JP2023143841A - 工作機械用の電動式動力伝達装置 - Google Patents

工作機械用の電動式動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高速回転における歯車の噛み合い音を解消した工作機械用の電動式動力伝達装置、また他の遊星歯車機構を用いた工作機械用の電動式動力伝達装置を提供する。【解決手段】主軸の後端側に主軸と一体回転する中空の主軸回転体5を設け、該主軸回転体5の回転を動力伝達出力回転体20に伝達する主軸側の歯車機構4と電動モータ9側に連結される入力軸16の回転を動力伝達出力回転体20に伝達する動力伝達側の歯車機構13とを遊星歯車機構を介して組合せる。主軸側の歯車機構4を主軸回転体5の後部側に、動力伝達側の歯車機構13を主軸側の歯車機構4よりも前方側に配置するとともに、これら主軸側の歯車機構4と動力伝達側の歯車機構13とを組合せた遊星歯車機構を中空の主軸回転体5内に収容する。遊星歯車機構はマグネットギヤからなる。【選択図】図2

Description

本発明は、旋盤用の電動式チャック装置又はフェーシング加工装置として適用できる工作機械用の電動式動力伝達装置に関するものである。
従来、旋盤の主軸の回転駆動用のモータとは別に、チャックの開閉、調節用の補助モータを設けて、主軸の回転中でもチャックの把握力を調節可能とした電動式チャック開閉装置として特許文献1がある。この電動式チャック開閉装置は、ワークを把握するチャック、外周に調節歯車を設けた変換装置、変換装置とチャックとを連結するドローバー、主軸に設けられた伝達歯車、主軸と並行に回転可能に軸支された第二回転軸、第二回転軸上に回転可能に設けられ前記調節歯車と噛合する第一歯車及び前記伝達歯車と噛合する第二歯車、第一歯車を駆動する補助モータ、補助モータと第二回転軸とを連結・解除可能な第一クラッチ、第二回転軸と第二歯車とを連結・解除可能な第二クラッチを有したものである。
かかる電動式チャック開閉装置によれば、主軸の回転中に、補助モータを第二回転軸と同期回転させて、第一クラッチを連結するとともに、第二クラッチを解除し、主軸と回転差を発生させてチャックの把握力を変化させ、チャックが所定の把握力を得た後に、第二クラッチを連結させるとともに、第一クラッチを解除し補助モータを停止させることにより、チャックの把握力を変更させることができる。
チャック開閉用の補助モータを常に同期回転させる必要がなく、チャックの把握力の変更時にのみ補助モータに電力を供給すればよいため、エネルギーの消費量も小さい。
しかし、第一クラッチ及び第二クラッチが必須であり、かつその制御も必要なため、構造が複雑でかつ制御も複雑となる。
これを解決し、クラッチ不要にして簡単な構造とした工作機械用の電動式動力伝達装置として特許文献2がある。このものは、主軸の後端側に主軸と同一回転する主軸回転体を設け、該主軸回転体の回転を動力伝達出力軸に伝達する主軸側の歯車機構と電動モータ側に連結される入力軸の回転を前記動力伝達出力軸に伝達する動力伝達側の歯車機構とを遊星歯車機構を介して組合せ、前記入力軸の回転停止状態で前記動力伝達出力軸の回転と前記主軸回転体の回転とが同一回転となるように前記各歯車機構のギヤ比を設定し、前記主軸と動力伝達出力軸との相対回転を可能としたものである。かかる電動式動力伝達装置によれば、クラッチ不要にして簡単な構造の工作機械用の電動式動力伝達装置が得られる。
しかし、主軸側と遊星歯車機構側とが分離した構造となっているため、主軸側に遊星歯車機構側を設置する際に、遊星歯車機構部分は重量もあることから芯を出すのが難しく、設置作業に困難を伴うこともあった。
これを解決し、主軸側への遊星歯車機構の設置が容易に行えるようにした工作機械用の電動式動力伝達装置として、特許文献3がある。このものは、中空の主軸の前端側にチャック又はフェーシングユニットを設け、前記主軸の後端側に主軸と一体回転する中空の主軸回転体を設け、該主軸回転体の回転を動力伝達出力回転体に伝達する主軸側の歯車機構と電動モータ側に連結される入力軸の回転を前記動力伝達出力回転体に伝達する動力伝達側の歯車機構とを遊星歯車機構を介して組合せ、前記入力軸の回転停止状態で前記動力伝達出力回転体の回転と前記主軸回転体の回転とが同一回転となるように前記歯車機構のギヤ比を設定し、前記主軸と動力伝達出力回転体との相対回転を可能とし、前記入力軸と動力伝達出力回転体と主軸回転体の回転軸心を同一線上となし、前記動力伝達出力回転体を前記主軸の中空孔に挿通した伝動軸に連結し、該伝動軸を介して前記チャック又はフェーシングユニットに動力を伝達する工作機械用の電動式動力伝達装置であって、前記主軸側の歯車機構を前記主軸回転体の後部側に、前記動力伝達側の歯車機構を前記主軸側の歯車機構よりも前方側に配置するとともに、これら主軸側の歯車機構と動力伝達側の歯車機構とを組合せた遊星歯車機構を前記中空の主軸回転体内に収容したものである。
このものは、遊星歯車機構部分の芯出しが容易で、主軸側への遊星歯車機構の設置が容易である点で優れているが、高速回転になると歯車の噛み合い音が大きくなるという弱点がある。また、さらに他の遊星歯車機構も有効であることを見出した。
特開2008-80446号公報 特開2013-166231号公報 特開2021-137884号公報
そこで、本発明の目的は、高速回転における歯車の噛み合い音を解消した工作機械用の電動式動力伝達装置、また他の遊星歯車機構を用いた工作機械用の電動式動力伝達装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る工作機械用の電動式動力伝達装置は、中空の主軸の前端側にチャック又はフェーシングユニットを設け、前記主軸の後端側に主軸と一体回転する中空の主軸回転体を設け、該主軸回転体の回転を動力伝達出力回転体に伝達する主軸側の歯車機構と電動モータ側に連結される入力軸の回転を前記動力伝達出力回転体に伝達する動力伝達側の歯車機構とを遊星歯車機構を介して組合せ、前記入力軸の回転停止状態で前記動力伝達出力回転体の回転と前記主軸回転体の回転とが同一回転となるように前記歯車機構のギヤ比を設定し、前記主軸と動力伝達出力回転体との相対回転を可能とし、前記入力軸と動力伝達出力回転体と主軸回転体の回転軸心を同一線上となし、前記動力伝達出力回転体を前記主軸の中空孔に挿通した伝動軸に連結し、該伝動軸を介して前記チャック又はフェーシングユニットに動力を伝達する工作機械用の電動式動力伝達装置であって、前記主軸側の歯車機構を前記主軸回転体の後部側に、前記動力伝達側の歯車機構を前記主軸側の歯車機構よりも前方側に配置するとともに、これら主軸側の歯車機構と動力伝達側の歯車機構とを組合せた遊星歯車機構を前記中空の主軸回転体内に収容し、前記遊星歯車機構をマグネットギヤからなる遊星歯車機構としたこと、を特徴としている。
ここで、マグネットギヤ脱調防止用の保護ギヤを設けてなるものとすることができる。
また、本発明の他の態様による工作機械用の電動式動力伝達装置は、中空の主軸の前端側にチャック又はフェーシングユニットを設け、前記主軸の後端側に主軸と一体回転する中空の主軸回転体を設け、該主軸回転体の回転を動力伝達出力回転体に伝達する主軸側の歯車機構と電動モータ側に連結される入力軸の回転を前記動力伝達出力回転体に伝達する動力伝達側の歯車機構とを遊星歯車機構を介して組合せ、前記入力軸の回転停止状態で前記動力伝達出力回転体の回転と前記主軸回転体の回転とが同一回転となるように前記歯車機構のギヤ比を設定し、前記主軸と動力伝達出力回転体との相対回転を可能とし、前記入力軸と動力伝達出力回転体と主軸回転体の回転軸心を同一線上となし、前記動力伝達出力回転体を前記主軸の中空孔に挿通した伝動軸に連結し、該伝動軸を介して前記チャック又はフェーシングユニットに動力を伝達する工作機械用の電動式動力伝達装置であって、前記主軸側の歯車機構を前記主軸回転体の後部側に、前記動力伝達側の歯車機構を前記主軸側の歯車機構よりも前方側に配置するとともに、これら主軸側の歯車機構と動力伝達側の歯車機構とを組合せた遊星歯車機構を前記中空の主軸回転体内に収容し、前記主軸側の歯車機構と前記動力伝達側の歯車機構とを共に差動歯車機構からなる遊星歯車機構としたこと、を特徴としている。
また、本発明のさらに他の態様による工作機械用の電動式動力伝達装置は、中空の主軸の前端側にチャック又はフェーシングユニットを設け、前記主軸の後端側に主軸と一体回転する中空の主軸回転体を設け、該主軸回転体の回転を動力伝達出力回転体に伝達する主軸側の歯車機構と電動モータ側に連結される入力軸の回転を前記動力伝達出力回転体に伝達する動力伝達側の歯車機構とを遊星歯車機構を介して組合せ、前記入力軸の回転停止状態で前記動力伝達出力回転体の回転と前記主軸回転体の回転とが同一回転となるように前記歯車機構のギヤ比を設定し、前記主軸と動力伝達出力回転体との相対回転を可能とし、前記入力軸と動力伝達出力回転体と主軸回転体の回転軸心を同一線上となし、前記動力伝達出力回転体を前記主軸の中空孔に挿通した伝動軸に連結し、該伝動軸を介して前記チャック又はフェーシングユニットに動力を伝達する工作機械用の電動式動力伝達装置であって、前記主軸側の歯車機構を前記主軸回転体の後部側に、前記動力伝達側の歯車機構を前記主軸側の歯車機構よりも前方側に配置するとともに、これら主軸側の歯車機構と動力伝達側の歯車機構とを組合せた遊星歯車機構を前記中空の主軸回転体内に収容し、前記主軸側の歯車機構を主軸の回転を2倍にする歯車機構とし、前記動力伝達側の歯車機構を差動歯車機構として組合せた遊星歯車機構としたこと、を特徴としている。
また、本発明のさらに他の態様による工作機械用の電動式動力伝達装置は、上記各態様において、動力伝達側の入力軸に電動モータ側を連結するのに替えて主軸側の歯車機構における基準ギヤに電動モータ側を連結してなるものである。
本発明に係る工作機械用の電動式動力伝達装置によれば、遊星歯車機構をマグネットギヤからなる遊星歯車機構としたので、高速回転しても歯車の噛み合い音を発生しないため、騒音の発生を抑えることができる。
ここで、マグネットギヤ脱調防止用の保護ギヤを設けてなるものとすれば、マグネットギヤが高速回転した場合でもマグネットギヤの脱調が防止され、安全が確保される。
本発明の他の態様による工作機械用の電動式動力伝達装置は、主軸側の歯車機構と動力伝達側の歯車機構とを共に差動歯車機構からなる遊星歯車機構としたもので、軸方向に長くなる不利はあるが、歯車の個数が少なくて済むためコスト的に有利になる可能性がある。
また、本発明のさらに他の態様による工作機械用の電動式動力伝達装置は、主軸側の歯車機構を主軸の回転を2倍にする歯車機構とし、動力伝達側の歯車機構を差動歯車機構として組合せた遊星歯車機構としたもので、主軸側の歯車機構と動力伝達側の歯車機構とを共に差動歯車機構からなる遊星歯車機構としたものに比べて軸方向の長さを短くできる点で有利である。
また、本発明のさらに他の態様による工作機械用の電動式動力伝達装置は、上記各態様において、動力伝達側の入力軸に電動モータ側を連結するのに替えて主軸側の歯車機構における基準ギヤに電動モータ側を連結してなるので、主軸側の歯車機構における基準ギヤ側で制御することも可能となる。
本発明の第1実施例による旋盤用電動式チャックの説明図で、(a)は断面図、(b)は右側面図である。 (a)は図1の要部拡大断面図、(b)はA-A断面図である。 本発明の第2実施例による旋盤用電動式チャックの説明図で、要部拡大断面図である。 本発明の第3実施例による旋盤用電動式チャックの説明図で、(a)は要部拡大断面図、(b)はB-B断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。図1において、符号1は中空の軸からなる主軸で、その前端側(図において右方)にはワーク2を把握するチャック3を設け、主軸1の後端側(図において左方)には主軸1の回転を動力伝達側に伝達する主軸側の歯車機構4を設けてある。また、主軸側の歯車機構4の前方(図において右方)には、サーボモータ(電動モータ)9側に連結される動力伝達側の歯車機構13を設けてある。これら主軸側の歯車機構4と動力伝達側の歯車機構13とをマグネットギヤからなる遊星歯車機構を介して組合せてある。
主軸側の歯車機構4は、主軸1と一体回転する中空の主軸回転体5に固定された主軸側インターナルマグネットギヤ6と、該主軸側インターナルマグネットギヤ6に噛み合う主軸側プラネットマグネットギヤ7と、該主軸側プラネットマグネットギヤ7に噛み合う基準サンマグネットギヤ8からなる。ここで、基準サンマグネットギヤ8は電動モータ側(サーボモータ9の回り止め10側)に固定されており回転しない。主軸側プラネットマグネットギヤ7の公転はキャリア11を介して動力伝達側の入力側プラネットマグネットギヤ12に伝達される。
一方、動力伝達側の歯車機構13は、サーボモータ9からの入力を伝達する入力側サンマグネットギヤ14と、該入力側サンマグネットギヤ14に噛み合う入力側プラネットマグネットギヤ12と、該入力側プラネットマグネットギヤ12に噛み合う出力側インターナルマグネットギヤ15からなる。入力側サンマグネットギヤ14の回転軸はサーボモータ9の出力軸に連結されており、入力軸16となる。サーボモータ9の出力軸に固定したギヤ17と入力軸側ギヤ18とをアイドルギヤ19を介して連結し、入力軸側ギヤ18と一体回転する入力側サンマグネットギヤ14の回転軸(入力軸16)をサーボモータ9側に連結する。出力側インターナルマグネットギヤ15が動力伝達出力回転体20となる。
そして、入力側サンマグネットギヤ14の回転停止状態で、主軸側インターナルマグネットギヤ6と出力側インターナルマグネットギヤ15とが同一回転となるように、各歯車のギヤ比を設定する。これにより、主軸1と動力伝達出力回転体20との相対回転が可能となる。
動力伝達側の歯車機構13における出力側インターナルマグネットギヤ15が動力伝達出力回転体20となる。該動力伝達出力回転体20の前端側は減速機ユニット21を介してチャック開閉用ドローバー(伝動軸)22の後端側に連結してあり、出力側インターナルマグネットギヤ15(動力伝達出力回転体20)の回転が減速機ユニット21を介して、伝動軸22に伝達される。
より具体的には、動力伝達出力回転体20の前端側にボールネジ23が連結され、このボールネジ23の後部にはボールネジナット24がネジ嵌合され、前部にはドローバー進退用スライダー(ボールネジ回り止め)25が取り付けられている。動力伝達出力回転体20の回転が遊星歯車機構により減速されてボールネジナット24に伝達される。ボールネジナット24の回転によりネジ嵌合するボールネジ23が軸方向に進退することにより、ドローバー進退用スライダー25の前端側に連結されたチャック開閉用ドローバー(伝動軸)22が軸方向に進退する。これに伴い、チャック開閉レバー26を介してチャック3のクランプ用スライダー27が径方向に移動しクランプ爪28を開閉する。
主軸側の歯車機構4と動力伝達側の歯車機構13の配置を、主軸側の歯車機構4を主軸回転体5の後部側に、動力伝達側の歯車機構13を主軸側の歯車機構4より前方側に配置して中空の主軸回転体5内に収容してある。このように配置することにより、主軸回転体5と歯車機構4,13との芯出し作業が容易になり、設置作業が容易となる。
また、動力伝達側の入力としてサンギヤ(入力側サンマグネットギヤ14)を用いることにより、動力伝達側13を主軸側4より前方に配置することが容易になり、主軸側の歯車機構4と動力伝達側の歯車機構13との両者を中空の主軸回転体5内に収容することが容易となる。
主軸回転体5を中空の回転体とすることにより、該中空の主軸回転体5内に減速機ユニット21を収容することも可能となり、主軸回転体5と各歯車機構4,13と減速機ユニット21との芯出し作業が容易になり、設置作業も容易となる。
主軸側の歯車機構4と動力伝達側の歯車機構13とをマグネットギヤからなる遊星歯車機構を介して組合せてあるので、高速回転した場合でもギヤの噛み合い音を発することなく、騒音の発生を抑制できる。
なお、図2(b)ではプラネットマグネットギヤ12を8箇所に配したものを例示したが、マグネットギヤの性能に応じて配置する数を増減することができる。
マグネットギヤの脱調(ギヤの噛み合いのずれ)を防止するための保護ギヤ29を設けてある。主軸側の歯車機構4及び動力伝達側の歯車機構13におけるインターナルマグネットギヤ6,15とサンマグネットギヤ8,14側にはそれぞれ全周に亘って、プラネットマグネットギヤ7,12側には図2(b)において8箇所の内の対向する2箇所のプラネットマグネットギヤに保護ギヤ29を設けてある。1箇所ではなく対向する箇所に保護ギヤ29を配したのはバランスを確保するためである。なお、通常運転時にはギヤ同士が接触しないようにバックラッシュを大きくとってある。
ワークの把握と開放について
ワーク2をチャック3で把握又は開放する際には、主軸1の回転は停止している。入力側サンマグネットギヤ14の回転数は入力軸側ギヤ18の回転数と同じである。そして、所定の回転数となるようにサーボモータ9を制御し、入力側サンマグネットギヤ14を回転させ動力伝達出力回転体20を回転させることにより、減速機ユニット21を介してチャック開閉用ドローバー22を進退させ、チャック開閉用レバー26を介してクランプ用スライダー27(クランプ爪28)を径方向に移動させてワーク2を把握又は開放する。
ワークの加工作業について
チャック3にワーク2を把握して回転中で、サーボモータ9が停止している状態では、入力側サンマグネットギヤ14は回転しておらず、主軸側インターナルマグネットギヤ6と動力伝達側の出力側インターナルマグネットギヤ15とは同期回転する。この状態でワーク2の加工作業を行う。
主軸回転中のワークの把握力の調節について
主軸側インターナルマグネットギヤ6と出力側インターナルマグネットギヤ15とが同期回転している状態から、サーボモータ9を回転させ入力軸側ギヤ18を回転させると、入力側サンマグネットギヤ14は入力軸側ギヤ18と同一回転する。入力側サンマグネットギヤ14が所定の回転数となるようにサーボモータ9を制御し、出力側インターナルマグネットギヤ15を回転させて、動力伝達出力回転体20を回転させることにより、減速機ユニット21を介してチャック開閉用ドローバー22を進退させ、これに伴いクランプ用スライダー27(クランプ爪28)を径方向に移動させてワーク2の把握力を調節することができる。
上記はドローバー進退タイプのチャックについて説明したが、スクロール板タイプ(図示せず)のチャックに替えてもよい。
また、上記は旋盤用のチャックについて説明したが、これをフェーシングユニット(図示せず)として利用することもできる。
次に、図3に示す第2実施例による旋盤用電動式チャックについて説明する。この第2実施例では、主軸側の歯車機構31と動力伝達側の歯車機構37とを共に差動歯車機構からなる遊星歯車機構としている。図3において、主軸側の歯車機構31は、基準ベベルギヤ32、主軸側プラネットベベルギヤ33、主軸側ベベルギヤ34からなり、主軸側プラネットベベルギヤ33が基準ベベルギヤ32と主軸側ベベルギヤ34とにそれぞれ噛み合っている。ここで、基準ベベルギヤ32は電動モータ9側(サーボモータ9の回り止め10側)に固定されており回転しない。主軸側プラネットベベルギヤ33は主軸回転体35に固定された主軸側キャリア36に取り付けられている。主軸側プラネットベベルギヤ33は基準ベベルギヤ32、主軸側ベベルギヤ34の周りを公転・自転する。
一方、主軸側の歯車機構31の前方には、サーボモータ(電動モータ)9側に連結される動力伝達側の歯車機構37を設けてある。この動力伝達側の歯車機構37は、上記主軸側ベベルギヤ34と一体回転する動力伝達側ベベルギヤ38、入力側プラネットベベルギヤ39、入力側ベベルギヤ40からなり、入力側プラネットベベルギヤ39が動力伝達側ベベルギヤ38、入力側ベベルギヤ40にそれぞれ噛み合っている。入力側プラネットベベルギヤ39が動力伝達側ベベルギヤ38、入力側ベベルギヤ40の周りを公転・自転する。そして、入力側ベベルギヤ40の回転軸が入力軸16、入力側プラネットベベルギヤ39を公転させる出力側キャリア41が動力伝達出力回転体42となる。
そして、入力側ベベルギヤ40の回転停止状態で、主軸側キャリア36と出力側キャリア41とが同一回転となるように、各歯車のギヤ比を設定する。これにより、主軸1と動力伝達出力回転体42との相対回転が可能となる。
基準ベベルギヤ32と入力側ベベルギヤ40との動作量の差を出力側キャリア41(動力伝達出力回転体42)に出力する機構である。
この機構では、基準ベベルギヤ32が固定なので、主軸側ベベルギヤ34は主軸側プラネットベベルギヤ33の公転数の2倍となる。
次に、図4に示す第3実施例による旋盤用電動式チャックについて説明する。この第3実施例では、主軸側の歯車機構51を主軸の回転を2倍にする歯車機構とし、動力伝達側の歯車機構を差動歯車機構として組合せた遊星歯車機構としている。図4において、主軸側の歯車機構51は、基準アイドルギヤ52、該基準アイドルギヤ52に噛み合う主軸側インターナルギヤ53、基準アイドルギヤ52に噛み合う主軸側補助アイドルギヤ54、該主軸側補助アイドルギヤ54に噛み合う主軸側サンギヤ55からなる。ここで、基準アイドルギヤ52は電動モータ9側に固定されており公転しない。主軸側インターナルギヤ53は主軸回転体56と一体回転する。
主軸回転体56と一体回転する主軸側インターナルギヤ53の回転は、基準アイドルギヤ52、主軸側補助アイドルギヤ54、主軸側サンギヤ55の順に伝達され、この間、主軸回転体56の回転が2倍になって主軸側サンギヤ55に伝達される。
主軸回転体56の回転を主軸側サンギヤ55に伝達するのに基準アイドルギヤ52と主軸側補助アイドルギヤ54との2個のアイドルギヤを介することにより、主軸回転体56と主軸側サンギヤ55の回転方向が同じ回転方向となる。なお、バランスを保つために、対向する2箇所にアイドルギヤ52,54を配している。
一方、主軸側の歯車機構51の前方には、サーボモータ(電動モータ)9側に連結される動力伝達側の歯車機構57を設けてある。この動力伝達側の歯車機構57は、上記第2実施例における動力伝達側の歯車機構37と同様の歯車機構としてある。この動力伝達側の歯車機構57は、上記主軸側サンギヤ55と一体回転する動力伝達側ベベルギヤ58、入力側プラネットベベルギヤ59、入力側ベベルギヤ60からなり、入力側プラネットベベルギヤ59が動力伝達側ベベルギヤ58・入力側ベベルギヤ60にそれぞれ噛み合っている。入力側プラネットベベルギヤ59が動力伝達側ベベルギヤ58、入力側ベベルギヤ60の周りを公転・自転する。そして、入力側ベベルギヤ60の回転軸が入力軸16、入力側プラネットベベルギヤ59を公転させる出力側キャリア61が動力伝達出力回転体62となる。
そして、入力側ベベルギヤ60の回転停止状態で、主軸側インターナルギヤ53と出力側キャリア61とが同一回転となるように、各歯車のギヤ比を設定する。これにより、主軸1と動力伝達出力回転体62との相対回転が可能となる。
主軸側の固定側(基準アイドルギヤ52は公転しない)と入力側ベベルギヤ60との動作量の差を出力側キャリア61(動力伝達出力回転体62)に出力する機構である。
主軸側インターナルギヤ53と主軸側サンギヤ55とのギヤ比は2:1としてあり、主軸側インターナルギヤ53(主軸回転体56、主軸1)の回転数は主軸側サンギヤ55で2倍になる。第2実施例では主軸側ベベルギヤ34の回転数が主軸側プラネットベベルギヤ33の公転数の2倍になるが、これと同じ比率になるようにしたものである。
上記各実施例による主軸側の歯車機構4,31,51と動力伝達側の歯車機構13,37,57との組み合わせにおいて、主軸側の歯車機構4,31,51のギヤと動力伝達側の歯車機構13,37,57のギヤの噛み合い比を所定の噛み合い比となるように設定することにより、主軸1(主軸回転体5,35,56)と動力伝達出力回転体20,42,62とを相対回転させることができる。この相対回転により、伝動軸22を介してチャック3又はフェーシングユニットに動力を伝達することができ、チャック3の把握力の調整又はフェーシング加工を行うことができる。かかる機構においては、クラッチ機構を設ける必要がなく極めて簡単な構造である。また、サーボモータ9は、相対回転させるときだけ作動させるだけなので、電力消費を押さえることができる。
上記各実施例において、入力軸16、動力伝達出力回転体20,42,62、主軸回転体5,35,56の回転軸心は同一線上としてある。これにより、各歯車機構の構造を簡単にして、コンパクトに中空の主軸回転体5,35,56内に収容することができる。
なお、減速機ユニット21は遊星歯車機構を用いたものを図示してあるが、ハーモニックドライブ(登録商標)などの他の減速機構を用いてもよい。図において、符号70はスピンドルユニット、符号71は主軸回転用プーリーである。
上記は、主軸側の歯車機構4,31,51における基準ギヤ(基準サンマグネットギヤ8,基準ベベルギヤ32,基準アイドルギヤ52)が電動モータ9側(サーボモータ9の回り止め10側)に固定されており回転せず、入力側ギヤ(入力側サンマグネットギヤ14,入力側ベベルギヤ40,入力側ベベルギヤ60)がサーボモータ9側に連結されて制御側としたものを示した。
これとは逆に、入力側ギヤ(入力側サンマグネットギヤ14,入力側ベベルギヤ40,入力側ベベルギヤ60)を電動モータ9側(サーボモータ9の回り止め10)に固定して回転させず、主軸側の歯車機構4,31,51における基準ギヤ(基準サンマグネットギヤ8,基準ベベルギヤ32,基準アイドルギヤ52)に電動モータ9側を連結して、主軸側の歯車機構における基準ギヤ側で制御するようにすることも可能である。
動力伝達側の入力軸側で制御するか、主軸側の歯車機構における基準ギヤ側で制御するかは均等と考える。
1 主軸
2 ワーク
3 チャック
4 主軸側の歯車機構
5 主軸回転体
6 主軸側インターナルマグネットギヤ
7 主軸側プラネットマグネットギヤ
8 基準サンマグネットギヤ
9 サーボモータ(電動モータ)
10 サーボモータの回り止め
11 キャリア
12 入力側プラネットマグネットギヤ
13 動力伝達側の歯車機構
14 入力側サンマグネットギヤ
15 出力側インターナルマグネットギヤ
16 入力軸
17 ギヤ
18 入力軸側ギヤ
19 アイドルギヤ
20 動力伝達出力回転体
21 減速機ユニット
22 チャック開閉用ドロ-バー(伝動軸)
23 ボールねじ
24 ボールネジナット
25 ドローバー進退用スライダー
26 チャック開閉レバー
27 クランプ用スライダー
28 クランプ爪
31 主軸側の歯車機構
32 基準ベベルギヤ
33 主軸側プラネットベベルギヤ
34 主軸側ベベルギヤ
35 主軸回転体
36 主軸側キャリア
37 動力伝達側の歯車機構
38 動力伝達側ベベルギヤ
39 入力側プラネットベベルギヤ
40 入力側ベベルギヤ
41 出力側キャリア
42 動力伝達出力回転体
51 主軸側の歯車機構
52 基準アイドルギヤ
53 主軸側インターナルギヤ
54 主軸側補助アイドルギヤ
55 主軸側サンギヤ
56 主軸側回転体
57 動力伝達側の歯車機構
58 動力伝達側ベベルギヤ
59 入力側プラネットベベルギヤ
60 入力側ベベルギヤ
61 出力側キャリア
62 動力伝達出力回転体
70 スピンドルユニット
71 主軸回転用プーリー

Claims (5)

  1. 中空の主軸の前端側にチャック又はフェーシングユニットを設け、前記主軸の後端側に主軸と一体回転する中空の主軸回転体を設け、該主軸回転体の回転を動力伝達出力回転体に伝達する主軸側の歯車機構と電動モータ側に連結される入力軸の回転を前記動力伝達出力回転体に伝達する動力伝達側の歯車機構とを遊星歯車機構を介して組合せ、前記入力軸の回転停止状態で前記動力伝達出力回転体の回転と前記主軸回転体の回転とが同一回転となるように前記歯車機構のギヤ比を設定し、前記主軸と動力伝達出力回転体との相対回転を可能とし、前記入力軸と動力伝達出力回転体と主軸回転体の回転軸心を同一線上となし、前記動力伝達出力回転体を前記主軸の中空孔に挿通した伝動軸に連結し、該伝動軸を介して前記チャック又はフェーシングユニットに動力を伝達する工作機械用の電動式動力伝達装置であって、前記主軸側の歯車機構を前記主軸回転体の後部側に、前記動力伝達側の歯車機構を前記主軸側の歯車機構よりも前方側に配置するとともに、これら主軸側の歯車機構と動力伝達側の歯車機構とを組合せた遊星歯車機構を前記中空の主軸回転体内に収容し、前記遊星歯車機構をマグネットギヤからなる遊星歯車機構としたことを特徴とする工作機械用の電動式動力伝達装置。
  2. マグネットギヤ脱調防止用の保護ギヤを設けてなる請求項1に記載の工作機械用の電動式動力伝達装置。
  3. 中空の主軸の前端側にチャック又はフェーシングユニットを設け、前記主軸の後端側に主軸と一体回転する中空の主軸回転体を設け、該主軸回転体の回転を動力伝達出力回転体に伝達する主軸側の歯車機構と電動モータ側に連結される入力軸の回転を前記動力伝達出力回転体に伝達する動力伝達側の歯車機構とを遊星歯車機構を介して組合せ、前記入力軸の回転停止状態で前記動力伝達出力回転体の回転と前記主軸回転体の回転とが同一回転となるように前記歯車機構のギヤ比を設定し、前記主軸と動力伝達出力回転体との相対回転を可能とし、前記入力軸と動力伝達出力回転体と主軸回転体の回転軸心を同一線上となし、前記動力伝達出力回転体を前記主軸の中空孔に挿通した伝動軸に連結し、該伝動軸を介して前記チャック又はフェーシングユニットに動力を伝達する工作機械用の電動式動力伝達装置であって、前記主軸側の歯車機構を前記主軸回転体の後部側に、前記動力伝達側の歯車機構を前記主軸側の歯車機構よりも前方側に配置するとともに、これら主軸側の歯車機構と動力伝達側の歯車機構とを組合せた遊星歯車機構を前記中空の主軸回転体内に収容し、前記主軸側の歯車機構と前記動力伝達側の歯車機構とを共に差動歯車機構からなる遊星歯車機構としたことを特徴とする工作機械用の電動式動力伝達装置。
  4. 中空の主軸の前端側にチャック又はフェーシングユニットを設け、前記主軸の後端側に主軸と一体回転する中空の主軸回転体を設け、該主軸回転体の回転を動力伝達出力回転体に伝達する主軸側の歯車機構と電動モータ側に連結される入力軸の回転を前記動力伝達出力回転体に伝達する動力伝達側の歯車機構とを遊星歯車機構を介して組合せ、前記入力軸の回転停止状態で前記動力伝達出力回転体の回転と前記主軸回転体の回転とが同一回転となるように前記歯車機構のギヤ比を設定し、前記主軸と動力伝達出力回転体との相対回転を可能とし、前記入力軸と動力伝達出力回転体と主軸回転体の回転軸心を同一線上となし、前記動力伝達出力回転体を前記主軸の中空孔に挿通した伝動軸に連結し、該伝動軸を介して前記チャック又はフェーシングユニットに動力を伝達する工作機械用の電動式動力伝達装置であって、前記主軸側の歯車機構を前記主軸回転体の後部側に、前記動力伝達側の歯車機構を前記主軸側の歯車機構よりも前方側に配置するとともに、これら主軸側の歯車機構と動力伝達側の歯車機構とを組合せた遊星歯車機構を前記中空の主軸回転体内に収容し、前記主軸側の歯車機構を主軸の回転を2倍にする歯車機構とし、前記動力伝達側の歯車機構を差動歯車機構として組合せた遊星歯車機構としたことを特徴とする工作機械用の電動式動力伝達装置。
  5. 動力伝達側の入力軸に電動モータ側を連結するのに替えて主軸側の歯車機構における基準ギヤに電動モータ側を連結してなる請求項1~4のいずれか1項に記載の工作機械用の電動式動力伝達装置。


JP2023045325A 2022-03-23 2023-03-22 工作機械用の電動式動力伝達装置 Pending JP2023143841A (ja)

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