JP2013162175A - パラメータ調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】デジタルオーディオミキサのパラメータ調整において、コストをかけることなく、わかりやすい操作方法で、パラメータ値の微調整と粗調整とを行える装置を提供する。
【解決手段】パラメータ表示と操作入力とが可能なタッチ式ディスプレイを備え、処理対象のパラメータのアイコンがタッチ中であるか否かを判断し(S2,S3)、タッチ操作中の場合は、微調整用の第1分解能に従って、パラメータの値を微調整し(S4)、他方、タッチ操作中でない場合は、粗調整用の第2分解能に従って、操作量に基づくパラメータの値の調整量を決定し、決定した調整量に応じて、該パラメータの値を粗調整する(S5)調整手段を備える。
【選択図】図7
【解決手段】パラメータ表示と操作入力とが可能なタッチ式ディスプレイを備え、処理対象のパラメータのアイコンがタッチ中であるか否かを判断し(S2,S3)、タッチ操作中の場合は、微調整用の第1分解能に従って、パラメータの値を微調整し(S4)、他方、タッチ操作中でない場合は、粗調整用の第2分解能に従って、操作量に基づくパラメータの値の調整量を決定し、決定した調整量に応じて、該パラメータの値を粗調整する(S5)調整手段を備える。
【選択図】図7
Description
この発明は、物理的操作子の操作量に応じてパラメータの値を調整するパラメータ調整装置に関する。
従来、物理的操作子の操作量に応じてパラメータの値を調整するデジタルオーディオミキサにおいて、操作子の操作量に対するパラメータの値の調整量を決める分解能として、粗調整用と微調整用との2通りの分解能を用意しておき、粗調整と微調整とを使い分けてパラメータの値を調整することが知られていた。
簡単且つわかりやすい操作方法で、粗調整用の分解能と微調整用の分解能とを使い分ける工夫として、例えば下記特許文献1があった。特許文献1の技術には、回転操作されるノブ操作子(ノブ)が軸方向への押し込み操作可能なプッシュ式ノブにより構成され、ユーザがプッシュ式ノブを押し込まずに回転操作したときには、粗調整用の粗い分解能を用いてノブの回転操作量に対してパラメータの値を大きく変化させてパラメータの値を粗調整し、他方、ユーザがプッシュ式ノブを押し込みつつ回転操作したときには、微調整用の細かい分解能を用いてノブの回転操作量に対してパラメータの値を小さく変化させてパラメータの値を微調整することが開示されている。
しかし、上記の特許文献1の技術は、ノブをプッシュ式ノブにより構成しなければならず、プッシュ機能を持たない通常のノブと比べてコストがかかってしまうという問題がある。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、物理的操作子の操作量に応じてパラメータの値を調整するパラメータ調整装置において、コストをかけることなく、わかりやすい操作方法で、2通りの分解能を使い分けて、パラメータの値を調整できるようにしたパラメータ調整装置を提供することを目的とする。
この発明は、パラメータを表すパラメータ要素を画面に表示すると共に、該画面上で前記パラメータ要素に接触するタッチ操作による入力が可能なタッチ式ディスプレイと、前記パラメータ要素に該当するパラメータを操作対象とする操作子と、前記操作子が操作されたときに、その操作子の操作対象のパラメータに該当するパラメータ要素がタッチ操作中か否かを判断する判断手段と、前記判断手段によりタッチ操作中と判断した場合は、第1分解能に従って、前記操作子の操作量に基づくパラメータの値の調整量を決定し、決定した調整量に応じて、該操作子の操作対象のパラメータの値を調整し、他方、該判断手段によりタッチ操作中でないと判断した場合は、第2分解能に従って、前記操作子の操作量に基づくパラメータの値の調整量を決定し、決定した調整量に応じて、該操作子の操作対象のパラメータの値を調整する調整手段を備えるパラメータ調整装置である。
この発明によれば、タッチ式ディスプレイに表示されたパラメータ要素が示すパラメータの値を操作子の操作量に応じて調整するパラメータ調整装置において、操作子の操作対象のパラメータに該当するパラメータ要素をタッチ操作しつつ操作子を操作したときには、第1分解能に従って決定した調整量に応じて操作対象のパラメータの値を調整でき、他方、操作子の操作対象のパラメータに該当するパラメータ要素をタッチ操作せずに操作子を操作したときには、第2分解能に従って決定した調整量に応じて操作対象のパラメータの値を調整できる構成により、格別のコストをかけることなく、感覚的にわかりやすい操作方法で、第1分解能と第2分解能とを使い分けて、パラメータの値を調整できるという優れた効果を奏する。
以下に、本発明のパラメータ調整装置を適用したデジタルオーディオミキサの一実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、デジタルオーディオミキサ(ミキサ)1の電気的ハードウェア構成を示すブロック図である。ミキサ1は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)10、フラッシュメモリ11、RAM(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)12、波形入出力インターフェース(波形I/O)13、信号処理部(DSP(Digital Signal Processing)部)14、表示器15、操作子16、及び、その他インターフェース(その他I/O)17を備え、各構成要素がバス18を介して接続される。
CPU10は、フラッシュメモリ11又はRAM12に記憶された各種のプログラムを実行して、ミキサ1の全体動作を制御する。フラッシュメモリ11は、CPU10が実行する各種のプログラムや各種のデータなどを記憶する。フラッシュメモリ11には、音響信号処理を制御する全てのパラメータの現在値(カレントデータ)を記憶するカレントメモリが設けられている。RAM12は、CPU10が実行するプログラムのロード領域やワーク領域に使用する。
波形I/O13は、オーディオ信号を入出力するためのインターフェースであり、図中の矢印で示すように、アナログオーディオ信号を入力する複数の入力ポート、アナログオーディオ信号を出力する複数の出力ポート、及び、デジタルオーディオ信号を入出力するデジタル入出力(複数の入力ポート及び複数の出力ポート)を含む。波形I/O13は、さらに、アナログデジタル変換(AD変換)、デジタルアナログ変換(DA変換)、及びデジタル変換(フォーマット変換)を行うための機構を含む。
DSP部14は、CPU10の指示に基づいて各種のマイクロプログラムを実行することにより、カレントメモリに記憶されている各種のパラメータのカレントデータに基づいて、波形I/O13経由で入力されたオーディオ信号に対して、オーディオミキシングに関する音響信号処理を行い、処理後のオーディオ信号を波形I/O13経由で出力する。なお、音響信号処理とは、オーディオ信号の音量レベル制御、複数のオーディオ信号のミキシング、オーディオ信号への効果付与等である。
表示器15及び操作子16は、ミキサ1の操作パネル上に設けられたユーザインターフェースである。表示器15は、CPU10からバス19を介して与えられた表示制御信号に基づいて各種画像や情報を画面に表示でき、且つ、画面に接触するタッチ操作による入力が可能なタッチ式ディスプレイ30により構成される。操作子16は、操作パネル上に配置された操作子群である。CPU10は、表示器15及び操作子16の操作に応じて、カレントメモリに記憶されているカレントデータを調整する。「カレントデータを調整する」とは、カレントメモリに記憶されている当該操作に該当するパラメータの値を、当該操作に応じた値に変更し、変更後の値をDSP部14や表示器15へ反映することである。
その他I/O17は、例えばRS−422、USB(universal serial bus)、或いは、Ethernet(登録商標)規格など、周知の1又は複数の汎用インターフェースを含み、図中の矢印で示すように、その他I/O17に接続された「その他の機器」との間で制御信号や各種データの通信を行う。
図2は、図1のミキサ1における音響信号処理の構成を説明するブロック図であり、複数の矢印はそれぞれ1ch分のオーディオ信号の流れを示す。図2に示す各部の動作は、主にCPU10の処理及びDSP部14が実行するマイクロプログラムの処理により実現される。なお、本明細書では「チャンネル」を「ch」と表記する。
アナログ入力部20及びデジタル入力部21は、波形I/O13が実行するオーディオ信号の入力、AD変換、フォーマット変換などのオーディオ信号入力機能に相当する。入力パッチ22は、カレントメモリに記憶されている入力パッチデータに基づいて、アナログ入力部20とデジタル入力部21に複数ずつ設けられている入力ポートそれぞれを、後段の入力ch23のいずれか1つの入力chに割り当てる。
入力ch部23は128個の入力chを持つ。各入力ch23は、入力パッチ22を介して接続された1つの入力ポートから入力されるオーディオ信号に対して、カレントメモリに記憶されている各種パラメータの値に基づき各種の音響信号処理を行い、処理後のオーディオ信号を任意の1又は複数のMIXバス24へ出力する。
バス部24は96本のバス(1〜96)を持つ。各バス24は、入力ch部23から供給されたオーディオ信号をミキシングし、ミキシング後のオーディオ信号を出力ch25へ出力する。出力ch部25は、96本のバス24のそれぞれに対応する96個の出力chを持つ。各出力ch25は、対応するバス24から入力されるオーディオ信号に対して、カレントメモリに記憶されている各種パラメータの値に基づき各種の音響信号処理を行い、処理後のオーディオ信号を出力パッチ26へ出力する。
出力パッチ部26は、カレントメモリに記憶されている出力パッチデータに基づいて、各出力ch25を、それぞれ、アナログ出力部27とデジタル出力部28に複数ずつ設けられている出力ポートのうち任意の1又は複数の出力ポートに割り当てる。アナログ出力部27及びデジタル出力部28は、波形I/O13が実行するオーディオ信号のDA変換、フォーマット変換、出力などのオーディオ信号出力機能に相当する。
図3は、ミキサ1の操作パネルの構成を説明する図であって、主要な部分を抽出している。操作パネルには、タッチ式ディスプレイ30、chストリップ部31、セレクテッドch部32及びユーザノブ部33が設けられている。chストリップ部31、セレクテッドch部32及びユーザノブ部33は、図1の操作子16に相当する物理操作子群を、機能・用途別にまとめた領域である。
chストリップ部31は、複数個(図では8個)のchストリップ34を持っており、主に後述するメイン画面40に表示されたパラメータの値の操作に使われる。ユーザは、図示外の選択スイッチ等を用いて、128個の入力ch23及び96個の出力ch25うちから、chストリップ部31及びメイン画面40の操作対象chとなる所望の8つのchを選択できる。8個のchストリップ34のそれぞれには、ユーザが選択した8つの操作対象chが1chずつ割り当てられる。各chストリップ34は、それぞれ、物理的操作子として1つのchストリップノブ35と、1つのselボタン36と、1つのフェーダ37を備えており、そのchストリップ34に割り当てられたchに関するパラメータの値を操作できる。
セレクテッドch部32は、複数個(27個)のセレクテッドchノブ38を備えており、主に、後述するセレクテッドch画面50に表示されたパラメータの操作に使用される。ユーザは、例えばchストリップ部31のchストリップ34に備わるselボタン36を用いて、セレクテッドch部32及びセレクテッドch画面50の操作対象となるch(セレクテッドch)を1つ選択できる。また、ユーザノブ部33は複数個(4個)のユーザノブ39を備えている。これらのユーザノブ39は、ユーザが自由にパラメータを割り当てて、割り当て中のパラメータの値を調整できるノブであり、タッチ式ディスプレイ30に表示する画面に関わりなく自由な使い方ができる。
上記のchストリップノブ35、セレクテッドchノブ38及びユーザノブ39(これらを単に「ノブ」とも表記する)は、それぞれ、つまみ(ノブ)を回転操作する回転式操作子である。ノブ35、38、39の機械的構成や操作検出のための構成は、従来知られる一般的な回転式操作子と同様な、ノブを回転操作でき、且つ、その回転操作に応じた操作量を検出できる構成であれば、どのような構成であってもよい。
タッチ式ディスプレイ30は、図1の表示器15に相当するもので、後述のメイン画面40(図4)やセレクテッドch画面50(図5)等の各種画面を表示でき、且つ、各種画面を表示するパネル面の全領域が手指等の接触によるタッチ操作を検出可能なタッチ領域になっている。タッチ式ディスプレイ30に表示する画面の切り替えは、切り替え指示用のボタン(図示外)の操作等により、ユーザが手動で行う。
メイン画面40の表示が指示されたとき、CPU10は、chストリップ部31の操作対象chとして選択されている8chに関するメイン画面40をタッチ式ディスプレイ30に表示する。図4は、メイン画面40の構成例である。メイン画面40は、chストリップ部31の操作対象chとして選択されている8chの主要な情報を各種アイコンにより表示し、且つ、それら情報をユーザに調整させる画面である。メイン画面40には、chストリップ部31の8つのchストリップ34に対応する8つのch情報表示領域41が設けられている。
ch情報表示領域41には、対応するchストリップ34に割り当てられたchの情報が表示される。ch情報表示領域41の最上段の1つの丸画像42と、中ほどから下段にかけて2列に並べられた10個の丸画像42とは、それぞれ、対応するchストリップ34に備わるchストリップノブ35で操作できるパラメータを表すパラメータアイコン42(パラメータ要素)であり、タッチ操作に応じて当該パラメータアイコン42のパラメータを、対応するchストリップノブ35に割り当てるスイッチとして機能する。パラメータアイコン42が示すパラメータは、例えば、HAゲイン、センドレベル、パンなどである。
また、ch情報表示領域41の上段に縦3個並んだ四角画像43は、それぞれに該当する機能の概要を表示するウィンドウアイコン43であり、タッチ操作に応じて該当する機能に関するポップアップウィンドウをタッチ式ディスプレイ30に表示するスイッチとして機能する。ウィンドウアイコン43が表示する機能は、例えば、イコライザ、コンプレッサ、フィルタ等である。ch情報表示領域41には、上記のアイコン42,43の他に、機能のオンオフを切り替えるオンオフスイッチアイコン44(ch情報表示領域41の下段の小さい四角画像)や、当該ch情報表示領域41に表示中のchのch番号やch名を表示する領域45(ch情報表示領域41の最下段)が設けられている。
セレクテッドch画面50の表示が指示されたとき、CPU10は、ユーザが操作対象として選択している(selスイッチ36により選択されている)1つのchに関するセレクテッドch画面50をタッチ式ディスプレイ30に表示する。図5はセレクテッドch画面50の構成例である。セレクテッドch画面50は、ユーザが操作対象として選択した1つのchの情報を表示し、且つ、これら情報をユーザに調整させる画面である。
セレクテッドch画面50には、セレクテッドch部32の27個のセレクテッドchノブ38に対応するセレクテッドchパラメータアイコン51(丸画像)が、セレクテッドch部32におけるセレクテッドchノブ38の配置と同じ配置で並べられている。セレクテッドchパラメータアイコン51は、それぞれ、対応するセレクテッドchノブ38で操作できるパラメータを表すパラメータアイコン51(パラメータ要素)であって、タッチ操作に応じて当該パラメータアイコン51のパラメータを対応するセレクテッドchノブ38に割り当てるスイッチとして機能する。
画面上段右端に縦3つ並んだ大四角画像52は、それぞれに該当する機能の概要を表示するウィンドウアイコン52であり、タッチ操作に応じて該当する機能に関するポップアップウィンドウを表示するスイッチとして機能する。セレクテッドch画面50には、上記の他にも、それぞれ対応する機能のオンオフを切り替えるスイッチとして機能するオンオフスイッチアイコン53(画面下段右端に縦6個並んだ小四角画像)やch番号やch名等の各種情報を表示するいくつかの表示部54が設けられている。
ユーザは、上述したメイン画面40やセレクテッドch画面50上の所望の箇所(パラメータアイコン等)をタッチ操作して、当該タッチ操作した箇所に該当する指示を入力できる。図6は、タッチ式ディスプレイ30へのタッチ操作を検出したときに、CPU10が当該タッチ操作を処理対象として起動して、実行する処理のフローチャートである。
ステップS1において、CPU10は、今回タッチ操作された箇所を特定し、特定された箇所に該当する処理を実行する。例えば、パラメータアイコン42,51がタッチ操作された場合、CPU10は、当該パラメータアイコンを選択して、当該パラメータアイコンが表すパラメータを操作パネルのノブに割り当てる。また、ウィンドウアイコン43,52がタッチされた場合は、当該ウィンドウアイコンを選択して、そのアイコンに相当するポップアップ画面を開く。
当該ステップS1によるパラメータ割り当て処理を具体的に説明する。例えば、メイン画面40のパラメータアイコン42がタッチ操作されたとき、当該パラメータアイコン42が属するch情報表示領域41に対応するchストリップ34に備わるchストリップノブ35とユーザノブ39とに、当該パラメータアイコン42が表すパラメータを割り当てる。また、セレクテッドch画面50のパラメータアイコン51がタッチ操作されたときは、当該パラメータアイコン51に対応するセレクテッドchノブ38とユーザノブ39とに、当該パラメータアイコン51が表すパラメータを割り当てる。なお、この実施例では、上記の通りパラメータアイコン42,51の操作に応じて、ユーザノブ39にもパラメータを割り当てるよう構成されている。その際にm4つのユーザノブ39のうちいずれにパラメータを割り当てるかは、適宜のルールに従い自動的に決定されてもよいし、或いは、ユーザが指定できてもよい。
上記の処理により、ユーザは、タッチ式ディスプレイ30の画面上で選択したパラメータアイコンが表すパラメータの値を、chストリップノブ35、セレクテッドchノブ38又はユーザノブ39を使って、調整できるようになる。
図7は、操作パネル上でノブが操作されたときに、CPU10が実行する処理のフローチャートである。chストリップノブ35、セレクテッドchノブ38又はユーザノブ39のいずれかが操作されたとき、CPU10は、今回操作されたノブ35、38又は39の操作量を検出するとともに、且つ、そのノブを処理対象として図7の処理を起動する。なお、CPU10が検出する操作量は、ノブの操作位置(ノブの可動範囲における絶対的な位置)を示すデータでもよいし、或いは、ノブの操作状態の相対的な変化量を示すデータでもよい。また、そのデータは、ノブの回転操作状態の変化に追従して連続変化する操作量を表すものであれば、例えば回転位置(角度)、速度、加速度等、どのような物理量であってもよい。
ステップS2において、CPU10は、今回操作されたノブ(処理対象のノブ)の操作対象として割り当てられているパラメータを確認し、当該確認したパラメータに該当するパラメータアイコンが、タッチ式ディスプレイ30において現在タッチ操作中か否かを確認する。具体的には、タッチ操作中のアイコンの有無を確認し、タッチ操作中のアイコンがある場合には、今回操作された処理対象のノブに割り当てられているパラメータを確認するとともに、該処理対象のノブに割り当てられているパラメータと、タッチ操作中のアイコンに該当するパラメータとが一致するか否かを確認する。なお、タッチ操作中とは、手指等によるディスプレイ30へのタッチ操作が継続している状態、すなわち画面上の当該アイコン等の箇所から手指等を離さずにいることをいう。
処理対象のノブに割り当てられているパラメータと、タッチ操作中のアイコンに該当するパラメータとが一致する場合、つまり、今回操作されたノブの操作対象のパラメータに該当するパラメータアイコンをタッチ操作中の場合、CPU10はステップS3をYESに分岐する。ステップS4において、CPU10は、第1分解能に従って、今回検出されたノブの操作量に基づくパラメータの値の調整量を決定し、決定した調整量に応じて、カレントメモリに記憶されている当該操作対象のパラメータの値を調整する。
一方、タッチ式ディスプレイ30においてタッチ操作中のアイコンが無い場合、若しくは、タッチ操作中のアイコンに該当するパラメータと、処理対象のノブに割り当てられているパラメータとが不一致の場合、要するに、今回操作されたノブの操作対象のパラメータに該当するパラメータアイコンがタッチされていない場合、CPU10はステップS3をNOに分岐する。ステップS5において、CPU10は、第2分解能に従って今回検出したノブの物理的な操作量に基づくパラメータの値の調整量を決定し、決定した調整量に応じて、カレントメモリに記憶されている当該操作対象のパラメータの値を調整する。なお、前記ステップS2において、確認する「今回操作されたノブ(処理対象のノブ)の操作対象として割り当てられているパラメータ」、及び、前記ステップS4及びS5にて調整する「ノブの操作対象のパラメータ(処理対象のノブに割り当てられているパラメータ)」は、詳細には、操作対象のchと、操作対象のパラメータの種類との組み合わせにより特定されるパラメータである。
この実施例において、第1分解能は、第2分解能に比べて、検出されたノブの操作量に対してパラメータの値の調整量を細かく変更(設定)する微調整用の分解能であり、他方、第2分解能は、第1分解能に比べて、ノブの操作量に対してパラメータの値の調整量を粗く変更(設定)する粗調整用の分解能である。より具体的な一例として、微調整用の第1分解能は「通常調整」の分解能に比べて細かい分解能であり、粗調整用の第2分解能は「通常調整」用の分解能である。この構成によれば、ユーザは、タッチ式ディスプレイ30の画面上でノブ35、38又は39の操作対象のパラメータに該当するパラメータアイコン42又は51をタッチ操作しつつ、そのノブを操作するだけで、当該パラメータの値を通常よりも細かい第1分解能で微調整できる。他方、ユーザは、ノブ35、38又は39の操作対象のパラメータに該当するパラメータアイコン42又は51をタッチ操作せずに、そのノブを操作すれば(つまり、通常通り、パラメータアイコンのタッチ操作を行わずに、ノブの操作だけを行えば)、当該パラメータの値を第2分解能で粗調整(通常調整)できる。
以上説明した実施例の構成によれば、特殊な構成要素(例えばプッシュ式のノブや、分解能切り替え用スイッチなど)を設けなくてよいので、格別のコストをかけることなしに、第1分解能と第2分解能とを使い分けて、パラメータの値を調整できるようになる。且つ、第1分解能と第2分解能との使い分けを、該当するパラメータアイコンをタッチ操作したままノブを操作するか否かというシンプルで、感覚的にわかりやすい方法で行うことができる。
更に、パラメータアイコンのタッチ操作しつつノブを操作することで当該パラメータを微調整できる構成は、そのパラメータの値を微調整するという明りょうな意図と注意力・集中力とをユーザに喚起しやすいという点で、ユーザにとって感覚的にわかりやすく、微調整用の操作方法として好適である。また、この構成によれば、特に、ノブに対するパラメータ割り当てと、そのノブを用いたパラメータの値の調整操作という一連の操作の流れにおいて、極めて自然に微調整用の第1分解能を指定する動作を行うことができるという点で、ユーザにとって感覚的にわかりやすく、優れている。例えば、先ずノブにパラメータを割り当てるためにパラメータアイコンをタッチし、次にそのタッチを維持したまま、そのノブを操作するという一連の操作の流れにより、当該パラメータの値を微調整できるようになる。
なお、上記の実施例では、処理対象のノブの操作対象として割り当てられているパラメータに該当するパラメータアイコンがタッチ操作中の場合、微調整用の第1分解能を使い、他方、該パラメータアイコンがタッチ操作中でない場合、粗調整用(通常調整用)の第2分解能を使う構成としたが、それとは反対に、該パラメータアイコンがタッチ操作中の場合、粗調整用(通常調整用)の第2分解能を使い、他方、該パラメータアイコンがタッチ操作中でない場合、微調整用の第1分解能を使う構成でもよい。
また、上記の実施例では、回転操作されるノブ35,38,39を用いたパラメータの値の調整に、本願発明のパラメータ調整装置を適用する構成を説明したが、本願発明は、回転式ノブ操作に限らず、フェーダ、スイッチ、ホイール、リボン・コントローラー、タッチパッドなど、どのような形態の操作子に適用してもよい。本願発明に好適な操作子は、ノブやフェーダ等のような連続可変タイプの操作子であって、操作子の操作状態の連続変化に追従してパラメータの値を連続的に変化させるものである。
1 デジタルオーディオミキサ、10 CPU、11 フラッシュメモリ、12 RAM、13 波形I/O、14 信号処理部、15 表示器、16 操作子、17 その他I/O、20 アナログ入力部、21 デジタル入力部、22 入力パッチ部、23 入力チャンネル部、24 バス部、25 出力チャンネル、26 出力パッチ部、27 アナログ出力部、28 デジタル出力部、30 タッチ式ディスプレイ、31 チャンネルストリップ部、32 セレクテッドチャンネル部、33 ユーザノブ部、34 チャンネルストリップ、35 チャンネルストリップノブ、36 selボタン、37 フェーダ、38 セレクテッドチャンネルノブ、39 ユーザノブ、40 メイン画面、41 ch情報表示領域、42 パラメータアイコン、43 ウィンドウアイコン、44 オンオフスイッチアイコン、50 セレクテッドチャンネル画面、51 パラメータアイコン、52 ウィンドウアイコン、53 オンオフスイッチアイコン
Claims (2)
- パラメータを表すパラメータ要素を画面に表示すると共に、該画面上で前記パラメータ要素に接触するタッチ操作による入力が可能なタッチ式ディスプレイと、
前記パラメータ要素に該当するパラメータを操作対象とする操作子と、
前記操作子が操作されたときに、その操作子の操作対象のパラメータに該当するパラメータ要素がタッチ操作中か否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によりタッチ操作中と判断した場合は、第1分解能に従って、前記操作子の操作量に基づくパラメータの値の調整量を決定し、決定した調整量に応じて、該操作子の操作対象のパラメータの値を調整し、他方、該判断手段によりタッチ操作中でないと判断した場合は、第2分解能に従って、前記操作子の操作量に基づくパラメータの値の調整量を決定し、決定した調整量に応じて、該操作子の操作対象のパラメータの値を調整する調整手段
を備えるパラメータ調整装置。 - パラメータを表すパラメータ要素を画面に表示すると共に、該画面上で前記パラメータ要素に接触するタッチ操作による入力が可能なタッチ式ディスプレイと、前記パラメータ要素に該当するパラメータを操作対象とする操作子とを具備するパラメータ調整装置を制御するコンピュータに、
前記操作子が操作されたときに、その操作子の操作対象のパラメータに該当するパラメータ要素がタッチ操作中か否かを判断する判断ステップと、
前記判断手段によりタッチ操作中と判断した場合は、第1分解能に従って、前記操作子の操作量に基づくパラメータの値の調整量を決定し、決定した調整量に応じて、該操作子の操作対象のパラメータの値を調整し、他方、該判断手段によりタッチ操作中でないと判断した場合は、第2分解能に従って、前記操作子の操作量に基づくパラメータの値の調整量を決定し、決定した調整量に応じて、該操作子の操作対象のパラメータの値を調整する調整ステップ
を実行させるためのプログラム。
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