JP2013161558A - キセノンフラッシュランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】陰極電極周囲の発光管における黒化又は白濁を抑制し、要求された点灯条件の下で20万回以上繰り返しフラッシュ点灯させる。
【解決手段】キセノンフラッシュランプ10は、円柱状タングステン基体24とタングステン基体24の先端側に同軸状に密着して配置された円柱状焼結チップ32とを有する陰極電極22が、石英ガラスからなる発光管11の端部に設けられる。焼結チップ32は、高融点金属焼結体の空隙に易電子放射性物質を含浸させ焼き締めて形成され、その直径は基体24の直径dよりも大きいことを特徴とする。基体24の直径dに対する焼結チップ32の直径Dの比(D/d)が1.1〜2.0であり、基体24に対する焼結チップ32の、電極軸方向の長さの比(L/n)が1.0〜2.5であることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主としてソーラーシミュレータに用いられ、陰極電極に焼結チップが設けられたキセノンフラッシュランプに関するものである。
従来、太陽電池モジュールの製造ラインにおいて、製造された太陽電池モジュールのIV特性はソーラーシミュレータにより高速計測されており、そのソーラーシミュレータでは、疑似太陽光を発するものとしてキセノンフラッシュランプを用いることが知られている。このキセノンフラッシュランプは、図5に示すように、光透過率の高い石英ガラスによって円筒形に成形されキセノンガスが封入された石英ガラス製発光管6の両端に電極2,7が対向して配置されたものとして知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、そのソーラーシミュレータにあっては、そのキセノンフラッシュランプを光源として、製造された太陽電池モジュールに擬似太陽光が照射され、それによりその太陽電池モジュールのIV特性を高速計測するように構成される。
このため、このようなソーラーシミュレータに用いられるキセノンフラッシュランプにあっては、(1)太陽電池モジュールのIV特性の測定所要時間から要求される有効パルス発光幅として10〜300msecが必要であり、その間の照度は定電流制御によって変動幅が1%以内に保たれていること、(2)IV特性測定時に要求される照度を確保する為に、ランプ電流40〜75A、1回の点灯当たり4000J程度でフラッシュ点灯できること、(3)ランプ寿命として20万回以上の繰り返し点灯に耐えること、等が求められている。
ここで、図5に示すように、このような従来のキセノンフラッシュランプ1の一方の電極を構成する陰極電極2にあっては、石英ガラスからなる発光管の端部に封止されたタングステン芯棒3と、その芯棒3に同軸に設けられた円柱状タングステン基体4と、その基体4の先端側に同軸状に密着して配置された円柱状焼結チップ5とを備えるような構造のものが知られている。そして、ソーラーシミュレータに用いられるキセノンフラッシュランプ1の陰極電極2にあっては、例えば、直径dが5.0mm、長さnが4.0mmの円柱状タングステン基体4が用いられ、そのタングステン基体4の先端側に、直径Dが4.8mm、長さLが6.0mmの円柱状焼結チップ5が密着配置される。ここで、この焼結チップ5は、タングステン等の高融点金属結晶粒子と易電子放射性物質粒子の混合物を加圧成形後、加熱焼結させることにより高融点金属焼結体が形成され、その焼結体の密度が約13.2g/cm3であるようなものが多用されている。
特開2008−270067号公報
しかし、このキセノンフラッシュランプ1を通常用いられるランプ電流値75Aで点灯させると、陰極電極2の焼結チップ5には、ランプ点灯中に電流密度約4.1A/mm2の電流が流れることになり、この条件でランプ1を断続的にフラッシュ点灯させると、その陰極電極2の温度が上昇し、また放電によるスパッタによってその焼結チップ5が損耗し、焼結チップ5に含まれるタングステン及び易電子放射性物質が、周囲の発光管6の内壁に付着してその発光管6を黒化又は白濁させ、ランプ端部における照度維持率が低下する不具合があった。なお、発光管6の中央部はランプ1を断続的にフラッシュ点灯させてもほとんど黒化などは生じずにその照度維持率はほぼ100%であり、陽極電極7では、ランプ点灯時は電子を受ける役割をもつことから、その体積を大きくすることでその電極7の損耗及び周囲の発光管6の内壁における黒化及び白濁をある程度抑制することができる。けれども、陰極電極2では、従来から有効な対策がなく、この陰極電極2周囲の黒化及び白濁がランプ1全体としての照度維持率を決定していた。
本発明の目的は、陰極電極周囲の発光管における黒化又は白濁を抑制し、要求された点灯条件の下で20万回以上繰り返し点灯させることが可能なキセノンフラッシュランプを提供することにある。
本発明は、円柱状タングステン基体と、そのタングステン基体の先端側に同軸状に密着して配置された円柱状焼結チップとを有する陰極電極が、石英ガラスからなる発光管の端部に設けられたキセノンフラッシュランプの改良である。
その特徴ある構成は、焼結チップは、高融点金属からなる多孔質チップの空隙に易電子放射性物質を含浸させ焼き締めて形成され、その直径はタングステン基体の直径よりも大きいところにある。
この場合、基体に対する焼結チップの直径の比が1.1〜2.0であることが好ましく、基体に対する焼結チップの、電極軸方向の長さの比が1.0〜2.5であることが更に好ましい。そして、焼結チップは、直径が5.0〜8.0mmで、高融点金属焼結体の密度が14.2g/cm3以上であり、ランプ電流が40〜75A、陰極電極先端部の最大電流密度が2.7A/mm2以下、1回のフラッシュ点灯あたりの発光時間が10〜300msecであることが好ましい。
本発明のフラッシュランプでは、陰極電極先端に使用する焼結チップの直径をタングステン基体の直径よりも大きくしたので、その電流密度は下がり、ランプを断続的にフラッシュ点灯させた場合の電極温度の上昇を抑制することができる。従って、この電極温度の上昇に起因する高融点金属焼結体の酸化と蒸発及び易電子放射性物質の蒸発を防止することができ、スパッタによる陰極電極周囲の発光管内面の黒化及び白濁を抑制することができる。
また同時に、高融点金属からなる多孔質チップの空隙に易電子放射性物質を含浸させ焼き締めて形成された焼結チップを用いることにより、焼結チップにおける高融点金属結焼結体の密度を、理論的な限界値15.2g/cm3にできるだけ近づけることができる。これにより焼結チップの損耗を従来より軽減することができる。
よって、本発明のフラッシュランプによれば、放電によるスパッタによって電極が損耗して、陰極周囲の発光管を黒化又は白濁させることが抑制され、点灯間隔10〜15secでのフラッシュ放電動作が20万回以上の繰り返し発光が可能となる。
本発明実施形態のフラッシュランプの一部断面図である。 そのフラッシュランプの陰極電極を示す図である。 本発明実施例に用いたフラッシュランプの点灯状態を示す図である。 その実施例におけるフラッシュランプの点灯回数と照度維持率との関係を示す図である。 従来のフラッシュランプを示す図1に対応する断面図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明のキセノンフラッシュランプ10を示す。このフラッシュランプ10は、内部にキセノンガスが封入された石英ガラスから成る管型発光管11と、その発光管11の両端に対向して配置された一対の電極12,22を備える。発光管11は、紫外線透過率の高い石英ガラスによって内径が12.5mmの円筒状に成形されたものを例示する。そして、その両端に配置される一対の電極12,22は、陽極電極12と陰極電極22から成る。陽極電極12及び陰極電極22は、石英ガラスからなる発光管11の端部に封止されたタングステン芯棒13,23をそれぞれ備える。
先ず、陰極電極22について説明すると、図2に示すように、タングステン芯棒23の先端にはタングステン基体24が接続される。そのタングステン芯棒23には、円柱状石英ビーズ26が設置され、そのタングステン芯棒23の基端には円柱状石英ビーズ26を挟むようにタンタル製ワイヤ27及び金属箔28の一端が溶接される。ここでタンタル製ワイヤ27は、円柱状石英ビーズ26の位置を固定する為に用いられる。そして、金属箔28の他端にはモリブデン製リード棒29の一端が溶接される。
図1に戻って、陽極電極12及び陰極電極22における金属箔18,28は、発光管11を形成する石英ガラスの熱膨張率に近い金属材料であれば何でもよいが、この条件に適った金属としてモリブデンが使用される。この金属箔18,28と、タングステン芯棒13,23の基端及びモリブデン製リード棒19,29の一端との溶接の際には、白金箔を間に挟んで溶接する。この陽極電極12及び陰極電極22における金属箔18,28を、芯棒13,23の基端における溶接部からリード棒19,29の一端までの各領域とともに、発光管11の両端部においてそれぞれ囲繞してその端部を加熱し、発光管11の両端をそれらに融着させることにより、これら陽極電極12及び陰極電極22は発光管11の両端に対向して封止される。このとき、タングステン芯棒23に設置された円柱状石英ビーズ26(図2)は、発光管11に融着してその発光管11と一体となり、陽極電極12及び陰極電極22を発光管11に封止するものとなる。
管型発光管11の内部には、圧力4〜6kPaのキセノンガスが封入される。管型発光管11の両端部より外側に導出されたリード棒19,29の他端には耐紫外線被覆を有する耐圧シリコン電線20,30が接続され、その接続部には、例えばセラミック製の口金21,31により覆われる。このため、このセラミック製の口金21,31の内部で電気的に接続された耐紫外線被覆を有する電線20,30を介して、陽極電極12及び陰極電極22は点灯回路(図3)に接続可能に構成される。こうしてキセノンフラッシュランプ10は作製される。
次に陽極電極12について説明する。発光管11の端部に封止された陽極電極12におけるタングステン芯棒13には、コイル状に巻回されたタングステンから成る電極本体14が、その芯棒13に同軸に設けられる。このコイル状の電極本体14はランプ点灯時に電子を受ける役割をもつことから、この電極の損耗及び周囲の発光管11の内壁における黒化及び白濁を抑制するために、その体積を比較的大きく形成される。なお、この電極本体14は、タングステンから成る円柱体であっても良い。
一方、このキセノンフラッシュランプ10における陰極電極22にあっては、石英ガラスからなる発光管11の端部に封止されたタングステン芯棒23と円柱状タングステン基体24は一体的に形成される。また、このタングステン基体24の先端側には円柱状焼結チップ32が同軸状に密着して配置される。そして、本発明の特徴ある構成は、高融点金属からなる多孔質チップの空隙に易電子放射性物質を含浸させ焼き締めて形成された焼結チップ32を用い、その焼結チップ32の直径Dを陰極電極22におけるタングステン基体24の直径dよりも大きくするところにある。
高融点金属結晶粒子の空隙に、後から易電子放射性物質を含浸させて形成された焼結チップ32を用いるのは、その高融点金属焼結体の密度を増加させるためである。即ち、高融点金属結晶粒子と易電子放射性物質粒子の混合物を加圧成形し加熱焼結することにより形成された従来の焼結チップ5(図5)にあっては、加圧成形時点において高融点金属結晶粒子の間に予め易電子放射性物質粒子が入り込んでいるために、その高融点金属結晶粒子の密度を増加させることは困難である。けれども、易電子放射性物質粒子が間に入り込んでいない高融点金属結晶粒子を予め加圧成形し加熱焼結した後に、その高融点金属からなる多孔質チップの空隙に易電子放射性物質を含浸させて焼き締めると、予め密度が高められた高融点金属から成る多孔質チップの間に易電子放射性物質粒子が後から入ることになり、その高融点金属焼結体の密度を増加させることが可能になる。
このように、高融点金属焼結体の空隙に易電子放射性物質を含浸させることにより、高融点金属焼結体の密度を高めた焼結チップ32を得ることができるので、この焼結チップ32では、その高融点金属焼結体の密度を、理論的な限界値15.2g/cm3にできるだけ近づけることが可能となる。従って、このような含浸型焼結チップ32では、高融点金属焼結体の密度が約13.2g/cm3である従来の焼結チップ5(図5)に比較して、例えば高融点金属焼結体の密度が14.2g/cm3以上のものを得ることができる。そして、このようにして得られた焼結チップ32は、タングステン基体24の先端に、ニッケル箔をロウ材として用いてロウ付けされる。
また、焼結チップ32の直径Dをタングステン基体24の直径dよりも大きくするのは、この陰極電極22先端における電流密度を下げるためであり、基体24の直径dに対する焼結チップ32の直径Dの比(D/d)は1.1〜2.0の範囲であることが好ましく、基体24に対する焼結チップ32の、電極軸方向の長さの比(L/n)は1.0〜2.5であることが好ましい。基体24の直径dに対する焼結チップ32の直径Dの比(D/d)が1.1未満であるか、又は基体24に対する焼結チップ32の電極軸方向の長さの比(L/n)が1.0未満であると、この陰極電極22先端における電流密度を下げることが困難になり、基体24の直径dに対する焼結チップ32の直径Dの比(D/d)が2.0を越えるか、又は基体24に対する焼結チップ32の電極軸方向の長さの比(L/n)が2.5を越えると、このフラッシュランプ10における外形を大きくする不具合がある。そして、基体24の直径dに対する焼結チップ32の直径Dの比(D/d)は1.1〜1.6の範囲であることが好ましく、1.1〜1.3の範囲であることが更に好ましい。また、基体24に対する焼結チップ32の、電極軸方向の長さの比(L/n)は1.0〜2.0の範囲であることが好ましく、1.0〜1.5の範囲であることが更に好ましい。
ここで、内径が12.5mmの円筒形に成形された発光管11を用いるこの実施の形態では、直径dが5mmであって長さnが4mmのタングステン基体24が用いられ、直径Dが6mmであって長さLが5mmの円柱状で酸化バリウムなどの金属酸化物を易電子放射性物質として10%含有した焼結チップ32が、このタングステン基体24の先端に同軸状に配置されるものを例示する。即ち、この実施の形態におけるキセノンフラッシュランプ10では、陰極電極22の先端部として直径Dが6.0mmの円柱状焼結チップ32を用い、焼結チップ32の直径Dに対する基体24の直径dにおける寸法比率を6:5とし、その長さにおける寸法比率を1:1.25とする場合を例示する。
このように構成されたフラッシュランプ10では、陰極電極22の先端に使用する焼結チップ32の直径Dをタングステン基体24の直径dよりも大きくしたので、その電流密度を下げてランプ10を断続的にフラッシュ点灯した場合の陰極電極22における温度上昇を抑制することができる。これにより、その焼結チップ32を構成する高融点金属焼結体の酸化と蒸発、及び易電子放射性物質の蒸発を防止することができ、その酸化及び蒸発に起因する陰極電極22周囲の発光管11内面の黒化及び白濁を抑制することができる。
また同時に、高融点金属から成る多孔質チップの空隙に易電子放射性物質を含浸させ焼き締めて形成された焼結チップ32を用いるので、焼結チップ32における高融点金属焼結体の密度を高めて理論的な限界値15.2g/cm3にできるだけ近づけることができる。そして、焼結チップ32における高融点金属焼結体の密度を高めて、例えば、その密度を14.2g/cm3以上とすることにより、陰極電極22における焼結チップ32の損耗を従来よりも軽減することができる。
一方、陽極電極12にあっては、ランプ点灯時に電子を受ける電極本体14の体積を比較的大きくしたので、この陽極電極12の損耗及び周囲の発光管内壁の黒化を抑制することができる。
よって、本発明のフラッシュランプ10によれば、放電によるスパッタによって電極12,22が損耗して、電極周囲の発光管11を黒化又は白濁させることは抑制され、これにより点灯間隔10〜15secでのフラッシュ放電動作が20万回以上の繰り返し発光が可能となる。
次に、本発明の実施例を比較例とともに説明する。
<実施例1>
図1に示すようなキセノンフラッシュランプ10を製造した。即ち、内径が12.5mmの円筒形に成形され、内部にキセノンガスが封入された石英ガラスから成る管型発光管11と、その発光管11の両端に対向して配置された陽極電極12と陰極電極22から成るキセノンフラッシュランプ10を製造した。陽極電極12における電極本体14は、発光管11の端部に封止されたタングステン芯棒13にコイル状に巻回されたタングステンから成るものを用いた。陰極電極22にあっては、円柱状タングステン基体24の先端側に同軸状に密着して配置された円柱状焼結チップ32を有するものを用いた。この陽極電極12及び陰極電極22における金属箔18,28を、芯棒13,23の基端における溶接部からリード棒19,29の一端までの各領域とともに、石英ガラス製の発光管11の両端部において囲繞し、その両端部を加熱して封止した。そして、管型発光管11の内部には、圧力4〜6kPaのキセノンガスを封入した。
陰極電極22におけるタングステン基体24は直径dが5mmであって長さnが4mmの円柱状とし、そのタングステン基体24の先端に、直径Dが6mmであって長さLが5mmの円柱状で酸化バリウムなどの金属酸化物を易電子放射性物質として10%含有した焼結チップ32を同軸状に密着して配置した。この焼結チップ32は、高融点金属から成る多孔質チップの空隙に易電子放射性物質を含浸させ焼き締めて形成し、高融点金属焼結体の密度が13.2g/cm3であるものを用いた。即ち、タングステン基体24の直径dに対する焼結チップ32の直径Dの寸法比率(D/d)を1.2とし、その長さにおける寸法比率(L/n)を1.25とする図1に示すキセノンフラッシュランプ10を得た。このキセノンフラッシュランプ10を実施例1とした。
<実施例2>
高融点金属から成る多孔質チップの空隙に易電子放射性物質を含浸させ焼き締めて形成し、高融点金属焼結体の密度が14.2g/cm3である焼結チップ32を用いたことを除いて、実施例1と同一の材料及び同一の手順により、図1に示すフラッシュランプ10を得た。このフラッシュランプ10を実施例2とした。
<比較例1>
図5に示すような従来からあるキセノンフラッシュランプ1を製造した。即ち、高融点金属結晶粒子と易電子放射性物質粒子の混合物を加熱焼結することにより形成され、高融点金属焼結体の密度が13.2g/cm3であって易電子放射性物質を10%含有する焼結チップ5を用い、その焼結チップ5の直径Dを4.8mmとし、長さLを6mmの円柱状とした。このような焼結チップ5をタングステン基体4の先端に配置したことを除いて、実施例1と同一の材料及び同一の手順により、フラッシュランプ1を得た。即ち、直径Dはタングステン基体4の直径dよりも小さな焼結チップ5を用いて、そのタングステン基体4の直径dに対する焼結チップ5の直径Dの寸法比率(D/d)を0.96とし、その長さにおける寸法比率(L/n)を1.5する図5に示すキセノンフラッシュランプ1を得た。このキセノンフラッシュランプ1を比較例1とした。
<比較試験及び結果>
図3に示すように、点灯回路40を用いて実施例1及び実施例2におけるフラッシュランプ10,10並びに比較例1におけるフラッシュランプ1(図5)を、ランプ電流値75A、1回の点灯における発光時間を0.13secとして断続的にフラッシュ点灯させた。この点灯を20万回繰り返し、点灯回数が5万回目、10万回目及び20万回目における陰極電極22周囲における照度を測定した。照度の測定は分光器41を用いて行い、分光器41における測定用のスリット41aを陰極電極22における焼結チップ32の先端に対向させ、そのスリット41aから分光器41内部に入り込む波長が300nm〜1100nmの光を積算してその照度を得た。
その結果、実施例1では、初回の点灯時における照度を100としたときに、5万回目の点灯時における照度はその90%であり、10万回目の点灯時における照度はその86.4%であり、20万回目の点灯時における照度はその85%であった。また、実施例2では、初回の点灯時における照度を100としたときに、5万回目の点灯時における照度はその93%であり、10万回目の点灯時における照度はその91%であり、20万回目の点灯時における照度はその90%であった。更に、比較例1では、初回の点灯時における照度を100としたときに、5万回目の点灯時における照度はその85%であり、10万回目の点灯時における照度はその81であり、20万回目の点灯時における照度はその78%であった。これらの結果を図4に示す。
また、この照度の測定と共に、点灯回数が20万回目において、実施例1及び実施例2におけるフラッシュランプ10,10並びに比較例1におけるフラッシュランプ1(図5)の陰極電極22,2の周囲を10〜20倍の拡大鏡を用いて目視により観察した。この観察は、陰極電極22,2の周囲の発光管11における黒化又は白濁の有無及びその範囲の確認、及び焼結チップ32,5の損耗の有無の確認を目的として行った。
その結果、図5に示す比較例1のフラッシュランプ1では、陰極電極2側の発光管6において黒化、又は白濁の事実が確認され、その範囲は発光管6の内面において陰極電極2側の発光管6の端部から80mmの範囲まで黒化、又は白濁していた。また、焼結チップ5に比較的多くの損耗が確認された。
一方、図1に示す実施例1及び実施例2のフラッシュランプ10にあっても、陰極電極22側発光管11において黒化、又は白濁の事実が確認された。けれども、その程度は比較例1に比較して軽度のものであった。即ち、黒化、又は白濁の範囲は発光管11の内面において陰極電極22側の発光管11の端部から20mmの範囲に留まっていた。また、焼結チップ32にあっては、僅かな損耗が確認されたけれども、その程度は比較例1に比較して軽度のものであった。特に、高融点金属焼結体の密度が14.2g/cm3の焼結チップ32を用いた実施例2では、焼結チップ32の損耗は極めて僅かであった。
<評価>
図5に示す比較例1のフラッシュランプ1では、陰極電極2側の発光管6における黒化、又は白濁の範囲が、発光管6の端部から80mmの範囲まで及び、焼結チップ5に比較的多くの損耗が確認された。これは、この比較例1では、陰極電極2における焼結チップ5の電流密度が計算上4.1A/mm2となることから、その陰極電極2周囲の発光管6において陰極電極2の温度が上昇し、放電によるスパッタによって電極2が損耗し、周囲の発光管6を黒化又は白濁させたものと考えられる。
一方、図1に示す実施例1及び実施例2のフラッシュランプ10における黒化、又は白濁の程度は発光管11の端部から20mmの範囲に留まり、焼結チップ32の損耗の程度は比較例1に比較して軽度のものであった。これは、この実施例1及び実施例2では、陰極電極22における焼結チップ32の電流密度が計算上2.7A/mm2まで低下することから、その陰極電極22周囲の発光管11において陰極電極22温度が上昇することは抑制され、放電によるスパッタによって焼結チップ32が損耗するような事態を低減させたことによるものと考えられる。
また、図4から明らかなように、焼結チップ32の直径Dをタングステン基体24の直径dよりも大きくした実施例1及び実施例2では、焼結チップ5の直径Dがタングステン基体4の直径dよりも小さい比較例1に比較して、その照度維持率が上昇していることが判る。これは、ランプ電流75Aで点灯する場合、その焼結チップにおける電流密度が、比較例1では4.1A/mm2であるけれども、実施例1及び実施例2では2.7A/mm2まで低下させることができ、上述したように点灯中に電極22に加わる熱負荷を低減することによって、電極22の損耗を軽減し得たことに起因するものと考えられる。これは、発光管11内面が、従来のものである比較例1において陰極電極2側の発光管6の端部から80mmの範囲まで黒化、又は白濁していたけれども、実施例1及び実施例2では、これを20mmの範囲まで抑制することが出来たことに関連しているものと考えられる。
そして、20万回点灯後の照度維持率についてみると、直径Dが6.0mmの焼結チップ32を用いる実施例1では、陰極電極22側の照度維持率が従来品と同一である比較例1に対して約5%改善されている。また、高融点金属焼結体の密度が14.2g/cm3である焼結チップ32を用いた実施例2では、高融点金属焼結体の密度が13.2g/cm3である焼結チップ32を用いた実施例1に対して、更に約5%改善されており、比較例1に対しては約10%改善されていることになる。このため、実施例2のように、高融点金属焼結体の密度が14.2g/cm3以上の焼結チップ32を用いるようにすることにより、陰極電極22周囲の発光管11の黒化又は白濁を更に低減し得ることが判る。これは高融点金属焼結体の密度を増加させることにより、電極の損耗を更に軽減し得たことに起因するものと考えられる。
ここで、本発明のキセノンフラッシュランプを使用するソーラーシミュレータにあっては、ランプ端部から20mmまでは遮光しているものの、照射面内の局部的な照度の変動に対して、非常にシビア(照度場所ムラ2%以内)であることから、10%の照度維持率上昇は、実使用時において大きな効果をもたらすものといえる。してみると、本発明によれば放電によるスパッタによって電極22が損耗して、その周囲の発光管11を黒化又は白濁させることは抑制されるので、20万回以上の繰り返しフラッシュ点灯が可能なキセノンフラッシュランプ10を提供することができるものと考えられる。
10 キセノンフラッシュランプ
11 発光管
22 陰極電極
24 タングステン基体
32 焼結チップ
D 焼結チップの直径
d 基体の直径
L 焼結チップの長さ
n 基体の長さ

Claims (4)

  1. 円柱状タングステン基体(24)と前記タングステン基体(24)の先端側に同軸状に密着して配置された円柱状焼結チップ(32)とを有する陰極電極(22)が、石英ガラスからなる発光管(11)の端部に設けられたキセノンフラッシュランプにおいて、
    前記焼結チップ(32)は、高融点金属焼結体の空隙に易電子放射性物質を含浸させ焼き締めて形成され、その直径は前記基体(24)の直径よりも大きいことを特徴とするキセノンフラッシュランプ。
  2. 基体(24)に対する焼結チップ(32)の直径の比(D/d)が1.1〜2.0であることを特徴とする請求項1記載のキセノンフラッシュランプ。
  3. 基体(24)に対する焼結チップ(32)の、電極軸方向の長さの比(L/n)が1.0〜2.5であることを特徴とする請求項2記載のキセノンフラッシュランプ。
  4. 焼結チップ(32)は、直径が5.0〜8.0mmで、高融点金属焼結体の密度が14.2g/cm3以上であり、ランプ電流が40〜75A、陰極電極22先端部の最大電流密度が2.7A/mm2以下、1回の点灯あたりの発光時間が10〜300msecであることを特徴とする請求項2又は3に記載のキセノンフラッシュランプ。
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