以下、添付の図面に基づき本発明の実施形態を説明する。図1に示す遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、遊技盤2の縁に外側誘導レール3及び内側誘導レール4が略円形に配置され、前記外側誘導レール3及び内側誘導レール4によって区画された遊技領域6が前記遊技盤2上に設けられている。前記遊技領域6には遊技球を誘導する誘導釘Rが遊技盤2の表面に設けられている。また、遊技機1の前面側には、装飾ランプ等からなるランプ装置35、発射装置へ供給する遊技球と払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿36、該上側球受け皿36の満杯時に遊技球を受けるための下側球受け皿37、効果音等を発するスピーカ38、遊技者の発射操作に応じて遊技球を前記遊技領域6へ向けて弾発発射するための発射装置64、遊技者による操作可能な遊技操作スイッチ67が設けられている。
前記遊技操作スイッチ67は、遊技者が操作可能な操作手段に相当し、前記下側球受け皿37の手前側上面に設けられている。前記遊技操作スイッチ67は本実施例では、押下可能な押しボタンスイッチからなり、正しく操作されたことを検知する接点型のリミットセンサーが内蔵され、押下操作に対応した出力信号を出力可能にされている。前記押下式の遊技操作スイッチ67の操作には、押下によって操作状態とする入操作(ONにする操作)と、押下を解除して前記操作状態を解除する解除操作(OFFにする操作)とがある。なお、遊技操作スイッチ(操作手段)は、押下式のものに限られず、スライド式のものであったり、他の方式のものであってもよい。図1における符号W1は遊技機の外枠、W2は外枠W1に取り付けられた前枠、Gは前記前枠W2に開閉可能にヒンジで取り付けられたガラス枠である。以下、遊技機1の主要な部分について説明する。
前記遊技領域6には、中心線上の上部から下部に向かって順に表示装置10、上側始動入賞口41、下側始動入賞口42、大入賞口45、アウト口48が配置されている。前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42の左には左袖第一入賞口51と左袖第二入賞口52が配置され、また、大入賞口45の左右には左落とし入賞口53と右落とし入賞口54が配置されている。前記表示装置10の左には普通図柄変動開始用ゲート55、その下方には風車76が設けられている。一方、前記表示装置10の右には駆動物61が設けられている。前記上側始動入賞口41、下側始動入賞口42、大入賞口45、左袖第一入賞口51、左袖第二入賞口52、左落とし入賞口53、右落とし入賞口54は、遊技盤2に形成された遊技領域6内を流下する遊技球が入賞(入球)可能な複数の入賞装置に相当する。前記の各入賞口(入賞装置)に遊技球が入賞(入球)して入賞(入球)が検出されると1入賞球の検出に対して所定個数の賞品球(遊技球)が遊技者に払い出される。前記1入賞球の検出に対する賞品球の払出個数は、前記入賞口毎に設定されている。
前記表示装置10は、当否判定手段の判定結果(すなわち遊技の当否判定結果)を表示すると共に演出を表示する表示手段であり、本実施例では、演出動作が可能な第二演出部材に相当する。前記表示装置10は、図柄等の画像が表示可能なものであって、液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の画像表示装置からなり、本実施例では、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成されている。前記表示装置10は、当否判定手段による判定結果を表す複数の識別情報を変動パターンに従って所定時間変動表示した後に停止表示可能に構成され、停止表示された識別情報によって当否判定結果が報知される。複数の前記識別情報は、当否判定結果を識別可能なものであり、本実施例では特別図柄(判定図柄)で構成されている。
前記表示装置10では、左右に並ぶ左特別図柄(左判定図柄)と中特別図柄(中判定図柄)と右特別図柄(右判定図柄)がそれぞれ前記変動パターン(演出パターン)に従って変動表示し、所定時間変動表示した後、当否判定結果に基づき左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が確定停止特別図柄(確定停止判定図柄)として停止表示される。図1の符号Tzは特別図柄を示す。また、前記表示装置10では前記特別図柄の変動表示と共に、前記変動パターンに基づき、背景、キャラクター、文字等(音声や発光等も適宜含まれる)で構成される演出が表示可能となっている。前記変動パターンは、後述するように複数設けられ、複数の変動パターンから選択された変動パターンに基づいて特別図柄の変動及び演出が前記表示装置10で行われる。
本実施例において変動および停止表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄は、それぞれ『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11』の12通りの図柄とされている。本実施例では、遊技の当否判定結果が大当たりの場合には、前記表示装置10に大当たりの特別図柄組合せ、この例では『0,0,0』(いわゆる‘0’のぞろ目)や『1,1,1』(いわゆる‘1’のぞろ目)等、同一数字の組合せで特別図柄が停止表示される。大当たりの場合には、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される。なお、遊技の当否判定結果が外れの場合には、特別図柄が、ぞろ目以外の組み合わせで表示装置10に停止表示される。
また、本実施例では、前記表示装置10内の左下部には普通図柄表示装置50が組み込まれている。前記普通図柄表示装置50は、液晶、ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の表示装置からなる。本実施例の普通図柄表示装置50は、LED表示装置からなる。本実施例における普通図柄表示装置50に変動及び停止表示される普通図柄は『○』,『×』の2種類からなる。普通図柄当たりの場合には、前記普通図柄表示装置50に『○』の普通図柄が停止表示され、外れの場合には『×』が表示される。
前記駆動物61は、少なくとも第一位置と第二位置との間を変位可能な第一演出部材に相当し、本実施例では火炎武器からなり、前記表示装置(第二演出部材)10に重ならない略垂直上向きに格納された第一位置と、左側へ略90度回転して前記表示装置(第二演出部材)10上に先端側が出現(突出)した第二位置とを、前記遊技盤2の裏側に設けられた駆動源(モータ)により変位可能に構成されている。さらに、前記駆動物61は、前記第二位置で先端の蓋62が開くように構成されている。
前記上側始動入賞口41は、上方が開口した形状からなって遊技球が上方から入球(入賞)可能となっている。
一方、前記下側始動入賞口42は、2つの可動片42a,42bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で遊技球の入賞(入球)困難な閉状態(通常状態)と略V字形(逆ハの字形)の入賞可能な開状態間を変化可能に制御されている。前記下側始動入賞口42の可動片42a,42b間は入賞(入球)領域に相当する。前記下側始動入賞口42の開状態への移行は、前記普通図柄表示装置50で普通図柄が変動した後、普通図柄当たりを示す当たり普通図柄(本実施例では『○』)で確定停止表示された時に行われる。
また、前記遊技盤2の背面には、前記上側始動入賞口41に入賞(入球)した遊技球を検出する上側始動入賞口検出スイッチ(上側始動入賞口センサ)と、前記下側始動入賞口42へ入賞(入球)した遊技球を検出する下側始動入賞口検出スイッチ(下側始動入賞口センサ)がそれぞれの入賞球用通路に設けられている。本実施例において前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への遊技球の入賞(入球)検出は、乱数値の取得の起因および前記特別図柄の変動表示開始の起因とされ、さらには、本発明における判定条件の成立に設定されており、また、前記判定条件の成立に起因して当否判定手段により大当たりか否かが判定される。
前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42に入賞して前記上側始動入賞口検出スイッチ(上側始動入賞口センサ)、前記下側始動入賞口検出スイッチで検出された遊技球検出数(始動入賞口入賞球数)を予め設定された設定数まで特別図柄保留球数として記憶し、図柄の変動表示を一旦保留して順次図柄の変動表示が開始されることにより、あるいは当否判定結果の判定結果を表示する図柄が前記表示装置10で停止表示されることにより、記憶されている特別図柄保留球数の数を減らしている。前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42への入賞に対する記憶は、前記表示装置10で現在変動中の記憶を含まず、最大4個に設定されている。
なお、前記始動入賞口検出スイッチ(上側始動入賞口検出スイッチ、下側始動入賞口検出スイッチ)による遊技球検出数が最大個数まで記憶されている時には、前記始動入賞口検出スイッチがそれ以上入賞遊技球を検出しても、保留球数としては記憶されない無効球(オーバーフロー入賞球)とされ、その無効球については当否判定及び図柄の変動を行うことなく、入賞に対する賞球遊技球が所定数払い出される。
前記普通図柄変動開始用ゲート55は、前記遊技盤2の背面に設けられた普通図柄変動開始スイッチで普通図柄変動開始用ゲート55を通過する遊技球が検出されることに基づいて前記普通図柄表示装置50で普通図柄の変動を開始させるようになっている。また、前記普通図柄の変動表示中に、前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過することによって発生する普通図柄の変動を、前記普通図柄変動装置50における現在変動中の記憶を含めず最大4個普通図柄保留球数として記憶し、普通図柄の変動開始により普通図柄保留球数を減らすようになっている。
また、前記遊技盤2の背面には、前記左袖第一入賞口51の入賞球を検出する左袖第一入賞口用検出スイッチ、前記左袖第二入賞口52の入賞球を検出する左袖第二入賞口用検出スイッチ、前記左落とし入賞口53及び右落とし入賞口54の入賞球を検出する左落とし入賞口用検出スイッチ及び右落とし入賞口用検出スイッチが設けられている。
前記大入賞口45は、前記遊技盤2の背面に設けられた大入賞口開放用ソレノイドによって開閉する開閉板46を備えている。この大入賞口45は、通常は開閉板46が閉じた状態とされ、当否判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技(特別遊技)時に所定ラウンドとして本実施例では15ラウンド(15回)開放される。また、前記大入賞口45内には、大入賞口45に入賞した入賞球を検出する入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)が設けられている。
前記上側始動入賞口検出スイッチ、下側始動入賞口検出スイッチ、左袖第一入賞口用検出スイッチ、左袖第二入賞口用検出スイッチ、左落とし入賞口用検出スイッチ、右落とし入賞口用検出スイッチ、入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)は、入賞装置に入賞した遊技球を検出する入賞検出手段に相当する。
前記発射装置64は、操作レバー65の操作により駆動する発射モータを裏側に有し、該発射モータの駆動により遊技球を弾発発射するようになっている。前記発射装置64により発射された発射球は、前記遊技盤2の表面に立設された内側誘導レール4と外側誘導レール3間で構成される発射球誘導路を介して遊技領域6に誘導される。前記遊技領域6に誘導された遊技球は、転動しつつ下方へ落下し、前記各装置及び各入賞口に入賞するか、或いは何処にも入賞しなければ前記アウト口48から遊技盤2の裏側へ排出される。
前記遊技機1の裏側には、図2に示すように、複数の制御基板や装置等が設けられている。制御基板の主なものとして、主制御基板200、サブ制御基板205、表示制御基板210、音声制御基板220、払出制御基板240、電源基板250、発射制御基板260等がある。符号265は外部端子、281は払出装置、283は球無し検出スイッチ、289は球貯留タンク、291は球誘導樋である。271はRAMクリアスイッチ、272は電源スイッチである。なお各制御基板には制御回路が設けられている。また、各制御基板は、単独でまたは複数まとめてケースに収納された状態で遊技機1の裏側に配置されている。主な制御基板を、図3のブロック図を用いて簡略に示す。
主制御基板200は、遊技情報に従って遊技の進行を制御する制御装置に相当する。前記主制御基板200には、CPU、RAM、ROMおよび複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータを少なくとも備え、サブ制御基板205及び払出制御基板240と接続され、また中継回路を介して上側始動入賞口41、下側始動入賞口42及び大入賞口45等と接続されている。前記主制御基板200は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
前記主制御基板200におけるCPUは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ,各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、乱数値も生成し、また指令信号(制御信号あるいはコマンドとも称される)を接続されているサブ制御基板205や装置等へ出力(送信)可能に構成されている。また、前記主制御基板200のCPUは制御プログラムを実行して遊技情報に従って遊技に関わる主制御を行う。遊技情報は、当否判定に関する確率情報や、前記入賞装置への入賞情報や、払出情報、ラウンド状態、演出(例:表示(背景画像・演出画像)・音・発光)に関する情報等、遊技の進行に必要な情報である。
前記主制御基板200から出力される指令信号(コマンド)には、上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42への入賞時に出力される入賞コマンド、変動コマンド等がある。前記入賞コマンドには、前記表示装置10で特別図柄を停止表示させる大当たり判定結果データが少なくとも含まれる。前記変動コマンドには、前記表示装置10で特別図柄を変動表示させて演出を行う変動パターンのコマンドや図柄に関するコマンドが含まれる。前記主制御基板200から出力される指令信号には、その他、普通図柄当たりに関するデータ、電源投入時、異常時、大当たりラウンド時等のデータを挙げることができる。なお、主制御基板200が前記表示装置10の制御に関して出力する指令信号に基づいて、サブ制御基板205が前記表示装置10に表示する内容を設定する。
前記RAMは、前記上側始動入賞口検出スイッチ及び下側始動入賞口検出スイッチで検出された遊技球の特別図柄保留球数の記憶領域、普通図柄変動開始スイッチで検出された遊技球の普通図柄保留球数の記憶領域、CPUで生成される各種乱数値用の記憶領域、遊技に必要な遊技データ等の各種データを一時的に記憶する記憶領域や、遊技情報を記憶する記憶領域やフラグ、CPUの作業領域を備える。
前記ROMは、前記CPUのための制御プログラムや制御データ、前記表示装置での変動表示に関する変動パターンや図柄データ等が書き込まれている他、大当たり、普通図柄当たりの判定値等が書き込まれている。
サブ制御基板205は、前記主制御基板200と接続されて主制御基板200から指令信号を受信可能に構成されると共に、前記表示制御基板210と接続されて表示装置10を制御可能に構成されている。前記サブ制御基板205にはCPU、ROM、RAM、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、前記主制御基板200とを結ぶ入出力回路と、前記表示制御基板210、ランプ中継基板、前記音声制御基板220、及び前記遊技操作スイッチ67とを結ぶ入出力回路を備えている。前記サブ制御基板205は、前記主制御基板200と共に遊技の制御を行う制御手段に相当し、前記主制御基板200から出力された指令信号に従って遊技の制御を行う。本実施例ではサブ制御基板205はランプ制御基板を兼ねており、前記主制御基板200から出力された指令信号を受信し、受信した指令信号に基づいて、ランプ中継基板や表示制御基板210へ指令信号を出力している。前記主制御基板200からの指令信号には、前記表示装置10をサブ制御基板205が制御するための指令信号及び前記ランプ装置35に対するデータや信号、入賞コマンド、変動コマンド等が含まれ、それらの信号の内容に合わせて遊技の制御を行っている。また、前記サブ制御基板205のROMは制御用のプログラムやデータ定数、前記表示装置10で実行される変動パターンによる演出等や背景演出情報が記憶され、また前記RAMは各種データの記憶領域とCPUによる作業領域を有している。前記ランプ中継基板には装飾ランプ等のランプ装置35が接続され、前記サブ制御基板205からランプ中継基板に送信された指令信号によって、ランプ装置35の作動を制御する。前記サブ制御基板205は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
表示制御基板210は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータと、前記サブ制御基板205を結ぶ入力回路と前記表示装置10を結ぶ出力回路等で構成され、前記サブ制御基板205から送信された制御信号に基づいて、前記表示装置10における表示の制御を行う。前記表示制御基板210のROMには制御用のプログラムが記憶されている。前記表示制御基板210は、前記サブ制御基板205からの指令信号に基づき、表示制御御基板210のCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画像のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示装置10に出力される。
音声制御基板220は、前記サブ制御基板205から出力される信号により音声信号を合成し、アンプに出力する。アンプは音声信号を増幅してスピーカ38に出力する。
払出制御基板240は、遊技球の払出を制御する払出制御手段に相当し、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータを有する。前記払出制御基板240は前記主制御基板200と電気的接続手段で接続され、前記主制御基板200から出力される指令信号を受信して払出装置281を制御する。前記払出制御基板240は電源基板250から供給される電源によって作動する。前記払出制御基板240のROMには制御用のプログラムが記憶されている。前記払出制御基板240のRAMは、種々の入賞口(入賞装置)への入賞検出に基づき前記払出装置281により払い出される賞品球(遊技球)の払出個数を、1入賞球の検出に対する払出個数毎に記憶可能となっている。
前記払出装置281は、払出モータの駆動によって回転する払出スクリューを備え、前記球誘導樋291から誘導されてきて払出装置281に至った遊技球を払出スクリューの羽根部分に乗せて払出スクリューが回転することにより徐々に下方へ移動させて遊技球の払い出し行うように構成されている。前記球誘導樋291と払出装置281の間における遊技球の流路に遊技球の存否を検出する前記球無しセンサ283が設けられている。前記払出装置281の球出口には、前記払出装置281から払い出された遊技球を検出する払出センサが設けられている。
電源基板250は、遊技機1の外部より供給される主電源から遊技機1に適する所定電圧の遊技機用電源を生成して主制御基板(遊技制御装置)200やサブ制御基板205、払出制御基板240等に供給するものであり、電源装置に相当する。前記主電源は、遊技店側で所要の電圧、本実施例では直流(AC)24Vに変換されて供給される。
発射制御基板260は、前記発射装置64における発射モータの制御を行う。
前記主制御基板200に設けられる乱数用カウンタとして、大当たり乱数用カウンタ、大当たり図柄乱数用カウンタ、リーチ乱数用カウンタ、特別図柄データ乱数用カウンタ、変動パターン乱数用カウンタ、普通図柄乱数用カウンタ等がある。
大当たり乱数用カウンタは、当否判定手段による大当たりの判定に用いられ、‘0’〜‘629’の乱数からなる。前記大当たり乱数用カウンタの乱数(大当たり乱数)は、遊技機の電源投入時に
‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1加算され、‘629’に至ると次には‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。大当たり乱数値は前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞に起因して取得され、その取得値が低確率(2/630(1/315))状態時には大当たり成立数値として設定されている‘3’,‘397’の何れかと一致すれば大当たりとなり、一方高確率(12/630(6/315))状態時には、大当たり成立数値として設定されている‘3’,‘33’‘53’,‘59’,‘113’,‘173’,‘227’,‘281’,‘337’,‘397’,‘449’,‘503’の何れかと一致すれば大当たりとなる。
大当たり図柄乱数用カウンタは、大当たりの当否判定結果が大当たりの場合に前記表示装置10に確定停止する大当たり図柄組合せを決定するものであり、‘0’〜‘11’の乱数からなる。この大当たり図柄乱数は、電源投入時に‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1加算され、‘11’に至ると次には‘0’に戻って再び前記加算を繰り返すようになっている。大当たり図柄乱数は前記上側始動入賞口41又は下側始動入賞口42への入賞に起因して取得される。前記大当たり図柄乱数には、当否判定結果が大当たりの場合に、前記表示装置10で停止表示される大当たり図柄組合せが割り当てられている。本実施例では、大当たり図柄乱数が‘0’の場合には大当たり図柄組合せが‘0,0,0’となる0のぞろ目(全図柄同一)、‘1’の場合には大当たり図柄組合せが『1,1,1』となる1のぞろ目(全図柄同一)、‘2’の場合には『2,2,2』となる2のぞろ目、‘3’の場合には『3,3,3』となる3のぞろ目、‘4’の場合には『4,4,4』となる4のぞろ目、‘5’の場合には『5,5,5』となる5のぞろ目、‘6’の場合には『6,6,6』となる6のぞろ目、‘7’の場合には『7,7,7』となる7のぞろ目、‘8’の場合には『8,8,8』となる8のぞろ目、‘9’の場合には『9,9,9』となる9のぞろ目、‘10’の場合には『10,10,10』となる10のぞろ目、‘11’の場合には『11,11,11』からなる大当たり図柄組合せが割り当てられている。
また、本実施例では、前記大当たり図柄乱数は、大当たりの場合に確変の決定にも用いられる。
確変(確変大当たり)の場合には、大当たり遊技(特別遊技)の終了後、次に大当たりの当否判定によって大当たりと判定されるまで、大当たりの確率が前記高確率状態(確変状態)とされる。なお確変ではない通常大当たり場合には、大当たり遊技(特別遊技)の終了後、次に大当たりの当否判定によって大当たりと判定されるまで、大当たりの確率が前記低確率状態(通常状態)とされる。本実施例では、当否判定結果が大当たりであって前記大当たり図柄乱数が‘1’、‘3’、‘5’、‘7’、‘9’、‘11’の何れかの奇数の場合に、すなわち前記表示装置10に停止表示される大当たり図柄の組み合わせが『1,1,1』、『3,3,3』、『5,5,5』、『7,7,7』、『9,9,9』、『11,11,11』の何れかの奇数の組み合わせ(奇数のぞろ目)の場合に高確率状態(確変状態)となる。一方、当否判定結果が大当たりであって前記大当たり図柄乱数が‘0’、‘2’、‘4’、‘6’、‘8’、‘10’の何れかの偶数の場合に、すなわち前記表示装置10に停止表示される大当たり図柄の組み合わせが『0,0,0』、『2,2,2』、『4,4,4』、『6,6,6』、『8,8,8』、『10,10,10』の何れかの偶数の組み合わせ(偶数のぞろ目)の場合に低確率状態(通常状態)となる。
また、確変(高確率)状態になると、前記当否判定における大当たりの確率が前記高確率(確変)状態(6/315の確率)になると共に前記下側始動入賞口42の開放(拡開)時間が、低確率(通常)状態の1秒から2秒に長くなり、かつ前記下側始動入賞口42の開放(拡開)回数が低確率(通常)状態の1回から3回に増え、さらに、普通図柄当たりの確率が低確率(通常)状態の1/300から1/5に増加する。
リーチ乱数用カウンタは、前記大当たり乱数値による大当たりの当否判定結果が外れとなる場合において、リーチ状態を経るか否かを決めるリーチ有無決定用のものであり、‘0’〜‘126’の乱数からなる。本実施例におけるリーチ状態は、前記表示装置10で変動停止表示される左特別図柄、中特別図柄及び右特別図柄のうち、最後に停止表示される特別図柄(例えば中特別図柄)を除いて他の特別図柄(例えば左特別図柄と右特別図柄)が同一となる状態(最終停止図柄を除いて大当たりの特別図柄組合せと等しくなる状態であり、最終的に大当たりの特別図柄組合せとなる場合と外れの特別図柄組合せとなる場合が含まれる状態)をいう。このリーチ乱数用カウンタの乱数(リーチ乱数)は、遊技機1の電源投入時に、‘0’から始まり、後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1ずつ加算され、数値が‘126’に至ると、次に‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。リーチ乱数は、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞に起因して取得され、当否判定結果が外れの場合に、その数値が予め決定されているリーチ成立数値と対比されてリーチ有無が判断される。本実施例ではリーチ成立数値は、‘5’,‘17’,‘28’,‘40’,‘51’,‘63’,‘74’,‘86’,‘97’,‘109’,‘120’に設定されている。
特別図柄データ乱数用カウンタは、前記大当たり乱数値による大当たり判定結果が外れとなる場合において、前記表示装置10に停止表示する外れの特別図柄組合せの決定に用いられるものであり、前記表示装置10に停止表示する左特別図柄を決定する特別図柄データ1の乱数用カウンタと、中特別図柄を決定する特別図柄データ2の乱数用カウンタと、右特別図柄を決定する特別図柄データ3の乱数用カウンタとより構成され、各特別図柄データ乱数用カウンタは、‘0’〜‘11’の乱数からなる。
前記特別図柄データ1の乱数は、電源投入時に、‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに
‘1’ずつ加算され、‘11’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。また、前記特別図柄データ2の乱数は、電源投入時に‘0’から始まって、前記特別図柄データ1の乱数が‘0’に書き換えられる際に‘1’ずつ加算され、‘11’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。さらに、前記特別図柄データ3の乱数は、電源投入時あるいはリセット処理後に‘0’から始まって、前記特別図柄データ2の乱数が‘0’に書き換えられる際に‘1’ずつ加算され、‘11’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。これによって、特別図柄データ1〜3の乱数範囲が同一であっても、当該特別図柄データ1〜3の乱数が同期(同一の組合せで加算)するのを避けることができる。
前記特別図柄データ1〜3の各乱数は‘0’の場合には1、‘1’の場合には2、‘2’の場合には3というように、当否判定結果の外れ時に前記表示装置10に停止表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄からなる識別情報が割り当てられている。前記特別図柄データ1〜3の乱数は、前記上側始動入賞口41又は下側始動入賞口42への入賞に起因して取得され、取得した特別図柄データ1〜3の乱数の組合せによって、外れ時に前記表示装置10に表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄からなる識別情報が定まる。
変動パターン乱数用カウンタは、前記表示装置10における特別図柄の変動パターンを変動パターンテーブルから選択する際に用いられるものであり、‘0’〜‘198’の変動パターン乱数を備える。この変動パターン乱数値は、遊技機1の電源投入時に、‘0’から始まり、後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1ずつ加算され、数値が‘198’に至ると、次に‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。前記変動パターン乱数値は、前記上側始動入賞口41あるいは下側側始動入賞口42への入賞に起因して取得される。
前記変動パターンテーブルは複数設けられている。各変動パターンテーブルは、前記表示装置10に表示する特別図柄の変動パターンの複数で構成されており、前記主制御基板200のROMに記憶されている。前記変動パターンテーブルの選択は、本実施例では、遊技状態が確変状態あるいは通常状態の何れか、及び当否判定結果が当たりか外れか、さらにはリーチ状態有りか無しかに応じて選択された変動パターンテーブルから、変動パターン乱数値に基づいて1つの変動パターンが選択される。各変動パターンには変動パターン乱数値が割り当てられており、取得した変動パターン乱数値と対応する変動パターンが選択される。各変動パターンには変動時間が設定されており、設定された変動時間に合わせて前記表示装置10に表示する特別図柄の変動・停止の表示態様(特別図柄の変動時間を含む)及び特別図柄の変動中あるいは停止後に表示する背景やキャラクタ、文字等の演出態様等が定められるように構成されている。さらに本実施例では、複数の変動パターンには前記遊技操作スイッチ(操作手段)の操作により前記駆動物(第一演出部材)61の変位及び前記表示装置(第二演出部材)10による演出動作が行われる操作演出有りの変動パターン(操作演出変動パターン)と、前記遊技操作スイッチ(操作手段)の操作による前記駆動物(第一演出部材)61の変位及び前記表示装置(第二演出部材)の演出動作が行われない操作演出無し変動パターン(通常変動パターン)とが含まれている。
本実施例では複数の変動パターンテーブルとして、図29に示すように、通常当たり変動パターンテーブル、通常リーチハズレ変動パターンテーブル、通常ハズレ変動パターンテーブル、確変当たり変動パターンテーブル、確変リーチハズレ変動パターンテーブル、確変ハズレ変動パターンテーブルからなる六種類のテーブルが設けられている。
通常当たり変動パターンテーブルは、通常状態(低確率状態)において大当たりとなる場合に選択される変動パターンテーブルであり、通常リーチハズレ変動パターンテーブルは、通常状態(低確率状態)においてリーチ状態を経てハズレとなる場合に選択される変動パターンテーブルであり、通常ハズレ変動パターンテーブルは、通常状態(低確率状態)においてリーチ状態を経ることなくハズレとなる場合に選択される変動パターンテーブルである。
一方、確変当たり変動パターンテーブルは、確変状態(高確率状態)において大当たりとなる場合に選択される変動パターンテーブルであり、確変リーチハズレ変動パターンテーブルは、確変状態(高確率状態)においてリーチ状態を経てハズレとなる場合に選択される変動パターンテーブルであり、確変ハズレ変動パターンテーブルは、確変状態(高確率状態)においてリーチ状態を経ることなくハズレとなる場合に選択される変動パターンテーブルである。
各テーブルには複数の変動パターンが設けられている。通常当たり変動パターンテーブルには変動パターン1と2、通常リーチハズレ変動パターンテーブルには変動パターン3〜5、通常ハズレ変動パターンテーブルには変動パターン6〜8、確変当たり変動パターンテーブルには変動パターン9と10、確変リーチハズレ変動パターンテーブルには変動パターン11〜13、確変ハズレ変動パターンテーブルには変動パターン14〜16が設けられている。各変動パターンには変動時間が設定され、かつ変動パターン乱数値が割り当てられている。各テーブルからの変動パターンの選択は、取得された変動パターン乱数値が読み出されてテーブルに設定されている変動パターン乱数値と対比され、一致する変動パターン乱数値が割り当てられている変動パターンが選択される。
前記変動パターン1〜16のうち、通常当たり変動パターンテーブルから選択される変動パターン1、通常リーチハズレ変動パターンテーブルから選択される変動パターン3、確変当たり変動パターンテーブルから選択される変動パターン9、確変リーチハズレ変動パターンテーブルから選択される変動パターン11、確変ハズレ変動パターンテーブルから選択される変動パターン11は操作演出有りの変動パターン(操作演出変動パターン)に設定され、他の変動パターンは操作演出無し変動パターン(通常変動パターン)に設定されている。
取得された大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値については、それぞれ最大4個、前記主制御基板200のRAMにおける該当領域に前記保留球数と対応させて格納され、順次使用される。
普通図柄乱数用カウンタは、普通図柄当たりを判定するもので、‘0’〜‘299’の普通図柄乱数を有し、遊技機1の電源投入時に、‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに
‘1’ずつ加算され、‘299’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。この普通図柄乱数は、前記普通図柄変動開始用ゲート55を通過した遊技球を前記普通図柄変動開始スイッチで検出するごとに取得され、最大4個まで前記主制御基板200のRAMの普通図柄乱数値記憶領域に格納される。前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過することに起因して取得された普通図柄乱数の値が、低確率状態時には普通図柄当たり成立数値として設定されている‘5’(1/300の確率)と一致すれば普通図柄当たりとなり、一方、確変(高確率)状態時には普通図柄当たり成立数値として設定されている‘0’〜‘59’(1/5)の確率)と一致すれば普通図柄当たりとなる。普通図柄当たりの場合には『○』を普通図柄表示装置50に表示し、前記下側始動入賞口42を前記確変状態中か否かに対応した開放回数及び開放時間開放し、一方、取得した普通図柄乱数値が普通図柄当たり成立数値と一致しない場合には、普通図柄外れとなって『×』を普通図柄表示装置50に表示し、前記下側始動入賞口42を入賞の困難な状態のままとする。
前記遊技機1の遊技を簡略に説明する。前記遊技機1では、遊技領域6へ向けて発射装置64により発射された遊技球が、前記種々の入賞口に入賞すると入賞口に応じた所定数の遊技球が賞球として前記払出装置281から上側球受け皿36に払い出される。また、前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過すると、普通図柄乱数が取得され、その取得乱数値に基づいて普通図柄当たりの判定が行われると共に、前記普通図柄表示装置50で普通図柄が変動を開始し、所定時間変動後に停止する。その際、普通図柄当たりの判定結果が当たりの場合には、当たり普通図柄、この例では『○』で停止し、前記下側始動入賞口42の2つの可動片42a,42bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で入賞困難な閉状態(通常状態)から略V字形(逆ハの字形)の入賞可能な開状態に変化する。なお、前記確変状態の場合に普通図柄当たりになると、前記下側始動入賞口42について2秒の開放が3回行われ、一方、低確率状態の場合に普通図柄当たりになると、1秒の開放が1回行われる。前記下側始動入賞口42に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。
また、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42に遊技球が入賞すると、特別図柄保留球数が4未満であれば、特別図柄保留球数を1加算して、大当たり乱数値及び大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値等の乱数値を取得し、前記主制御基板200のRAMに、最大4となるまで記憶される。そして、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄保留球数が1以上であれば先に取得された大当たり乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われると共に、当否判定結果及び変動パターン乱数値に基づいて変動パターンテーブルから1つの変動パターンが選択される。そして選択された変動パターンに基づいて前記表示装置10で特別図柄の変動表示を含む演出が開始される。前記特別図柄保留球数は、本実施例では前記当否判定結果に基づく特別図柄の変動表示が行われることにより前記主制御基板200のRAMから1減算される。なお、主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄保留球数が0の場合には、その後に前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42に遊技球が入賞して、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄保留球数が1以上となるまで、前記当否判定及び特別図柄の変動表示が行われない。
選択された変動パターンに設定されている変動時間の経過(変動時間の終了)により、前記表示装置10で特別図柄が停止表示される。遊技の当否判定結果が外れの場合には前記表示装置10に左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が外れ図柄組み合わせ(ぞろ目以外の状態)で停止し、大当たり遊技(特別遊技)に移行することがない。そして、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄保留球数が1以上であれば、再び前記と同様に大当たり乱数値等が取得され、取得された大当たり乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われると共に、当否判定結果リーチ有無及び変動パターン乱数値に基づいて変動パターンテーブルから1つの変動パターンが選択され、選択された変動パターンに基づいて前記表示装置10で特別図柄の変動表示を含む演出が行わる。
一方、当否判定結果が大当たりの場合には、前記表示装置10に左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が大当たり図柄組み合わせ(本実施例ではぞろ目)で停止し、大当たり遊技(特別遊技)に移行する。
また、本実施例では、選択された変動パターンが前記操作演出有りの変動パターン(操作演出変動パターン)の場合、前記駆動物61の変位と同期した前記表示装置10の演出が次のように実行される。まず、前記表示装置10の略中央で前記特別図柄Tzが変動を開始した後、図27の(27−A)に示すように、特別図柄Tzの変動表示が表示装置10の右下に移動すると共に遊技者に前記遊技操作スイッチ(操作手段)67の入操作(押下)を促す「ボタンを長押ししてね」というメッセージが表示される。この時点では、前記駆動物(第一演出部材)61は、前記表示装置(第二演出部材)10に重ならない略垂直上向きに格納された第一位置に位置する。
遊技者が前記遊技操作スイッチ67を押下する入操作を行うと、図27の(27−B)に示すように、前記駆動物61が第一位置から左側へ略90度回転して先端側が前記表示装置10上に出現(突出)する第二位置へ変位し、次に前記駆動物61の蓋62が開く。また、本実施例では、前記遊技操作スイッチ67が入操作とされてから前記駆動物(第一演出部材)61が前記第一位置から前記第二位置へ到達するまでの想定時間が予め設定されており、前記入操作から前記想定時間が経過した後に前記遊技操作スイッチ67の入操作継続時間の計測及び前記表示装置(第二演出部材)10の演出動作が開始される開始タイミングがそれぞれ設定されている。本実施例では、前記遊技操作スイッチ67の入操作継続時間の計測開始タイミング及び前記表示装置(第二演出部材)10の演出動作開始タイミングは、何れも前記想定時間経過した時点となっている。すなわち、第一演出部材が第一位置で入状態にすると変位して第二位置まで移動する想定時間を計測しており、想定時間に達した時点で第二位置にあると判断して、第二演出部材の入操作継続時間の計測及び表示装置(第二演出部材)10の演出動作が開始される。なお、想定時間は第二位置に変位した時点に限るものではなく、第二演出部材の演出動作に応じて第二位置に位置してから所定期間経過した時点でもよいし、第二位置に位置する手前でもよい。以上より、第二位置で検知する検知する検知スイッチやその検知を処理する検知処理などを設けなくすることが可能である。ただし、検知スイッチを設けて誤差をより無くしてもよい。
前記第二位置で前記駆動物61の蓋62が開くと共に、前記表示装置10では第一段階の演出動作71が実行される。例えば、前記表示装置(第二演出部材)10において、怪獣が現れて動き回り、前記駆動部61の蓋62が開いた部分と対応する位置から怪獣に向けて炎63を噴射する動画からなる第一段階の演出動作が行われる。その際、前記駆動物61が第二位置へ変位した時点(前記想定時間が経過した時点)から前記遊技操作スイッチ67の入操作継続時間が計測される。遊技者がさらに前記遊技操作スイッチ67を押下し続けて入操作状態を継続させ、入操作継続時間が第一段階の操作継続判定時間に到達すると、図27の(27−C)に示すように、前記駆動部物(第一演出部材)61を第二位置に位置させた状態で、前記表示装置(第二演出部材)10の表示がそれまでの第一段階の演出動作から第二段階の演出動作72に変化して実行される。例えば、前記表示装置(第二演出部材)10において、前記怪獣が暴れだし、怪獣へ向けて噴射されている前記炎63が大きくなる動画からなる第二段階の演出動作に変化する。
また、前記遊技操作スイッチ67の押下を解除すると、すなわち操作状態を解除する解除操作を行うと、それまでの入操作継続時間が記憶され、図27の(27−D)に示すように、前記表示装置(第二演出部材)10における演出動作の段階的な変化が現在の段階で停止すると共に、前記駆動物61が右側へ略90度回転して前記表示装置(第二演出部材)10に重ならない略垂直上向きに格納された第一位置に変位し、前記蓋62が閉じられる。例えば、図示の例において、第二段階の演出動作中に前記遊技操作スイッチ67の解除操作が行われると、前記表示装置10では前記怪獣が暴れる動画の演出動作が続けられる。そして、前記表示装置10には再び、遊技者に前記遊技操作スイッチ(操作手段)67の入操作(押下)を促す「ボタンを長押ししてね」というメッセージが表示される。なお、本実施例では、演出動作の段階的な変化が現在の段階で停止する構成であるが、例えば一端中断したり、中止したり、あるいは画像を消去したり、逆に戻っていく、すなわち、先に進まない構成、これを称して、本願発明の「演出動作の段階的な変化を少なくとも進行させない」ということを意味する。
その後、再び、遊技者が前記遊技操作スイッチ67を押下して入操作を行うと、図27の(27−E)に示すように、前記駆動物61が第一位置から左側へ略90度回転して前記表示装置10上に先端側が出現(突出)する第二位置へ変位し、次に前記駆動物61の蓋62が開く。それと共に、前記表示装置10の演出動作は、記憶されている前記入操作継続時間に対応する段階の演出動作、例えば前記第二段階の演出動作72における怪獣が暴れ、炎63を噴射する演出動作から再開される。そして、前記遊技操作スイッチ67の入操作継続時間に対する計測が、記憶されている入操作継続時間から再開されて累積(加算)される。
さらに遊技者が前記遊技操作スイッチ67を押下し続けて入操作状態を継続させ、入操作継続時間が第二段階の操作継続判定時間に到達すると、図27の(27−F)に示すように、前記駆動部物(第一演出部材)61を第二位置に位置させた状態で、前記表示装置(第二演出部材)10の表示がそれまでの第二段階の演出動作72から第三段階の演出動作73に変化して実行される。例えば、前記表示装置(第二演出部材)10において、暴れている怪獣へ向けて噴射されている前記炎63がさらに大きくなって怪獣が倒れる動画からなる第三段階の演出動作73に変化する。その後、予め設定されている演出終了時間になると、前記表示装置10での演出動作が終了し、前記駆動部物(第一演出部材)61が第一位置へ戻って前記蓋62が閉じられ、前記表示装置10の中央部で前記特別図柄Tzが停止表示され、大当たりの当否判定結果が報知される。
また、前記駆動物61が前記第一位置と第二位置間を変位している最中に、前記遊技操作スイッチ67が操作された場合、前記遊技操作スイッチ67の操作が無効とされ、前記駆動物61の変位及び前記表示装置10の演出動作は影響を受けることがない。すなわち、第一演出部材が第一位置と第二位置の間を変位中に操作手段が操作された場合に操作を第一演出部材に影響を与えないとは、第一演出部材の変位中に操作手段の操作が行われたとしても変位の動きが予め定められた変位を変更しないことを意味する。例えば、第一位置から第二位置に変位しているときに、操作手段の操作を行っても、その変位が逆になることや停止するなどのことがない。
図28に前記遊技操作スイッチ(操作手段)67の操作、前記駆動物(第一演出部材)61の変位、前記表示装置(第二演出部材)10における演出動作、入操作継続時間に関するタイムチャートを示す。図28における遊技操作スイッチ入力の「ON」は押下(入操作)されている状態を示し、一方「OFF」は、押下されていない解除状態を示す。駆動位置の「出現」は、前記駆動物(第一演出部材)61が第一位置に位置する状態を示し、一方「格納」は第二位置に位置する状態を示す。駆動動作中フラグの「動作中」は、前記駆動物(第一演出部材)61が駆動(作動)している状態を示し、一方「停止中」は、駆動(作動)を停止している状態を示す。表示装置演出の「進行中」は、前記表示装置(第二演出部材)10で演出動作を進行している状態を示し、一方、「停止中」は、演出動作の進行を停止している状態を示す。押下時間加算の「ON」は、前記入操作継続時間(押下時間)を累積(加算)している状態を示し、一方「OFF」は前記入操作継続時間(押下時間)の累積(加算)を停止している状態を示す。
また、本実施例では、操作継続判定時間は、前記駆動物(第一演出部材)61が第二位置となった状態での前記遊技操作スイッチ(操作手段)61の入操作継続時間であり、第一段階の操作継続判定時間が5秒に設定されると共に第二段階の操作継続判定時間が10秒に設定され、図28の下部に示すとおり、前記駆動物(第一演出部材)61が第二位置の状態で、押下時間(入操作継続時間)が5秒(第一段階の操作継続判定時間)に到達するまでは、前記表示装置(第二演出部材)10による演出動作が第一段階(SU1)で実行され、押下時間(入操作継続時間)が5秒(第一段階の操作継続判定時間)に到達すると第二段階の演出動作に変化し、押下時間(入操作継続時間)が10秒(第二段階の操作継続判定時間)に到達するまで第二段階の演出動作が実行される。そして、押下時間(入操作継続時間)が10秒(第一段階の操作継続判定時間)に到達すると第三段階の演出動作に変化して実行される。
なお、本実施例では、前記遊技操作スイッチ67の押下時間(入操作継続時間)が10秒(第二段階の操作継続判定時間)に到達して前記表示装置(第二演出部材)10による演出動作が第三段階に変化した時点で、前記遊技操作スイッチ67の押下有無の検出が終了するように構成され、その後は、予め設定されている演出時間となるまで前記押下時間(入操作継続時間)が加算(累積)され、前記押下時間(入操作継続時間)が、予め設定されている演出終了時間に到達した時点で前記表示装置(第二演出部材)10による演出動作が終了すると共に、前記駆動物(第一演出部材)61が第二位置から第一位置へ変位して格納される。また、前記遊技操作スイッチ67の押下時間(入操作継続時間)の加算(累積)が終了し、リセットされる。
一方、選択された変動パターンが前記操作演出無しの変動パターンの場合、前記駆動物61は前記第一位置に維持されて変位せず、かつ前記表示装置10では前記駆動物61の変位と同期した演出動作が実行されることなく、特別図柄Tzの変動が実行される。
前記大当たり遊技(特別遊技)状態になると、前記大入賞口45の開閉板46が開いて遊技領域6の表面を落下してくる遊技球を受け止め易くして、大入賞口45へ入賞可能にし、該大入賞口45への入賞があると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。前記開閉板46は、所定時間(例えば15秒)経過後、或いは入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じるようにされ、15ラウンド、前記開閉板46の開閉を繰り返す。
大当たり遊技(特別遊技)の終了後、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄保留球数が1以上であれば、再び前記と同様に取得された大当たり乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われると共に、当否判定結果及び変動パターン乱数値に基づいて変動パターンテーブルから1つの変動パターンが選択され、選択された変動パターンに基づいて前記表示装置10で特別図柄の変動表示を含む演出が行われる。
一方、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄保留球数が0の場合には、その後に前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42に遊技球が入賞して、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄保留球数が一旦1以上となるまで、前記当否判定及び特別図柄の変動表示が行われない。
また、本実施例では、前記表示装置10に『0,0,0』、『2,2,2』、『4,4,4』等の偶数のぞろ目からなる通常大当たり図柄組み合わせで特別図柄が停止表示されると通常大当たりとなり、大当たり遊技(特別遊技)の終了後、次に大当たりとなるまで、大当たりの確率が低確率(本実施例では(2/630(1/315))とされる。一方、前記表示装置10に『1,1,1』、『3,3,3』、『5,5,5』等の奇数のぞろ目からなる大当たり図柄組み合わせで特別図柄が停止表示されると確変大当たりとなり、大当たり遊技(特別遊技)の終了後、次に大当たりとなるまで、大当たりの確率が高確率(本実施例では(12/630(6/315))に設定され、さらに、前記下側始動入賞口42の開放(拡開)時間が、低確率(通常)状態の1秒から2秒に長くなり、かつ前記下側始動入賞口42の開放(拡開)回数が低確率(通常)状態の1回から3回に増え、さらに、普通図柄当たりの確率が低確率(通常)状態の1/300から1/5に増加する。
以下に遊技機1における制御処理を説明する。前記主制御基板200の制御回路に設けられる主なフラグとして、本実施例では大当たりフラグ、大当たり終了フラグ、確変フラグ等が挙げられる。これらのフラグは、初期設定時には全てOFF(=0)にされる。
前記主制御基板200では、前記ROMに記憶されている制御プログラム(主制御手順)に従い前記CPUがメイン処理Mを行う。図4はメイン処理Mのフローチャートである。前記主制御基板200が行う処理は主制御手順の処理に相当する。
メイン処理Mでは、CPU等の初期設定処理(S10)、割り込み禁止処理(S20)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S30)、割り込み許可処理(S40)が行われ、最終処理においてループ処理が行われている間に4ms毎に割り込み処理(S100)が実行される。
CPU等の初期設定処理(S10)では、スタックの設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTCの設定等が行われる。メイン処理Mは繰り返し行われるが、CPU等の初期設定処理(S10)については、電源投入時のみに必要な初期制御手順であり、最初の1巡目のみに実行され、その後は実行されないが、周知であるので詳細は省略する。
割り込み禁止処理(S20)では、4msecごとに割り込み処理(S100)が入ってきても、割り込み許可となるまで、割り込みを禁止する。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S30)では、種々の乱数が普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S30)ごとに加算され、前記のように各乱数の更新範囲上限値に至ると次に最低値に戻って再び加算が行われる。更新された乱数は前記主制御基板200のRAMに記憶される。割り込み許可処理(S40)では、4msecごとに入ってくる割り込み処理(S100)に対して許可をする。
割り込み処理(S100)では、図5に示すように、出力処理(S101)、入力処理(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)、始動入賞口検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、保留球数処理(S107)、その他の処理(S108)が順に行われる。
出力処理(S101)では、各処理で設定された出力用のコマンド(指令信号)が各制御基板に送信される。
入力処理(S102)では、遊技機1に取り付けられている各種センサ(スイッチ)が検知した場合の信号入力が行われる。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、前記メイン処理Mにおけるループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S30)と同様の処理が行われる。
始動入賞口検出処理(S104)では、図6に示すように、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞が検出されたか判断され(S104−1)、入賞が検出されていない場合には前記普通図柄変動開始用ゲート55への遊技球通過が検出されたか判断される(S104−2)。ゲート55への遊技球通過が検出されていない場合には、この始動入賞口検出処理(S104)が終了する。一方、ゲート55への遊技球通過が検出された場合には、前記普通図柄保留球数が4以上か判断され(S104−3)、4以上の場合にはこの始動入賞口検出処理(S104)が終了する。一方、前記普通図柄保留球数が4未満であれば普通図柄保留球数に1加算され(S104−4)、普通図柄乱数値が取得され、取得した普通図柄乱数値が主制御基板200のRAMにおける対応する領域に記憶され(S104−5)。この始動入賞口検出処理(S104)が終了する。
前記S104−1で前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞が検出されたと判断されると、前記特別図柄保留球数が4以上か判断され(S104−6)、4以上の場合にはこの始動入賞口検出処理(S104)が終了する。一方、前記特別図柄保留球数が4未満であれば、特別図柄保留球数に1加算され(S104−7)、大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値等の特別図柄関係乱数を取得して主制御基板200のRAMの対応する領域に記憶する特別図柄関係乱数取得処理が行われ(S104−8)、この始動入賞口検出処理(S104)が終了する。
普通動作処理(S105)では、図7に示すように、まず前記下側始動入賞口42が開放中か確認される(S105−1)。前記下側始動入賞口42が閉鎖中であれば、普通図柄保留球数が0か確認され(S105−2)、0であればこの普通動作処理(S105)が終了する。一方、普通図柄保留球数が0では無い場合には、前記始動入賞口検出処理(S104)の普通図柄乱数取得処理(S104−5)で取得されて主制御基板200のRAMに記憶されている取得普通図柄乱数値が読み出され(S105−3)、現在確変中(確変フラグがON)か確認される(S105−4)。確変中ではない場合、前記取得普通図柄乱数値が低確率状態の普通図柄当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には低確率状態での普通図柄当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S105−5)。外れの場合には、この普通動作処理(S105)が終了し、一方、普通図柄当たりの場合には、下側始動入賞口42を開放時間1秒、開放回数1回で開放する始動入賞口開放処理1が行われ(S105−6)、その後にこの普通動作処理(S105)が終了する。それに対して、S105−4で確変中と判断されると、前記取得普通図柄乱数値が高確率状態の普通図柄たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には高確率状態での普通図柄当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S105−7)。外れの場合には、この普通動作処理(S105)が終了し、一方、普通図柄当たりの場合には、下側始動入賞口42を開放時間2秒、開放回数3回で開放する始動入賞口開放処理2が行われ(S105−8)、その後にこの普通動作処理(S105)が終了する。
また、S105−1で下側始動入賞口42が開放中と判断されると、下側始動入賞口42の開放時間が経過(終了)したか確認され(S105−9)、始動入賞口開放時間が経過していない場合には、この普通動作処理(S105)が終了し、一方、始動入賞口開放時間が経過した場合には、下側始動入賞口42を閉鎖する処理が行われ(S105−10)、その後にこの普通動作処理(S105)が終了する。
特別動作処理(S106)では、図8に示すように、特別動作ステータスが1〜4の何れであるか判断される(S106−1〜S106−3)。前記特別動作ステータスが1の場合には特別図柄待機処理(S106−4)が行われ、前記特別動作ステータスが2の場合には変動中処理(S106−5)が行われ、前記特別動作ステータスが3の場合には特別図柄確定処理(S106−6)が行われ、前記特別動作ステータスが4の場合には特別電動役物処理(S106−7)が行われる。
特別動作ステータスが1の場合に行われる特別図柄待機処理(S106−4)では、図9に示すように、特別図柄保留球数が0か否か判断され(S106−4−1)、特別図柄保留球数が0の場合には前記表示装置10が特別図柄の変動中ではない待機画面(待ち受け画面)中か否か判断され(S106−4−9)、待機画面(待ち受け画面)中であれば、この特別図柄待機処理(S106−4)が終了する。一方、待機画面(待ち受け画面)中ではない場合には前記表示装置10を待機画面(待ち受け画面)にするための待機画面設定処理が行われ(S106−4−10)、次に待機中にセットされ(S106−4−11)、その後にこの特別図柄待機処理(S106−4)が終了する。なお、待機画面にする設定処理は、この設定処理がなされてから所定時間の間、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42に遊技球が入賞しない場合に、待ち受け画面をセットするコマンドが出力されるようにする処理である。
それに対して前記S106−4−1で特別図柄保留球数が0ではないと判断された場合には、特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が行われる。
特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)では、図10に示すように、まず、前記始動入賞口検出処理(S104)の特別図柄関係乱数取得処理(S104−8)で取得されて主制御基板200のRAMに記憶されている大当たり乱数値が読み出され(S106−4−2−1)、次に現在確変中(高確率状態)か確認される(S106−4−2−2)。確変中か否かは、確変フラグがONの場合に確変中と判断され、一方確変フラグがOFFの場合に確変中ではない低確率状態と判断される。確変中ではない低確率状態の場合、前記取得大当たり乱数値が低確率状態時の大当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には低確率状態での大当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S106−4−2−3)。外れの場合には、この特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が終了し、一方、大当たりの場合には、大当たりフラグがONにセットされ(S106−4−2−5)、その後にこの特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が終了する。それに対して、S106−4−2−2で確変中(高確率状態)と判断されると、前記取得大当たり乱数値が高確率状態時の大当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には高確率状態での大当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S106−4−2−4)。外れの場合には、この特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が終了し、一方、大当たりの場合には、大当たりフラグがONにセットされ(S106−4−2−5)、その後にこの特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が終了する。この特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)は、当否判定手段に相当する。
前記特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)の次に特別図柄選択処理(S106−4−3)が行われる。
特別図柄選択処理(S106−4−3)では、前記表示装置10で停止表示する特別図柄の組み合わせが決定される。前記特別図柄選択処理(S106−4−3)では、図11に示すように、まず大当たりフラグがONか判断され(S106−4−3−1)、大当たりフラグがON、すなわち大当たりの場合には前記大当たり図柄乱数に基づく特別図柄が停止特別図柄としてセットされる(S106−4−3−2)。一方、大当たりフラグがONではない、すなわち外れの場合には、特別図柄データ乱数値(特別図柄データ1・特別図柄データ2・特別図柄データ3)を取得し(S106−4−3−3)、前記特別図柄データ1と特別図柄データ2と特別図柄データ3の乱数値が全て一致しているか判断され(S106−4−3−4)、一致している場合にはリーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S106−4−3−5)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−6)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−7)。
前記S106−4−3−4で特別図柄データ1と2と3の乱数値が一致していないと判断された場合には、特別図柄データ1と3の乱数値が一致しているか判断される(S106−4−3−8)。特別図柄データ1と3の乱数値が一致している場合には、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S106−4−3−9)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−10)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−7)。
前記S106−4−3−8で特別図柄データ1と3の乱数値が一致していない、すなわち特別図柄データ1,2,3が全て異なると判断された場合には、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S106−4−3−11)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、前記特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄と停止右特別図柄にセットされると共に、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄にセットされる(S106−4−3−12)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−10)。
前記特別図柄選択処理(S106−4−3)の次に特別図柄変動パターン選択処理(S106−4−4)が行われる。
特別図柄変動パターン選択処理(S106−4−4)は、演出パターン選択手段に相当し、当否判定結果に基づき複数の変動パターンテーブルから一つの変動パターンテーブルが選択され、選択した変動パターンテーブルから前記変動パターン乱数値により一つの変動パターンの変動コマンドが選択される。また演出パターン選択手段は主制御基板200とサブ制御基板205によって構成してもよいとする。つまり、主制御基板200の特別図柄変動パターン選択処理によって選択された変動パターンに基づいてサブ制御基板205で詳細な演出態様を選択しても良いとする。
前記特別図柄変動パターン選択処理(S106−4−4)では、図12及び図13に示すように、まず、確変中(高確率状態)か否か判定される(S106−4−4−1)。確変中ではない通常状態(低確率状態)の場合には、大当たりフラグがON(大当たり)か否か判定される(S106−4−4−2)。大当たりフラグがON(大当たり)の場合には、通常当たりテーブルから変動パターン乱数値に応じて変動パターンが選択される(S106−4−4−3)。
一方、S106−4−4−2で大当たりフラグがOFF(外れ)と判定されると、記憶されていたリーチ乱数値が読み出されてリーチ成立数値と一致するか判定され(S106−4−4−4)、一致する場合には通常リーチハズレテーブルから変動パターン乱数値に応じて変動パターンが選択され(S106−4−4−5)、一致しない場合には通常ハズレテーブルから変動パターン乱数値に応じて変動パターンが選択される(S106−4−4−6)が行われる。
前記S106−4−4−1で確変中(高確率状態)と判断されると、大当たりフラグがON(大当たり)か否か判断される(S106−4−4−7)。大当たりフラグがON(大当たり)の場合には、確変当たりテーブルから変動パターン乱数値に応じて変動パターンが選択される(S106−4−4−8)が行われる。
一方、S106−4−4−7で大当たりフラグがOFF(外れ)と判定されると、記憶されているリーチ乱数値が読み出されてリーチ成立数値と一致するか判定され、一致する場合には確変リーチハズレテーブルから変動パターン乱数値に応じて変動パターンが選択され(S106−4−4−10)、一致しないと判定された場合には確変ハズレテーブルから変動パターン乱数値に応じて変動パターンが選択される(S106−4−4−11)が行われる。
前記変動パターンの選択後、選択した変動パターンの変動コマンドが出力バッファに格納され(S106−4−4−12)、次にその他の処理が行われ(S106−4−4−13)、その後にこの特別図柄変動態様選択処理(S106−4−4)が終了する。
前記特別図柄変動パターン選択処理(S160−4−4)の次に特別図柄乱数シフト処理(S160−4−5)が行われる。
特別図柄乱数シフト処理(S160−4−5)では、前記RAMの特別図柄保留球数のデータ記憶領域において、ロード(読み出し)順位一位のアドレスの記憶領域に記憶されていた特別図柄保留球数のデータが、先の処理によりロードされて空席となることに起因して、ロード順位が二位以降のアドレスに記憶されている特別図柄保留球数のデータについて、ロード順位を一つずつ繰り上げるアドレスのシフトが行われる。具体的には、図14に示すように、まず、前記主制御基板200のRAMに記憶されている前記特別図柄保留球数から1減算(例えば保留球数2のものは1にされ、3のものは2にされる等)され(S160−4−5−1)、次に各保留球数に対応するデータが各保留球数から1減算した保留球数のRAMアドレスにシフトされ(S160−4−5−2)、続いて最上位(ロード順位が最後、本実施例では4個目)の特別図柄保留球数に対応するRAMアドレスに0がセットされる(S160−4−5−3)。
前記特別図柄乱数シフト処理(S106−4−5)に次いで、特別図柄変動開始処理(S106−4−6)が行われる。特別図柄変動開始処理(S106−4−6)では、特別図柄の変動開始に必要な処理が行われる。
前記特別図柄変動開始処理(S106−4−6)の次に、特別動作ステータスが2に設定され(S106−4−7)、待機中が解除され(S106−4−8)、前記特別図柄待機処理(S106−4)が終了する。
前記特別動作ステータスが2の場合に行われる変動中処理(S106−5)では図15に示すように、まず特別図柄の変動時間(変動パターンの変動時間)が終了したか否か判断され(S106−5−1)、変動時間が終了していなければこの変動中処理(S106−5)が終了する。一方、変動時間が終了していれば変動停止コマンドがセットされる(S106−5−2)。続いて特別動作ステータスが3にセットされ(S106−5−3)、その他必要な処理(S106−5−4)が行われた後に、この変動中処理(S106−5)が終了する。
前記特別動作ステータスが3の場合に行われる特別図柄確定処理(S106−6)では図16に示すように、まず大当たりフラグがONか否か、すなわち大当たりか否か判断される(S106−6−1)。大当たりフラグがON、すなわち大当たりの場合には、大当たりコマンドが出力バッファに格納され(S106−6−2)、特別動作ステータスが4にセットされた(S106−6−3)後、この特別図柄確定処理(S106−6)が終了する。一方、大当たりフラグがOFF、すなわち外れの場合には、特別動作ステータスが1にセットされ(S106−6−4)、この特別図柄確定処理(S106−6)が終了する。
前記特別動作ステータスが4の場合に行われる特別電動役物処理(S106−7)は、大当たり遊技実行手段に相当する。特別電動役物処理(S106−7)では、図17及び図18に示すように、確変フラグがOFFにされ(S106−7−1)、前記表示装置10で大当たりオープニングが実施されたか確認される(S106−7−2)。大当たりオープニングが実施されていない場合には大当たりオープニングが実施され(S106−7−3)、その後に大当たり終了フラグがON(大当たり遊技終了)か否か判断される(S106−7−4)。一方、大当たりオープニングが実施済みの場合には、次に大当たり終了フラグがON(大当たり遊技終了)か否か判断される(S106−7−4)。
大当たり終了フラグがONではない、すなわち大当たり遊技終了ではない場合には現在大入賞口45が開放中か否か判断され(S106−7−5)、開放中ではなく閉鎖中の場合には大入賞口45の開放時間か否か判断される(S106−7−6)。大入賞口45の開放時間の場合には大入賞口の開放処理が行われ(S106−7−7)、その後にこの特別電動役物処理(S106−7)が終了する。それに対して大入賞口45の開放時間となっていないときには、この特別電動役物処理(S106−7)が終了する。
一方、前記S106−7−5で大入賞口45が開放中と判断されると、大入賞口45に10個遊技球が入賞(S106−7−8)、若しくはラウンド終了時間(本実施例では30秒)経過(S106−7−9)の何れかであるか否か判断され、何れでもない場合にはそのままこの特別電動役物処理(S106−7)が終了し、それに対して大入賞口45に10個遊技球が入賞、若しくはラウンド終了時間経過の何れかである場合には、大入賞口閉鎖処理(S106−7−10)とラウンドカウンタの値から1減算する処理(S106−7−11)が行われる。なお、前記大入賞口閉鎖処理(S106−7−10)では、大入賞口閉鎖のコマンドが出力バッファにセットされる。続いて、ラウンドカウンタが0か否か判断され(S106−7−12)、ラウンドカウンタが0ではない場合には、そのままこの特別電動役物処理(S106−7)が終了し、それに対してラウンドカウンタが0の場合には、大当たり終了処理(S106−7−13)が行われる。大当たり終了処理ではエンディングの準備を行い、その後、大当たり終了フラグがONにされ(S106−7−14)、この特別電動役物処理(S106−7)が終了する。
それに対し、前記S106−7−4で大当たり終了フラグがON、すなわち大当たり終了と判断されると、大当たり終了フラグをOFFにセットする処理(S106−7−15)と、大当たりフラグをOFFにする処理(S106−7−16)が行われ、次に停止特別図柄が確変図柄(奇数のぞろ目)であるか確認され(S106−7−17)、停止特別図柄が確変図柄である場合には確変フラグがONにされ(S106−7−18)、一方、停止特別図柄が確変図柄ではなく通常図柄(偶数のぞろ目)である場合には確変フラグがOFFにされ(S106−7−19)、その後に特別動作ステータスが1にセットされ(S106−7−20)、この特別電動役物処理(S106−7)が終了する。
前記特別動作処理(S106)の次に保留球数処理(S107)が行われる。保留球数処理(S107)では、図19に示すように現在の保留球数がロードされ(S107−1)、保留球数が出力バッファにセットされる(S107−2)
前記保留球数処理(S107)の次に行われるその他の処理(S108)では、遊技に必要なその他の様々な処理が行われるが、本発明で特に関わりのない処理についての説明は省略する。
前記サブ制御基板205が行う処理について説明する。前記サブ制御基板205が行うサブ制御メイン処理Jでは、図20に示すように、遊技機1の電源投入時にサブ制御基板205においてCPU初期化処理が行われる(S201)。CPU初期化処理(S201)では、外部INT割り込み(受信割り込み)処理(S300)、2msタイマ割り込み処理(S400)、10msタイマ割り込み処理(S500)に対する設定等が行われる。次に、電源断信号がONでRAMの内容が正常か判断される(S202)。電源断信号がONでなかったり、電源断信号がONでRAMの内容が正常でない場合など電源断信号の状態とRAMの内容正常の両方を満たさない場合は、RAMの初期化が行われ(S203)、その後にウォッチドッグタイマカウンタ1、2の初期化が行われる(S204)。一方、電源断信号ONとRAMの内容正常の両方を満たす場合には、RAMの初期化を行うことなくウォッチドッグタイマカウンタ1、2の初期化が行われる(S204)。S201〜S204の処理は、電源投入時の1順目にのみ実行され、その後は実行されることがない。
ウォッチドッグタイマカウンタ1、2の初期化(S204)の後、ループ処理で割り込み禁止(S205)、乱数シード更新(S206)、ウォッチドッグタイマカウンタ1初期化(S207)、割り込み許可(S208)が行われる。また、ループ処理の間に、外部INT割り込み処理(S300)、2msタイマ割り込み処理(S400)、10msタイマ割り込み処理(S500)が行われる。
割り込み禁止(S205)では、割り込みが入っても割り込みを禁止する。
乱数シード更新(S206)では、サブ制御基板205に設けられている各種乱数の更新が行われる。
ウォッチドッグタイマカウンタ1初期化(S208)では、ウォッチドッグタイマカウンタ1の値が初期化される。
割り込み許可(S209)では、割り込みの実行を許可する。
外部INT割り込み処理(S300)では、図21に示すように、前記主制御基板200からのストローブ(STB)信号がONか確認され(S301)、ストローブ信号がON、すなわち外部INT入力部にストローブ信号が入力されると、前記主制御基板200から出力されたコマンド(制御信号)の受信およびRAMへの格納が行われる(S302)。それに対し、ストローブ信号がONになっていなければ、その時点でこの外部INT割り込み処理(S300)が終了する。
2msタイマ割り込み処理(S400)では、図22に示すように、ランプデータ出力処理(S401)、SW/駆動出力処理(S402)、入力処理(S403)、ウォッチドッグタイマ処理(S404)が行われる。
ランプデータ出力処理(S401)では、10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータの出力が行われる。
SW/駆動出力処理(S402)では、スイッチの有効期間及び動作の出力が行われる。
入力処理(S403)では、スイッチのエッジデータ及びレベルデータの作成が行われる。
ウォッチドッグタイマ処理(S404)では、ウォッチドッグタイマのリセット設定が行われる。
10msタイマ割り込み処理(S500)では、図23に示すように、スイッチ状態取得処理(S501)、音声制御処理(S502)、報知タイマ判定処理(S503)、メインコマンド解析処理(S504)、ランプ処理(S505)が行われる。
スイッチ状態取得処理(S501)では、2msタイマ割り込み処理(S400)で作成されたスイッチデータが、10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして格納される。
音声制御処理(S502)では、前記スピーカ38から発する音声のための処理が行われる。
報知タイマ判定処理(S503)では、RAMクリア、扉開放報知等、報知開始から一定期間経過後に報知解除を行うための時間管理処理が行われる。
メインコマンド解析処理(S504)では、後述するように、前記外部INT割り込み処理(S300)で受信した全てのコマンドの解析処理及び動作の設定が行われる。
ランプ処理(S505)では、出力するランプデータの作成が行われる。
前記メインコマンド解析処理(S504)では、図24及び図25に示すように、まず前記主制御基板200から受信したコマンドの有無が確認され(S504−1)、受信コマンドが無い場合にはこのメインコマンド解析処理(S504)が終了する。一方、受信コマンドが有る場合には、受信したコマンドが変動コマンドか確認される(S504−2)。受信コマンドが変動コマンド以外の場合には、受信したコマンドに対応した処理が行われ(S504−6)、このメインコマンド解析処理(S504)が終了する。
一方、受信コマンドが変動コマンドの場合、操作演出有りの変動パターン(操作演出変動パターン)か確認され(S504−3)、操作演出有りの変動パターンではない、すなわち操作演出の無い変動パターンの場合には、その他の受信した変動パターンに対応した処理が行われ(S504−4)、このメインコマンド解析処理(S504)が終了する。
それに対して、受信した変動コマンドが操作演出有りの変動パターン(操作演出変動パターン)の場合には、予告SW処理(S504−5)が行われ、その後にこのメインコマンド解析処理(S504)が終了する。
予告SW処理(S504−5)は、演出部材制御手段に相当し、図25に示すように、まず駆動タイマの値が0が確認される(S504−5−1)。前記駆動タイマは前記駆動物61の変位開始と共に減算が開始される。前記駆動タイマの初期値T1は、前記駆動物(第一演出部材)61が第一位置から第二位置へ到達するのに要する想定時間であり、本実施例では200msに相当するカウント数からなる想定時間に設定されている。なお、前記想定時間は、前記駆動物(第一演出部材)61が第二位置から第一位置へ到達する場合の想定時間でもある。前記駆動タイマの値が0ではない場合、現在のタイマの値から1減算され(S504−5−12)、この予告SW処理(S504−5)が終了する。一方、前記駆動タイマの値が0の場合、前記遊技操作スイッチ(操作手段)67が押下(入操作)状態か確認される(S504−5−2)。
前記S504−5−1及びS504−5−2の処理により、前記遊技操作スイッチ(操作手段)67の操作は、前記駆動タイマの値が0にならないと入操作か解除操作か判断されず(すなわち操作が有効と判定されず)、駆動タイマの値が0より大、すなわち前記駆動物61が第一位置と第二位置間を変位している最中に前記遊技操作スイッチ67が操作(入操作か解除操作か判断)されても判断されない無効とされる。前記S504−5−1及びS504−5−2は、本発明において、第一演出部材が第一位置と第二位置間を変位中に操作手段が操作された場合に操作を無効と判定し、第一演出部材が第一位置又は第二位置に位置した状態で操作手段が操作された場合に操作を有効と判定する操作判定手段に相当する。
前記S504−5−2で遊技操作スイッチ(操作手段)67が押下(入操作)状態と判断されると、前記駆動物(第一演出部材)61が出現位置(第二位置)あるいは格納位置(第一位置)の何れに位置するか判断される(S504−5−3)。前記駆動物(第一演出部材)61が出現位置(第二位置)に位置する場合には、後述する予告SU制御処理(S504−5−4)が行われ、その後にこの予告SW処理(S504−5)が終了する。一方、前記駆動物(第一演出部材)61が出現位置(第二位置)ではない、すなわち前記駆動物61が格納位置(第一位置)に位置すると判断されると、前記駆動タイマの値が初期値T1にセットされ(S504−5−5)、前記駆動物(第一演出部材)61を格納位置(第一位置)から出現位置(第二位置)へ変位させる駆動出現開始処理が行われ(S504−5−6)、その後にこの予告SW処理(S504−5)が終了する。
また、前記S504−5−2で遊技操作スイッチ(操作手段)67が押下状態(入操作)ではなく解除操作状態と判断されると、前記駆動物(第一演出部材)61が出現位置(第二位置)あるいは格納位置(第一位置)の何れに位置するか判断される(S504−5−7)。前記駆動物(第一演出部材)61が出現位置(第二位置)に位置する場合には、前記駆動タイマの値が初期値T1にセットされ(S504−5−8)、前記駆動物(第一演出物)61を出現位置(第二位置)から格納位置(第一位置)へ変位させる駆動格納開始処理が行われ(S504−5−9)、さらに液晶制御フラグが0にセットされ(S504−5−10)、液晶制御フラグが前記表示制御基板210へ出力され(S504−11)、その後にこの予告SW処理(S504−5)が終了する。一方、前記S504−5−7で前記駆動物(第一演出部材)61が格納位置(第二位置)に位置すると判断されると、この予告SW処理(S504−5)が終了する。
前記液晶制御フラグの値は、「0」、「1」、「2」、「3」の三種類設けられている。前記液晶制御フラグ「0」は、前記遊技操作スイッチ(操作手段)67が未押下(未操作)で前記表示装置(第二演出部材)10による演出動作が開始されていない状態、「1」は前記表示装置(第二演出部材)10による演出動作が第一段階の状態、「2」は前記表示装置(第二演出部材)10による演出動作が第二段階の状態、「3」は前記表示装置(第二演出部材)10による演出動作が第三段階の状態にあることをそれぞれ示す。
前記予告SU制御処理(S504−5−4)では、図26に示すように、まず押下タイマが1加算されて更新され、記憶される(S504−5−4−1)。押下タイマは、前記駆動物(第一演出部材)61が出現位置(第二位置)となった状態で前記遊技操作スイッチ(操作手段)67が入操作とされている時間(入操作継続時間)を計測し記憶するタイマである。加算後(更新後)の前記押下タイマの値がT3以上か、T3未満でT2以上か、あるいはT2未満か確認される(S504−5−4−2、S504−5−4−3)。前記T3は前記第二段階の操作継続判定時間(本実施例では10秒)であり、一方、T2は前記第一段階の操作継続判定時間(本実施例では5秒)である。
押下タイマの値がT2未満の場合、すなわち前記入操作継続時間が第一段階の操作継続判定時間未満の場合、液晶制御フラグが1か否か、すなわち前記表示装置(第二演出部材)10による演出動作が第一段階か確認される(S504−5−4−4)。液晶制御フラグが1(第一段階)と判断されると、この予告SU制御処理(S504−5−4)が終了する。一方、液晶制御フラグが1(第一段階)ではないと判断されると、液晶制御フラグが1にセットされ(S504−5−4−5)、セットされた液晶制御フラグが前記表示制御基板210へ出力され(S504−5−4−6)、この予告SU制御処理(S504−5−4)が終了する。
押下タイマの値がT3未満でT2以上と判断されると、すなわち前記入操作継続時間が第二段階の操作継続判定時間未満で第一段階の操作継続判定時間以上の場合、液晶制御フラグが2か否か、すなわち前記表示装置(第二演出部材)10による演出動作が第二段階か確認される(S504−5−4−7)。液晶制御フラグが2(第二段階)と判断されると、この予告SU制御処理(S504−5−4)が終了する。一方、液晶制御フラグが2(第二段階)ではないと判断されると、液晶制御フラグが2にセットされ(S504−5−4−8)、セットされた液晶制御フラグが前記表示制御基板210へ出力され(S504−5−4−9)、この予告SU制御処理(S504−5−4)が終了する。
押下タイマの値がT3以上と判断されると、すなわち前記入操作継続時間が第二段階の操作継続判定時間以上の場合、予告SW処理終了設定(S504−5−4−10)が行われ、前記液晶制御フラグが3(第三段階)にセットされ(S504−5−4−11)、セットされた液晶制御フラグが前記表示制御基板210へ出力され(S504−5−4−12)、この予告SU制御処理(S504−5−4)が終了する。前記予告SW処理終了設定(S504−5−4−10)では、前記表示装置(第二演出部材)10による演出動作の終了時間となった際に演出動作を終了させる設定が行われる。なお、前記表示装置(第二演出部材)10による演出動作途中で、前記遊技操作スイッチ(操作手段)67が解除操作状態とされた場合には、前記予告SW処理(S504−5)におけるS504−5−2で前記遊技操作スイッチ(操作手段)67が押下状態(入操作)ではないと判断され、前記予告SU制御処理(S504−5−4)が実行されないため、前記押下タイマ(入操作継続時間)が加算(累積)されることなく現在の記憶値で維持される。また、前記液晶制御フラグを受信した表示制御基板210では、受信した液晶制御フラグに応じて前記表示装置(第二演出部材)10による演出動作を段階的に変化させて実行する。
このように、本実施例では、駆動物(第一演出部材)の変位中に遊技操作スイッチ(操作手段)が操作されても、駆動物(第一演出部材)の変位と表示装置(第二演出部材)の演出動作に影響を与えないため、駆動物(第一演出部材)の変位と表示装置(第二演出部材)の演出動作とが不自然になる虞を低減させることが可能であり、演出による興趣を向上させることができる。
また、本実施例では、前記入操作継続時間の計測を開始する開始タイミング(計測開始タイミング)と前記第二演出部材の演出動作を開始する開始タイミング(演出開始タイミング)は、何れも前記遊技操作スイッチが入操作されてから前記想定時間が経過した時点とされているが、前記想定時間が経過した時点から遅らせたり、別々のタイミングとしてもよい。
また、本発明において、前記第一演出部材及び第二演出部材の種類と演出動作の内容は実施例のものに限られない。例えば、第二演出部材をスピーカやランプ装置とし、第一演出部材と同期させてスピーカから発する音声やランプ装置の発光を段階的に変化させてもよい。さらに、前記操作演出変動パターンをリーチの場合のみに選択されるようにし、前記第二演出部材による演出動作終了後に表示装置の表示を特別図柄のリーチ表示に移行するようにして、大当たりに対する期待感を演出で一層高めるようにしても良い。また、前記操作演出変動パターンが選択される確率を、当否判定結果がハズレの場合よりも大当たりの場合で高くなるようにし、操作演出変動パターンが選択された場合の第一演出部材と第二演出部材の同期した演出動作の実行によって、特別図柄が大当たりで停止表示される可能性が高いことを示す予告を行い、大当たり対する遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
また、変位する位置も第一位置と第二位置との2箇所に限るものではなく、3箇所以上を設けて、各々の位置で第一演出部材と第二演出部材とが互いに同期する構成でもよい。また、複数段階の演出動作の段階数を異ならせることも可能である。また、各々の段階の時間を異ならせることや同じにしてもよい。ここで、次のような例に使用することもできる。演出動作の段階が上がれば上がるほど、信頼度の高い予告の出現やスペシャルリーチへの発展先を紹介する紹介画面となる構成にしてもよい。この際、例えば、最大三段階の予告があって、今回の予告パターンが二段階目であるように予め設定されている場合に、操作手段を操作し続けても二段階目までしかいかない制御にしたり、操作しなければそのまま一段階目の予告で止まったり、操作期間終了後に突然二段階目の予告が登場するようにしてもよい。また、最大三段階のスペシャルリーチがあって、今回のスペシャルリーチパターンが二段階目で止まる(紹介される)ように予め設定されている場合に、操作手段を操作し続けても二段階目までしかいかない制御にしたり、操作しなければそのまま一段階目のスペシャルリーチ紹介画面で止まったり、操作期間終了後に突然二段階目のリーチ紹介画面が登場するようにしてもよい。また、通常であれば、段階が増せば増すほど、信頼度が高いような予告やリーチ紹介画面を出すようにしているが、いきなり信頼度が高い演出が出るようにしてもよい。なお、ここでいうスペシャルリーチとは、ノーマルリーチも含む。さらに、特別図柄が2つ揃っているものに限らず、常に全ての特別図柄が変動している状態や変動しないで仮停止している状態でもよい。また、本実施例のように炎の大きさを操作手段を押すほど、大きくなるような演出動作であれば、第一演出部材と第二演出部材の互いの演出動作を同期させる際にタイミングなどがずれる虞を低減することが可能である。また、本実施例では、操作手段を長押ししているが、連打やスライドなどでもよい。