、樹脂成形体上に無電解メッキ膜を形成できた(実施例2)。これは、ブロック共重合体により樹脂成形体表面の吸水性が向上し、メッキ液が樹脂内部に浸透できるようになったからと推察される。
以上、本発明のメッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法、及びメッキ膜を有する樹脂成形体を実施例により具体的に説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限定されない。実施例1及び2では、射出成形により樹脂成形体を成形したが、これに限定されず、例えば、樹脂成形体を押出成形によって成形してもよい。また、実施例1及び2で用いた射出成形機は、可塑化シリンダ210に上流側シール機構S1及び下流側シール機構S2が設けられているが、成形機はこれに限定されない。実施例1及び2で用いたシール機構S1及びS2とは別の方式のシール機構を有する可塑化シリンダ、又は、シール機構を有さない可塑化シリンダを用いても、本発明を実施することができる。同様に、本実施例では、可塑化シリンダ210に、減圧ゾーン圧力調整機構1が接続されているが、これに限定されず、減圧ゾーン圧力調整機構1を有さない可塑化シリンダを用いても本発明を実施することができる。
本発明のメッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法は、被メッキ体である樹脂成形体の機械的特性を低下させることなく、樹脂成形体へのメッキ反応性を向上させる。これにより、メッキ膜の欠陥が抑制され、歩留まりが向上する。
1000成形機
100 加圧流体供給装置
250 型締めユニット

200 混練装置
210 可塑化シリンダ
20 スクリュ
S1 上流側シール機構
S2 下流側シール機構

1 減圧ゾーン圧力調整機構
2 加圧機構
3 背圧弁
4 圧力計
5 バッファ容器、
5a、5b 接続口
7 不活性ガスボンベ
8 ブースターポンプ
10 減圧弁
11 排気口

Claims (16)

  1. メッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法であって、
    親水性セグメントを含むブロック共重合体と、熱可塑性樹脂とを、前記ブロック共重合体の前記樹脂成形体に対する混合比が1〜30wt%になるように混合することと、
    前記熱可塑性樹脂に金属微粒子を分散させることと、
    前記熱可塑性樹脂を成形して、樹脂成形体を得ることと、
    前記ブロック共重合体及び前記金属微粒子を含む前記樹脂成形体の表面に、無電解メッキ液を接触させメッキ膜を形成することを含むメッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法。
  2. 前記金属微粒子の前記熱可塑性樹脂への分散は、
    前記金属微粒子を加圧二酸化炭素に溶解又は分散することと、
    前記金属微粒子が溶解又は分散した加圧二酸化炭素を前記熱可塑性樹脂へ接触させることを含む請求項1に記載のメッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂は、射出成形又は押出成形によって成形され、
    前記金属微粒子の前記熱可塑性樹脂への分散は、前記熱可塑性樹脂を成形するときに、可塑化溶融された前記熱可塑性樹脂に、前記金属微粒子が溶解又は分散した加圧二酸化炭素を接触させることを含む請求項2に記載のメッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法。
  4. 前記ブロック共重合体の親水性セグメントが、ポリエーテルである請求項1〜3のいずれか一項に記載のメッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法。
  5. 前記熱可塑性樹脂が、ナイロンを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のメッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法。
  6. 前記ブロック共重合体が、前記熱可塑性樹脂と相溶性を有するセグメントを有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のメッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法。
  7. 前記熱可塑性樹脂と相溶性を有するセグメントが、ナイロンを含む請求項6に記載のメッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法。
  8. 前記金属微粒子が、金属錯体である請求項1〜7のいずれか一項に記載のメッキ膜を有する樹脂成形体の製造の方法。
  9. 前記メッキ膜の形成は、前記無電解メッキ液が前記樹脂成形体の表面から浸透して前記樹脂成形体に含まれる前記金属微粒子に接触し、前記金属微粒子を触媒としてメッキ膜が成長することを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のメッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載するメッキ膜を有する樹脂成形体の製造方法によって製造されたメッキ膜を有する樹脂成形体。
  11. メッキ膜を有する樹脂成形体であって、
    樹脂成形体と、
    前記樹脂成形体の表面に形成されたメッキ膜を有し、
    前記樹脂成形体のメッキ膜が形成されている面の表面近傍には、親水性セグメントを含むブロック共重合体と、金属微粒子が含まれるメッキ膜を有する樹脂成形体。
  12. 前記ブロック共重合体の親水性セグメントが、ポリエーテルである請求項11に記載のメッキ膜を有する樹脂成形体。
  13. 前記樹脂成形体が、ナイロンを含む請求項11又は12に記載のメッキ膜を有する樹脂成形体。
  14. 前記樹脂成形体が熱可塑性樹脂からなり、
    前記ブロック共重合体が、前記熱可塑性樹脂と相溶性を有するセグメントを有する請求項11〜13のいずれか一項に記載のメッキ膜を有する樹脂成形体。
  15. 前記熱可塑性樹脂と相溶性を有するセグメントが、ナイロンを含む請求項14に記載のメッキ膜を有する樹脂成形体。
  16. 前記メッキ膜は、前記樹脂成形体に含まれる前記金属微粒子を触媒として、前記樹脂成形体の内部から成長している請求項11〜15のいずれか一項に記載のメッキ膜を有する樹脂成形体。
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