JP2013159603A - 皮膚美白作用を有するアントシアニン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 副作用が弱く、優れた皮膚美白作用を有するアントシアニン誘導体の製造方法を提供する。
【解決手段】 皮膚美白作用を有するアントシアニン誘導体とはアントシアニンとトリペプチドがエステル結合した誘導体である。このアントシアニン誘導体はチロシナーゼ阻害作用を呈することによりメラニンの産生を抑制し、かつ、水酸基による抗酸化作用により美白作用を発揮する。この製造方法はブルーポピー花粉砕物及び米糠の粉砕物にベニコウジ菌を添加して発酵させた発酵物をアルカリ還元処理される。ブルーポピーは青色の花であり、食用や民間薬として利用される。ブルーポピー花粉砕物及び米糠をベニコウジ菌で発酵させることにより、アントシアニンとトリペプチドがエステル結合され、還元処理されることにより安定に維持される。トリペプチドはアルギニン、チロシン、リジンよりなる。
【選択図】 なし
【解決手段】 皮膚美白作用を有するアントシアニン誘導体とはアントシアニンとトリペプチドがエステル結合した誘導体である。このアントシアニン誘導体はチロシナーゼ阻害作用を呈することによりメラニンの産生を抑制し、かつ、水酸基による抗酸化作用により美白作用を発揮する。この製造方法はブルーポピー花粉砕物及び米糠の粉砕物にベニコウジ菌を添加して発酵させた発酵物をアルカリ還元処理される。ブルーポピーは青色の花であり、食用や民間薬として利用される。ブルーポピー花粉砕物及び米糠をベニコウジ菌で発酵させることにより、アントシアニンとトリペプチドがエステル結合され、還元処理されることにより安定に維持される。トリペプチドはアルギニン、チロシン、リジンよりなる。
【選択図】 なし
Description
この発明は、皮膚美白作用を有するアントシアニン誘導体の製造方法に関するものである。
皮膚の色黒の原因の一つとして日焼けやシミや皮膚がんがある。このうち、シミは皮膚のチロシナーゼが活性化されてチロシンがメラニンに変化することが原因であり、美容と健康においてシミの改善が求められている。
紫外線による色黒は肌の健康状態を損ねて皮膚癌に進展するおそれがあり、シミの生成を防止することは、健康を維持するためにも必要であり、種々の美白作用を有する化粧品や健康補助食品が美白作用を追及して開発されている。
美白作用を訴求した化粧品原料としてビタミンC、ビタミンE、トコトリエノール、過酸化水素、カテコール、アルブチンなどの抗酸化作用が優れた素材がある。一方、メラニンの生成を促進するチロシナーゼという酵素を阻害することにより、メラニン産生を抑制する物質が存在する。両者のうち、チロシナーゼ阻害作用を有する物質の方がメラニン産生を直接、抑制することから、より効果的である。
チロシナーゼ産生を阻害する物質と美白作用に関する発明が認められる。たとえば、バクチオールを有効成分として含有することを特徴とする化粧料がある(例えば、特許文献1参照。)。しかし、このバクチオールはウシ骨の脂質由来であり、狂牛病の危険性から安全性に問題がある。
サウスレアラニセプスに属する植物の地上部からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするチロシナーゼ阻害剤に関する発明がある(例えば、特許文献2参照。)。しかし、その有効成分については、特定されておらず、構造も同定されていない。
水、親水性有機溶媒またはこれらの混合物によりタマリンドハスクを抽出処理して得られた抽出物を有効成分とするチロシナーゼ阻害剤に関する発明がある(例えば、特許文献3参照。)。同様に、その有効成分については、特定されておらず、構造も同定されていない。
スピロ化合物を含有することを特徴とするチロシナーゼ阻害剤に関する発明がある(例えば、特許文献4参照。)。しかし、化学合成された化合物であり、副作用もあり、産業上化粧品としては、その利用が限定される。
チロシナーゼ阻害剤、美白化粧品および変色防止剤に関する発明では、エリカのエキスである。エリカとは、ヒースとも呼ばれるツツジ科の植物であるが、このエキスでは有効成分が特定されておらず、成分の構造も解析されておらず、その働きも軽度である。
このように、植物由来のエキスについては、その作用が明確ではなく、有用成分が同定されておらず、その働きが軽度である。一方、コロイド硫酸やグルタチオンに代表される硫黄化合物については、その作用が明確ではなく、イオウによる刺激的な臭いがあり、使用が限定されている。
また、産生したメラニンを淡色漂白化するものとして、アスコルビン酸類、過酸化水素、ハイドロキノン、カテコール等が用いられてきた。
アスコルビン酸は酸化されやすく、変色して品質に問題がある。また、過酸化水素水は安定性に乏しく、使用上の安全性に問題がある。
グルタチオンおよびコロイド硫黄は変色や変性を起こしやすい点で問題がある。ハイドロキノンおよびカテコール類は皮膚刺激性やアレルギー性などの使用上の安全性に問題がある。これらの美白成分を化粧料等の製品に使用することは制限されており、未だ充分に満足できる美白成分やエキスは得られていない。
グルタチオンおよびコロイド硫黄は、変性し変色しやすい点で問題がある。ハイドロキノンおよびカテコール類は皮膚刺激性やアレルギー性などの使用上の安全性に問題がある。
一方、天然由来の皮膚美白作用物質についてその安全性は高いものの、その効果が軽度であるという問題がある。
そこで、副作用が弱く、抗炎症効果の優れた皮膚美白作用を呈する天然物由来物質が望まれている。
この発明は上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、副作用が弱く、優れた皮膚美白作用を呈するアントシアニン誘導体を提供することである。
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の製造方法によれば、効率良くアントシアニン誘導体を製造することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
ブルーポピー花粉砕物及び米糠の粉砕物にベニコウジ菌を添加して発酵させた発酵物をアルカリ還元処理して得られる皮膚美白作用を有するアントシアニン誘導体について説明する。
そもそも、アントシアニンとはポリフェノールの一種であり、抗酸化力や抗菌作用に優れている色素である。
特に、紫外線に対する防御作用に優れている。
アントシアニンには水酸基の数と結合部位によりペラルゴジニン、シアニジン、デルフィニジンなど数種が存在しているが、共通して水酸基を複数有しており、この水酸基により抗酸化作用を発揮する。
ブルーポピーの花は紫色を呈し、ペラルゴジニン、シアニジン、デルフィニジンが存在している。
ここでいうアントシアニン誘導体とはアントシアニンとトリペプチドの結合体である。
トリペプチドはC末端からLアルギニン、Lチロシン、Lリジンがペプチド結合したものである。N末端はLリジンである。
このトリペプチドのアルギニンのカルボキシル基がアントシアニンの水酸基とエステル結合している。
一般にアントシアニンは水溶性が低いため、皮膚や腸管への浸透性は低い。
一方、このアントシアニン誘導体は水溶性が高いため、皮膚や腸管に浸透しやすいという特徴を有することから好ましい。
美白作用はチロシナーゼ阻害作用と密接な関係にある。すなわち、メラニンはアミノ酸であるチロシンがチロシナーゼにより産生されるため、チロシナーゼ阻害作用がある場合、メラニンの産生が減少する。
ここでいうアントシアニン誘導体は水酸基を豊富に含み、かつ、トリペプチド部分が水酸基とともに、チロシナーゼの活性中心に働き、チロシナーゼを抑制する。
また、様々な酸化物質や有害反応を防止でき、その構造が安定性を保たれ、皮膚の基底層まで浸透し、皮膚美白作用が持続されることから好ましい。
前記のアントシアニン誘導体は過剰に摂取され、吸収された場合、その過剰量は血中のエステラーゼにより分解されてアントシアニンとアミノ酸に分解され、それぞれの物質はすでに安全性が確認されていることから、アントシアニン誘導体の安全性は高い。
ここで目的とするアントシアニン誘導体は、ブルーポピー花粉砕物及び米糠の粉砕物にベニコウジ菌を添加して発酵させた発酵物をアルカリ還元処理して得られる。
ブルーポピーとは学名Papaveraceae Meconopsisであり、ヒマラヤ原産のケシ科の植物であり、青い花を咲かせる。日本でも長野県や北海道で栽培されており、花や種子は菓子などに利用されており、食経験も豊富である。
ヒマラヤや中国でも薬膳料理や民間薬としても利用されている。
まず、ブルーポピーの花は粉砕される。粉砕工程には、粉砕機として株式会社奈良機械製作所製の自由ミル、スーパー自由ミル、サンプルミル、ゴブリン、スーパークリーンミル、マイクロス、減圧乾燥機として東洋理工製の小型減圧乾燥機、株式会社マツイ製の小型減圧伝熱式乾燥機DPTH−40、エーキューエム九州テクノス株式会社製のクリーンドライVD−7、VD−20などが用いられる。
用いる米糠は、日本産、中国産、アメリカ産、ブラジル産のいずれの産地のものでも、用いられる。
また、遺伝子組み換え体も、用いることはできる。この米糠も前述の粉砕機により粉砕することは、発酵を効率的に実施できる点から好ましい。
ここでいうベニコウジ菌とは、トウフヨウなど食品の加工用に用いられる麹菌の一種である。納豆素本舗製のベニコウジ菌は発酵に適していることから、好ましい。
前記の発酵に関するそれぞれの添加量は、ブルーポピー花の粉砕物1重量に対して、米糠の粉砕物は1〜3重量が好ましく、ベニコウジ菌は0.001〜0.04重量が好ましい。また、前記の発酵は清浄な培養用タンクで実施され、水道水や精製水により前記の材料を事前に混合することは好ましい。
この発酵は、38〜53℃に加温され、発酵は20〜70時間行われる。発酵後に、以下のアルカリ還元を効率良く実施するために、水道水で希釈される。
この発酵工程により、ブルーポピーの花のアントシアニンとペプチドがベニコウジ菌のエステル交換酵素によりエステル結合される。
得られた発酵液は、アルカリ還元される。アルカリ還元の工程では、アルカリ還元装置やアルカリ還元整水器により実施される。たとえば、ゼマイティス製のアルカリ還元水・強酸化水連続生成器「プロテックATX−501」、エヌアイシー製のアルカリ還元水製造装置「テクノスーパー502」、マルタカ製「ミネリア・CE−212」、クレッセント製「アキュラブルー」、株式会社日本鉱泉研究所製「ミネラル還元整水器「元気の水」」などの装置が好ましい。これらの装置により発酵物はアルカリ還元される。
このアルカリ還元工程により、アントシアニンとトリペプチドの結合が還元されると同時に、水酸基が還元されてこの誘導体は安定される。
目的とするアントシアニン誘導体は、液体として得られる。アントシアニン誘導体を以下に記載した植物油やエタノール、ヘキサン、クロロホルム、ブチレングリコールなどの脂溶性の高い溶媒により抽出することができる。
植物油としては、ヤシ油、パーム油、米糠油、オリーブ油、ナタネ油、コメ油、胚芽油、コーン油、ベニバナ油、アマニ油、アーモンド油、ゴマ油、カカオ油、キャノーラ油、グレープシード油、エゴマ油、小麦胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シソ油、茶油、ツキミソウ油、パンプキンシード油、ピーナッツ油、ブドウ油、ヘーゼルナッツ油、綿実油、落花生油が用いられる。
抽出する場合、攪拌による抽出が好ましく、攪拌温度は18〜40℃が好ましく、攪拌時間は1〜6時間が好ましい。
前記の攪拌後、上層に分離した溶媒の層を採取し、その水分を除去することは好ましい。水分を除去するために、東洋技研製TGD−250LF2などの乾燥機が用いられる。
分離されたアントシアニン誘導体は、体内に吸収された後、過剰量は、エステラーゼなどの消化酵素により分解され、さらに、肝臓において代謝されることから、安全性も高く、副作用も少ない。
前記のアルカリ還元物から、目的とするアントシアニン誘導体を分離し、精製することは純度の高い物質として摂取量を減少させることができる点から好ましい。この精製の方法としては、分離用の樹脂などの精製操作を利用することが好ましい。
分離用担体又は樹脂としては、表面がコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。適切な分離用溶媒により分離し、精製され、有機溶媒を除去して目的とするアントシアニン誘導体を得ることは好ましい。
分離用溶媒としてはメタノール、エタノール、クロロホルム、ヘキサン、酢酸エチル、ベンゼン、エーテルなどが用いられ、このうち、食品加工用エタノール又は含水エタノールはその利用範囲が高いことから好ましい。
このようにして得られたアントシアニン誘導体は、液体又は粉末として得られる。
得られたアントシアニン誘導体は医薬品、食品製剤、化粧品、衛生用具、衣類や繊維などに利用される。
医薬品としては、皮膚美白作用を目的とした美白化粧剤、皮膚がん抑制剤、局所のシミ改善用医薬品などに利用される。また、動物に用いる獣医用の医薬品やペットに用いる医薬品としても美白作用を目的とした医薬品として利用される。
食品製剤としての利用する場合は、シミ改善や美白用の食品やサプリメント、ドリンクなどに使用される。
前記の化粧品としては、皮膚美白作用に起因するシミやソバカスの改善と予防を目的として美白用化粧品、医薬部外品やマッサージオイルとして利用される。
以下、前記実施形態を実施例及び試験例を用いて具体的に説明する。なお、以下の説明は例であり、形態を変化させて実施することができる。
まず、発酵により得られるアントシアニン誘導体の製造方法について説明する。
長野県で栽培されたブルーポピーの花を原料として用いた。まず、ブルーポピーの花を採取し、水洗後、乾燥させた。これを粉砕機(中山技術研究所製DM−6)にて粉砕した。
このブルーポピー花粉砕物1kgを清浄な発酵用タンクに入れ、水道水2Lを添加した。一方、富山産の米糠を水洗後、90分間、39℃に加温して、粉砕し、米糠粉砕物2kgを得た。この米糠粉砕物の1kgを前記の発酵用タンクに入れた。
これに、納豆素本舗製のベニコウジ菌16gを添加した。41℃の温度で、攪拌しながら、24時間発酵した。
発酵が終了したタンクに、水道水1Lを添加した。これを発酵物とした。
珪藻土を敷いたろ過器にこの発酵液を供してろ過した。得られたろ過液をセルラキッス(株式会社ゼノン製)に供し、アルカリ還元装置(ゼマイティス製のアルカリ還元水・強酸化水連続生成器「プロテックATX−501」)に供してアルカリ還元化させた。
こうして得られたアルカリ還元物を日本エフディ製の凍結乾燥機に供し、目的とするアントシアニン誘導体を粉末として561g得た。これを検体1とした。
以下に、アントシアニン誘導体の精製物について説明する。
実施例1で得られたアントシアニン誘導体の100gをエタノール200mLに懸濁し、三菱化学製ダイヤイオンの560gを充填したカラムに供した。これを5%エタノール含有水1000mLで洗浄した。さらに10%エタノール含有水1000mLで洗浄後、50%エタノール含有水300mLで溶出し、次いで80%エタノール含有水を2L流してこの分画を採取した。
この分画を減圧乾燥機に供してエタノールと水を留去した後、日本エフディ製の凍結乾燥機によりアントシアニン誘導体の精製物10gを得た。これを実施例2の検体とした。
以下に、アントシアニン誘導体の同定試験について説明する。
(試験例1)
(試験例1)
上記のように得られた実施例2で得られたアントシアニン誘導体を精製エタノールに溶解し、質量分析器付き高速液体クロマトグラフィ(HPLC、島津製作所)で分析し、さらに、核磁気共鳴装置(NMR、ブルカー製、AC−250)で解析した。
その結果、実施例2の検体からは、アントシアニン誘導体としてアントシアニンとシアニジンが検出され、また、ペプチドも検出された。
また、HPLCを用いた同定試験より、実施例1の検体1についても、前記と同様のアントシアニン誘導体が検出された。
以下に、アントシアニン誘導体のチロシナーゼ阻害作用の試験について説明する。
(試験例2)
チロシン溶液(0.05%濃度)に前記の検体を溶解した試料溶液0.5mlとチロシナーゼ溶液(シグマ社製チロシナーゼ)の濃度60マイクロg/ml溶液〕0.7mlおよびリン酸緩衝液(pH6.8)1.8mlを混合した。
チロシン溶液(0.05%濃度)に前記の検体を溶解した試料溶液0.5mlとチロシナーゼ溶液(シグマ社製チロシナーゼ)の濃度60マイクロg/ml溶液〕0.7mlおよびリン酸緩衝液(pH6.8)1.8mlを混合した。
これを37℃で1時間反応させ、475nmにおける吸光度A1を測定した。吸光度A1は、チロシンから生成したメラニンの濃度に比例した。
検体無添加の場合についても同様に操作して、475nmにおける吸光度A0を測定した。
[チロシナーゼ阻害作用(%)=(1−A1/A0)×100]という計算式により、チロシナーゼ阻害作用を算出した。
検体溶液の濃度を段階的に変更して阻害作用を測定し、阻害率が50%を示す検体濃度(IC50値)を最小二乗法により求めた。
対照物質として、既存のチロシナーゼ阻害物質であるアルブチン、バクチオール、ビタミンC、過酸化水素、ハイドロキノン、カテコール、ヒースエキスを用いた。
その結果、実施例1で得られたアントシアニン誘導体のIC50値は、0.13マイクロg/mlであった。また、実施例2で得られたアントシアニン誘導体のIC50値は、0.04マイクロg/mlであった。
一方、アルブチンのIC50値は7.3マイクロg/ml、バクチオールのIC50値は14.6マイクロg/ml、ビタミンCのIC50値は43.8マイクロg/ml、過酸化水素のIC50値は13.9マイクロg/ml、ハイドロキノンのIC50値は5.8マイクロg/ml、カテコールのIC50値は5.5マイクロg/ml、ヒースエキスのIC50値は56.4マイクロg/mlであった。
これらの結果から、実施例1で得られたアントシアニン誘導体はビタミンCの100倍程度、また、実施例2で得られたアントシアニン誘導体は、ビタミンCの1000倍以上の著しいチロシナーゼ阻害作用を呈した。
以下に、アントシアニン誘導体からなる化粧品の実施例について説明する。
清浄な化粧品用ステンレス製混合機にモノステアリン酸ポリエチレングリコール8g、親油型モノステアリン酸グリセリン22g、馬油エステル28g及びオレイン酸33gを加熱し、懸濁した。
得られた溶液に、実施例1で得られた検体1の10g及び精製水90gを添加した。これらを分散した後、冷却して化粧品として乳液を得た。これを実施例3の検体3とした。対照の化粧品として実施例1で得られた検体1の粉末のみを除外した乳液を調製した。
また、ビタミンCの10g及び精製水90gを添加し、ビタミンC含有の対照化粧品を得た。これを比較例とした。
以下に、化粧品の効果及び副作用について評価した試験例を示す。
(試験例3)
(試験例3)
23〜55才の健常女性の19人の半数ずつに、実施例3又はビタミンC含有の比較例の乳液5gを顔面右半分に、14日間塗布した。顔面左半分には実施例1の検体1を除外した乳液を塗布した。
塗布前及び塗布14日に、顔面左右それぞれのシミ量をコスメティック用全顔撮影装置
(フェイシャルステージ)DM−3を用いて計数した。
(フェイシャルステージ)DM−3を用いて計数した。
その結果、実施例3のアントシアニン誘導体含有化粧品を塗布した顔面右半分のシミ量は塗布前の33%であり、シミの減少が認められた。一方、対照の左半分は塗布前に比して102%であった。
また、ビタミンC含有化粧品の比較例では塗布前に比して88%にシミが減少していた。一方、対照の左半分は塗布前に比して108%であった。
この結果、アントシアニン誘導体を含有する化粧品はビタミンCの比し、約3倍強いシミ防止作用を呈した。ビタミンCは医薬品としても、利用される美白作用を有することから、アントシアニン誘導体は著しいシミ防止作用を呈することが結論された。
また、アントシアニン誘導体含有化粧品の使用感は良好であり、副作用は全く認められず、この化粧品の安全性が確認された。
本発明である皮膚美白作用を有するアントシアニン誘導体は、シミやソバカスの防止及び改善に適しており、かつ、副作用は少ないことから、美容業界の発達に寄与するものである。
また、本発明である皮膚美白作用を有するアントシアニン誘導体は、美しい肌を求める人々の生活の質を向上するものである。
さらに、ブルーポピーは日本国内で栽培されていることから、農業資源の有効利用を促進し、廃棄物の量を減少させ、かつ、農業の発展に貢献するものである。
Claims (1)
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