JP2013160561A - 軸受の残存寿命予測装置及び残存寿命予測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械装置に組み込まれる軸受を非破壊で検査し、軸受の残存寿命を精度よく予測することができる軸受の残存寿命予測装置及び残存寿命予測方法を提供する。
【解決手段】軸受の残存寿命予測装置10において、励磁電流の周波数を可変出力する渦電流装置11を用いて、プローブ15内の試験コイルに印加される励磁電流の周波数を高周波数域から低周波数域まで複数段階で変化させ、軸受の使用前後に対する試験コイルの出力電圧を励磁電流の周波数ごとにそれぞれ検出し、軸受の使用前後における励磁電流の周波数ごとの出力電圧の差を算出して、軸受の残存寿命を予測する。
【選択図】図2

Description

本発明は、軸受の残存寿命予測装置及び残存寿命予測方法に関する。
工場に付設される工作機械などの機械装置において回転駆動部などに転がり軸受(以下、単に「軸受」とも言う)が組み込まれている。そして、軸受は、特殊な環境で使用される場合を除いて、軸受内部に塵などの異物が侵入することが少ないクリーンな潤滑環境下で使用されることが好ましい。しかしながら、このような潤滑環境下でも、ある一定期間使用されると、軸受の外輪又は内輪の軌道面、或いは転動体の転動面でウロコ状に金属片が剥がれ落ちる、所謂、剥離現象が現場で発生してしまうことがよくある。なお、かかる環境下では、この剥離現象は鋼中に存在する非金属介在物を起点として発生することが知られる。この種の剥離は、「介在物起点型剥離」と一般的に言われる。
剥離現象は、長期間使用される軸受にとって避けることができない現象である。軸受の軌道面などに剥離現象が一旦発生してしまうと、軸受使用時に振動が発生するなどの問題が起こり、最悪の場合には製造製品への損傷、又は工場の付設機械などの重大損傷に繋がる可能性がある。
ここで、剥離現象などの異常有無を検査するため、工場などの現場において直接目視などで検査が行われるが、軸受を専門業務としない工場の検査では、設備や技術的な問題から、軸受の正確な検査が困難であることが多い。また、異常発生の事前防止の観点から、剥離現象などの異常が発生する前に、事前に転がりの寿命を予測できることが好ましい。
そこで、従来から、機械装置に組み込まれる軸受にセンサを取り付け、センサから発信される信号を取得することにより軸受の状況をモニタリングして、軸受の寿命予測を行う軸受の監視・診断システム及びその方法が種々提案されている。また、軸受の残存寿命予測方法としては、軸受が使用される中で変化していくパラメータに着目して、そのパラメータの変化に基づいて軸受の疲労の進行度合いを検出する方法が有効である。
このような方法としては、例えば、軸受に充填される潤滑油中の摩耗粉の量の時系列変化を測定し、その測定結果に基づいて軸受の劣化度合いを検出するものが知られる(例えば、特許文献1参照)。また、金属材料自体の特性を評価して転がりの残存寿命を予測しようとするものとしては、X線解析によるマルテンサイト組織の半価幅の減少量と残留オーステナイト量の減少量を疲労度パラメータとして用いるものが知られる(例えば、特許文献2参照)。また、渦電流装置により軸受のインピーダンスを測定することにより、金属材料の組織変化の程度を推測して疲労度を求めるものが知られる(例えば、特許文献3参照)。さらに、この渦電流装置を用いる他の例としては、励磁電流において複数の周波数で測定を行い、金属材料の組織の変化量を検出するものも知られる(例えば、特許文献4参照)。
特開2005―345132号公報 特公昭63―34423号公報 国際公開第2011/074654号 特開平10―206395号公報
ところで、軸受の疲労とは金属材料そのものの材質的変化に依存するものであるため、疲労度合いを予測する方法としては、上記特許文献1よりも金属材料の特性を直接評価するものが好ましい。
また、金属材料の特性を評価する点において、上記特許文献2のものは好適であると考えられるが、X線を用いて金属材料の組織変化を測定するものであるため、工場などの現場での測定が困難であると共に、介在物起点型剥離の場合では最も疲労が進む箇所は動的最大せん断応力位置付近であるため、X線の浸透深さを考慮すると電解研磨を施す必要がある。このため、結果的に破壊検査となってしまい、その後の軸受の使用が不能になってしまう問題点があった。
また、上記特許文献3のものは、単一の周波数で測定するため表面疲労には有効であるが、内部疲労のような疲労形態には不向きであり改良の余地があった。また、上記特許文献4のものは、複数の周波数で測定を行うものであるが、切削加工や研削加工において発生する加工変質層を測定するものであり、軸受疲労による組織変化を測定し、軸受の残存寿命を予測するものではない。
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機械装置に組み込まれる軸受を非破壊で検査し、軸受の残存寿命を精度よく予測することができる軸受の残存寿命予測装置及び残存寿命予測方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)試験コイルを有して、所定の周波数の励磁電流を試験コイルに印加して、機械装置に組み込まれる軸受の表面部に渦電流を誘導する渦電流装置と、渦電流に基づき変化する試験コイルの出力電圧を検出する検出部と、出力電圧に基づき軸受の残存寿命を予測する診断部と、を備えて軸受の残存寿命を予測する軸受の残存寿命予測装置であって、渦電流装置は、励磁電流の周波数を可変出力して、試験コイルに印加される励磁電流の周波数を高周波数域から低周波数域まで複数段階で変化させ、検出部は、軸受の使用前後に対する試験コイルの出力電圧を励磁電流の周波数ごとにそれぞれ検出し、診断部は、軸受の使用前後における励磁電流の周波数ごとの出力電圧の差を算出して、軸受の残存寿命を予測することを特徴とする軸受の残存寿命予測装置。
(2)軸受は、外輪、内輪、及び転動体を含み、軸受の表面部は、外輪の外輪軌道面、内輪の内輪軌道面、及び転動体の転動面であり、診断部は、外輪の外輪軌道面、内輪の内輪軌道面、及び転動体の転動面のそれぞれに対して残存寿命を予測して、外輪の外輪軌道面、内輪の内輪軌道面、及び転動体の転動面のうち最も残存寿命の低い値を軸受全体の残存寿命として予測することを特徴とする(1)に記載の軸受の残存寿命予測装置。
(3)渦電流装置により励磁電流の周波数を周波数fから周波数f{ただし、n>1,f>fi+1(ただし、i=1,・・・,n−1)}まで複数段階で変化させて試験コイルに印加させる場合、診断部が、軸受の使用前後における励磁電流の周波数fごとの出力電圧の差である第1差分を算出する際、診断部は、更に、周波数fと周波数fi+1との間における、第1差分同士の差分である第2差分を複数段階の全範囲に亘って算出して、第2差分のうち最大となる値に基づき疲労が最も進行している深さを予測すると共に、この値に対応する周波数での第1差分に基づき軸受の寿命を予測することを特徴とする(1)又は(2)に記載の軸受の残存寿命予測装置。
(4)所定の周波数の励磁電流を試験コイルに印加して、機械装置に組み込まれる軸受の表面部に渦電流を誘導し、渦電流に基づき変化する試験コイルの出力電圧を検出して、出力電圧に基づき軸受の残存寿命を予測する軸受の残存寿命予測方法であって、励磁電流の周波数を可変出力する渦電流装置を用いて、試験コイルに印加される励磁電流の周波数を高周波数域から低周波数域まで複数段階で変化させ、軸受の使用前後に対する試験コイルの出力電圧を励磁電流の周波数ごとにそれぞれ検出し、軸受の使用前後における励磁電流の周波数ごとの出力電圧の差を算出して、軸受の残存寿命を予測する軸受の残存寿命予測方法。
(5)軸受は、外輪、内輪、及び転動体を含み、軸受の表面部は、外輪の外輪軌道面、内輪の内輪軌道面、及び転動体の転動面であり、外輪の外輪軌道面、内輪の内輪軌道面、及び転動体の転動面のそれぞれに対して残存寿命を予測して、外輪の外輪軌道面、内輪の内輪軌道面、及び転動体の転動面のうち最も残存寿命の低い値を軸受全体の残存寿命として予測することを特徴とする請求項4に記載の軸受の残存寿命予測方法。
(6)渦電流装置により励磁電流の周波数を周波数fから周波数f{ただし、n>1,f>fi+1(ただし、i=1,・・・,n−1)}まで複数段階で変化させて試験コイルに印加させる場合、軸受の使用前後における励磁電流の周波数fごとの出力電圧の差である第1差分を算出する際、更に、周波数fと周波数fi+1との間における、第1差分同士の差分である第2差分を複数段階の全範囲に亘って算出して、第2差分のうち最大となる値に基づき疲労が最も進行している深さを予測すると共に、この値に対応する周波数での第1差分に基づき軸受の寿命を予測することを特徴とする(4)又は(5)に記載の軸受の残存寿命予測方法。
本発明によれば、励磁電流の周波数を可変出力する渦電流装置を用いて、試験コイルに印加される励磁電流の周波数を高周波数域から低周波数域まで複数段階で変化させ、軸受の使用前後に対する試験コイルの出力電圧を励磁電流の周波数ごとにそれぞれ検出し、軸受の使用前後における励磁電流の周波数ごとの出力電圧の差を算出して、軸受の残存寿命を予測する。このため、機械装置に組み込まれる軸受において、例えば介在物起点型剥離などの疲労が発生する前に、軸受損傷時期、即ち、軸受の残存寿命を、非破壊且つ高精度で予測することができる。
また、本発明によれば、外輪の外輪軌道面、内輪の内輪軌道面、及び転動体の転動面のそれぞれに対して残存寿命を予測して、外輪の外輪軌道面、内輪の内輪軌道面、及び転動体の転動面のうち最も残存寿命の低い値を軸受全体の残存寿命として予測するため、軸受全体として適切な残存寿命を予測することができる。
また、本発明によれば、更に、周波数fと周波数fi+1との間、即ち、隣接して設定される周波数間における、第1差分同士の差分である第2差分を複数段階の全範囲に亘って算出して、第2差分のうち最大となる値に基づき疲労が最も進行している深さを予測すると共に、この値に対応する周波数での第1差分に基づき軸受の寿命を予測する。このため、軸受の残存寿命を、軸受の表面部からの深さ情報も評価し得て、より高精度に予測することができる。
本発明に係る軸受の残存寿命予測装置の概略構成図である。 渦電流装置により軸受の表面部に渦電流が誘導される様子を示す図である。 軸受の軌道面からの深さとX線測定から得られた疲労進行度との関係を示す図である。 疲労進行度と複数の特定周波数での軸受使用前後における出力電圧の差との関係を示す図である。
以下、本発明に係る軸受の残存寿命予測装置及び残存寿命予測方法の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態の軸受の残存寿命予測装置10(以下、単に「残存寿命予測装置」とも言う)は、外輪、内輪、及び転動体を含む軸受の残存寿命を予測するためのものである。また、本実施形態では、軸受が使用される環境として、軸受内部に塵などの異物が侵入することが少ないクリーンな潤滑環境を想定している。
残存寿命予測装置10は、図1に示すように、渦電流を発生させると同時にこの渦電流によって生じる出力電圧を検出する渦電流装置(渦電流装置、検出部)11、軸受の残存寿命を算出する診断部12、入力部13、及び表示部14を備える。渦電流装置11及び診断部12は、主に、演算器、記憶装置、信号変換器などを含む演算装置として構成される。そして、渦電流装置11には、軸受における金属材料の表面部に発生した渦電流を感知するためのプローブ15が接続される。また、プローブ15の内部には、ブリッジ回路の一部として構成される不図示の試験コイルが搭載される。
渦電流装置11は、プローブ15の試験コイルに所定の周波数の励磁電流を印加して、軸受の表面部(本実施形態では、軸受の表面部として、外輪の外輪軌道面、内輪の内輪軌道面、及び転動体の転動面とされる。)に渦電流を誘導する。それと同時に、渦電流装置11は、その渦電流に基づき変化する試験コイルの出力電圧を検出する。これにより、残存寿命予測装置10は、軸受の測定を非破壊の状態で検出することができる。
特に、本実施形態では、渦電流装置11は、励磁電流の周波数を可変出力できるように構成されており、試験コイルに印加される励磁電流の周波数を高周波数域から低周波数域まで複数段階で変化させる。このとき、渦電流装置11は、試験コイルの出力電圧を励起電流の周波数ごとに識別して検出して診断部12にその検出結果を出力する。なお、このとき、本実施形態では、使用後の軸受の残存寿命を算出するため、残存寿命算出の基準となる、使用前の軸受、例えば、新品状態の軸受について予め検出が行なわれている。この新品の軸受に関する検出データは、診断部12に接続されるデータベース33に蓄積されている。
診断部12は、渦電流装置11によって検出が一通り完了した後、渦電流装置11によって検出された軸受の使用前後における励磁電流の周波数ごとの出力電圧の差を算出して、軸受の残存寿命を予測する。その予測結果は、表示部14に表示されてユーザに報知されることになる。
次に、軸受の外輪軌道面を測定対象とする場合を例に、本実施形態の残存寿命予測装置の動作についてより詳細に説明する。なお、図2では、説明の便宜上、外輪の外輪軌道面を例にして説明するが、この例に加えて、内輪の内輪軌道面及び転動体の転動面についても同様な測定が行なわれる。
軸受の残存寿命を予測する際には、後述する手順に従い、事前に、例えば、使用前の新品状態の軸受の外輪21の外輪軌道面21aに対しても測定しておき、測定対象軸受の識別番号と共に、データベース33に一時的に記録しておく。
残存寿命予測の手順を説明すると、図2に示すように、まず、外輪21の外輪軌道面21aにプローブ15を近接配置する。そして、渦電流装置11によって励磁電流の周波数を周波数fから周波数f{ただし、n>1,f>fi+1(ただし、i=1,・・・,n−1)}まで複数段階で変化させて試験コイルに印加させ、このときの軸受の使用後の外輪軌道面21aに対する試験コイルの出力電圧を励磁電流の周波数ごとにそれぞれ検出する。そして、診断部12は、データベース33から使用前の検出データを読み込み、軸受の使用前後における励磁電流の周波数fごとの出力電圧の差である第1差分(即ち、各電圧ベクトルの距離)を算出する。
さらに、診断部12は、周波数fと周波数fi+1との間、即ち、隣接して設定される周波数間における、第1差分同士の差分である第2差分を複数段階の全範囲に亘って算出する。そして、診断部12は、第2差分のうち最大となる値に基づき疲労が最も進行している深さを予測すると共に、この値に対応する周波数での第1差分に基づき、介在物起点型剥離に至るまでの時間、即ち、軸受の寿命を予測する。
また、検出は、外輪軌道面、内輪軌道面、転動体の転動面に対してそれぞれ実施され、診断部12は、外輪21の外輪軌道面21aだけではなく、内輪の内輪軌道面、及び転動体の転動面のそれぞれに対しても残存寿命を予測して、外輪21の外輪軌道面21a、内輪の内輪軌道面、及び転動体の転動面のうち最も残存寿命の低い値を軸受全体の残存寿命として予測して出力する。
また、ここで、渦電流装置11を用いて励磁電流の周波数を高周波数域から低周波数域まで可変して試験コイルに印加する際、上述したように、常に平衡バランス(ゼロ点)となる試料軸受、即ち、使用前の新品の軸受を別途用意して高周波数域から低周波数域まで測定して、予測基準となる検出データを構築する。このとき、本実施形態では、いずれの周波数においても常に出力電圧が同じになるように位相角及び感度を周波数ごとに個別に設定する。具体的には、本実施形態では出力電圧が単位電圧(1V)となるように設定している。
また、高周波数域から低周波数域までの周波数の選定にあたっては、下記表1に示すように、浸透深さが25μm間隔で等間隔になるように設定している。なお、この浸透深さとは、プローブ15内の試験コイルが形成する磁界が、軸受の表面部での磁界の約37%となる深さを意味しており、渦電流探傷試験によって検出できる深さを目安として設定される。また、下記表1は、軸受の金属材料として、SUJ2材を前提にした値となっている。
Figure 2013160561
次に、本発明の技術的意義について説明する。
本発明者らは、所定の単一に固定された周波数において使用前後の出力電圧の差が大きい程、新品の軸受と比べて軸受の金属材料の組織変化及び表面粗さの変化の度合いが大きい、即ち、疲労していることを知見している(例えば、上記特許文献3参照)。この知見に加えて、本発明者らは、励磁電流の周波数を高周波数域から低周波数域まで可変する渦電流装置11を用いることにより、例えば、クリーンな環境下で頻発する介在物起点型剥離までの寿命をより高精度に測定することができることを見出した。
軸受が剥離に到達するまでの疲労現象は、金属材料そのものの材質変化であり、新品の軸受との金属材料の組織的な差を検出することができれば、剥離までの寿命を予測することができる。特に、介在物起点型剥離は、軸受の外輪又は内輪の軌道面、或いは転動体の転動面での直下の最大せん断応力発生位置近傍の介在物から発生するため、疲労による組織変化は内部にピークをもつ疲労パターンとなる。
即ち、渦電流は表面効果であり、このため金属材料の表面部の上層部ほど大きな電流が流れることが知られるが、本発明では、その上層部とその内部との渦電流のバランスは試験コイルに印加する励磁電流の周波数により変え得ることに着目している。なお、励磁電流の周波数が低いほど金属材料内部に浸透することが分かっている。
つまり、低周波数域側で測定した出力電圧値から高周波数域側で測定した出力電圧値を差し引いた値、即ち、上述した第2差分というのは、軸受の軌道面などからの深さ方向に対する組織変化の度合いを意味する。このため、この性質を適切に利用することで組織変化が最大となる内部位置(疲労のピーク位置)を検出することができる。さらに、本発明では、疲労のピーク位置に相当する周波数で測定した出力電圧値と、新品の軸受と、を比較することにより、疲労の度合いを予測している。
以上説明したように、本実施形態によれば、励磁電流の周波数を可変出力する渦電流装置11を用いて、試験コイルに印加される励磁電流の周波数を高周波数域から低周波数域まで複数段階で変化させ、軸受の使用前後に対する試験コイルの出力電圧を励磁電流の周波数ごとにそれぞれ検出し、軸受の使用前後における励磁電流の周波数ごとの出力電圧の差を算出して、軸受の残存寿命を予測する。このため、機械装置に組み込まれる軸受において、例えば介在物起点型剥離などの疲労が発生する前に、軸受損傷時期、即ち、軸受の残存寿命を、非破壊且つ高精度で予測することができる。
また、本実施形態によれば、外輪21の外輪軌道面21a、内輪の内輪軌道面、及び転動体の転動面のそれぞれに対して残存寿命を予測して、外輪21の外輪軌道面21a、内輪の内輪軌道面、及び転動体の転動面のうち最も残存寿命の低い値を軸受全体の残存寿命として予測するため、軸受全体として適切な残存寿命を予測することができる。
また、本実施形態によれば、更に、周波数fと周波数fi+1との間、即ち、隣接して設定される周波数間における、第1差分同士の差分である第2差分を複数段階の全範囲に亘って算出して、第2差分のうち最大となる値に基づき疲労が最も進行している深さを予測すると共に、この値に対応する周波数での第1差分に基づき軸受の寿命を予測する。このため、軸受の残存寿命を、軸受の表面部からの深さ情報も評価し得て、より高精度に予測することができる。
本発明の効果を確認するために、上述した軸受の残存寿命予測装置10を用いて試験を行った。試験にあたっては、同じ軸受形式(転がり軸受6206)の軸受を、軸受1〜5を用意して、それぞれ所定時間使用して疲労を進行させた。このときの試験条件を以下に示す。
[試験条件]
軸受形式:6206
軸受荷重:600kgf
最大接触圧力:320kgf/mm
油圧パラメータ:Λ=2
潤滑油:強制循環給油
使用時間:軸受1:3393hr(疲労進行度10%)
軸受2:6786hr(疲労進行度20%)
軸受3:10179hr(疲労進行度30%)
軸受4:16965hr(疲労進行度50%)
軸受5:27144hr(疲労進行度80%)
ここで、疲労進行度とは、各軸受の使用時間を、略メジアン寿命に等しい、L10寿命の6倍の値(即ち、軸受が破損する時間)で割った値として定義している。
また、本発明の効果を比較検証するため、軸受1及び軸受5に対してX線解析の手法を用いて疲労度を別途解析した。その結果を図3に示す。
なお、かかる疲労度の測定については、まず測定対象箇所のマルテンサイト半価幅の減少量δ、及び残留オーステナイトの減少量δを測定する。そして、測定されたマルテンサイト半価幅の減少量δ、及び残留オーステナイトの減少量δを次の式(疲労度=δ+C×δ)に代入して疲労度を算出している。ただし、係数Cは、残留オーステナイト量に依存する材料係数である。本実施例では、軸受として残留オーステナイト量が10体積%のSUJ2鋼を用いているため、Cの値を0.1としている。
X線解析の手法を用いた結果では、図3に示すように、軸受1及び軸受5に対し、介在物起点型剥離に至るまでの典型的な内部疲労が示されており、最大疲労深さは約100μmとなっている。そして、最大疲労度は、軸受1の場合に1.3、軸受5の場合に2.7となっていることが分かる。なお、介在物起点型剥離は、軸受内部に塵など異物が侵入することが少ない、クリーンな環境下で頻繁に観察されることが一般的に知られている。
表2に、軸受1及び軸受5に対して、本発明に係る手法を用いて第1及び第2差分を算出した結果を示す。なお、本実施例では、使用前の軸受として新品のものを用いている。
Figure 2013160561
表2に示すように、高周波数域から低周波数域に行く程、軸受の使用前後における前記励磁電流の周波数fごとの出力電圧の差である第1差分{即ち、ΔE(f)}は増加傾向にある。また、周波数fと周波数fi+1との間における、第1差分同士の差分である第2差分{即ち、ΔE(fi+1)−ΔE(f)}において、110kHzと160kHzの間で最も大きいことが分かる。これは、浸透深さが100μmから125μmとの間で最も大きいことを意味しており、X線解析の結果(図3参照)と整合している。
また、図4は、第2差分{即ち、ΔE(f)−ΔE(fi−1)}が最大になるときの第1差分{即ち、ΔE(f)}と疲労進行度との関係を示すグラフである。図4に示すように、疲労が進行するに伴い第1差分が増加していることがわかった。
このように、本実施例でも、機械装置に組み込まれる軸受において、介在物起点型剥離などの疲労が発生する前に、軸受損傷時期、即ち、軸受の残存寿命を、非破壊且つ高精度で予測することができることがわかった。
なお、本発明は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、渦電流装置に検出部を含める構成としたが、これに限定されず、検出部を渦電流装置と別体にしてもよい。
10 残存寿命予測装置
11 渦電流装置(渦電流装置、検出部)
12 診断部
13 入力部
14 表示部
21 外輪
21a 外輪軌道面
33 データベース

Claims (6)

  1. 試験コイルを有して、所定の周波数の励磁電流を前記試験コイルに印加して、機械装置に組み込まれる軸受の表面部に渦電流を誘導する渦電流装置と、前記渦電流に基づき変化する前記試験コイルの出力電圧を検出する検出部と、前記出力電圧に基づき前記軸受の残存寿命を予測する診断部と、を備えて前記軸受の残存寿命を予測する軸受の残存寿命予測装置であって、
    前記渦電流装置は、前記励磁電流の前記周波数を可変出力して、前記試験コイルに印加される前記励磁電流の前記周波数を高周波数域から低周波数域まで複数段階で変化させ、
    前記検出部は、前記軸受の使用前後に対する前記試験コイルの前記出力電圧を前記励磁電流の前記周波数ごとにそれぞれ検出し、
    前記診断部は、前記軸受の使用前後における前記励磁電流の前記周波数ごとの前記出力電圧の差を算出して、前記軸受の残存寿命を予測することを特徴とする軸受の残存寿命予測装置。
  2. 前記軸受は、外輪、内輪、及び転動体を含み、
    前記軸受の前記表面部は、前記外輪の外輪軌道面、前記内輪の内輪軌道面、及び前記転動体の転動面であり、
    前記診断部は、前記外輪の前記外輪軌道面、前記内輪の前記内輪軌道面、及び前記転動体の前記転動面のそれぞれに対して残存寿命を予測して、前記外輪の前記外輪軌道面、前記内輪の前記内輪軌道面、及び前記転動体の前記転動面のうち最も残存寿命の低い値を前記軸受全体の残存寿命として予測することを特徴とする請求項1に記載の軸受の残存寿命予測装置。
  3. 前記渦電流装置により前記励磁電流の前記周波数を周波数fから周波数f{ただし、n>1,f>fi+1(ただし、i=1,・・・,n−1)}まで複数段階で変化させて前記試験コイルに印加させる場合、
    前記診断部が、前記軸受の使用前後における前記励磁電流の前記周波数fごとの前記出力電圧の差である第1差分を算出する際、
    前記診断部は、更に、前記周波数fと前記周波数fi+1との間における、前記第1差分同士の差分である第2差分を前記複数段階の全範囲に亘って算出して、前記第2差分のうち最大となる値に基づき疲労が最も進行している深さを予測すると共に、前記値に対応する周波数での前記第1差分に基づき前記軸受の寿命を予測することを特徴とする請求項1又は2に記載の軸受の残存寿命予測装置。
  4. 所定の周波数の励磁電流を試験コイルに印加して、機械装置に組み込まれる軸受の表面部に渦電流を誘導し、前記渦電流に基づき変化する前記試験コイルの出力電圧を検出して、前記出力電圧に基づき前記軸受の残存寿命を予測する軸受の残存寿命予測方法であって、
    前記励磁電流の前記周波数を可変出力する渦電流装置を用いて、前記試験コイルに印加される前記励磁電流の前記周波数を高周波数域から低周波数域まで複数段階で変化させ、
    前記軸受の使用前後に対する前記試験コイルの前記出力電圧を前記励磁電流の前記周波数ごとにそれぞれ検出し、
    前記軸受の使用前後における前記励磁電流の前記周波数ごとの前記出力電圧の差を算出して、前記軸受の残存寿命を予測する軸受の残存寿命予測方法。
  5. 前記軸受は、外輪、内輪、及び転動体を含み、
    前記軸受の前記表面部は、前記外輪の外輪軌道面、前記内輪の内輪軌道面、及び前記転動体の転動面であり、
    前記外輪の前記外輪軌道面、前記内輪の前記内輪軌道面、及び前記転動体の前記転動面のそれぞれに対して残存寿命を予測して、前記外輪の前記外輪軌道面、前記内輪の前記内輪軌道面、及び前記転動体の前記転動面のうち最も残存寿命の低い値を前記軸受全体の残存寿命として予測することを特徴とする請求項4に記載の軸受の残存寿命予測方法。
  6. 前記渦電流装置により前記励磁電流の前記周波数を周波数fから周波数f{ただし、n>1,f>fi+1(ただし、i=1,・・・,n−1)}まで複数段階で変化させて前記試験コイルに印加させる場合、
    前記軸受の使用前後における前記励磁電流の前記周波数fごとの前記出力電圧の差である第1差分を算出する際、
    更に、前記周波数fと前記周波数fi+1との間における、前記第1差分同士の差分である第2差分を前記複数段階の全範囲に亘って算出して、前記第2差分のうち最大となる値に基づき疲労が最も進行している深さを予測すると共に、前記値に対応する周波数での前記第1差分に基づき前記軸受の寿命を予測することを特徴とする請求項4又は5に記載の軸受の残存寿命予測方法。
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