JP2013163419A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2013163419A
JP2013163419A JP2012026532A JP2012026532A JP2013163419A JP 2013163419 A JP2013163419 A JP 2013163419A JP 2012026532 A JP2012026532 A JP 2012026532A JP 2012026532 A JP2012026532 A JP 2012026532A JP 2013163419 A JP2013163419 A JP 2013163419A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
width direction
tire
belt
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012026532A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5965155B2 (ja
Inventor
Koji Maegaki
光志 前垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2012026532A priority Critical patent/JP5965155B2/ja
Publication of JP2013163419A publication Critical patent/JP2013163419A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5965155B2 publication Critical patent/JP5965155B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】クッションゴムに起因する、ベルト補強層端部でのセパレーションの発生と、ベルト補強層端部コードの耐疲労性の低下を防止して、耐久性能を向上させたタイヤを提供する。
【解決手段】ベルト層4端部4aより半径方向内側で、ベルト補強層3端部3aに設けたクッションゴム7と、ベルト補強層および内周側ベルト層の端部の間に介在させて配置した層間ゴム9を具え、層間ゴムの幅方向外端9eを、内周側ベルト層4外端縁4eよりタイヤ幅方向外側に位置させ、層間ゴムの厚みを、幅方向外側に向かって、内周側ベルト層外端縁の幅方向位置まで厚くし、クッションゴムを二種類以上のゴムで構成し、ベルト補強層端部との接触域に、二種類以上のゴムのうち、弾性率の大きい高弾性ゴム部材7aを配設し、クッションゴムの、高弾性ゴム部材の配設域以外の領域に、該高弾性ゴム部材より損失正接tanδの小さい低ロスゴム部材7bを配設してなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、一対のビード部間にトロイド状に延びるカーカスのタイヤ半径方向外側に、タイヤ周方向に向けて延びるコードで構成される一層以上のベルト補強層と、コードを、タイヤ半径方向内外に隣接する層間で、タイヤ周方向に対し相互に逆方向に傾斜させて延在させてなる少なくとも二層のベルト層とを順次に配設してなる空気入りタイヤに関するものである。
近年、広幅化および扁平化を図る傾向にある、トラック・バス等に用いる重荷重用空気入りラジアルタイヤでは、カーカスのタイヤ半径方向外側に、トレッド周方向に対し5°以下の角度で傾斜して、実質的にタイヤ周方向に延びる、ジグザグ状、波形状その他の迂曲形態のコードまたは、ラング撚りコード、ハイエロンゲーションコード等で構成されるベルト補強層を配設することが一般的であり、これにより、ベルト補強層による高いたが効果に基き、高速走行時等のタイヤの径成長を抑制して、タイヤの所要の形状を保持させるとともに、タイヤの耐久性能を高めることができる。
ここで、タイヤの広幅化・扁平化に伴って、ショルダ側の領域に、高いたが作用を発揮する上記のベルト補強層が存在しなくなることに起因する、トレッド接地面のショルダ側陸部での偏摩耗の発生を防止することを目的として、扁平タイヤでは、ベルト補強層を広幅化するとともに、そのベルト補強層の外周側の、タイヤの耐摩耗性能に影響を及ぼす、たとえば二層のベルト層をもまた広幅とし、そして、それらのベルト層のコードを、タイヤ周方向に対し大きな角度で、相互に逆向きに傾斜させて延在させることとする場合がある。
このようにベルト補強層およびベルト層をともに広幅なものとした場合は、負荷転動時に、タイヤ周方向に向けて大きく伸縮変形するベルト層の幅方向端部が、タイヤ周方向に伸縮変形し難いベルト補強層の幅方向端部に隣接して位置することになり、それによって、ベルト補強層のコードの破断や、ベルト層の、ベルト補強層からのセパレーションが生じるおそれがある。
このことに対しては、特許文献1に記載されたタイヤのように、ベルト補強層の幅方向端部および、二層のベルト層のうちの、ベルト補強層のタイヤ半径方向外側に隣接する内周側ベルト層の幅方向端部の間に、タイヤ幅方向外側に向かうに従って内周側ベルト層の前記幅方向外端縁の幅方向位置まで厚くなるゴム厚みを有する層間ゴムを配置することで、それらのベルト補強層および内周側ベルト層の相互を、幅方向端部の近傍部分で離隔させて位置させることが有効であり、とくにこのタイヤでは、この層間ゴムを、内周側ベルト層の幅方向外端縁よりタイヤ幅方向外側の領域まで配置していることにより、最外層ベルト層の幅方向端部をより幅方向外側に配置しても耐久性能を確保することができ、そのため、タイヤの操縦安定性能を大幅に向上させることができる。
特開2011−68215号公報
ところで、特許文献1に記載されたタイヤでは、広幅化したベルト層の幅方向端部のタイヤ半径方向内側への落込みを防止して、製品タイヤの所期したとおりの形状を確保するため、内周側ベルト層の幅方向端部のタイヤ半径方向内側で、ベルト補強層の幅方向端部に隣接する領域に、クッションゴムを配設することとしているも、このクッションゴムを、カーボンブラック、硫黄およびコバルトのそれぞれの配合割合を減らして損失正接を小さくしたゴム材料で形成することにより、転がり抵抗の低減を図り、燃費を向上させることができると考えられる。
しかるに、クッションゴムを、上述したように、硫黄およびコバルトなどの配合割合が少ないゴム材料で形成すると、ベルト補強層の幅方向端部の、コードを被覆するコーティングゴムに含まれる硫黄やコバルトなどが、その幅方向端部に隣接するクッションゴムに移行し、ベルト補強層の幅方向端部のコーティングゴムの、硫黄およびコバルトなどの配合割合が減少することに起因して、そのコーティングゴムの、コードに対する接着性が低下することになるので、ベルト補強層の幅方向端部で、そのコーティングゴムの、ベルト補強層コードからの剥離が生じるおそれがあった。
また、そのようなクッションゴムは、弾性率もまた低下することになって、タイヤの負荷転動時に大きく弾性変形することになるので、ベルト補強層の幅方向端部に位置するコードが、タイヤの転動に際し、そのベルト補強層コードに隣接するクッションゴムの、トレッド周方向の大きな弾性変形に起因する引張力および圧縮力を繰返し受けることになり、その結果として、ベルト補強層コードの耐疲労性の低下を招くという問題もある。
この発明は、ベルト補強層および内周側ベルト層のそれぞれの幅方向端部の間に介在させる層間ゴムを、内周側ベルト層の幅方向外端縁より幅方向外側の領域まで配置することで、すぐれた操縦安定性能を発揮し得る空気入りタイヤを前提として、そのタイヤが抱える上記の問題を解決することを課題とするものであり、とくには、ベルト補強層の幅方向端部に隣接する領域への、転がり抵抗の低減に寄与するクッションゴムの配設に起因する、ベルト補強層の幅方向端部でのセパレーションの発生および、ベルト補強層の幅方向端部コードの耐疲労性の低下を防止して、耐久性能を向上させたタイヤを提供することを目的とする。
この発明の空気入りタイヤは、一対のビード部間にトロイド状に延びる一枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配設されて、タイヤ周方向に向けて延びるコードで構成される一層以上のベルト補強層と、該ベルト補強層のタイヤ半径方向外側に配設されて、コードを、タイヤ半径方向内外に隣接する層間で、タイヤ周方向に対し相互に逆方向に傾斜させて延在させてなる少なくとも二層のベルト層と、前記ベルト層のうちの、最も内周側に位置する内周側ベルト層の幅方向端部よりタイヤ半径方向内側で、前記ベルト補強層の幅方向端部に隣接させて設けたクッションゴムと、前記ベルト補強層および前記内周側ベルト層のそれぞれの幅方向端部の間に介在させて配置した層間ゴムと具え、
前記層間ゴムの幅方向外端を、前記内周側ベルト層の幅方向外端縁よりタイヤ幅方向外側に位置させるとともに、該層間ゴムの、タイヤ半径方向のゴム厚みを、タイヤ幅方向外側に向かうに従い、少なくとも、内周側ベルト層の前記幅方向外端縁の幅方向位置まで厚くしてなるものであって、
前記クッションゴムを二種類以上のゴム部材で構成し、クッションゴムの、少なくとも、ベルト補強層の幅方向端部との接触域に、前記二種類以上のゴム部材のうち、相対的に弾性率の大きい高弾性ゴム部材を配設するとともに、クッションゴムの、前記高弾性ゴム部材の配設域以外の領域に、該高弾性ゴム部材より損失正接tanδの小さいゴム部材を配設してなるものである。
なおここで、ベルト補強層の、「タイヤ周方向に向けて延びるコード」とは、タイヤ周方向に対し5°以下の角度で傾斜して、実質的にタイヤ周方向に延びるコードを意味する。
この発明の空気入りタイヤでは、前記層間ゴムの幅方向外端を、適用リムに組み付けて規定内圧を充填した無負荷の状態で、前記ベルト層の外周側に配設したトレッドゴムにより形成されるトレッド接地面のトレッド端の幅方向位置よりタイヤ幅方向内側に配置することが好ましい。
なおここで、「トレッド接地面」は、適用リムに組み付けるとともに規定内圧を充填した状態で、タイヤを、平板上に垂直姿勢で静止配置し、最大負荷能力に対応する負荷を加えたときの、タイヤの、平板との接触部分をいい、また、「トレッド端」は、トレッド接地面の、タイヤ幅方向の最外位置をいう。
ここにおいて、「適用リム」とは、タイヤサイズに応じて下記の規格に規定されたリムをいい、「規定内圧」とは、下記の規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧をいい、「最大負荷能力」とは、下記の規格でタイヤに負荷されることが許容される最大の質量をいう。
そして、その規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格によって決められたものであり、例えば、アメリカ合衆国では、“THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.のYEAR BOOK”であり、欧州では、“The European Tyre and Rim Technical OrganizationのSTANDARDS MANUAL”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA YEAR BOOK”である。
ここで、この発明の空気入りタイヤでは、前記高弾性ゴム部材を、クッションゴムの、ベルト補強層の幅方向端部との前記接触域を含む径方向外側領域の全域にわたって配置し、該高弾性ゴム部材の、クッションゴムの全体に占める割合を30%〜50%とすることが好ましい。
また、この発明の空気入りタイヤでは、クッションゴムの、ベルト補強層の幅方向端部との接触域および、該接触域から離隔するタイヤ幅方向外側の領域のそれぞれに、互いに弾性率の等しい二個の高弾性ゴム部材のそれぞれを配置して、クッションゴムの、前記接触域および、前記タイヤ幅方向外側の領域のそれぞれに位置する各高弾性ゴム部材の、クッションゴムの全体に占める割合を10%〜50%とすることが好ましい。
ここにおいて、この発明の空気入りタイヤでは、前記層間ゴムの損失正接tanδを、前記クッションゴムの前記低ロスゴム部材の損失正接tanδ以上、かつ、前記高弾性ゴム部材の損失正接tanδ以下とすることが好ましい。
なお、この発明の空気入りタイヤでは、前記内周側ベルト層の幅方向端部と前記層間ゴムとの間に、該層間ゴムより弾性率の大きいゴム層を設けることが好ましい。
この発明の空気入りタイヤによれば、クッションゴムの、少なくとも、ベルト補強層の幅方向端部との接触域に、クッションゴムを構成する前記二種類以上のゴム部材のうち、相対的に弾性率の大きい高弾性ゴム部材を配設したことにより、ベルト補強層の幅方向端部に隣接する領域への、転がり抵抗の低減に寄与するクッションゴムの配設に起因する、ベルト補強層の幅方向端部でのセパレーションの発生および、ベルト補強層の幅方向端部コードの耐疲労性の低下を防止して、耐久性能を向上させることができる。
そしてここでは、クッションゴムの、前記高弾性ゴム部材の配設域以外の領域に、該高弾性ゴム部材より損失正接tanδの小さい低ロスゴム部材を配設したので、転がり抵抗の低減、ひいては、燃費の向上をもたらすことができる。
しかも、この発明のタイヤは、層間ゴムの幅方向外端を、内周側ベルト層の幅方向外端縁よりタイヤ幅方向外側に位置させたことにより、従来タイヤと同様に、すぐれた操縦安定性能を発揮することができる。
ここで、層間ゴムの幅方向外端を、トレッド端の幅方向位置よりタイヤ幅方向内側に配置するときは、タイヤの成型工程で、部材の圧着時の皺の形成、それに起因する製造不良の発生のおそれを有効に取り除くとともに、たとえば、トップトレッドゴム、層間ゴム素材およびクッションゴム素材の相互の接着性を確保することができる。
これを言い換えれば、層間ゴムの幅方向外端を、トレッド端の幅方向位置よりタイヤ幅方向外側に配置する場合は、タイヤの成型工程において、層間ゴム素材の端部の剛性が小さいと、部材を圧着させる際に皺になる可能性があり、一方、層間ゴムの端部の剛性が大きいと、トップトレッドゴム、層間ゴム素材およびクッションゴム素材の相互を接着することが困難となる懸念がある。
ところで、上記のタイヤのように、ベルト補強層の幅方向端部に隣接させて配置するクッションゴムを、高弾性ゴム部材を含む、たとえば二種類以上のゴム部材で構成し、それらのゴム部材のうち、相対的に弾性率の大きい高弾性ゴム部材の割合が少ない場合は、タイヤの製造時に、製品タイヤでクッションゴムを形成することになる二種類以上のゴム素材を一体に押出成形するに際し、弾性率の小さい低ロスゴム素材が多いことに起因して、押し出した直後に、とくに弾性率の小さい低ロスゴム素材が、反り返って曲がり変形し、それにより、生タイヤの成型時の作業性が悪化するという問題がある。
この一方で、高弾性ゴム部材の割合を多くすると、弾性率が小さく損失正接tanδの小さい低ロスゴム部材の割合が減少することによって、所期した転がり抵抗の低減効果を得ることができない。
このことに対し、高弾性ゴム部材を、クッションゴムの、ベルト補強層の幅方向端部との前記接触域を含む径方向外側領域の全域にわたって配置し、この高弾性ゴム部材の、クッションゴムの全体に占める割合を30%〜50%としたときは、上述したような、生タイヤ成型時の作業性の悪化を防止しつつ、カーボンブラック、硫黄およびコバルトの配合割合の少ない低ロスゴム部材を含むクッションゴムの配設によって、転がり抵抗を有効に低減することができる。
これはすなわち、クッションゴムの前記径方向外側領域の全域に配置した高弾性ゴム部材の前記の割合を30%未満とした場合は、高弾性ゴム部材の割合が少ないことによって、生タイヤ成型時の、上述した押出成形に際し、弾性率の小さい低ロスゴム素材の反り返りが生じる可能性が高く、一方、高弾性ゴム部材の前記割合を、50%を超えるものとした場合は、クッションゴムの、高弾性ゴム部材の配設域以外の領域に配設する、損失正接の小さい低ロスゴム部材の割合が低下して、転がり抵抗を十分小さく抑えることができないおそれがある。
また、クッションゴムの、ベルト補強層の幅方向端部との接触域および、該接触域から離隔するタイヤ幅方向外側の領域のそれぞれに、互いに弾性率の等しい二個の高弾性ゴム部材のそれぞれを配置することも可能であり、この場合において、それらの各高弾性ゴム部材の、クッションゴムの全体に占める割合を10%〜50%としたときもまた、上述したような、生タイヤ成型時の作業性の悪化を防止できるとともに、転がり抵抗を有効に低減することができる。
つまり、高弾性ゴム部材のこのような配設態様において、各高弾性ゴム部材の前記の割合を10%未満とした場合は、高弾性ゴム部材の割合が少ないことによって、クッションゴム素材の押出成形時に、弾性率の小さいゴム素材の反り返りに起因して、作業性の悪化を招くことがあり、また、各高弾性ゴム部材の前記の割合を、50%を超えるものとした場合は、損失正接の小さいゴム部材が減少することにより、転がり抵抗の低減効果を、所期したほどに得ることができない懸念がある。
ここにおいて、前記層間ゴムの損失正接tanδを、前記クッションゴムの前記低ロスゴム部材の損失正接tanδ以上、かつ、前記高弾性ゴム部材の損失正接tanδ以下としたときは、クッションゴムの、損失正接tanδの小さい前記低ロスゴム部材のみならず、上記の層間ゴムもまた、損失正接tanδを小さくすることで転がり抵抗の低減に寄与させて、燃費をより一層向上させることができる。
またここで、内周側ベルト層の幅方向端部と前記層間ゴムとの間に、該層間ゴムより弾性率の大きいゴム層を設けたときは、上述したように層間ゴムを損失正接の小さいゴム材料で形成した場合の、内周側ベルト層の幅方向端部のコーティングゴムに含まれる硫黄やコバルトなどの、層間ゴムへの移行を、前記ゴム層で遮断して、そのような移行に起因する、そのコーティングゴムの接着性の低下を有効に防止することができる。
この発明の一の実施形態を示す、タイヤ幅方向の部分断面半図である。 クッションゴムが有する高弾性ゴム部材の他の配設例を示す、タイヤ幅方向の要部拡大断面図である。 この発明の他の実施形態を示す、図1と同様の図である。 図1のタイヤを製造する際の生タイヤ成型工程を示す、円筒状ベルト補強層素材の軸線方向に沿う略線断面図である。 実施例で押出成形した各クッションゴム素材に含まれる高弾性ゴム素材の配設態様を示す、クッションゴム素材の横断面図である。 押出成形したクッションゴム素材が反り返った状態を示す、クッションゴム素材の略線横断面図および平面図である。
以下に図面を参照しつつ、この発明の実施の形態について説明する。
図1に例示する空気入りタイヤ1は、図示しない一対のビード部から各サイドウォール部を経てトレッド部に至るトロイド状の一枚以上、ここでは一枚のカーカスプライからなる、たとえばラジアル構造のカーカス2と、そのカーカス2のタイヤ半径方向外側に配設されて、タイヤ周方向に対して5°以下の角度で傾斜して、タイヤ赤道面Cと略平行に延びるコードをゴム被覆してなる、たとえば一層のベルト補強層3と、ベルト補強層3のタイヤ半径方向外側に配設されて、タイヤ周方向に対し傾斜して延びるコードからなる、図では二層のベルト層4,5と、それらのベルト層4,5のタイヤ半径方向外側に配設した、トレッド接地面を形成するトレッドゴム6とを具えてなる。
ここで、ベルト補強層3を形成するコードは、直線状、ジグザグ状、波形状等の形態でタイヤ周方向に向かって延びる、タイヤ幅方向に螺旋状に巻回したものとすることができ、また、コード伸長率が2%前後に到るまでは、小さな引張力で大きく伸長する一方、その伸長率を越えた後は、大きな引張力によっても伸長率が少なくなる、いわゆる初期伸びの大きい、たとえば、スチール製のラング撚りコード、ハイエロンゲーションコードとすることができる。
なお、ベルト補強層コードを、ジグザグ状等の迂曲形態で延在するコードとする場合は、リム組みしたタイヤに、JATMA等の規格のYEAR BOOKその他で規定される最高空気圧を充填した状態で、迂曲形態が消失するものとすることが、ベルト補強層3に、径成長抑制機能を十分に発揮させる上で好ましく、また、初期伸びの大きいコードとする場合は、上記の最高空気圧を充填した状態で、伸長率の、低弾性率を示す範囲を越えるものとすることが好ましい。
ベルト補強層は、二層以上設けることも可能である。
またここで、ベルト補強層3のタイヤ半径方向外側に配設した二層のベルト層4,5のそれぞれは、タイヤ周方向に対して、所要の角度で傾斜させて延びるスチールコードもしくは有機繊維コード等を、ゴムコーティングしてなるものである。なお、図示は省略するが、ベルト層は三層以上配設することもできる。
そして、図示のこのタイヤ1では、トレッド接地面の、とくにショルダ陸部への偏摩耗の発生を抑制するため、タイヤ半径方向内外に相互に隣接する前記ベルト層4,5のそれぞれを構成するコードを、それらの層間で、タイヤ周方向に対し互いに逆向きに延在させるとともに、二層のベルト層4,5、なかでも、ベルト補強層2のタイヤ半径方向外側に隣接する内周側ベルト層4の、タイヤ幅方向に沿うベルト幅をとくに広幅とし、また、高いたが効果を発揮するベルト補強層3もまた、たとえばショルダ陸部の内周側に到るまで広幅なものとする。
ここにおいて、この発明では、広幅の内周側ベルト層4の幅方向端部4aのタイヤ半径方向内側への落込みを防止するべく、その内周側ベルト層4の幅方向端部4aよりタイヤ半径方向内側で、ベルト補強層3の幅方向端部3aに隣接させて設けるクッションゴム7を、二種類以上のゴム部材で構成することとする。
すなわち、図1に示す実施形態では、二種類のゴム部材で構成されるクッションゴム7の、少なくとも、ベルト補強層3の幅方向端部3aとの接触域に配設するゴム部材を、二種類のゴム部材のうち、相対的に弾性率の大きい高弾性ゴム部材7aとするとともに、クッションゴム7の、高弾性ゴム部材7aの配設域以外の領域に配設するゴム部材を、その高弾性ゴム部材7aに比して損失正接tanδの小さい低ロスゴム部材7bとする。図示は省略するが、クッションゴムは、高弾性ゴム部材を含む三種類以上のゴム材料で構成することもできる。
これによれば、カーボンブラック、硫黄およびコバルトのそれぞれの配合割合を低下させること等によって損失正接を小さくした低ロスゴム部材7bの配設により、転がり抵抗を低減して、車両の燃費の向上に寄与しつつ、低ロスゴム部材7bと、ベルト補強層3の幅方向端部3aとの間に配設した高弾性ゴム部材7aによって、ベルト補強層3のコーティングゴムに含まれる硫黄やコバルト等の、低ロスゴム部材7bへの移行が遮断されることになるので、ベルト補強層3の幅方向端部3aのコーティングゴムに含まれる硫黄やコバルト等の減少に起因する、そのコーティングゴムの、ベルト補強層コードに対する接着性の低下を防止して、ベルト補強層3の幅方向端部3aにおけるセパレーションの発生を有効に抑制することができる。
しかもここでは、損失正接の低下に伴い弾性率も小さくなる低ロスゴム部材7bの、タイヤの負荷転動時の大きな弾性変形が、ベルト補強層3の幅方向端部3aに位置するコードに及ぼす引張力および圧縮力の作用を、それらの間に配設した高弾性ゴム部材7aが緩和するべく機能するので、ベルト補強層3の幅方向端部3aでのコードの耐疲労性の低下をも抑制することができる。
図1に示すところでは、クッションゴム7を、カーカス2の外表面に沿わせるとともに、該カーカス2と、ベルト補強層3の幅方向端部3aとの間に幾分入り込ませて配設し、この入り込み部分にも、高弾性ゴム部材7aを配置している。
なお、ベルト補強層3ないし内周側ベルト層4の幅方向端部3a,4aは、図示の実施形態では、タイヤ幅方向の断面内で、トレッド接地面に設けた、タイヤ赤道線Cに略平行に延びる複数本の主溝8a〜8dのうち、最もトレッドショルダ側に位置するショルダ主溝8aの溝底中心を通って、タイヤ半径方向に延びる直線よりも、タイヤ幅方向外側に存在するベルト補強層部分ないしベルト層部分をいう。
このようなクッションゴム7は、転がり抵抗を有効に抑制するとの観点からは、高弾性ゴム部材7aの、クッションゴム7の全体に対する割合を、上述したセパレーションの発生および、コード耐疲労性の低下を抑制するに必要な最小限に抑えて、高弾性ゴム部材7aを、図1に示すタイヤのように、クッションゴム7の、ベルト補強層3の幅方向端部3aとの接触域だけに配設し、その分、低ロスゴム部材7bの割合を多くすることが好ましい。
しかるに、クッションゴム7の全体に対する、高弾性ゴム部材7aの割合を少なくし過ぎた場合は、生タイヤの成型時に、たとえば二種類のゴム素材からなるクッションゴム素材を一体的に押出成形するに際し、弾性率および損失正接がともに小さいゴム素材の割合が多くなることによって、押し出した直後に、その弾性率の小さいゴム素材が反り返り、このことが、生タイヤの成型作業性の悪化を招くことがある。
従って、高弾性ゴム部材を、図2(a)に示すように、クッションゴム17の、ベルト補強層3の幅方向端部3aとの接触域を含む径方向外側領域の全域に設ける場合は、この高弾性ゴム部材17aの、クッションゴム17の全体に占める割合を、30%〜50%とすることが、上述したような、生タイヤの成型時の作業性低下を防止しつつ、低ロスゴム部材17bの所要の割合を確保して、転がり抵抗を有効に低減するとの観点から好ましい。
一方、高弾性ゴム部材を、図2(b)に示すように、クッションゴム27の、ベルト補強層3の幅方向端部3aとの接触域、および、その接触域から、低ロスゴム部材27bの配設域を隔てて離隔するタイヤ幅方向外側の領域のそれぞれに配設する二個の高弾性ゴム部材27a,27cに分割させて設けた場合は、それらの各高弾性ゴム部材27a,27cの、クッションゴム27の全体に占める割合を、10%〜50%とすることが同様の観点から好ましい。
ところで、以上に述べたように、ベルト補強層3およびベルト層4,5をともに広幅としたタイヤ1では、ベルト補強層3の幅方向端部3aと、内周側ベルト層4の幅方向端部4aとの間に、図1に示すように、それらの層間のゴム厚みを増大させる層間ゴム9を介在させて設ける。
ここで、図1に示すところでは、層間ゴム9の、タイヤ半径方向のゴム厚みを、タイヤ幅方向外側に向けて、内周側ベルト層4の幅方向外端縁4eの幅方向位置まで次第に厚くするとともに、該幅方向位置のタイヤ幅方向外側で漸減させて、この層間ゴム9の形状を、タイヤ幅方向に沿う断面視で略三角形とし、また、層間ゴム9の幅方向外端9e、すなわち、図示の幅方向断面で、略三角形状をなす層間ゴム9の、タイヤ幅方向の外側に位置する頂点を、内周側ベルト層4の幅方向外端縁4eよりタイヤ幅方向外側に配置している。内周側ベルト層4の幅方向外端縁4eとは、ベルト層4の、タイヤ幅方向の最外側に存在するベルト端を意味する。
このような層間ゴム9の配設により、コードがタイヤ周方向に向かって延びることの故に、タイヤの負荷転動時にタイヤ周方向に伸縮変形し難いベルト補強層3の幅方向端部3aを、内周側ベルト層4の、とくに大きく伸縮変形する幅方向端部4aから離隔させて位置させて、ベルト補強層3の幅方向端部3aに位置するコードの破断や、内周側ベルト層4とベルト補強層3との層間セパレーションの発生を防止することができる。
層間ゴムの、タイヤ半径方向のゴム厚みは、図示は省略するが、タイヤ幅方向外側に向けて、ベルト層4の幅方向外端縁4eを超える幅方向位置まで漸増させることもできる。なお、層間ゴム9は、タイヤ幅方向の少なくとも一部に、ゴム厚みが一定の部分があってもよい。
そしてここで、上記の層間ゴム9の弾性率は、たとえば、先述したクッションゴム7の高弾性ゴム部材7aの弾性率以下とすることができ、とくに、この層間ゴム9を、低ロスゴム部材7bと同一または類似の配合で構成すること等により、層間ゴム9の損失正接を、低ロスゴム部材7bの損失正接以上で、かつ、高弾性ゴム部材7aの損失正接以下とすることが好ましい。
それにより、たとえば、生タイヤ成型時の作業性の悪化を防止するべく、図2,3に示すように、高弾性ゴム部材17aもしくは27a,27cの割合を多くしたことによって、低ロスゴム部材17bもしくは27bの割合が減少した場合等であっても、これを、損失正接を小さくした層間ゴム9で補完することができるので、転がり抵抗を十分に低減することができる。
またここでは、内周側ベルト層4の幅方向端部4aと、前記層間ゴム9との間に、図3に示すように、該層間ゴムより弾性率の大きいゴム層10を介在させて設けることが好ましいが、このゴム層10の配設は、この発明に必須の構成ではない。
なおこのようなゴム層10は、タイヤ製造時に、内周側ベルト層4を形成することになる帯状のベルト層素材を、たとえばベルト・トレッド成型ドラム等の外周側に巻き付ける前に、そのベルト層素材の表面の所定位置に、ゴム層素材を予め貼着させて配置することで形成することができ、また、ゴム層10には、たとえば、ベルトコーティングゴムと同一あるいは類似の配合の高接着性・高弾性率ゴムを適用することができる。
上記のゴム層10の配設により、内周側ベルト層4のスチールコード等と、ベルトコーティングゴムとの間の接着性を、長期間にわたって有効に確保することができる。
そしてまた、タイヤ1の操縦安定性能を向上させるため、最も広幅の内周側ベルト層4の幅方向外端縁4eよりタイヤ幅方向外側の領域まで配置した層間ゴム9の幅方向外端9eは、トレッド接地面のトレッド端Eの幅方向位置よりタイヤ幅方向内側に位置させることが好ましく、たとえば、層間ゴム9の幅方向外端9eと、前記幅方向外端縁4eとのタイヤ幅方向の距離Lは、50mm以下とすることができる。
以上に述べたタイヤ1では、転がり抵抗を十分低減するため、クッションゴム7,17,27の低ロスゴム部材7b,17b,27bの損失正接tanδは、粘弾性試験機を用いて、規定の周波数、歪、温度条件(周波数52Hz、歪1%、室温20℃)の下で測定し、0.01〜0.2の範囲とすることが好ましく、また、低ロスゴム部材7b,17b,27bの弾性率は、1.0MPa〜15.0MPaとすることが好ましい。なお、この「弾性率」は、JIS K6251に準拠する方法、すなわち、室温20℃、歪2%、所定の周波数の条件の下、動的歪を与えた際の動的応力を計測することにより算出した100%モジュラスを意味する。
また、クッションゴム7,17,27の、少なくとも、ベルト補強層3の幅方向端部3aとの接触域に配設する高弾性ゴム部材7a,17a,27a,27cは、ベルト補強層3のコーティングゴムと同一または類似の配合で構成すること等により、その高弾性ゴム部材7a,17a,27a,27cの弾性率を、ベルト補強層コードの、たとえば3.0MPa〜9.0MPaとすることができるコーティングゴムの弾性率以下で、低ロスゴム部材の弾性率より大きくすることが好ましい。これにより、ベルト補強層3のコーティングゴムに含まれる硫黄やコバルト等の、低ロスゴム部材7b,17b,27bへの移行を有効に遮断して、ベルト補強層3のコーティングゴムの、コードに対する接着性の低下および、セパレーションの発生を、長期間にわたってより確実に防止することができる。
なおここで好ましくは、ベルト補強層3の、タイヤ幅方向に沿うベルト幅W1を、タイヤ断面幅の75%以上、より好ましくは80%以上とする。高いたが効果を発揮するベルト補強層3を、たとえばショルダ陸部が位置するタイヤ幅方向外側の領域まで配設して広幅化し、それにより、ショルダ陸部での偏摩耗の発生を防止するためである。この「タイヤ断面幅」は、適用リムに装着し、規定内圧を充填した無負荷状態のタイヤ側面間の最大幅(総幅)から、タイヤ側面の模様、文字等を除いた幅をいう。
但し、ベルト補強層3をこのように広幅なものとしたときは、ベルト補強層3の幅方向端部3aが、内周側ベルト層4の幅方向端部4aに近接することに起因する、層間セパレーションの発生等を防止するため、内周側ベルト層4の幅方向外端縁4eの幅方向位置で、ベルト補強層3のコードおよびベルト層4のコード間に存在するゴムの半径方向厚みを、3.0mm以上とすることが好ましく、また、それらの幅方向端部3a,4a間に配設する層間ゴム9の、JIS K6251に準拠する方法で測定する100%モジュラスを、4.0MPa以下とすることが好ましい。
また、すぐれた耐摩耗性能を実現するため、好ましくは、ベルト補強層3に隣接する内周側ベルト層4のベルト幅W2を、上記のタイヤ断面幅の75%以上、より好ましくは80%以上とし、また、他のベルト層5のベルト幅W3を、タイヤ断面幅の55%以上、より好ましくは70%以上とする。
そしてまた、耐摩耗性能を確保するため、好ましくは、各ベルト層4,5を構成するコードの、タイヤ周方向に対する傾斜角度を40°以上、より好ましくは50°以上とし、また、所要の耐摩耗性能を確保するため、好ましくは、コードをタイヤ周方向に対して互いに逆向きに傾斜させたベルト層4,5のコード交差幅は、上記のタイヤ断面幅の65%以上、より好ましくは70%以上とする。
以上に述べたようなタイヤの製造に際する生タイヤの成型工程においては、たとえば、図4に概略断面図で示すように、図示しないベルト・トレッド成型ドラム等の外周側に、クッションゴム素材50、ベルト補強層素材51、層間ゴム素材52、および、二層のベルト層素材53,54のそれぞれを順次に巻き付けることにより、ベルト・トレッドバンドを形成することができる。なお、図中55は、内周側ベルト層素材53の端部を覆って配設したカバーゴムを示す。
ここで、図4に示す、ベルト・トレッド成型ドラム上への各タイヤ構成部材の配設状態で、クッションゴム素材50、層間ゴム素材52および、内周側ベルト層素材53のそれぞれの幅方向外端縁の、ベルト補強層素材51の幅方向外端縁からの幅方向の離隔距離L1,L2およびL3はそれぞれ、たとえば、60mm,30mmおよび15mmとすることができ、また、クッションゴム素材50および層間ゴム素材52のそれぞれの、ドラムの回転軸線方向に沿う幅WcおよびWiはそれぞれ、たとえば、80mmおよび45mmとすることができる。
次に、この発明の空気入りタイヤの製造に用いることのできる帯状のクッションゴム素材を、高弾性ゴム素材および低ロスゴム素材の一体的な押出成形により形成し、そのクッションゴム素材の反り返りの程度を確認したので、以下に説明する。
押出成形したクッションゴム素材は、図5(a)に示すものと、図5(b)に示すものの二種類とした。ここで、横断面形状がいずれも略台形形状をなす前記二種類のクッションゴム素材のうち、図5(a)に示すクッションゴム素材は、図の上側領域の全域にわたって高弾性ゴム素材を配置するとともに、図の下側領域に低ロスゴム素材を配置したものであり、また、図5(b)に示すクッションゴム素材は、幅方向の両側のそれぞれに配置した二個の高弾性ゴム素材の間に、低ロスゴム素材を挟み込んで配置したものである。なお、図5(a)および(b)に示す各クッションゴム素材は、製品タイヤでは、図2(a)および(b)に示す各タイヤが具えるそれぞれのクッションゴムに対応する。
押出成形は、上述した二種類のクッションゴム素材のそれぞれで、高弾性ゴム素材の割合を、表1に示すように相違させて二回ずつ行って、計4本の帯状クッションゴム素材1〜4を形成し、押出成形直後の、それらの反り返り量、具体的には、図6(a)に横断面図で示すような、帯状クッションゴム素材の両端部のそれぞれの、水平線に対する図の上側への浮き上がり量である反り量の最大値R、および、図6(b)に平面図で示すような、帯状クッションゴム素材の端部に引いた接線の長さ1m当りの、それの左右への曲り量Bを測定することで、形成した各クッションゴム素材1〜4の性状を評価した。その結果も表1に示す。
Figure 2013163419
表1に示すところから明らかなように、図5(a)に示す態様では、高弾性ゴム素材の割合を30%以上としたクッションゴム素材1は、その割合を30%未満としたクッションゴム素材2に比して、反り量Rおよび曲り量Bのいずれもが大幅に低減されており、また、図5(b)に示す態様では、高弾性ゴム素材の割合を10%以上としたクッションゴム素材3は、その割合を10%未満としたクッションゴム素材4に比して、反り量Rおよび曲り量Bのいずれもが大幅に低減されていることが解かる。
従って、クッションゴム素材の押出成形に際し、図5(a),(b)のそれぞれに示す配設態様に応じて、高弾性ゴム素材の割合を30%以上ないし10%以上とすることにより、低ロスゴム素材の反り返りがほとんど生じず、それ故に、生タイヤ成型時の作業性の悪化を防止できることが解かった。
1 空気入りタイヤ
2 カーカス
3 ベルト補強層
3a ベルト補強層の幅方向端部
4,5 ベルト層
4a 内周側ベルト層の幅方向端部
4e 内周側ベルト層の幅方向外端縁
6 トレッドゴム
7,17,27 クッションゴム
7a,17a,27a,27c 高弾性ゴム部材
7b,17b,27b 低ロスゴム部材(損失正接tanδの小さいゴム部材)
8a〜8d 主溝
9 層間ゴム
9e 層間ゴムの幅方向外端
10 ゴム層
C タイヤ赤道面
L 層間ゴムの幅方向外端の、内周側ベルト層の幅方向外端縁からの幅方向距離
W1〜W3 ベルト幅

Claims (6)

  1. 一対のビード部間にトロイド状に延びる一枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配設されて、タイヤ周方向に向けて延びるコードで構成される一層以上のベルト補強層と、該ベルト補強層のタイヤ半径方向外側に配設されて、コードを、タイヤ半径方向内外に隣接する層間で、タイヤ周方向に対し相互に逆方向に傾斜させて延在させてなる少なくとも二層のベルト層と、前記ベルト層のうちの、最も内周側に位置する内周側ベルト層の幅方向端部よりタイヤ半径方向内側で、前記ベルト補強層の幅方向端部に隣接させて設けたクッションゴムと、前記ベルト補強層および前記内周側ベルト層のそれぞれの幅方向端部の間に介在させて配置した層間ゴムとを具え、
    前記層間ゴムの幅方向外端を、前記内周側ベルト層の幅方向外端縁よりタイヤ幅方向外側に位置させるとともに、該層間ゴムの、タイヤ半径方向のゴム厚みを、タイヤ幅方向外側に向かうに従い、少なくとも、内周側ベルト層の前記幅方向外端縁の幅方向位置まで厚くしてなる空気入りタイヤであって、
    前記クッションゴムを二種類以上のゴム部材で構成し、クッションゴムの、少なくとも、ベルト補強層の幅方向端部との接触域に、前記二種類以上のゴム部材のうち、相対的に弾性率の大きい高弾性ゴム部材を配設するとともに、クッションゴムの、前記高弾性ゴム部材の配設域以外の領域に、該高弾性ゴム部材より損失正接tanδの小さい低ロスゴム部材を配設してなる空気入りタイヤ。
  2. 前記層間ゴムの幅方向外端を、前記ベルト層の外周側に配設したトレッドゴムにより形成されるトレッド接地面のトレッド端の幅方向位置よりタイヤ幅方向内側に配置してなる、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記高弾性ゴム部材を、前記クッションゴムの、ベルト補強層の幅方向端部との前記接触域を含む径方向外側領域の全域にわたって配置し、該高弾性ゴム部材の、クッションゴムの全体に占める割合を30%〜50%としてなる、請求項1もしくは2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記クッションゴムの、ベルト補強層の幅方向端部との接触域および、該接触域から離隔するタイヤ幅方向外側の領域のそれぞれに、互いに弾性率の等しい二個の高弾性ゴム部材のそれぞれを配置して、クッションゴムの、前記接触域および、前記タイヤ幅方向外側の領域のそれぞれに位置する各高弾性ゴム部材の、クッションゴムの全体に占める割合を10%〜50%としてなる、請求項1もしくは2に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記層間ゴムの損失正接tanδを、前記クッションゴムの前記低ロスゴム部材の損失正接tanδ以上、かつ、前記高弾性ゴム部材の損失正接tanδ以下としてなる、請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記内周側ベルト層の幅方向端部と前記層間ゴムとの間に、該層間ゴムより弾性率の大きいゴム層を設けてなる、請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
JP2012026532A 2012-02-09 2012-02-09 空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP5965155B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012026532A JP5965155B2 (ja) 2012-02-09 2012-02-09 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012026532A JP5965155B2 (ja) 2012-02-09 2012-02-09 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013163419A true JP2013163419A (ja) 2013-08-22
JP5965155B2 JP5965155B2 (ja) 2016-08-03

Family

ID=49175077

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012026532A Expired - Fee Related JP5965155B2 (ja) 2012-02-09 2012-02-09 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5965155B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2016136802A1 (ja) * 2015-02-27 2017-09-21 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
KR20230007740A (ko) * 2021-07-06 2023-01-13 넥센타이어 주식회사 벨트 간 분리방지형 타이어

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01160708A (ja) * 1987-12-15 1989-06-23 Ohtsu Tire & Rubber Co Ltd :The 乗心地を改良した空気入りラジアルタイヤ
JP2000025413A (ja) * 1998-07-10 2000-01-25 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2000177316A (ja) * 1998-12-18 2000-06-27 Yokohama Rubber Co Ltd:The 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP2001121916A (ja) * 1999-10-27 2001-05-08 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2002502745A (ja) * 1998-02-05 2002-01-29 コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン−ミシュラン エ コムパニー 三角形クラウン補強体を備えたタイヤ
JP2002036815A (ja) * 2000-06-09 2002-02-06 Bridgestone Corp 大型車用のラジアルタイヤ
JP2002254903A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Bridgestone Corp ラジアルタイヤ
JP2005313837A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2009096856A (ja) * 2007-10-16 2009-05-07 Bridgestone Corp ゴム組成物及びそれを用いた重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP2011068215A (ja) * 2009-09-24 2011-04-07 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2012006628A (ja) * 2010-06-24 2012-01-12 Tadayori Terauchi 部材収容具

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01160708A (ja) * 1987-12-15 1989-06-23 Ohtsu Tire & Rubber Co Ltd :The 乗心地を改良した空気入りラジアルタイヤ
JP2002502745A (ja) * 1998-02-05 2002-01-29 コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン−ミシュラン エ コムパニー 三角形クラウン補強体を備えたタイヤ
JP2000025413A (ja) * 1998-07-10 2000-01-25 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2000177316A (ja) * 1998-12-18 2000-06-27 Yokohama Rubber Co Ltd:The 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP2001121916A (ja) * 1999-10-27 2001-05-08 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2002036815A (ja) * 2000-06-09 2002-02-06 Bridgestone Corp 大型車用のラジアルタイヤ
JP2002254903A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Bridgestone Corp ラジアルタイヤ
JP2005313837A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2009096856A (ja) * 2007-10-16 2009-05-07 Bridgestone Corp ゴム組成物及びそれを用いた重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP2011068215A (ja) * 2009-09-24 2011-04-07 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2012006628A (ja) * 2010-06-24 2012-01-12 Tadayori Terauchi 部材収容具

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2016136802A1 (ja) * 2015-02-27 2017-09-21 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
KR20230007740A (ko) * 2021-07-06 2023-01-13 넥센타이어 주식회사 벨트 간 분리방지형 타이어
KR102602875B1 (ko) 2021-07-06 2023-11-16 넥센타이어 주식회사 벨트 간 분리방지형 타이어

Also Published As

Publication number Publication date
JP5965155B2 (ja) 2016-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9630452B2 (en) Pneumatic tire
US8800624B2 (en) Pneumatic tire
JP5249843B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5639415B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5759134B2 (ja) 空気入りタイヤ
KR20130101528A (ko) 중하중용 공기 타이어
US9944128B2 (en) Pneumatic tire
JP2007045334A (ja) 重荷重用偏平空気入りラジアルタイヤ
WO2014103064A1 (ja) 空気入りタイヤ
US9950570B2 (en) Pneumatic tire
JP2011162023A (ja) 空気入りタイヤ
JP5965155B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2009184371A (ja) 空気入りタイヤ
JP2009255619A (ja) 空気入りタイヤ
JP4305632B2 (ja) 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP6077736B2 (ja) 空気入りタイヤ
US20160288573A1 (en) Continuous crown reinforcement for a pneumatic tire
JP4865274B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP5102062B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2009196601A (ja) 空気入りタイヤ
JP4959182B2 (ja) 航空機用ラジアルタイヤ
JP5612413B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2003205714A (ja) 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP5677730B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2016022858A (ja) 重荷重用タイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160701

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5965155

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees