JP2013159697A - 地盤注入用薬液およびそれを用いた地盤改良工法 - Google Patents

地盤注入用薬液およびそれを用いた地盤改良工法 Download PDF

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【課題】本発明は、ゲルタイムが短く、充分な強度を発現させ、長期耐久性、地盤への浸透性に優れた地盤注入用薬液およびそれを用いた地盤改良工法を提供する。
【解決手段】高炉スラグ微粉末、分級セメント、ポリアクリル酸系分散剤、消石灰及びケイ酸アルカリ金属塩を含有する地盤注入用薬液であって、
(1)前記ポリアクリル酸系分散剤の含有量が、前記高炉スラグ微粉末及び前記分級セメントの合計100質量部に対して0.1〜3質量部であり、
(2)前記消石灰の含有量が、前記高炉スラグ微粉末及び前記分級セメントの合計100質量部に対して15〜35質量部であり、
(3)前記ケイ酸アルカリ金属塩は、下記の一般式(I):
O・nSiO(R:アルカリ金属) (I)
(式中、モル比nは2.5以上を示す)で表される、
地盤注入用薬液。
【選択図】なし

Description

本発明は地盤注入用薬液およびそれを用いた地盤改良工法に関する。
地盤改良方法の一種として、軟弱な地盤を強固にするためにロッドを介して地中に硬化性を有する薬剤を注入する薬液注入工法があり、数多くの薬液注入材が知られている。例えば、水ガラス系注入材、特殊シリカ系注入材、高分子系注入材、並びに、セメント、粘土、及びスラグなどの懸濁型注入材等が挙げられる。上記薬液注入材を用いた薬液注入工法では、ジェットグラウト工法のような高圧の噴流によって地盤を乱しながら改良する工法と異なり、極力地盤を乱さないで改良できること、設備がコンパクトであることが特徴であることから多くの実績がある。
薬液注入材としては、溶液型と懸濁型があり、溶液型の薬液注入材は、浸透性は高いが、得られる硬化体自体の強度が小さく、硬化体の収縮も大きいことから長期的な耐久性に問題がある。一方、懸濁型の薬液注入材は、水硬性を示すセメントやスラグなどを成分とするものであり、比較的高い強度発現が期待でき、長期的な耐久性も確保しやすいという利点はあるが、浸透性が低いという問題がある。そのため、浸透性の高い懸濁型の開発が望まれている。
地盤を強化するための懸濁型注入材としては、例えば、特許文献1に、水ガラス及び石灰を含む地盤注入用薬液が記載されている。
しかしながら、特許文献1は、上記水ガラスのモル比が1.5〜2.2であって、長いゲル化時間(数十分〜数時間以上)を有し、かつ耐久性及び固結強度に優れた薬液を得ることを目的としている。したがって、上記注入材を港湾や沿岸部の地盤改良を目的として使用する場合、ゲル化時間が長いため、地下水や海水の動きのある現場では、注入材の逸流や希釈により、目的とする改良体を得ることができないという問題がある。そこで、注入に当たり、ゲルタイムが短く、充分な強度を発現させ、長期耐久性及び地盤への浸透性に優れ、さらに地下水や海水等による注入材の逸流が少なく、必要な箇所に限定的に注入することが可能である地盤注入用薬液が求められている。
特開平1−188581号公報
本発明は、上記のような問題に鑑みなされたものであり、ゲルタイムが短く、充分な強度を発現させ、長期耐久性、地盤への浸透性に優れた地盤注入用薬液およびそれを用いた地盤改良工法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、地盤注入用薬液が、特定の成分を特定量含有する場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の地盤注入用薬液に関する。
1. 高炉スラグ微粉末、分級セメント、ポリアクリル酸系分散剤、消石灰及びケイ酸アルカリ金属塩を含有する地盤注入用薬液であって、
(1)前記ポリアクリル酸系分散剤の含有量が、前記高炉スラグ微粉末及び前記分級セメントの合計100質量部に対して0.1〜3質量部であり、
(2)前記消石灰の含有量が、前記高炉スラグ微粉末及び前記分級セメントの合計100質量部に対して15〜35質量部であり、
(3)前記ケイ酸アルカリ金属塩は、下記の一般式(I):
O・nSiO(R:アルカリ金属) (I)
(式中、モル比nは2.5以上を示す)で表される、
地盤注入用薬液。
2. 前記ポリアクリル酸系分散剤が下記一般式(II):
CH=C(R)COO(RO) (II)
(式中、Rは水素原子又はメチル基、ROは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、mは5〜40の整数、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
の単量体を含む共重合体である、上記項1に記載の地盤注入用薬液。
3. 前記高炉スラグ微粉末及び前記分級セメントは、いずれも、
ブレーン比表面積値が7,000〜16,000cm2/gであり、
メジアン径が1〜7μmである、
上記項1又は2に記載の地盤注入用薬液。
4. 上記項1〜3のいずれか1項に記載の地盤注入用薬液を地盤内に注入する、地盤改良工法。
5. 礫質地盤又は粗砂地盤の地盤改良又は液状化防止のために用いる、上記項4に記載の地盤改良工法。
以下、本発明の地盤注入用薬液について詳細に説明する。なお、本明細書中の部や%は、特記しない限り、質量部や質量%をいう。
≪本発明の地盤注入用薬液≫
本発明の地盤注入用薬液は、高炉スラグ微粉末、分級セメント、ポリアクリル酸系分散剤、消石灰及びケイ酸アルカリ金属塩を含有する地盤注入用薬液であって、
(1)前記ポリアクリル酸系分散剤の含有量が、前記高炉スラグ微粉末及び前記分級セメントの合計100質量部に対して0.1〜3質量部であり、
(2)前記消石灰の含有量が、前記高炉スラグ微粉末及び前記分級セメントの合計100質量部に対して15〜35質量部であり、
(3)前記ケイ酸アルカリ金属塩は、下記の一般式(I):
O・nSiO(R:アルカリ金属) (I)
(式中、モル比nは2.5以上を示す)で表される。上記特徴を有する本発明の地盤注入用薬液は、ゲルタイムが短く(1分以下)、充分な強度を発現させ、長期耐久性、地盤への浸透性に優れる。
本発明において、ゲルタイムを1分以下としているのは、ゲルタイムが1分を超える場合、波の押し引きの激しい現場や湧水のある現場において、地盤注入用薬液が逸流あるいは希釈してしまい、充分な強度を発現させることができず、長期耐久性を付与することができないためである。
高炉スラグ微粉末
本発明では、高炉スラグ微粉末を使用する。高炉スラグ微粉末は、銑鉄を製造するときに発生する鉄鋼スラグを粉砕して製造される、一般的な高炉セメントやコンクリート用混和材として用いられているものである。
高炉スラグ微粉末の粉末度はブレーン比表面積値(以下、ブレーン値という)で7,000cm2/g以上である場合、地盤に対して優れた浸透性が得られるので好ましい。ブレーン値は、7,000〜16,000cm2/gがより好ましく、9,000〜13,000cm2/gが最も好ましい。ブレーン値はJIS R 5201のブレーン空気透過装置で測定した値である。
高炉スラグ微粉末のメジアン径は、1〜7μmである場合、地盤に対して優れた浸透性が得られるので好ましく、2〜5μmがより好ましい。例えば、メジアン径はレーザー回折式粒度分布測定機により測定できる。
分級セメント
分級セメントは、セメントを分級設備を用いて粒度調整したものである。分級するセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩セメントなどのポルトランドセメントいずれも使用可能であり、また、フライアッシュセメントやシリカセメントなどの混合セメントも同様であり、アルミナセメントなどの耐火セメントも同様である。当該セメントは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
分級セメントには、セメント成分以外にセメントの製造工程で加えられる二水セッコウや炭酸カルシウムを含有するものも含まれる。分級によって細かい粒子の炭酸カルシウムを含むものは強度発現性の点で有利となる。
分級セメントの粉末度は、高炉スラグ微粉末と同様にブレーン値7,000cm2/g以上である場合、地盤に対して優れた浸透性が得られるので好ましい。ブレーン値は7,000〜16,000cm2/gがより好ましく、9,000〜13,000cm2/gが最も好ましい。ブレーン値はJIS R 5201のブレーン空気透過装置で測定した値である。
分級セメントのメジアン径は、1〜7μmである場合、地盤に対して充分な浸透性が得られるので好ましく、2〜5μmがより好ましい。例えば、メジアン径はレーザー回折式粒度分布測定機により測定できる。
分級セメントの割合は、高炉スラグ微粉末100質量部に対して、5〜30質量部である場合、浸透性を阻害することなく優れた強度発現性が得られるので好ましい。高炉スラグ微粉末100質量部に対して10〜25質量部がより好ましい。
ポリアクリル酸系分散剤
本発明では、ポリアクリル酸系分散剤を使用する。ポリアクリル酸系分散剤は、懸濁溶液としたときの粒子の沈降を抑制する効果と、浸透性を付与する。例えば、ポリアクリル酸系分散剤として、下記一般式(II):
CH=C(R)COO(RO) (II)
の単量体を含む共重合体であるものを使用することができる。
ここで、式(II)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、ROは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、例えば、−CHCHO−、−CHCHCHO−、−CHCH(CH)O−、−CHCH(CHCH)O−、及び−CHCHCHCHO−などが挙げられる。mはオキシアルキレン基の付加モル数を示し、5〜40の整数である。mが上記範囲である場合、充分な分散力を有し、ハンドリング性にも優れる。
また、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基等が挙げられる。
単量体の例としては、アルキレンオキサイドの付加モル数mが5〜40モルのポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらの一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。一般式(II)で示される単量体が含まれていれば、他の化学構造を有する単量体成分と組み合わせた共重合体を使用してもよい。
これらの中では、沈降防止性能や浸透性能の面で、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートやメトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートを含む共重合体等が好ましい。
ポリアクリル酸系分散剤の質量平均分子量は、5,000〜100,000が好ましく、20,000〜80,000がより好ましい。
ポリアクリル酸系分散剤の使用量は、高炉スラグ微粉末と分級セメントの合計100質量部に対して、0.1〜3質量部であり、0.3〜2質量部が好ましい。0.1質量部未満であると十分な分散性と浸透性が得られず、3質量部を超えても効果に影響がない。
本発明においては、本発明の効果に悪影響を与えない範囲でメラミン系分散剤を本発明のポリアクリル酸系分散剤に併用して使用してもよい。
消石灰
本発明では、消石灰(水酸化カルシウム)を使用する。消石灰は、ゲルタイムの調整と初期強度発現を付与するものである。
消石灰の含有量は、前記高炉スラグ微粉末及び前記分級セメントの合計100質量部に対して15〜35質量部であり、ゲルタイムと強度の観点から20〜35質量部が好ましい。
消石灰のメジアン径は、1〜7μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。例えば、メジアン径はレーザー回折式粒度分布測定機により測定できる。消石灰は、例えば市販品を使用することができる。
ケイ酸アルカリ金属塩
本発明では、ケイ酸アルカリ金属塩を使用する。ケイ酸アルカリ金属塩は、ゲルタイムの調整と初期強度発現を付与するものである。
本発明の地盤注入用水硬性セメント組成物において、ケイ酸アルカリ金属塩は、下記の一般式(I)におけるモル比nが2.5以上のケイ酸アルカリ金属塩である。
O・nSiO(R:アルカリ金属) (I)
ケイ酸アルカリ金属塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムなどがある。この中でもケイ酸ナトリウムが供給の安定性および価格の面から最も好適である。また、ケイ酸アルカリ金属塩の形態としては、水溶液と粉末があるが、水溶液の方が市販品の種類も多く、作業性が良い理由から、薬液注入材に使用する場合は水溶液が主流である。
モル比nについて、2.5未満では1分以上ゲル化しない。よってモル比nは、2.5以上である必要があり、2.5〜4.2が好ましく、ゲルタイムと強度の観点から3.0〜4.2がより好ましい。また、モル比nが3.5以上になるとケイ酸アルカリ金属塩中のアルカリ量が減少し環境への負荷も低減される。
また、ケイ酸アルカリ金属塩の含有量は、浸透性の観点から、高炉スラグ微粉末と分級セメントの合計100質量部に対して固形分換算で10〜40質量部が好ましく、固形分換算で12〜35質量部がより好ましい。
その他の成分
なお、本発明の地盤注入用薬液には、公知のセメント混和剤(材)を本来の性能に悪影響を与えない範囲で併用することができる。公知のセメント混和剤(材)としては、例えば、AE剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、凝結遅延剤、早強剤、消泡剤、増粘剤、防水剤(材)、膨張剤(材)、急硬材、収縮低減剤(材)、防錆剤、セメント混和用ポリマーエマルジョン、及び粘土鉱物等が挙げられる。
本発明の地盤注入用薬液は、水を加えてミルク状にして施工する。
加える水の量が多くなるほど浸透性が良くなるが材料分離が助長され、圧送ホース内で閉塞するおそれがあり、少なければ、セメントミルクの粘度が大きくなりすぎて浸透性を阻害するおそれがある。使用する水の最適範囲は、高炉スラグ微粉末、分級セメント、及びポリアクリル酸系分散剤の合計100質量部に対して、400〜1,500質量部が好ましく、400〜1,200質量部がより好ましい。
≪本発明の地盤注入用薬液を地盤内に注入する地盤改良方法≫
本発明の地盤改良工法は、注入箇所としては、軟弱な地盤の改良であれば特に限定されるものではなく、例えば、港湾、護岸、空港等の構造物、地盤の悪い都市部や山間部等の各種構造物が立地している地盤に適用でき、止水や遮水グラウト、ヒービング防止グラウト、沈下防止グラウト、ブロー防止グラウト、土圧軽減グラウト、支持力増加グラウト、吸出し防止グラウトなどを目的として使用できる。浸透性が良好であるため、礫を含むような砂質土地盤への適用も可能であり、液状化防止対策としても有効に機能する。特に、礫質地盤又は粗砂地盤に注入する場合、地下水や海水の動きがあっても薬液の逸流や希釈を防止しつつ注入することができるので、上記現場での使用が好ましい。また、本発明の地盤注入用薬液は、パッカー材として地盤に注入することでパッカーを形成することも可能である。この場合、さらに緩結性地盤注入用薬液(本液)を地盤に注入する際に注入範囲以外への逸脱を防ぐことができる。
本発明において、施工方法は特に限定されるものではなく、通常の薬液注入で使用している施工設備を用いることができ、通常実施している注入設計と施工方法に準拠すればよい。例えば、ミキサーで調製した懸濁溶液をポンプでホースを介して圧送し、地中に配置したロッドを介して注入材を注入する方法が挙げられる。その際に使用するロッドは特に限定されるものではないが、単管ロッド、単管ストレーナロッド、二重管ロッド、二重管のダブルパッカー方式ロッドなどが使用できる。
本発明の地盤注入用薬液は、基本的には2ショットで注入を行なうが、地盤の状態や目的に応じて、1.5ショット方式で施工することもできる。
本発明の地盤注入用薬液は、特定の成分を特定量含有するため、ゲルタイムが短く(1分以下)、充分な強度を発現させ、長期耐久性、地盤への浸透性に優れた地盤注入用薬液を提供することができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1〜19及び比較例1〜12
高炉スラグ微粉末、分級セメント、ポリアクリル酸系分散剤および消石灰を水に懸濁させた液をA液(500L)とし、珪酸ソーダ及び水を含有する液をB液(500L)とした。
上記A液中の高炉スラグ微粉末は、ブレーン値10,500cm2/g、メジアン径3.6μmの市販品を使用した。分級セメントは、普通ポルトランドセメントを分級した分級セメント(ブレーン値9,700cm2/g、メジアン径4.1μm、炭酸カルシウム含有量11.3質量%)を使用した。ポリアクリル酸系分散剤は、市販のポリアクリル酸系分散剤(メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート系、一般式(II)において、Rはメチル基、ROは炭素数2のオキシエチレン基、Rはメチル基、m=23、質量平均分子量は42,000。質量平均分子量はGPC法(標準物質:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム/水系)により測定した。)を使用した。消石灰は,メジアン径3.4μmの市販品を使用した。
また、上記B液中の珪酸ソーダにおけるモル比、SiO(質量%)、NaO(質量%)及び比重については、以下の表1に示す。
A液(500L)及びB液(500L)の各成分の質量又は体積、並びに使用した珪酸ソーダのモル比を以下の表2に示す。
Figure 2013159697
評価試験(ゲルタイム測定)
液温を20℃に調整したA、B両液の混合物(本発明の地盤注入用薬液)についてゲルタイムを測定した。
ゲルタイムについては、以下のようにカップ倒立法を用いて測定した。
[1] まず、A液(セメント懸濁液)250ml、及びB液(珪酸ソーダ液)250mlをそれぞれ別のビーカーに秤取る。
[2] A液をB液に速やかに流し入れる。直ちに空いたA液のビーカーに全量を速やかに入れ、次に空いたB液のビーカーに全量を流し入れる。
[3] 上記[2]の操作を速やかに繰り返し、A液をB液に全量投入した時点から、液が流動しなくなった時点までをゲルタイムとする。
なお各材料の温度は、恒温槽などで一定温度(今回試験は20℃)に調整し、取り出し後速やかに試験を行う。屋外等で温度調整ができない場合は、測定時の温度を記録する。実施例1〜19及び比較例1〜12の地盤注入用薬液の上記試験によって測定されたゲルタイムについて、以下の表2に示す。
評価試験(圧縮強度測定)
液温を20℃に調整した実施例9〜12及び比較例11〜12のA、B両液の混合物をゲル化前に、直径50mm、高さ100mmの一端を密閉したアクリルパイプモールドの中に流し入れ、速やかにもう一端を密閉した。作製した供試体を恒温に保たれた室内に7日間養生後、モールドから取り出し、一軸圧縮強度試験機を用いて圧縮強度を測定した。
実施例9〜12及び比較例11〜12の地盤注入用薬液の上記試験によって測定されたゲルタイム及び圧縮強度について、以下の表2に示す。
Figure 2013159697

Claims (5)

  1. 高炉スラグ微粉末、分級セメント、ポリアクリル酸系分散剤、消石灰及びケイ酸アルカリ金属塩を含有する地盤注入用薬液であって、
    (1)前記ポリアクリル酸系分散剤の含有量が、前記高炉スラグ微粉末及び前記分級セメントの合計100質量部に対して0.1〜3質量部であり、
    (2)前記消石灰の含有量が、前記高炉スラグ微粉末及び前記分級セメントの合計100質量部に対して15〜35質量部であり、
    (3)前記ケイ酸アルカリ金属塩は、下記の一般式(I):
    O・nSiO(R:アルカリ金属) (I)
    (式中、モル比nは2.5以上を示す)で表される、
    地盤注入用薬液。
  2. 前記ポリアクリル酸系分散剤が下記一般式(II):
    CH=C(R)COO(RO) (II)
    (式中、Rは水素原子又はメチル基、ROは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、mは5〜40の整数、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
    の単量体を含む共重合体である、請求項1に記載の地盤注入用薬液。
  3. 前記高炉スラグ微粉末及び前記分級セメントは、いずれも、
    ブレーン比表面積値が7,000〜16,000cm2/gであり、
    メジアン径が1〜7μmである、
    請求項1又は2に記載の地盤注入用薬液。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の地盤注入用薬液を地盤内に注入する、地盤改良工法。
  5. 礫質地盤又は粗砂地盤の地盤改良又は液状化防止のために用いる、請求項4に記載の地盤改良工法。
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