JP2013166113A - 回転霧化式静電塗装機及び回転霧化頭 - Google Patents

回転霧化式静電塗装機及び回転霧化頭 Download PDF

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Abstract

【課題】塗装パターンの幅を拡大する。
【解決手段】シェーピングエアSAはベルカップ2の回転方向とは逆方向に指向され、ベルカップ2の背面2bにシェーピングエアSAが衝突する。ベルカップ2は、前方に向けて開放した凹所からなる内面2aと、傾斜した背面2bとを有し、ベルカップ2の外周縁2cは内面2aと外面2bとが互いに交差した縁で構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転霧化式静電塗装機及び回転霧化頭(ベルカップ)に関する。
静電塗装は帯電した塗料を利用した塗装方法であり、回転霧化頭を備えた回転霧化式静電塗装機は特に自動車ボディの塗装で広く活用されている(特許文献1〜3)。自動車の生産ラインには、塗装ロボットを備えた塗装ブースが設置され、この塗装ブースの中を次々と通過する自動車ボディに対して塗装が施される。
特許文献1は、アルミニウム片や雲母等のメタリック片を含むメタリック塗料の静電塗装に関する改善案を提案している。メタリック塗料は、ワークに衝突するときの速度が増大するほど塗装色の明度が高まるとの知見に基づいてシェーピングエアの吐出量を増量すると、これに伴って塗装パターンの幅が小さくなり、この結果、塗装ムラが発生して仕上がり品質が低下するという問題がある。特許文献1が提案する発明は、シェーピングエアの吐出量を増大しても塗装パターンの幅が小さくなるのを防止することを目的として、回転霧化頭つまりベルカップの外周縁に向けてシェーピングエアを差し向けると共にこのシェーピングエア吐出ポートをベルカップの回転軸の軸線に対して正又は逆のねじれ方向に差し向けることを提案している。この提案によれば、シェーピングエアは螺旋状の軌跡を描いていく気流となり、この螺旋気流の遠心力で、ベルカップの前方領域に発生する負圧による吸引力に打ち勝つことで塗装パターンが内側に引き寄せられるのを阻止することができる。
特許文献2は、上記特許文献1の発明の問題点を挙げて、この問題に対する改善案を提案している。すなわち、特許文献1の発明によれば塗装パターンの幅が広がるものの、その幅が一定であることに伴って、自動車ボディの狭小部位を塗装する際にオーバースプレイとなってしまい、塗料のロスが増大するという問題が発生する。この問題に対して、特許文献2の発明は、シェーピングエアの他に制御エアを吐出し、この制御エアによって塗装パターンの幅を可変に制御することを提案している。
特許文献3は、特許文献2の発明と同様に、自動車ボディの狭小部位を塗装する際のオーバースプレイの問題を改善することを目的とした発明を提案している。具体的には、特許文献3の発明は、共に旋回流であるシェーピングエアとその外周側に位置する制御エアに関して制御エア吐出ポートの傾斜角度をシェーピングエア吐出ポートの傾斜角度よりもその絶対値を大きくすることを提案している。この特許文献3の発明によれば、制御エア吐出ポートの傾斜角度をシェーピングエア吐出ポートの傾斜角度よりもその絶対値を大きく設定することにより制御エアはシェーピングエアに比べて旋回度合いを強めることができ、そして、制御エアのエア量とシェーピングエアのエア量とを相対的に増減することにより塗装パターンの幅を可変に制御することができる。
特開平3−101858号公報 特開平7−24367号公報 特開2008−93521号公報
自動車ボディの塗装の効率化を促進する上で、塗装パターンの幅を拡大することは有意義である。すなわち、塗装ロボットの動作速度が同じであったとしても、塗装パターンの幅を拡大することによって塗装時間を短縮できる。また、塗装パターンの幅を拡大することで塗装の重なり幅を大きく設定することができる。このことは塗装ロボットの移動距離を小さく設定できることを意味しており、この塗装ロボットの移動距離の短縮化によって塗装時間を短縮できる。
また、塗装の品質を高める上で塗料の微粒化向上が効果的である。塗料を微粒化する技術の開発は塗装品質の向上に通じるのは勿論であるが、塗装品質は従来と同じで良いとしたときに、この微粒化技術を使って、静電塗装に使用するエア量と回転霧化頭の回転数を低減できる可能性を含む。
本発明の目的は、塗装パターンの幅を拡大することのできる回転霧化式静電塗装機及び回転霧化頭を提供することにある。
本発明の更なる目的は、塗料を微細に微粒化することのできる回転霧化式静電塗装機及び回転霧化頭を提供することにある。
本発明の更なる目的は、塗着効率を向上することのできる回転霧化式静電塗装機及び回転霧化頭を提供することにある。
上記の技術的課題は、本発明の第1の観点によれば、
前方に向けて開放した凹所で構成された内面と、前方に向けて徐々に拡径する傾斜面を備えた背面とを有する回転霧化頭であって、塗装機本体に配置された回転軸の先端に取り付けられた回転霧化頭と、
前記塗装機本体に配置され、前記回転霧化頭の背面の前記傾斜面に向けて微粒化エアを吐出する微粒化エア吐出ポートとを有し、
前記微粒化エア吐出ポートが前記回転霧化頭の回転方向とは逆方向に指向され、
前記回転霧化頭の外周縁が、前記内面の外周縁と前記背面の外周縁とが交差した縁で構成されていることを特徴とする回転霧化式静電塗装機を提供することにより達成される。
また、本発明の第2の観点によれば、
塗料を帯電させて塗装を行う静電塗装機の一部を構成する回転霧化頭であって、
前方に向けて開放した凹所で構成された内面と、
前方に向けて徐々に拡径し且つ前記回転霧化頭の回転方向とは逆方向に指向された微粒化エアを受ける傾斜面を備えた背面と、
前記内面の外周縁と前記背面の外周縁とが交差した外周縁とを備え、
前記内面の外周縁と前記背面の外周縁との交差角度が5°〜60°であることを特徴とする回転霧化頭を提供することにより上述した技術的課題を達成することができる。
本発明の作用効果は以下の実施例の詳しい説明から明らかになろう。
実施例の回転霧化式静電塗装機の前部の断面図である。 実施例の回転霧化式静電塗装機が備えているシェーピングエア吐出ポート(微粒化エア吐出ポート)の設定を説明するための図である。 実施例の回転霧化式静電塗装機の塗装機本体の正面図である。 実施例のベルカップの外周縁の形状を説明するための断面図である。 図5に対応して従来のベルカップの外周縁部の形状を説明するための断面図である。 実施例の回転霧化式静電塗装機を使って塗装したワークの膜厚分布の測定値を示す図である。 実施例の回転霧化式静電塗装機の塗料の吐出量と塗料の平均粒子径との関係を示す図である。
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
図1は、実施例の回転霧化式静電塗装機の前部の断面図である。図1を参照して、回転霧化式静電塗装機1は回転霧化頭2を有し、この静電塗装機1は、自動車のボディの塗装を行う塗装ブース内に設置されたロボットアーム(図示せず)等に装着される。回転霧化頭2は一般的に「ベルカップ」と呼ばれていることから、以下の説明では、「ベルカップ」という用語を使用する。
静電塗装機1は、その塗装機本体4の先端部にエアモータ(図示せず)を内蔵している。このエアモータの出力軸6には、ベルカップ2が脱着可能に連結され、エアモータが動作することによってベルカップ2は一方向に回転する。
ベルカップ2は、その前方に向けて開放した凹所からなる内面2aと、前方に向けて拡径する傾斜した外周面で構成される背面2bとを有している。ベルカップ2の内面2aは、この内面2aに沿って塗料を薄く展開させる延展機能を有している。塗装機本体4の先端面には、シェーピングエア吐出ポート8が前方に向けて開放されている。
このシェーピングエア吐出ポート8は、モータ出力軸6の同心円上に等間隔に複数個配置されている。シェーピングエア吐出ポート8の指向方向については後に詳しく説明する。ベルカップ2には、その中心部分の周方向に連続して延びる塗料溜め14に塗料供給管10を介して液体塗料が供給され、そして、ベルカップ2の中心部分に形成された塗料吐出口12を通じてベルカップ内面2aに塗料が流出する。この塗料吐出口12は、従来と同様にモータ出力軸6の軸線Aの同心円上に等間隔に複数個形成されている。なお、ベルカップ2には図外の高電圧発生器から高電圧が印加される。
シェーピングエア吐出ポート8について図2、図3を参照して説明する。図2は、静電塗装機1の先端部分(ベルカップ2)の側面図であり、図3は塗装機本体4の正面図である。図2を参照して、シェーピングエア吐出ポート8の指向方向は、側面視したときに、モータ出力軸6の軸線Aと平行な直線SLに沿ってベルカップ2の背面2bに差し向けられている。
図2及び図3を引き続き参照して、シェーピングエア吐出ポート8を正面から見たときに、各シェーピングエア吐出ポート8は、これを通過する直線SLに対してベルカップ2の回転方向Rとは反対方向に角度βの傾斜角度つまりモータ出力軸6に対してその回転方向Rとは逆方向のねじれ方向に差し向けられている。ここに上記直線SLはモータ出力軸6の軸線Aと平行である。
前述したように、シェーピングエア吐出ポート8は、図3から明らかなように、ベルカップ2を正面から見たときに、モータ出力軸6の軸線Aの同心円上に等間隔に複数個配置されている。この複数のシェーピングエア吐出ポート8から吐出されたシェーピングエアSAはベルカップ2の回転方向とは逆方向に指向されてベルカップ背面2bに向かう。
再び図1を参照して、ベルカップ2は、その背面2bがモータ出力軸6の軸線Aと直交する鉛直線VLaに対して角度γの傾斜角度で直線状にベルカップ2の外周縁2cに延びており、この背面2bの傾斜角度γは55°である(γ=55°)。この55°の傾斜角度γで真っ直ぐに外周縁2cまで延びる領域(図2の符号L)は少なくともシェーピングエアSAが背面2bに当たる部位Pを含む(図2)。すなわち、ベルカップ2の背面2bにおいて、少なくともシェーピングエアSAが当たる部位P(図2)から外周縁2cに至る領域は55°の傾斜角度γで真っ直ぐに伸びている。これに対して、シェーピングエアSAが衝突する部位Pよりも内周側のベルカップ背面2bの形状は任意である。ここに、この実施例では、ベルカップ2の直径が77mmであり、シェーピングエアSAが当たる部位Pから外周縁2cまでの距離Lは6mmであった。シェーピングエアSAが当たる部位Pから外周縁2cまでの距離Lは2〜70mm、好ましくは3〜20mm、最も好ましくは4〜10mmであり、ベルカップ2の外周縁2cに近い位置にシェーピングエアSAを当てる方が、外周縁2cから離れた遠い位置にシェーピングエアSAを当てるよりも、少ないエア量で塗料を分断且つ微粒化し易くなりワークに塗料が付着する効率つまり塗着効率の向上に貢献することができる。換言すれば、ベルカップ背面2bにシェーピングエアSAが当たる位置Pからベルカップ外周縁2cまでの距離Lが大きくなるほど、ベルカップ外周縁2cで塗料を分断するエアの力(運動量)が低下してしまうためシェーピングエアSAの量を増加させる必要がある。
ベルカップ背面2bの傾斜角度γを55°に設定し且つシェーピングエア吐出ポート8の指向方向を側面視でモータ出力軸6の軸線Aと並行に設定したことから、図2に示すように、側面視でベルカップ背面2bに対するシェーピングエアSAの入射角度αは55°となる(α=55°)。シェーピングエアSAの拡散を防止し且つ運動エネルギーを増幅させる上で、側面視したときに、シェーピングエアSAのベルカップ背面2bに対する入射角度αは20°〜70°であるのがよい。
シェーピングエアSAの入射角度αは、ベルカップ背面2bの傾斜角度γ及び側面視したときのシェーピングエア吐出ポート8の軸線SL(図2)に対する角度によって設定することができる。静電塗装機1の塗装パターン幅に関し、ベルカップ背面2bの傾斜角度γを調整することにより所望の塗装パターン幅を設定することができる。所望の塗装パターン幅を得るのに好都合なベルカップ背面2bの傾斜角度γを設定したときに、最適なシェーピングエアSAの入射角度αを設定するために、シェーピングエアSAの所望の入射角度αが実現できるようにシェーピングエア吐出ポート8の吐出方向を設定すればよい。
ベルカップ2の外周縁から径方向外方に且つベルカップ2の回転方向Rに飛散しながら微粒化する塗料に対して、実施例のように、シェーピングエアSAをベルカップ2の回転方向Rとは逆方向に差し向けてシェーピングエアSAをベルカップ背面2bに当てることで、シェーピングエアSAは塗料の飛散方向と交差する状態で塗料に衝突し、これにより塗料の微粒化を一層促進させることができる。
図4は、実施例のベルカップ2の外周縁部を部分的に図示した説明図であり、図5は、従来のベルカップ20の外周縁部を部分的に図示した説明図である。従来のベルカップ20は、その外周縁20cがモータ出力軸の軸線と平行な平らな面22で構成され、ベルカップ20の内面20aの外周縁と背面20bの外周縁とが、この平らな面22によって連結された形状を有している。これに対して、実施例のベルカップ2の外周縁2cは、内面2aの外周縁と背面2bの外周縁とが互いに交差した縁で構成され、好ましくはシャープな縁で構成されている。ベルカップ2の内面2aと背面2bとの交差角度は5°〜60°であるのがよい。
実施例のベルカップ2がシャープな外周縁2cを備えることで、ベルカップ2の背面2bに衝突したシェーピングエアSAはベルカップ2の背面2bに沿って流れ、この流れはシャープな外周縁2cを通過しても維持される(図4)。
これに対して、従来のベルカップ20の背面20bにシェーピングエアSAを当てたとしても、背面20bの外周縁と交差する平らな面22にコアンダ効果が発生して、シェーピングエアSAは、ベルカップ20の外周縁から離れるときにベルカップ20の外周縁を構成する平らな面22に沿った径方向内方に向かう気流が発生し、このためベルカップ20から離れるシェーピングエアSAは径方向に分散した気流となる(図5)。これに伴ってベルカップ20によって形成される塗装パターンは、その外周縁の切れが悪いぼやけたパターンになってしまう。
実験によれば、実施例のベルカップ2では、20,000rpm以下の回転速度ではベルカップ2の中心負圧によって塗装パターンが内側に収斂する傾向になった。ベルカップ2の回転速度を20,000rpm以上に上げると塗装パターンが広がる傾向になった。これに対して、外周縁20cが平らな面22で構成された従来のベルカップ20では、20,000rpm以下の回転速度ではベルカップ2の中心負圧によって塗装パターンが内側に収斂する傾向になるのは実施例と同じであったが、従来例ではベルカップ2の回転数を高めたとしても塗装パターンの幅が実施例に比べて小さく、この比較から、実施例のベルカップ2のシャープな外周縁2cは塗装パターンの幅を拡大するのに効果的であることが分かった。
したがって、内面2aの外周縁と背面2bの外周縁とが交差し且つシャープなエッジ形状の外周縁2cを備えた実施例のベルカップ2の使用目的を塗装パターンの幅の拡大に設定したときには、塗装の重なり幅を大きく設定することができるため、塗装ロボットの移動距離を小さく設定することで塗装時間を短縮できる。
実施例のベルカップ2と従来のベルカップ20とを同じ条件で塗装したときの塗料の膜厚を測定した。塗装条件は次の通りであり、その測定結果を図6に示す。
塗装条件
(1)ベルカップの回転数 :25,000rpm;
(2)シェーピングエアSAの吐出速度:375Nl/min.
(3)塗料の吐出量 :300cc/min.
(4)ベルカップへの印加電圧 :−90kV
(5)ベルカップとワークとの間の離間距離(HTD):300mm
測定結果を示す図6を参照して、図6の横軸は、ベルカップの軸線と交わるワークの中心からの水平距離(mm)を示し、縦軸は塗料の膜厚(μm)を示す。図6の黒塗りの印は従来例であり、白抜きの印は実施例である。なお、使用した塗料は、アルミニウム片や雲母などのメタリック片を含むメタリック塗料ではない単色のソリッド塗料であったが、メタリック塗料であってもよい。
従来例では、ワークの中心から120mmを越えて離間すると急激に膜厚が小さくなる。これに対して、実施例では、ワークの中心から200mmまでは略均一の膜厚が維持できている。このことからも実施例のベルカップ2のシャープな外周縁2cが塗装パターンを拡大するのに効果的であることが分かる。
図7は、塗料の吐出量と塗料の平均粒子径との関係を測定したデータを示す。この図7を参照して、自動車の塗装ラインにおいて、現行の塗装条件は、(1)塗料の吐出量が約300cc/min.、(2)塗料の平均粒径が約20μmに設定されている。同じ条件で実施した実施例の静電塗装機1によれば、注目すべきことに、塗料の吐出量が300〜600cc/min.の範囲で、塗料の平均粒径が20μm以下である。つまり、このことは塗料の吐出量を現行の塗装ラインよりも倍増できることを意味している。換言すれば、実施例の静電塗装機1は、自動車ボディの塗装ラインのワーク搬送速度を倍増させても塗装の品質を維持できる能力を備えていると言うことができる。つまり実施例の静電塗装機1は、自動車ボディの塗装効率を大きく向上させることができる能力を備えていると言うことができる。
実施例のベルカップ2は外周縁2cが、好ましくはシャープに尖ったエッジを備えており(図3、図4)、これにシェーピングエアSAをベルカップ背面2bに衝突させると共にシェーピングエアSAをベルカップ2の回転方向とは逆方向に指向させることで切れの良い塗装パターン及び微粒化が実現できるのは前述の通りである。このことは、従来と同じ塗装品質及び塗装パターン幅に設定した場合、シェーピングエアSAの吐出量つまりエアの使用量を低減できる。
図5を参照して説明した従来のベルカップ20を使用し且つシェーピングエアをモータ出力軸の軸線と平行に吐出させる周知のストレート方式のシェーピングエアを使用した現行の静電塗装機の塗装条件は次の通りである。
自動車ボディの塗装ラインで現在使用されている静電塗装機の塗装条件
(1)塗装パターン幅 :330mm
(2)塗料の平均粒径 :15.8μm
なお、シェーピングエア用のエア圧力は0.15MPaであり、ワークまでの距離(ガン距離)は300mmであった。
現行の上記の塗装条件に適合させて実施例の静電塗装機1を運転したときの塗装条件は次の通りであった。
(1)シェーピングエアSA用のエア圧力:0.03MPa
(2)塗装パターン幅 :390mm
(3)塗料の平均粒径 :14.6μm
(4)ワークまでの距離(ガン距離) :300mm
なお、使用した塗料は、アルミニウム片や雲母などのメタリック片を含むメタリック塗料ではないソリッド塗料であったが、メタリック塗料であってもよい。
ここで注目すべきことは、現行の静電塗装機の塗着効率が87.0%であるのに対して、実施例の静電塗装機1の塗着効率は92.5%であった。つまり実施例の静電塗装機1は塗着効率を5.5%向上できる効果を確認できた。
実施例の静電塗装機1にあっては、シェーピングエア用のエア圧力(0.03MPa)が従来(0.15MPa)よりも低い圧力であるにも拘らず塗料の微粒化が実現できており、しかも塗着効率を5.5%向上させるのに成功している。ちなみに、上記の実験例では、ワークまでの距離を、現状の自動車ボディを塗装する塗装ラインと同じに300mmに設定したが、実施例の静電塗装機1ではシェーピングエア用のエア圧として従来よりも大幅に低い圧力を設定できるため、静電塗装機1とワークとの間の距離(ガン距離)を例えば200mmに設定することが可能である。そして、ガン距離を小さく設定することで一層の塗着効率の向上が期待できるのは当業者であれば容易に理解できるであろう。
図1に図示の実施例に含まれるベルカップ2の変形例として、ベルカップ背面2bの傾斜角度γを45°に設定した試作品(シェーピングエアSAの入射角αが45°)を作って前述した様々な試験を行ったところ、前述した実施例に含まれるベルカップ2(γ=55°)と実質的に同じか若干劣った結果が得られた。このことから、実験によれば、ベルカップ背面2bの傾斜角度γは大きい値になるほど良好な結果が得られると推察できる。また、シェーピングエアSAがベルカップ背面2bに衝突することによりシェーピングエアSAの拡散を無くし、シェーピングエアSAの運動エネルギーを凝集させることでより有効に塗料の微粒化に寄与させることが出来たと考えられる。そしてベルカップ外周縁2cを、内面2aと背面2bとが交差した縁で構成することで、一層効果的に微粒化能力が向上し、上述した優れた効果が得られたと推察できる。
実施例に含まれるベルカップ2は内面2aと背面2bとが交差した縁で構成されていることから、前述したように、静電塗装機1の塗装パターンの幅はベルカップ背面2bの傾斜角度γによって規定することができる。したがって、ベルカップ背面2bの傾斜角度γを調整することで所望の塗装パターン幅を得ることができる。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、ベルカップ2の背面2bに当てるシェーピングエアSAの他に、その径方向外方に追加のエア吐出ポートを設け、この追加のエア吐出ポートから吐出するエアによって塗装パターンの幅を狭める制御を行うようにしてもよい。このように内外二重にエアを吐出する形式を採用したときに、追加のエア吐出ポートから吐出されるエアを「制御エア」と呼ぶと、この制御エアの量を制御することにより塗装パターンの幅を可変に制御することができる。この内外二重にエアを吐出する静電塗装機において、ベルカップ背面2bに当てるエアを「微粒化エア」と呼び、外側のエアを「制御エア」と呼ぶと、制御エアを含んでいない実施例の静電塗装機1のシェーピングエアSAと用語を共通化するために、ベルカップ背面2bに当てるエアを「微粒化エア」というタームで総称することができ、また、これに関連して、実施例の説明で使用した「シェーピングエア吐出ポート」を「微粒化エア吐出ポート」で総称することができる。
1 回転霧化式静電塗装機
2 ベルカップ(回転霧化頭)
2a ベルカップ内面
2b ベルカップ背面
2c ベルカップ外周縁
4 塗装機本体
6 エアモータの出力軸
8 シェーピングエア吐出ポート(微粒化エア吐出ポート)
10 塗料供給管
14 塗料溜め
12 塗料吐出口
SA シェーピングエア(微粒化エア)
A モータ出力軸の軸線
α シェーピングエアの入射角度
β シェーピングエア吐出ポートのねじれ角度
(ベルカップの回転方向とは逆方向)
γ ベルカップ背面の傾斜角度

Claims (7)

  1. 前方に向けて開放した凹所で構成された内面と、前方に向けて徐々に拡径する傾斜面を備えた背面とを有する回転霧化頭であって、塗装機本体に配置された回転軸の先端に取り付けられた回転霧化頭と、
    前記塗装機本体に配置され、前記回転霧化頭の背面の前記傾斜面に向けて微粒化エアを吐出する微粒化エア吐出ポートとを有し、
    前記微粒化エア吐出ポートが前記回転霧化頭の回転方向とは逆方向に指向され、
    前記回転霧化頭の外周縁が、前記内面の外周縁と前記背面の外周縁とが交差した縁で構成されていることを特徴とする回転霧化式静電塗装機。
  2. 前記微粒化エア吐出ポートが前記塗装機本体の前端面に複数形成され、
    複数の微粒化エア吐出ポートは前記回転軸の軸線と同心円上に等間隔に配置されている、請求項1に記載の回転霧化式静電塗装機。
  3. 各微粒化エア吐出ポートが、前記回転霧化頭の回転方向とは逆方向に指向されている、請求項2に記載の回転霧化式静電塗装機。
  4. 前記回転霧化頭を側面視したときに、該回転霧化頭の背面に対する微粒化エアの入射角度が20°〜70°である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転霧化式静電塗装機。
  5. 前記微粒化エアが前記回転霧化頭に衝突する部位と前記回転霧化頭の外周縁との距離が70mm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転霧化式静電塗装機。
  6. 塗装機本体に配置された回転軸の先端に取り付けられた回転霧化頭が回転することにより塗料を微細化する回転霧化式静電塗装機であって、
    前記回転霧化頭が、前方に向けて開放した凹所で構成された内面と、前方に向けて徐々に拡径する傾斜面を備えた背面と、前記内面と前記背面とが互いに交差することにより形成された外周縁とを備え、
    前記塗装機本体に配置され、前記回転霧化頭の背面の前記傾斜面に向けて微粒化エアを吐出する微粒化エア吐出ポートを更に有し、
    前記微粒化エア吐出ポートが前記回転霧化頭の回転方向とは逆方向に指向され、
    前記回転霧化式静電塗装機の塗装パターンの幅が前記回転霧化頭の前記背面の傾斜角度によって規定されることを特徴とする回転霧化式静電塗装機。
  7. 塗料を帯電させて塗装を行う静電塗装機の一部を構成する回転霧化頭であって、
    前方に向けて開放した凹所で構成された内面と、
    前方に向けて徐々に拡径し且つ前記回転霧化頭の回転方向とは逆方向に指向された微粒化エアを受ける傾斜面を備えた背面と、
    前記内面の外周縁と前記背面の外周縁とが交差した外周縁とを備え、
    前記内面の外周縁と前記背面の外周縁との交差角度が5°〜60°であることを特徴とする回転霧化頭。
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