JP2013163987A - 倍力装置の負圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン補機の動力の増加によりブレーキ負圧が急激に減少するような場合にブレーキ負圧が不足してしまうのを防止する。
【解決手段】倍力装置の負圧制御装置は、車載のエンジンに接続された吸気管の吸気負圧によって車両の制動力を増加させる倍力装置の負圧を制御する倍力装置の負圧制御装置であって、エンジンによって駆動されるエンジン補機の損失トルク及び消費電力の少なくとも一方を基に倍力装置の負圧を推定する損失トルク演算部43と、損失トルク演算部43の推定値が負圧不足を示す値に達しているとき倍力装置の負圧を充足させる負圧回復制御部50と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、倍力装置の負圧を制御する技術に関する。
車両のブレーキ装置においては、エンジンに接続された吸気管(インテークマニホールド)の吸気負圧を利用して、ブレーキペダルの踏み込み力を増加させる倍力装置(マスターバック又はブレーキブースタともいう。)が一般的に知られている(例えば特許文献1参照)。
例えば、倍力装置は、エンジンの吸気管に接続され吸気管の負圧により常時低圧に保たれる定圧室と、定圧室に隣接し大気が導入される変圧室と、定圧室と変圧室との間に配置され両室の方向に往復移動可能に構成されたプレッシャープレートとを備えて構成されている。この倍力装置は、両室間に生じる差圧によってプレッシャープレートを定圧室側へ押し付けることで、ブレーキペダルの踏み込み力を増加させる。
ところで、このような倍力装置を備えた車両において、エンジンの負荷が高い場合には、吸気管の負圧が減少(負圧の絶対値が減少)するために倍力装置の負圧が十分に保たれず、所望のブレーキ負圧が確保できない問題があった。
このような問題に対し、特許文献2には、ブレーキ負圧が不足した場合、空調用コンプレッサ及びオルタネータ等のエンジン補機を停止させて、エンジンの負荷を軽減し吸気負圧を増加(負圧の絶対値を増加)させ、ひいてはブレーキ負圧を回復させる車両用のブレーキ負圧維持装置が開示されている。
特開2010−174665号公報 特開2008−208729号公報
しかしながら、特許文献2に開示のブレーキ負圧維持装置では、ブレーキ負圧の不足を検出してからブレーキ負圧を回復させる処理を行っているのに過ぎず、エンジン補機の動力を増加(例えば、駆動されるエンジン補機の数の増加等も含む)させることによりブレーキ負圧が急激に減少した場合、ブレーキ負圧の回復処理が間に合わずブレーキ負圧が不足してしまう恐れがあった。
そこで、本発明の目的は、エンジン補機の動力の増加によりブレーキ負圧が急激に減少するような場合にブレーキ負圧が不足してしまうのを防止することである。
前記課題を解決するために、(1)本発明の一態様では、車載のエンジンに接続された吸気管の吸気負圧によって車両の制動力を増加させる倍力装置の負圧を制御する倍力装置の負圧制御装置において、前記エンジンによって駆動されるエンジン補機の損失トルク及び消費電力の少なくとも一方を基に前記倍力装置の負圧を推定する負圧推定部と、前記負圧推定部の推定値が負圧不足を示す値に達しているとき前記倍力装置の負圧を充足させる負圧充足部と、を有することを特徴とする倍力装置の負圧制御装置を提供できる。
(2)本発明の一態様では、前記負圧充足部は、前記エンジン補機の駆動を制限する。
(3)本発明の一態様では、前記負圧充足部は、前記エンジンのエンジン回転数を増加させることを特徴とする。
(4)本発明の一態様では、車載のエンジンに接続された吸気管の吸気負圧によって車両の制動力を増加させる倍力装置の負圧を制御する倍力装置の負圧制御装置において、前記倍力装置の負圧を検出する負圧検出部と、前記エンジンによって駆動されるエンジン補機の損失トルク及び消費電力の少なくとも一方を基に前記倍力装置の負圧を推定する負圧推定部と、前記エンジン補機の駆動を制限して前記倍力装置の負圧を充足させる第1負圧充足部と、前記エンジンのエンジン回転数を増加させて前記倍力装置の負圧を充足させる第2負圧充足部と、前記負圧検出部の検出値及び前記負圧推定部の推定値を基に前記第1負圧充足部及び前記第2負圧充足部を制御する制御部と、を有することを特徴とする倍力装置の負圧制御装置を提供できる。
(5)本発明の一態様では、前記制御部は、前記負圧検出部の検出値が負圧が十分な大きさであることを示す値に達しかつ前記負圧推定部の推定値が負圧不足を示す値に達しているとき前記第1負圧充足部による前記エンジン補機の駆動の制限を行いかつ前記第2負圧充足部によりエンジン回転数を増加させることを行わない。
(6)本発明の一態様では、前記制御部は、前記負圧検出部の検出値が負圧不足を示す値に達しかつ前記負圧推定部の推定値が負圧不足を示す値に達しているとき前記第1負圧充足部による前記エンジン補機の駆動の制限を行いかつ前記第2負圧充足部によりエンジン回転数を増加させる。
(7)本発明の一態様では、前記制御部は、前記負圧検出部の検出値が負圧不足を示す値に達しかつ前記負圧推定部の推定値が負圧が十分な大きさであることを示す値に達しているとき前記第1負圧充足部による前記エンジン補機の駆動の制限を前記負圧検出部の検出値が負圧が十分な大きさであることを示す値に達し前記負圧推定部の推定値が負圧不足を示す値に達しているときの前記エンジン補機の駆動の制限よりも緩くしかつ前記第2負圧充足部によりエンジン回転数を増加させる。
(8)本発明の一態様では、前記負圧推定部は、前記エンジン補機の損失トルク及び消費電力の少なくとも一方の情報に加えて、前記エンジンの損失トルク及び前記エンジンに接続された変速機の損失トルクを基に前記倍力装置の負圧を推定する。
(9)本発明の一態様では、車両がアイドリング状態のとき前記倍力装置の負圧の充足を行う。
(1)の態様の発明によれば、負圧推定部がエンジン補機の損失トルクや消費電力を基に倍力装置の負圧を推定して倍力装置の負圧を充足させることで、エンジン補機の動力増加等によって将来起こり得る倍力装置の負圧不足への事前の対処として倍力装置の負圧を低い状態に維持するようにできる。これにより、(1)の態様の発明では、エンジン補機の動力増加等によって倍力装置の負圧が急激に減少するような場合に倍力装置の負圧が不足してしまうのを防止できる。
(2)の態様の発明によれば、倍力装置の負圧状態の推定に用いるエンジン補機を負圧を充足させるためにも用いることで、簡単な構成で倍力装置の負圧が不足してしまうのを防止できる。
(3)の態様の発明によれば、エンジンのエンジン回転数を増加させるといった簡単な構成で倍力装置の負圧が不足してしまうのを防止できる。
(4)の態様の発明によれば、負圧推定部がエンジン補機の損失トルクや消費電力を基に倍力装置の負圧を推定して倍力装置の負圧を充足させることで、エンジン補機の動力増加等によって将来起こり得る倍力装置の負圧不足への事前の対処として倍力装置の負圧を低い状態に維持するようにできる。これにより、(4)の態様の発明では、エンジン補機の動力増加等によって倍力装置の負圧が急激に減少するような場合に倍力装置の負圧が不足してしまうのを防止できる。
さらに、(4)の態様の発明によれば、倍力装置の負圧の実測値及び推定値に応じて倍力装置の負圧の充足させ方を選定できる。すなわち、(4)の態様の発明では、現在の倍力装置の負圧及び将来の倍力装置の負圧に応じて倍力装置の負圧を充足させ方を選定できる。これにり、(4)の態様の発明では、倍力装置の負圧を過不足なく充足させることが可能になる。
(5)の態様の発明によれば、現在の倍力装置の負圧が十分であり、かつ倍力装置の負圧が将来不足する可能性が高い場合、エンジン補機の駆動の制限だけを行うことで、倍力装置の負圧を過不足なく充足させることが可能になる。
(6)の態様の発明によれば、現在の倍力装置の負圧も不足し、かつ倍力装置の負圧が将来不足する可能性が高い場合、エンジン補機の駆動の制限を行うとともにエンジン回転数を増加させることで、倍力装置の負圧を過不足なく充足させることが可能になる。
(7)の態様の発明によれば、現在の倍力装置の負圧が不足するが、倍力装置の負圧が将来不足する可能性が低い場合、エンジン補機の駆動の制限を緩くすることで、倍力装置の負圧を過不足なく充足させることが可能になる。これにより、(6)の態様の発明では、エンジン補機の駆動状態をできるだけ維持しつつ、倍力装置の負圧を過不足なく充足させることが可能になる。
(8)の態様の発明によれば、倍力装置の負圧に影響を与えるエンジン及び変速機の損失トルクをも用いて倍力装置の負圧を推定することで、高い精度で倍力装置の負圧を推定できる。これにより、(8)の態様の発明では、例えば、負圧充足部による負圧の充足を正確に開始させることができる。
(9)の態様の発明によれば、倍力装置で負圧が不足する可能性が高いアイドリング状態のときに倍力装置の負圧を充足させることができる。これにより、(9)の態様の発明では、適切なタイミングで倍力装置の負圧を充足させることができる。
本実施形態の車両の構成を示す図である。 本実施形態の車両の構成を示す他の図である。 記憶部に記憶されている種々のテーブルの例を示す図である。 ECUの処理内容の一例を示すフローチャートである。 スロットル開度と吸気管内の圧力との関係の一例を示す図である。 許容最大トルクTmaxの説明のために用いる図である。 アイドリング検出処理の一例を示すフローチャートである。 補機使用状態検出処理の一例を示すフローチャートである。 エアコンの損失トルクの算出処理の一例を示すフローチャートである。 エアコン消費電力算出用テーブルの一例を示す図である。 エアコン損失トルク算出用テーブルの一例を示す図である。 ブロアファン消費電力算出用テーブルの一例を示す図である。 損失トルク演算処理の一例を示すフローチャートである。 積算空気量とエンジン油温との関係を示すテーブルの一例を示す図である。 エンジン油温と動粘性係数との関係を示すテーブルの一例を示す図である。 動粘性係数及びエンジン回転数とエンジンの損失トルクとの関係を示すテーブルの一例を示す図である。 ミッションオイル温度と動粘性係数との関係を示すテーブルの一例を示す図である。 動粘性係数及びエンジン回転数と変速機の損失トルクとの関係を示すテーブルの一例を示す図である。 インストロメントパネルにおける表示部及び入力装置の構成例を示す図である。 エンジン補機登録部が表示部への表示及び入力装置の入力操作に応じた登録を行う処理の一例を示すフローチャートである。 表示部へのエンジン補機と優先順位との対応関係の表示例を示す図である。 負圧回復処理の一例を示すフローチャートである。 負圧センサの検出値を用いた負圧回復のための処理内容の一例を示すフローチャートである。
本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態は、エンジン補機の制御装置を搭載した車両である。
(構成)
図1及び図2は、本実施形態の車両1の構成例を示す図である。
図1に示すように、車両1は、エンジン2とブレーキ装置3とを含み構成されている。ここで、ブレーキ装置3は、ブレーキペダル4と倍力装置5とを含み構成されている。倍力装置5は、エンジン2の吸気ポートに連結されている吸気管6に接続され吸気管6の吸気負圧によって制動力を増加させる。例えば、倍力装置5は、吸気管6に接続され吸気管の負圧により常時低圧に保たれる定圧室と、定圧室に隣接し大気が導入される変圧室と、定圧室と変圧室との間に配置され両室の方向に往復移動可能に構成されたプレッシャープレートとを備えて構成されている。そして、倍力装置5は、両室間に生じる差圧によってプレッシャープレートを定圧室側へ押し付けることでブレーキペダルの踏み込み力を増加させて制動力を増加させる。
また、図2に示すように、車両1は、クランク角センサ11、アクセル開度センサ12、大気圧センサ13、エンジン油温センサ14、エンジン水温センサ15、トランスミッション油温センサ16、シフトポジションセンサ17、負圧センサ(負圧検出器)18、エアフローセンサ(空気流量計)19、冷媒圧センサ20、入力装置21、ECU(Electronic Control Unit)40、エアコン(空気調整装置)22、ブロアファン(室内送風機)23、デフォッガ(デフロスタ)24、及び表示部25を含み構成されている。
ここで、クランク角センサ11は、エンジン2のクランク角を検出する。そして、クランク角センサ11は、検出値をECU40に出力する。また、アクセル開度センサ12は、アクセルペダルの踏み込み量又はスロットルバルブの開度を検出する。そして、アクセル開度センサ12は、検出値をECU40に出力する。また、大気圧センサ13は、車両環境の気圧、すなわち大気圧を検出する。そして、大気圧センサ13は、検出値をECU40に出力する。また、エンジン油温センサ14は、エンジン2の油温を検出する。そして、エンジン油温センサ14は、検出値をECU40に出力する。また、エンジン水温センサ15は、エンジン水温を検出する。そして、エンジン水温センサ15は、検出値をECU40に出力する。また、トランスミッション油温センサ16は、トランスミッションの油温を検出する。そして、トランスミッション油温センサ16は、検出値をECU40に出力する。また、シフトポジションセンサ17は、シフトポジションを検出する。そして、シフトポジションセンサ17は、検出値をECU40に出力する。また、負圧センサ18は、倍力装置5の負圧を検出する。そして、負圧センサ18は、検出値をECU40に出力する。また、エアフローセンサ19は、吸気管6内の空気流量を検出する。そして、エアフローセンサ19は、検出値をECU40に出力する。また、冷媒圧センサ20は、エアコン22のコンプレッサに配置されエアコン22の冷媒圧を検出する。そして、冷媒圧センサ20は、検出値をECU40に出力する。また、入力装置21は、操作パネルや操作ボタン等によって乗員による入力操作が可能な構造をなし入力された情報をECU40に出力する。
ECU40は、クランク角センサ11等からの検出値等に基づいて車両を制御する。このECU40は、例えば、マイクロコンピュータ及びその周辺回路を備えるコントローラにおいて構成されている。例えば、車両コントローラ20は、CPU、ROM、RAM等によって構成されている。そして、ROMには、各種処理を実現する1又は2以上のプログラムが格納されている。CPUは、ROMに格納されている1又は2以上のプログラムに従って各種処理を実行する。
本実施形態では、このECU40は、アイドリング時のエアコン22やブロアファン23、デフォッガ24等のエンジン補機の駆動状態を基に吸気管6内の圧力状態(負圧状態)を推定し、推定した圧力状態を基に吸気管6内の負圧、ひいては倍力装置5の負圧を回復(充足)させる処理を行う。
そのために、図2に示すように、ECU40は、アイドリング検出部41、補機使用状態検出部42、損失トルク演算部43、許容最大トルク演算部44、負圧判定部(総損失トルク判定部)45、負圧回復制御部50、優先順位登録部46、及び記憶部60を有している。記憶部60には、演算処理結果のデータや種々のテーブル等が記憶されている。
図3は、記憶部60に記憶されている種々のテーブルの例を示す図である。
図3に示すように、記憶部60には、許容最大トルク算出用テーブル61、優先順位登録テーブル62、エアコン消費電力算出用テーブル71、エアコン損失トルク算出用テーブル72、ブロアファン消費電力算出用テーブル73、ブロアファン損失トルク算出用テーブル74、エンジン損失トルク算出用テーブル75、変速機損失トルク算出用テーブル76等の種々のテーブルが記憶されている。また、例えば、図3に示すように、エアコン消費電力算出用テーブル71等は、記憶部60において総損失トルク算出用テーブル記憶部70に記憶されている。
(ECU40による全体処理)
図4は、図2及び図3に示すようなECU40の構成によって実行される処理内容の一例を示すフローチャートである。例えば、ECU40は、図4に示す処理を一定周期で繰り返し実行する。
図4に示すように、先ずステップS10では、ECU40は、アイドリング検出部41によってアイドリング検出処理を行う。そして、アイドリング検出部41は、アイドリング状態であることを検出すると、次のステップS30に進む。
ここで、アイドリング状態を検出するのは、アイドリング状態のときにエンジン負荷が変化すると吸気管6内の圧力、ひいては倍力装置5の圧力も変化し易いからである。具体的には、エンジン負荷が増加すると吸気管6内の負圧が上昇(負圧の絶対値が減少)し易くなる。
このように、エンジン負荷が増加すると吸気管6内の負圧が上昇し易くなるのは、次のような理由からである。
先ず、アイドリング状態とは、一般的には、エンジン負荷(メカロスやエンジン補機等の外部負荷)とエンジントルクとが釣り合っている状態をいう(エンジントルク=エンジン負荷)。一般には、停車時等でアクセルペダルを踏み込んでいないとき、エンジン2は、アイドリング状態となり、低エンジン回転数(アイドル回転数)で推移する。
一方、エンジントルクよりもエンジン負荷が小さければ(エンジントルク>エンジン負荷)、エンジン回転数は上昇し、エンジントルクよりもエンジン負荷が大きければ(エンジントルク<エンジン負荷)、エンジン回転数は低下する。
そして、エンジン補機が駆動しエンジン負荷が増加したときにアイドリング状態を維持しようとすると、増加したエンジン負荷とエンジントルクとを釣り合わせてアイドリング状態を維持するためにスロットル開度が大きくなる。
ここで、基本的に、アイドル回転数は、負荷によらず(一部例外あるが)一定である。また、空燃比は、排ガス対策から常にほぼ理論空燃比で固定される。さらに、点火時期もアイドル安定性の観点から(一時的なものは除き)進角はない。このようなことから、アイドリング状態の維持は、一般的に、スロットル開度を大きくし導入空気量を増加させてエンジントルクを大きくすることで行われる。
以上のようなことから、アイドリング状態のときにエンジン負荷が増加すると、スロットル開度が大きくなり導入空気量が増加するため、吸気管6内の負圧、ひいては倍力装置5の負圧が上昇し易くなる。
ここで、図5には、スロットル開度と吸気管内の圧力(通称、インマニ圧)との関係の一例を示す。
図5に示すように、スロットル開度が大きいほど大気圧の空気の流入量が多くなるため、吸気管内の圧力は大気圧に近づく(吸気管内の負圧は上昇する、又は吸気管内の負圧は不足する)。
図4に戻り、次に、ステップS30では、ECU40は、補機使用状態検出部42によって補機使用状態検出処理を行う。具体的には、補機使用状態検出部42は、エアコン22やブロアファン23、デフォッガ24等のエンジン補機のオン及びオフ状態を検出し、オン状態を検出したエンジン補機の損失トルクを算出する。
次に、ステップS50では、ECU40は、損失トルク演算部43によって損失トルク演算処理を行う。具体的には、損失トルク演算部43は、前記ステップS30で算出したエンジン補機の損失トルク、エンジン2の損失トルク、及び変速機の損失トルクを合算した総損失トルクTsを算出する。
次に、ステップS70では、ECU40は、許容最大トルク演算部44によって許容最大トルク算出処理を行う。具体的には、許容最大トルク演算部44は、大気圧センサ13によって大気圧Pを検出し、検出した大気圧Pに対応する許容最大トルクTmaxを取得する。そのために、記憶部60には、大気圧Pと許容最大トルクTmaxとが対応付けられた許容最大トルク算出用テーブル61が記憶されている。許容最大トルク演算部44は、この許容最大トルク算出用テーブル61を参照して、検出した大気圧Pに対応する許容最大トルクTmaxを取得する。
ここで、許容最大トルクTmaxとは、前記ステップS30で算出した総損失トルクTsがこれ以上増加すると吸気管6内の負圧、すなわち倍力装置5の負圧が不足すると予測されるトルクである。
ここで、図6を用いて、許容最大トルクTmaxとはどのような値であるかをさらに説明する。
図6(a)は、吸気管内の圧力と吸入空気量との関係の一例を示す図である。また、図6(b)は、吸入空気量とエンジントルクとの関係の一例を示す図である。そして、図6(c)は、図6(a)及び図6(b)から得られる吸気管内の圧力とエンジントルクとの関係の一例を示す図である。
図6(a)に示すように、吸入空気量が多いと吸気管内の圧力も大きくなる(負圧が不足する)。吸入空気量が多いということは、スロットル開度が大きいということであり、そのために、吸気管内の圧力が大きくなる。また、この例では、吸入空気量と吸気管内の圧力とが比例関係になっている。
また、図6(b)に示すように、吸入空気量が多いとエンジントルクも大きくなる。吸入空気量が多いとき、一般的に燃料噴射量も多くするため、エンジントルクが大きくなる。この例では、吸入空気量とエンジントルクとが比例関係になっている。
この結果、図6(c)に示すように、吸気管内の圧力が大きいと、吸入空気量が多くなるため、エンジントルクも大きくなる。
そして、この図6(c)に示すように、エンジントルクを小さくしていき吸気管内の圧力が大気圧未満に設定したしきい値(インマニ圧しきい値、負圧確保限界判定用しきい値)以下になったときに、該吸気管内の圧力がブレーキ負圧を確保するために最低限確保すべき吸気管内の負圧値となり、このようなしきい値に対応するエンジントルクが許容最大トルクとなる。
例えば、このように定義される許容最大トルクTmaxは次のようにして算出される。
先ず、図6(c)に示すように、吸気管内の圧力とエンジントルクとの関係を予め実験的、経験的、又は理論的に求める。
そして、エンジンの点火時期、空燃比をアイドリング状態と同じ設定にして(エンジンをアイドリング状態に保ち)、エンジン補機を駆動させてエンジン負荷を発生させる。そして、エンジン負荷を増加させていき、このとき増加する吸気管内の圧力(減少する負圧)がしきい値(負圧確保限界判定用しきい値)に達したときのエンジントルクを許容最大トルクTmaxとする。さらに、このような手順について、大気圧(雰囲気圧力)を変化させて、大気圧毎の許容最大トルクTmaxを取得する。そして、これにより得られる大気圧Pと許容最大トルクTmaxとが対応付けられた許容最大トルク算出用テーブル61を記憶部60に記憶しておく。
ここで、例えば、吸気管内の圧力の検出については、エンジンの吸気管に吸気圧センサを取り付けて行い、また、エンジントルクの検出については、エンジンのクランクシャフトを動力計(トルクを測る計測器)に接続して行う。
次に、ステップS90では、ECU40は、負圧判定部45によって、前記ステップS50で算出した総損失トルクTsが前記ステップS70で算出した許容最大トルクTmaxよりも大きいか否かを判定する。負圧判定部45は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmaxよりも大きいと判定すると(Ts>Tmax)、倍力装置5の負圧が不足するとして、ステップS120に進む。また、負圧判定部45は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmax以下であると判定すると(Ts≦Tmax)、倍力装置5の負圧が十分な大きさであるとして、該図4に示す処理を終了する(前記ステップS10から再び処理を開始する)。
ステップS120では、ECU40は、負圧回復制御部50によって負圧回復処理(補機制限処理)を行う。そして、ECU40は、該図4に示す処理を終了する(前記ステップS10から再び処理を開始する)。
ここで、ECU40は、負圧回復処理として、エンジン補機を停止させたりエンジン補機の出力を小さくしたりすることで、エンジン2の負荷を小さくし吸気管6内の負圧を増加させ倍力装置5の負圧を増加させる。
次に、前述のアイドリング検出部41による前記ステップS10のアイドリング検出処理、補機使用状態検出部42による前記ステップS30の補機使用状態検出処理、損失トルク演算部43による前記ステップS50の損失トルク演算処理、及び負圧回復制御部50による前記ステップS120の負圧回復処理について、さらに詳しく説明する。
(ステップS10のアイドリング検出処理)
先ず、図7は、アイドリング検出部41による前記ステップS10のアイドリング検出処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、先ずステップS11では、アイドリング検出部41は、アクセル開度αが予め設定したしきい値αthよりも小さいか否かを判定する。ここで、予め設定したしきい値αthは、アイドリング時のアクセル開度相当であり、例えば、実験的、経験的又は理論的に設定された値である。アイドリング検出部41は、アクセル開度αが予め設定したしきい値αthよりも小さいと判定したとき(α<αth)、ステップS12に進む。
ステップS12では、アイドリング検出部41は、エンジン回転数Nが予め設定したしきい値Nthよりも小さいか否かを判定する。ここで、予め設定したしきい値Nthは、アイドリング時のエンジン回転数相当であり、例えば、実験的、経験的又は理論的に設定された値である。アイドリング検出部41は、エンジン回転数Nが予め設定したしきい値Nthよりも小さいと判定すると(N<Nth)、該図7に示す処理を終了する(ステップS30に進む)。また、アイドリング検出部41は、エンジン回転数Nが予め設定したしきい値Nth以上であると判定すると(N≧Nth)、前記ステップS11から再び処理を開始する。
このように、アイドリング検出部41は、アクセル開度及びエンジン回転数を基にアイドリング状態であるか否かを判定する。
(ステップS30のアイドリング検出処理)
次に、図8は、補機使用状態検出部42による前記ステップS30の補機使用状態検出処理の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、先ずステップS31では、補機使用状態検出部42は、エアコン22がオンになっているか否かを判定する。例えば、補機使用状態検出部42は、エアコン22のスイッチが押されているか否か、又はエアコン22のコンプレッサに通電があるか否かによってエアコン22がオンになっているか否かを判定する。補機使用状態検出部42は、エアコン22がオンになっていると判定すると、ステップS32に進む。また、補機使用状態検出部42は、エアコン22がオンになっていないと判定すると、ステップS33に進む。
ステップS32では、補機使用状態検出部42は、エアコン22の損失トルクを算出し、算出したエアコン22の損失トルクを記憶部60等に記憶する。
図9は、エアコン22の損失トルクの算出処理の一例を示すフローチャートである。
図9に示すように、先ずステップS41では、補機使用状態検出部42は、クランク角センサ11によって検出したクランク角を基にエンジン回転数を算出する。
次に、ステップS42では、補機使用状態検出部42は、冷媒圧センサ20によって検出したエアコン22の冷媒圧と前記ステップS41で算出したエンジン回転数とを基にエアコン22の消費電力を算出する。例えば、補機使用状態検出部42は、記憶部60に記憶されているエアコン消費電力算出用テーブル71を参照してエアコン22の消費電力を算出する。
図10は、エアコン消費電力算出用テーブル71の一例を示す図である。
図10に示すように、エアコン消費電力算出用テーブル71は、エアコン22の冷媒圧及びエンジン回転数とエアコン22の消費電力とが対応付けられているテーブルである。補機使用状態検出部42は、このようなエアコン消費電力算出用テーブル71を参照してエアコン22の冷媒圧及びエンジン回転数に対応するエアコン22の消費電力を取得する。
次に、ステップS43では、補機使用状態検出部42は、前記ステップS42で算出したエアコン22の消費電力を基にエアコン22の損失トルクを算出する。例えば、補機使用状態検出部42は、記憶部60に記憶されているエアコン損失トルク算出用テーブル72を参照してエアコン22の損失トルクを算出する。
図11は、エアコン損失トルク算出用テーブル72の一例を示す図である。
図11に示すように、エアコン損失トルク算出用テーブル72は、エアコン22の消費電力とエアコン22の損失トルクとが対応付けられているテーブルである。補機使用状態検出部42は、このようなエアコン損失トルク算出用テーブル72を参照してエアコン22の消費電力に対応するエアコン22の損失トルクを取得する。
なお、エアコン22の損失トルクの算出は、エアコン損失トルク算出用テーブル72を用いて行うことに限定されるものではない。例えば、補機使用状態検出部42は、予め設定された演算式を基にエアコン22の損失トルクを算出することができる。下記(1)式は、その演算式の一例である。
損失トルク(Nm)=9549×消費電力(kw) ・・・(1)
以上のように、補機使用状態検出部42は、ステップS32でエアコン22の損失トルクの算出する。
ステップS33では、補機使用状態検出部42は、ブロアファン23がオンになっているか否かを判定する。例えば、補機使用状態検出部42は、回路上のスイッチが閉じられているか否か、又はブロアファン23に通電があるか否かによってブロアファン23がオンになっているか否かを判定する。補機使用状態検出部42は、ブロアファン23がオンになっていると判定すると、ステップS34に進む。また、補機使用状態検出部42は、ブロアファン23がオンになっていないと判定すると、ステップS35に進む。
ステップS34では、補機使用状態検出部42は、ブロアファン23の損失トルクを算出し、算出したブロアファン23の損失トルクを記憶部60等に記憶する。具体的には、補機使用状態検出部42は、ブロアファン23に流れる電流及び電圧を計測し、計測した電流及び電圧を基に消費電力を算出する。そして、補機使用状態検出部42は、算出した消費電力を基にブロアファン23の損失トルクを算出する。例えば、補機使用状態検出部42は、記憶部60に記憶されているブロアファン損失トルク算出用テーブル74を参照して消費電力に対応する損失トルクを取得する。
ここで、補機使用状態検出部42は、ブロアファン23の強弱の設定値を基にブロアファン23の消費電力を算出することもできる。ここで、ブロアファン23の強弱の設定値は、車両のインストルメントパネルに設けたスイッチ等によって判別される値である。また、このような場合において、例えば、補機使用状態検出部42は、記憶部60に記憶されているブロアファン消費電力算出用テーブル73を参照してブロアファン23の消費電力を算出する。
図12は、ブロアファン消費電力算出用テーブル73の一例を示す図である。
図12に示すように、ブロアファン消費電力算出用テーブル73は、ブロアファン23の強弱の設定値とブロアファン23の消費電力とが対応付けられているテーブルである。補機使用状態検出部42は、このようなブロアファン消費電力算出用テーブル73を参照してブロアファン23の強弱の設定値に対応するブロアファン23の消費電力を取得する。
ステップS35では、補機使用状態検出部42は、デフォッガがオンになっているか否かを判定する。補機使用状態検出部42は、デフォッガがオンになっていると判定すると、ステップS36に進む。また、補機使用状態検出部42は、デフォッガがオンになっていないと判定すると、該図8に示す処理を終了する(図4に示すステップS50に進む)。
ステップS36では、補機使用状態検出部42は、デフォッガの損失トルクを算出し、算出したデフォッガの損失トルクを記憶部60に記憶する。そして、補機使用状態検出部42は、該図8に示す処理を終了する(図4に示すステップS50に進む)。
(ステップS50の損失トルク演算処理)
次に、図13は、損失トルク演算部43による前記ステップS50の損失トルク演算処理の一例を示すフローチャートである。
図13に示すように、先ずステップS51では、損失トルク演算部43は、補機損失トルクTを算出を算出(推定)する。具体的には、損失トルク演算部43は、前記ステップS30で算出したエアコン22、ブロアファン23及びデフォッガそれぞれの損失トルクを合算した補機損失トルクTを算出する。
次に、ステップS52では、損失トルク演算部43は、エンジン2の損失トルクFeを算出(推定)する。例えば、損失トルク演算部43は、記憶部60に記憶されているエンジン損失トルク算出用テーブル75を参照してエンジン2の損失トルクFeを算出する。
図14乃至図16は、エンジン損失トルク算出用テーブル75を構成する各種テーブルの一例を示す図である。
ここで、図14に示すテーブルは、積算空気量とエンジン油温との関係を示すテーブルとなる。このテーブルでは、積算空気量が多いほどエンジン油温が高くなる。また、始動時のエンジン水温が高いほどエンジン油温が高くなる。
また、図15に示すテーブルは、エンジン油温と動粘性係数との関係を示すテーブルとなる。このテーブルでは、エンジン油温が高いほど動粘性係数が小さくなる。
また、図16に示すテーブルは、動粘性係数及びエンジン回転数とエンジン2の損失トルクとの関係を示すテーブルである。
損失トルク演算部43は、これら図14乃至図16に示すエンジン損失トルク算出用テーブル75を用いて次のようにエンジン2の損失トルクを算出する。
先ず、損失トルク演算部43は、図14に示すテーブルを参照して、エアフローセンサ19によって検出した空気流量の積算値(積算空気量)及びエンジン水温センサ15によって検出したエンジン2の水温に対応するエンジン油温を取得する。具体的には、損失トルク演算部43は、エンジン2の始動時において、エンジン水温センサ15からの出力値(検出値)を記憶部60等に保存する。次に、損失トルク演算部43は、エンジン2の始動直後からエアフローセンサ19を作動させ、その単位時間当たりの空気流量を積算する。そして、損失トルク演算部43は、記憶部60に記憶されている図14に示すテーブルを参照してエンジン油温を推定する。例えば、損失トルク演算部43は、エンジン2の始動時の水温に応じて、複数のテーブルのうち一つを選択し、選択したテーブルを参照して、積算空気量に応じたエンジン油温を取得する。
また、図2に示すように、車両がエンジン油温センサ14を有している場合には、エンジン油温の検出にエンジン油温センサ14を代用することもできる。
さらに、損失トルク演算部43は、図15に示すテーブルを参照して、取得したエンジン油温に対応する動粘性係数を取得する。そして、損失トルク演算部43は、図16に示すテーブルを参照して、取得した動粘性係数及びエンジン回転数に対応するエンジン2の損失トルクを取得する。
次に、ステップS53では、損失トルク演算部43は、変速機の損失トルクFtを算出(推定)する。例えば、損失トルク演算部43は、記憶部60に記憶されている変速機損失トルク算出用テーブル76を参照して変速機の損失トルクFtを算出する。
図17及び図18は、変速機損失トルク算出用テーブル76を構成する各種テーブルの一例を示す図である。
ここで、図17に示すテーブルは、ミッションオイル温度と動粘性係数との関係を示すテーブルとなる。このテーブルでは、ミッションオイル温度が高いほど動粘性係数が大きくなる。
また、図18に示すテーブルは、動粘性係数及びエンジン回転数と変速機の損失トルクとの関係を示すテーブルである。
損失トルク演算部43は、これら図17及び図18に示す変速機損失トルク算出用テーブル76を用いて次のようにエンジン2の損失トルクを算出する。
先ず、損失トルク演算部43は、図17に示すテーブルを参照して、変速機油温センサ16によって検出した変速機の油温(ミッションオイル温度)に対応する動粘性係数を取得する。そして、損失トルク演算部43は、図18に示すテーブルを参照して、取得した動粘性係数及びエンジン回転数に対応する変速機の損失トルクを取得する。
次に、ステップS53では、損失トルク演算部43は、前記ステップS51乃至前記ステップS53で算出した補機損失トルクT、エンジン2の損失トルクFe、及び変速機の損失トルクFtを合算した総損失トルクTs(=T+Fe+Fs)を算出する。そして、損失トルク演算部43は、該図13に示す処理を終了する(図4に示すステップS70に進む)。
(ステップS120の負圧回復処理)
次に、負圧回復制御部50による前記ステップS120の負圧回復処理の詳細を説明する。
この負圧回復処理では、出力を制限する(出力を禁止する又は出力を小さくする等)エンジン補機の順序が登録された登録優先順位を基にエンジン補機を選定しつつエンジン補機の出力を制限する。その優先順位の登録については、車室内のインストロメントパネルの表示部25に優先順位の登録が可能なエンジン補機の情報を表示し、入力装置21が操作されて入力された情報を基にその登録を行う。
図19には、インストロメントパネルにおける表示部25及び入力装置21の構成例を示す。また、図20は、優先順位登録部46がそのような表示部25への表示及び入力装置21の入力操作に応じた登録を行う処理の一例を示すフローチャートである。例えば、優先順位登録部46は、入力装置21に対して乗員によって予め設定した登録開始操作がなされたとき、記憶部60等に記憶されたプログラムによって図20に示す処理を開始する。
図20に示すように、先ずステップS101では、優先順位登録部46は、補機制限処理が実行中であるか否かを判定する。優先順位登録部46は、補機制限処理が実行中(ES=1)であると判定したとき、ステップS102に進む。
ステップS102では、優先順位登録部46は、補機使用状態検出処理を行う。具体的には、優先順位登録部46は、エンジン補機の使用状態として、エアコン22やブロアファン23、デフォッガ24等のエンジン補機のオン及びオフ状態を検出する。例えば、優先順位登録部46は、現在のエンジン補機の使用状態、又は記憶部60等に記憶されている前回検出したエンジン補機の使用状態を読み出す。
次に、ステップS103では、優先順位登録部46は、前記ステップS102で検出したオン状態のエンジン補機の情報を表示部25に表示する。
例えば、エンジン補機の情報は、乗員が優先順位を決定する際に参考になり得る消費電力や消費トルク等の情報である。この場合、例えば、表示部25には、消費電力及び消費トルクの少なくとも一方の情報を表示する。また、表示部25へのエンジン補機の情報の表示は、常時検出されて更新されたり、優先順位登録部46の起動単位で行われるようにしても良い。
次に、ステップS104では、優先順位登録部46は、入力装置21が操作されて第1優先順位のエンジン補機(第1に制限したいエンジン補機)が選択されたか否かを判定する。優先順位登録部46は、第1優先順位のエンジン補機が選択されたと判定したとき、ステップS105に進む。
ステップS105では、優先順位登録部46は、前記ステップS104で選択されたエンジン補機を第1優先順位のエンジン補機として記憶部60の優先順位登録テーブル62に記憶(優先順位登録テーブル62を更新)する。例えば、いわゆるフラグメント方式を採用して優先順位登録テーブル62に記憶する。すなわち例えば、前記ステップS104にて第1優先順位のエンジン補機としてブロアファンが選択された場合、優先順位登録部46は、このステップS105では、優先順位登録テーブル62におけるブロアファンのフラグFbを1に設定する。また、制限可能なエンジン補機を予め決めて限定することができるため、そのことに対応して、制限可能なエンジン補機のフラグだけを予め用意しておく。
次に、ステップS106では、優先順位登録部46は、入力装置21が操作されて第2優先順位のエンジン補機(第2に制限したいエンジン補機)が選択されたか否かを判定する。優先順位登録部46は、第2優先順位のエンジン補機が選択されたと判定したとき、ステップS107に進む。
ステップS107では、優先順位登録部46は、前記ステップS106で選択されたエンジン補機を第2優先順位のエンジン補機として記憶部60の優先順位登録テーブル62に記憶(優先順位登録テーブル62を更新)する。例えば、フラグメント方式を採用して優先順位登録テーブル62に記憶する場合、例えば、前記ステップS106にて第2優先順位のエンジン補機としてエアコンが選択された場合、優先順位登録部46は、このステップS107では、優先順位登録テーブル62におけるエアコンのフラグFeを2に設定する。
次に、ステップS108では、優先順位登録部46は、入力装置21が操作されて第3優先順位のエンジン補機(第3に制限したいエンジン補機)が選択されたか否かを判定する。優先順位登録部46は、第3優先順位のエンジン補機が選択されたと判定したとき、ステップS109に進む。
ステップS109では、優先順位登録部46は、前記ステップS108で選択されたエンジン補機を第3優先順位のエンジン補機として記憶部60の優先順位登録テーブル62に記憶(優先順位登録テーブル62を更新)する。例えば、フラグメント方式を採用して優先順位登録テーブル62に記憶する場合、例えば、前記ステップS108にて第3優先順位のエンジン補機としてデフォッガが選択された場合、優先順位登録部46は、このステップS109では、優先順位登録テーブル62におけるデフォッガのフラグFdを3に設定する。なお、選択されなかったエンジン補機のフラグについては0に設定される。
以上のような処理によって、負圧回復制御部50は、入力装置21への入力があった順序で優先順位登録テーブル62にエンジン補機の優先順位を登録していく。
次に、ステップS110では、優先順位登録部46は、エンジン補機と優先順位との対応関係(優先順位登録テーブル62への登録結果)を表示部25に表示する。そして、優先順位登録部46は、該図20に示す処理を終了する(前記ステップS101から再び処理を開始する)。
図21は、エンジン補機と優先順位との対応関係を表示部25に表示した一例を示す図である。
図21に示すように、優先順位登録部46は、エンジン補機を「装置名」の項目に表示し、優先順位を「順位」の項目に表示する。また、優先順位登録部46は、エンジン補機の消費電力及び消費トルクを「消費電力/消費トルク」の項目に表示する。
そして、負圧回復制御部50は、以上のように登録されたエンジン補機の優先順位を基に負圧回復処理を行う。
図22は、負圧回復制御部50による負圧回復処理の一例を示すフローチャートである。
図22に示すように、先ずステップS121では、負圧回復制御部50は、記憶部60(優先順位登録テーブル62)に記憶されているエンジン補機の優先順位を読み込む。
次に、ステップS122では、負圧回復制御部50は、前記ステップS121で読み出した第1優先順位のエンジン補機を停止する、又はエンジン補機の出力を小さくする。
次に、ステップS123では、負圧回復制御部50は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmaxよりも大きいか否かを判定する。ここで、負圧回復制御部50は、総損失トルクTsについては、前記ステップS122で停止又は出力を小さくしたエンジン補機(第1優先順位のエンジン補機)の損失トルクを加えない損失トルクの合計値として算出する。又は、負圧回復制御部50は、前記ステップS50で算出した総損失トルクTsから、前記ステップS122で停止又は出力を小さくしたエンジン補機の損失トルクを減算した値を、このステップS123で用いる総損失トルクTsとする。また、負圧回復制御部50は、許容最大トルクTmaxについては、前記ステップS70と同様な処理によって、許容最大トルク算出用テーブル61を参照して、検出した大気圧Pに対応する値として取得する。
これにより、負圧回復制御部50は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmaxよりも大きいと判定すると(Ts>Tmax)、ステップS124に進む。また、負圧回復制御部50は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmax以下であると判定すると(Ts≦Tmax)、ステップS128に進む。
ステップS124では、負圧回復制御部50は、前記ステップS121で読み出した第2優先順位のエンジン補機を停止する、又はエンジン補機の出力を小さくする。
次に、ステップS125では、負圧回復制御部50は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmaxよりも大きいか否かを判定する。ここで、負圧回復制御部50は、総損失トルクTsについては、前記ステップS122で停止又は出力を小さくしたエンジン補機(第1優先順位のエンジン補機)の損失トルク、及び前記ステップS124で停止又は出力を小さくしたエンジン補機(第2優先順位のエンジン補機)の損失トルクを加えない損失トルクの合計値として算出する。又は、負圧回復制御部50は、前記ステップS50で算出した総損失トルクTsから、前記ステップS122で停止又は出力を小さくしたエンジン補機の損失トルク、及び前記ステップS124で停止又は出力を小さくしたエンジン補機の損失トルクを減算した値を、このステップS125で用いる総損失トルクTsとする。
これにより、負圧回復制御部50は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmaxよりも大きいと判定すると(Ts>Tmax)、ステップS126に進む。また、負圧回復制御部50は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmax以下であると判定すると(Ts≦Tmax)、ステップS128に進む。
ステップS126では、負圧回復制御部50は、前記ステップS121で読み出した第3優先順位のエンジン補機を停止する、又はエンジン補機の出力を小さくする。
次に、ステップS127では、負圧回復制御部50は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmaxよりも大きいか否かを判定する。ここで、負圧回復制御部50は、総損失トルクTsについては、前記ステップS122で停止又は出力を小さくしたエンジン補機(第1優先順位のエンジン補機)の損失トルク、前記ステップS124で停止又は出力を小さくしたエンジン補機(第2優先順位のエンジン補機)の損失トルク、及び前記ステップS126で停止又は出力を小さくしたエンジン補機(第3優先順位のエンジン補機)の損失トルクを加えない損失トルクの合計値として算出する。又は、負圧回復制御部50は、前記ステップS50で算出した総損失トルクTsから、前記ステップS122で停止又は出力を小さくしたエンジン補機の損失トルク、前記ステップS124で停止又は出力を小さくしたエンジン補機の損失トルク、及び前記ステップS126で停止又は出力を小さくしたエンジン補機の損失トルクを減算した値を、このステップS127で用いる総損失トルクTsとする。
これにより、負圧回復制御部50は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmaxよりも大きいと判定すると(Ts>Tmax)、前記ステップS123から再び処理を行う。また、負圧回復制御部50は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmax以下(Ts≦Tmax)であると判定すると、ステップS128に進む。
ステップS128では、負圧回復制御部50は、エンジン補機を停止又は出力を小さくした時点から所定時間経過したか否かを判定する。ここで、エンジン補機を停止又は出力を小さくした時点とは、例えば、複数のエンジン補機を停止又は出力を小さくした場合には最後のエンジン補機を停止又は出力を小さくした時点である。また、所定時間とは、予め設定した時間であり、例えば、実験的、経験的、又は理論的に設定された値である。負圧回復制御部50は、エンジン補機を停止又は出力を小さくした時点から所定時間経過したと判定したとき、ステップS129に進む。
ステップS129では、負圧回復制御部50は、停止又は出力を小さくしたエンジン補機の駆動を復帰させる(エンジン補機を起動する又はエンジン補機の出力を元に戻す)。そして、負圧回復制御部50は、該図22に示す処理を終了する。
(動作、作用等)
次に、本実施形態の車両における動作、作用等を説明する。
車両1において、ECU40は、アイドリング状態であることを検出すると(前記ステップS10、図7)、オン状態のエンジン補機の損失トルクを算出する(前記ステップS30、図8)。それから、ECU40は、エンジン補機の損失トルク、エンジン2の損失トルク、及び変速機の損失トルクを合算した総損失トルクTsを算出する(前記ステップS50、図13)。その一方で、ECU40は、大気圧P(車両雰囲気圧力)に対応する許容最大トルクTmaxを算出する(前記ステップS70)。
そして、ECU40は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmax以下である場合、すなわち、倍力装置5の負圧を確保できると予測できる場合、その状態を維持する(前記ステップS90)。これにより、エンジン補機が駆動されていれば、そのエンジン補機の駆動状態は維持される。一方、ECU40は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmaxよりも大きい場合、すなわち、倍力装置5の負圧が不足すると予測できる場合、負圧回復処理を行う(前記ステップS90、前記ステップS120)。
負圧回復処理では、ECU40は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmax以下になるまで、優先順位登録テーブル62に登録されている優先順位を基にエンジン補機を順次制限していく(前記ステップS121乃至ステップS127)。そして、ECU40は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmax以下になったとき、待機時間の経過をまって、制限したエンジン補機の駆動を復帰させる。(前記ステップS128、前記ステップS129)。
このように、ECU40は、エンジン補機の駆動状態から倍力装置5の負圧が不足すると推測すると、その推定段階でエンジン補機の駆動を制限して倍力装置5の負圧を増加させる。
また、本実施形態では、乗員は、制限するエンジン補機の優先順位を登録することができるため、不用意にエンジン補機が制限されてしまうのを防止できる。
また、本実施形態では、アイドリング状態であることを条件に負圧回復処理を実施しているので、負圧を回復させるために走行中に不用意にエンジン補機の駆動を制限してしまうのを防止できる。
また、本実施形態では、許容最大トルクTmaxを大気圧に応じて設定しているため、高地等の低圧環境にも対応でき、高地等の低圧環境で倍力装置5の負圧が不足してしまうのを防止できる。
また、前述の実施形態の説明では、負圧回復制御部50は、例えば、負圧充足部を構成する。また、負圧センサ18は、例えば、負圧検出部を構成する。また、補機制限制御部51は、例えば、第1負圧充足部又は駆動制限部を構成する。また、回転数増加制御部52は、例えば、第2負圧充足部を構成する。また、優先順位登録部46は、例えば、制限順序登録部を構成する。また、補機使用状態検出部42や優先順位登録部46は、例えば、消費値取得部を構成する。また、入力装置21は、例えば、入力操作部を構成する。
また、前述のように、本実施形態では、損失トルク演算部43が算出した総損失トルクTsが許容最大トルク演算部44が算出した許容最大トルクTmaxよりも大きい場合、倍力装置5の負圧が不足するとして、負圧回復処理を実施している。よって、損失トルク演算部43は、例えば、負圧推定部を構成し、許容最大トルクTmaxは、例えば、負圧不足を示す値又は負圧が十分な大きさであることを示す値に相当する。
(本実施形態の変形例)
本実施形態では、エンジン補機の駆動を制限することに換えて又は加えて、エンジン回転数を増加させて吸気管6の負圧を増加させることもできる。この場合、本実施形態では、図2に示す補機制限制御部51がエンジン補機の駆動を制限する制御を行い、図2に示す回転数増加制御部52がエンジン回転数を増加させる制御を行う。例えば、このエンジン回転数の増加処理は、いわゆるアイドリングアップ制御によって実現され、スロットル開度を大きくするとともに燃料噴射量を増加させることでエンジン回転数を増加させる。
また、本実施形態では、負圧センサ18の検出値も用いて負圧回復のための処理を行うこともできる。
図23は、その処理の一例を示すフローチャートである。
図23に示すように、ECU40は、前記ステップS70の後に、ステップS141に進む。
ステップS141では、ECU40は、負圧センサ18によって検出した倍力装置5の負圧又は吸気管6内の負圧(実測の負圧)が所定値以上である(負圧が十分である)か否かを判定する。ここで、所定値は、実験的、経験的、又は理論的に設定された値である。ECU40は、実測の負圧が所定値以上であると判定すると、ステップS142に進む。また、ECU40は、実測の負圧が所定値よりも小さいと判定すると、ステップS143に進む。
ステップS142では、ECU40は、前記ステップS50で算出した総損失トルクTsが前記ステップS70で算出した許容最大トルクTmaxよりも大きいか否かを判定する。ECU40は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmaxよりも大きいと判定すると(Ts>Tmax)、ステップS144に進む。また、ECU40は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmax以下であると判定すると(Ts≦Tmax)、該図23に示す処理を終了する(前記ステップS10から再び処理を開始する)。
ステップS144では、ECU40は、補機制限制御部51及び回転数増加制御部52によって第1負圧回復処理を行う(Es=1)。具体的には、ECU40は、エンジン補機の駆動を制限する。例えば、ECU40は、エンジン補機を停止する、又はエンジン補機の出力を小さくする。実測の負圧は十分な大きさであるが、損失トルクが大きく、負圧が将来不足すると見込まれるため、ECU40は、このような第1負圧回復処理を行う。そして、ECU40は、第1負圧回復処理の後、該図23に示す処理を終了する(前記ステップS10から再び処理を開始する)。
ステップS143では、ECU40は、前記ステップS50で算出した総損失トルクTsが前記ステップS70で算出した許容最大トルクTmaxよりも大きいか否かを判定する。ECU40は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmaxよりも大きいと判定すると(Ts>Tmax)、ステップS145に進む。また、ECU40は、総損失トルクTsが許容最大トルクTmax以下であると判定すると(Ts≦Tmax)、ステップS146に進む
ステップS145では、ECU40は、補機制限制御部51及び回転数増加制御部52によって第2負圧回復処理を行う(Et=1)。具体的には、ECU40は、エンジン補機の駆動を制限すると同時にエンジン回転数を増加させる。実測の負圧が既に不足状態であって、損失トルクが大きいことでさらに将来においても負圧が不足すると見込まれるため、ECU40は、このような第2負圧回復処理を行う。そして、ECU40は、第2負圧回復処理の後、該図23に示す処理を終了する(前記ステップS10から再び処理を開始する)。
ステップS146では、ECU40は、補機制限制御部51及び回転数増加制御部52によって第3負圧回復処理を行う(Eu=1)。具体的には、ECU40は、第1負圧回復処理よりも制限値を小さくすると同時にエンジン回転数を増加させる。ここで、負圧回復処理における制限値とは、エンジン補機を駆動する電流や電圧、駆動時間等を制限した値である。よって、第1負圧回復処理よりも制限値を小さくするとは、第1負圧回復処理でエンジン補機の出力を小さくして制限をしている場合は、その出力よりも大きくすることである。また、実測の負圧が既に不足状態であるが、損失トルクが小さくエンジン補機の駆動を制限したとしても吸気負圧が回復する効果は少ないため、ECU40は、このような第3負圧回復処理を行う。そして、ECU40は、第3負圧回復処理の後、該図23に示す処理を終了する(前記ステップS10から再び処理を開始する)。
以上のように、本実施形態の変形例では、負圧センサ18の検出値も用いて負圧回復のための処理を行うことができる。
ここで、この変形例では、前述の実施形態と異なり、倍力装置5の負圧を実際に検出する負圧センサ18を備えている。これは、次のような理由からである。
前述の実施形態では、エンジン補機等の損失トルクを基に倍力装置5の負圧を推定して早期に負圧回復処理を実施することで、倍力装置5の負圧が不足することを防止している。しかし、アイドリング中に運転者が複数のエンジン補機の出力を増加させた場合、エンジン補機の損失トルクを基に倍力装置5の負圧が不足すると推定できた段階で実際の倍力装置5の負圧が既に不足状態に陥っていることがある。これは、複数のエンジン補機の出力の増加によるエンジン補機の消費電力の増加時にエンジン補機の駆動に基づき倍力装置5の負圧が不足すると推定できるが、エンジン負荷の急増による吸気管の負圧の急激な減少にその推定に基づく負圧回復処理が追いつかないためである。
このようなことから、本実施形態の変形例では、負圧センサ18の検出値も用いることで、そのようなエンジン負荷の急増による吸気管の負圧の急激な減少にも対応した負圧回復処理を行うことができる。
ここで、図23のステップS141乃至ステップS146の処理は、例えば、負圧検出部の検出値及び負圧推定部の推定値を基に第1負圧充足部及び第2負圧充足部を制御する制御部を構成する。
また、本実施形態では、制限可能なエンジン補機は、エアコンやブロアファン、デフォッガに限定されないことは言うまでもない。
また、本実施形態は、ハイブリッド車にも適用することができる。すなわち、本実施形態は、ハイブリッド車において、停車時に又は走行時でもエンジン2をアイドリング状態している場合に適用することができる。
また、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、請求項1により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
1 車両、18 負圧センサ、41 アイドリング検出部、42 補機使用状態検出部、43 損失トルク演算部、44 許容最大トルク演算部、45 負圧判定部、46 優先順位登録部、50 負圧回復制御部、51 補機制限制御部、52 回転数増加制御部、60 記憶部

Claims (9)

  1. 車載のエンジンに接続された吸気管の吸気負圧によって車両の制動力を増加させる倍力装置の負圧を制御する倍力装置の負圧制御装置において、
    前記エンジンによって駆動されるエンジン補機の損失トルク及び消費電力の少なくとも一方を基に前記倍力装置の負圧を推定する負圧推定部と、
    前記負圧推定部の推定値が負圧不足を示す値に達しているとき前記倍力装置の負圧を充足させる負圧充足部と、
    を有することを特徴とする倍力装置の負圧制御装置。
  2. 前記負圧充足部は、前記エンジン補機の駆動を制限することを特徴とする請求項1に記載の倍力装置の負圧制御装置。
  3. 前記負圧充足部は、前記エンジンのエンジン回転数を増加させることを特徴とする請求項1又は2に記載の倍力装置の負圧制御装置。
  4. 車載のエンジンに接続された吸気管の吸気負圧によって車両の制動力を増加させる倍力装置の負圧を制御する倍力装置の負圧制御装置において、
    前記倍力装置の負圧を検出する負圧検出部と、
    前記エンジンによって駆動されるエンジン補機の損失トルク及び消費電力の少なくとも一方を基に前記倍力装置の負圧を推定する負圧推定部と、
    前記エンジン補機の駆動を制限して前記倍力装置の負圧を充足させる第1負圧充足部と、
    前記エンジンのエンジン回転数を増加させて前記倍力装置の負圧を充足させる第2負圧充足部と、
    前記負圧検出部の検出値及び前記負圧推定部の推定値を基に前記第1負圧充足部及び前記第2負圧充足部を制御する制御部と、
    を有することを特徴とする倍力装置の負圧制御装置。
  5. 前記制御部は、前記負圧検出部の検出値が負圧が十分な大きさであることを示す値に達しかつ前記負圧推定部の推定値が負圧不足を示す値に達しているとき前記第1負圧充足部による前記エンジン補機の駆動の制限を行いかつ前記第2負圧充足部によりエンジン回転数を増加させることを行わないことを特徴とする請求項4に記載の倍力装置の負圧制御装置。
  6. 前記制御部は、前記負圧検出部の検出値が負圧不足を示す値に達しかつ前記負圧推定部の推定値が負圧不足を示す値に達しているとき前記第1負圧充足部による前記エンジン補機の駆動の制限を行いかつ前記第2負圧充足部によりエンジン回転数を増加させることを特徴とする請求項4又は5に記載の倍力装置の負圧制御装置。
  7. 前記制御部は、前記負圧検出部の検出値が負圧不足を示す値に達しかつ前記負圧推定部の推定値が負圧が十分な大きさであることを示す値に達しているとき前記第1負圧充足部による前記エンジン補機の駆動の制限を前記負圧検出部の検出値が負圧が十分な大きさであることを示す値に達し前記負圧推定部の推定値が負圧不足を示す値に達しているときの前記エンジン補機の駆動の制限よりも緩くしかつ前記第2負圧充足部によりエンジン回転数を増加させることを特徴とする請求項5に記載の倍力装置の負圧制御装置。
  8. 前記負圧推定部は、前記エンジン補機の損失トルク及び消費電力の少なくとも一方の情報に加えて、前記エンジンの損失トルク及び前記エンジンに接続された変速機の損失トルクを基に前記倍力装置の負圧を推定することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の倍力装置の負圧制御装置。
  9. 車両がアイドリング状態のとき前記倍力装置の負圧の充足を行うことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の倍力装置の負圧制御装置。
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