JP2013164939A - 集電体及び電極、これを用いた蓄電素子 - Google Patents

集電体及び電極、これを用いた蓄電素子 Download PDF

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Abstract

【課題】二次電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ等の蓄電素子の出力密度の向上ならびに急速充放電の実現、寿命特性の改善を図る。
【解決手段】金属箔1上に、金属層2と、金属層2を構成する物質とカーボンとが混在してなる混在層3と、実質的にカーボンからなるカーボン層4と、が形成されてなり、混在層3の成分が、実質的に金属層2を構成する物質のみを含む成分から実質的にカーボンのみを含む成分へと、金属層2からカーボン層4へと向かうにつれて変化するよう構成した集電体5を用いる。
【選択図】図1

Description

(関連出願の記載)
本件特許出願は、同一出願人による先の特許出願(特願2011−034803)の関連出願である。
本発明は、集電体及び、電極、ならびに、これを用いた二次電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタなどの蓄電素子に関する。
近年、移動体電子機器の多機能化や、自動車及び運輸・建設機械車両の燃費改善、分散型再生可能エネルギーの普及、災害緊急時バックアップ電源の拡充などの観点から、搭載する蓄電素子の需要は増大の一途である。蓄電素子として、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、二次電池などが挙げられるが、その出力密度(W/kg、W/L)や寿命特性の更なる向上が求められている。
これらの蓄電素子を構成する電極には、ハンドリング加工強度や電気伝導性等の性能面、生産性、製造コスト等の観点から、多くの場合に、金属箔からなる集電体が用いられている。電極は集電体上に、活物質及び導電助剤、バインダーからなる電極層を形成して構成されるが、集電体と該電極層との密着性及び電気伝導性、化学安定性が不十分な場合には接触抵抗の増加により満足な出力密度が得られないため、急速な充放電が困難である。また更には、蓄電素子の充放電サイクルに伴い、経時的に集電体と電極層との界面が酸化等の化学変化により変質し、もしくは集電体から電極層が剥離するなどして、内部抵抗の増大や寿命の低下をまねくおそれがある。
これに関連して、例えば、特許文献1には、集電体と活物質層との間にカーボン被膜層を形成した電池が記されている。
特開平11−250900号公報
しかしながら、金属箔上に直接カーボン層を形成した場合には、金属箔とカーボン被膜層との密着性及び電気伝導性、化学安定性が充分ではないため、次第に集電体と電極層の接触抵抗が増大し、やがて出力密度の低下や内部抵抗が上昇するといった問題があり、急速な充放電が困難である。
本発明は、このような従来技術における問題を解決し、長期に亘り内部抵抗の増大が少なく、高い出力密度を維持することで急速な充放電を可能とし、寿命特性にも優れた蓄電素子を実現するために、集電体と電極層との密着性及び電気伝導性を高めると共に、集電体と電極層との界面の化学変化による変質を抑制することを目的とするものである。
この目的を達成するために、本発明は、金属を含む基材上に、金属を含む第1の導電層と、金属を含む第1の導電層を構成する物質とカーボンとが混在してなる混在層と、実質的にカーボンからなる第2の導電層と、が形成されてなり、混在層の成分が、実質的に金属を含む第1の導電層を構成する物質のみを含む成分から実質的にカーボンのみを含む成分へと、金属を含む第1の導電層から第2の導電層へと向かうにつれて変化するよう構成されたことを特徴とする、電極用集電体を提供する。
本発明により提供される集電体においては、金属を含む基材表面と実質的にカーボンからなる第2の導電層との間に、金属を含む第1の導電層、及び、両導電層の構成成分が混在する混在層が形成されているため、基材と第1の導電層との密着性、第1の導電層と第2の導電層との密着性がそれぞれ向上し、これにより、各界面の電気伝導性及び化学安定性が向上する。このような構成によれば、基材とカーボンとの密着性及び界面の電気伝導性や化学安定性が不十分なために、集電体と電極層の接触抵抗が増大し、繰り返し使用するに従い、集電体の内部抵抗が上昇して電極の出力密度が低下する、といった従来技術の問題が解消される。また、第2の導電層は実質的にカーボンからなるため電気伝導性及び酸化等の化学変化に対する耐性に優れている。さらに、第1の導電層と第2の導電層との境界領域において、混在層内の第1の導電層側の領域には実質的に第1の導電層を構成する物質のみが、混在層内の第2の導電層側の領域には実質的にカーボンのみが、それぞれ含まれるよう構成されているため、それら境界領域において成分が急激に変化することにより大きな界面抵抗が生じるといった問題も起こらない。
なお、上記記載中、「実質的に金属を含む第1の導電層を構成する物質のみを含む」とは、当該第1の導電層を構成する物質以外の成分が一切含まれないことを必ずしも意味するものではない。層内の成分純度の制御、不純物の混入に関する製造技術上の限界や、個別の製品において上記集電体に許容される誤差としての密着性や接触抵抗の程度等に応じて、混在層と各導電層との境界領域における実際の成分構成はさまざまに変わりうる。この点は、「実質的にカーボンからなる」、「実質的にカーボンのみを含む」などの記載についても同様である。
また、上記記載中、「混在層の成分が、実質的に金属を含む第1の導電層を構成する物質のみを含む成分から実質的にカーボンのみを含む成分へと、第1の導電層から第2の導電層へと向かうにつれて変化する」とは、混在層内におけるカーボンの含有率が、第1の導電層から第2の導電層へと向かう方向について単調に増加する、ということを必ずしも意味するものではない。製造技術上の限界により生じる各成分濃度のばらつき等に応じて、混在層内の各位置における実際の成分はさまざまに変わりうる。しかしながら、好ましくは、第1の導電層から第2の導電層へと向かうにつれてカーボンの含有率が連続的に上昇するように、混在層が形成される。
上記第1の導電層は、Ta、Ti、Cr、Al、Nb、V、W、Hf、Cuと、これらの金属の窒化物と、これらの金属の炭化物とのうちいずれかを含むものであってよい。本発明の集電体を構成する第1の導電層に用いることができる物質はこれらに限られないが、金属を含む基材としてアルミニウム箔を用いる場合には、エネルギー効率やアルミニウム箔との密着性の観点から上記列挙された物質を用いることが好ましく、特にTi、Alを始めとする金属(基材との密着性や第1の導電層における電気伝導性を損なわない限り、合金等、複数の成分を含むものであってもよい。)を用いることが望ましい。
第2の導電層に用いるカーボンは特に制限しないが、炭素材料の中でも特に電気伝導性に優れたグラファイトライクカーボンとすることが蓄電素子の出力密度を高める上でより好ましい。また製造コストの面でも好ましい。ここで、グラファイトライクカーボンとは、ダイヤモンド結合(炭素同士のsp3混成軌道結合)とグラファイト結合(炭素同士のsp2混成軌道結合)の両方の結合が混在しているアモルファス構造をとるカーボンのうち、グラファイト結合の割合が過半数以上のものをいう。ただし、アモルファス構造以外に、部分的にグラファイト構造からなる結晶構造(すなわちsp2混成軌道結合からなる六方晶系結晶構造)からなる相を有するものも含む。
金属を含む基材として用いることのできる材料もアルミニウムに限られるわけではなく、Ti、Cu、Ni、Hf、ステンレス等、その他の任意の材料、あるいはアルミニウムにそれら任意の材料が添加されたアルミニウム合金等からなる金属箔を用いることもできる。各蓄電素子の正極電極及び負極電極に用いる集電体としての金属箔は、それぞれ、電解質と、活物質の動作電位を考慮した上で、電気化学安定性や電気伝導性、重量、加工性、製造コスト等の観点から選択される。蓄電素子が電気二重層キャパシタの場合は、正極用及び負極用共にアルミニウム箔が、ハイブリッドキャパシタ及び二次電池の場合には、正極用にアルミニウム箔、負極用にアルミニウム箔又は銅箔を供することがより好ましい。
本発明の集電体において、金属を含む基材を粗面化することは必須の要件ではないが、後述の実施例において性能試験データを用いて説明するとおり、本発明の集電体を作製するにあたっては基材を粗面化した方が、集電体と電極層との密着性や集電能力が高まるため、出力密度や寿命特性の向上に対して、より有利である。これは、金属を含む第1の導電層、混在層、及び第2の導電層に関するこれまで上述した効果に加えて、集電体と電極層との間における、物理的なアンカー効果による密着強度の向上と、両者の接触面積の増大による接触抵抗の低減効果によるところが大きい。特に、活物質がイオンの吸蔵(インターカレーション)及び放出(ディインターカレーション)による体積膨張及び収縮を繰り返すハイブリッドキャパシタと二次電池においては、基材の粗面化が、より有効である。粗面化の手段は制限しないが、基材の材料として上述のとおりアルミニウム箔や銅箔を用いる場合には、電極層とのアンカー効果による密着性向上に効果的な細孔構造を実現し易く、生産性にも優れた手法である、酸やアルカリ溶液を用いた化学的又は電気化学的エッチング等により粗面化を行うことが好ましい。なおリチウムイオンキャパシタ等のハイブリッドキャパシタやリチウムイオン二次電池等の二次電池において、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンを素子内の正極電極及び/又は負極電極の活物質へ万遍なく吸蔵させるプレドープ操作が必要な場合には、その製造手法の形態や生産都合に応じて、金属箔に貫通孔を施しておいてもよい。
なお、上記第1の導電層から第2の導電層までの、混在層を含む合計の層厚は特に制限されないが、これを、例えば45nm以下とすれば、集電体と電極層との電子伝導距離が長くなることを防ぎ、内部抵抗の低減効果をさらに高めることができる。特に、上述のとおり金属箔に粗面化を施す場合、このように合計の膜厚が小さくなるよう集電体を作製すれば、エッチング等によって金属箔に形成した微細で緻密な細孔構造が、その上に形成される被膜で埋められることはなく、上述のアンカー効果や接触面積増大の効果を損なうこともないし、さらには、細孔構造の内壁へ万遍なく、第1,第2の導電層を形成することができる。なお、上記集電体をハイブリッドキャパシタ又は二次電池の負極電極側に用いる場合には、第2の導電層をなすカーボンそのものが、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンのいずれかを吸蔵及び放出可能な活物質になり得る。しかしながら、蓄電素子として充分なエネルギー密度(Wh/kg、Wh/L)を得るためには、活物質を含む電極層は少なくとも1μm以上の層厚を有することが要求されるが、第2の導電層を、活物質として用いるべく1μm程度の厚さまで形成させることは、生産性や製造コストの面等で好ましくない。好ましくは、本願発明の集電体を構成する上記第2の導電層とは別個の層として、活物質を含む電極層が形成される。
本発明は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のいずれかを含む遷移金属酸化物又は遷移金属リン酸化合物を含む活物質と、導電助剤と、バインダーと、からなる電極層を形成した正極電極と、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンのいずれかを吸蔵及び放出可能な炭素材料、Sn、Si又は酸化ケイ素、S又は硫化物、及びチタン酸化物のいずれかを含む活物質と、導電助剤と、バインダーと、からなる電極層を形成した負極電極を備えた、例えば、リチウムイオン二次電池やナトリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池、カルシウムイオン二次電池等の二次電池において、上述の集電体を用いたことを特徴とする電極および、当該電極を正極ならびに負極に用いた二次電池を提供する。ここで、上述の二次電池に用いる正極活物質に含まれる、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のいずれかを含む遷移金属酸化物又は遷移金属リン酸化合物としては、例えば、LiCoO2、LiMn24、LiNiO2、Li(Ni−Mn−Co)O2、Li(Ni−Co−Al)O2、LiFePO4、NaCrO2、NaFeO2、MgHf(MoO43、Ca3Co26、Ca3CoMnO6等が挙げられる。
本発明は、活性炭又はカーボンナノチューブのいずれかを含む活物質と、導電助剤と、バインダーと、からなる電極層を形成した正極電極、及び同様の層構造を形成した負極電極を用いた電気二重層キャパシタにおいて、上述の集電体を用いたことを特徴とする電極、及び、当該電極を正極ならびに負極に用いた電気二重層キャパシタを提供する。
また、本発明は、活性炭又はカーボンナノチューブのいずれかを含む活物質と、導電助剤と、バインダーと、からなる電極層を形成した正極電極と、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンのいずれかを吸蔵及び放出可能な炭素材料、Sn、Si又は酸化ケイ素、S又は硫化物、及びチタン酸化物のいずれかを含む活物質と、導電助剤と、バインダーと、からなる電極層を形成した負極電極を備えた、例えば、リチウムイオンキャパシタ等のハイブリッドキャパシタにおいて、上述の集電体を用いたことを特徴とする電極及び、当該電極を正極ならびに負極に用いたハイブリッドキャパシタを提供する。
本発明の集電体においては、基材上に形成される第1及び第2の導電層間に混在層を形成することによって層間の密着性及び電気伝導性、化学安定性が向上するため、基材表面及び第1の導電層を構成する物質それぞれの酸化等の化学変化による変質が防止される。さらに、第1又は第2の導電層と混在層との境界領域において、混在層は実質的に当該第1又は第2の導電層を構成する成分のみから構成されるのであり、これにより、境界領域において電極材料の成分が急激に変化することによる界面抵抗の上昇も起こらない。このような集電体上に、活物質、導電助剤、及びバインダーからなる電極層を形成した正極電極又は負極電極は、電気伝導性が良く電極層から集電体への集電能力に優れ、且つ化学安定性にも優れており、集電体と電極層との高い密着性を長期に亘り維持する。これらの電極を用いた、二次電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタなどの蓄電素子においては、出力密度が向上すると共に充放電時の電圧降下が小さく、大電流で充放電させた際の素子の温度上昇を抑えることができるため、長時間連続的に急速充放電を行うことが可能となり、充放電サイクル寿命の大幅な延長が達成される。
本発明の一実施形態である集電体の層構造を表わす断面図である。 本発明の一実施形態である正極電極もしくは負極電極の層構造を表わす断面図である。 本発明の一実施形態であるリチウムイオン二次電池の構造を表わす分解図である。 本発明の一実施形態であるリチウムイオン二次電池の外観構造を表わす図である。 本発明の一実施形態である集電体を用いたリチウムイオン二次電池と、比較例としての集電体を用いたリチウムイオン二次電池と、についてそれぞれ測定した放電レート特性を比較した結果である。 本発明の一実施形態である集電体を用いたリチウムイオン二次電池と、比較例としての集電体を用いたリチウムイオン二次電池と、についてそれぞれ測定した充放電サイクル寿命特性を比較した結果である。 本発明の一実施形態である集電体を用いたリチウムイオン二次電池用正極電極と、比較例としての集電体を用いたリチウムイオン二次電池用正極電極と、についてそれぞれ測定した集電体と電極層との密着強度を比較したSAICAS試験の結果である。
以下、本発明の一実施形態として、Ti又はAlからなる第1の導電層と、Ti又はAlとグラファイトライクカーボン(以下GLCと表記する場合がある)とが混在してなる混在層と、GLCからなる第2の導電層と、が粗面化したアルミニウム箔上に形成された集電体、及び、当該集電体を用いて作製したリチウムイオン二次電池について説明する。ただし、既に述べたとおり、集電体の基材として用いるアルミニウム箔、及び第1の導電層を形成するためのTi又はAlは他の材料により代替可能であるし、また後に性能試験データを用いて説明するとおり、基材表面が粗面化されていなかったとしても、本発明の集電体は良好な特性を有する。また、既に述べたとおり、本発明の集電体の用途もリチウムイオン二次電池に限られるわけではなく、その他の二次電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタなど、任意の蓄電素子の電極用に、当該集電体を用いることができる。
本発明の集電体
図1は、上記一実施形態としての集電体5の層構造を表わす断面図である。集電体5は、酸性溶液中で電気化学的なエッチング処理を行うことにより粗面化をほどこしたアルミニウム箔である、金属箔1と、当該金属箔1上に形成された、Ti又はAlの金属被膜からなる金属層2と、金属層2上に形成された、当該Ti又はAlとGLCとが混在してなる混在層3と、混在層3上に形成された、GLCからなるカーボン層4と、から構成される。
アルミニウム箔としては、市販の高純度アルミニウム箔を用いることができる。アルミニウム箔の厚みは特に限定されないが、加工性や電気伝導性、重量、体積、コスト等に鑑みれば、5μm以上50μm以下がより好ましい。
金属層2は、真空チャンバ内に金属箔1、及び蒸発源であるTi又はAlの金属材料を配置した上で、電子ビーム及びプラズマ発生電極等によりTi又はAlを蒸発・イオン化させ、これにより発生した金属陽イオンを当該金属箔1へと導くことにより形成される。成膜方法の一例としては、イオンプレーティング法等の物理的蒸着法(PVD)が挙げられる。なお、金属箔1上にTi又はAl等の金属の窒化物、又は炭化物からなる層を形成する態様においては、上記方法を窒素ガス、又はメタンガス等の雰囲気中で行うことによって第1の導電層を形成すればよい。
また、金属層2を形成するための方法として、イオンプレーティング法以外の物理的蒸着法としては、真空蒸着法やスパッタリング法等が挙げられる。熱CVDや光CVD、プラズマCVD、有機金属気相成長法等の化学的蒸着(CVD)法を用いてもよい。
混在層3は、金属層2と同様にイオンプレーティング法等で形成することができる。すなわち、蒸発源としてはTi又はAlの金属材料に加えてグラファイト材料を用意し、これら2つの蒸発源を同時に用いて成膜処理を行えばよい。このような混在層3を導入することにより金属とGLCとの密着性及び化学安定性が高まり、金属の化学反応による変質が防止される。
なお、混在層3は、金属層2との境界領域においては実質的にTi又はAlのみを含み、カーボン層4との境界領域においては実質的にカーボン(GLC)のみを含むように、そして、特に金属層2からカーボン層4へと向かうにつれてGLCの含有率が連続的に上昇するよう構成することが好ましい。このような混在層3は、一例として、
(i)混在層3の成膜開始時には金属材料のみに電子ビームを照射してTi又はAlのみの被膜を形成し、
(ii)時間の経過に応じて徐々に当該金属材料への電子ビーム照射量を下げ、同時にグラファイト材料への電子ビーム照射量を上げることにより、金属とGLCとが混在し、且つGLCの含有率が上層へ向かうにつれて上昇するような混在被膜を形成し、
(iii)成膜の終了時には金属材料への電子ビーム照射量をゼロとしてGLCのみの被膜を形成する
ことにより、形成することが可能である。その他、スパッタリング法により混在層3を形成する場合には、時間の経過と共に金属ターゲットに印加する電圧を下げていき(金属ターゲットのスパッタ速度を下げていき)、グラファイトターゲットに印加する電圧を上げていく(グラファイトターゲットのスパッタ速度を上げていく)など、任意の方法によってそのような好ましい態様の混在層3を形成することができる。
なお、後述の性能試験データ中、実施例1〜4のデータは、上述のイオンプレーティング法を用いて、特に金属層2からカーボン層4へと向かうにつれて連続的にGLC含有率が上昇するよう混在層3を形成してなる集電体5、を用いて得たものである。しかしながら、混在層3において、例えばカーボン層4に向かうにつれてGLC含有率が減少する領域が一部存在していたとしても(成膜技術の限界等に起因して、このようなことは起こりうると考えられる。)、従来技術の集電体と比較しての優れた特性は同様に得られるものと推定される。そのような領域においてもTi又はAlとGLCとが混在することにより成分間の密着性が向上されているのであり、それゆえTi又はAlの酸化等の化学反応による変質が防止され、集電体と電極層との接触抵抗が長期に亘り低く抑えられるからである。
カーボン層4は、金属層2及び混在層3と同様にイオンプレーティング法等で形成することができる。典型的には、上記混在層3の形成過程において金属材料への電子ビーム照射量をゼロまで低下させた後、そのままグラファイト材料のみに電子ビームを照射した状態で被膜形成処理を一定時間続行することにより、カーボン層4を形成することができる。
本発明のカーボン層4は、樹脂バインダー等の結着剤へカーボン粒子を分散させた上でこれを塗布すること等により形成するのではなく、上述の金属層2及び混在層3と同様に、例えばイオンプレーティング法等の蒸着法を用いて形成することが好ましい。結着剤と混練して形成されるカーボン粒子の層においては、実質的に混ぜる結着剤の分量だけカーボンの占有率が低下し、また下層のTi又はAlとカーボン粒子との接触が点接触となるし、さらに、上述の塗布法では界面の電気伝導性を高めることが難しく、界面抵抗が上昇すると共に密着性も悪くなり、且つ薄く均一に被覆することが困難だからである。カーボン層4は、平滑かつ緊密なGLC被膜として形成することが望ましい。
なお、金属層2、混在層3、及びカーボン層4の厚さは、それぞれ0.1nm以上15nm以下程度で充分であり、少なくともこれら3つの層における厚さの合計が0.3nm以上であれば、集電体として良好な特性が得られる。ただし、電気伝導性や経済性に支障が無い範囲で各層をこれより厚く形成しても構わないが、金属箔を粗面化する場合には細孔構造内壁への均一な被覆性を考慮して、当該3層の厚さの合計を45nm以下に留めることが好ましい。
また、金属層2、混在層3、及びカーボン層4のそれぞれを形成する工程は同一の成膜方式で行うことが好ましい。製造工程の簡略化により生産性を高め製造コストを大幅に削減できるからである。ただし、経済性に支障の無い範囲で、これら各層を異なる方式で成膜してもよい。
本発明の二次電池
図2は、上記集電体5(正極に用いる集電体を正極側集電体5aとし、負極に用いる集電体を負極側集電体5bとする。)を用いて作製した正極電極7,負極電極9の断面図であり、図3a,図3bは、当該電極7,9を用いて作製した一例としてのリチウムイオン二次電池16の分解図及び外観図である。リチウムイオン二次電池16は、
(i)集電体5a上に、活物質としてのリン酸鉄リチウム(LiFePO4)、導電助剤としてのアセチレンブラック、及びバインダーとしてのスチレンブタジエンゴム、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースアンモニウム塩、と水とを混練してなる電極層6を形成した正極電極7と、集電体5b上に、活物質としてのグラファイト、導電助剤としてのアセチレンブラック、バインダーとしてのスチレンブタジエンゴム、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースアンモニウム塩、と水とを混練してなる電極層8を形成した負極電極9と、をセパレータを介して重ね、正極側集電体5aに対しては正極タブ端子12を、負極側集電体5bに対しては負極タブ端子13を接続した上で、これを複数組み積み重ねて電池素子14を作製する。
(ii)電池素子14をケース15に収容後、電解質11の六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を有機溶媒のエチレンカーボネート及びジエチルカーボネートの混合溶液に溶解させた電解液を注入した後にケースを封止する。
という方法で作製した。なお、電池の作製に用いる活物質、導電助剤、バインダー、電解液の材質や組み合わせ、ならびに素子構造(コイン型、捲回型、積層型等)はこれらに限ったものではない。
本発明の集電体の性能試験
本発明の集電体の性能試験は、上述のとおり酸性溶液中で電気化学的なエッチング処理を行うことにより粗面化をほどこしたアルミニウム箔を基材として作製した集電体と、粗面化していないアルミニウム箔を基材として作製した集電体と、のそれぞれについて行われた。それぞれの集電体において、金属層にはTi又はAlを用い、金属層、混在層、及びカーボン層からなる被膜の厚さを合計で25nmとした。なお、評価の精確性を高める目的で、性能評価用のリチウムイオン二次電池素子としては、当該集電体上に上述の電極層を形成してなる電極を正極電極として用い、対極にはリチウム板を用いて性能試験用のコイン型電池を作製し、このコイン型電池を用いて、当該正極電極の放電レート特性、及び充放電サイクル寿命特性を測定評価した。
正極電極の放電レート特性は、
(i)上記コイン型電池に対し、所定の充電レート電流値にて4.2Vまで定電流充電を行い、その後、電流値が0.01Cになるまで定電圧充電を行うことで充電を実施し、
(ii)その後、特定の放電レート電流値にて3.0Vまで定電流放電を行うことで放電を実施する、
という充放電を1回ずつ行い、放電レート電流値0.2Cにおける放電容量を基準として、各放電レート電流値において測定されたコイン型電池の放電容量の割合から、容量維持率(「各放電レート電流値における放電容量[mAh/g]」÷「放電レート電流値0.2Cにおける放電容量[mAh/g]」×100)を計算することにより評価された。環境温度を25℃に設定し、上記放電レート電流値を0.2Cから10Cまで変えつつ放電レート特性を評価し、それぞれの放電レート電流値における容量維持率を比較した。なお、上記所定の充電レート電流値は、放電レート電流値が1C未満の場合には当該放電レート電流値と同じ値とし、放電レート電流値が1C以上の場合には1Cに固定した。ここで、放電レート電流値1Cとは電池の全容量を1時間かけて放電する電流値を表し、放電レート電流値10Cとは6分間で全電池容量を放電する急速放電を意味する。
正極電極の充放電サイクル寿命特性は、環境温度を25℃に設定し、充電レート電流値及び放電レート電流値を共に1Cに固定した上で、上述の充放電を20サイクルに亘り繰り返しつつ、1サイクルが終了するたびに、初期(1サイクル目)の放電容量を基準とした容量維持率を計算することにより評価された。
集電体と電極層との密着強度に対する、金属箔の粗面化の効果を検証するべく、斜め切削装置としてSAICAS(Surface And Interfacial Cutting Analysis System)装置を用いて試験を行った。電極表面から幅1mmのダイヤモンド刃先を有する切刃を一定速度(水平:6μm/s、垂直:0.6μm/s)で斜めに入れ、集電体と電極層の接合界面に到達後、一定速度(水平:6μm/s)で水平移動させた際の切刃にかかる水平応力を剥離強度として比較した。
比較用の測定を行った二次電池の比較例1〜7、及び本発明の二次電池である実施例1〜4において用いた集電体の構成は、それぞれ以下のとおりである。
(比較例1)
平滑アルミニウム箔からなる集電体。
(比較例2)
平滑アルミニウム箔にエッチング処理をしてなる集電体。
(比較例3)
平滑アルミニウム箔にグラファイトライクカーボン被膜を20nm形成してなる集電体。
(比較例4)
平滑アルミニウム箔に、Ti被膜を12.5nm、グラファイトライクカーボン被膜を12.5nm形成してなる集電体。
(比較例5)
平滑アルミニウム箔をエッチング処理し、Ti被膜を12.5nm、グラファイトライクカーボン被膜を12.5nm形成してなる集電体。
(比較例6)
平滑アルミニウム箔に、Al被膜を12.5nm、グラファイトライクカーボン被膜を12.5nm形成してなる集電体。
(比較例7)
平滑アルミニウム箔をエッチング処理し、Al被膜を12.5nm、グラファイトライクカーボン被膜を12.5nm形成してなる集電体。
(実施例1)
平滑アルミニウム箔に、Ti被膜を10nm、Ti及びグラファイトライクカーボンの混在層を5nm、グラファイトライクカーボン被膜を10nm形成してなる集電体。
(実施例2)
平滑アルミニウム箔をエッチング処理し、Ti被膜を10nm、Ti及びグラファイトライクカーボンの混在層を5nm、グラファイトライクカーボン被膜を10nm形成してなる集電体。
(実施例3)
平滑アルミニウム箔に、Al被膜を10nm、Al及びグラファイトライクカーボンの混在層を5nm、グラファイトライクカーボン被膜を10nm形成してなる集電体。
(実施例4)
平滑アルミニウム箔をエッチング処理し、Al被膜を10nm、Al及びグラファイトライクカーボンの混在層を5nm、グラファイトライクカーボン被膜を10nm形成してなる集電体。
なお、金属箔上への被膜形成は、全て上述のイオンプレーティング法により行った。
各比較例、及び実施例についての放電レート特性の試験結果を、表1〜表11に示す。また、各比較例、実施例について、放電レート電流値ごとに決定された容量維持率を、図4にグラフとして示す。
図4を見れば、比較例1〜7の集電体を用いた場合の放電レート特性に較べて、本発明の集電体を用いた実施例1〜4の放電レート特性の向上は明らかである。
さらに、充放電サイクル寿命特性の試験結果として、比較例1〜7、実施例1〜4の各々について充放電の1サイクルが終了するたびに決定された容量維持率を表12〜表13に示し、さらにグラフとして図5に示す。
図5において、サイクル数の増加に伴い容量維持率の低下が生じる比較例1〜7の集電体を用いた場合の充放電サイクル寿命特性に較べて、本発明の集電体を用いた実施例1〜4では、何れも20サイクル目まで容量の低下が全く起こらず、充放電サイクル寿命特性の向上は明らかである。
比較例1及び2、実施例1及び2について、集電体と電極層との密着強度に対する金属箔の粗面化の効果を評価したSAICAS試験の結果を、図6に示す。被膜形成の有無に関わらず、電極層間の密着強度に関して金属箔の粗面化の効果は明らかである。
以上のとおり、本発明の集電体を用いて作製された電極においては、高放電レートでの使用、及び多数回の繰り返し使用による品質の劣化が極めて小さいことが示された。このような効果は、本発明の集電体が既に述べたとおりの被膜構成を有することにより、界面における高い電気伝導性、及び化学安定性を得たために生じたと考えられる。本発明の被膜構成に起因する電気伝導性及び化学安定性の向上は、集電体の具体的用途に左右されないことが明らかであり、これに鑑みれば、本発明の集電体をリチウムイオン二次電池の負極電極側に用いた時、あるいは、電気二重層キャパシタやハイブリッドキャパシタなどの正極電極側、負極電極側に用いた時にも、同様に品質劣化が抑えられると推定される。
本発明の集電体は、二次電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタの電極として利用することができる。さらに、本発明の集電体は、電解質を用いて駆動する太陽電池等でも用いることができる。
1 金属箔
2 金属層
3 混在層
4 カーボン層
5 集電体(5a 正極側集電体、 5b 負極側集電体)
6 正極電極層
7 正極電極
8 負極電極層
9 負極電極
10 セパレータ
11 電解質
12 正極端子
13 負極端子
14 リチウムイオン二次電池素子
15 電池ケース
16 リチウムイオン二次電池
この目的を達成するために、本発明は、金属を含む基材上に、金属を含む第1の導電層と、金属を含む第1の導電層を構成する物質とグラファイトライクカーボンとが混在してなる混在層と、グラファイトライクカーボンからなる第2の導電層と、が形成されてなり、混在層の成分が、金属を含む第1の導電層を構成する物質のみを含む成分からグラファイトライクカーボンのみを含む成分へと、金属を含む第1の導電層から第2の導電層へと向かうにつれて変化するよう構成されたことを特徴とする、電極用集電体を提供する。
本発明により提供される集電体においては、金属を含む基材表面とグラファイトライクカーボンからなる第2の導電層との間に、金属を含む第1の導電層、及び、両導電層の構成成分が混在する混在層が形成されているため、基材と第1の導電層との密着性、第1の導電層と第2の導電層との密着性がそれぞれ向上し、これにより、各界面の電気伝導性及び化学安定性が向上する。このような構成によれば、基材とグラファイトライクカーボンとの密着性及び界面の電気伝導性や化学安定性が不十分なために、集電体と電極層の接触抵抗が増大し、繰り返し使用するに従い、集電体の内部抵抗が上昇して電極の出力密度が低下する、といった従来技術の問題が解消される。また、第2の導電層はグラファイトライクカーボンからなるため電気伝導性及び酸化等の化学変化に対する耐性に優れている。さらに、第1の導電層と第2の導電層との境界領域において、混在層内の第1の導電層側の領域には第1の導電層を構成する物質のみが、混在層内の第2の導電層側の領域にはグラファイトライクカーボンのみが、それぞれ含まれるよう構成されているため、それら境界領域において成分が急激に変化することにより大きな界面抵抗が生じるといった問題も起こらない。
なお、上記記載中、「金属を含む第1の導電層を構成する物質のみを含む」とは、当該第1の導電層を構成する物質以外の成分が一切含まれないことを必ずしも意味するものではない。層内の成分純度の制御、不純物の混入に関する製造技術上の限界や、個別の製品において上記集電体に許容される誤差としての密着性や接触抵抗の程度等に応じて、混在層と各導電層との境界領域における実際の成分構成はさまざまに変わりうる。この点は、「グラファイトライクカーボンからなる」、「グラファイトライクカーボンのみを含む」などの記載、及び、後述の実施例における成分に関する全ての記述についても同様である。
また、上記記載中、「混在層の成分が、金属を含む第1の導電層を構成する物質のみを含む成分からグラファイトライクカーボンのみを含む成分へと、第1の導電層から第2の導電層へと向かうにつれて変化する」とは、混在層内におけるグラファイトライクカーボンの含有率が、第1の導電層から第2の導電層へと向かう方向について単調に増加する、ということを必ずしも意味するものではない。製造技術上の限界により生じる各成分濃度のばらつき等に応じて、混在層内の各位置における実際の成分はさまざまに変わりうる。しかしながら、好ましくは、第1の導電層から第2の導電層へと向かうにつれてグラファイトライクカーボンの含有率が連続的に上昇するように、混在層が形成される。
上記第1の導電層は、Ta、Ti、Cr、Al、Nb、V、W、Hf、Cuと、これらの金属の窒化物とのうちいずれかを含むものであってよい。本発明の集電体を構成する第1の導電層に用いることができる物質はこれらに限られないが、金属を含む基材としてアルミニウム箔を用いる場合には、エネルギー効率やアルミニウム箔との密着性の観点から上記列挙された物質を用いることが好ましく、特にTi、Alを始めとする金属(基材との密着性や第1の導電層における電気伝導性を損なわない限り、合金等、複数の成分を含むものであってもよい。)を用いることが望ましい。
炭素材料の中でも特に電気伝導性に優れたグラファイトライクカーボンは、蓄電素子の出力密度を高める上で、第2の導電層に用いるカーボンとして、より好ましい。また製造コストの面でも好ましい。ここで、グラファイトライクカーボンとは、ダイヤモンド結合(炭素同士のsp3混成軌道結合)とグラファイト結合(炭素同士のsp2混成軌道結合)の両方の結合が混在しているアモルファス構造をとるカーボンのうち、グラファイト結合の割合が過半数以上のものをいう。ただし、アモルファス構造以外に、部分的にグラファイト構造からなる結晶構造(すなわちsp2混成軌道結合からなる六方晶系結晶構造)からなる相を有するものも含む。
金属を含む基材として用いることのできる材料は、アルミニウムに限られるわけではなく、Ti、Cu、Ni、Hf、ステンレス等、その他の任意の材料、あるいはアルミニウムにそれら任意の材料が添加されたアルミニウム合金等からなる金属箔を用いることもできる。各蓄電素子の正極電極及び負極電極に用いる集電体としての金属箔は、それぞれ、電解質と、活物質の動作電位を考慮した上で、電気化学安定性や電気伝導性、重量、加工性、製造コスト等の観点から選択される。蓄電素子が電気二重層キャパシタの場合は、正極用及び負極用共にアルミニウム箔が、ハイブリッドキャパシタ及び二次電池の場合には、正極用にアルミニウム箔、負極用にアルミニウム箔又は銅箔を供することがより好ましい。
本発明の集電体においては、基材上に形成される第1及び第2の導電層間に混在層を形成することによって層間の密着性及び電気伝導性、化学安定性が向上するため、基材表面及び第1の導電層を構成する物質それぞれの酸化等の化学変化による変質が防止される。さらに、第1又は第2の導電層と混在層との境界領域において、混在層は当該第1又は第2の導電層を構成する成分のみから構成されるのであり、これにより、境界領域において電極材料の成分が急激に変化することによる界面抵抗の上昇も起こらない。このような集電体上に、活物質、導電助剤、及びバインダーからなる電極層を形成した正極電極又は負極電極は、電気伝導性が良く電極層から集電体への集電能力に優れ、且つ化学安定性にも優れており、集電体と電極層との高い密着性を長期に亘り維持する。これらの電極を用いた、二次電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタなどの蓄電素子においては、出力密度が向上すると共に充放電時の電圧降下が小さく、大電流で充放電させた際の素子の温度上昇を抑えることができるため、長時間連続的に急速充放電を行うことが可能となり、充放電サイクル寿命の大幅な延長が達成される。
金属層2は、真空チャンバ内に金属箔1、及び蒸発源であるTi又はAlの金属材料を配置した上で、電子ビーム及びプラズマ発生電極等によりTi又はAlを蒸発・イオン化させ、これにより発生した金属陽イオンを当該金属箔1へと導くことにより形成される。成膜方法の一例としては、イオンプレーティング法等の物理的蒸着法(PVD)が挙げられる。なお、金属箔1上にTi又はAl等の金属の窒化物からなる層を形成する態様においては、上記方法を窒素ガス等の雰囲気中で行うことによって第1の導電層を形成すればよい。
なお、混在層3は、金属層2との境界領域においてはTi又はAlのみを含み、カーボン層4との境界領域においてはカーボン(GLC)のみを含むように、そして、特に金属層2からカーボン層4へと向かうにつれてGLCの含有率が連続的に上昇するよう構成することが好ましい。このような混在層3は、一例として、
(i)混在層3の成膜開始時には金属材料のみに電子ビームを照射してTi又はAlのみの被膜を形成し、
(ii)時間の経過に応じて徐々に当該金属材料への電子ビーム照射量を下げ、同時にグラファイト材料への電子ビーム照射量を上げることにより、金属とGLCとが混在し、且つGLCの含有率が上層へ向かうにつれて上昇するような混在被膜を形成し、
(iii)成膜の終了時には金属材料への電子ビーム照射量をゼロとしてGLCのみの被膜を形成する
ことにより、形成することが可能である。その他、スパッタリング法により混在層3を形成する場合には、時間の経過と共に金属ターゲットに印加する電圧を下げていき(金属ターゲットのスパッタ速度を下げていき)、グラファイトターゲットに印加する電圧を上げていく(グラファイトターゲットのスパッタ速度を上げていく)など、任意の方法によってそのような好ましい態様の混在層3を形成することができる。

Claims (13)

  1. 金属を含む基材上に、金属を含む第1の導電層と、該金属を含む第1の導電層を構成する物質とカーボンとが混在してなる混在層と、実質的にカーボンからなる第2の導電層と、が形成されてなり、
    前記混在層の成分が、実質的に前記金属を含む第1の導電層を構成する物質のみを含む成分から実質的にカーボンのみを含む成分へと、前記金属を含む第1の導電層から前記第2の導電層へと向かうにつれて変化するよう構成されたことを特徴とする、電極用集電体。
  2. 前記金属を含む第1の導電層は、Ta、Ti、Cr、Al、Nb、V、W、Hf、Cuと、これらの金属の窒化物と、これらの金属の炭化物とのうちいずれかを含むことを特徴とする、請求項1に記載の電極用集電体。
  3. 前記カーボンがグラファイトライクカーボンであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電極用集電体。
  4. 前記金属を含む基材が、アルミニウム又はアルミニウム合金、Ti、Cu、Ni、Hf、ステンレスのうちいずれかからなる金属箔であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電極用集電体。
  5. 前記金属を含む基材が粗面化されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電極用集電体。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の電極用集電体上に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のいずれかを含む、遷移金属酸化物又は遷移金属リン酸化合物を含む活物質と、導電助剤と、バインダーと、からなる電極層を形成した非水電解質二次電池用の正極電極。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載の電極用集電体上に、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンのいずれかを吸蔵及び放出可能な炭素材料、Sn、Si又は酸化ケイ素、S又は硫化物、及びチタン酸化物のいずれかを含む活物質と、導電助剤と、バインダーと、からなる電極層を形成した非水電解質二次電池用の負極電極。
  8. 請求項6に記載の正極電極と請求項7に記載の負極電極のうち少なくとも一つを用いた非水電解質二次電池。
  9. 請求項1乃至5のいずれかに記載の電極用集電体上に、活性炭又はカーボンナノチューブのいずれかを含む活物質と、導電助剤と、バインダーと、からなる電極層を形成した非水電解質電気二重層キャパシタ用電極。
  10. 請求項9に記載の電極を正極及び負極のうち少なくとも一方に用いた非水電解質電気二重層キャパシタ。
  11. 請求項1乃至5のいずれかに記載の電極用集電体上に、活性炭又はカーボンナノチューブのいずれかを含む活物質と、導電助剤と、バインダーと、からなる電極層を形成した非水電解質ハイブリッドキャパシタ用の正極電極。
  12. 請求項1乃至5のいずれかに記載の電極用集電体上に、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンのいずれかを吸蔵及び放出可能な炭素材料、Sn、Si又は酸化ケイ素、S又は硫化物、及びチタン酸化物のいずれかを含む活物質と、導電助剤と、バインダーと、からなる電極層を形成した非水電解質ハイブリッドキャパシタ用の負極電極。
  13. 請求項11に記載の正極電極と請求項12に記載の負極電極のうち少なくとも一つを用いた非水電解質ハイブリッドキャパシタ。
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