JP2013160301A - 内燃機関と自動変速機の協調制御装置 - Google Patents

内燃機関と自動変速機の協調制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関と自動変速機の協調制御装置において、燃料ポンプを小型低容量なタイプに変更しながらも、その稼働率を向上しつつ省電力とし、かつ車両を駆動する駆動力を確保することにある。
【解決手段】制御手段(9)は、環境温度に基づいて内燃機関(3)の最大要求燃料流量あるいはこの最大要求燃料流量に相当する制御値を算出する最大要求燃料流量推定手段(15)と、この最大要求燃料流量推定手段(15)の算出結果に基づいて燃料ポンプ(6)の最大吐出流量に相当する判定値と比較して所定の設定変更の要否を判定する変更要否判定手段(16)とを備え、この変更要否判定手段(16)が設定変更を要と判断した場合には設定変更を否と判断した場合に比べて自動変速機(4)の変速点を車速が低い側に設定変更する。
【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関と自動変速機の協調制御装置に係り、特に自動変速機を搭載した車両を制御する内燃機関と自動変速機の協調制御装置に関する。
車両に搭載された自動変速機の制御装置においては、変速段を切り換える変速マップを備え、燃費やドライバビリティを考慮して最適となる変速点や変速線を設定している。
一方、内燃機関の制御装置において、燃料噴射量は、一回の噴射当りの噴射量を決定している。基本的には、内燃機関では空燃比フィードバック制御を行うため、一回の噴射当りの噴射量として、吸入空気量に対して理論空燃比となる燃料噴射量を供給している。また、良好な燃焼状態とするためだけでなく、内燃機関の状態やその排ガス浄化システムの状態に応じて、一回の噴射当りの噴射量を機関温度(冷却水温度や油温度)によって補正し、温度が低くなる程、増量となるように噴射量を補正している。
また、内燃機関の吸入空気量が多い程、すなわち、スロットル開度が全開(WOT)側に近づき負荷が大きくなる程、基本噴射量を増大している。そして、内燃機関のエンジン回転速度が高くなる程、単位時間当りに噴射する回数が増大し、単位時間当りに消費する噴射量(内燃機関の単位時間当りの最大要求燃料流量に相当)が増加する。
これらの条件が重なり、一回の噴射当りの噴射量が多く、かつ単位時間当りの噴射回数が多い場合に、その単位時間当りに消費する噴射量が燃料ポンプの単位時間当り吐出量の最大値を超えないように、各部品の性能を確保し設定することにより、燃料の需給バランスに配慮する必要がある。
従来の変速制御では、温度が低い冷機状態では、オーバードライブ等のトップギアに入らないようにすることで、エンジン回転速度をある程度高く保つように制御することが一般的であった。
特公平5−138861号公報
特許文献1に係る自動変速機及びエンジンの一体制御装置は、低温時の変速ショックを和らげるため、変速中の一時燃料カット等によるトルクダウンを規制して、変速点を低速側に変更するものである。
ところが、上記の特許文献1では、低温時に変速点を低速側に変更する構成であるが、ギア段を切り換える際のショック低減が目的であり、燃料の需給バランスの課題を考慮していない。つまり、燃料要求量が燃料ポンプの最大吐出能力を超える場合の課題認識がなく、その対策技術が望まれていた。
即ち、図10に示すように、車両には、内燃機関101の制御及び自動変速機102の制御を行う制御手段103を備えた内燃機関と自動変速機の協調制御装置104を搭載したものがある。制御手段103は、内燃機関101の制御を行う内燃機関用制御手段105と、自動変速機102の制御を行う自動変速機用制御手段106とを備える。
また、車両に搭載された燃料供給装置107にあっては、内燃機関101に燃料を送給する電動式の燃料ポンプ108の吐出流量を選定する際に、図11に示すように、低い外気温環境下で増大する内燃機関101の最大要求燃料流量に対して、供給不足とならない吐出流量を選定すると同時に、燃料ポンプ108の消費電流を小さくして燃費向上させることを目的に、つまり、無駄な仕事の削減し、仕事に要する消費電力の抑制を図るために、可能な限り吐出流量を少なくしたいという要望があった。
これを実現させるための方法として、図12に示すように、燃料ポンプ108の吐出流量を内燃機関101の要求流量に応じて可変、例えば、第1の燃料ポンプ吐出流量可変制御、又は第2の燃料ポンプ吐出流量可変制御をするために、図10に示すように、燃料供給装置107に燃料ポンプ吐出流量可変装置109を追加する必要があり、このため、部品点数の増加及びコストアップを招くという不都合があった。
そこで、この発明の目的は、燃料ポンプを小型低容量なタイプに変更しながらも、その稼働率を向上しつつ省電力とし、かつ車両を駆動する駆動力を確保する内燃機関と自動変速機の協調制御装置を提供することにある。
この発明は、内燃機関の制御及び自動変速機の制御を行う制御手段を備えた内燃機関と自動変速機の協調制御装置において、前記内燃機関に燃料を送給する電動式の燃料ポンプを設け、前記制御手段は、環境温度としての外気温度と吸気温度と冷却水温度と油温度との少なくとも一つの温度に基づいて前記内燃機関の最大要求燃料流量あるいはこの最大要求燃料流量に相当する制御値を算出する最大要求燃料流量推定手段と、この最大要求燃料流量推定手段の算出結果に基づいて前記燃料ポンプの最大吐出流量に相当する判定値と比較して所定の設定変更の要否を判定する変更要否判定手段とを備え、この変更要否判定手段が設定変更を要と判断した場合には設定変更を否と判断した場合に比べて前記自動変速機の変速点を車速が低い側に設定変更することを特徴とする。
この発明は、燃料ポンプを小型低容量なタイプに変更しながらも、その稼働率を向上しつつ省電力とし、かつ車両を駆動する駆動力を確保することができる。
図1は内燃機関と自動変速機の協調制御装置のシステム構成図である。(実施例) 図2は自動変速機の変速点を車速が低い側に設定変更する場合の説明図である。(実施例) 図3は内燃機関の制御のフローチャートである。(実施例) 図4は自動変速機の制御のフローチャートである。(実施例) 図5は燃料流量とエンジン回転速度と車速との変化状態を示す図である。(実施例) 図6は内燃機関用制御手段の入出力のブロック図である。(実施例) 図7は自動変速機用制御手段の入出力のブロック図である。(実施例) 図8は自動変速機用制御手段での入出力の制御状態を示す図である。(実施例) 図9は自動変速機用制御手段での変速制御を示す図である。(実施例) 図10は従来において内燃機関と自動変速機の協調制御装置のシステム構成図である。(従来例) 図11は従来において吐出流量を少なくしたい場合の外気温度と要求燃料流量との関係を示す図である。(従来例) 図12は従来において吐出流量可変制御の場合の外気温度と要求燃料流量との関係を示す図である。(従来例)
この発明は、燃料ポンプを小型低容量なタイプに変更しながらも、その稼働率を向上しつつ省電力とし、かつ車両を駆動する駆動力を確保する目的を、エンジン回転速度を上げないようにすることで、単位時間当りに消費する燃料噴射量が燃料ポンプの単位時間当り吐出量の最大値を超えないようにして実現するものである。
図1〜図9は、この発明の実施例を示すものである。
図1において、1は車両に搭載されるパワーユニット、2は燃料供給装置である。
パワーユニット1は、内燃機関3と自動変速機4とが一体になって構成されている。
燃料供給装置2は、燃料タンク5と、この燃料タンク5内に設置されて燃料を内燃機関3に送給する電動式の燃料ポンプ6と、この燃料ポンプ6から内燃機関3に燃料を導く燃料供給管7とを備える。
また、車両には、内燃機関と自動変速機の協調制御装置8が搭載される。
この協調制御装置8は、内燃機関3の制御と自動変速機4の制御とを行う制御手段(ECM)9を備えている。
この制御手段9は、内燃機関3を制御する内燃機関用制御手段(ECM)10と自動変速機4を制御する自動変速機用制御手段(ECM)11とを相互通信可能に設けて構成されている。
内燃機関用制御手段10は、内燃機関側通信線12で内燃機関3と連絡している。変速機用制御手段11は、変速機側通信線13で自動変速機4と連絡している。また、内燃機関用制御手段10と変速機用制御手段11とは、相互通信可能に第1連絡通信線14Aで連絡している。内燃機関用制御手段10と燃料ポンプ6とは、第2連絡通信線14Bで連絡している。
この実施例において、例えば、内燃機関用制御手段10は、内燃機関3の最大要求燃料流量推定手段15と変更要否判定手段16とを備える。
最大要求燃料流量推定手段15は、環境温度としての外気温度と吸気温度と冷却水温度と油温度との少なくとも一つの温度に基づいて内燃機関3の最大要求燃料流量あるいはこの最大要求燃料流量に相当する制御値(補正係数や噴射量の噴射分)を算出する。
変更要否判定手段16は、最大要求燃料流量推定手段15の算出結果に基づいて燃料ポンプ6の最大吐出流量に相当する判定値と比較して所定の設定変更の要否を判定する。
そして、内燃機関用制御手段10は、自動変速機用制御手段11に向けて変更要否判定手段16の設定変更の要否の判定結果を出力する。一方、自動変速機用制御手段11は、複数の変速マップとしての高変速点変速マップ1(M1)と低変速点変速マップ2(M2)とを備え、内燃機関用制御手段10から入力した設定変更の要否の判定結果に基づいて自動変速機4の変速点を設定変更するように、前記変速マップを切り換える。
さらに、内燃機関用制御手段10は、変更要否判定手段16が設定変更を要と判断した場合には、設定変更を否と判断した場合に比べて、自動変速機4の変速点を車速が低い側に設定変更する。
図6に示すように、協調制御装置8の制御手段9は、内燃機関用制御手段10及び自動変速機(A/T)用制御手段11の他に、エアコン(A/C:空調装置)用制御手段17と、CAN通信機能手段18と、ウォーニング機能手段19と、メインリレー用制御手段20と、フェイルセーフ機能手段21と、セルフダイアグノーシス機能手段22とを備えている。
内燃機関用制御手段10は、燃料噴射制御部23と、点火時期制御部24と、ISC制御部25と、燃料ポンプリレー制御部26と、ラジエータリレー制御部27と、キャニスタパージバルブ制御部28と、空燃比(A/F)センサヒータ制御部29と、リヤO2センサヒータ制御部30と、ジェネレータ発電制御部31と、VVT制御部32とを備える。
さらに、制御手段9の入力側には、イグニションスイッチ33、エンジン回転速度を検出可能なクランク角センサ34、カム角センサ35、プレッシャセンサ36、吸気温センサ37、ノックセンサ38、空燃比(A/F)センサ39、リヤO2センサ40、ジェネレータフィールドモニタ41、スロットルセンサ42、内燃機関3の冷却水の温度を検出する水温センサ43、ストップランプスイッチ44、シフトスイッチ45、自動変速機(A/T)4の油温度を検出するA/T油温センサ46、入力軸回転センサ47、車速を検出する車速センサ48、ブロアファンスイッチ49、冷媒圧センサ50、ブレーキブースタスイッチ51、O/Dオフスイッチ52が接続したコントロールモジュール(BCM&J/B)53、ABSコントローラ54、オートエアコンコントローラ55が連絡している。
また、制御手段9の出力側には、内燃機関用制御手段10に接続するように、燃料噴射弁56、イグニションコイル57、ISCバルブ58、燃料ポンプリレー59、ラジエータファンリレー60、キャニスタパージバルブ61、空燃比(A/F)センサヒータ62、リヤO2センサヒータ63、ジェネレータ64、オイルコントロールバルブ65が連絡し、また、自動変速機用制御手段11に接続するように、第1のシフトソレノイド(図面では「シフトソレノイドNo.1」と記す)66、第2のシフトソレノイド(図面では「シフトソレノイドNo.2」と記す)67、ライン圧制御ソレノイド68、トルクコンバータのロックアップクラッチのロックアップソレノイド69が連絡し、エアコン用制御手段17に接続するエアコン(A/C)コンプレッサリレー70が連絡し、さらに、CAN通信機能手段18に接続するように、コントロールモジュール(BCM&J/B)53、コンビネーションメータ71、オートエアコンコントローラ55が連絡し、また、メインリレー用制御手段20に接続してメインリレー72が連絡している。
図7に示すように、自動変速機用制御手段11は、前記高変速点変速マップ1(M1)及び低変速点変速マップ2(M2)の他に、変速制御部73と、O/D禁止制御部74と、登降坂変速制御部75と、ロックアップ制御部76と、スリップ制御部77と、ライン圧制御部78とを備える。
そして、図8に示すように、自動変速機用制御手段11では、冷機時に、O/D禁止制御部74においてトップギヤを禁止して早く温度を上昇させたり、ロックアップクラッチのロックアップソレノイド69を動作させ、スリップ制御の機会を増やして早く温度を上昇させている。
また、図9に示すように、自動変速機用制御手段11での変速制御にあっては、車両走行状態や内燃機関状態を判断し、第1のシフトソレノイド66及び第2のシフトソレノイド67をオン/オフ制御して最適な変速を行うとともに、変速開始を判定したときに変速ショックを緩和させるために、車両走行状態や変速ギヤ段に合わせたライン圧の調圧や点火時期を遅角することで、エンジントルクを減少させるトルクリダクション制御を行っている。
図3に示すように、内燃機関3の制御にあっては、内燃機関用制御手段10のプログラムがスタートすると(ステップA01)、環境温度(外気温度、吸気温度、冷却水温度、油温度の少なくとも一つの温度)を入力し(ステップA02)、最大要求燃料流量あるいはこの最大要求燃料流量に相当する制御値(補正係数や噴射量の噴射分)を算出し(ステップA03)、そして、設定変更の要否を判断し(ステップA04)、さらに、このステップA04で判定した設定変更の要否を自動変速機用制御手段11に向けて出力し(ステップA05)、プログラムをリターンする(ステップA06)。
また、図4に示すように、自動変速機4の制御にあっては、自動変速機用制御手段11のプログラムがスタートすると(ステップB01)、内燃機関用制御手段10からの設定変更の要否の判断結果を入力し(ステップB02)、そして、設定変更が要か否かを判定する(ステップB03)。
このステップB03がNOで、設定変更が否の判定の場合には、高変速点変速マップ(M1)を選択する(ステップB04)。
一方、このステップB03がYESで、設定変更が要の判定の場合には、低変速点変速マップ(M2)を選択する(ステップB05)。
そして、前記ステップB04の処理後、又は、前記ステップB05の処理後は、プログラムをエンドとする(ステップB06)。
上記のように、内燃機関用制御手段10は、変更要否判定手段16が設定変更を要と判定した場合には、設定変更を否と判定した場合に比べて、自動変速機4の変速点を車両速度が低い側に設定変更する。つまり、図2、図3に示すように、燃料噴射量が燃料ポンプ6の最大吐出流量に近づく場合は、変速点を低速側にして、シフト点(変速線)を変位させる。
これにより、自動変速機4の変速点を低くすることに伴い、図5に示すように、エンジン回転速度を低く抑えるので、単位時間当りの燃料消費量を燃料ポンプ6の最大吐出流量に相当する判定値(所望の基準量)を超えないように制御することができる。
また、燃料ポンプ6の低容量化、小型化が可能になり、自ずと燃料ポンプ6を駆動するに必要な電力の全体的な消費量を抑制でき、また、燃料ポンプ6の仕事率を向上できる。
即ち、この実施例においては、内燃機関3の最大要求燃料流量を推定するための最大要求燃料流量推定手段15(外気温度、吸気温度、冷却水温度等から推定)を備え、最大要求燃料流量が燃料ポンプ6の吐出流量を上回る状況においては、自動変速機4の変速点を通常時よりも低い車速でシフトするように制御する(図2、図3参照)。これにより、通常時よりも低い車速でシフトさせることで、内燃機関3のエンジン回転速度を低くでき、内燃機関3の要求燃料流量も少なくすることができる。よって、要求燃料流量が燃料ポンプ6の吐出流量を超えない範囲でシフトさせることで、燃料の供給不足を回避しながら車両の運転が可能となる。
また、このような制御を備えた車両の燃料ポンプ吐出流量選定においては、低い外気温度等の特殊環境下で増大する要求燃料流量を考慮する必要がなくなり、通常環境下の要求燃料流量のみを満足する吐出流量を選定でき、部品点数を増加させることなく、燃費向上が可能となる。
そして、エンジン回転速度を上げないようにすることで、単位時間当に消費する噴射量が燃料ポンプ6の単位時間当り吐出量の最大値を超えないようにしている。さらに、エンジン回転速度を上げないようにし、変速制御における変速点を変更することによって、ドライバビリティをも確保している。
燃料噴射量は、一回の燃料噴射量を決定する際、基本噴射量を補正して算出しており、その補正分の噴射量は、温度補正分、あるいは、空調装置(エアコン)のコンプレッサ駆動負荷、電気負荷等の負荷の有無に応じて、基本噴射量に係数をかけて求められる。
このうち、基本噴射量に空調装置(エアコン)のコンプレッサ駆動負荷、電気負荷等の負荷を加えた場合の補正された燃料噴射量(1回の噴射分)、及び、それにエンジン回転速度を考慮した燃料噴射量(単位時間当りの消費量)を予め算出しておくことができる。また、温度補正分による増量分だけで、燃料ポンプ6の単位時間当り吐出量の最大値を超えるか超えないか判断することができる。
これらを予め算出しておくことができるため、実際の運転状況における環境温度に基づいて、超える/超えないの判断を行うことができる。
なお、この発明の実施例においては、空調装置(エアコン)のコンプレッサ駆動負荷、電気負荷等の負荷に応じて、判定基準となる温度を、複数種類設定しておくことも可能である。
また、変更要否判定手段を内燃機関用制御手段に設けた例を示したが、変更要否判定手段を自動変速機用制御手段に設けることも可能である。この場合、内燃機関用制御手段は、最大要求燃料流量あるいはそれに相当する制御値を出力するようにし、自動変速機用制御手段は、最大要求燃料流量あるいはそれに相当する制御値を受信し、変更要否を独自で判断して、同様の処理を行う。
更に、このような制御により、内燃機関及び自動変速機の発熱量が少なくなって、暖機が遅れてしまう懸念があるが、内燃機関と自動変速機との間に設けたトルクコンバータのロックアップクラッチのスリップ制御に加え、内燃機関の冷却系制御を実施することによって、早期暖機させることは可能である。
更にまた、低温時であって内燃機関のエンジン回転速度が高い場合であっても、スロットルバルブを閉じ側にしたコースト状態等では、実際に噴射する燃料噴射量が燃料ポンプの最大吐出流量を超えない(超えるとは限らない)ため、変速点や変速線を低速側に移すことが絶対に必要ではない状態がある。この場合、ビジーシフトとなるハンチング等や、変速状態が異なることによる違和感を防止するために、変速点(変速線)を低速側に移すようにすることが望ましい。
また、燃料ポンプの吐出流量の減少にあっては、大気センサで検出される大気圧や吸気温度センサで検出される吸気温度等のパラメータを加味して細かな流量制御を行うことも可能である。
この発明に係る協調制御装置を、各種車両に適用可能である。
1 パワーユニット
2 燃料供給装置
3 内燃機関
4 自動変速機
5 燃料タンク
6 燃料ポンプ
7 燃料供給管
8 協調制御装置
9 制御手段(ECM)
10 内燃機関用制御手段
11 自動変速機用制御手段
12 内燃機関側通信線
13 変速機側通信線
14A 第1連絡通信線
14B 第2連絡通信線
15 最大要求燃料流量推定手段
16 変更要否判定手段

Claims (2)

  1. 内燃機関の制御及び自動変速機の制御を行う制御手段を備えた内燃機関と自動変速機の協調制御装置において、前記内燃機関に燃料を送給する電動式の燃料ポンプを設け、前記制御手段は、環境温度としての外気温度と吸気温度と冷却水温度と油温度との少なくとも一つの温度に基づいて前記内燃機関の最大要求燃料流量あるいはこの最大要求燃料流量に相当する制御値を算出する最大要求燃料流量推定手段と、この最大要求燃料流量推定手段の算出結果に基づいて前記燃料ポンプの最大吐出流量に相当する判定値と比較して所定の設定変更の要否を判定する変更要否判定手段とを備え、この変更要否判定手段が設定変更を要と判断した場合には設定変更を否と判断した場合に比べて前記自動変速機の変速点を車速が低い側に設定変更することを特徴とする内燃機関と自動変速機の協調制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記内燃機関用制御手段と前記自動変速機用制御手段とを相互通信可能に設けて構成され、前記内燃機関用制御手段は、前記最大要求燃料流量推定手段と前記変更要否判定手段とを備えて前記自動変速機用制御手段に向けて前記変更要否判定手段の設定変更の要否の判定結果を出力し、前記自動変速機用制御手段は、複数の変速マップを備え、前記内燃機関用制御手段から入力した設定変更の要否の判定結果に基づいて前記自動変速機の変速点を設定変更するように前記変速マップを切り換えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関と自動変速機の協調制御装置。
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