JP2013163462A - ハイブリッド駆動装置 - Google Patents

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祐一 関
Ryosuke Kondo
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Abstract

【課題】エンジン接続クラッチよりもエンジン側にオイルポンプを有しつつもコンパクトな構成のハイブリッド駆動装置を提供する
【解決手段】ハイブリッド駆動装置は、内燃エンジンに駆動連結されるエンジン連結軸13と、入力軸15に入力された回転を変速して車輪に出力する変速機構と、これらエンジン連結軸13及び入力軸15の間に配設されたエンジン接続用クラッチK0とを有している。エンジン接続用クラッチK0の径方向外側には回転電機3が配設されており、この回転電機3と径方向視で軸方向に重なるように、エンジン接続用クラッチK0、ポンプロータ81、第1ワンウェイクラッチF1、第2ワンウェイクラッチF2が配設されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両等に搭載されるハイブリッド駆動装置に係り、詳しくは、エンジン連結軸と回転電機が駆動連結された変速機構の入力軸との間にクラッチを設けたハイブリッド駆動装置に関する。
近年、内燃エンジンと回転電機(以下、モータ・ジェネレータもしくは単にモータという)とを動力源として組合せたハイブリッド車両の開発が進められている。従来、このようなハイブリッド車両に用いられるハイブリッド駆動装置の一形態として、特許文献1に示すようなハイブリッド駆動装置が提案させている。このハイブリッド駆動装置は、一般的な自動変速機の発進装置(例えばトルクコンバータ等)の部分に、変速機構の入力軸に駆動連結されたモータと、内燃エンジンに駆動連結されるエンジン連結軸と該入力軸とを係脱するエンジン接続用クラッチとを配置しており、簡易な置換でパラレル式のハイブリッド駆動装置を構成可能としている。
また、上記特許文献1記載のハイブリッド駆動装置は、ポンプ軸とエンジン連結軸との間にワンウェイクラッチを配設し、エンジン接続クラッチが解放された状態においてもエンジンからの動力によってポンプ軸を回転させることのできるオイルポンプが記載されている。更に、このオイルポンプは、上記ポンプ軸とモータのロータを支持するロータ支持部材との間にもワンウェイクラッチを設けており、モータによってもポンプ軸を回転させることができるように構成されている。
DE102009042933A1
このように、エンジン及びモータのいずれによってもオイルポンプを駆動可能に構成するため、上記特許文献1記載のハイブリッド駆動装置は、オイルポンプがモータと径方向から見て軸方向に重ならない位置に配置されてしまっている。そして、このオイルポンプをモータと軸方向位置が重なるように配設できないことによって、ハイブリッド駆動装置が軸方向に長くなってしまっている。
そこで本発明は、エンジン接続クラッチよりもエンジン側にオイルポンプを有しつつもコンパクトな構成のハイブリッド駆動装置を提供することを目的とする。
本発明に係るハイブリッド駆動装置(1)は、内燃エンジン(2)に駆動連結されるエンジン連結軸部材(13)と、
車輪に駆動連結される入力軸部材(15)と、
前記エンジン連結軸部材(13)に駆動連結された第1摩擦板(17)、前記入力軸部材(15)に駆動連結された第2摩擦板(19)、これら第1摩擦板(17)及び第2摩擦板(19)を係合又は解放する油圧サーボ(40)を有するエンジン接続用クラッチ(K0)と、
前記入力軸部材(15)に駆動連結されたロータ(4)、該ロータ(4)と径方向に対向して配置されたステータ(5)を有し、前記エンジン接続用クラッチ(K0)の径方向外側に配設された回転電機(3)と、
前記入力軸部材(15)に駆動連結されると共に前記ロータ(4)を支持するロータ支持部材(50)と、
前記エンジン連結軸部材(13)の径方向外側に配置されたポンプロータ(81)を有し、前記エンジン連結軸部材(13)、エンジン接続用クラッチ(K0)及び回転電機(3)と軸線(22)を同じくして配置されたオイルポンプ(80)と、
前記ポンプロータ(81)に駆動連結されるポンプ回転部材(85)と、
前記ポンプ回転部材(85)と前記エンジン連結軸部材(13)との間に配設され、該エンジン連結軸部材(13)の回転速度が前記ポンプ回転部材(85)の回転速度よりも速い場合に係合する第1ワンウェイクラッチ(F1)と、
前記ポンプ回転部材(85)と前記ロータ支持部材(50)との間に配設され、該ロータ支持部材(50)の回転速度が前記ポンプ回転部材(85)の回転速度よりも速い場合に係合する第2ワンウェイクラッチ(F2)と、を備え、
前記エンジン接続用クラッチ(K0)、前記ポンプロータ(81)、前記第1ワンウェイクラッチ(F1)、前記第2ワンウェイクラッチ(F2)が、前記回転電機(3)と径方向視で軸方向に重なるように配設された、ことを特徴とする。
また、前記第2ワンウェイクラッチ(F2)は、前記第1ワンウェイクラッチ(F1)の径方向外側にて該第1ワンウェイクラッチ(F1)と径方向視で軸方向に重なるように配設されると好適である。
更に、前記エンジン接続用クラッチ(K0)、前記オイルポンプ(80)を軸方向に、前記オイルポンプ(80)、前記エンジン接続用クラッチ(K0)の順番で配設し、
前記ロータ支持部材(50)は、前記ロータ(4)を前記オイルポンプ(80)と前記エンジン接続用クラッチ(K0)との間にて支持する第1ロータ支持部材(51a)、前記エンジン接続用クラッチ(K0)を挟んで前記第1ロータ支持部材(51a)とは軸方向反対側にて前記ロータ(4)支持する第2ロータ支持部材(51b)を有し、
前記エンジン接続用クラッチ(K0)及び回転電機(3)を収納するケース(26,27)と、
前記第2ロータ支持部材(51b)を前記ケース(26,27)に対して回転自在に支持する第2軸受(b2)と、
前記第1ロータ支持部材(51a)を前記ケース(26,27)に対して回転自在に支持し、前記第2ワンウェイクラッチ(F2)の径方向外側にて該第2ワンウェイクラッチ(F2)と径方向視で軸方向に重なるように配設された第1軸受(b1)と、を更に備えると好適である。
また、前記第1ロータ支持部材(51a)は、径方向内側へ向かうにつれて前記エンジン接続用クラッチ(K0)へ近づく屈曲部(511)を有し、
前記第1軸受は、前記第1ロータ支持部材の屈曲部と径方向視で軸方向に重なるように配設されると好適である。
更に、前記第1軸受(b1)は、前記第1及び第2摩擦板(17,19)の内径側にて、前記エンジン接続用クラッチ(K0)のクラッチドラム(42)の前記オイルポンプ側の端部(421)と軸方向に重なるように配設され、
前記第1ロータ支持部材(51a)の屈曲部(511)は、前記第1軸受(b1)と前記クラッチドラム(42)の前記オイルポンプ側端部(421)との間を通るように屈曲して形成されると好適である。
また、前記ポンプ回転部材(85)は、前記第1ワンウェイクラッチ(F1)が取付けられる第1端部(851)、前記ポンプロータ(81)と駆動連結する共に前記第1端部(851)よりも小径に形成された第2端部(852)、を有する、と好適である。
更に、前記エンジン接続用クラッチ(K0)よりも前記変速機構側に配設されたレゾルバ(60)を更に備え、
前記レゾルバ(60)及び前記第2軸受(b2)の少なくとも一部を、前記回転電機(3)と径方向視で軸方向に重なるように配設すると好適である。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る発明によると、エンジン接続用クラッチ、ポンプロータ、第1ワンウェイクラッチ、第2ワンウェイクラッチを、所定の軸方向長さを有する回転電機と径方向視で軸方向に重なるように配設したことにより、ハイブリッド駆動装置を軸方向にコンパクトに構成することができる。
請求項2に係る発明によると、ポンプ軸をエンジン連結軸部材と係合させる第1ワンウェイクラッチと、ポンプ回転部材をロータ支持部材と係合させる第2ワンウェイクラッチとを、軸方向に重なるように配設したことによって、ハイブリッド駆動装置を軸方向にコンパクトに構成することができる。
請求項3に係る発明によると、ロータをエンジン接続用クラッチの前後において両持ち構造によって支持することによって、精度良く支持することができる。また、エンジン接続用クラッチのオイルポンプ側にてロータを支持する第1ロータ支持部材をケースに対して回転自在に支持する第1軸受を、第2ワンウェイクラッチの外径側にて軸方向に重なるように配設したことによって、オイルポンプをエンジン接続用クラッチに近接して配設することができる。そして、これにより、ハイブリッド駆動装置を軸方向にコンパクトに構成することができる。
請求項4に係る発明によると、第1ロータ支持部材をエンジン接続用クラッチ側へと屈曲させ、このロータ支持部材の屈曲部と第1軸受を軸方向に重なるように配設したことによって、ハイブリッド駆動装置を軸方向にコンパクトに構成することができる。
請求項5に係る発明によると、第1ロータ支持部材を屈曲して形成し、第1軸受をエンジン接続用クラッチのクラッチドラムと軸方向に重なるように配設したことによって、ハイブリッド駆動装置を軸方向にコンパクトに構成することができる。
請求項6に係る発明によると、ポンプ回転部材のポンプロータと駆動連結する側の端部を、小径になるように形成したことにより、オイルポンプをコンパクトに構成することができ、引き摺りトルクを低減することができる。
請求項7に係る発明によると、変速機構側に配設されたレゾルバ及び第2軸受の少なくとも一部を回転電機と径方向視で軸方向に重なるように配設したことによって、ハイブリッド駆動装置を軸方向にコンパクトに構成することができる。
本発明を適用し得るハイブリッド自動車を示す模式図。 本発明の実施の形態に係る入力部を示す断面図。 図2の入力部の変形例を示す断面図。 図2の入力部の変形例を示す断面図。
以下、本発明の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置1を図1乃至図3に沿って説明する。なお、本第1の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置1は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)タイプの車両に搭載されて好適なものであり、図中における左右方向は実際の車両搭載状態における左右方向に対応するが、説明の便宜上、エンジン等の駆動源側を「前方側」、駆動源とは反対側を「後方側」というものとする。また、駆動連結とは、互いの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、それら回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いはそれら回転要素がクラッチ等を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む概念として用いる。
[ハイブリッド駆動装置の概略構成]
図1に示すように、ハイブリッド車両(以下、単に「車両」という)100は、駆動源として、内燃エンジン2の他に、回転電機(以下、モータ・ジェネレータもしくは単にモータという)3を有しており、この車両100のパワートレーンを構成するハイブリッド駆動装置1は、内燃エンジン2と車輪6との間の伝達経路L上に設けられ、入力軸15に入力された回転を変速して車輪6に出力する変速機構7と、該変速機構7と内燃エンジン2との間に配置され、内燃エンジン2からの動力が入力される入力部9と、内燃エンジン2の脈動を吸収しつつ入力部9と該内燃エンジン2とを接続する接続部14と、を有して構成されている。
上記接続部14には、内燃エンジン2のクランク軸2aにドライブプレート11を介して接続されるダンパ12が備えられており、該ダンパ12は、入力部9としての入力部材でもあるエンジン連結軸13に接続されている。つまりエンジン連結軸13は、ダンパ12を介して内燃エンジン2に駆動連結されていることになる。
上記入力部9は、エンジン連結軸13と変速機構7の入力軸15との間の動力伝達を断接するエンジン接続用クラッチ(以下、単にクラッチという)K0と、クラッチハウジング50に駆動連結されたモータ・ジェネレータ3と、を備えて構成されている。該モータ・ジェネレータ3は、該クラッチハウジング50に連結されたロータ4と、該ロータ4の径方向外側に対向配置されたステータ5と、を有して構成されている。
また、上記クラッチK0は、複数の内摩擦板(第1摩擦板)17及び外摩擦板(第2摩擦板)19がクラッチハウジング50の内部の空間S1に収納された多板クラッチによって構成されており、このクラッチハウジング50は、上記変速機構7の入力軸15と一体に回転するように連結されている。即ち、クラッチK0は、上記伝達経路Lの内燃エンジン側の伝達経路Lに駆動連結される内摩擦板17と、車輪側の伝達経路Lに駆動連結される外摩擦板19とを有していると共に、上記クラッチハウジング50も車輪側の伝達経路Lに駆動連結されている。
以上のように、ハイブリッド駆動装置1は、内燃エンジン2側から車輪6側に向かって、接続部14、クラッチK0及びモータ3を有する入力部9、変速機構7が順次配置されており、内燃エンジン2及びモータ3の両方を駆動させて車両を走行させる場合には、制御部(ECU)20によって油圧制御装置21を制御してクラッチK0を係合させ、車輪側の伝達経路Lに駆動連結されたモータ3の駆動力だけで走行するEV走行時には、クラッチK0を解放して、内燃エンジン2側の伝達経路Lと車輪6側の伝達経路Lとを切り離すようになっている。
[入力部の構成]
ついで、入力部9の構成について図3に沿って詳細に説明する。図3に示すように、変速機構7を収納するミッションケース23にボルト29によって固定されたハウジングケース26の内部には、クラッチK0及びモータ3が収納されており、これらクラッチK0及びモータ3が収納されたハウジングケース26の内包空間S2は、該ハウジングケース26に一体に取り付けられた隔壁27によって上記接続部14と仕切られ、閉空間を構成している。
また、上記ハウジングケース26の中心側には、上記接続部14のダンパ12を介して内燃エンジン2に接続されるエンジン連結軸13と、変速機構7の入力軸15と、が軸心を一致するようにして配置されており、このエンジン連結軸13は、上記隔壁27に対してボールベアリングb3により回転自在に支持されていると共に、該隔壁27に固定された詳しくは後述するポンプボディ83の支持部83aに嵌合されたボールベアリングb1、ロータハブ51、及びワンウェイクラッチF1,F2を介して、該隔壁27に対して回転自在に支持されている。
即ち、上記モータ3及びクラッチK0が収納される空間S2は、上記ダンパ12が配設される空間S3から仕切られている。ダンパ12は、隔壁27を挟んでこの空間S2とは反対側、つまりエンジン側へと隔壁27から突出したエンジン連結軸13のスプライン部13bにスプライン係合しており、隔壁27と軸方向に対向するように配設されていると共に、上記モータ3、クラッチK0と軸線22を同じくしている。
また、入力軸15は、ハウジングケース26の変速機構7側の壁状部分に形成された支持部26aに嵌合されたボールベアリングb2によって、詳しくは後述するシリンダ部材41と共に回転自在に支持されている。
上記エンジン連結軸13の変速機構7側である後端部には、フランジ部13aが形成されており、該フランジ部13aには、クラッチK0の複数の内摩擦板17がスプライン係合するクラッチハブ49が固着されている。つまり内摩擦板17は、エンジン連結軸13に駆動連結されている。
なお、エンジン連結軸部材としてのエンジン連結軸13、車輪6に駆動連結される入力軸部材としての入力軸15の形状は、上述したように軸部分から径方向に延設されてフランジ状部分が形成されたものも含むものである。
クラッチK0は、大まかに、上記複数の内摩擦板17と、これら内摩擦板17と交互に配置される外摩擦板19と、これら内摩擦板17と外摩擦板19とを係合又は解放する油圧サーボ40と、を有して構成されている。油圧サーボ40は、その油圧シリンダを構成すると共に入力軸15に駆動連結されたシリンダ部材41と、該シリンダ部材41のフランジ部41bの外径側に固着されたドラム部材42と、シリンダ部材41に対して軸方向に移動自在に配置されると共に先端部が外摩擦板19(又は内摩擦板17)に対向配置されるピストン43と、シリンダ部材41のボス部41aに対してスナップリング48で位置決めされたリターンプレート44と、これらピストン43及びリターンプレート44との間に縮設されたリターンスプリング45と、を有しており、シリンダ部材41とピストン43との間に作動油室46を形成すると共に、ピストン43とリターンプレート44との間に遠心油圧をキャンセルするためのキャンセル油室47が形成されている。
このうちのシリンダ部材41とドラム部材42とで一体のクラッチドラムを構成しており、そのドラム部材42の内側に上記複数の外摩擦板19がスプライン係合されている。つまり外摩擦板19は、ドラム部材42及びシリンダ部材41を介して入力軸15に駆動連結されている。
一方、クラッチK0の径方向外側には上述したモータ3が配設されている。モータ3は、上記シリンダ部材41を介して入力軸15に駆動連結されたロータ4と、ハウジングケース26の内径側に固定され、該ロータ4と所定隙間を存して径方向に対向して配置されたステータ5を有している。ステータ5は、ステータコア5aと、該ステータコア5aに巻回されたコイルの折り返し部分であって、該ステータコア5aの軸方向両側に突出したコイルエンド5b,5bとを有する形で構成されている。
そして、上記ドラム部材42には、ボルト55によって、該ロータ4を支持するロータハブ51が固定されており、ロータハブ51は、ロータ4のロータコア4aをカシメて挟持するドラム状の挟持部51bと、該挟持部51bをポンプボディ83及びエンジン連結軸13に対して支持するフランジ状の支持部51aと、有して構成されている。支持部51aは、上記ボールベアリングb1及びワンウェイクラッチF1,F2によってポンプボディ83及びエンジン連結軸13に対して回転自在に支持されていると共に、このボールベアリングb1及びエンジン連結軸13のフランジ部13aとの間に設けられたスラストベアリングb6によって、軸方向に対しても支持されている。なお、エンジン連結軸13のフランジ部13aと上記シリンダ部材41のボス部41aとの間にはスラストベアリングb5が設けられており、該エンジン連結軸13及び該シリンダ部材41の軸方向位置も位置決め支持されている。また、ドラム部材42の変速機構7側の端部には、レゾルバ60の回転子61が固定されていると共に、この回転子61に対向してレゾルバ60の固定子62がハウジングケース26にボルト69によって固定されている。
以上説明したシリンダ部材41、ドラム部材42、ロータハブ51によって、上記油圧サーボ40、内摩擦板17、及び外摩擦板19が配置される空間S1を内包するクラッチハウジング50を構成している。そして、上記クラッチハウジング50を構成するロータハブ51の支持部51aには、外摩擦板19よりも外径側に位置するように(好ましくは挟持部51bの内周面まで開口するように)複数の連通孔51cが形成されており、これら連通孔51cは、クラッチハウジング50が内包する空間S1を、上記ハウジングケース26の内包空間S2に対して開放する。つまり、クラッチK0は、内摩擦板17及び外摩擦板19が油密状にされることなく、ハウジングケース26に対して大気開放された湿式多板クラッチということになる。
このように構成されたクラッチK0は、制御部20の指令に基づき油圧制御装置21から、入力軸15内に形成された油路a13,a14、シリンダ部材41のボス部41aに形成された油路a15を介して、油圧サーボ40の作動油室46に係合圧が供給されると、ピストン43がリターンスプリング45の付勢力に抗して軸方向前方側に移動し、内摩擦板17及び外摩擦板19を係合させる。これにより、内燃エンジン2と変速機構7とが駆動連結され、車両100は、内燃エンジン2及びモータ3の駆動力を用いて走行し得るハイブリッド走行状態となる。
反対に、制御部20の指令に基づき油圧制御装置21によって、上記油路a13〜a15を介して油圧サーボ40の作動油室46から係合圧が排出(ドレーン)されると、ピストン43がリターンスプリング45の付勢力に基づき軸方向後方側に移動し、内摩擦板17及び外摩擦板19を解放させる。これにより、内燃エンジン2と変速機構7とは切り離され、車両100は、モータ3の駆動力だけを用いて走行し得るEV走行状態となる。
また、詳しくは後述するオイルポンプ80により発生された油圧に基づき、油圧制御装置21で発生された潤滑圧は、不図示の隔壁24内の油路から、入力軸15内に形成された潤滑油路a41,a42を通り、シリンダ部材41のボス部41aに形成された潤滑油路a43を介してキャンセル油室47に供給されると共に、キャンセル油室47から溢れた潤滑油、或いは油路a44を通った潤滑油が、スラストベアリングb5からクラッチハブ49の貫通孔49aを通って、内摩擦板17及び外摩擦板19に対して飛散され、これら内摩擦板17及び外摩擦板19を潤滑・冷却する。
また、入力軸15内に形成された潤滑油路a41から、エンジン連結軸13と入力軸15との隙間で形成される潤滑油路a45に供給された潤滑油は、エンジン連結軸13に形成された油路a46,a47を介してポンプ軸85の内径側に導かれ、第1ワンウェイクラッチF1や、ポンプ軸85のキー溝を通って第2ワンウェイクラッチF2及びボールベアリングb1を潤滑する。
そして、内摩擦板17及び外摩擦板19を潤滑・冷却した潤滑油は、ドラム部材42の貫通孔42aを通って、クラッチハウジング50内の空間S1において、該ドラム部材42とロータハブ51の挟持部51bとの間に排出される。このドラム部材42とロータハブ51の挟持部51bとの間にあって、クラッチハウジング50内の空間S1にある潤滑油は、上記複数の連通孔51cを通って、ハウジングケース26の内包空間S2に排出され、該ハウジングケース26の内面を伝わって下方に導かれ、ハイブリッド駆動装置1の下方に取付けられた不図示のオイルパンに回収される。
[オイルポンプの構成]
ついで、オイルポンプ80の構成について説明する。オイルポンプ80は、上記内燃エンジン2(接続部14)と上記クラッチK0との軸方向の間にあって、エンジン連結軸13の外径で、かつモータ3の内燃エンジン2側のコイルエンド5bの内径側に配置されている。
該オイルポンプ80は、内接ギヤ式オイルポンプを構成するドライブギヤ81及びドリブンギヤ82を有していると共に、これらドライブギヤ81及びドリブンギヤ82を収納するポンプボディ83と、ポンプカバー84とを有しており、ポンプカバー84が、該ポンプボディ83のギヤ収納部分を閉塞するようにボルト89によって締結されて該ポンプ80を構成している。
また、該ポンプボディ83の外縁部分が該隔壁27にボルト88により締結されることで、該オイルポンプ80が隔壁27及びハウジングケース26に対して固定支持されている。オイルポンプボディ83は、クラッチK0側へと軸方向に円筒状の突出部831が形成されている。この突出部831には、ロータハブ51及びエンジン連結軸13をオイルポンプボディ83(即ち、ケース部材26,27)に対して回転自在に支持するボールベアリングb1を取付ける第1凹部832及びワッシャ91を取付ける第2凹部833が設けられている。
上記第1凹部832及び第2凹部833は、軸方向にエンジン側からクラッチK0側へ向かって、第2凹部833、第1凹部832の順で設けられており、該第1凹部よりも外径側に第2凹部833が形成されている。
第1凹部832に取付けられるボールベアリングb1は、外径側にてオイルポンプボディ83を介してケース部材27に支持され、内径側にロータハブ51の支持部51aを支持している。より詳しくは、上記オイルポンプボディ83は、ドライブギヤ81及びこのドライブギヤ81の外径側のドリブンギヤ82によって構成されたポンプ駆動部81,82の径方向外側にて隔壁27にボルト88,89によって締結されることにより、隔壁27のエンジン側への突出部を構成している。即ち、隔壁27は、上記オイルポンプ80のカバーを形成するカバー部84と、ポンプ駆動部81,82を収納するオイルポンプボディ83とを有して構成されており、オイルポンプボディ83の突出部831は、ケース部材である隔壁27のエンジン側への突出部となっている。
ボールベアリングb1は、ケース部材である隔壁27のエンジン側への突出部を構成するオイルポンプボディ83の突出部831の内周面に連結されるアウターレースと、ロータハブ51の支持部51aがその内径側端部にてオイルポンプ80側に突出した円筒状突起部512の外周面と連結するインナーレースと、これらアウターレース及びインナーレース間に配設されたボールと、このボールを保持する保持器とを有して構成されている。
エンジン連結軸13の径方向外側に配設された上記オイルポンプ80のドライブギヤ81は、該オイルポンプ80を回転駆動させるポンプ回転部材(以下、単にポンプ軸という)85に駆動連結されており、詳細には、ドライブギヤ81の内周側に形成されたキーが、ポンプ軸85に形成されたキー溝に係合することで駆動連結されている。
このポンプ軸85は、その中途部に段差部853を有し、後端側(変速機構側)の第1端部851よりも前端側(オイルポンプ側)の第2端部852の方が小径に形成された中空軸となっている。オイルポンプ80は、ドライブギヤ81と駆動連結するポンプ軸85の第2端部852が小径に形成され、この第2端部852とドライブギヤ81の内径側端部がスプライン係合しているため、ドライブギヤ81及びドリブンギヤ82を小径に形成することができ、引き摺りの小さなコンパクトな構成となっている。
なお、上記ポンプ軸85は、段差部853とオイルポンプボディ83との間に上記第2凹部833に配設されたワッシャ91が配設されて固定部材であるオイルポンプボディ83(即ち、エンジン側でケース部材)に対して軸方向位置が支持されている。また、上記オイルポンプ軸85の段差部853とエンジン連結軸13の段差部13cとの間にもワッシャ92が配設されており、このワッシャ92、エンジン連結軸13、スラストベアリングb5、シリンダ部材(クラッチドラム)41、ボールベアリングb2を介して、ポンプ軸85が変速機構7側でケース部材26に軸方向支持されている。
このように、ポンプ軸85は、このポンプ軸85の大径側の側面とケース部材を構成する隔壁27の一部としてのポンプボディ83との間にワッシャ91を、このポンプ軸85の小径側の側面とエンジン連結軸13の段差部13cとの間にワッシャ92を配設して、その軸方向位置が規定されている。
また、ポンプ軸85の第1端部851には、第1ワンウェイクラッチF1が取り付けられている。より具体的には、ポンプ軸85の第1端部851の径方向内側には、ポンプ軸85とエンジン連結軸13との間に介在するように第1ワンウェイクラッチF1が配設されている。また、ポンプ軸85の径方向外側には、該ポンプ軸85とロータハブ51との間に介在するように第2ワンウェイクラッチF2が配設されている。なお、上記第1ワンウェイクラッチF1は、ドライブギヤ81及びポンプ軸85の第2端部852と軸方向視で径方向に重なるように配設されている。
即ち、エンジン連結軸13の回転速度がポンプ軸85の回転速度よりも速い場合に第1ワンウェイクラッチF1が係合し、オイルポンプ80が内燃エンジン2に駆動連結されて該内燃エンジン2の駆動力により駆動される。また、ロータハブ51(ロータ支持部材)の回転速度がポンプ軸85の回転速度よりも速い場合、第2ワンウェイクラッチF2が係合し、オイルポンプ80がモータ3に駆動連結されて該モータ3の駆動力により駆動される。
このようにエンジン連結軸13に第1ワンウェイクラッチF1を介して駆動連結される、或いはロータハブ51に第2ワンウェイクラッチF2を介して駆動連結されるオイルポンプ80は、EV走行中にあって、モータ3の駆動力によって、或いはコースト状態(エンジンブレーキ時)にあっては変速機構7を介して車両の慣性力によって駆動され、ハイブリッド走行中にあっては、モータ3や内燃エンジン2の駆動力によって、或いはコースト状態(エンジンブレーキ時)にあっては変速機構7を介して車両の慣性力によって駆動される。
そして、本オイルポンプ80は、車両停止中からクラッチK0をスリップ係合しつつ内燃エンジン2の駆動力で車両を発進させる際には、クラッチK0の係合前(即ち車輌停止中)から第1ワンウェイクラッチF1が係合されるため、内燃エンジン2の駆動力によって駆動される。
このようにオイルポンプ80が駆動されると、車両停止中であっても、不図示のオイルパンに連通する入力ポート80aからオイルを吸引して排出ポート80bから油圧を発生させて、隔壁27に形成された油路等を通って、油圧制御装置21に油圧を供給する。従って、内燃エンジン2の駆動力で車両を発進させる際には、不図示の電動オイルポンプの油圧だけでなく、オイルポンプ80からの油圧も加えられるため、発進時にスリップ係合される状態で多量に必要となる潤滑油を供給するための潤滑圧を、電動オイルポンプだけでなく、オイルポンプ80からも発生することが可能となる。
[配置構成]
ついで、入力部9の配置構成について図3に基づいて詳しく説明をする。上述したように入力部9は、変速機構7、エンジン接続用クラッチK0、オイルポンプ80を前方側から後方側に向かって軸方向に、オイルポンプ80、エンジン接続用クラッチK0、変速機構7の順番で配設していると共に、エンジン接続用クラッチK0よりも外径側にモータ3を配設している。
上記モータ3のロータ4は、エンジン接続用クラッチK0を内装するクラッチハウジング50によって回転自在に支持されており、該クラッチハウジング50はロータ4を支持するロータ支持部材としても機能している。より詳しくは、クラッチハウジング50は、上述したようにロータハブ51及びシリンダ部材41によって構成されており、このロータハブ51の支持部51aがロータ4をオイルポンプ80とエンジン接続用クラッチK0との間にて支持する第1ロータ支持部材となっている。また、シリンダ部材41のフランジ部41bがロータ4をエンジン接続用クラッチK0と変速機構7との間、即ち、クラッチK0を挟んで前記第1ロータ支持部材とは軸方向反対側にて支持する第2ロータ支持部材となっており、変速機構7の入力軸15に駆動連結されている。
クラッチハウジング(ロータ支持部材)50は、上述したボールベアリング(軸受)b1及びb2によってケース26,27に対して回転自在に支持されており、これにより、軸方向位置のみならず径方向位置も位置決めされている。即ち、クラッチハウジング50は、前方側のロータハブ51の支持部51aをケース26,27に対して回転自在に支持するボールベアリング(第1軸受)b1、後方側のシリンダ部材41をケース26,27に対して回転自在に支持するボールベアリング(第2軸受)b2によって、いわゆる両持ち構造となる形で精度良く強固に支持されているため、ロータ4の支持精度が良く、該ロータ4とステータ5とのエアギャップを小さくすることを可能とし、モータ3としての性能向上が図られている。
また、上記ボールベアリングb2は、ポンプボディ83がエンジン接続用クラッチK0側へと軸方向に突出して形成されることによって、第2ワンウェイクラッチF2の径方向外側(第2ワンウェイクラッチF2のよりも外径側)にて該第2ワンウェイクラッチと径方向視で軸方向に重なりかつ、内摩擦板17及び外摩擦板19の径方向内側にてエンジン接続用クラッチK0のクラッチドラム42のオイルポンプ側の端部421と径方向視で軸方向に重なるように配設されている。
そのため、ロータハブ51の支持部51aは、第2ワンウェイクラッチF2が取付けられる軸部からロータ4が取付けられる挟持部51bに亘り延設されたフランジ部が、ボールベアリングb1とクラッチドラム42のオイルポンプ側端部421との間を通るように屈曲して形成されている。より詳しくは、このロータハブ51の支持部51aは、上記円筒状突起部512と、該円筒状突起部512からボールベアリングb1の外径側端部の径方向外側まで延設された第1延設部513と、回転電機3のロータコア(積層鋼板)4aの軸方向中間位置から内径側に摩擦板17,19に沿って延設される第2延設部514と、これら第1及び第2延設部を接続する屈曲部511と、を有して構成されており、該屈曲部511は、径方向内側へ向かうにつれてクラッチK0へ近づくように屈曲している。
具体的には、屈曲部511は、ボールベアリングb2の外径側端よりも外径側かつ摩擦板17,19の内径側端よりも内径側の間にて、上記フランジ部を、摩擦板17,19を避けるようにオイルポンプ側へと屈曲し、該摩擦板17,19及びクラッチドラム42aと径方向視で軸方向に重なっている。更に、屈曲部511は、その内径側端部がロータハブ51の支持部51aの円筒状突起部512の径方向外側に位置しており、該屈曲部511とボールベアリングb1が径方向視で軸方向に重なるように構成されている。
また、この支持部51aの屈曲部511に合わせて、クラッチハブ49も軸方向に屈曲したハブ屈曲部491を有していると共に、このクラッチハブ49は軸長の短縮化のために、スラストベアリングb5と径方向視で軸方向に重なっている。更に、上記第2ワンウェイクラッチF2が、第1ワンウェイクラッチF1の径方向外側にて該第1ワンウェイクラッチF1と径方向視で軸方向に重なるように配設されていることとも相まって、これらボールベアリングb1及びワンウェイクラッチF1,F2などのロータハブ51(クラッチハウジング50)の径方向支持部材が、エンジン接続用クラッチK0の摩擦板17,19と軸方向にオーバラップするように配設されている。これにより、オイルポンプ80はエンジン接続用クラッチK0に近接して配設されている。
なお、上記第1及び第2ワンウェイクラッチF1,F2は、ローラタイプのワンウェイクラッチであり、アウターレース、インナーレース、ローラ、スプリングを有して構成されている。該ローラタイプのワンウェイクラッチは、これらアウターレースの内面もしくはインナーレースの外面にカム面が形成されていると共に、上記スプリングによりローラがこのカム面に接触するように付勢されており、一方向に回転しようとするとカム面とローラとの接触圧が高くなりこれらアウターレース及びインナーレースが係合する。また、他方向に回転しようとすると、カム面とローラとの接触圧が低くなり、ローラが滑ってこれらアウターレース及びインナーレース間の動力伝達を切断する。更に、これらワンウェイクラッチF1,F2は、上記スプリングが取付けられるブロックが周方向に複数設けられており、このブロックによりインナーレース及びアウターレース間が支持されて、ポンプ軸85及びロータハブ51を径方向に支持している。即ち、これらワンウェイクラッチF1,F2は、いわゆるブロックベアリングとなっている。
このように、エンジン接続用クラッチK0が解放されている際にもエンジン2により駆動可能なオイルポンプ80を備えた入力部9が構成されたハイブリッド駆動装置1において、上記オイルポンプ80をエンジン接続用クラッチK0に近接して配設することによって、入力部9の主要構成部材を所定の軸方向長さが必要となるモータ3と重ねて配設させることができ、ハイブリッド駆動装置1を軸方向にコンパクトに構成することができる。
より詳しくは、ハイブリッド駆動装置1は、エンジン接続用クラッチK0、オイルポンプ80のドライブギヤ(ポンプロータ)81、第1ワンウェイクラッチF1、第2ワンウェイクラッチF2及び軸受b1,b2の少なくとも一部(ボールベアリングb1及びボールベアリングb2の一部)が、モータ3と径方向視で軸方向に重なるように配設されている。また、レゾルバ60の少なくとも一部についてもモータ3と径方向視で軸方向に重なるように配設されている。
これにより、モータ3の軸方向長さであるコイルエンド5b間Lに、上記オイルポンプ80、エンジン接続用クラッチK0、クラッチハウジング50及びこのクラッチハウジング50をケース26,27に支持するボールベアリングb1,b2の大部分を収めることが可能となっている。
特に、第1及び第2ワンウェイクラッチF1,F2及びボールベアリングb2を径方向視で軸方向に重なるように配設したことによって、オイルポンプ80をエンジン接続用クラッチK0側へと近接させた設計が可能となった。
また、オイルポンプ80とエンジン接続用クラッチK0との間にてロータ4を支持するロータハブ51の支持部51aを屈曲して形成し、摩擦板17,19の内径側にて上記第1及び第2ワンウェイクラッチF1,F2及びボールベアリングb2をエンジン接続用クラッチK0のクラッチドラム42と径方向視でオーバラップさせたことにより、更にオイルポンプ80をエンジン接続用クラッチK0側へと近接させた設計が可能となった。
[ハイブリッド駆動装置の他の可能性]
なお、以上説明した実施の形態においては、ワンウェイクラッチF1,F2において、スプリングを支持するブロックがインナーもしくはアウターレースに一体に形成されていたが、図4に示すように、ワンウェイクラッチF1,F2のコロ71,73の両側において上記ブロックに相当する環状部材72,74をレースとは別体に設け、この環状部材72,74によってポンプ軸85及びロータハブ51を径方向に支持するように構成しても良い。このように、ワンウェイクラッチF1,F2の両側に径方向の支持部材を配設することによって、軸方向に幅を取らずにワンウェイクラッチF1,F2の幅だけ離れて安定的にポンプ軸85及びロータハブ51の支持部51aを支持することができる。
更に、図5に示すように、ワンウェイクラッチF1,F2にこのような径方向支持機能を持たせず、ロータハブ51の支持部51aのボス部751dとエンジン連結軸13との間にニードルベアリング75を配設して該エンジン連結軸13に対してロータハブ51を回転自在に支持すると共に、このボス部51dから上記ワンウェイクラッチF1,F2が取付けられる軸部51eを延設しても良い。
また、エンジン接続用クラッチK0は、必ずしも変速機構7側に油圧サーボ40を形成する必要はなく、引き摺りトルクを小さくするために、オイルポンプ80(エンジン2)側に油圧サーボ40を形成し、変速機構側にクラッチドラム42を開口するようにしても良い。
更に、変速機構7は、例えば前進3〜6速段や前進7速段以上を達成する有段変速機構であってもよく、また、ベルト式無段変速機、トロイダル式無段変速機、コーンリング式無段変速機などの無段変速機構であってもよく、つまりどのような変速機構であっても本発明を適用し得る。
また、オイルポンプ80は、どのような種類のオイルポンプによって構成されても良く、ポンプ軸85によって回転されるポンプロータが羽根状のベーンポンプや、クレセント型内接式ギヤポンプ、外接式ギヤポンプ等も考えられる。
更に、本実施の形態においては、オイルポンプ80の他に、図示を省略した電動オイルポンプを備えておりものを前提としたが、内燃エンジン2を停止(アイドルストップ)した車両の停車中に、モータ3でオイルポンプ80を駆動し、変速機構7のクラッチ或いはブレーキの解放によりニュートラル状態を形成することで、油圧制御装置21に対する油圧供給を可能にできるので、電動オイルポンプを無くすことも可能である。
また、本実施の形態において記載された発明は、どのように組分されても良いことは、当然である。
1:ハイブリッド駆動装置、2:内燃エンジン、3:回転電機(モータ・ジェネレータ)、4:ロータ、5:ステータ、7:変速機構、13:エンジン連結軸部材、15:入力軸部材、17:第1摩擦板(内摩擦板)、19:第2摩擦板(外摩擦板)、26,27:ケース、40:油圧サーボ、42:クラッチドラム、50:ロータ支持部材、51a:第1ロータ支持部材、51b:第2ロータ支持部材、60:レゾルバ、80:オイルポンプ、81:ポンプロータ、85:ポンプ軸、851:第1端部、852:第2端部、b1:第1軸受、b2:第2軸受、K0:エンジン接続用クラッチ、F1:第1ワンウェイクラッチ、F2:第2ワンウェイクラッチ

Claims (7)

  1. 内燃エンジンに駆動連結されるエンジン連結軸部材と、
    車輪に駆動連結される入力軸部材と、
    前記エンジン連結軸部材に駆動連結された第1摩擦板、前記入力軸部材に駆動連結された第2摩擦板、これら第1摩擦板及び第2摩擦板を係合または解放する油圧サーボを有するエンジン接続用クラッチと、
    前記入力軸部材に駆動連結されたロータ、該ロータと径方向に対向して配置されたステータを有し、前記エンジン接続用クラッチの径方向外側に配設された回転電機と、
    前記入力軸部材に駆動連結されると共に前記ロータを支持するロータ支持部材と、
    前記エンジン連結軸部材の径方向外側に配置されたポンプロータを有し、前記エンジン連結軸部材、エンジン接続用クラッチ及び回転電機と軸線を同じくして配置されたオイルポンプと、
    前記ポンプロータに駆動連結されるポンプ回転部材と、
    前記ポンプ回転部材と前記エンジン連結軸部材との間に配設され、該エンジン連結軸部材の回転速度が前記ポンプ回転部材の回転速度よりも速い場合に係合する第1ワンウェイクラッチと、
    前記ポンプ回転部材と前記ロータ支持部材との間に配設され、該ロータ支持部材の回転速度が前記ポンプ回転部材の回転速度よりも速い場合に係合する第2ワンウェイクラッチと、を備え、
    前記エンジン接続用クラッチ、前記ポンプロータ、前記第1ワンウェイクラッチ、前記第2ワンウェイクラッチが、前記回転電機と径方向視で軸方向に重なるように配設された、
    ことを特徴とするハイブリッド駆動装置。
  2. 前記第2ワンウェイクラッチは、前記第1ワンウェイクラッチの径方向外側にて該第1ワンウェイクラッチと径方向視で軸方向に重なるように配設された
    請求項1記載のハイブリッド駆動装置。
  3. 前記エンジン接続用クラッチ、前記オイルポンプを軸方向に、前記オイルポンプ、前記エンジン接続用クラッチの順番で配設し、
    前記ロータ支持部材は、前記ロータを前記オイルポンプと前記エンジン接続用クラッチとの間にて支持する第1ロータ支持部材、前記エンジン接続用クラッチを挟んで前記第1ロータ支持部材とは軸方向反対側にて前記ロータを支持する第2ロータ支持部材を有し、
    前記エンジン接続用クラッチ及び回転電機を収納するケースと、
    前記第2ロータ支持部材を前記ケースに対して回転自在に支持する第2軸受と、
    前記第1ロータ支持部材を前記ケースに対して回転自在に支持し、前記第2ワンウェイクラッチの径方向外側にて該第2ワンウェイクラッチと径方向視で軸方向に重なるように配設された第1軸受と、を更に備えた、
    請求項1又は2記載のハイブリッド駆動装置。
  4. 前記第1ロータ支持部材は、径方向内側へ向かうにつれて前記エンジン接続用クラッチへ近づく屈曲部を有し、
    前記第1軸受は、前記第1ロータ支持部材の屈曲部と径方向視で軸方向に重なるように配設された、
    請求項3記載のハイブリッド駆動装置。
  5. 前記第1軸受は、前記第1及び第2摩擦板の内径側にて、前記エンジン接続用クラッチのクラッチドラムの前記オイルポンプ側の端部と軸方向に重なるように配設され、
    前記第1ロータ支持部材の屈曲部は、前記第1軸受と前記クラッチドラムの前記オイルポンプ側端部との間を通るように屈曲して形成された、
    請求項4記載のハイブリッド駆動装置。
  6. 前記ポンプ回転部材は、前記第1ワンウェイクラッチが取付けられる第1端部、前記ポンプロータと駆動連結する共に前記第1端部よりも小径に形成された第2端部、を有する、
    請求項1乃至5のいずれか1項記載のハイブリッド駆動装置。
  7. 前記エンジン接続用クラッチよりも前記変速機構側に配設されたレゾルバを更に備え、
    前記レゾルバ及び前記第2軸受の少なくとも一部を、前記回転電機と径方向視で軸方向に重なるように配設した、
    請求項3乃至5のいずれか1項記載のハイブリッド駆動装置。
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