JP2013166231A - 工作機械用の電動式動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 中空の主軸1の前端側にチャック3又はフェーシングユニット37を設け、主軸1の後端側に主軸1と同一回転する主軸回転体5を設け、該主軸回転体5の回転を動力伝達出力軸21に伝達する主軸側の歯車機構4と電動モータ10側に連結される入力軸17の回転を動力伝達出力軸21に伝達する動力伝達側の歯車機構11とを遊星歯車機構を介して組合せ、入力軸17の回転停止状態で動力伝達出力軸21の回転と主軸回転体5の回転とが同一回転となるように各歯車機構のギヤ比を設定し、主軸1と動力伝達出力軸21との相対回転を可能とし、入力軸17と動力伝達出力軸21と主軸回転体5の軸心を同一線上となし、動力伝達出力軸21を伝動軸23に連結し、該伝動軸23を介してチャック3又はフェーシングユニット37に動力を伝達する。
【選択図】 図1
Description
チャック開閉用の補助モータを常に同期回転させる必要がなく、チャックの把握力の変更時にのみ補助モータに電力を供給すればよいため、エネルギーの消費量も小さい。
ここで、主軸の後端側に主軸回転体となるメインギアを固定し、該メインギアの回転を第1インターナルギアに伝達する主軸側の歯車機構を設け、前記第1インターナルギアと一体回転する第2インターナルギアとプラネットギアとサンギアとキャリアからなる動力伝達側の遊星歯車機構を設け、前記第1インターナルギアに対する前記メインギアの噛み合い比を前記第2インターナルギアに対する前記サンギアの噛み合い比と同一に設定し、前記キャリアの回転軸を電動モータ側に連結される入力軸となし、前記サンギアの回転軸を動力伝達出力軸となしたものとすることができる。
上記において、主軸の中空孔に挿通した伝動軸を、スクロール板回転軸又はチャック開閉用ドローバーとすることができる。
請求項2の発明によれば、歯車機構に要する歯車の数を少なく設定できるので、簡単な構造とすることができる。
伝動軸を、スクロール板回転軸とすればスクロールチャックタイプの旋盤に、チャック開閉用ドローバーとすればドローバー進退タイプの旋盤に適用できる。
また、動力伝達側の遊星歯車機構11のギア配列における歯数を、サンギア14をZd、プラネットギア13をZe、第2インターナルギア12をZfで表す。
そして、主軸側の歯車機構4におけるギアと動力伝達側の遊星歯車機構11におけるギアとの噛み合い比を、第1インターナルギア7に対するメインギア5の噛み合い比を第2インターナルギア12に対するサンギア14の噛み合い比と同一に設定する。式で表せば、次のよう設定する。
Za/Zc=Zd/Zc・・・(1)
Nf=Nc・・・(2)
また、次の式が成り立つ。
Nc=−Na・Za/Zc・・・(3)
Nd=−Nf・Zf/Zd+(Zf/Zd+1)Ng・・・(4)
この(4)式に上記(1)、(2)式を代入すると、
Nd=−Nc・Zc/Za+(Zc/Za+1)Ng・・・(5)
この(5)式に上記(3)式を代入すると、
Nd=Na+(Zc/Za+1)Ng・・・(6)
となる。
ワーク2をチャック3で把握又は開放する際には、主軸1の回転は停止しており、Na=0である。従って、サンギア14の回転数は、Nd=Ng×(Zc/Za+1)となり、キャリア15の回転数(Ng)に比例する。そして、所定の回転数になるようにサーボモータ10を制御しサンギア14を回転させ動力伝達出力軸21を回転させることにより、減速機ユニット22を介してスクロール板回転軸23を回転させてスクロール板24を回転させ、これに伴いクランプ用スライダー25(クランプ爪26)を径方向に移動させてワーク2を把握又は開放する。
チャック3にワーク2を把握して回転中で、サーボモータ10が停止している状態では、キャリア15は回転していない(Ng=0)ので、(6)式より、Nd=Naとなり、サンギア14とメインギア5とは同期回転することになる。この状態でワーク2の加工作業を行う。
サンギア14とメインギア5とが同期回転している状態から、サーボモータ10を回転させ、キャリア15を回転させると、サンギア14の回転数はキャリア15の回転数に比例する。そして、所定の回転数になるようにサーボモータ10を制御しサンギア14を回転させ動力伝達出力軸21を回転させることにより、減速機ユニット22を介してスクロール板回転軸23を回転させてスクロール板24を回転させ、これに伴いクランプ用スライダー25(クランプ爪26)を径方向に移動させてワーク2の把握力を調節することができる。
サーボモータ10の作動により、サーボモータ側タイミングプーリ18、タイミングベルト20、入力側タイミングプーリ19を介してキャリア15に回転入力を与えることにより、遊星歯車機構11のサンギア14に出力される。サンギア14が固着された動力伝達出力軸21が回転し、減速機ユニット22を介してスクロール板回転軸23を回転させスクロール板24を回転させる。このスクロール板24の回転により、チャック3のクランプ爪26を開閉してワーク2を把握又は開放する。
サンギア14が固着された動力伝達出力軸21の前端側にボールネジ31が連結され、このボールネジ31にネジ嵌合されたボールネジナット32が取り付けられたドローバー進退用スライダー33が、ボールネジ31の回転によりスライダーガイド34に沿って軸方向に進退することにより、ドローバー進退用スライダー33の前端側に連結されたチャック開閉用ドローバー(伝動軸)35が軸方向に進退する。これに伴い、チャック開閉レバー36を介してチャック3のクランプ爪26を開閉する。
主軸側の歯車機構4と動力伝達側の遊星歯車機構11との組み合わせにより、動力伝達出力軸21の回転は主軸1の回転と相対回転運動となる。このため、主軸1の回転中にサーボモータ10を作動させてキャリア15側に回転入力を与え、動力伝達出力軸21を主軸1の回転に対して相対回転させると、減速機ユニット22、スクロール板回転軸(伝動軸)23を介してスクロール板24が回転する。このスクロール板24の回転により、バイト移動用スライダー38(バイトホルダー39)を径方向に移動させて、フェーシング加工用バイト40によりフェーシング加工することができる。
なお、図6においては、スクロール板24の回転によりフェーシング加工用バイト40を径方向に移動させるものを示したが、ラックとピニオンによりフェーシング加工用バイトを移動させるようにしてもよい。
図7に示す第4実施例では、主軸側の歯車機構50は、主軸1の後端側に固定され主軸1と同一回転する主軸側ギアA(主軸回転体)51、該主軸側ギアA51に噛み合うアイドルギア52、該アイドルギア52に噛み合う主軸側ギアB53、該主軸側ギアB53と一体回転する主軸側ギアC54、該主軸側ギアC54に噛み合う主軸側ギアD55からなる。ここで、一体回転する主軸側ギアB53と主軸側ギアC54の中心軸56はギアケース9側に固定されている。
一方、動力伝達側の歯車機構60は、上記主軸側ギアD55と一体回転するサンギア61、該サンギア61に噛み合うプラネットギアB62、該プラネットギアB62と一体回転するプラネットギアA63、該プラネットギアA63と噛み合うインターナルギア64、プラネットギアA63とプラネットギアB62を公転させるキャリア65からなる。そして、キャリア65の回転軸が入力軸17、インターナルギア64に固定された回転軸が動力伝達出力軸21となる。
ここで、キャリア65の回転停止状態で、主軸側ギアA51とインターナルギア64とが同一回転となるように、各歯車のギア比を設定する。これにより、主軸1と動力伝達出力軸21との相対回転が可能となる。
一方、動力伝達側の歯車機構71は、上記主軸側ベベルギア57に噛み合うプラネットギア66、該プラネットギア66に噛み合う出力側ベベルギア67、プラネットギア66を公転させるキャリア68からなる。そして、キャリア68の回転軸が入力軸17、出力側ベベルギア67に固定された回転軸が動力伝達出力軸21となる。
ここで、キャリア68の回転停止状態で、主軸側ギアA51と出力側ベベルギア67とが同一回転となるように、各歯車のギア比を設定する。これにより、主軸1と動力伝達出力軸21との相対回転が可能となる。
一方、動力伝達側の歯車機構80は、上記主軸側ギアD76と一体回転するサンギアB81、該サンギアB81に噛み合うプラネットギアB82、該プラネットギアB82と一体回転するプラネットギアA83、該プラネットギアA83に噛み合うサンギアA84、プラネットギアA83とプラネットギアB82を公転させるキャリア85からなる。そして、キャリア85の回転軸が入力軸17、サンギアA84に固定された回転軸が動力伝達出力軸21となる。
ここで、キャリア85の回転停止状態で、主軸側ギアA73とサンギアA84とが同一回転となるように、各歯車のギア比を設定する。ただし、サンギアA84とサンギアB81の歯数が同数の場合は、キャリア入力が機能しないので、両者の歯数が異なるように設定する。これにより、主軸1と動力伝達出力軸21との相対回転が可能となる。
一方、動力伝達側の歯車機構95は、入力側インターナルギア96、該入力側インターナルギア96と噛み合う入力側プラネットギア97、該入力側プラネットギア97と噛み合う出力側サンギア98、主軸側と共通のキャリア99とからなる。入力側プラネットギア97と主軸側プラネットギア92とは一体回転する。そして、入力側インターナルギア96の回転軸が入力軸17、出力側サンギア98に固定された回転軸が動力伝達出力軸21となる。
ここで、入力側インターナルギア96の回転停止状態で、主軸側サンギア91と出力側サンギア98とが同一回転となるように、各歯車のギア比を設定する。これにより、主軸1と動力伝達出力軸21との相対回転が可能となる。
一方、動力伝達側の歯車機構105は、入力側サンギア106、該入力側サンギア106に噛み合う入力側プラネットギアB107、該入力側プラネットギアB107と一体回転する入力側プラネットギアA108、該入力側プラネットギアA108と噛み合う出力側サンギア109、主軸側と共通のキャリア110とからなる。入力側プラネットギアA108,B107と主軸側プラネットギアA102,B103とは一体回転する。そして、入力側サンギア106の回転軸が入力軸17、出力側サンギア109に固定された回転軸が動力伝達出力軸21となる。
ここで、入力側サンギア106の回転停止状態で、主軸側サンギアA101と出力側サンギア109とが同一回転となるように、各歯車のギア比を設定する。これにより、主軸1と動力伝達出力軸21との相対回転が可能となる。
一方、動力伝達側の歯車機構120は、上記主軸側サンギア119と一体回転する入力側サンギア121、該入力側サンギア121に噛み合う入力側プラネットギア122、該入力側プラネットギア122に噛み合う入力側インターナルギア123、前記入力側プラネットギア122を公転させる出力側キャリア124からなる。そして、入力側インターナルギア123の回転軸が入力軸17、出力側キャリア124に固定された回転軸が動力伝達出力軸21となる。
ここで、入力側インターナルギア123の回転停止状態で、主軸回転伝達キャリア116と出力側キャリア124とが同一回転となるように、各歯車のギア比を設定する。これにより、主軸1と動力伝達出力軸21との相対回転が可能となる。
一方、動力伝達側の歯車機構130は、上記主軸側インターナルギア128と一体回転する入力側インターナルギア131、該入力側インターナルギア131に噛み合う入力側プラネットギア132、該入力側プラネットギア132に噛み合う入力側サンギア133、入力側プラネットギア132を公転させる出力側キャリア134からなる。そして、入力側サンギア133の回転軸が入力軸17、出力側キャリア134に固定された回転軸が動力伝達出力軸21となる。
ここで、入力側サンギア133の回転停止状態で、主軸回転伝達キャリア126と出力側キャリア134とが同一回転となるように、各歯車のギア比を設定する。これにより、主軸1と動力伝達出力軸21との相対回転が可能となる。
上記第1〜第10実施例において、入力軸17、動力伝達出力軸21、主軸回転体の回転中心は同一線上としてある。これにより、各歯車機構の構造を簡単にして、コンパクトにギアケース9内に収めることができる。
なお、各図において主軸回転体は、主軸1と同軸に設けたものを示したが、主軸回転体と主軸1とをギア等を介して連結し、主軸回転体の回転中心と主軸1の回転中心とが異なるように連結することもできる。ただ、構造は複雑となる。
2 ワーク
3 チャック
4 主軸側の歯車機構
5 メインギア
6 アイドルギア
7 第1インターナルギア
8 アイドルギアの中心軸
9 ギアケース
10 サーボモータ(電動モータ)
11 動力伝達側の遊星歯車機構
12 第2インターナルギア
13 プラネットギア
14 サンギア
15 キャリア
16 サーボモータの出力軸
17 入力軸
18 サーボモータ側タイミングプーリ
19 入力軸側タイミングプーリ
20 タイミングベルト
21 動力伝達出力軸
22 減速機ユニット
23 スクロール板回転軸(伝動軸)
24 スクロール板
25 クランプ用スライダー
26 クランプ爪
27 中空孔
28 主軸回転用プーリ
29 スピンドルユニット
30 ギアケース固定用ブラケット
31 ボールネジ
32 ボールネジナット
33 ドローバー進退用スライダー
34 スライダーガイド
35 チャック開閉用ドローバー(伝動軸)
36 チャック開閉レバー
37 フェーシングユニット
38 バイト移動用スライダー
39 バイトホルダー
40 フェーシング加工用バイト
41 バランスウェート
42 ハーモニックドライブ(登録商標)
50 主軸側の歯車機構
51 主軸側ギアA(主軸回転体)
52 アイドルギア
53 主軸側ギアB
54 主軸側ギアC
55 主軸側ギアD
56 中心軸
57 主軸側ベベルギア
60 動力伝達側の歯車機構
61 サンギア
62 プラネットギアB
63 プラネットギアA
64 インターナルギア
65 キャリア
66 プラネットギア
67 出力側ベベルギア
68 キャリア
70 主軸側の歯車機構
71 動力伝達側の歯車機構
72 主軸側の歯車機構
73 主軸側ギアA(主軸回転体)
74 主軸側ギアB
75 主軸側ギアC
76 主軸側ギアD
77 中心軸
80 動力伝達側の歯車機構
81 サンギアB
82 プラネットギアB
83 プラネットギアA
84 サンギアA
85 キャリア
90 主軸側の歯車機構
91 主軸側サンギア(主軸回転体)
92 主軸側プラネットギア
93 主軸側インターナルギア
95 動力伝達側の歯車機構
96 入力側インターナルギア
97 入力側プラネットギア
98 出力側サンギア
99 キャリア
100 主軸側の歯車機構
101 主軸側サンギアA(主軸回転体)
102 主軸側プラネットギアA
103 主軸側プラネットギアB
104 主軸側サンギアB
105 動力伝達側の歯車機構
106 入力側サンギア
107 入力側プラネットギアB
108 入力側プラネットギアA
109 出力側サンギア
110 キャリア
115 主軸側の歯車機構
116 主軸回転伝達キャリア(主軸回転体)
117 主軸側プラネットギア
118 主軸側インターナルギア
119 主軸側サンギア
120 動力伝達側の歯車機構
121 入力側サンギア
122 入力側プラネットギア
123 入力側インターナルギア
124 出力側キャリア
125 主軸側の歯車機構
126 主軸回転伝達キャリア(主軸回転体)
127 主軸側プラネットギア
128 主軸側インターナルギア
129 主軸側サンギア
130 動力伝達側の歯車機構
131 入力側インターナルギア
132 入力側プラネットギア
133 入力側サンギア
134 出力側キャリア
Claims (3)
- 中空の主軸の前端側にチャック又はフェーシングユニットを設け、前記主軸の後端側に主軸と同一回転する主軸回転体を設け、該主軸回転体の回転を動力伝達出力軸に伝達する主軸側の歯車機構と電動モータ側に連結される入力軸の回転を前記動力伝達出力軸に伝達する動力伝達側の歯車機構とを遊星歯車機構を介して組合せ、前記入力軸の回転停止状態で前記動力伝達出力軸の回転と前記主軸回転体の回転とが同一回転となるように前記各歯車機構のギヤ比を設定し、前記主軸と動力伝達出力軸との相対回転を可能とし、前記入力軸と動力伝達出力軸と主軸回転体の軸心を同一線上となし、前記動力伝達出力軸を前記主軸の中空孔に挿通した伝動軸に連結し、該伝動軸を介して前記チャック又はフェーシングユニットに動力を伝達することを特徴とする工作機械用の電動式動力伝達装置。
- 主軸の後端側に主軸回転体となるメインギアを固定し、該メインギアの回転を第1インターナルギアに伝達する主軸側の歯車機構を設け、前記第1インターナルギアと一体回転する第2インターナルギアとプラネットギアとサンギアとキャリアからなる動力伝達側の遊星歯車機構を設け、前記第1インターナルギアに対する前記メインギアの噛み合い比を前記第2インターナルギアに対する前記サンギアの噛み合い比と同一に設定し、前記キャリアの回転軸を電動モータ側に連結される入力軸となし、前記サンギアの回転軸を動力伝達出力軸となした請求項1に記載の工作機械用の電動式動力伝達装置。
- 主軸の中空孔に挿通した伝動軸は、スクロール板回転軸又はチャック開閉用ドローバーである請求項1又は2に記載の工作機械用の電動式動力伝達装置。
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