JP2013164325A - エンコーダ - Google Patents

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Abstract

【課題】90度位相差の2つの正弦波信号を用いて回転位置を検出するエンコーダにおいて、容易な手段で回路の異常を検出することが可能なエンコーダを提供すること。
【解決手段】90度位相差の2つの正弦波信号のずれを修正する補正回路と、前記補正回路から出力された2つの正弦波信号をそれぞれ2乗して加算する2乗和演算器と、信号の異常しきい値を記録する異常信号メモリと、信号の異常を判定する異常判定器からなり、
前記2乗和演算器で求めた演算結果が、前記異常信号メモリに記録した異常しきい値で示される許容範囲を超えた場合に前記異常判定器が異常信号を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、サーボモータの回転位置検出に用いるエンコーダにおいて、位置演算処理に用いる補正回路と回転位置演算器の異常を検出するものである。
従来、半導体製造装置やロボット、各種工作機械などのFA(Factory Automation)システム装置は高精度の位置決め制御を行うため、サーボモータが広く利用されている。サーボモータの回転位置の検出には光学式エンコーダが幅広く用いられており、発光素子と受光素子の光軸上にスリットを設けた回転板を配置し、発光素子からの光が回転板の位置によってスリットを透過/非透過させて、受光素子で光の強弱を検出することによって回転位置を検出している。近年では高分解能化のため、回転板スリット間の周期に合わせて90度位相差の2つの正弦波信号が出力されるようにスリット形状を構成し、内挿演算を行うことで更に分解能を高めたエンコーダが主流となってきている。
図5は従来の内挿演算処理のブロック構成図である。内挿演算で用いる90度位相差の2つの正弦波信号には、組み立て精度や構成部品のばらつき等による誤差を含んでおり、原信号をそのまま用いて位置情報に変換すれば誤差を多く含んだ回転位置情報となる。したがって、図5に示すように2つの正弦波信号の振幅や位相の誤差を修正する補正回路を設け、正弦波信号の補正を行った後に回転位置情報に変換することで、高精度に回転位置を検出する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、FAシステム装置では異常検出機能を更に高めることも検討されており、このような要望に対して、エンコーダの異常検出能力を高めるため、図6に示すように回転位置検出部を2重に構成し、回転位置演算結果にずれが生じた場合に異常とする手法が提案されている。(例えば、特許文献2参照)
国際公開第07/148461号 特開昭57−39311号公報
しかしながら、上述した手法ではエンコーダの異常検出能力を高めることは可能となるが、センサ部では比較的大きくかつ高価な部品を多く使用し、また補正回路では補正処理の演算に用いるROMテーブルの容量が大きいため、エンコーダの大型化とコストアップになるという課題があった。
本発明は上述従来の課題を解決するものであり、90度位相差の2つの正弦波信号を用いて回転位置を検出するエンコーダにおいて、補正回路と回転位置演算器の異常を容易に検出することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載のエンコーダは、90度位相差の2つの正弦波信号を用いて回転位置を検出するエンコーダにおいて、前記90度位相差の2つの正弦波信号のずれを修正する補正回路と、前記補正回路から出力された2つの補正後の正弦波信号と理想正弦波とのずれを検出する補正回路異常検出部と、前記補正回路から出力され
た2つの補正後の正弦波信号から回転位置情報を求める2つの回転位置演算器と、2つの前記回転位置演算器で求めたそれぞれの回転位置情報の差を求める差分演算器と、信号の異常しきい値を記録する異常信号メモリと、信号の異常を判定する異常判定器から構成される。前記補正回路異常検出部が2つの補正後の正弦波信号が理想正弦波とのずれを検出した場合、あるいは前記差分演算器で求めた演算結果が、前記異常信号メモリに記録した異常しきい値で示される許容範囲を超えた場合に前記異常判定器が回転位置演算異常信号を出力するものである。
また、請求項2に記載のエンコーダは、前記回転位置情報は、2つの前記回転位置演算器で生成した回転位置情報を含んだ構成としている。
また、請求項3に記載のエンコーダは、前記回転位置情報は、補正回路異常信号と回転位置演算異常信号を含んだ構成としている。
また、請求項4に記載のエンコーダは、前記補正回路異常検出部は、前記補正回路から出力された2つの補正後の正弦波信号をそれぞれ2乗して加算する2乗和演算器と、信号の異常しきい値を記録する異常信号メモリと、信号の異常を判定する異常判定器で構成される。
請求項1に記載のエンコーダによれば、1つの補正回路検出部と、2つの回転位置演算で求めた結果の差で回転位置演算の異常を検出することで、センサ部で構成する部品や、正弦波信号を正規化するための補正回路を追加する必要がなく、演算が容易な回転位置演算部だけを追加するだけでよいので、安価と小型を実現しながら異常検出能力の優れたエンコーダを提供することができる。
また、請求項2に記載のエンコーダによれば、2つの回転位置演算器で求めた結果をエンコーダの回転位置情報として制御装置へ伝達するため、2つの回転位置情報の誤差の許容値を制御装置で決定して異常を判断することができる。また通信ラインに掛かるノイズによって回転位置情報のデータ変化が発生した場合にも、2つの回転位置情報を制御装置で確認することによって、容易に異常を判定することができる。
また、請求項3に記載のエンコーダによれば、回転位置情報に補正回路異常信号と回転位置演算異常信号の両方の情報を含むため、異常検出回路の異常を診断するためにテストとして実行した結果を容易に検出することができるため、信頼性の高いエンコーダを提供することができる。
また、請求項4に記載のエンコーダによれば、補正回路から出力された2つの補正後の正弦波信号をそれぞれ2乗して加算した結果で補正回路の異常を判定するため、簡単な演算処理の追加だけで補正回路の異常を判定することができる。
本発明の第1の実施の形態におけるエンコーダの異常検出部のブロック図 第1の実施の形態のエンコーダの補正回路異常検出部のブロック図 第1の実施の形態のエンコーダの補正回路異常検出部の動作波形図 第1の実施の形態のエンコーダの回転位置演算回路異常検出部の動作波形図 従来例のエンコーダの異常検出部のブロック構成図 従来例のエンコーダの異常検出部のその他のブロック構成図
第1の発明は、90度位相差の2つの正弦波信号を用いて回転位置を検出するエンコーダにおいて、前記90度位相差の2つの正弦波信号のずれを修正する補正回路と、前記補正回路から出力された2つの補正後の正弦波信号と理想正弦波とのずれを検出する補正回路異常検出部と、前記補正回路から出力された2つの補正後の正弦波信号から回転位置情報を求める2つの回転位置演算器と、2つの前記回転位置演算器で求めたそれぞれの回転位置情報の差を求める差分演算器と、信号の異常しきい値を記録する異常信号メモリと、信号の異常を判定する異常判定器から構成される。前記補正回路異常検出部が2つの補正後の正弦波信号が理想正弦波とのずれを検出した場合、あるいは前記差分演算器で求めた演算結果が、前記異常信号メモリに記録した異常しきい値で示される許容範囲を超えた場合に前記異常判定器が回転位置演算異常信号を出力するため、センサ部で構成する部品や、正弦波信号を正規化するための補正回路を追加する必要がなく、演算が容易な回転位置演算部だけを追加するだけでよいので、安価と小型を実現しながら異常検出能力を高めることができる。
第2の発明は、2つの回転位置演算器で求めた結果をエンコーダの回転位置情報として制御装置へ伝達するため、2つの回転位置情報の誤差の許容値を制御装置で決定して異常を判断することができる。また通信ラインに掛かるノイズによって回転位置情報のデータ変化が発生した場合にも、2つの回転位置情報を制御装置で確認することによって、容易に異常を判定することができる。
第3の発明は、前記回転位置情報は、補正回路異常信号と回転位置演算異常信号を含んでいるため、異常検出回路の異常を診断するためにテストとして実行した結果を容易に検出することができる。
第4の発明は、前記補正回路異常検出部は、前記補正回路から出力された2つの補正後の正弦波信号をそれぞれ2乗して加算する2乗和演算器と、信号の異常しきい値を記録する異常信号メモリと、信号の異常を判定する異常判定器で構成しているため、簡単な演算処理の追加だけで補正回路の異常を判定することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明によるエンコーダについて、図1から図4を用いて説明する。図1は第1の実施の形態におけるエンコーダの異常検出部のブロック図、図2は第1の実施の形態におけるエンコーダの補正回路異常検出部のブロック図、図3は第1の実施の形態におけるエンコーダの補正回路異常検出部の動作波形図、図4は第1の実施の形態におけるエンコーダの回転位置演算回路異常検出部の動作波形図であり、以下に各動作について説明する。
図1において10はセンサ部であり、図示しない発光素子、回転板、受光素子と増幅器で構成されている。回転板に設けられたスリットによって発光素子からの光の強弱を受光素子が検出し、増幅器を介して図3に示すような正弦波波形のSIN原信号21AとCOS原信号21Bを生成する。
1は補正回路であり、センサ部10からのSIN原信号21AとCOS原信号21Bは振幅や位相などのずれを含んでいるため、これらのずれを取り除き、理想的な正弦波信号を生成するものである。補正回路は既に公知の技術であり、前記の特許文献1に示した手法により、精度よく補正された正弦波信号(補正後SIN信号22Aと補正後COS信号22B)を生成することができる。
2は回転位置演算器であり、補正後SIN信号22Aを補正後COS信号22Bで除算した結果(tanθ=sinθ/cosθ)から三角関数の逆変換(atan)を行うことで、回転位置情報23(θ)を生成する。
3は情報伝達手段であり、エンコーダで検出した回転位置情報23と、補正回路異常信号27と回転位置演算異常信号27Bの論理和で生成されるエラー情報をエンコーダ情報24Aとして制御装置へ伝達するものである。近年ではエンコーダ回転位置情報の高分解能化や省配線化に伴い、シリアル通信手段を利用して情報を伝えるのが一般的である。
以上がエンコーダの回転位置情報23の生成から伝達手段までの一連の動作である。次に補正回路1の異常を検出する補正回路異常検出部4について説明する。
図2に示すように補正回路異常検出部4は、2乗和演算器5と、異常信号メモリ6と、異常判定器7で構成されている。
2乗和演算器5は、補正後SIN信号22Aと補正後COS信号22Bを、それぞれを2乗した後に加算して2乗和信号25を生成する。補正後SIN信号22Aと補正後COS信号22Bは補正回路1で理想的な90度位相差の正弦波信号に補正されているため、補正回路1が正常に動作している場合、2乗和信号25は図3に示すように一定値となる。
異常信号メモリ6は、補正後SIN信号22Aと補正後COS信号22Bが理想値からずれた場合に異常と判定するためのしきい値である異常信号しきい値26を記憶するものである。異常信号しきい値26の設定は回転位置情報23の許容誤差から逆算して、補正後SIN信号22Aと補正後COS信号22Bの許容誤差の範囲を算出し、その結果を異常信号しきい値26として異常信号メモリ6に記憶させる。異常信号メモリ6は、あらかじめEEPROM等の不揮発性メモリに記憶させ、電源投入時に不揮発性メモリから読み出し使用する。
異常判定器7は補正回路1に異常がないかを判定するものであり、前述した2乗和演算器5から生成された2乗和信号25が異常信号しきい値26で規定される範囲に収まっているかを判定し、2乗和信号25が範囲外になった場合に補正回路異常信号27を出力(例えばL→H)する。
以上が補正回路異常検出部4の構成についての詳細な動作の説明である。次に回転位置演算器2の異常を検出する回転位置演算回路異常検出部8について説明する。
図1に示すように回転位置演算回路異常検出部8は、回転位置演算器2Bと、差分演算器9と、異常信号メモリ6Bと、異常判定器7Bで構成されている。
回転位置演算器2Bは、補正後SIN信号22Aと補正後COS信号22Bを用いて回転位置を求めるものであり、回転位置演算器2と同様に補正後SIN信号22Aを補正後COS信号22Bで除算した結果(tanθB=sinθB/cosθB)から三角関数の逆変換(atan)を行うことで、回転位置情報23B(θB)を生成する。あるいは、補正後SIN信号22A(sinθB)または補正後COS信号22B(cosθB)から三角関数の逆変換(asin)または(acos)を行うことで、回転位置情報23B(θB)を生成してもよい。
差分演算器9は、回転位置演算器2で求めた回転位置情報23と、回転位置情報23Bで求めた回転位置情報23Bの差を演算するものであり、回転位置差分値28を生成する
異常信号メモリ6Bは、回転位置情報23と回転位置情報23Bの差の許容値である異常信号しきい値26Bを記憶するものである。異常信号しきい値26Bの設定は回転位置情報23の許容誤差から逆算して範囲を算出し、その結果を異常信号しきい値26Bとして異常信号メモリ6Bに記憶させる。異常信号メモリ6Bは、あらかじめEEPROM等の不揮発性メモリに記憶させ、電源投入時に不揮発性メモリから読み出し使用する。
異常判定器7Bは回転位置演算器2あるいは回転位置演算器2Bの演算器に異常がないかを判定するものであり、前述した差分演算器9で生成された回転位置差分値28が異常信号しきい値26Bで規定される範囲に収まっているかを判定し、回転位置差分値28が範囲外になった場合に回転位置演算異常信号27Bを出力(例えばL→H)する。
以上が回転位置演算回路異常検出部8の構成についての詳細な動作の説明である。次に補正回路1に異常が発生した場合の補正回路異常検出部4の動作について、図3を用いて説明する。
図3において、センサ部10からのSIN原信号21AとCOS原信号21Bは正常に出力され、t1のタイミング以降で補正回路1のCOS原信号21Bを補正する回路が異常となり、ゼロに固定された状態を表している。この時に2乗和信号25はt1までは理想値と一致し、異常信号しきい値26の範囲内に収まっているが、t1以降は異常信号しきい値26の範囲を超え、補正回路異常信号27がL→Hとなるため、補正回路1の異常を容易に検出することができる。
次に回転位置演算器2に異常が発生した場合の回転位置演算回路異常検出部8の動作について、図4を用いて説明する。
図4において、センサ部10からのSIN原信号21AとCOS原信号21Bと補正回路1によって理想的な正弦波信号に補正された補正後SIN信号22Aと補正後COS信号22Bは正常に出力され、t1のタイミング以降で回転位置演算器2の回転位置情報23を生成する回路が異常となり、値が更新されなくなった状態を表している。この時に回転位置演算器2Bで生成される回転位置情報23Bはt1までは回転位置情報23と一致し、回転位置差分値28はゼロとなり、異常信号しきい値26Bの範囲内に収まっている。t1以降は異常信号しきい値26Bの範囲を超え、回転位置演算異常信号27BがL→Hとなるため、回転位置演算器2の異常を容易に検出することができる。
または、図3では2乗和信号25が1度でも異常信号しきい値26の範囲外となった場合に補正回路異常信号27はHとなる構成としているが、何回か連続して異常信号しきい値26の範囲外となるか、あるいは異常回数の制限を決めて異常を判定する等のフィルタ処理を実施してもよい。
または、図4では回転位置差分値28が1度でも異常信号しきい値26Bの範囲外となった場合に回転位置演算異常信号27BはHとなる構成としているが、何回か連続して異常信号しきい値26Bの範囲外となるか、あるいは異常回数の制限を決めて異常を判定する等のフィルタ処理を実施してもよい。
または、補正回路1はSIN原信号21AとCOS原信号21Bの振幅や位相を検出しながら補正値を算出しているため、図3では補正回路1の異常を想定しているが、センサ部10からのSIN原信号21AとCOS原信号21Bの一方、または両方が異常となった場合でも2乗和信号25は異常信号しきい値26の範囲外となるため、補正回路1だけ
でなく、原信号のSIN原信号21AとCOS原信号21Bの異常も同時に検出することができる。
または、図4では回転位置演算器2が異常となった場合を想定しているが、回転位置演算器2Bが異常となった場合でも同様の手法により異常を検出することができる。
以上のような構成とすることで、センサ部で構成する部品や、正弦波信号を正規化するための補正回路を追加する必要がなく、演算が容易な回転位置演算部だけを追加するだけでよいので、安価と小型を実現しながら異常検出能力の優れたエンコーダを提供することができる。
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態と異なるのは図1の情報伝達手段3で生成するエンコーダ情報24Aの回転位置情報であり、これについて説明する。
第1の実施の形態で構成する回転位置情報は、回転位置演算器2で求めた回転位置情報23であるが、第2の実施の形態では回転位置演算器2Bで検出した回転位置情報23Bを含めてエンコーダ情報24Aとして生成する。
以上のような構成とすることで、2つの回転位置演算器で求めた結果をエンコーダの回転位置情報として制御装置へ伝達するため、2つの回転位置情報の誤差の許容値を制御装置で決定して異常を判断することができる。また通信ラインに掛かるノイズによって回転位置情報のデータ変化が発生した場合にも、2つの回転位置情報を制御装置で確認することによって、容易に異常を判定することができる。
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態について説明する。第1の実施の形態と異なるのは図1の情報伝達手段3で生成するエンコーダ情報24Aのエラー情報であり、これについて説明する。
第1の実施の形態で構成するエラー情報は、補正回路異常検出部4で検出した補正回路異常信号27と、回転位置演算回路異常検出部8で検出した回転位置演算異常信号27Bの論理和で生成されるエラー情報としているが、第3の実施の形態では補正回路異常信号27と回転位置演算異常信号27Bをそれぞれ独立したエラー情報として出力するように構成する。次に詳細な動作について説明する。
補正回路1あるいは回転位置演算器2Bに異常が発生した場合は、上述したエラー情報の構成により、どちらのエラー情報が発生しているかをエンコーダ情報24Aにより判定することが可能である。これらの異常を検出する補正回路異常検出部4や回転位置演算回路異常検出部8が正常に動作しているかを調べるため、定期的に異常を出力するようなテスト信号を発生させて、補正回路異常検出部4や回転位置演算回路異常検出部8の動作を確認する。
補正回路異常検出部4へのテスト信号は、補正後SIN信号22Aあるいは補正後COS信号22Bが理想値と異なる信号を補正回路異常検出部4へ出力するようにする。例えば、図3に示したように補正後COS信号22Bをゼロとすることで容易に理想値と異なる信号を生成することができる。
回転位置演算回路異常検出部8へのテスト信号は、回転位置演算器2Bの出力値に異常信号しきい値26Bを超える値を加算する。
このようなテスト信号を与えることで、補正回路異常検出部4と回転位置演算回路異常検出部8が正常に動作していれば、エラーが生成されるので、回路の異常を容易に判定することができる。
尚、これらのテストは電源をONしたときに実施する、または、回路の平均故障時間以内の間隔でテストを行うことで異常検出部の信頼性を高めることができる。
以上のような構成とすることで、回転位置演算器2Bに補正回路異常信号27と回転位置演算異常信号27Bの両方の情報を含むため、補正回路異常検出部4あるいは回転位置演算回路異常検出部8の異常を診断するためにテストとして実行した結果を容易に検出することができるため、信頼性の高いエンコーダを提供することができる。
本発明のエンコーダは、90度位相差の2つの正弦波信号のずれを補正回路によって正弦波信号を補正し、補正後の理想的な2つの正弦波信号を用いて精度良く回転位置を検出するものであり、補正回路や回転位置演算器に異常が生じた場合に容易な方法で異常を検出することができるため、高精度の位置決め制御が必要な産業用サーボモータの保護装置として特に有効である。
1 補正回路
2、2B 回転位置演算器
3、3A、3B 情報伝達手段
4 補正回路異常検出部
5 2乗和演算器
6、6B 異常信号メモリ
7、7B 異常判定器
8 回転位置演算回路異常検出部
9 差分演算器
10 センサ部
21A、31A SIN原信号
21B、31B COS原信号
22A、32A 補正後SIN信号
22B、32B 補正後COS信号
23、23B、33 回転位置情報
24、24A エンコーダ情報
25 2乗和信号
26、26B 異常信号しきい値
27 補正回路異常信号
27B 回転位置演算異常信号
28 回転位置差分値

Claims (4)

  1. 90度位相差の2つの正弦波信号を用いて回転位置を検出するエンコーダにおいて、
    前記90度位相差の2つの正弦波信号のずれを修正する補正回路と、前記補正回路から出力された2つの補正後の正弦波信号と理想正弦波とのずれを検出する補正回路異常検出部と、前記補正回路から出力された2つの補正後の正弦波信号から回転位置情報を求める2つの回転位置演算器と、この2つの回転位置演算器で求めたそれぞれの回転位置情報の差を求める差分演算器と、信号の異常しきい値を記録する異常信号メモリと、信号の異常を判定する異常判定器とを備え、
    前記補正回路異常検出部が2つの補正後の正弦波信号が理想正弦波とのずれを検出した場合には補正回路異常信号を出力し、前記差分演算器で求めた演算結果が前記異常信号メモリに記録した異常しきい値で示される許容範囲を超えた場合に前記異常判定器が回転位置演算異常信号を出力することを特徴とするエンコーダ。
  2. 情報伝達手段により、前記2つの回転位置演算器で生成した回転位置情報を含んだ一つのエンコーダ信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のエンコーダ。
  3. 情報伝達手段により、前記2つの回転位置演算器で生成した回転位置情報と、前記補正回路異常信号と、前記回転位置演算異常信号とを含んだ一つのエンコーダ信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のエンコーダ。
  4. 前記補正回路異常検出部は、前記補正回路から出力された2つの補正後の正弦波信号をそれぞれ2乗して加算する2乗和演算器と、信号の異常しきい値を記録する異常信号メモリと、信号の異常を判定する異常判定器とで構成されることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のエンコーダ。
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