JP2013160812A - 像ぶれ補正装置、およびそれを備えた光学機器、撮像装置および像ぶれ補正装置の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】像ぶれ補正レンズが制御できる範囲を超えて、制御端付近で駆動することにより制御系の特性が変化した場合でも、制御系の安定性を維持し、像ぶれ補正性能の高い振れ補正を可能とする。
【解決手段】
光軸に直交する方向もしくは光軸に平行な方向に予め定められた範囲を移動することで撮影時の像ブレを軽減するための振れ補正部材を有し、振れを検出し、検出した振れに応じて振れ補正部材の目標位置を決定し、振れ補正部材の位置を検出し、振れ補正部材の位置が目標位置に収束するように帰還制御を行い、制御発振に対して制御安定性が高い第1の制御方法と、第1の制御方法に比べて追従特性は高いが制御発振に対して制御安定性が低い第2の制御方法とを変更可能な帰還制御を、振れ補正部材の位置が前記予め定められた範囲内である、または端に近づく恐れがないときに第1から第2の制御方法へと変更する。
【選択図】 図7

Description

本発明は像ぶれ補正装置、およびそれを備えた光学機器、撮像装置および像ぶれ補正装置のその制御方法に関し、特に画像ブレを補正する機能を有する撮像装置に関する。
従来、撮像装置の振れを検出して、振れ量を算出し、像ぶれ補正レンズ若しくは撮像素子といった像ぶれ補正部材を、振れ量をキャンセルする方向に動かして像ぶれ補正を行う像ぶれ補正装置があるが行われる。上記の像ぶれ補正部材の駆動では、像ぶれ補正部材の現在位置が位置信号として検出され、これがフィードバックされて補正位置制御信号に反映させるフィードバック制御が行われる。
一般にフィードバック制御では、以下のPID制御と呼ばれる制御方法が用いられる。D制御(微分制御)は、P制御(比例制御)の過制御によるゲイン余裕GM及び位相余裕PMの低下を改善し、フィードバック制御の安定性を向上させるために用いられる。I制御(積分制御)は、フィードバック制御のオフセット特性を改善するために用いられる。これらP制御、I制御及びD制御を、必要に応じて選択して組み合わせるようにしたフィードバック制御をPID制御と呼ぶ。
手ブレ補正制御がおこなわれる従来の撮像装置として、例えば特許文献1にて開示されているものがある。PID制御では、像ぶれ補正レンズの目標位置と実位置との偏差にオフセットを生じにくくすることができる一方で、積分制御の特性上、低周波数側で制御系の周波数特性において目標位置に対する実位置の追従に遅れ(位相遅れ)が生じやすいという問題があった。一方で、PD制御では、目標位置と実位置に偏差が生じやすいが、低周波数での位相遅れは生じにくいという利点がある。
特開2007−329874号公報
特許文献1に記載される方法は、ある特定の条件下(姿勢の変化がない、撮像装置が大きく動いていない、像ぶれ補正レンズの駆動において摩擦や外力などの影響を受けにくいなど)においては、露光中における位相遅れを改善することができ、効果を発揮する。しかし実際には、像ぶれ補正レンズが制御できる範囲を超えて制御端付近で駆動する事で、摩擦特性、外力が変化し、制御系の特性が変化する場合が多い。このような場合には、従来技術のようにPD制御では、像ぶれ補正レンズが目標位置に追従出来なくなり像ぶれ補正性能が悪化してしまう。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、像ぶれ補正レンズが制御できる範囲を超えて、制御端付近で駆動することにより制御系の特性が変化した場合でも、制御系の安定性を維持し、像ぶれ補正性能の高い像ぶれ補正を可能とすることである。
本発明に係わる撮像装置は、光軸に直交する方向もしくは光軸に平行な方向に予め定められた範囲を移動することで撮影時の像ブレを軽減するための振れ補正部材と、振れを検出する検出手段と、前記振れに応じて前記振れ補正部材の目標位置を決定する決定手段と、前記振れ補正部材の位置を検出する位置検出手段と、前記振れ補正部材の位置が前記振れ補正部材の目標位置に収束するように帰還制御を行い、制御発振に対して制御安定性が高い第1の制御方法と、第1の制御方法に比べて、前記振れ補正部材の追従特性は高いが、制御発振に対して制御安定性が低い第2の制御方法とを変更可能な帰還制御手段と、前記振れ補正部材の位置が前記予め定められた範囲内のとき、または前記予め定められた範囲の端に近づく恐れがないときは、前記第1の制御方法から前記第2の制御方法へと変更を行う変更手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、像ぶれ補正レンズが制御できる範囲を超えて、制御端付近で駆動することにより制御系の特性が変化した場合でも、制御系の安定性を維持し、像ぶれ補正性能の高い像ぶれ補正が可能となる。
本発明の実施形態に係る撮像装置の機能構成例を示すブロック図。 図1における像ぶれ補正レンズ駆動部の構成例を示すブロック図。 本発明の第1の実施形態に係る振れ補正機構の構成例を示す分解斜視図。 本発明の第1の実施形態に係る像ぶれ補正制御部の内部構成を示すブロック図。 本発明の第1の実施形態に係るPID部の構成を示すブロック図。 本発明の第1の実施形態の撮像装置において行われる像ぶれ補正動作の手順を示すフローチャート。 本発明の第1の実施形態における図6のS108で示す所定条件を表すフローチャート。 図7のS205で示す所定条件を表す図。 本発明の第1の実施形態に係る開ループ制御周波数特性を示す図。 本発明の第1の実施形態における制御切り替え時の積分制御量の変化を示す図。 (A)は3群レンズの駆動機構を説明するための分解斜視図であり、(B)は3群レンズの駆動機構を説明するための組立図。 本発明の第2の実施形態のフォーカス駆動部の内部構成を示すブロック図。 本発明の第2の実施形態の撮像装置において行われるフォーカスレンズ駆動の手順を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態における図13のS108で示す所定条件を表すフローチャート。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る像ぶれ補正装置を備えた撮像装置の機能構成例を示すブロック図である。本実施形態において撮像装置としてのデジタルカメラ100はデジタルスチルカメラとするが、静止画撮影機能に加えて動画撮影機能を有していてもよい。
ズームユニット101は、結像光学系を構成する、倍率が可変な撮影レンズの一部であり、撮影レンズの倍率を変更するズームレンズを含んでいる。ズーム駆動部102は、制御部119の制御に従ってズームユニット101の駆動を制御する。光学的な補正部材像ぶれ補正レンズ(補正レンズ)を含む像ぶれ補正レンズユニット(振れ補正部材)103は、撮影レンズの光軸に対して直交する方向及び光軸と平行な方向に移動可能に構成され、像ぶれを軽減する機能を有する。像ぶれ補正レンズ駆動部104は、像ぶれ補正レンズユニット103の駆動を制御する。
絞り・シャッタユニット105は、絞り機能を有するメカニカルシャッタである。絞り・シャッタ駆動部106は、制御部119の制御に従って絞り・シャッタユニット105を駆動する。フォーカスレンズ107は撮影レンズの一部であり、撮影レンズの光軸に沿って位置を変更可能に構成される。フォーカス駆動部108は、制御部119の制御に従ってフォーカスレンズ107を駆動する。
撮像部109は、撮影レンズにより結像される被写体像を、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどの撮像素子を用いて画素単位の電気信号に変換する。撮像信号処理部110は、撮像部109から出力された電気信号を映像信号(撮影画像)に変換する。映像信号処理部111は、撮像信号処理部110から出力された映像信号を、用途に応じて加工する。具体的には、映像信号処理部111は、表示用の映像を生成したり、記録用に符号化処理やデータファイル化を行ったりする。
表示部112は、映像信号処理部111が出力する表示用の映像信号に基づいて、必要に応じて画像表示を行う。電源部115は、デジタルカメラ100の全体に、用途に応じて電源を供給する。外部入出力端子部116は、外部装置との間で通信信号及び映像信号を入出力する。操作部117はデジタルカメラ100にユーザが指示を与えるためのボタンやスイッチなどを有する。記憶部118は、映像情報など様々なデータを記憶する。姿勢情報検出部114は、デジタルカメラ100の姿勢を検出し、映像信号処理部111及び表示部112に姿勢情報を提供する。制御部119は例えばCPU、ROM、RAMを有し、ROMに記憶された制御プログラムをRAMに展開してCPUで実行することによって撮像装置の各部を制御し、以下に説明する様々な動作を含むデジタルカメラ100の動作を実現する。
操作部117には、押し込み量に応じて第1スイッチ(SW1)および第2スイッチ(SW2)が順にオンするように構成されたレリーズボタンが含まれる。レリーズボタンが約半分押し込まれたときにレリーズスイッチSW1がオンし、レリーズボタンが最後まで押し込まれたときにレリーズスイッチSW2がオンする。レリーズスイッチSW1がオンすると、フォーカス駆動部108を制御することにより自動焦点検出や適切な露光量を得るための絞り値及びシャッタスピードを決定するAE処理を行う。レリーズスイッチSW2がオンされると、制御部119は決定した絞り及びシャッタ速度で撮影を行い、撮像部109で得られた画像データを記憶部118に記憶するように各部を制御する。
操作部117には、像ぶれ補正モードを選択可能にする像ぶれ補正モードスイッチが含まれる。像ぶれ補正モードスイッチにより像ぶれ補正モードが選択されると、制御部119が像ぶれ補正レンズ駆動部104に像ぶれ補正動作を指示し、これを受けた像ぶれ補正レンズ駆動部104が像ぶれ補正オフの指示がなされるまで像ぶれ補正動作を行う。また、操作部117には、静止画撮影モードと動画撮影モードとのうちの一方を選択可能な撮影モード選択スイッチが含まれており、それぞれの撮影モードにおいて像ぶれ補正レンズ駆動部104の動作条件を変更することができる。
また、操作部117には再生モードを選択するための再生モード選択スイッチも含まれており、再生モード時には像ぶれ補正動作を停止する。操作部117には、またズーム倍率変更の指示を行う倍率変更スイッチが含まれる。倍率変更スイッチによりズーム倍率変更の指示があると、制御部119を介して指示を受けたズーム駆動部102がズームユニット101を駆動して、指示されたズーム位置にズームユニット101を移動させる。
姿勢情報検出部114からの姿勢情報により映像信号処理部111からの映像信号が縦長(縦位置撮影)か横長(正位置撮影)かが決定され、表示部112における画像表示方向が決定される。
(像ぶれ補正レンズ駆動部104の構成)
図2は、像ぶれ補正レンズ駆動部104の機能構成例を示すブロック図である。
第1振動センサ201は、例えば角速度センサであり、通常姿勢(画像の長さ方向が水平方向とほぼ一致する姿勢、正位置撮影)における、デジタルカメラ100の垂直方向(ピッチ方向)の振動を検出する。第2振動センサ202は例えば角速度センサであり、通常姿勢における撮像装置の水平方向(ヨー方向)の振動を検出する。第1及び第2像ぶれ補正制御部203,204はそれぞれピッチ方向、ヨー方向における像ぶれ補正レンズの補正位置制御信号を出力し、像ぶれ補正レンズの駆動を制御する。
第1PID部205は、第1像ぶれ補正制御部203からのピッチ方向での補正位置制御信号と、第1ホール素子209からの像ぶれ補正レンズのピッチ方向での位置情報とから、PID制御によって例えばアクチュエータである第1ドライブ部207を駆動する。同様に、第2PID部206は、第2像ぶれ補正制御部204からのヨー方向での補正位置制御信号と、第2ホール素子210からの像ぶれ補正レンズのヨー方向での位置情報とから、PID制御によって例えばアクチュエータである第2ドライブ部208を駆動する。
第1及び第2PID部205,206の出力は姿勢情報検出部114にも供給され、デジタルカメラ100の姿勢検出に用いられる。この詳細は後述する。
(像ぶれ補正レンズ駆動部104の動作)
次に、図2に示す像ぶれ補正レンズ駆動部104による像ぶれ補正レンズ103の駆動制御動作について説明する。
第1及び第2像ぶれ補正制御部203,204には、第1及び第2振動センサ201,202から、デジタルカメラ100のピッチ方向、ヨー方向の振れを表す振れ信号(角速度信号)が供給される。第1及び第2像ぶれ補正制御部203,204はこの振れ信号に基づいて、ピッチ方向及びヨー方向に像ぶれ補正レンズ103を駆動する補正位置制御信号をそれぞれ生成し、第1及び第2PID部205,206に出力する。
第1及び第2ホール素子209,210は、像ぶれ補正レンズ103に設けられた磁石による磁場の強さに応じた電圧を有する信号を、像ぶれ補正レンズ103のピッチ方向及びヨー方向における位置情報として出力する。位置情報は第1及び第2PID部205,206及び第1及び第2像ぶれ補正制御部203,204に供給される。第1及び第2PID部205,206は、第1及び第2ホール素子209,210からの信号値が、第1及び第2像ぶれ補正制御部203,204からの補正位置制御信号値に収束するよう、第1及び第2ドライブ部207,208を駆動しながらフィードバック制御する。
なお、第1及び第2ホール素子209,210から出力される位置信号値にはばらつきがあるため、所定の補正位置制御信号に対して像ぶれ補正レンズ103が所定の位置に移動するように、第1及び第2ホール素子209,210の出力調整を行う。このとき、第1及び第2PID部205,206では、P制御(比例補償係数を用いた比例制御)とI制御(積分補償係数を用いた積分制御)とD制御(微分補償係数を用いた微分制御)とを用いたPID制御を行う。
また、第1PID部205で用いられる積分補償値により姿勢情報検出部114が姿勢検出する。またI制御を行わないPD制御では像ぶれ補正レンズ103の目標位置と第1及び第2ホール素子209,210によって検出された検出位置との差分量(偏差量)により姿勢検出部が姿勢検出する。
第1及び第2像ぶれ補正制御部203,204は、第1及び第2振動センサ201,202からの振れ情報に基づき、画像振れを打ち消すように像ぶれ補正レンズ103の位置を移動させる補正位置制御信号をそれぞれ出力する。例えば、第1及び第2像ぶれ補正制御部203,204は、振れ情報(角速度信号)にフィルタ処理等を行うことにより補正位置制御信号を生成することができる。以上の動作により、撮影時に手ブレ等の振動がデジタルカメラ100に存在しても、ある程度の振動までは画像ブレを防止できる(像ぶれ補正機能)。また、第1及び第2像ぶれ補正制御部203,204は、第1及び第2振動センサ201,202からの振れ情報と、第1及び第2ホール素子209,210の出力に基づいて、デジタルカメラ100のパンニング状態を検出し、パンニング制御を行う。
(振れ補正機構)
図3は、防振レンズ103、防振レンズ駆動部104、絞り・シャッタユニット105、絞り・シャッタ駆動部106に相当する振れ補正機構の具体的構成例を示す分解斜視図である。
ベース301は振れ補正機構の基台であり、絞り・シャッタユニット105及びNDフィルタ機構もベース301に固定される。ベース301には一体的に図示の2つのフォロワピン302及び不図示の可動フォロワピンが設けられ、ベース301の径方向外側にある不図示のカム筒の3本のカム溝にこれら3つのフォロワピンが嵌合し、カム溝に沿って光軸方向に進退するように構成される。
防振レンズ103はホルダ316に不図示のカシメ爪によって保持されている。レンズカバー303は防振レンズ103を通過する光束を制限する開口部を備え、側面に伸びた3カ所の腕部304それぞれに開口305が設けられており、ホルダ316の側面3カ所に設けられた突起315と嵌合することによりホルダに一体的に保持される。ホルダには前述した磁石312,313が一体的に保持されている。
ホルダ316は3つのボール307を介してベース301に圧接されており、ボール307が転がることにより光軸に垂直な面内の任意方向に移動可能である。ボール307でホルダ316を保持する構成は、ガイドバーでホルダをガイドする構成より微小な振幅で、かつ高周期の振動を実現できるため、高画素数の撮像素子を有する撮像装置においても良好な補正を行うことが可能になる。
スラストスプリング314は一端がホルダ316の突起315に係合し、他端がベース301の不図示の突起に係合して伸ばされた状態で保持され、ホルダ316をベース301に向かって付勢している。ラジアルスプリング317,318はホルダ316の回転を防ぐ。
樹脂製のボビン310,311の先端には金属製のピンが一体的に構成されており、コイル308,309の端部が絡げられている。フレキシブル基板(FPC)324は、そのランド325がボビン310,311のピンと半田付けなどにより電気的に接続され、コイル308,309に電力を供給する回路を形成している。
また第1及び第2ホール素子209,210は磁石312,313の近傍に配置され、磁石312,313による磁界を検出する。第1及び第2ホール素子209,210はFPC324に実装され、FPC324を通じて電力が供給されている。
FPC327は絞り・シャッタユニット105及びNDフィルタ駆動部に電力を供給する回路を形成する。FPC324,327は、突起321によってホルダ320に固定される。
(像ぶれ補正制御部の構成)
図4は、第1像ぶれ補正制御部203の内部構成を示すブロック図である。なお、第2像ぶれ補正制御部204も203と同一の内部構成を有しているため第2像ぶれ補正制御部204の説明は省略する。
図4において、401はAD変換器であり、第1振動センサ201からの振れ情報信号(角速度信号)をデジタル信号に変換する。402はハイパスフィルタ(HPF)であり、DC成分をカットするカットオフ周波数変更可能なフィルタである。403はローパスフィルタ(LPF)であり、角速度信号を角度信号に変換するためのフィルタである。404はパンニング/チルティング判定部であり、第1振動センサ201による角速度信号及びローパスフィルタ403から出力される像ぶれ補正レンズの角度目標値の情報によりパンニングあるいはチルティング動作中を検出する。
第1像ぶれ補正制御部203に入力された振れ情報信号(角速度信号)は、これら一連のフィルタ処理を施されて、補正位置制御信号として第1PID部205へ入力される。
図5は、第1PID部205の内部構成を示すブロック図である。なお、第2PID部206も第1PID部205と同一の内部構成を有しているため第2PID部206の説明は省略する。
図5において、第1PID部205、第2PID部206は、積分補償係数が可変の積分補償部501(Ki)、比例補償部502(Kp)、微分補償部503(Kd)を有する。像ぶれ補正レンズ駆動限界検出部504、はPID制御演算値(指令信号)が所定時間、所定値より大きい状態がつづくことにより像ぶれ補正レンズが駆動可能範囲を超え張り付いた状態(像ぶれ補正レンズユニット103がメカ端で移動が制限されてメカ端を押し続ける状態)にあることを検出する。507加速度検出部は、撮像装置に加わる加速度を検出する。この加速度検出部は、加速度センサからの検出でも良いし、像ぶれ補正レンズ(補正レンズ)103の位置や速度の変化によって検出しても良い。また、積分補償係数切り替え器506は、像ぶれ補正レンズ駆動限界検出部504、操作部117、加速度検出部507、絞り・シャッタ駆動部106、第1像ぶれ補正制御部203によるパンニング/チルティング判定結果並びに第1ホール素子による像ぶれ補正レンズ位置情報を用いて積分補償係数の切り替えを判断し、積分補償部501、積分値変更部505の状態を変更する。
第1像ぶれ補正制御部203からの目標位置と第1ホール素子209からの位置情報の差分(偏差)をこれらのPID制御部で処理した後に、像ぶれ補正レンズの駆動信号として第1ドライブ部207に出力する。
以上のように構成された撮像装置において行われる振れ補正動作について、図6−10を参照して説明する。
図6は本実施形態の撮像装置において行われる振れ補正動作の手順を示すフローチャートである。
まず、撮像装置の電源がオンされる(S101)と、PID制御器内の積分制御器の係数に第1の積分補償係数が設定される。(S102)。そして、操作部117に対してユーザによって手ブレ補正モードがオンに設定されているか否かを判定する(S103)。その結果、手ブレ補正モードがオフに設定されているならば、ステップS104へ進む。ステップS104では、第1の積分補償係数が設定されたPID制御にて像ぶれ補正レンズが光軸中心位置に固定される(S104)。その後ステップS105で、撮像装置の電源がオンで有るか否かを判別し、オンであればステップS103へ戻り、オフであれば振れ補正動作を終了する。
一方、ステップS106ではシャッタレリーズボタンの第2スイッチがオンになるまで、第1の積分補償係数が設定されたPID制御にて像ぶれ補正制御を行う。次にシャッタレリーズボタンがオンになったか否かを判別し(S107)、オンとなったならばステップS108へすすみ、オフのままならばステップS114へ進む。ステップS114では、像ぶれ補正レンズのメカ端(像ぶれ補正レンズユニット103の機械的な駆動限界位置)への張り付き、すなわち駆動限界位置にあるかを判定する。像ぶれ補正レンズがメカ端によって移動が制限される場合、像ぶれ補正レンズユニット103はメカ端を押すことになり、一定の外力を受け続けた状態になる。この場合は、外力によって像ぶれ補正レンズ目標位置と像ぶれ補正レンズ実位置の偏差が0にならず一定の偏差が生じ続ける。この時、PID制御による積分制御は一定の偏差を積算し続ける状態が続くため、積分制御量が徐々に大きくなり、第1ドライブ部207への出力は許容限界をオーバーする可能性がある。そのため、通常第1ドライブ部への制御出力にはある所定値を超えた値が入力されると、所定値でリミッタを掛ける処理が行われる。これによってドライバ回路、像ぶれ補正レンズ駆動部が破壊されることを防いでいる。そのため、像ぶれ補正レンズユニット103が所定時間メカ端に張り付いた場合には、PIDの制御出力がリミッタ値でクランプされた状態になる。これを利用して、像ぶれ補正レンズ駆動限界検出部504は、所定時間、PID制御器の出力がリミッタ値を出力し続けた場合にメカ端への張り付きが生じた(駆動限界位置にある)と判定する。積分制御量がリミッタにクランプされた状態が続いた後に、像ぶれ補正レンズユニット103のメカ端への張り付きが解消された(予め定められた範囲内に入った)場合には、積分制御量が少しずつ小さくなっていき、定常値に収束していく。この収束するまでの間、積分値による制御出力がドライブ部へ出力され続けるため、像ぶれ補正レンズの制御は、目標位置に対してオーバーシュートなどの過渡応答が生じ、制御性能が著しく低下する。そのため、像ぶれ補正レンズの張り付きが生じたと判定したらステップS115へ進み、積分補償の積算値を0にクリアする処理を行い、S102へ戻る。こうすることで、像ぶれ補正レンズの張り付き解消後の制御性能を改善することができる。
一方、第2スイッチがオンとなったと判定されると、ステップS108にて所定条件(図7を用いて後述する)が満たされているかの判定を行う。所定条件が満たされている場合には、ステップS109へ進み積分補償積算値の操作が行われ、ステップS110にてPID制御器内の積分制御器の係数に、第1の積分補償係数よりも大きい第2の積分補償係数が設定された後にステップS111にて露光が開始される。その後露光が終了(S112)するとステップS113にて再度積分補償積算値の操作が行われ(S113)、ステップS114にて像ぶれ補正レンズユニット103の張り付き判定(像ぶれ補正レンズユニット103が駆動限界位置にあるかの判定)が行われ、ステップS112へ戻る。
ここでステップS108における所定条件の判定について図7のフローチャートにて説明する。条件の基準としては、
まず、ステップS201にて動画撮影中であるか否かを判定する。動画撮影中(動画撮影時)であればS111へ進み、積分補償係数の変更を行う事なしに露光が開始される。これは、動画撮影中である場合、静止画撮影時に比べて、歩きながらの撮影やまた乗り物に乗りながらの撮影が多く振れが大きいため、像ぶれ補正レンズがメカ端付近まで駆動しやすくなるためである。
次にステップS202にて露光時間が所定値よりも小さいか(所定時間以内)を判定する。露光時間が所定値よりも長い場合には、所定値よりも短い場合に比べて、低周波数の手ブレの影響が大きく、レンズがメカ端付近まで駆動しやすくなる。このため、露光時間が所定時間より大きい場合には、S111へ進み、積分補償係数の変更を行う事なしに露光が開始される。次にステップS203で加速度検出器により撮像装置に加わる加速度を検出する。加速度が所定値よりも大きい場合には、所定値よりも小さい場合に比べて、手ブレの影響が大きくレンズがメカ端付近まで駆動しやすくなる。このため、加速度が所定時間より大きい場合には、S111へ進み、積分補償係数の変更を行う事なしに露光が開始される。
そして、ステップS204にて、パンニング/チルティング判定部404のパンニング及びチルティング動作の判定結果を用いて撮像装置が大きく振られた状態であるかを検出する。撮像装置が大きく振られた状態(パンニング/チルティング状態)であれば、像ぶれ補正レンズユニット103がメカ端に近づきやすくなるため、第2の制御方法への切り替えは行わない。よってS111へ進み、積分補償係数の変更を行う事なしに露光が開始される。最後に、ステップS205にてレンズ目標位置もしくはレンズ実位置が所定値よりも小さいかを判定する。(図8)像ぶれ補正レンズユニット103がメカ中心付近(図8の積分ゲイン切り替えポジションより中心側)にある場合にのみ、ステップS109に進み第2の積分補償係数に切り替える。なお、本実施形態では、これらの所定条件判定は一つずつ順番に判定する例を記載しているが、実際には判定順序を入れ替えても良いし、いずれかの判定のみ選択して実施しても構わない。
ここで本実施形態の効果について図9で示す開ループ制御周波数特性を示す図の一例を用いて詳細に説明する。図9は、像ぶれ補正レンズのメカ特性並びに像ぶれ補正レンズ制御器特性からなる開ループ周波数特性を示しており、図9の上図が位相特性、下図がゲイン特性を表している。また横軸は周波数を示し、実線は本実施形態のうち、第1の積分補償係数を用いた第1の制御方法による特性、点線が第2の積分補償係数を用いた第2の制御方法による特性を示している。第2の制御方法による第2の積分補償係数は、第1の制御方法による第1の積分補償係数に比べて大きい値となっている。
図9からわかるように第2の制御方法による開ループ特性は、第1の制御方法による特性に比べて1Hzから10Hz付近までの低周波領域においてゲイン特性が高く、低周波数域での定常偏差、外乱に対する抑圧が高く、制御特性(追従特性)が優れている。一方で、積分補償器による弊害により、第2の制御方法の位相遅れは第1の制御方法の位相遅れに比べて大きく、50Hz付近まで−180度を下回っていることが分かる。ゲイン特性が0dbを下回るゼロクロス周波数が80Hz付近にあるため、第2の制御方法による特性は第1の制御方法による特性に比べて制御系の不安定化に対する位相マージンが小さくなる(制御安定性が低くなる)。この結果、外乱、像ぶれ補正レンズメカ特性の変化などにより、特性が変動しゼロクロス周波数が80Hzより低い周波数になると発振(制御発振)する恐れがある。
像ぶれ補正レンズのメカ特性として、駆動範囲の中心付近で駆動した場合には、制御系の特性は殆どなく、それに比べてメカ端付近までレンズが駆動された時にカ特性が大きく変動する。またメカ端に到達して負荷を受けている状態において、制御系のループゲインが低くなる傾向にあることが予め分かっている。そこで本実施形態では、像ぶれ補正レンズが駆動範囲の中心付近にある時は出来るだけ像ぶれ補正制御特性の優れた第2の制御方法で制御する。その一方で、外乱を受けた時あるいは像ぶれ補正レンズユニット103がメカ端付近まで駆動する可能性が高い場合には、第2の制御方法に比べて制御特性は劣るが、制御系の不安定化に対してマージンの高い第1の制御方法に切り替えることで、制御特性の向上と、制御系の安定性の維持を両立している。
ここで、ステップS109、S113で行っている制御方法の変更時の積分補償積算値操作について図10を用いて説明する。
図10は制御切り替え時の積分制御量の変化を示す図である。縦軸はPID制御内の積分制御量を表しており、横軸は時間経過、制御変更タイミング以降の実線は積分補償積算値操作を行わない場合の第1の制御方法の積分制御量、破線は積分補償積算値操作を行なった場合の第2の制御方法の積分制御量を表している。
図10からわかるように、第2の制御方法による積分補償係数は第1の制御方法による積分補償係数よりも大きく設定されるため、第1の制御方法から第2の制御方法に変更した直後に、積分制御量がオフセットを持ってしまう。これは、制御変更タイミングである露光開始直後に、不連続な像ぶれ補正レンズ駆動信号が出力される事を意味し、像ぶれ補正レンズが露光開始直後に大きく動いてしまう。その結果、像ブレを補正するはずが逆に像ブレが生じた画像を露光してしまう結果となる。そこで、この制御変更時に次式のように変更前後で積分制御量が不連続にならないように、積分補償積算値に変更前後の積分補償係数の変化割合を乗じて補正する処理を行う。
露光開始前の積分制御量=積分補償積算値×第1の積分補償係数
露光開始直後の積分制御量=(積分補償積算値×第1の積分補償係数/第2の積分補償係数)×第2の積分補償係数
ただし、「第1の積分補償係数」は第1の制御方法の場合の積分補償係数であり、「第2の積分補償係数」は第2の制御方法の場合の積分補償係数である。
上記処理により、積分制御量の不連続は解消され制御変更による画像ブレの影響を改善する事が出来る。
以上のように第1の実施形態では、像ぶれ補正レンズの駆動に対してPID制御の積分補償係数を所定条件下で変更する事で、像ぶれ補正性能を改善することが出来る。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る撮像装置は、本実施形態ではフォーカスレンズの駆動にボイスコイルモータ(フォーカスVCM)を用いている事以外は第1実施形態と同様なため、撮像装置の全体構成に関する説明は省略する。なお、本実施形態では、フォーカスレンズが第1実施形態での補正部材としての役割を果たし、ボイスコイルモータの駆動によってピントのずれによる像ぶれを補正する。
図11(A)は補正部材かつフォーカスレンズとしての3群レンズ1003の駆動機構と撮像素子地板1009との分解斜視図、図11(B)は3群レンズ1003の駆動機構と撮像素子地板1009との組立図である。
フォーカスレンズとしての3群レンズ1003の駆動に用いられるボイスコイルモータは、コイル1018a、マグネット1018b、およびヨーク1018cを備える。コイル1018aは、3群レンズ保持部材1007に固定されている。フレキシブル基板1019からコイル1018aに通電すると、撮像素子地板1009に固定部材1020を介して固定されたマグネット1018bおよびヨーク1018cで形成される磁気回路の作用により、3群レンズ保持部材1007はガイド軸1021に沿い、光軸方向に駆動される。
したがって、コイル1018aへの通電が行われないときには、第3鏡筒1007はガイド軸1021に沿って自由に動く状態であり、特定位置に保持されない。なお、第3鏡筒1007の駆動範囲は、撮像素子地板1009と3群レンズ保持部材1007との突き当て面から撮像素子地板1009にビス止め固定された部材1022と3群レンズ保持部材1007との突き当て面までである。
3群レンズ保持部材1007の光軸方向の位置は、センサ1023aとスケール1023bにより、次のようにして検出される。 スケール1023bは、弾性保持部材1024により3群レンズ保持部材1007に弾性保持されている。このスケール1023bには、所定のピッチで溝部が形成されている。
また、撮像素子地板1009には、スケール1023bに対向して、所定のギャップを挟みセンサ1023aが固定部材1020により取り付けられている。センサ1023aには発光素子と受光素子が実装されており、発光素子から発光される光束がスケール1023bの溝部に反射して、その反射光束を受光素子により受光することで出力信号を得る。
固定のセンサ1023aに対し、スケール1023bを固定した3群レンズ保持部材1007が移動すると、センサ1023aから例えば90degの位相差を有する正弦波信号が出力される。これらの2相の出力により、スケール1023bの移動量と移動方向を判定することができる。
なお、3群レンズ保持部材1007の初期位置は、3群レンズ保持部材1007と撮像素子地板1009との突き当てにより決定される。なお、センサ1023aの出力は3相以上でも構わない。また、位相角も90deg以外の角度でも構わない。また、3群レンズ保持部材1007の初期位置は、初期位置検出用のセンサを取り付けて検出しても構わない。
図12は、フォーカス駆動部108の内部構成を示すブロック図である。なお構成は、基本的に第1の実施形態の像ぶれ補正レンズが3群レンズ1003に変更されているのみなので、異なる個所のみ説明する。
図12において、フォーカスレンズ駆動位置司令部1403は、ピント合わせが必要な際に、3群レンズ1003の目標位置が指示される。3群レンズ1003の位置の検出は一例として不図示の光学式リニアスケールにて行われ、これらの偏差を0に収束するようにPID制御により帰還制御が実施される。またフォーカスレンズ駆動限界検出部1404は、PID制御演算値が所定時間、所定値より大きい状態がつづくことにより3群レンズ1003が駆動可能範囲を超え駆動限界位置にある状態であることを検出する。また、3群レンズ1003の駆動の際には、手ぶれによる像ぶれを補正するための像ぶれ補正レンズとは違って露光時間により制御を変更する必要がないため、積分補償係数切り替え器506の判定に絞り・シャッタ駆動部情報は使用しない。
以上のように構成された撮像装置において行われるフォーカス駆動制御について、図13、図14を参照して説明する。
図13は本実施形態のフォーカス駆動の手順を示すフローチャートである。
まず、撮像装置の電源がオンされる(S101)と、PID制御器内の積分制御器の係数に第1の積分補償係数が設定される(S102)。そして、たとえばレリーズスイッチの半押し(SW1動作)などで操作部117に対してユーザによって合焦指令があったか否かを判定する(S1503)。その結果、合焦指示があったならば、ステップS108へ進む。ステップS1504では、第1の積分補償係数が設定されたPID制御にて3群レンズ1003が現在位置に保持される(S1504)。その後ステップS105で、撮像装置の電源がオンで有るか否かを判別し、オンであればステップS1503へ戻り、オフであればフォーカス通電を終了する。
一方、ステップS108では所定条件が満たされているかの判定を行う。所定条件が満たされている場合には、ステップS109へ進み積分補償積算値の操作が行われ、ステップS110にてPID制御器内の積分制御器の係数に第2の積分補償係数が設定された後にステップS1511にてフォーカス駆動が開始される。その後フォーカス駆動が終了(S1512)するとステップS113にて再度積分補償積算値の操作が行われ(S113)、ステップS114にて3群レンズ1003が制御限界位置にあるか判定が行われ、ステップS102へ戻る。
次にフォーカス駆動における所定条件の判定について図14の所定条件を表すフローチャートにて説明する。
フォーカス駆動の制御方法切り替え条件の基準としては、フォーカス駆動中は、目標速度に対しフォーカスの駆動速度が一定に保たれて追従し、目標位置に対してオーバーシュートなく到達することが望ましいのでフォーカス駆動中は出来るだけ制御性の高い第2の制御方法を使用し、制御系の安定性が必要な場合には第1の制御方法を使用するようにする。
まず、ステップS203で加速度検出器により撮像装置に加わる加速度を検出し、ステップS204にて、パンニング/チルティング判定を行う。判定には、第1の実施形態にて説明した振動センサによる判定を使用する。
最後に、ステップS205にてレンズ目標位置もしくはレンズ実位置が所定値よりも小さいかを判定する。そして、3群レンズ1003がメカ端付近まで駆動していないあるいは、目標位置がメカ端付近になっていない場合にのみ、ステップS109に進み第2の制御方法に切り替える。本実施形態では、レンズ実位置及び目標位置の判定をメカ端付近としたが、メカ端付近以外にも3群レンズ1003の特性が著しく変化する位置が有れば、その位置を所定位置としても構わない。
上記処理により、フォーカスレンズの駆動に関しても、第1の実施形態と同様にPID制御の積分補償係数を所定条件下で変更する事で、フォーカスの駆動性能、精度を改善することが出来る。
本実施例の像ぶれ補正装置として、撮像装置としてのデジタルカメラに供えられている例を説明したが、デジタルビデオカメラであってもよい。またデジタルカメラと始め監視カメラや携帯端末に用いられるレンズ鏡筒などの光学機器でも良い。また、一眼レフ用の交換レンズの像ぶれ補正装置にも用いることができる。

Claims (13)

  1. 光軸に直交する方向もしくは光軸に平行な方向に予め定められた範囲を移動することで撮影時の像ブレを軽減するための振れ補正部材と、
    振れを検出する検出手段と、
    前記振れに応じて前記振れ補正部材の目標位置を決定する決定手段と、
    前記振れ補正部材の位置を検出する位置検出手段と、
    前記振れ補正部材の位置が前記振れ補正部材の目標位置に収束するように帰還制御を行い、制御発振に対して制御安定性が高い第1の制御方法と、第1の制御方法に比べて、前記振れ補正部材の追従特性は高いが、制御発振に対して制御安定性が低い第2の制御方法とを変更可能な帰還制御手段と、
    前記振れ補正部材の位置が前記予め定められた範囲内のとき、または前記予め定められた範囲の端に近づく恐れがないときは、前記第1の制御方法から前記第2の制御方法へと変更を行う変更手段を備えることを特徴とする像ぶれ補正装置。
  2. 前記予め定められた条件とは前記振れ補正部材の実位置あるいは、前記検出手段によって検出された振れに応じて決定された前記振れ補正部材の目標位置が、予め定められた所定位置を超えていないことを検出することであることを特徴とする請求項1に記載の像ぶれ補正装置。
  3. 前記予め定められた条件とは、前記検出手段によって検出された振れが所定値よりも小さく、パンニングあるいはチルティング動作中ではないと判断されることであることを特徴とする請求項1に記載の像ぶれ補正装置。
  4. 前記振れ補正部材が光軸に直交する方向に移動する場合、前記予め定められた条件とは、静止画撮影における露光時間が所定時間以内であると判断されることであることを特徴とする請求項1に記載の像ぶれ補正装置。
  5. 前記振れ補正部材が光軸に直交する方向に移動する場合、前記予め定められた条件とは、動画撮影時ではないと判断されることであることを特徴とする請求項1に記載の像ぶれ補正装置。
  6. 撮像装置に加わる加速度を検出する加速度検出手段をさらに備え、前記加速度検出手段の出力が所定値よりも小さい場合に前記第2の制御方法を実行し、前記所定値よりも大きい場合に前記第1の制御方法を実行することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  7. 前記帰還制御手段は、比例制御、微分制御、積分制御からなるPID制御を実行するものであり、前記第1の制御方法では前記帰還制御手段が予め決定された積分補償係数にて積分制御を行い、前記第2の制御方法では前記第1の制御方法に比べて大きくなるような値に設定された積分補償係数に基づいて積分制御を行うことを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に記載の像ぶれ補正装置。
  8. 前記予め定められた条件が満たされて前記第1の制御方法から前記第2の制御方法に変更する際、あるいは前記第2の制御方法から前記第1の制御方法に変更する際に、前記第1の制御方法で用いられる第1の積分補償係数と前記第2の制御方法で用いられる第2の積分補償係数の変化割合を、前記積分制御に使用される前記位置検出手段によって検出された実位置と前記決定手段によって決定された目標位置との差分の積算値に乗ずることを特徴とする請求項7に記載の像ぶれ補正装置。
  9. 前記振れ補正部材を駆動するための指令信号が、所定時間の間、所定値を超えたことを検出することにより振れ補正部材が駆動可能範囲を超えたことを検出する駆動限界検出手段をさらに備え、
    前記駆動限界検出手段により、振れ補正部材が駆動限界位置にあると検出した際には、前記振れ補正部材の位置と前記目標位置との差分の積算値を0にクリアした後に前記第1の制御方法を実行することを特徴とする請求項7に記載の像ぶれ補正装置。
  10. 前記補正部材は、光軸に直交する方向に予め定められた範囲を移動することで撮影時の手ぶれによる像ブレを軽減するか、光軸に平行な方向に予め定められた範囲を移動することでフォーカスを変更することを特徴とする請求項1ないし9の何れか1項に記載の像ぶれ補正装置。
  11. 請求項1ないし10の何れか1項に記載の像ぶれ補正装置を備えた光学機器。
  12. 請求項1ないし10の何れか1項に記載の像ぶれ補正装置を備えた撮像装置。
  13. 光軸に直交する方向もしくは光軸に平行な方向に予め定められた範囲を移動することで撮影時の像ブレを軽減するための振れ補正部材を備える像ぶれ補正装置の制御方法であって、
    振れを検出する検出ステップと、
    前記振れに応じて前記振れ補正部材の目標位置を決定する決定ステップと、
    前記振れ補正部材の位置を検出する位置検出ステップと、
    前記振れ補正部材の位置が前記振れ補正部材の目標位置に収束するように帰還制御を行い、制御発振に対して制御安定性が高い第1の制御方法と、第1の制御方法に比べて、前記振れ補正部材の追従特性は高いが、制御発振に対して制御安定性が低い第2の制御方法とを変更可能な帰還制御ステップと、
    前記振れ補正部材の位置が前記予め定められた範囲内のとき、または前記予め定められた範囲の端に近づく恐れがないときは、前記第1の制御方法から前記第2の制御方法へと変更を行う変更ステップを備えることを特徴とする像ぶれ補正装置の制御方法。
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