以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。先ず、本発明の技術的意義をより明瞭に把握し易くするために、以下に説明する本実施形態に基づき、本発明を例示する態様の構成要件/特徴を挙げるとともに、課題及び効果について説明する。
<課題>
賞球払出ユニットにおいて遊技球を払い出すための駆動源としては、パルス信号を与えることによって決められたステップ単位で回転駆動するステッピングモータが好適に利用されている。ステッピングモータを回転させると、このモータの回転軸に連結された球送り部材が追従回転し、球送り部材の上流側に待機された遊技球が球送り部材によって1球ずつ払い出される。ここで、ステッピングモータ(若しくは、このモータと球送り部材とを連結させる歯車機構)には、脱調をはじめとする回転の不具合を起こしていないかを検知するための回転検出センサが取り付けられている。そして、この回転検出センサにより異常検知された場合には、励磁出力100%の状態にてそのままモータを強制停止させる制御が実行される。このように100%の励磁出力の状態でステッピングモータを強制停止した状態を維持させる場合、ステッピングモータに負荷が掛かり過ぎてしまい破壊の原因となる。他方、回転検出センサにより異常検知がされた場合に励磁出力を落とす処理を実行するとなると、通常時とは異なる制御系統が出来てしまい、すなわち、通常時処理用プログラムの他に、異常時処理用プログラムも別途準備する必要が生じるので、プログラム容量に負荷が掛かってしまうという別の問題を招来することとなる。
そこで、本実施形態では、ステッピングモータの回転駆動中に異常が検知された場合、ソフト容量に負荷を掛けることなく異常対応可能とするとともに、異常対応の際にもステッピングモータの破壊を未然に防止する手段を提供することを目的とする。
<構成要件/特徴>
本発明(1)を例示する態様の弾球遊技機(パチンコ機PM)は、
前面側に所定の遊技領域が形成された遊技盤を保持する枠部材(前枠2)と、
前記枠部材の後面側に設けられて遊技球を払い出す払出装置(賞球払出ユニット100)と、
前記払出装置による遊技球の払い出しを制御する制御装置(メイン制御基板1000及び払出制御基板2000)と、を備える弾球遊技機であって、
前記払出装置は、
上流側の球受容口と下流側の球払出口とを繋いで形成され前記球受容口から受け入れられた遊技球を前記球払出口へ向けて通過させる案内通路を有するケース部材(ユニットケース110)と、
回転中心となる軸部の外周に螺旋状突起を有して前記案内通路上に回転可能に配設され、該回転動作によって前記案内通路内の遊技球を前記螺旋状突起により前記球払出口へ送り出す球送り部材(スクリュー150)と、
ステップ数nでロータが1回転して前記球送り部材を回転駆動するステッピングモータ(ステッピングモータ170)と、を備えて構成され、
前記制御装置は、
前記ステッピングモータの前記ロータを回転させるために、励磁されるステータの位置を順次切り替えるステータ励磁位置切替処理を所定時間毎に実行して前記ステッピングモータの動作を制御する回転制御手段(払出制御手段2300)と、
前記ステッピングモータの回転を検出する回転検出手段(回転検出センサ114)と、
前記回転検出手段からの検出情報に基づき、前記ステッピングモータが正常に回転しているか否かを判定する正常回転判定手段(エラー制御手段2200)と、
前記正常回転判定手段により正常に回転していないと判定された場合、前記ステッピングモータの回転を強制停止させるよう制御する回転強制停止制御手段(払出制御手段2300)と、を有し、
前記回転制御手段は、複数の励磁相に対して予め定められた順番で励磁する所定の励磁パターンに従ってロータを1回転させるためのn回のステータ励磁位置切替処理のうち、少なくとも1回のステータ励磁位置切替処理である特殊ステータ励磁位置切替処理においては、他のステータ励磁位置切替処理でセットされるステータの励磁出力よりも低い励磁出力とし、
前記正常回転判定手段は、n回のステータ励磁位置切替処理のうち特殊ステータ励磁位置切替処理が実行されるタイミングでのみ、前記ステッピングモータが正常に回転しているか否かを判定するよう構成されることを特徴とする弾球遊技機である。
本発明(2)を例示する態様の弾球遊技機(パチンコ機PM)は、
前記回転制御手段は、特殊ステータ励磁位置切替処理と次のステータ励磁位置切替処理との間隔が、特殊ステータ励磁位置切替処理以外のステータ励磁位置切替処理と次のステータ励磁位置切替処理との間隔よりも長く設定される、前記発明(1)に記載の弾球遊技機である。
本発明(3)を例示する態様の弾球遊技機(パチンコ機PM)は、
前記回転制御手段は、一定時間毎の割り込み処理にてステータ励磁位置切替処理を実行し、且つ、特殊ステータ励磁位置切替処理が実行された場合、当該特殊ステータ励磁位置切替処理の次に実行される予定のステータ励磁位置切替処理の実行タイミングになるまでは、前記一定時間毎の割り込み処理の実行タイミングであっても当該次のステータ励磁位置切替処理を実行しない、前記発明(2)に記載の弾球遊技機である。
本発明(4)を例示する態様の弾球遊技機(パチンコ機PM)は、
前記回転制御手段は、前記ステッピングモータの停止時でも所定のステータに励磁し続けるようになっており、前記ステッピングモータの停止時での励磁出力と特殊ステータ励磁位置切替処理における励磁出力とが略同一である、前記発明(1)〜(3)のいずれかに記載の弾球遊技機である。
本発明(5)を例示する態様の弾球遊技機(パチンコ機PM)は、
外部電源と接続されて前記制御装置に電力を供給する電源装置(電源基板4000)を備え、
前記制御装置は、前記電源装置からの電力の供給が遮断されたとき、前記球送り部材の回転位置に応じて前記球送り部材を正逆方向へ選択的に回転させて所定の回転基準位置に復帰させてから強制停止させる、前記発明(1)〜(4)のいずれかに記載の弾球遊技機である。
本発明(6)を例示する態様の弾球遊技機(パチンコ機PM)は、
前記球送り部材は、通常動作においては前記制御装置により回転基準位置から所定角度だけ正転方向に回転制御されて所定個数の遊技球の払出動作を実行した後、次の回転基準位置で停止するよう駆動制御され、
前記制御装置は、電源断発生時の前記球送り部材の回転位置を、遊技球が前記球払出口へ払い出されるときの前記球送り部材の払出位置と比較し、前記回転位置が前記払出位置に達している場合には前記球送り部材を正転方向に回転させて次の回転基準位置で強制停止し、前記回転位置が前記払出位置に達していない場合には前記球送り部材を逆転方向に回転させて元の回転基準位置に戻してから強制停止する、前記発明(5)に記載の弾球遊技機である。
<効果>
本発明によれば、ステッピングモータの回転駆動中に異常が検知された場合、ソフト容量に負荷を掛けることなく異常対応可能とするとともに、異常対応の際にもステッピングモータの破壊を未然に防止することが可能である。
[パチンコ機の全体構成]
本発明に係る弾球遊技機の代表例としてパチンコ機PMの正面図及び背面図を図1及び図2に示しており、先ず、この図を参照してパチンコ機PMの全体構成について概要説明する。
パチンコ機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2の前面側には、前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠5が上下のヒンジ機構3を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。ガラス枠5の背後に位置する前枠2の前面側には、遊技盤10を着脱可能に収容する収容枠が設けられており、この収容枠の上部領域に遊技盤10が後方から着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラスを通して遊技盤10の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
ガラス枠5の下部には遊技球を貯留する皿部材である上球皿6及び下球皿7が設けられ、下球皿7の正面右側には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル8が設けられている。なお、図1では図示省略しているが、ガラス枠5の前面側には発光ダイオード(LED)やランプ等の電飾装置や、遊技の展開状態に応じて効果音を発生させるスピーカ等が適宜設けられる。また、図1に示すように、パチンコ機PMに隣接して、プリペードカードによる遊技球の貸出しを受け付けるカードユニットCが設けられている。ここで、カードユニットCは、周知の構成と同様であるので、その説明は省略する。
遊技盤10は、ルータ加工等を施した矩形状の積層合板に、所定の図柄が印刷されたセルを貼り付けて成型される化粧板11を基板として構成される。化粧板11の前面には、外レール及び内レールが円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成され、この遊技領域PAに多数本の遊技釘とともに各種の入賞具(「入賞口」とも称する)14,15,16などが配設され、遊技領域PAの中央部近傍には、各種の演出パターンの画像および図柄を表示する画像表示装置(図柄表示装置)18が取り付けられている。また、遊技領域PAの下端には、各入賞具に入賞せずに落下した遊技球を遊技盤10の裏面側へ排出させるアウト口19が化粧板11を前後に貫通して形成されている。ここで、遊技盤に設けられる入賞具には、その外観意匠や入賞時の動作を含めて種々の形態のものがあり、ゲージ設定等に応じてどのような形態の入賞具を用いるものであってもよいが、例えば図1に例示した遊技盤では、一般入賞具14、始動入賞具15、大入賞具16の3種類の入賞具を設けた例を示しており、本実施形態では左打ち用の遊技領域と右打ち用の遊技領域とに大入賞具16がそれぞれ設けられている。各入賞口に落入した遊技球は化粧板11の裏面側に排出され、該裏面側に設けられた入賞検出センサ(通過型センサ)14s,15s,16sを通過することによって入賞が検出される。
前枠2の裏面側には、図2に示すように、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された基枠体をベースとしてなる裏セット盤30が、上下のヒンジ機構3を介して前枠2後方に横開き開閉および着脱が可能に連結されている。この裏セット盤30には前面開放の矩形箱状をなす保護カバー30Cが着脱自在に装着されており、常には前枠2に取り付けられた遊技盤10の裏面側を覆って配設されている(これにより後述するメイン制御基板1000及びサブ制御基板3000が保護カバー30Cにより覆われる)。裏セット盤30の各部には、多数個の遊技球を貯留する球貯留タンク31、球貯留タンク31から右方に緩やかな下り傾斜を有して延びるタンクレール32、タンクレール32の右端部に繋がり下方に延びる球供給通路部材33、球供給通路部材33により導かれた遊技球を所定条件のもと(例えば、各入賞口への入賞やカードユニットCからの要求に応じて)払い出す賞球払出ユニット100、賞球払出ユニット40から払い出された遊技球を上球皿6に導くための賞球通路部材34などが設けられている。
賞球払出ユニット100は、後述する払出制御基板2000によって作動制御され、各種入賞口14〜16への遊技球の入球や、遊技者からの遊技球の貸出し要求に応じて、上球皿6に遊技球を払い出して、遊技者に遊技球を供給するように構成されている。本実施形態では、各種入賞口14〜16への遊技球の入球に基づく賞球の払出処理について例示説明する。なお、賞球払出ユニット100の具体的構成については詳細後述する。
遊技盤10の裏面側には、パチンコ機PMの作動を統括的に制御するメイン制御基板1000や、パチンコ機PMの機種(バージョンを含む)および遊技展開に応じた遊技演出の制御を行うサブ制御基板3000などが取り付けられている。これに対して、裏セット盤30の背面側部分には、遊技球の発射及び払い出しに関する制御を行う払出制御基板2000や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板4000などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容された状態で遊技盤10又は裏セット盤30の背面側にそれぞれ配設される。
[パチンコ機の基本動作]
以上のように構成されるパチンコ機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島(設置枠台)に固定設置され、前枠2、ガラス枠5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、上球皿6に遊技球を貯留させて発射ハンドル8を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル8が回動操作されると、上球皿6に貯留された遊技球が、ガラス枠5の背面側に配設される球送り機構によって1球ずつ発射機構に送り出され、発射機構により遊技領域PAに打ち出されて、以降パチンコゲームが展開される。
例えば、遊技領域PAを転がり落ちる遊技球が一般入賞口14に落入すると、入球した遊技球が入賞検出センサ14sを通過する際に入賞が検出され、その検出信号がメイン制御基板1000に入力される。メイン制御基板1000は、この検出信号から、遊技球が入賞具に入賞したこと、および該入賞した入賞口が一般入賞口14であることを検知し、払出制御基板2000に対して入賞条件に応じた賞球払出コマンドを出力して賞球払出ユニット100を作動させ、一般入賞口14に入賞した場合の褒賞として予め設定された所定個数(例えば、15個)の賞球を上球皿6に払い出させる。
また、遊技球が始動入賞口15に落入して入賞検出センサ15sから検出信号が出力されると、メイン制御基板1000はこの検出信号から、遊技球が入賞したこと、および該入賞した入賞口が始動入賞口15であることを検知し、この入賞条件に応じた遊技プログラムを呼び出して実行する。具体的には、メイン制御基板1000内で図柄の組み合わせ抽選を行うとともに、サブ制御基板3000に抽選結果を出力して画像表示装置18に表示させる図柄を変動および停止制御させ、停止図柄の組み合わせに応じた作動、例えばLEDの点滅表示やスピーカによる効果音の発生等を行わせる。また、メイン制御基板1000は、払出制御基板2000に対して入賞条件に応じた賞球払出コマンドを出力して賞球払出ユニット100を作動させ、始動入賞口15に入賞した場合の褒賞として予め設定された所定個数(例えば、3個)の賞球を上球皿6に払い出させる。
メイン制御基板1000による抽選結果が大当たりである場合(変動停止時の図柄が大当たりの図柄で停止する場合)、画像表示装置18には、例えば、スロットマシンの図柄表示を模した装飾図柄を一致させるような表示態様を有して表示され、特別遊技が実行される。特別遊技においては、大入賞口16が開放される。そして、例えば、大入賞口16が約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が大入賞口16に入賞した後、大入賞口16が一旦閉鎖され、このような開閉動作が所定回数(例えば15回)継続して繰り返される。また、メイン制御基板1000は、払出制御基板2000に対して入賞条件に応じた賞球払出コマンドを出力して賞球払出ユニット100を作動させ、大入賞口16に入賞した場合の褒賞として予め設定された所定個数(例えば、12個)の賞球を上球皿6に払い出させる。
[電気的構成]
次に、図3のブロック図を追加参照しながら、パチンコ機PMの電気的な概要構成を説明する。メイン制御基板1000、払出制御基板2000、及びサブ制御基板3000には、様々な演算処理を行う演算装置としてのCPU、このCPUの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM、CPUが取り扱うデータ(遊技中に発生する各種データやROMから読み出されたコンピュータプログラム等)を一時的に記憶するRAMが搭載されている。
メイン制御基板1000は、主として始動入賞具15への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選、画像表示装置18への図柄の変動表示処理、各入賞口14〜16への遊技球の入球を契機とした賞球払出決定処理、等を実行する。また、メイン制御基板1000には、払出制御基板2000及びサブ制御基板3000等の各制御基板がハーネス(コネクタケーブル)で接続され、これら制御基板に各種のコマンドや情報を送信して各制御基板に分散制御させることにより、パチンコ機PMの動作全体を統括制御している。
払出制御基板2000は、メイン制御基板1000と双方向通信可能に接続されており、メイン制御基板1000からのコマンドに基づいて遊技球の払出及び発射の制御を司るものである。また、払出制御基板2000には賞球払出ユニット40が接続されるとともに、不図示の接続端子板を介してカードユニットCがシリアル通信可能に接続されている。
サブ制御基板3000は、メイン制御基板1000から一方向通信可能となるように接続されており、メイン制御基板1000からのコマンドに基づいて画像表示、効果照明、効果音等の演出全般の制御を司るものである。なお、サブ制御基板3000は、複数の制御基板(例えば、演出全般を制御する演出制御基板と主として画像表示装置18上での各種演出を制御する画像制御基板など)に機能分割して構成しても、これらの制御基板が担う機能を一体的に構成して1つの制御基板として構成してもよい。
ここで、メイン制御基板1000と払出制御基板2000とのコマンドや情報の送受信、メイン制御基板1000からサブ制御基板3000へのコマンドや情報の送信は、パラレル通信でもシリアル通信でもよい。また、払出制御基板2000とメイン制御基板1000との間には賞球払出状況を伝達する一本の回線が配置されており、メイン制御基板1000から賞球払出コマンドが送信されると払出信号がオンになり、払出が完了すると払出信号がオフになる。
[メイン制御基板のハードウェア構成]
図4は、メイン制御基板1000におけるハードウェア構成の概要図である。メイン制御基板1000の処理ユニット1010は、電源基板4000に接続された電源1020から電圧供給を受けて稼働する電子回路である。処理ユニット1010は、CPU1011、ROM1012、及びRAM(バックアップRAM)1013を内蔵するワンチップマイコンである。
処理ユニット1010への供給電圧は、電圧監視手段1610により定期的に、例えば0.01秒の間隔で検出される。電圧監視手段1610は、電源1020から処理ユニット1010へ供給される供給電圧を監視する。電源監視手段1610は、所定の閾値に基づいて処理ユニット1010への供給電圧の低下を検出すると、電源1020が遮断されたと判断し、電断信号(「NMI信号」とも称する)を処理ユニット1010に送信する。CPU1011は、電圧監視手段1610から電断信号を受信したことを条件として、ROM1012に格納されたプログラムを読み出して後述の電断時処理を実行する。
図5は、電源遮断時における供給電圧と時間の関係を示すグラフである。CPU1011は、電圧V0で平常動作する電子回路である。例えば、時刻T0において、電源が遮断されたとすると、処理ユニット1010への供給電圧は徐々に低下する。なお、コンデンサ等の平滑作用により、供給電圧の立ち下がりが遅くなるように回路構成してもよい。
供給電圧が所定の閾値電圧V1を下回ると、電圧監視手段1610はNMI信号を処理ユニット1010に送信する。ここでは、時刻T1のタイミングにてNMI信号が送信される。時刻T2となると、供給電圧はCPU1011が稼働可能な最低電圧であるV2を下回り、CPU1011は物理的制約により停止する。時刻T1からT2までの時間が電断時処理を実行するための猶予時間ΔTである。そのため、CPU1011は、供給電圧が閾値電圧V1から電圧V2を下回るまでの間に、電断時処理を実行する。
なお、図示省略するが、払出制御基板2000もCPU、ROM及びRAM(バックアップRAM)等からなる処理ユニットを備えており、電源断が発生した場合でもある程度の蓄電があるため、時刻T1からT2までの猶予時間ΔTの間で、詳細後述する賞球払出ユニット100のステッピングモータを駆動したり、カウントセンサからの検出信号等を入力して、メイン制御基板1000との間で各種の情報やコマンドの送受信をすることが可能である。
[メイン制御基板/払出制御基板間で送受信されるコマンド・情報の内容]
次に、図6を参照しながら、メイン制御基板1000及び払出制御基板2000間で送受信されるコマンド及び情報の内容を説明する。メイン制御基板1000から払出制御基板2000へのコマンドは、賞球払出コマンドであることの特定情報、上球皿満タン、及び賞球個数の情報からなる。具体的には、ビット7〜5は、「100」固定である(当該コマンドが賞球払出コマンドであることの識別情報)。ビット4は、上球皿満タン状態に関するものであり、「0」が上球皿満タンでないことを意味し、「1」が上球皿満タン中であることを意味する。次に、ビット3〜0は、賞球個数に関するものであり、例えば、0(B=「0000」)は賞球0個であることを意味し、15(B=「1111」)は賞球15個であることを意味する。
続いて、払出制御基板2000側からメイン制御基板1000側に送信される払出関連情報を説明する。第1の払出関連情報(賞球払出関連情報又は払出異常関連情報)は、固定値、払出装置異常情報、及び賞球払出完了情報からなる。具体的には、ビット7〜2は、「010101」固定である。次に、ビット1は、払出装置異常(払出関連エラー)に関するものであり、「0」は払出装置異常ではないことを意味し、「1」は払出装置異常中であることを意味する。最後に、ビット0は、賞球払出完了に関するものであり、「0」は賞球払出完了であることを意味し、「1」は賞球払出未完了であることを意味する。次に、第二の払出関連情報(1球払い出された旨の情報)は、「11011011」の固定値からなる。なお、この第二の払出関連情報を受信したメイン制御基板1000側では、1球払い出されたことを認識する。
[賞球払出ユニットの基本構成]
それでは以下に、賞球払出ユニット100の基本構成について、図7〜図14を追加参照しながら説明する。ここで、図7は賞球払出ユニット100を前方から見た斜視図、図8は賞球払出ユニット100を後方から見た斜視図、図9は賞球払出ユニット100の側面図、図10は賞球払出ユニット100のスクリューの周辺を上方から見た正断面図、図11は賞球払出ユニット100の下方通路の周辺を上方から見た正断面図、図12は賞球払出ユニット100における歯車機構を示す側面図、図13は賞球払出ユニット100におけるスクリューが初期位置にある状態を示す要部断面図、図14は賞球払出ユニット100におけるスクリューが払出位置にある状態を示す要部断面図である。なお、以下の説明においては、説明の便宜上、前後左右および上下の方向は、パチンコ機PMへの取付状態での方向として、図7及び図8の状態を基準として定義しており、図7及び図8に示す矢印の方向をそれぞれ前後、左右、上下と称して説明する。また、各図において遊技球には符号「B」を適宜付している。
賞球払出ユニット100は、当該ユニット100のベースとなる縦長方形箱状のユニットケース110と、遊技球を受容して1球ずつ払い出すスクリュー150と、スクリュー150を正逆両方向に回転させる駆動源としてのステッピングモータ170と、ステッピングモータ170の回転駆動力をスクリュー150に伝達する歯車機構180と、遊技球を機外へ排出する球抜き機構190と、を主体として構成されている。賞球払出ユニット100は、裏セット盤30にスライド自在又は回動自在に設けられた二つの固定レバー35,36に係止されることで、パチンコ機PMの裏面側に着脱自在に取り付けられるようになっている。なお、賞球払出ユニット100は、ビス止め固定等の他の固定手段により取り付けられるものであってもよい。
ユニットケース110は、スクリュー150、ステッピングモータ170及び歯車機構180等の取付ベースとなるケース本体120と、このケース本体120の右側の側面に重合して取り付けられるケースカバー130とから形成される。ケース本体120は、縦長の矩形板状に形成された基壁120aと、この基壁120aを囲んで基壁120aの周縁部から側方に延びる周囲壁120bとから形成され、透明な樹脂材料を用いて全体としてケースカバー130と対向する方の側面が開放された箱形を呈している。ケースカバー130は、透明な樹脂材料を用いて、ケース本体120の側面開口を閉止可能な薄い箱形を呈している。なお、ケース本体120及びケースカバー130は複数本のビス(図示省略)を用いて左右方向に重合状態でネジ止め固定される。
ユニットケース110には、この賞球払出ユニット100が裏セット盤30に取り付けられたときに、球供給通路部材33の下端と連絡して遊技球を受け入れる球受容口111、賞球通路部材34の上端と連絡して遊技球を払い出す球払出口112が形成されている。ケース本体120の基壁120aの主面には遊技球の球径よりも幾分大きめの間隔をおいて立設された第1〜第5通路壁121,122,123,124,125が設けられており、これら5つの通路壁121〜125に囲まれて基壁120aの主面側には1条の案内通路140が画成されている。
案内通路140は、上端の球受容口111と下端の球払出口112とを繋いでS字状に連続したカーブを有した通路状に形成されており、この案内通路140における遊技球の経路途中に球送り部材としてのスクリュー150がその軸方向を略前後方向に一致させた姿勢で配設されている。案内通路140は、球受容口111から蛇行しながら下方へ延びてスクリュー150の軸方向の一端側において遊技球を下方へ流下させる側方通路141と、この側方通路141と連続して形成されるとともに軸方向の他端側に延びてスクリュー150に対する下方位置において遊技球を球払出口112へ流下させる下方通路145とを有して形成される。
側方通路141は、第1、第2及び第3通路壁121,122,123により囲まれて形成されており、球受容口111から導入された遊技球を一列の整列状態でスクリュー150に導くとともに、スクリュー150の作動停止時において遊技球を該整列状態で待機させる。この側方通路141は、この側方通路141を流下する遊技球の球圧を分散させるように蛇行して形成されており、鉛直下方向(重力の作用する方向)への遊技球の自重による球圧の一部を水平方向への球圧に分散させている。
下方通路145は、第4及び第5通路壁124,125により囲まれて形成されており、側方通路141の下端から緩やかに斜め下方に延びたのち球払出口112へ向けて鉛直下方に屈曲している。下方通路145の一部を形成する第4通路壁124は、スクリュー150の軸方向の一端側から他端側へ向かうに連れて下り傾斜する傾斜面として形成されている。こうして第4通路壁124を傾斜面として形成したことにより、下方通路145内に位置する遊技球に自重によって流下しようとする力を作用させ、遊技球を球払出口112へ送り出すためのスクリュー150の推進力を小さく抑えることを可能としている。
下方通路145において左右方向に対向する一対の側壁部126,136のうち、ケース本体120の側に形成される側壁126は、上流側壁面126aと下流側壁面126cとが傾斜壁面126bを介して連設されており、上流側壁面126aに対して下流側壁面126cがスクリュー150から離れる方向(左方向)に偏倚して形成されている。一方、ケースカバー130の側に形成される側壁部136は、上流側壁面136aと下流側壁面136cとが傾斜壁面136bを介して連設されており、上流側壁面136aに対して下流側壁面136cがスクリュー150に近づく方向(右方向)に偏倚して形成されている。つまり、下方通路145において上流側壁面126a,136aに挟まれた通路部分145aは左右方向の中心よりもケースカバー130側に偏倚して形成され、下方通路145において下流側壁面126c,136cに挟まれた通路部分145bは左右方向の略中心位置であってスクリュー150の真下に形成される。このとき、傾斜壁面126b,136bの形成により、スクリュー150により送出される遊技球を下方通路145の上流側から下流側へ円滑に案内することができる。
下方通路145の下流側において球払出口112の近傍にはスクリュー150の回転作動によって払い出された遊技球を検出するカウントセンサ(通過型センサ)113が配設されている。なお、カウントセンサ113の近傍に、いわゆる電波ゴト対策として、賞球払出ユニット100(主にカウントセンサ113)に向けて発せられた不正な電波を検出する電波検出センサを設けてもよい。
スクリュー150は、先細り円錐台形状に形成された軸部152を有する回転シャフト151と、この回転シャフト151の軸部152の外周回りに螺旋状に形成された螺旋状突起153と、を備えている。スクリュー150は、上流側の端部が第2通路壁122に枢支され下流側の端部が歯車機構180の出力端側に固定されて、前後方向に延びる略水平姿勢でユニットケース110に回転自在に取り付けられている。軸部152における最下の稜線152Lは、下方通路145の第4通路壁(傾斜面)124の傾斜方向と略平行に延びており、スクリュー150の軸部152と第4通路壁124の傾斜面との間は遊技球の球径よりも幾分大きめな間隔に形成されている(つまり、遊技球を1個受容可能な大きさに形成されている)。そして、スクリュー150の螺旋状突起152は、その回転軌道が下方通路145に入り込んで配置されている。
螺旋状突起153は、回転シャフト151の軸中心Xからの半径が上流側端部154aから下流側端部154bに向かうに連れて徐々に拡径して形成されたメイン突起部154と、メイン突起部154の下流側端部154bと連続的に繋がり軸中心Xからの半径が下流側端部154bから徐々に縮径して形成されたサブ突起部155とを有してなる。メイン突起部154は、上流側端部154aと下流側端部154bとの間で軸部152の外周を周方向に略1周して形成されており、上流側端部154aと下流側端部154bとの間に遊技球1個を受容可能な螺旋状溝156が画成されている。
メイン突起部154の下流側端部154bには、上流側に対面するとともにスクリュー150の軸方向に対して略垂直に延びる球受止面154cが形成されており、案内通路140に整列又は流下する先頭の遊技球(最下流側の遊技球)B1を球受止面154cに当接させることにより、この遊技球の球払出口112への流下を制止するようにしている。また、スクリュー150の球受止面154cによって先頭の遊技球B1を制止している状態においては、先頭の遊技球B1が数珠つなぎ状に連なる後続の遊技球B(B2)を受け止めるようになっている。また、この状態からスクリュー150が回転して、先頭の遊技球B1の制止状態が解除されたときには、メイン突起部154の上流側端部154aが先頭の遊技球B1を下流側へ押し出しつつ隣接する後続の遊技球B2を受け止めるようになっている。
スクリュー150は、遊技球の払出を停止させる払出待機時(停止時)には、球受止面154cが軸部152に対して垂下した下方に位置し、案内通路140内の先頭の遊技球B1が球受止面154cに当接する所定の初期位置(スクリュー150の回転角0°位置)で停止するように構成されている。
ステッピングモータ170は、スクリュー150を正逆両方向(時計回り方向及び反時計回り方向)に回転駆動可能であり、このモータ170の回転軸171は歯車機構180の入力端側に連結され、このモータ170の回転駆動力は歯車機構180によってスクリュー150に伝達される。ステッピングモータ170は、詳細後述するが、駆動パルスの励磁パターンを切り替えることで作動し、所定ステップ数(本実施形態では、通常動作時に20ステップ)の駆動信号を与えることにより、スクリュー150を1回転させるようになっている。つまり、20ステップの駆動信号でスクリュー150が360°回転変位し、その間に遊技球を1個払い出すというように、駆動信号の数に応じた回転量でスクリュー150を回転させるものであり、このようにステッピングモータ170の回転量を制御することで遊技球の払出個数を制御している。
歯車機構180は、ステッピングモータ170の回転軸171に直結された駆動歯車181と、駆動歯車181と外接噛合する中間歯車182と、スクリュー150の回転シャフト151に直結されて中間歯車182と外接噛合する従動歯車183とからなり、ユニットケース110内において上方から順に、駆動歯車181、中間歯車182、従動歯車183が上下方向に並んで配列されている。各歯車181〜183は、同数の歯数で(つまり、歯車比1:1:1で)形成されており、ステッピングモータ170の回転数とスクリュー150の回転数とが同一となるよう設定されている。
従動歯車183には、回転検出センサ114によってスクリュー150の初期位置を検出可能な検出孔184が1箇所だけ形成してある。回転検出センサ114は、一対の測定部を有しており、測定部間の物体を光の投受光により検出するフォトセンサである。ここで、一対の測定部は、光を投光する投光部と、投光部からの光を受光する受光部とからなり、従動歯車183を挟んで略コ字状に配置されている。従動歯車183の検出孔184の位置は、スクリュー150の初期位置(回転停止位置)に対応しており、検出孔184が投光部と受光部との間に介在していないとき(遮光するとき)にはオフとなり、従動歯車183の検出孔184が投光部と受光部との間に介在しているとき(遮光しないとき)にはオンとなってスクリュー150の初期位置を検出するものである。このように回転検出センサ114により従動歯車183の回転が、すなわち、従動歯車183に直結されるスクリュー150の回転が1回転(360°)ずつ初期位置毎に検出されるようになっている。
ユニットケース110においてスクリュー150の後方には、側方通路141を流下する遊技球をパチンコ機PMの機外へ排出するための球抜き口144が形成されている。球抜き機構190は、球抜き口144を開閉する球抜き弁191と、この球抜き弁を開閉操作するための操作部材193とを備えて構成される。球抜き弁191は、ケース本体に枢支された揺動軸192を中心として、球抜き口144を閉止する閉止位置と球抜き口144を開放する開放位置との間で揺動自在に構成されている。球抜き弁191は、緩やかな曲面状に形成されて側方通路141の一部を画成する湾曲壁(すなわち、第3通路壁123)を有しており、側方通路141に沿って整列する遊技球が重力の作用を受けて湾曲壁(第3通路壁123)に当接し得るようになっている。球抜き弁191が閉止位置にある状態において、球抜き弁191における湾曲壁(第3通路壁123)の下流側端部191aは、下方通路145における第4通路壁124の上流側端部124aよりも幾分上方に突出していることにより、これら下流側端部191aと上流側端部124aとの間には下り方向に向けて小さな段差が形成される。この段差の形成により、側方通路141から下方通路145に移動する際の遊技球の速度が速くなるため、先頭の遊技球に連なって流下する後続の遊技球が、より安定的に先頭の遊技球に追従して流下することとなり、これにより球詰まりの発生を抑制することができる。また、球抜き弁191から下方通路145に遊技球が流下する際に、球抜き弁191の下流側端部191aの付近で球詰まりが発生するのを防止することができる。
球抜き弁191の側方には、球抜き弁191に係合して球抜き弁191を閉止位置から開放位置に揺動可能にするための操作部材193が設けられている。操作部材193は、ケース本体120に上下方向にスライド移動可能に取り付けられている。操作部材193は、上下方向に延びる板状の本体部193aと、本体部193aに突出形成されて作業者によって操作される操作部193bと、本体部193aに鉤状に形成されて球抜き弁191を係止する係止部193cと、本体部193aを下方に付勢するバネ部193dとを備えて形成されている。
球抜き弁191は、操作部材193の係止部193cに係止される被係止部191cを有しており、上球皿6への遊技球の払出が可能な通常状態においては、操作部材193の係止部193cによって被係止部191cが係止されて、球抜き口144を閉止する閉止位置に保持される。このとき、操作部材193は、バネ部193dの付勢力によって係止部193cが球抜き弁191の被係止部191cを係止する位置に保持される。
一方、操作部材193が上方へスライド操作されて係止部193cによる係止状態が解除されたときには、球抜き弁191は、側方通路141内における遊技球の流下の球圧を受けて球抜き口144を開放する開放位置に揺動して、側方通路141内を流下する遊技球を球抜き口144から排出し、パチンコ機PMの機外へ抜き出す。そして、球抜きが完了して操作部材193の上方へのスライド操作を解除すると、バネ部193dの付勢力によって操作部材193が下方へスライド移動し、自重によって閉止位置に復帰した球抜き弁191の被係止部191cと、操作部材193の係止部193cとが再度係止状態に戻ることにより、球抜き弁191が閉止位置に保持される。
続いて、賞球払出ユニット100による遊技球の払出動作について説明する。図13は、スクリュー150が初期位置(回転停止位置)にある状態を示している。このスクリュー150の初期位置では、螺旋状突起153の球受止面154cが案内通路140内の先頭の遊技球B1に当接して、該遊技球B1の流下を停止させている。このとき、後続の遊技球B2は先頭の遊技球に受け止められて整列状態で待機している。ここで、球受止面154cは、スクリュー150の軸方向に対して略垂直となるように形成されているため、先頭の遊技球B1から球受止面154cに加わる球圧が、スクリュー150を回転させる周方向ではなく、スクリュー150の軸方向と平行な方向に作用することとなる。そのため、遊技球Bの球圧によってスクリュー150が初期位置から不用意に回転してしまうのを防止することができる。また、このように球受止面154cが遊技球Bの流下を制止する初期位置では、先頭の遊技球B1とこれに隣接する後続の遊技球B2との間に形成される空隙Cに対して前後方向にずれた位置に螺旋状突起153の上流側端部154aが位置している。
そして、スクリュー150が初期位置から若干回転すると、スクリュー150の回転に伴って、螺旋状突起153の上流側端部154aが、先頭の遊技球B1及びこれに隣接する後続の遊技球B2に接触することなく空隙C内に進入する。こうして上流側端部154aが空隙C内に進入して後続の遊技球B2を受け止めることが可能となった後、球受止面154cが先頭の遊技球B1から退避する。
図14は、スクリュー150が払出位置(リリースポイント)に到達し、螺旋状突起153の上流側端部154aが先頭の遊技球B1を球払出口112へ送り出す状態を示している。このとき、先頭の遊技球B1は螺旋状突起153の上流側端部154aによって下流側に押し出されて球払出口112へ向けて流下する。そして、先頭の遊技球B1が螺旋状突起153の上流側端部154aに接触する状態がなくなるのと同時に、上流側端部154aによって後続の遊技球B2が受け止められる。スクリュー150により球払出口112へ放出された先頭の遊技球B1は、カウントセンサ113にて検出され、その検出信号が払出制御基板2000に向けて送信される。
[ステッピングモータの励磁方式]
次に、本実施形態でのステッピングモータ170の励磁方式を説明する。図示省略するが、ステッピングモータ170の基本構造は、周知のように、回転軸に取り付けられたロータ(回転子)と、その外側に固定された巻線コイルであるステータ(固定子)とで構成される。本実施形態では、例えば4相20極のステッピングモータ170を例示して説明するが、これに限定されるものではない。このステータの巻線コイルにパルス電流を流して磁力を発生させると、ロータが引きつけられることで一定角度だけ回転する。本実施形態でのステッピングモータ170は、複数の励磁相(A相、B相、C相、D相からなる4つの励磁相)を有しており、これら4つの励磁相への励磁を複数回繰り返して1回転するように構成されている。なお、上述したように、中間歯車182を介して噛合する駆動歯車181と従動歯車183との歯車比(ギヤ比)は1:1になっており、ステッピングモータ170の回転位置とスクリュー150の回転位置とは1:1で対応している。
本実施形態でのステッピングモータ170の励磁方式は、例えば、1相励磁方式、2相励磁方式、1−2相励磁方式のいずれでもよい。ここで、図15〜図17は、各励磁方式(励磁シーケンス)の概略を説明するための表を示している。
まず、図15では1相励磁方式を示している。この励磁方式では、A相→B相→C相→D相→A相→B相→…というシーケンスに従って励磁する。このように一つのパルスを与える度に決められたステップ角度だけ回転する。なお、励磁のシーケンスを逆にして、A相→D相→C相→B相→A相→D相というシーケンスに従って励磁すると逆回転する。
続いて、図16では2相励磁方式を示している。この励磁方式では、各相のパルス幅を1相励磁の2倍の幅とし、次の相と1パルス分だけずらしながら同時に励磁するもので、A相・B相→B相・C相→C相・D相→D相・A相→A相・B相→…というシーケンスに従って励磁する(逆回転の場合には反対)。この励磁方式では、1相励磁と比較して回転が安定して大きなトルクが得られるというメリットがある反面で、消費電力が増大するというデメリットがある。
最後に、図17では1−2相励磁方式を示している。この励磁方式は、各相のパルス幅を3とし、次の相とは2パルス分だけずらして励磁するもので、A相・B相→B相→B相・C相→C相→C相・D相→D相→D相・A相→A相→A相・B相→…というシーケンスに従って励磁する(逆回転の場合には反対)。この励磁方式では、1パルス幅ごとに回転する角度が1相励磁や2相励磁に比べて半分になるため、より細やかなモータ制御が可能となる。
本実施形態では、原則として通常動作時には2相励磁方式を採用することとする(詳細後述するが、リトライ動作時には、2相励磁方式から1−2相励磁方式又は1相励磁方式への切り替えが可能である)。
次に、図18を追加参照しながら、ステッピングモータ170の回転と賞球払出との関係を説明することとする。ここで、図18は賞球払出に関するタイムチャートである。まず、本実施形態において、ステッピングモータ170の回転軸171は、通常動作時の2相励磁方式では20ステップで1回転するものであり、4つの励磁相(A相、B相、C相、D相)への励磁を5回繰り返して360°回転するようになっている。つまり、ステッピングモータ170の回転軸171は、20ステップで遊技球1球が払い出される角度分(360°)だけ回転する。ステッピングモータ170の回転軸171が回転すると、歯車機構180を介して当該回転軸172に固定されたスクリュー150も追従回転する。ここで、ステッピングモータ170の回転軸172が1回転(360°回転)すると、スクリュー150により遊技球が1個だけ払い出されるようになっている。より具体的には、賞球個数の記憶が0でなければ、通常動作時には1ステップ3msの速度でステッピングモータ170を回転させ、20ステップ駆動することにより遊技球を1個払い出す。すなわち、通常動作時の割り込み処理タイミングは3msに設定されている。また、回転検出センサ114によりステッピングモータ170の初期位置判定を行い正常に回転しているか否かの検出を行う。賞球払出では、原則としてステッピングモータ170を正転方向(本例では、図7中におけるスクリュー150の矢印F(forward rotation)方向への回転を正転と定義する)に駆動させることにより行い、払い出した遊技球をカウントセンサ113にてカウントし、正常に払い出したことを確認する。なお、1回の連続払出動作では1コマンドで指定された賞球払出個数(例えば最大で15個)の遊技球の払出を行うため、賞球払出中の信号によりメイン制御基板1000側に賞球払出中であることを伝達する。また、1回の連続払出動作(本実施形態では3個)の後、所定時間(例えば、500ms)のモータ休止時間が設定されている。ここで、3個の賞球払出を一度に行う場合、3×20=60ステップ分のパルスが送信されることとなる。なお、本実施形態では、1回(3球分)の連続払出動作後にモータ休止時間を設定しているが、該モータ休止時間を設定せずに1コマンドで指定された賞球払出個数を連続的に払い出すように構成してもよい。
続いて、図19は、スクリュー150の回転角度θ及びステッピングモータ170の励磁ステータ位置jに対する遊技球の払出動作を示す遷移図である。ここで、スクリュー150の回転角度θにおいては、初期位置を0°とし、正転方向に360°回転させる場合を例示する。なお、励磁ステータ位置j(j=1,2,3,…,20)は、図16の表(2相励磁)における駆動パルスのステップ数に対応しており、A相及びD相が共に励磁された励磁ステータ位置j=4,8,12,16,20のうち、5回目に励磁される励磁ステータ位置j=20が初期位置に相当する。
スクリュー150は、遊技球1球分の払出動作において、A1→A2→A3の順番で回転変位する。図19の(A1)に示すように、スクリュー150が初期位置(θ=0°:j=20)で停止した状態では、先頭の遊技球B1はスクリュー150の球受止面154cに当接しており、案内通路140内での該遊技球の流下が堰き止められている。
図19の(A2)に示すように、スクリュー150を初期位置から正転方向に所定角度(θ=108°:j=6)だけ回転させた払出位置(リリースポイント)では、先頭の遊技球B1が螺旋状突起153の球受止面154cから離間するとともに螺旋状突起153の上流側端部154aによって下流側へ向けて送り出される。すなわち、スクリュー150の螺旋状突起153によって先頭の遊技球B1が払い出されることとなる。なお、これと同時に後続の遊技球(2番目の遊技球)B2が螺旋状突起153の上流側端部154aに当接して受け止められる。
図19の(A3)に示すように、スクリュー150を初期位置から1回転(θ=360°:j=20)させると、螺旋状突起153の回転変位に伴って、後続の遊技球(2番目の遊技球)B2が螺旋状突起153に摺接しながら軸方向に移動して螺旋状突起153の球受止面154cに受け止められ、その結果、スクリュー150と下方通路145との相対的な位置関係は元の初期位置に戻される。このように360°を1周期としてスクリュー150が360°回転する毎に遊技球が1球ずつ払い出される。
以上のように、スクリュー150は、励磁ステータ位置j=1〜5において螺旋状突起153の球受止面154cで先頭の遊技球を保持し、励磁ステータ位置j=6において遊技球を放出する払出位置に変位し、励磁ステータ位置j=7〜19において後続(2番目)の遊技球を螺旋状突起153に受容して補充し、励磁ステータ位置j=20において初期位置に復帰するという順番で駆動する。
[機能構成]
次に、図20の機能ブロック図を追加参照しながら、メイン制御基板1000及び払出制御基板2000の機能を説明する。なお、ここで主として示す機能は、本発明と特に関連する、メイン制御基板1000/払出制御基板2000間での機能である。
《メイン制御基板》
まず、メイン制御基板1000は、遊技の進行や賞球払出決定に関する制御を司る遊技制御手段1100と、払出制御基板2000側等とのコマンド・情報の送受信の制御を司る送受信制御手段1200と、払出制御基板2000側で現在払出実行中の賞球についての残賞球に関する制御を司る残賞球関連制御手段1300と、払出関連の処理に関する情報を一時記憶するための処理関連情報一時記憶手段1400と、賞球払出に関するエラーを制御するエラー制御手段1500と、停電等の電源断時や電源投入時において実行する処理制御を司る電源断時・電源立ち上げ時処理制御手段1600と、を有する。なお、遊技制御手段1100は、従来機が有する周知構成である。具体的には、遊技制御手段1100は、まず遊技の進行に関する処理としては、例えば、従来の第1種遊技機の場合を例に採ると、乱数発生、始動口入球を契機とした乱数取得、取得した乱数を用いての抽選、抽選結果に基づいた図柄(特別図柄)変動、抽選に当選している場合に通常は閉状態にある可変入賞口を開放する特別遊技の実行等、周知の処理を実行し、また、各入賞口に遊技球が入球した場合には、入賞口に対応した賞球数の払出決定処理を実行する。以下、本発明の特徴的な各手段について詳述する。
送受信制御手段1200は、メイン制御基板1000から払出制御基板2000等への送信制御を司る送信制御手段1210と、各種周辺機器(例えば、払出制御基板2000や各種信号出力装置)からの情報(信号も含む)を受信する受信制御手段1220と、を有する。
ここで、送信制御手段1210は、払出制御基板2000側にコマンドや情報を送信するための払出制御側送信制御手段1211を有している。この払出制御側送信制御手段1211は、賞球払出の際、払出制御基板2000側に送信される賞球払出コマンドがセットされる送信コマンド一時記憶手段1211aを有している。
また、受信制御手段1220は、パチンコ機PMに備えられた信号出力装置(例えば、入賞検出センサ等)からの情報(信号)を受信する遊技側受信制御手段1221と、払出制御基板2000側からの情報を受信する払出制御側受信制御手段1222と、を有している。ここで、遊技側受信制御手段1221は、信号出力装置から受信した情報を、当該情報に係る処理が実行されるまで一時記憶するための遊技側受信情報一時記憶手段1221aを有している。また、払出制御側受信制御手段1222は、払出制御基板2000から受信した情報を、当該情報に係る処理が実行されるまで一時記憶するための払出制御側受信情報一時記憶手段1222aを有している。
残賞球関連制御手段1300は、払出制御基板2000側で現在払い出している賞球の残賞球数を逐次更新しつつ一時記憶するための残賞球数一時記憶手段1310を有している。
処理関連情報一時記憶手段1400は、賞球払出の順番に到達していない未払賞球情報(待機賞球払出情報)を一時記憶するための未払出賞球情報一時記憶手段1410と、メイン制御基板1000側で実行される処理の際に必要な情報を一時記憶するための主制御側処理状態一時記憶手段1420と、払出制御基板2000側で実行されている払出処理状況や状態を一時記憶する払出制御側処理状態一時記憶手段1430と、を有している。
エラー制御手段1500は、メイン制御基板1000及び払出制御基板2000側での送受信に関するエラーを含む遊技関連エラー(例えば、送受信に関するエラー以外として扉開放エラー等)を監視するとともに、所定のエラーが発生した際に外部に異常を報知する制御を司る異常報知制御手段1510を有している。ここで、異常報知制御手段1510は、遊技関連エラーフラグのオンオフ状態を一時記憶するためのエラーフラグ一時記憶手段1511を有している。
電源断時・電源立ち上げ時処理制御手段1600は、電源基板4000からの供給電圧が所定の閾値を下回るときにNMI信号(電断信号)を出力する電圧監視手段1610と、電圧監視手段1610からNMI信号を受信したか否か、すなわち、停電等の発生により電源断が発生したか否かを判定する電源断有無判定手段1620と、電源の再投入時に遊技機の状態を電源切断前の状態に復帰させるべき、電源断時にメイン制御基板1000側で一時記憶していたデータを記憶しておくためのバックアップ情報一時記憶手段(バックアップRAM)1630と、遊技機の電源のオフ後においてもバックアップ情報一時記憶手段1630にバックアップ電圧を供給してデータを保持するバックアップ電源供給手段1640と、を有している。なお、詳細後述のように、バックアップ情報一時記憶手段1630への書き込みは、通常処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップ情報一時記憶手段1630に書き込まれた各情報の復帰は、電源投入時のメイン処理において実行される。
《払出制御基板》
払出制御基板2000は、メイン制御基板1000側やカードユニットC側等とのコマンド・情報の送受信の制御を司る送受信制御手段2100と、払出制御基板2000側での払出等に関連したエラーの制御を実行するエラー制御手段2200と、賞球払出コマンドや貸球コマンドを受けて所定個数の遊技球の払出処理を実行する払出制御手段2300と、球噛み等の要因によりステッピングモータ170の異常動作が検出されたときに当該異常動作の解消を図るための再試行動作(リトライ動作)を実行するリトライ動作制御手段2400と、を有している。以下、各手段について詳述する。
送受信制御手段2100は、メイン制御基板1000やカードユニットCからの情報(例えば、コマンドや信号)の受信制御を司る受信制御手段2110と、メイン制御基板1000やカードユニットCへの情報の送信制御を司る送信制御手段2120と、を有している。
送信制御手段2120は、賞球払出コマンド受信確認情報、エラー情報及び賞球払出完了情報等を、メイン制御基板1000に対して第一回線を介して送信制御する第一回線経由情報送信制御手段2121と、所定状況下で第二回線を介してメイン制御基板1000側にパルス信号を送信する第二回線経由信号送信制御手段2122と、を有している。ここで、第二回線経由信号送信制御手段2122は、賞球払出中には賞球払出信号(賞球が払出中の際にONとなる信号)を第二回線を介してメイン制御基板1000側に送信するよう制御する払出中信号送信制御手段2122aと、電源断時には残払出個数を第二回線を介してメイン制御基板1000側にパルス信号として送信するよう制御する電源断時信号送信制御手段2122bと、を有している。
エラー制御手段2200は、払出制御基板2000側での払出等のエラーフラグのオンオフ状態を一時記憶するためのエラーフラグ一時記憶手段2221を有している。
払出制御手段2300は、払出処理の際に必要な情報を一時記憶するための払出処理関連情報一時記憶手段2310を有している。ここで、払出処理関連情報一時記憶手段2310は、払出に関連した状態(例えば、払出中か、払出異常が発生しているか否か)を一時記憶するための払出状態フラグ一時記憶手段2311と、払出処理時に払い出されるべき遊技球の個数がセットされる払出カウンタ2312と、払出処理時にステッピングモータ170の駆動されるべきステップ数を一時記憶するためのステップカウンタ一時記憶手段2313と、ステッピングモータ170が駆動されている際に励磁されているステータの位置情報を一時記憶するための励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段2314と、励磁するステータ位置をある特定のステータ位置に切り替えた際に、励磁出力を低下させることに伴って通常時よりも長い時間励磁することを担保するための時間延長カウンタ2315と、1回の連続払出動作後における所定時間(球通過待ち時間・モータ休止時間)を計時するための球通過待ちタイマ2316と、ステッピングモータ170の励磁方法(励磁方式)に係る設定情報を一時記憶するための励磁方法設定情報一時記憶手段2317と、を有しており、詳細後述する払出制御処理の態様に応じて各記憶手段、カウンタ及びタイマ2311〜2317の一部又は全部を機能させる。ここで、球通過待ちタイマ2316はデクリメント方式のタイマであり、タイマ値が0となった時点で停止するように構成されているが、これには限定されず、インクリメント方式のタイマを用いて構成してもよい。
リトライ動作制御手段2400は、リトライ動作時においてステッピングモータ170の励磁方式の切替制御を実行する励磁方式切替制御手段2410と、リトライ動作時においてステッピングモータ170の正逆回転の切替制御を実行する正逆回転切替制御手段2420と、を有している。
[制御処理]
次に、本実施形態に係るパチンコ機PMで実行される4つの制御処理に関して説明する。
<制御処理(1)>
それでは以下において、第1の制御処理に係る、具体的な態様について説明する。ここで、図21はメイン制御基板1000側での処理を示すフローチャートであり、図22は払出制御基板2000側での処理を示すフローチャートである。
《メイン制御基板側での処理(共通)》
まず、図21のフローチャートを参照しながら、メイン制御基板1000における処理を説明することとする。ここで、図21(左)は所定時間毎に起動されるタイマ割り込み処理であり、図21(右)は電源電圧が所定の閾値を下回ると発せられるNMI信号を契機としてCPUのレジスタ値をバックアップする等の電源断時処理である。
図21(左)に示すように、タイマ割り込み処理において、まず始めにステップS1100で、メイン制御基板1000は、電源立ち上げ時処理を実行する。次に、ステップS1200で、メイン制御基板1000は、未払出賞球管理処理を実行する。次に、ステップS1300で、メイン制御基板1000は、払出制御基板2000側へのコマンド送信制御処理を実行する。次に、ステップS1400で、メイン制御基板1000は、払出制御基板2000側からの情報受信制御処理を実行する。そして、ステップS1500で、メイン制御基板1000は、エラー時対応制御処理を実行し、ステップS1200に移行する。
図21(右)に示すように、NMI信号の受信を契機とする電源断時処理において、まず始めに、ステップS1600で、メイン制御基板1000は、電源断時基本処理を実行する。次に、ステップS1700で、メイン制御基板1000は、払出制御基板2000側に0球コマンドを送信する払出ユニット強制停止コマンド送信制御処理を実行する。次に、ステップS1800で、メイン制御基板1000は、払出途中で電源断した際の未払出賞球数を管理する未払出賞球管理処理を実行し、その後、該処理をループすることで他の割り込み処理が実行されることを禁止し、電源電圧が降下してCPUが非作動状態になるまで待機する。以下、サブルーチンの処理を順に説明することとする。
図21のステップS1100のサブルーチンに係る、電源立ち上げ時処理において、電源断時・電源立ち上げ時処理制御手段1600は、バックアップ情報一時記憶手段1630に一時記憶された情報に基づき、各一時記憶手段(レジスタ)等に電源断時前の状態をセットする(該処理を「ステップS1110」と称する)。例えば、賞球払出中に電源断してしまい、途中までしか賞球払出動作が実行されていない場合には、残りの賞球数を残賞球数一時記憶手段1310にセットする。次に、ステップS1120で、電源断時・電源立ち上げ時処理制御手段1600は、残賞球数一時記憶手段1310の残賞球数が0でないか否かを判定する(該処理を「ステップS1120」と称する)。ステップS1120でYesの場合、払出制御側送信制御手段1211は、残賞球数一時記憶手段1310の残賞球数が払い出されるよう、当該残賞球数に対応した賞球払出コマンドを送信コマンド一時記憶手段1211aにセットする(該処理を「ステップS1125」と称する)。そして、払出制御側送信制御手段1211は、送信コマンド一時記憶手段1211aにセットした賞球払出コマンドを払出制御基板2000側に送信し(該処理を「ステップS1130」と称する)、次の処理(ステップS1200の未払出賞球管理処理)に移行する。そして、これを受信した払出制御基板2000側では、電源断時に払い出されなかった残賞球分が電源断復帰後に払い出されることになる。なお、ステップS1120でNoの場合にも次の処理(ステップS1200の未払出賞球管理処理)に移行する。
次に、図21のステップS1200のサブルーチンに係る、未払出賞球管理処理において、遊技側受信制御手段1221は、遊技側受信情報一時記憶手段1221aを参照し、いずれかの入賞検出センサ14s,15s,16sから入賞信号を受信したか否かを判定する(該処理を「ステップS1205」と称する)。ステップS1205でYesの場合、遊技側受信制御手段1221は、受信した入賞信号に係る未払出賞球情報を、未払出賞球情報一時記憶手段1410に一時記憶し(該処理を「ステップS1210」と称する)、次の処理(ステップS1300の対払出制御基板送信制御処理)に移行する。なお、ステップS1205でNoの場合にも、次の処理(ステップS1300の対払出制御基板送信制御処理)に移行する。
次に、図21のステップS1300のサブルーチンに係る、対払出制御基板送信制御処理において、払出制御側送信制御手段1211は、第二回線(賞球払出中か否かに係るON・OFF信号を送信する回線)の入力ポートを参照し、払出信号がOFFであるか否か、すなわち、現在払出が実行されていないか否かを判定する(該処理を「ステップS1305」と称する)。ステップS1305でYesの場合、払出制御側送信制御手段1211は、未払出賞球情報一時記憶手段1410を参照し、未払出賞球(未だ賞球払出コマンドを払出制御基板2000側に送信していない賞球)が存在するか否かを判定する(該処理を「ステップS1310」と称する)。ステップS1310でYesの場合、払出制御側送信制御手段1211は、エラーフラグ一時記憶手段1511を参照し、賞球払出に関するエラー(例えば、ステッピングモータ170の故障に関するエラー、上球皿満タン等)が発生していないか否かを判定する(該処理を「ステップS1315」と称する)。ステップS1315でYesの場合、払出制御側送信制御手段1211は、未払出賞球情報一時記憶手段1410に一時記憶されている、今回払出処理が実行される順番の未払出賞球情報に対応した賞球数分の賞球払出コマンドを、送信コマンド一時記憶手段1211aにセットする(該処理を「ステップS1320」と称する)。そして、払出制御側送信制御手段1211は、今回セットした賞球払出コマンドに対応する残賞球情報を、残賞球情報一時記憶手段1310から消去し、以降の情報をシフトさせる処理を実行する(該処理を「ステップS1325」と称する)。次に、払出制御側送信制御手段1211は、送信コマンド一時記憶手段1211aにセットした賞球払出コマンドを払出制御基板2000側に送信する(該処理を「ステップS1330」と称する)。そして、残賞球関連制御手段1300は、残賞球数一時記憶手段1310の残賞球数として、今回セットした賞球払出コマンドに係る賞球数をセットし(該処理を「ステップS1335」と称する)、次の処理(ステップS1400の対払出制御基板受信制御処理)に移行する。なお、ステップS1305、ステップS1310及びステップS1315でNoの場合にも、次の処理(ステップS1400の対払出制御基板受信制御処理)に移行する。
次に、図21のステップS1400のサブルーチンに係る、対払出制御基板受信制御処理において、払出制御側受信制御手段1122は、払出制御側受信情報一時記憶手段1122aを参照し、第一の払出関連情報を受信したか否かを判定する(該処理を「ステップS1405」と称する)。ここで、ステップS1405でYesの場合、エラー制御手段1500は、受信した第一の払出関連情報中にエラー情報(払出関連エラー)が存在するか否かを判定する(該処理を「ステップS1410」と称する)。ステップS1410でYesの場合、エラー制御手段1500は、エラーフラグ一時記憶手段1511にアクセスし、該当するエラーに係るエラーフラグをオンにすることで、払出制御基板2000側でのエラー情報をメイン制御基板1000側でも管理(一元管理)する(該処理を「ステップS1415」と称する)。他方、ステップS1410でNoの場合、エラー制御手段1500は、エラーフラグ一時記憶手段1511にアクセスし払出制御基板2000側でのエラーに係るエラーフラグをオフにする(該処理を「ステップS1420」と称する)。次に、異常報知制御手段1510は、受信した第一の払出関連情報中に賞球払出完了情報が存在するか否かを判定する(該処理を「ステップS1425」と称する)。ステップS1425でYesの場合、異常報知制御手段1510は、払出制御基板2000側で払出完了している旨の情報を受信したにも拘わらず、残賞球数一時記憶手段1310に一時記憶されている残賞球数が0でない状況であるか否かを判定する(該処理を「ステップS1430」と称する)。ステップS1430でYesの場合、異常報知制御手段1510は、外部に異常を報知する処理(例えば、ホールコンピュータへの異常情報出力、サイドランプの点滅等)を実行する(該処理を「ステップS1435」と称する)。ステップS1430でNoの場合、送受信制御手段1200は、送信コマンド一時記憶手段1211aにセットされている賞球払出コマンド(今回の払出完了に係る賞球払出コマンド)をクリアする(該処理を「ステップS1440」と称する)。なお、ステップS1405でNoの場合には次の処理(ステップS1445)に移行し、ステップS1425でNoの場合にも次の処理(ステップS1445)に移行する。これにより第一の払出関連情報の受信に関する処理が終了する。次に、払出制御側受信制御手段1122は、払出制御側受信情報一時記憶手段1122aを参照し、第二の払出関連情報を受信したか否かを判定する(該処理を「ステップS1445」と称する)。ここで、ステップS1445でYesの場合、残賞球関連制御手段1300は、残賞球数一時記憶手段1310の残賞球数を1減算し(該処理を「ステップS1450」と称する)、次の処理(ステップS1500のエラー時対応制御処理)に移行する。なお、ステップS1445でNoの場合にも、次の処理(ステップS1500のエラー時対応制御処理)に移行する。
次に、図21のステップS1500のサブルーチンに係る、エラー時対応制御処理において、まず始めに、エラー制御手段1500は、エラーフラグ一時記憶手段1511を参照し、エラーが発生しているか否かを判定する(該処理を「ステップS1505」と称する)。ステップS1505でYesの場合、エラー制御手段1500は、発生したエラーが重要エラー(例えば、不正行為の危険性が高い上球皿満タンエラー)であるか否かを判定する(該処理を「ステップS1510」と称する)。ステップS1510でYesの場合、エラー制御手段1500は、ホールコンピュータに対して今回発生したエラーに対応したエラー情報を送信する(該処理を「ステップS1515」と称する)。そして、エラー制御手段1500は、今回発生したエラーに対応したエラー報知コマンドをサブ制御基板1300側に送信し(該処理を「ステップS1520」と称する)、次の処理(ステップS1200の未払出賞球管理処理)に移行する。なお、ステップS1505でNoの場合にも次の処理(ステップS1200の未払出賞球管理処理)に移行し、ステップS1510でNoの場合にはステップS1520に移行する。
次に、図21(右)に示すように、電源電圧が所定の閾値を下回ると発せられるNMI信号を契機としてCPU等のレジスタ値をバックアップする等の電源断時処理(ステップS1600〜S1800)を説明する。
先ず、図21のステップS1600のサブルーチンに係る、電源断時基本処置において、電源断時・電源立ち上げ時処理制御手段1600は、現在の遊技状態をバックアップ情報一時記憶手段1620に一時記憶し(該処理を「ステップS1605」と称する)、次の処理(ステップS1700の払出ユニット強制停止コマンド送信制処理)に移行する。ここで、現在の遊技状態としては、現時点における各レジスタの内容、例えば、賞球払出中の場合には賞球払出状態、未賞球払出データがある場合には当該データ等を挙げることができる。
次に、図21のステップS1700のサブルーチンに係る、払出ユニット強制停止コマンド送信制御処理において、払出制御側送信制御手段1211は、賞球数が0球である賞球払出コマンドを送信コマンド一時記憶手段1211aにセットする(該処理を「ステップS1705」と称する)。なお、後述するように、これを受信した払出制御基板2000側では、賞球払出動作中であった場合には当該動作を強制停止させる処理を実行する。そして、払出制御側送信制御手段1211は、送信コマンド一時記憶手段1211aにセットした賞球払出コマンドを払出制御基板2000側に送信し(該処理を「ステップS1710」と称する)、次の処理(ステップS1800の未払出賞球管理処理)に移行する。
次に、図21のステップS1800のサブルーチンに係る、未払出賞球(賞球払出コマンド送信済)管理処理において、払出制御側送信制御手段1211は、電源断が発生した旨の情報を払出制御基板2000側に送信する(該処理を「ステップS1805」と称する)。次に、払出制御側受信制御手段1222は、第二回線の入力ポートを参照し、払出制御基板2000から残賞球情報を受信したか否かを判定する(該処理を「ステップS1810」と称する)。なお、情報受信態様としては、第二回線を介しての残賞球情報に係るパルスを受信する手法で実行される。ここで、ステップS1810でNoの場合には、当該情報を受信するまでこの処理をループする。そして、ステップS1810でYesの場合、残賞球関連制御手段1300は、払出制御基板2000から受信した残賞球情報と、メイン制御基板1000側で管理している残賞球数一時記憶手段1310に一時記憶されている残賞球情報との比較を実行する(該処理を「ステップS1815」と称する)。そして、残賞球関連制御手段1300は、ステップS1815での比較結果が同一であるか否かを判定する(該処理を「ステップS1820」と称する)。ステップS1820でYesの場合には、賞球払出に異常が発生していないものとし、図21に示すように、当該処理をループすることで他の割り込み処理が実行されることを禁止し、電源電圧が降下してCPUが非動作状態になるのを待つ。他方、ステップS1820でNoの場合、すなわち、メイン制御手段1000及び払出制御基板2000間で残賞球情報が不一致である場合には、残賞球関連制御手段1300は、メイン制御基板1000側で管理している、残賞球数一時記憶手段1310に一時記憶されている残賞球情報をクリアし(該処理を「ステップS1825」と称する)、前記同様、当該処理をループすることで他の割り込み処理が実行されることを禁止し、電源電圧が降下してCPUが非動作状態になるのを待つ。
《払出制御基板側での処理(1)》
次に、図22を参照しながら、払出制御基板2000側での処理を詳述する。図22は、払出制御基板2000におけるメインルーチンを示すフローチャートである。始めに、ステップS2100で、払出制御基板2000は、メイン制御基板1000との間での賞球払出関連情報送受信処理を実行する。次に、ステップS2200で、払出制御基板2000は、賞球払出制御処理を実行する。以下、各サブルーチンを詳述することとする。
まず、図22のステップS2100のサブルーチンに係る、賞球払出関連情報送受信処理(対メイン制御基板)において、メイン側受信制御手段2111は、払出状態フラグ一時記憶手段2311を参照し、モータ駆動中フラグがオフであるか否かを判定する(該処理を「ステップS2105」と称する)。ここで、「モータ駆動中フラグ」とは、賞球払出ユニット100のステッピングモータ170が駆動動作中にオンになるフラグである。ステップS2105でYesの場合、メイン側受信制御手段2111は、メイン受信情報一時記憶手段2111aを参照し、賞球払出コマンドを受信したか否かを判定する(該処理を「ステップS2110」と称する)。ステップS2110でYesの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域にアクセスし、賞球払出開始許可フラグをオンにする(該処理を「ステップS2115」と称する)。次に、払出制御手段2300は、メイン側受信情報一時記憶手段2111aに一時記憶されている賞球払出コマンド情報に基づき、今回払い出されるべき賞球数を導き、当該賞球数情報を払出カウンタ2312にセットし(該処理を「ステップS2120」と称する)、次の処理(ステップS2130)に移行する。以上で、通常の賞球払出処理が実行される際の、賞球払出数のセット処理を終了する。
他方、ステップS2105でNoの場合、電源断時における強制払出停止処理が実行される。具体的には、ステップS2105でNoの場合、すなわち、ステッピングモータ170が駆動中である場合、メイン側受信制御手段2111は、メイン側受信情報一時記憶手段2111aを参照し、払出数=0球の賞球払出コマンドを受信したか否かを判定する(該処理を「ステップS2125」と称する)。ここで、上述したメイン制御基板1000側での処理からも理解できるように、本実施形態では原則として、払出制御基板2000側で賞球払出中である場合には、メイン制御基板1000側からは次の賞球払出コマンドが送信されることはない。但し、電源断時に払出制御基板2000側で賞球払出中である場合には、メイン制御基板1000側から賞球払出コマンドに対して0球賞球払出コマンドを送信し、払出動作を強制的に停止するように構成されている。このような構成下、ステップS2125でYesの場合には、次の処理(ステップS2120)に移行する。すなわち、ステップS2120で、現在の払出カウンタ2312に0をオーバーライトする。これにより、後述するように、スクリュー150を電源断時の回転位置に応じて元の初期位置まで逆回転又は次の初期位置まで正回転させて強制停止し、電源断におけるスクリュー150の惰性による回転を防止する。他方、ステップS2125でNoの場合には次の処理(ステップS2130)に移行する。また、ステップS2110でNoの場合にも次の処理(ステップS2130)に移行する。以上で、電源断時にメイン制御基板1000から0球賞球払出コマンドを受信した際の、0球賞球払出のセット処理を終了する。
次に、メイン側受信制御手段2111は、メイン側受信情報一時記憶手段2111aを参照し、電源断発生情報(ステップS1805を参照)を受信したか否かを判定する(該処理を「ステップS2130」と称する)。ステップS2130でYesの場合、第二回線経由信号送信制御手段2122(特に電源断時信号送信制御手段2122b)は、払出カウンタ2312を参照して残賞球数に関する情報を取得した上、当該残賞球数と対応したパルス信号を、メイン制御基板1000側に第二回線を介して送信し(該処理を「ステップS2135」と称する)、次の処理(ステップS2140)に移行する。なお、ステップS2130でNoの場合にも次の処理(ステップS2140)に移行する。以上で、電源断時にメイン制御基板1000側に対して残賞球数を送信する処理を終了する。
次に、第一回線経由情報送信制御手段2121は、払出状態フラグ一時記憶手段2311を参照し、1個払出確認フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS2140」と称する)。ここで、「1個払出確認フラグ」とは、賞球払出ユニット100のカウントセンサ113で遊技球が1個検出された際にオンとなるフラグである。ステップS2140でYesの場合、第一回線経由情報送信制御手段2121は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域にアクセスし、1個払出確認フラグをオフにする(該処理を「ステップS2145」と称する)。そして、第一回線経由情報送信制御手段2121は、メイン制御基板1000側に対して1個賞球が払い出された旨の情報(図6中の固定値「11011011」)を送信し(該処理を「ステップS2150」と称する)、次の処理(ステップS2155)に移行する。以上で、1個払出確認情報の送信処理を終了する。
次に、第一回線経由情報送信制御手段2121は、エラーフラグ一時記憶手段2221を参照し、いずれかの払出関連エラー報知フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS2155」と称する)。ここで、「払出関連エラー報知フラグ」とは、払出関連エラー(例えば、上球皿満タンエラー、球切れエラー、モータ故障エラーなど)が発生した際にオンとなるフラグである。ステップS2155でYesの場合、エラー制御手段2200は、エラーフラグ一時記憶手段2221の、今回発生したエラーに対応した払出関連エラー報知フラグをオフにする(該処理を「ステップS2160」と称する)。そして、ステップS2165で、第一回線経由情報送信制御手段2121は、今回発生したエラーに対応した払出関連エラー情報をメイン制御基板1000側に送信し(該処理を「ステップS2165」と称する)、次の処理(ステップS2170)に移行する。なお、ステップS2155でNoの場合にも次の処理(ステップS2170)に移行する。以上で、払出関連エラー情報送信処理を終了する。
次に、第一回線経由情報送信制御手段2121は、払出状態フラグ一時記憶手段2311を参照し、賞球払出完了フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS2170」と称する)。ここで、「賞球払出完了フラグ」とは、払出制御手段2300により賞球払出が完了したと判定された場合にオンとなるフラグである。ステップS2170でYesの場合、第一回線経由情報送信制御手段2121は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域にアクセスし、賞球払出完了フラグをオフにする(該処理を「ステップS2175」と称する)。そして、第一回線経由情報送信制御手段2121は、メイン制御基板1000側に対して賞球払出が完了した旨の情報を送信し(該処理を「ステップS2180」と称する)、次の処理(ステップS2200の賞球払出制御処理)に移行する。なお、ステップS2170でNoの場合にも次の処理(ステップS2200の賞球払出制御処理)に移行する。以上で、賞球払出完了情報送信処理を終了する。
次に、図22のステップS2200のサブルーチンに係る、賞球払出制御処理において、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311を参照し、賞球払出開始許可フラグ(ステップS2115を参照)がオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS2205」と称する)。ステップS2205でYesの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、賞球払出中フラグをオンにする(該処理を「ステップS2210」と称する)とともに、賞球払出開始許可フラグをオフにする(該処理を「ステップS2215」と称する)。そして、払出制御手段2300は、払出カウンタ2312にセットされている賞球払出個数が所定個数(例えば3個)以上であるか否かを判定する(該処理を「ステップS2220」と称する)。ステップS2220でYesの場合、払出制御手段2300は、所定個数分払い出されるよう、ステップカウンタ一時記憶手段2313にカウンタ値(n)を一時記憶し(該処理を「ステップS2225」と称する)、次の処理(ステップS2230)に移行する。ここで一時記憶されるカウンタ値(n)は、ステッピングモータ170のステップ数である。ここで本実施形態では、回転検出センサ114がONである状態(初期位置)から再び同じ状態(次の初期位置)になるまでを20ステップ(遊技球1球を払い出す回転角360°に相当)とし、所定個数に対応したステップ数がステップカウンタ一時記憶手段2313にカウント値(n)として一時記憶される。他方、ステップS2220でNoの場合、すなわち、払出カウンタ2312にセットされている賞球払出個数が所定個数に満たない場合には、払出制御手段2300は、払出カウンタ2312にセットされている賞球払出個数分が払い出されるよう、ステップカウンタ一時記憶手段2313にカウンタ値(n)を一時記憶し(該処理を「ステップS2227」と称する)、次の処理(ステップS2230)に移行する。そして、払出制御手段2300は、励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)として初期値0をセットする(該処理を「ステップS2230」と称する)。ここで、励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)は、ステータに対するロータの相対位置を示したものであり、「20」が払出待機時(停止時)における初期位置に相当する。なお、モータ動作時には、励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)は1≦j≦20(図16及び図19を参照)の間を巡回する。そして、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、モータ駆動中フラグをオンにする(該処理を「ステップS2235」と称する)。以上で、モータ駆動開始処理を終了する。
続いて、前の処理(ステップS2225又はステップS2227)でセットされたステップ数に基づき、実際にモータ駆動を実行する。具体的には、払出制御手段2300は、ステップカウンタ一時記憶手段2313のステップカウンタ値(n)を1減算する(該処理を「ステップS2240」と称する)。次に、払出制御手段2300は、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段2314における励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)を更新(1インクリメント)する(該処理を「ステップS2242」と称する)。
次に、払出制御手段2300は、ステップカウンタ一時記憶手段2313にカウンタ値(n)を参照し、カウンタ値(n)が0であるか否か、すなわち、ステップS2225又はステップS2227でセットしたステップ数がすべて実行されたか否か(予定していたモータ駆動が完了したか否か)を判定する(該処理を「ステップS2245」と称する)。ステップS2245でYesの場合、払出制御手段2300は、回転検出センサ114からのON・OFF信号に基づきスクリュー150を初期位置で停止させ(該処理を「ステップS2247」と称する)、次の処理(ステップS2250)に移行する。他方、ステップS2245でNoの場合、すなわち、ステップS2225又はステップS2227で予定していたモータ駆動が完了していない場合には、払出制御手段2300は、払出カウンタ2312の払出カウンタ値が0であるか否か、すなわち、メイン制御基板1000側からの電源断時強制停止指令を受信したか否かを判定する(該処理を「ステップS2290」と称する)。
ステップS2290でYesの場合、払出制御手段2300は、回転検出センサ114からのON・OFF信号に基づき、スクリュー150が初期位置にあるか否かを判定する(該処理を「ステップS2292」と称する)。ステップS2292でYesの場合、すなわち、スクリュー150が初期位置にある場合には、次の処理(ステップS2298)に移行する。他方、ステップS2292でNoの場合、すなわち、スクリュー150が初期位置にない場合には、払出制御手段2300は、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段2314における励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)が第1の特定値(jSP1=6)以上である否か、すなわち、スクリュー150の回転位置が払出位置に到達しているか否かを判定する(該処理を「ステップS2295」と称する)。ここで、第1の特定値jSP1は、前述したように、遊技球が払い出される際の励磁ステータ位置として6ステップ目(jSP1=6)が設定されている。ステップS2295でYesの場合、すなわち、スクリュー150の回転位置が払出位置に達している場合(6≦j≦19)には、ステップS2296で、払出制御手段2300は、ステッピングモータを駆動制御して、回転検出センサ114のON・OFF信号に基づき、スクリュー150を次の初期位置まで正転移行させてから強制停止する(該処理を「ステップS2296」と称する)。ここで、次の初期位置とは、スクリュー150を正転させた場合に最初に到達する初期位置のことをいう。他方、ステップS2295でNoの場合、すなわち、スクリュー150の回転位置が払出位置に到達していない場合(1≦j≦5)には、ステップS2297で、払出制御手段2300は、ステッピングモータ170を駆動制御して、回転検出センサ114のON・OFF信号に基づき、スクリュー150を元の初期位置まで逆転復帰させてから強制停止する(該処理を「ステップS2297」と称する)。ここで、元の初期位置とは、スクリュー150を逆転させた場合に最初に到達する初期位置のことをいう。そして、払出制御手段2300は、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段2314に対応したステータ(A相)を、定常の励磁出力よりも高い励磁出力(例えば100%出力)で励磁し、スクリュー150を初期位置でホールドする(該処理を「ステップS2298」と称する)。これにて電源断時における払出強制停止処理を終了する。そして、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスしてモータ駆動中フラグをオフにし(該処理を「ステップS2250」と称する)、次の処理(ステップS2255)に移行する。以上で、モータ停止処理を終了する。
次に、払出制御手段2300は、カウントセンサ113から遊技球検知信号を受信したか否かを判定する(該処理を「ステップS2255」と称する)。ステップS2255でYesの場合、払出制御手段2300は、払出カウンタ2312に一時記憶されているカウンタ値を1減算する(該処理を「ステップS2260」と称する)。そして、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、1個払出確認フラグをオンにし(該処理を「ステップS2262」と称する)、次の処理(ステップS2265)に移行する。なお、ステップS2255でNoの場合にも次の処理(ステップS2265)に移行する。以上で、遊技球検知処理を終了する。
次に、払出制御手段2300は、払出カウンタ2312を参照し、カウント値が0であるか否かを判定する(該処理を「ステップS2265」と称する)。ステップS2265でYesの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、賞球払出中フラグをオフにする(該処理を「ステップS2270」と称する)とともに、賞球払出完了フラグをオンにし(該処理を「ステップS2275」と称する)、次の処理(ステップS2100の賞球払出関連情報送受信処理)に移行する。
他方、ステップS2205でNoの場合、すなわち、賞球払出開始許可フラグがオフである場合には、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311を参照し、モータ駆動中フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS2280」と称する)。ここで、ステップS2280でYesの場合には、ステップS2240に移行して賞球払出動作を継続する。他方、ステップS2280でNoの場合には、払出制御手段2300は、賞球払出中フラグがオフであるか否かを判定する(該処理を「ステップS2285」と称する)。ステップS2285でNoの場合には、まだ払出を実行すべき賞球が存在すると判定し、ステップS2220に移行する。他方、ステップS2285でYesの場合及びステップS2265でNoの場合には、次の処理(ステップS2100の賞球払出関連情報送受信処理)に移行する。
次に、図23〜図26を追加参照しながら、本実施形態(第1の制御処理)でのパチンコ機PMの作用を説明する。
まず、図23は従来技術における払出装置の惰性による回転に起因した余剰払出の様子を示したタイミングチャートである。ここで、図中の最上段の「賞球払出コマンド」は、メイン制御基板1000側から払出制御基板2000側に送信される賞球払出コマンドに関する、当該コマンドが送信されるタイミングと内容を示したものである。第二段の「払出回線(払出信号)」は、第二回線を介して払出制御基板2000側からメイン制御基板1000側に対して、払出動作中はON信号、払出非動作中はOFF信号が送信される様子を示したものである。第三段の「払出モータ」は、ステッピングモータ170が駆動動作中であるか否かの様子を示したものである。なお、図中の「S」は初期位置を示し、「H」はスクリュー150の払出位置を示したものである。第四段の「カウントセンサ」は、カウントセンサ113による賞球検知の有無の様子を示したものである。
そこで、当該図を時系列的に説明すると、まずメイン制御基板1000側から「3球」の賞球払出コマンドが払出制御基板2000側に送信される。これを受けて、払出制御基板2000側からメイン制御基板1000側に第二回線を通じて賞球払出中を示す「オン信号」が送信されるとともに、賞球払出ユニット100のステッピングモータ170の回転が開始する。ここで、賞球払出コマンドに対しては、ステッピングモータ170が連続駆動される結果、スクリュー150が停止することなく連続して3球を払い出す(「S1」→「S2」→「S3」)。そして、3回目の払出位置「S3」の到達が確認された後、スクリュー150の回転止位置が初期位置(「S4」)となった時点でステッピングモータ170の駆動が停止する。この賞球払出動作では3球の賞球払出が確認できたので(「カウントセンサ」の欄を参照)、今回の賞球払出コマンドに対応した賞球払出処理は終了する。
その後、メイン制御基板1000側から「3球」の賞球払出コマンドが払出制御基板2000側に送信される。これを受けて、上記と同様の賞球払出処理が実行されることになるが、今回の賞球払出処理では図に示すように電源断が発生する。上述したように、払出制御基板2000側ではある程度の蓄電があるため、しばらくの間はステッピングモータ170の駆動を続行するが、3球分の駆動を実行する前に蓄電が浪費される。そのため、停止処理を実行できぬまま蓄電が無くなる結果、スクリュー150は惰性で回転し続け(図中の点線部)、本来予定していた3球分のスクリュー150の回転駆動よりも過剰に回転してしまう。このような過剰回転のため、本来よりも多くの賞球(計4球)が払い出される結果となる。
そして、電源断復帰後、スクリュー150(ステッピングモータ170)の初期位置設定がなされる。ここで、電源断時には、スクリュー150が惰性で回転して位置制御できぬままに回転エネルギーが無くなった位置で停止するため、電源断復帰の際には通常動作時のように初期位置では停止しない。よって、電源復帰時にはスクリュー150を初期位置に復帰させる動作を実行しなければならないため払出動作が遅延する事態を招いている。
続いて、図24は、本実施形態における賞球払出ユニット100のスクリュー150の惰性回転に起因した余剰払出防止の様子を示したタイミングチャートである。ここで、前述した従来技術との違いは、払出制御基板2000側にて蓄電により作動可能な期間内に、電断発生時のスクリュー150の回転位置に応じて、スクリュー150を選択的に正逆回転させて初期位置で強制停止させる点にある。
ここで、図25及び図26は電源断時におけるモータ強制停止処理実行時のタイミングチャートであり、図25は電源断時にスクリュー150が払出位置に到達していない場合(j<6)、図26は電源断時にスクリュー150が払出位置に到達している場合(6≦j≦19)である。まず、図25に示すように、賞球払出中において、励磁ステータ位置j=5のときに電源断が発生した場合、すなわち、スクリュー150が払出位置(j=6)まで到達しておらず螺旋状溝156に保持した遊技球を払い出していない場合には、ステッピングモータ170を元の初期位置(j=20)まで逆転復帰させてから強制停止する。他方、図26に示すように、励磁ステータ位置j=8のときに電源断が発生した場合、すなわち、スクリュー150が払出位置(j=6)に到達しており螺旋状溝156内に保持した遊技球を既に払い出している場合には、ステッピングモータ170をそのまま正転させ続けて次の初期位置(j=20)で強制停止する。これにより、電源断時におけるスクリュー150が余剰に回転してしまうことに起因した、予定外の賞球払出が防止される。更には、電源断発生時のスクリュー150の回転位置に応じて、スクリュー150を選択的に正逆回転させて初期位置に復帰させるため、電源断発生という電源供給が不安定な状況下で賞球が払い出されるのを防止できるとともに、電源断復帰後に改めて初期位置設定をしなくてもよいので復帰後の遊技機の動作(払出動作)が遅延するおそれも解消する。
本実施形態における第1の制御処理によれば、遊技球の払出動作中に停電等といった電源断が発生した場合であっても、払出制御基板2000側において蓄電がある状況下でスクリュー150を正転方向又は逆転方向に回転させて初期位置で強制停止させるように構成されているため、スクリュー150が回転している最中に電源断しても、スクリュー150が惰性で回転し続けて遊技球が余剰に払い出される事態を回避することが可能になるという効果を奏する。
更に、前記効果に加え、電源断が発生したときに、スクリュー150の回転位置が払出位置に到達していない場合には逆回転させて元の初期位置に復帰させ、スクリュー150の回転位置が払出位置に到達している場合には正回転させて次の初期位置に移行させる構成であるため、電源断発生という電源供給が不安定な状況下で賞球が払い出されるのを防止できるとともに、電源断復帰後に改めて初期位置設定をしなくてもよいので、電源断復帰後に払出動作が遅延せず、円滑な賞球払出を実現することができるという効果を奏する。
続いて、上述した電源断時におけるモータ強制停止処理の変更例を説明する。上述の実施形態では、電源断時にはメイン制御基板1000側がNMI信号を受信後、メイン制御基板1000側から払出制御基板2000側に電源断発生情報を送信するように構成したが、これには限定されない。電源断時に払出制御基板2000がNMI信号を受信するように構成した場合、すなわち、払出制御基板2000を図4に示すようなハードウェア構成を採用して電圧監視手段を備えた場合には、ステップS1705のような、メイン制御基板1000側から払出制御基板2000側への電源断発生情報の送信処理は不要となる。そして、払出制御基板2000側で電源断が発生したと判断した場合には、払出カウンタ2312のカウンタ値に0をセットして、スクリュー150を正転又は逆転させて強制的に初期位置で停止させる処理や、メイン制御基板1000側に残賞球数情報を送信する処理を実行することができる。
<制御処理(2)>
それでは以下において、第2の制御処理に係る、具体的な態様について説明する。ここで、図27は払出制御基板2000側での処理を示すフローチャートである。なお、メイン制御基板1000側で実行される処理は、前述した第1の制御処理と同様であるため、ここではその説明を省略し、主として払出制御基板2000側での処理を中心に説明する。
《払出制御基板側での処理(2)》
図27を参照しながら、払出制御基板2000側での処理を詳述する。図27は、払出制御基板2000におけるメインルーチンを示すフローチャートである。始めに、ステップS3100で、払出制御基板2000は、メイン制御基板1000との間での賞球払出関連情報送受信処理を実行する。次に、ステップS3200で、払出制御基板2000は、賞球払出制御処理(賞球払出開始時・モータ駆動開始時)を実行する。次に、ステップS3300で、払出制御基板2000は、賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)を実行する。次に、ステップS3400で、払出制御基板2000は、賞球払出制御処理(賞球払出終了時・モータ駆動終了時)を実行する。そして、ステップS3500で、払出制御基板2000は、後述するモータエラー時処理を実行し、ステップS3100に移行する。以下、各サブルーチンを詳述することとする。
まず、図27のステップS3100のサブルーチンに係る、賞球払出関連情報送受信処理(対メイン制御基板)において、メイン側受信制御手段2111は、払出状態フラグ一時記憶手段2311を参照し、モータ駆動中フラグがオフであるか否かを判定する(該処理を「ステップS3105」と称する)。ステップS3105でYesの場合、メイン側受信制御手段2111は、メイン受信情報一時記憶手段2111aを参照し、賞球払出コマンドを受信したか否かを判定する(該処理を「ステップS3110」と称する)。ステップS3110でYesの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域にアクセスし、賞球払出開始許可フラグをオンにする(該処理を「ステップS3115」と称する)。次に、払出制御手段2300は、メイン側受信情報一時記憶手段2111aに一時記憶されている賞球払出コマンド情報に基づき、今回払い出されるべき賞球数を導き、当該賞球数情報を払出カウンタ2312にセットし(該処理を「ステップS3120」と称する)、次の処理(ステップS3125)に移行する。以上で、通常の賞球払出処理が実行される際の、賞球払出数のセット処理を終了する。なお、ステップS3105及びステップS3110でNoの場合にも次の処理(ステップS3125)に移行する。以上で、通常の賞球払出処理が実行される際の、賞球払出数のセット処理を終了する。
次に、第一回線経由情報送信制御手段2121は、エラーフラグ一時記憶手段2221を参照し、いずれかの払出関連エラー報知フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS3125」と称する)。ステップS3125でYesの場合、ステップS3130で、エラー制御手段2200は、エラーフラグ一時記憶手段2221の、今回発生したエラーに対応した払出関連エラー報知フラグをオフにする(該処理を「ステップS3130」と称する)。そして、第一回線経由情報送信制御手段2121は、今回発生したエラーに対応した払出関連エラー情報をメイン制御基板1000側に送信し(該処理を「ステップS3135」と称する)、次の処理(ステップS3140)に移行する。なお、ステップS3125でNoの場合にも次の処理(ステップS3140)に移行する。以上で、払出関連エラー情報送信処理を終了する。
次に、第一回線経由情報送信制御手段2121は、払出状態フラグ一時記憶手段2311を参照し、賞球払出完了フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS3140」と称する)。ステップS3140でYesの場合、第一回線経由情報送信制御手段2121は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域にアクセスし、賞球払出完了フラグをオフにする(該処理を「ステップS3145」と称する)。そして、第一回線経由情報送信制御手段2121は、メイン制御基板1000側に対して賞球払出が完了した旨の情報を送信し(該処理を「ステップS3150」と称する)、次の処理{ステップS3200の賞球払出制御処理(賞球払出開始時・モータ駆動開始時)}に移行する。なお、ステップS3140でNoの場合にも次の処理{ステップS3200の賞球払出制御処理(賞球払出開始時・モータ駆動開始時)}に移行する。以上で、賞球払出完了情報送信処理を終了する。
次に、図27のステップS3200のサブルーチンに係る、賞球払出制御処理(賞球払出開始時・モータ駆動開始時)は、次のステップS3300のモータ駆動処理を実行する前段階の処理であり、メイン制御基板1000側からの賞球払出コマンドを受信したことを受けてモータ駆動のステップ数等をセットする処理である。まず、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311を参照し、賞球払出開始許可フラグ(ステップS3115を参照)がオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS3205」と称する)。ステップS3205でYesの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、賞球払出中フラグをオンにする(該処理を「ステップS3210」と称する)とともに、賞球払出開始許可フラグをオフにする(該処理を「ステップS3215」と称する)。そして、払出制御手段2300は、払出カウンタ2312にセットされている賞球払出個数が所定個数(例えば3個)以上であるか否かを判定する(該処理を「ステップS3220」と称する)。ステップS3220でYesの場合、払出制御手段2300は、所定個数分払い出されるよう、ステップカウンタ一時記憶手段2313にカウンタ値(n)を一時記憶し(該処理を「ステップS3225」と称する)、次の処理(ステップS3235)に移行する。ここで一時記憶されるカウンタ値(n)は、ステッピングモータ170のステップ数である。ここで本実施形態では、回転検出センサがONである状態(初期位置)から再び同じ状態(次の初期位置)になるまでを20ステップ(遊技球1球を払い出す回転角360°に相当)とし、所定個数に対応したステップ数がステップカウンタ一時記憶手段2313にカウント値(n)として一時記憶される。他方、ステップS3220でNoの場合、すなわち、払出カウンタ2312にセットされている賞球払出個数が所定個数に満たない場合には、払出制御手段2300は、払出カウンタ2312にセットされている賞球払出個数分が払い出されるよう、ステップカウンタ一時記憶手段2313にカウンタ値(n)を一時記憶し(該処理を「ステップS3230」と称する)、次の処理(ステップS3235)に移行する。そして、払出制御手段2300は、励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)として初期値0をセットする(該処理を「ステップS3235」と称する)。ここで、励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)は、ステータに対するロータの相対位置を示したものであり、「20」が払出待機時(停止時)における初期位置に相当する。なお、モータ動作時には、励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)は1≦j≦20(図16及び図19を参照)の間を巡回する。そして、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、モータ駆動中フラグをオンにし(該処理を「ステップS3240」と称する)、次の処理{ステップS3300の賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)}へ移行する。
他方、ステップS3205でNoの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311を参照し、モータ駆動中フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS3245」と称する)。ステップS3245でYesの場合には、既にモータが駆動されているので、次の処理(ステップS3300の賞球払出制御処理・モータ駆動実行時)に移行する。他方、ステップS3245でNoの場合には、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、賞球払出中フラグがオフであるか否か、すなわち、現時点で何ら賞球払出処理が実行されていないか否かを判定する(該処理を「ステップS3250」と称する)。ステップS3250でYesの場合には、次の処理(ステップS3300の賞球払出制御処理・モータ駆動実行時)に移行する。他方、ステップS3250でNoの場合には、まだ払出を実行すべき賞球が存在すると判定し、ステップS3220に移行する。以上で、モータ駆動開始処理を終了する。
次に、図27のステップS3300のサブルーチンに係る賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)は、前の処理(ステップS3200)でセットされたステップ数に基づき、実際にモータ駆動を実行する処理である。まず、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域を参照し、モータ駆動中フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS3305」と称する)。ここで、「モータ駆動中フラグ」は、ステップカウンタ一時記憶手段2313に所定のステップカウンタ数がセットされた際にオンとなるフラグであり(ステップS3240を参照)、当該所定のステップカウンタ数と対応した励磁がすべて実行された際にオフとなるフラグである。ステップS3305でYesの場合、払出制御手段2300は、ステップカウンタ一時記憶手段2313のステップカウンタ値(n)を1減算する(該処理を「ステップS3310」と称する)。次に、払出制御手段2300は、払出処理関連情報一時記憶手段2310のフラグ領域を参照し、出力低下中フラグがオフであるか否かを判定する(該処理を「ステップS3315」と称する)。ここで、「出力低下中フラグ」とは、励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)が第2の特定値(jSP2)である期間中(本実施形態では、j値=10又は20の期間中)に励磁出力を低下させるが、このように励磁出力が低下されている状況下でオンとなるフラグである。そして、ステップS3315でYesの場合には、払出制御手段2300は、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段2314における励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)を更新(1インクリメント)する(該処理を「ステップS3320」と称する)。次に、払出制御手段2300は、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段2314における励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)に対応したステータを、X%(例えば100%)出力で励磁する(該処理を「ステップS3325」と称する)。そして、払出制御手段2300は、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段2314における励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)が第2の特定値(jSP2)であるか否か(本実施形態ではj値=10又は20)を判定する(該処理を「ステップS3330」と称する)。ステップS3330でYesの場合、ステップS3335で、払出制御手段2300は、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段2314における励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)に対応したステータを、X%よりも小さいY%(例えば66%)の出力で励磁する(該処理を「ステップS3335」と称する)。そして、払出制御手段2300は、払出処理関連情報一時記憶手段2310のフラグ領域を参照し、出力低下中フラグをオンにする(該処理を「ステップS3340」と称する)。次に、払出制御手段2300は、時間延長カウンタ2315における時間延長カウンタ値(L)として初期値0をセットする(該処理を「ステップS3345」と称する)。ここで、「時間延長カウンタ値」は、通常の励磁出力(X)よりも低い励磁出力(Y)で励磁されている状況下で、時間延長(次のステップへの移行タイミングを延長)のためにカウントされるパラメータである。これは、低い励磁出力で励磁されている場合にロータの回転速度(トルク)が低下することが予想されるが、ロータの回転速度が落ちても、次のステップに移行するタイミングを遅らせることで脱調を防止するためである。そして、払出制御手段2300は、回転検出センサ114からのON・OFF信号を参照する(該処理を「ステップS3350」と称する)。ここで、j値=10の場合にはOFFであることが正常、j値=20である場合にはONであることが正常である。そして、エラー制御手段2200は、ステップS3350での検知信号の有無に基づき、ロータが正しく回転していないか否か、すなわち、モータエラーが発生しているか否かを判定する(該処理を「ステップS3355」と称する)。ステップS3355でYesの場合、エラー制御手段2200は、エラーフラグ一時記憶手段2221におけるモータエラーフラグをオンにし(該処理を「ステップS3360」と称する)、次の処理{ステップS3400の賞球払出制御処理(賞球払出終了時・モータ駆動終了時)}に移行する。
他方、ステップS3315でNoの場合、すなわち、出力低下中フラグがオンである場合(具体的には、j値=10又は20)には、払出制御手段2300は、時間延長カウンタ2315のカウンタ値(L)を1インクリメントする(該処理を「ステップS3365」と称する)。次に、払出制御手段2300は、時間延長カウンタ2315を参照し、L=Lfin(最終値)であるか否か{本実施形態ではL=2、すなわち、この割り込み処理が3ms毎に実行されるとすると、この割り込み処理を3回(つまり、低下した励磁出力Yを9ms継続)実行したか否か}を判定する(該処理を「ステップS3370」と称する)。ステップS3370でYesの場合、払出制御手段2300は、払出処理関連情報一時記憶手段2310のフラグ領域を参照し、出力低下中フラグをオフにし(該処理を「ステップS3375」と称する)、次の処理{ステップS3400の賞球払出制御処理(賞球払出終了時・モータ駆動終了時)}に移行する。なお、ステップS3370でNoの場合にも、次の処理{ステップS3400の賞球払出制御処理(賞球払出終了時・モータ駆動終了時)}に移行する。
次に、図27のステップS3400のサブルーチンに係る、賞球払出制御処理(賞球払出制御終了時・モータ駆動終了時)は、前の処理(ステップS3300)で予定されているすべてのモータの駆動終了を実行し、或いは、予定されているすべての賞球払出が実行された際の終了処理である。まず、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域を参照し、モータ駆動中フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS3405」と称する)。次に、払出制御手段2300は、ステップカウンタ一時記憶手段2313のカウンタ値(n)を参照し、カウンタ値(n)が0であるか否か、すなわち、ステップS3225又はステップS3230でセットしたステップ数がすべて実行されたか否かを判定する(該処理を「ステップS3410」と称する)。ステップS3410でYesの場合、払出制御手段2300は、回転検出センサ114からのON・OFF信号に基づき、賞球払出ユニット100のスクリュー150を初期位置で停止させる(該処理を「ステップS3412」と称する)。次に、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域にアクセスし、モータ駆動中フラグをオフにし(該処理を「ステップS3415」と称する)、次の処理(ステップS3420)に移行する。なお、ステップS3405又はステップS3410でNoの場合にもステップS3420に移行する。以上で、モータ駆動終了処理を終了する。
次に、払出制御手段2300は、カウントセンサ113から遊技球検出信号を受信したか否かを判定する(該処理を「ステップS3420」と称する)。ステップS3420でYesの場合、払出制御手段2300は、払出カウンタ2312に一時記憶されているカウンタ値を1減算し(該処理を「ステップS3425」と称する)、次の処理(ステップS3430)に移行する。なお、ステップS3420でNoの場合にも次の処理(ステップS3430)に移行する。以上で、遊技球検出時処理を終了する。
次に、払出制御手段2300は、払出カウンタ2312を参照し、カウント値が0であるか否かを判定する(該処理を「ステップS3430」と称する)。ステップS3430でYesの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、賞球払出中フラグをオフにする(該処理を「ステップS3435」と称する)とともに賞球払出完了フラグをオンにし(該処理を「ステップS3440」と称する)、次の処理(ステップS3500のモータエラー判定・エラー時対応制御処理)に移行する。なお、ステップS3430でNoの場合にも、次の処理(ステップS3500のモータエラー判定・エラー時対応制御処理)に移行する。
次に、図27のステップS3500のサブルーチンに係る、モータエラー時処理において、エラー制御手段2200は、エラーフラグ一時記憶手段2221を参照し、モータエラーフラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS3505」と称する)。ここで、先のステップS3360でも述べたように、所定の検知タイミングにてモータが所定の回転位置に存在するか否かを検知した上で、当該所定の回転位置に存在しない場合には脱調等をしたと判定し、このモータエラーフラグはオンとなる。そして、ステップS3505でYesの場合には、エラー制御手段2200は、エラーフラグ一時記憶手段2221におけるモータエラーフラグをオフにする(該処理を「ステップS3510」と称する)。次に、払出制御手段2300は、j値=jSP2(本実施形態ではj値=10又は20)のステータに継続励磁する(該処理を「ステップS3515」と称する)。なお、前述したステップS3300{賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)}からも分かるように、このエラーが報知されるタイミング(エラーフラグがオンになるタイミング)は、j値=jSP2のステータに励磁された直後(ステップS3330以降)である。従って、当該処理は、脱調したロータをj値=jSP2のステータ位置で強制停止させる処理である。また、j値=jSP2のステータに励磁された直後、前述のステップS3335で、励磁出力をX%よりも低いY%(例えば66%)に落としている。従って、励磁出力がX%(例えば100%)である状況下で強制停止させて維持した場合と比較し、モータへの負荷を低減させることができる。そして、払出制御手段2300は、ステップカウンタ一時記憶手段2313におけるステップカウンタ値(n)をクリアする(該処理を「ステップS3520」と称する)。これは、モータエラー発生により、今回セットしたステップ数を実行しなくなったためである。次に、エラー制御手段2200は、例えば、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段2314における励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)や、回転検出センサ114のON・OFF信号を参照する等して、ロータが所定位置に存在しているか否か、すなわち、脱調状態から回復しているか否かを判定する(該処理を「ステップS3525」と称する)。ここで、ステータの励磁切替速度にステータの回転がついていけないことに起因した脱調であれば、ロータ自体は低速ながら惰性で回転しているため、ステップS3515でj値=jSP2のステータに励磁し続けることで、ロータがj値=jSP2のステータに到達し、脱調は解消する。他方、遊技球が噛んでしまいスクリュー150が回転できない状況に起因した脱調の場合もある。このような場合、すなわち、ステップS3525でNoの場合には、エラー制御手段2200は、ステッピングモータ170を逆回転させる等の脱調回復処理を実行し(該処理を「ステップS3535」と称する)、ステップS3525に移行する。なお、本実施形態において、この脱調回復処理は脱調状態が回復するまで繰り返し実行される。このように脱調状態から回復した後、払出制御手段2300は、ステッピングモータ170における現在のロータが初期位置にあるか否か、具体的には、j値がjfin(本実施形態ではj=20)であるか否かを判定する(該処理を「ステップS3527」と称する)。ここで、ステップS3527でYesの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2331のフラグ領域にアクセスし、モータ駆動中フラグをオフにし(該処理を「ステップS3530」と称する)、次の処理(S3100の賞球払出関連情報送受信処理)に移行する。なお、ステップS3505でNoの場合にも、次の処理(S3100の賞球払出関連情報送受信処理)に移行する。他方、ステップS3527でNoの場合、ステップS3528で、払出制御手段2300は、ロータが初期位置に達するのに必要な最小限のステップカウンタ値をセットする(該処理を「ステップS3528」と称する)。例えば、先のステップS3515で、j値=10が励磁され続けている場合、n=10をセットしてj値=20に達するようにする。そして、次の処理(S3100の賞球払出関連情報送受信処理)に移行する。
次に、図28及び図29を追加参照しながら、本実施形態(第2の制御処理)でのパチンコ機PMの作用を説明する。
図28はスクリュー150が正常に回転している際の作用図(スクリュー1回転分)であり、図29はスクリュー150が正常に回転していない(例えば、脱調している)際の作用図(スクリュー1回転分)である。まず、賞球払出が実行されていない場合、スクリュー150は初期位置(ステッピングモータ170のロータは図19のθ=0,j=20)で停止している。このとき、図16及び図28に示すように、パチンコ機PMに生じる振動等によってもロータが回転しないように、A相のステータは所定出力(回転時及びセンサ確認時の励磁出力X,Y%よりも低いZ%、例えば33%)で励磁されている。このような状況下で、メイン制御基板1000側から払出制御基板2000側に所定数の賞球を払い出す旨のコマンド(すなわち、賞球払出コマンド)が送信された場合、ステッピングモータ170が回転駆動されることになる。前述したように、本実施形態では、ステッピングモータ170が1回転(ロータが20ステップ)すると遊技球が賞球として1球だけ払い出されるため、例えば、賞球を3球払い出す必要がある場合には、ロータを3×20ステップ=60ステップ回転させることになる。なお、図28及び図29では、ステッピングモータ1回転分(20ステップ分)のみの動作を抜粋している。そこで、1球分の払出動作に着目して当該タイミングチャートを説明すると、初期位置(j=20)からj=1、j=2、j=3、…j=9と、一定時間毎(例えば3ms)に励磁されるステータを切り替えると共に励磁出力をX%(例えば100%)に引き上げる。すると、この切替に追従してステッピングモータ170のロータが回転を開始する。ここで、本実施形態では、励磁されるステータの切替処理を3ms毎に実行される割り込み処理として実行している。なお、j=1〜j=9及びj=11〜j=19までの割り込み時には、ステッピングモータ170が正常に回転しているか否かの確認処理を実行しない。これにより、割り込み処理の度に確認処理を実行するという処理負担の増大を防止している。すなわち、現在励磁しているステータの位置と回転検出センサ114のON/OFF状態とを比較することで、割り込み処理の度にステッピングモータ170の正常回転の確認処理をすることができるにも拘わらず、j=1〜j=9及びj=11〜j=19で敢えてしないところに一つの特徴があるといえる。
そして、半回転及び1回転の回転処理が終了する直前の、各割り込み(j=10,20)では、まず、j=1〜j=9及びj=11〜j=19では実行していないモータエラー判定を実行する。具体的には、回転検出センサ114を参照し、ONであるか否かを判定することになる。そして、j=10のときにはOFFである場合、j=20のときにはONである場合には、ステッピングモータ170が正常に回転していると判定する。ここで、特にj=20という初期位置での割り込み処理でモータエラー判定することには次の意味がある。すなわち、このタイミングでモータエラー判定を実行しモータエラーが判明した場合には、j=20で励磁し続けることによりステッピングモータ170(スクリュー150)を初期位置にて強制停止させることができるからである。
ところで、このようなモータエラー時に、ステータの励磁出力がX%(例えば100%)のままで強制停止させその状態を維持すると、ステッピングモータ170が過熱し、このようなことが重なると火炎発生等のモータ故障の原因となる。そこで、図28に示すように、モータエラー判定処理時、すなわち、モータ強制停止処理が実行される可能性があるタイミングで、ステータの励磁出力をY%(例えば、回転時の励磁出力X%よりも低い66%)まで一旦低下させている。より具体的には、励磁電流を落として発生する磁力を低下させている。このように構成することで、仮にモータエラーと判定されステッピングモータ170を強制停止させてその状態を維持したとしても、ステッピングモータ170が熱を蓄積することに起因したモータ故障を回避することができる。本実施形態では、当該一旦低下させる際の励磁出力Y%(66%)を、モータ回転時の励磁出力X%(100%)と、モータ非回転時にモータを初期位置に停止させ続けるために印加される励磁出力Z%(33%)と、の中間値に設定している。なお、当該一旦低下させる際の励磁出力Y%と、モータ非回転時にモータを初期位置に停止させ続けるために印加される励磁出力Z%と、を同一値(例えば、33%)に設定して、モータエラー等によりステッピングモータ170を強制停止させたときの励磁出力Y%を改めて励磁出力Z%まで落とす処理を省略するようにしてもよい。
一方、モータ回転中に励磁出力を低下させた場合、j=9又はj=19に対応したステータの位置に存在するロータが引張られる磁力が低下してしまうため、j=10又はj=20に対応したステータの位置に到達するまで、通常よりも長い時間要することが想定される。そこで、図29に示すように、励磁時間を通常時よりも長く設定している(例えば、j=1〜9及びj=11〜19の場合は3ms、j=10及びj=20の場合は9ms)。また、j=1〜9及びj=11〜19の場合と、j=10及びj=20の場合とで分けて時間管理する煩わしさを回避すべく、j=1〜9及びj=11〜19もj=10及びj=20の処理も同じ割り込み時間毎(3ms毎)に実行することとし、但し、j=10及びj=20の場合には、励磁されるステータの位置が変更されず且つ出力もY%に維持されるよう、L値というパラメータを設け、L値が所定値(本例ではL=2)に到達するまではステータの位置や励磁出力が変更される処理を実行しないように構成されている。そして、j=10及びj=20についてはn回(本例では3回)の割り込み処理を実行することで、通常時(j=1〜9及びj=11〜19)よりも長い時間、Y%という弱い励磁出力でも脱調する等回転に支障が生じないようにしている。このように、励磁パターンがj=1〜20に推移することで、賞球が1球払い出される。そして、予定していた時間(すなわち9ms)後、再び、j=1、j=2、j=3…の順で励磁される。
次に、図29では、j=20における処理時に、ステッピングモータ170が正常に回転していない(脱調)と判断された場合を示している。図29に示すように、本来であれば回転検出センサ114がONであるはず(図29における「回転検出センサ」の欄の点線部分)なのにも拘わらず、回転検出センサ114がOFFである場合、モータ異常と判定される。この場合、図28の場合と異なり、j=20で励磁し続ける(すなわち、図29のように9ms経過後はj=1に移行しない)。
本実施形態における第2の制御処理によれば、ステッピングモータ170が正常回転しているか否かの検知処理が実行される所定ステップ時のみ、ステッピングモータ170の回転異常を検知したか否かに拘わらず、所定の稼働力(励磁出力)から当該所定の稼働力よりも小さい稼働力に一時的に落とすように構成されているので、まず、回転異常が検知された場合でも既に稼働力が落ちているため、当該異常検知を受けての稼働力を低下させる処理を別途実行する必要がない結果、プログラム容量の軽減を図ることが可能になるとともに、当該異常が検知された後に稼働力を落とす場合と比較して、より早い段階で稼働力が落ちているのでステッピングモータ170の発熱をより抑制できる結果、モータの破壊を有効に防止できるという効果を奏する。しかも、本実施形態によれば、稼働力(励磁出力)を定期的に落とすが、ステッピングモータ170が正常回転しているか否かの検知処理が実行される所定ステップ時のみ一時的に落とすように構成されており、慣性で次の位置まで移動できるため、当該励磁出力を一時的に落とすことに起因しての悪影響(正常回転への悪影響)をほとんど与えずに済むという効果も奏する。
更に前記効果に加え、励磁出力を低下させた場合に次のステップに移行させるまでの時間を長くするように構成されているので、励磁出力の低下によってロータが励磁されているステータまで移動する時間が通常時よりも長くなってしまった場合でも、励磁されているステータまでロータが所定時間内に到達することが担保できる結果、励磁出力の低下に伴う脱調のリスクを低減できるという効果を奏する。
更に前記効果に加え、特殊ステータ励磁位置切替処理が実行された後次のステータ励磁位置切替処理に切り替えるタイミングになるまでは、一定時間毎の割り込み処理(ステータ励磁位置切替処理)の実行タイミングであっても次のステータ励磁位置切替処理を実行しないように構成されているので、通常のステータ励磁位置切替処理での割り込み時間と特殊ステータ励磁位置切替処理での割り込み時間を別々に計測する必要がなくなるという効果を奏する。
更に前記効果に加え、特殊ステータ励磁位置切替処理が実行された際の励磁出力とステッピングモータ170の停止時での励磁出力とが略同一であるので、強制停止させた場合には既に停止時での励磁出力となっているため、改めて停止時での励磁出力にする処理を実行しなくても済むという効果をも奏する。
<制御処理(3)>
それでは以下において、第3の制御処理に係る、具体的な態様について説明する。ここで、図30は払出制御基板2000側での処理を示すフローチャートである。なお、メイン制御基板1000側で実行される処理は、前述した第1の制御処理と同様であるため、ここではその説明を省略し、主として払出制御基板2000側での処理を中心に説明する。
《払出制御基板側での処理(3)》
図30を参照しながら、払出制御基板2000側での処理を詳述する。図30は、払出制御基板2000におけるメインルーチンを示すフローチャートである。始めに、ステップS4100で、払出制御基板2000は、メイン制御基板1000との間での賞球払出関連情報送受信処理を実行する。次に、ステップS4200で、払出制御基板2000は、賞球払出制御処理(賞球払出開始時・モータ駆動開始時)を実行する。次に、ステップS4300で、払出制御基板2000は、賞球払出制御処理(賞球払出終了時・モータ駆動終了時)を実行する。次に、ステップS4400で、払出制御基板2000は、賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)を実行する。そして、ステップS4500で、払出制御基板2000は、後述するモータエラー時処理を実行し、ステップS4100に移行する。以下、各サブルーチンを詳述することとする。
まず、図30のステップS4100のサブルーチンに係る、賞球払出関連情報送受信処理(対メイン制御基板)において、メイン側受信制御手段2111は、払出状態フラグ一時記憶手段2311を参照し、賞球払出中フラグがオフであるか否かを判定する(該処理を「ステップS4105」と称する)。ここで、「賞球払出中フラグ」とは、払出制御基板2000側での賞球払出処理が実行中の場合(賞球払出ユニット100のステッピングモータ170が駆動中である場合や、球通過待ち時間・モータ休止時間中である場合)にオンになるフラグである。ステップS4105でYesの場合、メイン側受信制御手段2111は、メイン側受信情報一時記憶手段2111aを参照し、賞球払出コマンドを受信したか否かを判定する(該処理を「ステップS4110」と称する)。ステップS4110でYesの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域にアクセスし、賞球払出開始許可フラグをオンにする(該処理を「ステップS4115」と称する)。次に、払出制御手段2300は、メイン側受信情報一時記憶手段2111aに一時記憶されている賞球払出コマンド情報に基づき、今回払い出されるべき賞球数を導き、当該賞球数情報を払出カウンタ2312にセットし(該処理を「ステップS4120」と称する)、次の処理(ステップS4125)に移行する。以上で、通常の賞球払出処理が実行される際の、賞球払出数のセット処理を終了する。なお、ステップS4105及びステップS4110でNoの場合にも、次の処理(ステップS4125)に移行する。
次に、第一回線経由情報送信制御手段2121は、エラーフラグ一時記憶手段2221を参照し、いずれかの払出関連エラー報知フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS4125」と称する)。ステップS4125でYesの場合、エラー制御手段2200は、エラーフラグ一時記憶手段2221の、今回発生したエラーに対応した払出関連エラー報知フラグをオフにする(該処理を「ステップS4130」と称する)。そして、第一回線経由情報送信制御手段2121は、今回発生したエラーに対応した払出関連エラー情報をメイン制御基板1000側に送信し(該処理を「ステップS4135」と称する)、次の処理(ステップS4140)に移行する。なお、ステップS4125でNoの場合にも次の処理(ステップS4140)に移行する。以上で、払出関連エラー情報送信処理を終了する。
次に、第一回線経由情報送信制御手段2121は、払出状態フラグ一時記憶手段2311を参照し、賞球払出完了フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS4140」と称する)。ステップS4140でYesの場合、第一回線経由情報送信制御手段2121は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域にアクセスし、賞球払出完了フラグをオフにする(該処理を「ステップS4145」と称する)。そして、第一回線経由情報送信制御手段2121は、メイン制御基板1000側に対して賞球払出が完了した旨の情報を送信し(該処理を「ステップS4150」と称する)、次の処理{ステップS4200の賞球払出制御処理(賞球払出開始時・モータ駆動開始時)}に移行する。なお、ステップS4140でNoの場合にも次の処理{ステップS4200の賞球払出制御処理(賞球払出開始時・モータ駆動開始時)}に移行する。以上で、賞球払出完了情報送信処理を終了する。
次に、図30のステップS4200のサブルーチンに係る、賞球払出制御処理(賞球払出開始時・モータ駆動開始時)は、次のステップS4400のモータ駆動処理を実行する前段階の処理であり、メイン制御基板1000側からの賞球払出コマンドを受信したことを受けてモータ駆動のステップ数等をセットする処理である。まず、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311を参照し、賞球払出開始許可フラグ(ステップS4115を参照)がオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS4205」と称する)。ステップS4205でYesの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、賞球払出中フラグをオンにする(該処理を「ステップS4210」と称する)とともに賞球払出開始許可フラグをオフにする(該処理を「ステップS4215」と称する)。そして、払出制御手段2300は、払出カウンタ2312にセットされている賞球払出個数が所定個数(例えば3個)以上であるか否かを判定する(該処理を「ステップS4220」と称する)。ステップS4220でYesの場合、払出制御手段2300は、所定個数分払い出されるよう、ステップカウンタ一時記憶手段2313にカウンタ値(n)を一時記憶し(該処理を「ステップS4225」と称する)、次の処理(ステップS4235)に移行する。ここで一時記憶されるカウンタ値(n)は、ステッピングモータ170のステップ数である。ここで本実施形態では、回転検出センサがONである状態(初期位置)から再び同じ状態(次の初期位置)になるまでを、2相励磁方式の場合は20ステップ(遊技球1球を払い出す回転角360°に相当)とし、1−2相励磁方式の場合は40ステップ(遊技球1球を払い出す回転角360°に相当)とし、ステッピングモータ170の励磁方式に応じて所定個数に対応したステップ数がステップカウンタ一時記憶手段2313にカウント値(n)として一時記憶される。他方、ステップS4220でNoの場合、すなわち、払出カウンタ2312にセットされている賞球払出個数が所定個数に満たない場合には、払出制御手段2300は、払出カウンタ2312にセットされている賞球払出個数分が払い出されるよう、ステップカウンタ一時記憶手段2313にカウンタ値(n)を一時記憶し(該処理を「ステップS4230」と称する)、次の処理(ステップS4235)に移行する。そして、払出制御手段2300は、励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)として初期値0をセットする(該処理を「ステップS4235」と称する)。ここで、励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)は、ステータに対するロータの相対位置を示したものであり、「20」が払出待機時(停止時)における初期位置に相当する。なお、モータ動作時には、励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)は1≦j≦20(図16及び図19を参照)の間を巡回する。次に、払出制御手段2300は、ステッピングモータ動作に係る通常動作用の励磁方式(本例では2相励磁方式)と通常動作用の1ステップの切替速度(本例では3ms)を、励磁方法設定情報一時記憶手段2316に一時記憶する(該処理を「ステップS4237」と称する)。次に、払出制御手段2300は、ステッピングモータ動作に係る球通過待ち時間・モータ休止時間として所定値(本例では500ms)を、球通過待ちタイマ2316にセットする(該処理を「ステップS4238」と称する)。次に、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、リトライ動作実行中フラグをオフにする(該処理を「ステップS4239」と称する)。ここで、リトライ動作実行中フラグとは、後述するステッピングモータ動作に係るリトライ動作を実行中においてオンとなるフラグである。そして、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、モータ駆動中フラグをオンにし(該処理を「ステップS4240」と称する)、次の処理{ステップS4300の賞球払出制御処理(モータ駆動終了時・賞球払出終了時)}に移行する。他方、ステップS4205でNoの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311を参照し、モータ駆動中フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS4245」と称する)。ステップS4245でYesの場合には、既にモータが駆動されているので、次の処理{ステップS4300の賞球払出制御処理(モータ駆動終了時・賞球払出終了時)}に移行する。他方、ステップS4245でNoの場合には、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、賞球払出継続フラグがオフであるか否かを判定する(該処理を「ステップS4250」と称する)。ここで、賞球払出継続フラグとは、所定ステップ数分のステッピングモータ動作後であって、球通過待ち時間・モータ休止時間経過時において、賞球払出動作を継続すべき場合(詳細な条件については後述する)にオンとなるフラグである。ステップS4250でYesの場合には、次の処理{ステップS4300の賞球払出制御処理(モータ駆動終了時・賞球払出終了時)}に移行する。他方、ステップS4250でNoの場合には、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、賞球払出継続フラグをオフにして(該処理を「ステップS4252」と称する)、ステップS4220へ移行する。すなわち、賞球払出継続フラグがオンである場合には、メイン制御基板1000側からの賞球払出コマンドの受信を契機とすることなく、再度モータ駆動のステップ数等をセットする処理を実行することとなる。以上で、モータ駆動開始処理を終了する。
次に、図30のステップS4300のサブルーチンに係る、賞球払出制御処理(モータ駆動終了時・賞球払出終了時)は、前の処理(ステップS4200)で予定されているすべてのモータの駆動終了を実行し、或いは、予定されているすべての賞球払出が実行された際の終了処理である。まず、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域を参照し、賞球払出中フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS4302」と称する)。ステップS4302でYesの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域を参照し、モータ駆動中フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS4305」と称する)。ステップS4305でYesの場合、払出制御手段2300は、ステップカウンタ一時記憶手段2313のカウンタ値(n)を参照し、カウンタ値(n)が0であるか否か、すなわち、前述のステップS4225又はステップS4230でセットしたステップ数がすべて実行されたか否かを判定する(該処理を「ステップS4310」と称する)。ステップS4310でYesの場合には、払出制御手段2300は、回転検出センサ114からのON・OFF信号に基づき、スクリュー150を初期位置で停止させる(該処理を「ステップS4312」と称する)。次に、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域にアクセスし、モータ駆動中フラグをオフにする(該処理を「ステップS4315」と称する)。次に、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域を参照し、リトライ動作実行中フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS4316」と称する)。ステップS4316でYesの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域にアクセスし、リトライ動作実行中フラグをオフにして(該処理を「ステップS4317」と称する)、次の処理(ステップS4318)へ移行する。他方、ステップS4316でNoの場合にも、次の処理(ステップS4318)へ移行する。次に、払出制御手段2300は、ステッピングモータ170の休止状態を維持(本例では、励磁出力を低下させた上で、現在の励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)に継続励磁)する(該処理を「ステップS4318」と称する)。次に、払出制御手段2300は、球通過待ちタイマ2316をスタートさせ(該処理を「ステップS4319」と称する)、次の処理(ステップS4320)に移行する。なお、ステップS4305又はステップS4310でNoの場合にも次の処理(ステップS4320)に移行する。以上で、モータ駆動終了処理を終了する。
次に、払出制御手段2300は、カウントセンサ113から遊技球検出信号を受信したか否かを判定する(該処理を「ステップS4320」と称する)。ステップS4320でYesの場合、払出制御手段2300は、払出カウンタ2312に一時記憶されているカウンタ値を1減算し(該処理を「ステップS4325」と称する)、次の処理(ステップS4330)に移行する。なお、ステップS4320でNoの場合にも次の処理(ステップS4330)に移行する。以上で、遊技球検出時処理を終了する。
次に、払出制御手段2300は、払出カウンタ2312を参照し、カウント値が0であるか否かを判定する(該処理を「ステップS4330」と称する)。ステップS4330でYesの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、賞球払出中フラグをオフにする(該処理を「ステップS4335」と称する)とともに、賞球払出完了フラグをオンにし(該処理を「ステップS4340」と称する)、次の処理{ステップS4400の賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)}に移行する。他方、ステップS4330でNoの場合、払出制御手段2300は、球通過待ちタイマ2316のタイマ値を参照し、当該タイマ値が0であるか否かを判定する(該処理を「ステップS4345」と称する)。ステップS4345でYesの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、リトライ動作実行待機フラグがオフであるか否かを判定する(該処理を「ステップS4347」と称する)。ここで、リトライ動作実行待機フラグとは、モータ駆動中において後述するモータエラーが発生した場合にオンとなるフラグである。ステップS4347でYesの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、賞球払出継続フラグをオンにし(該処理を「ステップS4350」と称する)、次の処理{ステップS4400の賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)}へ移行する。他方、ステップS4347でNoの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、リトライ動作実行待機フラグをオフにする(該処理を「ステップS4360」と称する)とともに、リトライ動作実行許可フラグをオンにし(該処理を「ステップS4362」と称する)、次の処理{ステップS4400の賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)}へ移行する。なお、ステップS4302又はステップS4345でNoの場合にも、次の処理{ステップS4400の賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)}へ移行する。
次に、図30のステップS4400のサブルーチンに係る、賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)は、前の処理(ステップS4200)でセットされたステップ数に基づき、実際にモータ駆動を実行する処理である。まず、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域を参照し、モータ駆動中フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS4405」と称する)。なお、モータ駆動中フラグは、ステップカウンタ一時記憶手段2313に所定のステップカウンタ数がセットされた際にオンとなるフラグであり(ステップS4240を参照)、当該所定のステップカウンタ数と対応した励磁がすべて実行された際にオフとなるフラグである。ここで、ステップS4405でYesの場合、払出制御手段2300は、ステップカウンタ一時記憶手段2313のステップカウンタ値(n)を1減算する(該処理を「ステップS4410」と称する)。次に、払出制御手段2300は、励磁ステータ位置特定カウンタ一時記憶手段2314における励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)を更新(1インクリメント)する(該処理を「ステップS4420」と称する)。次に、払出制御手段2300は、励磁方法設定情報一時記憶手段2317に一時記憶されている励磁方式と切替速度に基づき、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段2314における励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)に対応したステータを励磁する(該処理を「ステップS4425」と称する)。次に、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域を参照し、リトライ動作実行中フラグがオフであるか否かを判定する(該処理を「ステップS4430」と称する)。ステップS4430でYesの場合、払出制御手段2300は、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段2313のカウンタ値(j)が、通常動作時における回転検出センサ114の確認タイミング(本例ではj値=10又は20)であるか否かを判定する(該処理を「ステップS4432」と称する)。ここで、通常動作時における回転検出センサ114の確認とは、モータ動作に係る異常動作(球噛み等による脱調現象)が発生しているか否かを確認する目的で行われるものであり、例えば遊技球1個分の払出動作実行中において少なくとも2回の確認タイミングを要するものである。例えば、1回目の確認タイミングにおいては、回転検出センサ114からの検知信号がONからOFFに切り替わっていることを以て正常動作とし、2回目の確認タイミングにおいては、回転検出センサ114からの検知信号がOFFからONに切り替わっていることを以て正常動作とする方法が挙げられる。このように、遊技球1個分の払出動作実行中に2回の確認タイミングを設けることによって、モータ動作に係る異常動作を検出することが可能となる。なお、2相励磁方式において20ステップで1球の払出動作を行う場合には、10ステップ分のモータ駆動実行時に1回目、20ステップ分のモータ駆動実行時に2回目の確認タイミングを設けることが好適である。賞球払出制御処理の説明に戻ると、ステップS4432でYesの場合、払出制御手段2300は、回転検出センサ114からの検知信号の有無を参照する(該処理を「ステップS4450」と称する)。このとき、j値=10の場合にはOFFであることが正常、j値=20の場合にはONであることが正常である。そして、エラー制御手段2200は、ステップS4450での検知信号に基づき、ロータが正しく回転していないか否か、すなわち、モータエラーが発生していないか否かを判定する(該処理を「ステップS4455」と称する)。ステップS4455でYesの場合、エラー制御手段2200は、エラーフラグ一時記憶手段2221におけるモータエラーフラグをオンにし(該処理を「ステップS4460」と称する)、次の処理(ステップS4500のモータエラー時処理)に移行する。
他方、ステップS4430でNoの場合、払出制御手段2300は、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段2314のカウント値(j)が、リトライ動作時における回転検出センサ114の確認タイミングであるか否かを判定する(該処理を「ステップS4434」と称する)。ここで、リトライ動作時における回転検出センサ114の確認とは、モータ動作に係る異常動作発生後、後述するリトライ動作を実行することによって異常動作が解消したか否か及びロータ位置が正常位置に復帰したか否かを確認する目的で行われるものであり、例えば遊技球1個分の払出動作実行中において複数回の確認タイミングを要するものである。ここで、正常動作における1回目の確認タイミングで異常動作が検出された(本例では、検知信号がONを維持している状態である)場合には、当該検知信号がOFFとなるまで、リトライ動作を繰り返す必要があり、他方、正常動作における2回目の確認タイミングで異常動作が検出された(本例では、検知信号がOFFを維持している状態である)場合には、当該検知信号がONとなるまで、リトライ動作を繰り返す必要がある。すなわち、このような確認動作を効率良く完了させるためには、1度のリトライ動作によって、当該検知信号がON→OFF→ON(もしくは、OFF→ON→OFF)と連続して変化しない程度のモータ駆動毎に確認タイミングを設けておくことが好適である。なお、遊技球1個分の払出動作実行中における確認タイミングは、スクリュー150や駆動歯車183の検出孔184の形状等により左右されるため、特に限定されないが、例えば1/5〜1/10球分程度のモータ駆動毎に1回の確認タイミングを設けることが好適である。ここで、本実施形態では、後述するように、リトライ動作時には2相励磁方式から1−2相励磁方式へと切り替わる(すなわち、遊技球1個分の払出動作に要するステップ数が2倍となる)ため、5ステップ分(1/8球分)のモータ駆動実行毎に確認タイミングを設けるよう構成してある。賞球払出制御処理の説明に戻ると、ステップS4434でYesの場合には、ステップS4450へ移行し、ステップS4550での検知信号の有無に基づき、ロータが正確に回転していないか否かを判定する処理が実行されることとなる。他方、ステップS4434でNoの場合には、次の処理(ステップS4500のモータエラー時処理)へ移行する。なお、ステップS4405、ステップS4432、ステップS4455でNoの場合にも、次の処理(ステップS4500のモータエラー時処理)へ移行する。
次に、図30のステップS4500のサブルーチンに係る、モータエラー時処理において、本処理の目的は、モータエラーを検出した際には、モータ駆動を休止状態へと強制的に移行するとともに、リトライ動作への切替制御処理(下記のステップS4505〜ステップS4522)を実行することと、リトライ動作実行時におけるモータ駆動に係る励磁方式の切替制御処理(下記のステップS4525〜ステップS4540)を実行することである。エラー制御手段2200は、エラーフラグ一時記憶手段2221を参照し、モータエラーフラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS4505」と称する)。ここで、前述のステップS4460で説明したように、所定の検知タイミングにてモータが所定の回転位置に存在するか否かを検知した上、当該所定の回転位置に存在しない場合には脱調等をしたと判定し、このモータエラーフラグはオンとなる。ステップS4505でYesの場合、エラー制御手段2200は、エラーフラグ一時記憶手段2221にアクセスし、モータエラーフラグをオフにする(該処理を「ステップS4510」と称する)。次に、エラー制御手段2200は、ステップカウンタ一時記憶手段2313におけるステップカウンタ値(n)を0クリアする(該処理を「ステップS4520」と称する)。これはモータエラー発生により、今回セットしたステップ数を実行しなくなったためであり、当該カウント値のクリア実行後は、モータ駆動が休止状態へと移行することとなる(前述のステップS4310、S4312及びステップS4315を参照)。次に、エラー制御手段2200は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、リトライ動作実行待機フラグをオンにして(該処理を「ステップS4522」と称する)、次の処理(ステップS4525)へ移行する。なお、ステップS4505でNoの場合にも、次の処理(ステップS4525)へ移行する。
次に、リトライ動作制御手段4400は、払出状態フラグ一時記憶手段4311にアクセスし、リトライ動作実行許可フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS4525」と称する)。ステップS4525でYesの場合、リトライ動作制御手段2400は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、リトライ動作実行許可フラグをオフにする(該処理を「ステップS4530」と称する)。次に、リトライ動作制御手段2400は、リトライ動作時における所定のステップ数を、ステップカウンタ一時記憶手段2313のステップカウンタ値(n)としてセットする(該処理を「ステップS4532」と称する)。ここで、リトライ動作時における所定のステップ数には特に限定されないが、リトライ動作時における回転検出センサ114の確認タイミング(前述のステップS4434を参照)と同数としておく例を挙げることができる。次に、リトライ動作制御手段2400は、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段2314の励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)として0をセットする(該処理を「ステップS4534」と称する)。次に、リトライ動作制御手段2400は、ステッピングモータ動作に係るリトライ動作用の励磁方式(本例では、1−2相励磁方式)とリトライ動作用の1ステップの切替速度(本例では、6ms)を、励磁方法設定情報一時記憶手段2316に一時記憶する(該処理を「ステップS4536」と称する)。ここで、本実施形態では、ステッピングモータ動作に係る通常動作用の励磁方式は2相励磁方式が設定されるのに対して、リトライ動作用の励磁方式は1−2相励磁方式が設定される。以下、この点について詳述する。まず、前述のように、本例で挙げている励磁方式(1相励磁方式、2相励磁方式、1−2相励磁方式)のうち、発生するトルクに関しては、1相励磁方式<1−2相励磁方式<2相励磁方式、の順番に大きくなっていく反面、球噛み等の外力によってモータ駆動が阻害されている状況下では、同様の順番でモータへの負荷が大きくなっていく。すなわち、本例のように、球噛み等が発生したことに起因してリトライ動作を実行する場合には、2相励磁方式から1−2相励磁方式(又は1相励磁方式)へ切り替えることによってモータへの負荷を抑制し、モータが破損してしまう確率を低減することができるのである。また、励磁方式を切り替えることと併せて、1ステップの切替速度を落とす{ステータの励磁タイミングをX(例えば3ms)に1回からY(Y>X、例えば6ms)に1回へ変更する}ことによって、更にモータへの負荷を抑えることができるとともに、ステータが励磁されない間隔を相対的に長く確保することができる。換言すれば、スクリュー150へ供給される単位時間当たりの動力が相対的に低下することとなるため、球噛み等の異常動作が解消される確率を高めることが可能となるのである。賞球払出制御処理の説明に戻ると、次に、リトライ動作制御手段2400は、ステッピングモータ動作に係る球通過待ち時間・モータ休止時間として所定値(本例では500ms)を、球通過待ちタイマ2316にセットする(該処理を「ステップS4538」と称する)。次に、リトライ動作制御手段2400は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、リトライ動作実行中フラグをオンにする(該処理を「ステップS4539」と称する)。そして、リトライ動作制御手段2400は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、モータ駆動中フラグをオンにして(該処理を「ステップS4540」と称する)、次の処理{ステップS4100の賞球払出関連情報送受信処理(対メイン制御基板)}に移行する。
次に、図31〜図33を追加参照しながら、本実施形態(第3の制御処理)でのパチンコ機PMの作用を説明する。ここで、図31はステッピングモータ170が正常に回転している際の作用図(球1個分の払出動作)、図32はステッピングモータ170が正常に回転していない(例えば脱調している)際の作用図、図33はステッピングモータ170が正常に回転していない状態から正常に回転する状態へと復帰した際の作用図である。
まず、図31から説明すると、賞球払出が実行されていない場合、ステッピングモータ170のロータは初期位置(図19のj=20で停止)から、パチンコ機PMに生じる振動等によっても回転しないよう、A相のステータは所定出力Y%(回転時よりも低い励磁出力であり、例えば回転時の33%程度)で励磁されている。このような状況下、メイン制御基板1000側から払出制御基板2000側に所定数の賞球を払い出す旨のコマンド(すなわち、賞球払出コマンド)が送信された場合、通常動作時の励磁方式(2相励磁方式)に基づきステッピングモータ170が回転駆動されることになる。
ここで、前述したように、本実施形態では、ステッピングモータ170が1回転(ロータが20ステップ)すると遊技球が1球だけ払い出されるため、例えば、賞球を3球払い出す必要がある場合には、ロータを3×20ステップ=60ステップ回転させることになる。そこで、1球分の払出動作に着目して当該タイミングチャートを説明すると、初期位置(j=20)からj=1、j=2、j=3、…j=9と、一定時間毎(例えば3ms毎)に励磁されるステータを切り替えると共に励磁出力をX%(例えば100%)に引き上げる。すると、この切替に追従してステッピングモータ170のロータは回転を開始する。ここで、本実施形態では、励磁されるステータの切替処理を、3ms毎に実行される割り込み処理として実行している。なお、j=1〜9及びj=11〜19までの割り込み処理時には、ステッピングモータ170が正常に回転しているか否かの確認処理を実行しない。これにより、割り込み処理の度に確認処理を実行するという処理負担を軽減している。すなわち、現在励磁しているステータの位置と回転検出センサ114のON/OFF状態とを比較することで、割り込み処理の度にステッピングモータ170の正常回転の確認処理をすることができるにも拘わらず、j=1〜j=9及びj=11〜j=19で敢えてしないところに一つの特徴があるといえる。
そして、半回転及び1回転の回転処理が終了する直前の、各割り込み(j=10,20)では、まず、j=1〜j=9及びj=11〜j=19では実行していないモータエラー判定を実行する(図中囲みの1及び4)。具体的には、回転検出センサ114を参照し、ステッピングモータ170が正常に回転しているか否かを判定する(図中囲みの2及び5)ことになる。そして、j=10のときにはOFFである場合(図中囲みの3)、j=20のときにはONである場合(図中囲みの6)には、ステッピングモータ170が正常に回転していると判定する。そして、ステッピングモータ170が正常に回転している場合、20ステップ分の回転動作終了後には、スクリュー150の螺旋状溝156から放出された遊技球がカウントセンサ113にて検出されることで、球1個分の払出動作が完了する(図中囲みの7)。以上の動作を繰り返すことによって遊技球の払出動作を実行し、メイン制御基板1000側から払出制御基板2000側に送信されたコマンドに基づく所定数の賞球払出動作が完了したことを以て、全ての払出動作が完了することとなる。
次に図32は、j=10における割り込み処理時に、ステッピングモータ170が正常に回転していない(脱調)と判断された場合を示したタイミングチャートである。図32に示すように、まず、ステッピングモータ170の1ステップ目の回転動作時に、球噛み等の要因によりスクリュー150の回転動作が阻害される状況が発生し、当該スクリュー150の回転動作を阻害する外力によって、これに付随してステッピングモータ170の回転動作も阻害する状況が発生する(図中囲みの1)。このとき、スクリュー150の回転動作が阻害されることに伴い、回転検出用の従動歯車183の回転動作も阻害されるため、回転検出センサ114はON状態を維持することとなる。次に、j=10における割り込み処理時(図中囲み2)に、現在励磁しているステータの位置と回転検出センサ114のON/OFF状態を参照し、ステッピングモータ170が正常に回転しているか否かの確認処理を実行する(図中囲みの3)。そして、回転検出センサ114を参照した結果、本来であれば回転検出センサ114がOFFであるにも拘わらず、回転検出センサ114がONであるため、ステッピングモータ170が異常動作を行っていると判定される(図中囲みの4)。この場合、モータエラーフラグがオン(図中囲みの4)となると共に、ステッピングモータ170は払出動作を完了する前に休止状態へと強制的に移行される(図中囲みの5)。こうしてステッピングモータ170が休止状態となっている期間を、球通過待ち時間として計時開始する(図中囲みの6)。その後、球通過待ち時間の計時中において、カウントセンサ113にて遊技球の通過を検出できなかった場合(図中囲みの7)には、当該球通過待ち時間の所定時間経過後に、リトライ動作が実行されることとなる(図中囲みの8)。そして、リトライ動作が実行されることを契機として、リトライ動作時の励磁方式(本例では、1−2相励磁方式)及び1ステップの切替速度に基づきステッピングモータ170の回転動作が再開される(図中の囲み9)。なお、図示しないが、図中囲みの7において、カウントセンサ113にて遊技球の通過を検出できた場合には、リトライ動作が実行されない場合がある。しかしながら、スクリュー150の回転動作を阻害している要因が消失していない限り、次の払出動作実行時における図中囲みの4のタイミングで、再度ステッピングモータ170が異常動作を行っていると判定されるのである。
次に、図33は、図32のタイミングチャートからの続きであり、リトライ動作実行後において異常動作が解消された場合を示したタイミングチャートである。図33に示すように、まず、リトライ動作時には、リトライ動作時の励磁方式(本例では、1−2相励磁方式)及び1ステップの切替速度に基づきステッピングモータ170の回転動作が開始される。なお、本実施形態では、リトライ動作時には、1ステップの切替速度が通常動作時に比べて低速(本例では、6ms)に設定されているため、3msの割り込み処理の2回に1回の頻度でステッピングモータ170が励磁されている(図中囲みの1)。次に、ステッピングモータ170の3ステップ目の回転動作時に、スクリュー150の回転動作を阻害している要因が消失することで、ステッピングモータ170の動作が復調する(図中囲みの2)。ここで、当該要因が消失した理由として、リトライ動作時における励磁方式及び1ステップの切替速度を変更したことによって、スクリュー150に供給される単位時間当たりの動力が低減し、球噛み等の異常動作が解消される確率が高まっていることが挙げられる。そして、ステッピングモータ170の動作が復調することに伴い、従動歯車の回転動作も復調し、回転検出センサ114がONからOFFへと切り替わる(図中囲みの3)。次に、j=4の割り込み処理時に(図中囲みの4)に、回転検出センサ114を参照し、ステッピングモータ170が正常に回転しているか否かの確認処理を実行する(図中囲みの5)。回転検出センサ114を参照した結果、回転検出センサ114がOFFであるため、ステッピングモータ170が正常動作を行っていると判定される(図中囲みの6)。この場合、モータエラーフラグはオフを維持すると共に、リトライ動作時における所定ステップ数分のモータ駆動が完了したことに起因して、ステッピングモータ170は休止状態へと移行し、球通過待ち時間の計時を開始する(図中囲みの7)。その後、球通過待ち時間の計時中において、カウントセンサ113にて遊技球の通過を検出できなかったものの、ステッピングモータ170が正常に動作を行っていると判定されているため、当該球通過待ち時間の所定時間経過後に、リトライ動作が解除されることとなる(図中囲みの8)。そして、リトライ動作が解除されることを契機として、通常動作時の励磁方式(本例では、2相励磁方式)及び1ステップの切替速度に基づきステッピングモータ170の回転動作が再開される(図中囲みの9)。また、ステッピングモータ170の回転動作が再開される際には、未払出の賞球数に基づき所定のステップ数が再セットされるため、以降は図31で示されるような動作へと復帰することとなる。
本実施形態における第3の制御処理よれば、ステッピングモータ170が正常に回転していないと判定された場合であっても、ステッピングモータ170の回転を強制停止させた後において、ステッピングモータ170の回転を再試行する際に、ステッピングモータ170が発するトルクが低減し得る励磁方法に切り替えることができるように構成されているため、回転不具合が発生する要因(球噛み等)を効果的に除去することが可能となるとともに、ステッピングモータ170への負荷を低減しステッピングモータ170の破損を未然に防止できるという効果を奏する。また、励磁方法を切り替えるという簡易な処理であるため、プログラム容量の軽減を図ることが可能になるという効果も奏する。
更に、前記効果に加え、球噛みが発生した場合、スクリュー150の螺旋状突起153と案内通路140の通路壁との間に挟まれた遊技球に外力が印加されない期間が通常回転時よりも長くなるため、両方の壁間に遊技球が挟まれた状態を効果的に解消することが可能となるという効果を奏する。
<制御処理(4)>
それでは以下において、第4の制御処理に係る、具体的な態様について説明する。ここで、図34は払出制御基板2000側での処理を示すフローチャートである。なお、メイン制御基板1000側で実行される処理は、前述した第1の制御処理と同様であるため、ここではその説明を省略し、主として払出制御基板2000側での処理を中心に説明する。
《払出制御基板側での処理(4)》
図34を参照しながら、払出制御基板2000側での処理を詳述する。図34は、払出制御基板2000におけるメインルーチンを示すフローチャートである。始めに、ステップS5100で、払出制御基板2000は、メイン制御基板1000との間での賞球払出関連情報送受信処理を実行する。次に、ステップS5200で、払出制御基板2000は、賞球払出制御処理(賞球払出開始時・モータ駆動開始時)を実行する。次に、ステップS5300で、払出制御基板2000は、賞球払出制御処理(モータ駆動終了時・賞球払出終了時)を実行する。次に、ステップS5400で、払出制御基板2000は、賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)を実行する。そして、ステップS5500で、払出制御基板2000は、後述するモータエラー時処理を実行し、ステップS5100に移行する。以下、各サブルーチンを詳述することとする。なお、上述の第2及び第3の制御処理では、j=10,20の各ステップでのみステータの位置と回転検出センサ114のON/OFF状態とを比較することでモータ正常回転の確認処理を実行しているが、この第4の制御処理では、リトライ動作時の正逆回転処理に特徴があるので、j=5,10,15,20の各ステップにおいてモータ正常回転の確認処理を実行(第2及び第3の制御処理と比較して倍の回数のモータ正常回転の確認処理を実行)することとする。
まず、図34のステップS5100のサブルーチンに係る、賞球払出関連情報送受信処理(対メイン制御基板)において、メイン側受信制御手段2111は、払出状態フラグ一時記憶手段2311を参照し、モータ駆動中フラグがオフであるか否かを判定する(該処理を「ステップS5105」と称する)。ここで、「モータ駆動中フラグ」とは、賞球払出ユニット100のステッピングモータ170が駆動動作中にオンとなるフラグである。ステップ5105でYesの場合、メイン側受信制御手段2111は、メイン側受信情報一時記憶手段2111aを参照し、賞球払出コマンドを受信したか否かを判定する(該処理を「ステップS5110」と称する)。ステップS5110でYesの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域にアクセスし、賞球払出開始許可フラグをオンにする(該処理を「ステップS5115」と称する)。次に、払出制御手段2300は、メイン側受信情報一時記憶手段2111aに一時記憶されている賞球払出コマンド情報に基づき、今回払い出されるべき賞球数を導き、当該賞球数情報を払出カウンタ2312にセットし(該処理を「ステップS5120」と称する)、次の処理(ステップS5125)に移行する。以上で、通常の賞球払出処理が実行される際の、賞球払出数のセット処理を終了する。なお、ステップS5105及びステップS5110でNoの場合にも、次の処理(ステップS5125)に移行する。
次に、第一回線経由情報送信制御手段2121は、エラーフラグ一時記憶手段2221を参照し、いずれかの払出関連エラー報知フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS5125」と称する)。ステップS5125でYesの場合、エラー制御手段2200は、エラーフラグ一時記憶手段2221の、今回発生したエラーに対応した払出関連エラー報知フラグをオフにする(該処理を「ステップS5130」と称する)。そして、第一回線経由情報送信制御手段2121は、今回発生したエラーに対応した払出関連エラー情報をメイン制御基板1000側に送信し(該処理を「ステップS5135」と称する)、次の処理(ステップS5140)に移行する。なお、ステップS5125でNoの場合にも次の処理(ステップS5140)に移行する。以上で、払出関連エラー情報送信処理を終了する。
次に、第一回線経由情報送信制御手段2121は、払出状態フラグ一時記憶手段2311を参照し、賞球払出完了フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS5140」と称する)。ステップS5140でYesの場合、第一回線経由情報送信制御手段2121は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域にアクセスし、賞球払出完了フラグをオフにする(該処理を「ステップS5145」と称する)。そして、第一回線経由情報送信制御手段2121は、メイン制御基板1000側に対して賞球払出が完了した旨の情報を送信し(該処理を「ステップS5150」と称する)、次の処理{ステップS5200の賞球払出制御処理(賞球払出開始時・モータ駆動開始時)}に移行する。なお、ステップS5140でNoの場合にも次の処理{ステップS5200の賞球払出制御処理(賞球払出開始時・モータ駆動開始時)}に移行する。以上で、賞球払出完了情報送信処理を終了する。
次に、図34のステップS5200のサブルーチンに係る、賞球払出制御処理(賞球払出開始時・モータ駆動開始時)は、次のステップS5400のモータ駆動処理を実行する前段階の処理であり、メイン制御基板1000側からの賞球払出コマンドを受信したことを受けてモータ駆動のステップ数等をセットする処理である。まず、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311を参照し、賞球払出開始許可フラグ(ステップS5115を参照)がオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS5205」と称する)。ステップS5205でYesの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、賞球払出中フラグをオンにする(該処理を「ステップS5210」と称する)とともに、賞球払出開始許可フラグをオフにする(該処理を「ステップS5215」と称する)。そして、払出制御手段2300は、払出カウンタ2312にセットされている賞球払出個数が所定個数(例えば3個)以上であるか否かを判定する(該処理を「ステップS5220」と称する)。ステップS5220でYesの場合、払出制御手段2300は、所定個数分払い出されるよう、ステップカウンタ一時記憶手段2313にカウンタ値(n)を一時記憶し(該処理を「ステップS5225」と称する)、次の処理(ステップS5235)に移行する。ここで一時記憶されるカウンタ値(n)は、ステッピングモータ170のステップ数である。ここで本実施形態では、回転検出センサがONである状態(初期位置)から再び同じ状態(次の初期位置)になるまでを、2相励磁方式の場合は20ステップ(遊技球1球を払い出す回転角360°に相当)とし、1−2相励磁方式の場合は40ステップ(遊技球1球を払い出す回転角360°に相当)とし、ステッピングモータ170の励磁方式に応じて所定個数に対応したステップ数がステップカウンタ一時記憶手段2313にカウント値(n)として一時記憶される。他方、ステップS5220でNoの場合、すなわち、払出カウンタ2312にセットされている賞球払出個数が所定個数に満たない場合には、払出制御手段2300は、払出カウンタ2312にセットされている賞球払出個数分が払い出されるよう、ステップカウンタ一時記憶手段2313にカウンタ値(n)を一時記憶し(該処理を「ステップS5230」と称する)、次の処理(ステップS5235)に移行する。そして、払出制御手段2300は、励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)として初期値0をセットする(該処理を「ステップS5235」と称する)。ここで、励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)は、ステータに対するロータの相対位置を示したものであり、「20」が払出待機時(停止時)における初期位置に相当する。なお、モータ動作時には、励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)は1≦j≦20(図16及び図19を参照)の間を巡回する。次に、払出制御手段2300は、ステッピングモータ動作に係る通常動作用の励磁方式(本例では2相励磁方式)と通常動作用の1ステップの切替速度(本例では3ms)を、励磁方法設定情報一時記憶手段2316に一時記憶する(該処理を「ステップS5237」と称する)。そして、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、モータ駆動中フラグをオンにし(該処理を「ステップS5240」と称する)、次の処理{ステップS5300の賞球払出制御処理(モータ駆動終了時・賞球払出終了時)}に移行する。
他方、ステップS5205でNoの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311を参照し、モータ駆動中フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS5245」と称する)。ステップS5245でYesの場合には、既にモータが駆動されているので、次の処理{ステップS5300の賞球払出制御処理(モータ駆動終了時・賞球払出終了時)}に移行する。他方、ステップS5245でNoの場合には、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、賞球払出中フラグがオフであるか否か、すなわち、現時点で何ら賞球払出処理が実行されていないか否かを判定する(該処理を「ステップS5250」と称する)。ステップS5250でYesの場合には、次の処理{ステップS5300の賞球払出制御処理(モータ駆動終了時・賞球払出終了時)}に移行する。他方、ステップS5250でNoの場合には、まだ払出を実行すべき賞球が存在すると判定し、ステップS5220へ移行する。以上で、モータ駆動開始処理を終了する。
次に、図34のステップS5300のサブルーチンに係る、賞球払出制御処理(モータ駆動終了時・賞球払出終了時)は、前の処理(ステップS5200)で予定されているすべてのモータの駆動終了を実行し、或いは、予定されているすべての賞球払出が実行された際の終了処理である。まず、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域を参照し、モータ駆動中フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS5305」と称する)。ステップS5305でYesの場合、払出制御手段2300は、ステップカウンタ一時記憶手段2313のカウンタ値(n)を参照し、カウンタ値(n)が0であるか否か、すなわち、前述のステップS5225又はステップS5230でセットしたステップ数がすべて実行されたか否かを判定する(該処理を「ステップS5310」と称する)。ステップS5310でYesの場合には、払出制御手段2300は、回転検出センサ114からのON・OFF信号に基づき、スクリュー150を初期位置で停止させる(該処理を「ステップS5312」と称する)。次に、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域にアクセスし、モータ駆動中フラグをオフにする(該処理を「ステップS5315」と称する)。次に、払出制御手段2300は、ステッピングモータ170の休止状態を維持(本例では、励磁出力を低下させた上で、現在の励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)に継続励磁)して(該処理を「ステップS5318」と称する)、次の処理(ステップS5320)に移行する。なお、ステップS5305又はステップS5310でNoの場合にも、次の処理(ステップS5320)に移行する。以上で、モータ駆動終了処理を終了する。
次に、払出制御手段2300は、カウントセンサ113から遊技球検出信号を受信したか否かを判定する(該処理を「ステップS5320」と称する)。ステップS5320でYesの場合、払出制御手段2300は、払出カウンタ2312に一時記憶されているカウンタ値を1減算し(該処理を「ステップS5325」と称する)、次の処理(ステップS5330)に移行する。なお、ステップS5320でNoの場合にも次の処理(ステップS5330)に移行する。以上で、遊技球検出時処理を終了する。
次に、払出制御手段2300は、払出カウンタ2312を参照し、カウント値が0であるか否かを判定する(該処理を「ステップS5330」と称する)。ステップS5330でYesの場合、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、賞球払出中フラグをオフにする(該処理を「ステップS5335」と称する)とともに、賞球払出完了フラグをオンにし(該処理を「ステップS5340」と称する)、次の処理{ステップS5400の賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)}に移行する。なお、ステップS5330でNoの場合にも、次の処理{ステップS5400の賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)}へ移行する。
次に、図34のステップS5400のサブルーチンに係る、賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)は、前の処理(ステップS5200)でセットされたステップ数に基づき、実際にモータ駆動を実行する処理である。まず、払出制御手段2300は、払出状態フラグ一時記憶手段2311のフラグ領域を参照し、モータ駆動中フラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS5405」と称する)。なお、モータ駆動中フラグは、ステップカウンタ一時記憶手段2313に所定のステップカウンタ数がセットされた際にオンとなるフラグであり(ステップS5240を参照)、当該所定のステップカウンタ数と対応した励磁がすべて実行された際にオフとなるフラグである。ここで、ステップS5405でYesの場合、払出制御手段2300は、ステップカウンタ一時記憶手段2313のステップカウンタ値(n)を1減算する(該処理を「ステップS5410」と称する)。次に、払出制御手段2300は、励磁ステータ位置特定カウンタ一時記憶手段2314における励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)を更新(1インクリメント)する(該処理を「ステップS5420」と称する)。次に、払出制御手段2300は、励磁方法設定情報一時記憶手段2317に一時記憶されている励磁方式と切替速度に基づき、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段2314における励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)に対応したステータを励磁する(該処理を「ステップS5425」と称する)。次に、払出制御手段2300は、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段2313のカウンタ値(j)が、通常動作時における回転検出センサ114の確認タイミング(本例ではj値=5,10,15,20の各ステップ)であるか否かを判定する(該処理を「ステップS5432」と称する)。ここで、通常動作時における回転検出センサ114の確認とは、モータ動作に係る異常動作(主として球噛み等による脱調現象)が発生しているか否かを確認する目的で行われるものであり、例えば遊技球1個分の払出動作実行中において複数回の確認タイミングを要するものである。例えば、ステッピングモータ170の初期位置以外(j=5,10,15)での確認タイミングにおいては、回転検出センサ114からの検知信号がONからOFFに切り替わっていることを以て正常動作とし、ステッピングモータ170の初期位置(j=20)での確認タイミングにおいては、回転検出センサ114からの検知信号がOFFからONに切り替わっていることを以て正常動作とする方法が挙げられる。このように、遊技球1個分の払出動作実行中に4回の確認タイミングを設けることによって、モータ動作に係る異常動作を検出することが可能となる。賞球払出制御処理の説明に戻ると、ステップS5432でYesの場合、払出制御手段2300は、回転検出センサ114からの検知信号の有無を参照する(該処理を「ステップS5450」と称する)。例えば、半回転時のj値=10の場合にはOFFであることが正常、1回転時のj値=20の場合にはONであることが正常である。そして、エラー制御手段2200は、ステップS5450での検知信号に基づき、ロータが正しく回転していないか否か、すなわち、モータエラーが発生していないか否かを判定する(該処理を「ステップS5455」と称する)。ステップS5455でYesの場合、エラー制御手段2200は、エラーフラグ一時記憶手段2221におけるモータエラーフラグをオンにし(該処理を「ステップS5460」と称する)、次の処理(ステップS5500のモータエラー時処理)に移行する。なお、ステップS5405、ステップS5432、ステップS5455でNoの場合にも、次の処理(ステップS5500のモータエラー時処理)へ移行する。
次に、図34のステップS5500のサブルーチンに係る、モータエラー時処理において、本処理の目的は、モータエラーを検出した際には、リトライ動作実行時におけるモータ駆動に係る励磁方式の切替制御処理を実行するとともに、エラー検出時の励磁ステータ位置(スクリュー150の回転位置)に応じてステッピングモータ170を正逆方向に交互に回転駆動する正逆回転制御処理を実行することである。先ず、エラー制御手段2200は、エラーフラグ一時記憶手段2221を参照し、モータエラーフラグがオンであるか否かを判定する(該処理を「ステップS5505」と称する)。ここで、前述のステップS5460で説明したように、所定の検知タイミングにてステッピングモータ170が所定の回転位置に存在するか否かを検知した上、当該所定の回転位置に存在しない場合には脱調等をしたと判定し、このモータエラーフラグはオンとなる。ステップS5505でYesの場合、エラー制御手段2200は、エラーフラグ一時記憶手段2221にアクセスし、モータエラーフラグをオフにする(該処理を「ステップS5510」と称する)。次に、エラー制御手段2200は、ステップカウンタ一時記憶手段2313におけるステップカウンタ値(n)をクリアする(該処理を「ステップS5520」と称する)。これはモータエラー発生により、今回セットしたステップ数を実行しなくなったためであり、当該カウント値のクリア実行後は、リトライ動作へと移行することとなる。なお、このようにステップカウンタ値(n)はゼロクリアされるが、現在のステッピングモータ170の励磁ステータ位置(j)は励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段2314にそのまま保持されるため、現在の球噛みによる停止位置からモータ回転を停止させずにそのままリトライ動作(詳細後述)を実行することができる。次に、エラー制御手段2200は、例えば、回転検出センサ114からのON・OFF信号を参照する等して、ロータ(スクリュー150)が初期位置に存在しているか否か、具体的にはj値がjfin(本例では、2相励磁方式のときはj=20、1−2相励磁方式のときはj=40)であるかに基づき、脱調状態から回復しているか否かを判定する(該処理を「ステップS5525」と称する)。ステップS5525でNoの場合、すなわち、脱調状態が回復していない場合には、リトライ動作制御手段2400は、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段2314における励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)が第3の特定値(jSP3=6)以上である否か、すなわち、スクリュー150の回転位置が払出位置に達しているか否かを判定する(該処理を「ステップS5528」と称する)。ここで、第3の特定値jSP3は、前述したように、遊技球が払い出される時(リリースポイント)の励磁ステータ位置jとして6ステップ目(jSP3=6)が設定されている。ステップS5528でYesの場合、すなわち、スクリュー150の回転位置が払出位置に達している場合(6≦j≦20)には、励磁方式切替切替制御手段2410は、ステッピングモータ動作に係るリトライ動作用の励磁方式(本例では、1−2相励磁方式)とリトライ動作用の1ステップの切替速度(本例では、6ms)を、励磁方法設定情報一時記憶手段2317に一時記憶する(該処理を「ステップS5536」と称する)。ここで、本実施形態では、ステッピングモータ動作に係る通常動作用の励磁方式は2相励磁方式が設定されるのに対して、リトライ動作用の励磁方式は1−2相励磁方式が設定される。以下、この点について詳述する。まず、前述のように、本例で挙げている励磁方式(1相励磁方式、2相励磁方式、1−2相励磁方式)のうち、発生するトルクに関しては、1相励磁方式<1−2相励磁方式<2相励磁方式、の順番に大きくなっていく反面、球噛み等の外力によってモータ駆動が阻害されている状況下では、同様の順番でモータへの負荷が大きくなっていく。すなわち、本例のように、球噛み等が発生したことに起因してリトライ動作を実行する場合には、2相励磁方式から1−2相励磁方式(又は1相励磁方式)へ切り替えることによってモータへの負荷を抑制し、モータが破損してしまう確率を低減することができるのである。また、励磁方式を切り替えることと併せて、1ステップの切替速度を落とす{ステータの励磁タイミングをX(例えば3ms)に1回からY(Y>X、例えば6ms)に1回へ変更する}ことによって、更にステッピングモータ170への負荷を抑えることができるとともに、ステータが励磁されない間隔を相対的に長く確保することができる。換言すれば、スクリュー150へ供給される単位時間当たりの動力が相対的に低下することとなるため、球噛み等の異常動作が解消される確率を高めることが可能となるのである。
賞球払出制御処理の説明に戻ると、次に、正逆回転切替制御手段2420は、励磁方法設定情報一時記憶手段2317に設定されたリトライ動作用の励磁方式(本例では、1−2相励磁方式)及び切替速度(本例では、6ms)に基づき、払出位置到達エリアでのリトライ動作として、スクリュー150を所定角度(例えば、1−2相励磁で4ステップ分の36°)だけ一旦逆転させてから、回転方向を切り替えて後続の遊技球B2がスクリュー150の螺旋状溝156から放出されない、ぎりぎりの位置(払出位置の直前の位置)まで正転させた後で、さらに回転方向を切り替えてスクリュー150を直近の初期位置まで逆転復帰させる(該処理を「ステップS5537」と称する)。つまり、スクリュー150を螺旋状突起153で受け止めている後続の遊技球B2が払い出されないような範囲(払出位置を超えない範囲)で正逆回転させることにより、スクリュー150の動き得る範囲をフルに使ったリトライ動作を実行することができる。ここで、「直近の初期位置」とは、スクリュー150を逆転させた場合に最初に到達(復帰)する初期位置のことをいう。
他方、ステップS5528でNoの場合、すなわち、スクリュー150の回転位置が払出位置に達していない場合(1≦j≦5)には、ステップS5536と同様に、励磁方式切替切替制御手段2410は、ステッピングモータ動作に係るリトライ動作用の励磁方式(本例では、1−2相励磁方式)とリトライ動作用の1ステップの切替速度(本例では、6ms)を、励磁方法設定情報一時記憶手段2317に一時記憶する(該処理を「ステップS5538」と称する)。次に、正逆回転切替制御手段2420は、励磁方法設定情報一時記憶手段2317に設定されたリトライ動作用の励磁方式(本例では、1−2相励磁方式)及び切替速度(本例では、6ms)に基づき、払出位置未到達エリアでのリトライ動作として、スクリュー150を所定角度(例えば、1−2相励磁で4ステップ分の36°)だけ一旦逆転させてから、回転方向を切り替えて現在スクリュー150に保持されている遊技球B1がスクリュー150の螺旋状溝156から放出されない、ぎりぎりの位置(払出位置の直前の位置)まで正転させた後で、さらに回転方向を切り替えてスクリュー156を直近の初期位置まで逆転復帰させる(該処理を「ステップS5539」と称する)。つまり、スクリュー150を螺旋状溝156内で保持している先頭の遊技球B1が払い出されないような範囲(払出位置を超えない範囲)で正逆回転させることにより、スクリュー150の動き得る範囲をフルに使ったリトライ動作を実行することができる。
なお、本実施形態では、このリトライ動作(脱調回復処理)は、脱調状態が回復するまで繰り返し実行される。そして、ステップS5525でYesの場合、すなわち、リトライ動作によって脱調状態が回復した場合(初期位置に復帰した場合)には、リトライ動作制御手段2400は、払出状態フラグ一時記憶手段2311にアクセスし、モータ駆動中フラグをオンにして(該処理を「ステップS5540」と称する)、次の処理{ステップS5100の賞球払出関連情報送受信処理(対メイン制御基板)}に移行する。
次に、図35〜図38を追加参照しながら、本実施形態(第4の制御処理)でのパチンコ機PMの作用を説明する。ここで、図35はステッピングモータ170が正常に回転している際の作用図(球1個分の払出動作)、図36はステッピングモータ170が正常に回転していない(例えば脱調している)際の作用図、図37はスクリュー150が払出位置に到達する前にモータエラーが発生した場合においてステッピングモータ170が正常に回転していない状態から正常に回転する状態へと復帰した際の作用図、図38はスクリュー150が払出位置に到達した後にモータエラーが発生した場合においてステッピングモータ170が正常に回転していない状態から正常に回転する状態へと復帰した際の作用図である。
まず、図35から説明すると、賞球払出が実行されていない場合、ステッピングモータ170のロータは初期位置(元の初期位置j=20で停止)から、パチンコ機PMに生じる振動等によっても回転しないよう、A相のステータは所定出力Y%(回転時よりも低い励磁出力であり、例えば回転時の33%程度)で励磁されている。このような状況下、メイン制御基板1000側から払出制御基板2000側に所定数の賞球を払い出す旨のコマンド(すなわち、賞球払出コマンド)が送信された場合、通常動作時の励磁方式(2相励磁方式)に基づきステッピングモータ170が回転駆動されることになる。
ここで、前述したように、本実施形態では、ステッピングモータ170が1回転(ロータが20ステップ)すると遊技球が1球だけ払い出されるため、例えば、賞球を3球払い出す必要がある場合には、ロータを3×20ステップ=60ステップ回転させることになる。そこで、1球分の払出動作に着目して当該タイミングチャートを説明すると、初期位置(j=20)からj=1、j=2、j=3…と、一定時間毎(例えば3ms毎)に励磁されるステータを切り替えると共に励磁出力をX%(例えば100%)に引き上げる。すると、この切替に追従してステッピングモータ170のロータは回転を開始する。ここで、本実施形態では、励磁されるステータの切替処理を、3ms毎に実行される割り込み処理として実行している。なお、j=1〜4,6〜9,11〜14,16〜19までの割り込み処理時には、ステッピングモータ170が正常に回転しているか否かの確認処理を実行しない。これにより、割り込み処理の度に確認処理を実行するという処理負担を軽減している。すなわち、現在励磁しているステータの位置と回転検出センサ114のON/OFF状態とを比較することで、割り込み処理の度にステッピングモータ170の正常回転の確認処理をすることができるにも拘わらず、敢えてしないところに一つの特徴があるといえる。
そして、j=5,10,15,20の各ステップでの割り込み処理では、モータエラー判定を実行する(図中囲みの1〜4)。具体的には、回転検出センサ114を参照し、ステッピングモータ170が正常に回転しているか否かを判定する(図中囲みの5)ことになる。そして、j=5,10,15のときにはOFFである場合(図中囲みの6)、j=20のときにはONである場合(図中囲みの7)には、ステッピングモータ170が正常に回転していると判定する。そして、ステッピングモータ170が正常に回転している場合、20ステップ分の回転動作終了後には、スクリュー150の螺旋状溝156から放出された遊技球がカウントセンサ113にて検出されることで、球1個分の払出動作が完了する(図中囲みの8)。以上の動作を繰り返すことによって遊技球の払出動作を実行し、メイン制御基板1000側から払出制御基板2000側に送信されたコマンドに基づく所定数の賞球払出動作が完了したことを以て、全ての払出動作が完了することとなる。
次に図36は、j=5における割り込み処理時に、ステッピングモータ170が正常に回転していない(脱調)と判断された場合を示したタイミングチャートである。図36に示すように、まず、ステッピングモータ170の1ステップ目の回転動作時に、球噛み等の要因によりスクリュー150の回転動作が阻害される状況が発生し、当該スクリュー150の回転動作を阻害する外力によって、これに付随してステッピングモータ170の回転動作も阻害する状況が発生する(図中囲みの1)。このとき、スクリュー150の回転動作が阻害されることに伴い、回転検出用の従動歯車183の回転動作も阻害されるため、回転検出センサ114はON状態を維持することとなる。次に、j=5における割り込み処理時(図中囲み2)に、現在励磁しているステータの位置と回転検出センサ114のON/OFF状態を参照し、ステッピングモータ170が正常に回転しているか否かの確認処理を実行する(図中囲みの3)。そして、回転検出センサ114を参照した結果、本来であれば回転検出センサ114がOFFであるにも拘わらず、回転検出センサ114がONであるため、ステッピングモータ170が異常動作を行っていると判定される(図中囲みの4)。この場合、モータエラーフラグがオン(図中囲みの4)となると共に、リトライ動作が実行されることとなる(図中囲みの5)。そして、リトライ動作が実行されることを契機として、リトライ動作時の励磁方式(本例では、1−2相励磁方式)及び1ステップの切替速度に基づきステッピングモータ170の回転動作が再開される。
次に、図37は、図36のタイミングチャートからの続きであり、スクリュー150が遊技球を払い出す前にモータエラー(球噛み)が発生した場合の、リトライ動作実行により異常動作が解消される過程を示したタイミングチャートである。図36に示すように、まず、リトライ動作時には、リトライ動作時の励磁方式(本例では、1−2相励磁方式)及び1ステップの切替速度に基づきステッピングモータ170の回転動作が開始される(図中囲みの1)。なお、本実施形態では、リトライ動作時には、1ステップの切替速度が通常動作時に比べて低速(本例では、6ms)に設定されているため、3msの割り込み処理の2回に1回の頻度でステッピングモータ170が励磁される。そして、リトライ動作開始時のスクリュー150の回転位置(1−2相励磁:j=10)が払出位置(1−2相励磁:j=12)に到達していないため(図中囲みの2)、払出位置未到達エリアでのリトライ動作として、スクリュー150を所定角度(1−2相励磁で4ステップ分の36度)だけ一旦逆転させてから、回転方向を切り替えて現在スクリュー150に保持されている遊技球が螺旋状溝156から放出されない、ぎりぎりの位置{払出位置の直前の位置(1−2相励磁:j=10)}まで正転させた後(図中囲みの3)で、さらに回転方向を切り替えてスクリュー150を元の初期位置(1−2相励磁:j=40)まで逆転復帰させる(図中囲みの4)。
このとき、スクリュー150の正逆転運動によってステッピングモータ170の10ステップ目(1−2相励磁)の回転動作時に、スクリュー150と案内通路140との間に噛み込まれていた遊技球が自由な状態となり、スクリュー150の回転動作を阻害している要因が消失することで、ステッピングモータ170の動作が復調する(図中囲みの5)。ここで、当該要因が消失した理由として、リトライ動作時における励磁方式及び1ステップの切替速度を変更したことによって、スクリュー150に供給される単位時間当たりの動力が低減し、球噛み等の異常動作が解消される確率が高まっていることも挙げられる。そして、ステッピングモータ170の動作が復調することに伴い、従動歯車183の回転動作も復調し、回転検出センサ114がONからOFFへと切り替わる(図中囲みの6)。次に、リトライ動作時の確認タイミングとして、j=6(1−2相励磁)の割り込み処理時に(図中囲みの7)に、回転検出センサ114を参照し、ステッピングモータ170が正常に回転しているか否かの確認処理を実行する(図中囲みの8)。なお、モータエラーを早期に解消するために、リトライ動作時の確認タイミングは、通常動作時の確認タイミングよりも短く設定されており、例えば1/10球分程度のモータ駆動毎に1回の確認タイミングを設けることが好適である。回転検出センサ114を参照した結果、回転検出センサ114がOFFであるため、ステッピングモータ170が正常動作を行っていると判定される(図中囲みの9)。この場合、モータエラーフラグはオフを維持すると共に、スクリュー150が初期位置に逆転復帰したことが検出されることによって(図中囲みの4,10)、リトライ動作が解除されることとなる(図中囲みの11)。そして、リトライ動作が解除されることを契機として、通常動作時の励磁方式(本例では、2相励磁方式)及び1ステップの切替速度に基づきステッピングモータ170の回転動作が再開される(図中囲みの12)。また、ステッピングモータ170の回転動作が再開される際には、未払出の賞球数に基づき所定のステップ数が再セットされるため、以降は図35で示されるような動作へと復帰することとなる。
次に、図38は、図36のタイミングチャート(ここではj=15でモータエラーが検出されたものと仮定する)からの続きであり、スクリュー150が遊技球を払い出した後にモータエラー(球噛み)が発生した場合の、リトライ動作実行により異常動作が解消される過程を示したタイミングチャートである。図38に示すように、まず、リトライ動作時には、リトライ動作時の励磁方式(本例では、1−2相励磁方式)及び1ステップの切替速度に基づきステッピングモータ170の回転動作が開始される(図中囲みの1)。なお、本実施形態では、リトライ動作時には、1ステップの切替速度が通常動作時に比べて低速(本例では、6ms)に設定されているため、3msの割り込み処理の2回に1回の頻度でステッピングモータ170が励磁される。そして、リトライ動作開始時のスクリュー150の回転位置(1−2相励磁:j=30)が払出位置(1−2相励磁:j=12)に到達しているため(図中囲みの2)、払出位置到達エリアでのリトライ動作として、スクリュー150を所定角度(1−2相励磁で4ステップ分の36度)だけ一旦逆転させてから、回転方向を切り替えて後続の遊技球がスクリュー150の螺旋状溝156から放出されない、ぎりぎりの位置{次の払出位置の直前の位置(1−2相励磁:j=10)}まで正転させた後(図中囲みの3)で、さらに回転方向を切り替えてスクリュー150を直近の初期位置(1−2相励磁:j=40)まで逆転復帰させる(図中囲みの4)。
このとき、スクリュー150の正逆転運動によってステッピングモータ170の8ステップ目(1−2相励磁)の回転動作時に、スクリュー150と案内通路140との間に噛み込まれていた遊技球が自由な状態となり、スクリュー150の回転動作を阻害している要因が消失することで、ステッピングモータ170の動作が復調する(図中囲みの5)。ここで、当該要因が消失した理由として、リトライ動作時における励磁方式及び1ステップの切替速度を変更したことによって、スクリュー150に供給される単位時間当たりの動力が低減し、球噛み等の異常動作が解消される確率が高まっていることも挙げられる。そして、ステッピングモータ170の動作が復調することに伴い、従動歯車183の回転動作も復調し、回転検出センサ114がONからOFFへと切り替わる(図中囲みの6)。次に、リトライ動作時の確認タイミングとして、j=5(1−2相励磁)の割り込み処理時に(図中囲みの7)に、回転検出センサ114を参照し、ステッピングモータ170が正常に回転しているか否かの確認処理を実行する(図中囲みの8)。回転検出センサ114を参照した結果、回転検出センサ114がOFFであるため、ステッピングモータ170が正常動作を行っていると判定される(図中囲みの9)。この場合、モータエラーフラグはオフを維持すると共に、スクリュー150が初期位置に逆転復帰したことが検出されることによって(図中囲みの4,10)、リトライ動作が解除されることとなる(図中囲みの11)。そして、リトライ動作が解除されることを契機として、通常動作時の励磁方式(本例では、2相励磁方式)及び1ステップの切替速度に基づきステッピングモータ170の回転動作が再開される(図中囲みの12)。また、ステッピングモータ170の回転動作が再開される際には、未払出の賞球数に基づき所定のステップ数が再セットされるため、以降は図35で示されるような動作へと復帰することとなる。
本実施形態における第4の制御処理によれば、ステッピングモータ170が正常に回転していないと判定された場合であって、ステッピングモータ170の回転を再試行する際に、ステッピングモータ170が発するトルクが低減し得る励磁方法に切り替えた上で、ステッピングモータ170への励磁を停止させずに、スクリュー150を払出位置の直前の位置まで正転方向に回転させてから逆転方向に切り替えて元の初期位置に復帰させるよう、ステッピングモータ170を継続的に励磁するよう構成されるため、回転不具合が発生する要因(球噛み等)を効果的に除去することが可能となるとともに、球噛み状態から正常状態に戻ったときにステッピングモータ170の動作を遅延させずに速やかに賞球払出処理へ復帰することが可能であるという効果を奏する。
更に、球噛みが発生した場合、スクリュー150の螺旋状突起153と案内通路140の通路壁との間に挟まれた遊技球に外力が印加されない期間が通常回転時よりも長くなるため、両方の壁間に遊技球が挟まれた状態を効果的に解消することが可能となるという効果を奏する。
更に、スクリュー150を払出位置の直前(スクリュー150から遊技球が払い出されないぎりぎりの位置)まで正回転させてから逆回転させて元の初期位置に復帰させるよう構成されるため、リトライ動作時のスクリュー150の動作範囲をより大きく確保して、リトライ動作による余剰の払出を防止しつつ、球噛み等の回転不具合を確実に除去することが可能であるという効果を奏する。
更に、ステッピングモータ170の回転を再試行するときに、スクリュー150を所定角度だけ一旦逆転させてから払出位置の直前位置まで正転させるよう構成されるため、スクリュー150と案内通路140との間に噛み込まれていた遊技球を自由な状態に解放して、球噛みによる異常状態を解除する可能性を高めることができるという効果を奏する。
なお、スクリュー150の正逆転作動において、スクリュー150を正転させる場合、すなわち、スクリュー150の螺旋状溝156内で保持されている遊技球(B1)と後続の遊技球(B2)との間の空隙Cに螺旋状突起153の上流側端部154aを進入させる場合には、ステータへの励磁出力を高くしてトルクを増大させる。他方、スクリュー150を逆転させる場合、すなわち、スクリュー150の螺旋状溝156内で保持されている遊技球(B1)と後続の遊技球(B2)との間の空隙Cから螺旋状突起153の上流側端部154aを退避させる場合には、ステータへの励磁出力を低くしてトルクを低減させる。このような構成によれば、スクリュー150と遊技球との接触バランスを適度に調節して更なる球噛み等の誘発を防止することが可能になる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本明細書における各用語の定義について説明する。まず、「ステッピングモータ」は、ステータの励磁によりロータが回転する周知構造のステッピングモータ一切を指し、ステータの数、励磁方式等は何ら限定されない。「ステッピングモータの回転を検出する回転検出手段」は、ステッピングモータの回転軸に連結した歯車の位置や回転状況を検出する手段でもよいが、ステッピングモータに直接備えられている手段や、ステッピングモータに備えられていないがステッピングモータの回転状態を把握できる手段一切を含む。「トルクが低減し得る」とは、回転時の平均トルクの値が低減していればよく、2相励磁と1相励磁のように、励磁されているときを比較すると常にトルクが低減している場合のみならず、2相励磁と1−2相励磁のように、ある励磁時にはトルクが同一値である場合をも包含する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。
上述の実施形態では、賞球払出ユニット100を裏セット盤30に装着する構成を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、前枠の裏面に取り付けられたベース部材に対して装着する構成や、前枠自体に直接装着する構成であってもよい。
また、上述の実施形態では、歯車機構180において駆動歯車181と従動歯車183とのギヤ比は1:1であったが、これに限定されるものではなく、例えば、ステッピングモータのトルクや回転速度などを考慮して、1:2(駆動歯車が1回転で従動歯車が半回転)等のギヤ比に変更することもできる。また、歯車機構を用いずにステッピングモータの回転軸にスクリューを直結させたり、歯車機構による伝達方式以外にも、ベルト式等の他の伝達方式を利用してもよい。
また、上述の実施形態では、賞球払出ユニットが案内通路を1条のみ有して構成されているが、これに限定されるものではなく、2以上の複数条の案内通路を有して構成されていてもよい。なお、案内通路の通路全体を通して複数条とせず、上流側の側方通路のみを複数条とし、下流側の下方通路を1条のみで形成して、複数条の側方通路と1条の下方通路とを合流させる形態を採用してもよい。
また、上述の実施形態において、案内通路(スクリューの上流側)に遊技球の払い出しを行い得る十分な個数の遊技球が保持されているか否かを検出するための球有検出センサを設けた構成を採用してもよい。
なお、上述の実施形態では、本発明をパチンコ機に適用した事例について説明したが、アレンジボール機や雀球遊技機などの他の弾球遊技機に適用することができ、同様の効果を得ることができる。