JP2013159276A - 車両のスラローム走行判定装置、及び、この車両のスラローム走行判定装置を備えた車両の制御装置 - Google Patents

車両のスラローム走行判定装置、及び、この車両のスラローム走行判定装置を備えた車両の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スラローム走行を精度良く判定して、スラローム走行をしている場合には車両の運動性能を適切に向上させ、また、スラローム走行を行っていない場合には車載の様々な制御装置により車両の安全性、走行安定性を十分に確保する。
【解決手段】ドライバによる少なくとも急操舵による旋回運転状態を検出し、該旋回運転状態を検出した後、前回の旋回運転状態から設定時間内に前回の旋回運転状態の際の操舵方向とは逆の操舵方向に、旋回運転状態が3回以上連続して検出された場合にスラローム走行状態と判定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両のスラローム走行を判定し、その結果を用いて車載の様々な制御装置を適切に動作させる車両のスラローム走行判定装置、及び、この車両のスラローム走行判定装置を備えた車両の制御装置に関する。
近年、車両においては、車両の安全性、走行安定性を確保するための様々な制御装置(例えば、横すべり防止装置、トラクション制御装置等)が搭載され、安全意識が高まる中、車両安定化制御のタイミングの早期化、介入量の増加などが進んでいる。但し、レーンチェンジや危険回避と似た操舵を行うスラローム走行においても同様に、これらの制御装置が介入し、車速の低下、回頭性の低下が生じ、車両運動性が損なわれるという問題がある。このため、例えば、特開2009−61977号公報(以下、特許文献1)では、車両の操舵状態がスラローム状態であると判定されると、パワーステアリング機構により出力されるアシスト力を増加して操舵の連続切り返し時のアシスト力の適正化を図る操舵装置の技術が開示されている。この特許文献1によるスラローム判定では、操舵角速度の絶対値が閾値以上の場合、操舵ハンドルは、中立位置へ向けて切り戻し操舵されつつあり、中立位置付近であるにもかかわらず、素早く切り戻し操舵されているので操舵状態がスラローム状態であると判定するようになっている。
特開2009−61977号公報
しかしながら、上述の特許文献1に開示されているスラローム判定では、単に、操舵の中立位置付近での素早い切り戻り操舵をスラローム走行と判定してしまうため、ドライバが危険回避のために行った操舵か、或いは、進路転換を連続して素早く行うスラローム走行のための操舵かの区別をすることができない。このような場合に、スラローム走行と判定して、車両運動性を向上させるように車載の様々な制御装置の特性を変更してしまうと危険回避に対応する制御が不十分となってしまう虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、スラローム走行を精度良く判定して、スラローム走行をしている場合には車両の運動性能を適切に向上させ、また、スラローム走行を行っていない場合には車載の様々な制御装置により車両の安全性、走行安定性を十分に確保することができる車両のスラローム走行判定装置、及び、この車両のスラローム走行判定装置を備えた車両の制御装置を提供することを目的としている。
本発明の車両のスラローム走行判定装置の一態様は、ドライバによる少なくとも急操舵による旋回運転状態を検出する旋回運転状態検出手段と、上記旋回運転状態検出手段で上記旋回運転状態を検出した後、前回の旋回運転状態から設定時間内に該前回の旋回運転状態の際の操舵方向とは逆の操舵方向に、上記旋回運転状態が3回以上連続して検出された場合にスラローム走行状態と判定する判定手段とを備えた。また、本発明の車両のスラローム走行判定装置を備えた車両の制御装置の一態様は、上記スラローム走行判定装置で車両が上記スラローム走行状態であると判定した場合は、車載の車両挙動制御手段に車両の安定性を向上させる制御よりも車両の運動性を向上させる制御を優先させる。
本発明による車両のスラローム走行判定装置、及び、この車両のスラローム走行判定装置を備えた車両の制御装置によれば、スラローム走行を精度良く判定して、スラローム走行をしている場合には車両の運動性能を適切に向上させ、また、スラローム走行を行っていない場合には車載の様々な制御装置により車両の安全性、走行安定性を十分に確保することが可能となる。
本発明の実施の第1形態に係る車両の制御装置の構成説明図である。 本発明の実施の第1形態に係るスラローム走行判定プログラムのフローチャートである。 図2から続くフローチャートである。 本発明の実施の第1形態に係る横すべり防止制御のフローチャートである。 本発明の実施の第1形態に係るトラクション制御のフローチャートである。 本発明の実施の第1形態に係るスラローム走行判定時のエンジン特性変更の説明図である。 本発明の実施の第1形態に係るスラローム走行判定時の変速パターン変更の説明図である。 本発明の実施の第1形態に係る左右駆動力配分制御のフローチャートである。 本発明の実施の第1形態に係る前後駆動力配分制御のフローチャートである。 本発明の実施の第1形態に係る操舵制御のフローチャートである。 本発明の実施の第1形態に係る基本アシストトルクの設定説明図である。 本発明の実施の第1形態に係るサスペンション制御のフローチャートである。 本発明の実施の第1形態に係る減衰力の設定説明図である。 本発明の実施の第2形態に係るスラローム走行判定プログラムのフローチャートである。 図14から続くフローチャートである。 本発明の実施の第2形態に係る前方に検出される複数のパイロンの一例である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1乃至図13は、本発明の実施の第1形態を示す。
図1において、符号1は車両の制御装置を示し、この車両の制御装置1は、制御ユニット2に横すべり防止装置21、トラクション制御装置22、エンジン制御装置23、変速制御装置24、左右駆動力配分制御装置25、前後駆動力配分制御装置26、操舵制御装置27、サスペンション制御装置28等の車両挙動制御手段が接続されている。
制御ユニット2には、車速センサ11、ハンドル角センサ12、横加速度センサ13、ブレーキスイッチ14等のセンサ、スイッチ類が接続され、これら各センサ、スイッチからの、車速V、ハンドル角θH、横加速度Gy、ブレーキのON−OFF信号を基に、後述のスラローム走行判定プログラムを実行し、車両がスラローム走行中であるか否かを判定し、判定結果を、上述の各制御装置21、22、23、24、25、26、27、28に出力する。すなわち、制御ユニット2は、スラローム走行判定装置としての機能を有して構成されている。
制御ユニット2におけるスラローム走行の判定は、図2、3のスラローム走行判定プログラムに示すように、まず、ステップ(以下、「S」と略称)101で、必要パラメータ(車速V、ハンドル角θH、横加速度Gy、ブレーキのON−OFF信号)を読み込む。
次に、S102に進み、車速VがVcL以上(V≧VcL)で走行中か否か判定する。そして、V≧VcLである場合はS103に進む。逆に、V<VcLで、車両が停止中、或いは、極低速走行の場合は、プログラムを抜ける。
S102で、車両がV≧VcLで走行中と判定して、S103に進むと、車両が直進走行状態か否か判定する。この判定は、具体的には、例えば、ハンドル角の絶対値|θH|が予め設定した閾値以下で、且つ、横加速度の絶対値|Gy|が予め設定した閾値以下である場合を直進走行状態と判定することにより行う。この判定の結果、車両が直進走行状態と判定した場合はS104に進み、車両が直進走行状態ではないと判定した場合は、プログラムを抜ける。
S103の判定の結果、車両が直進走行状態と判定してS104に進むと、設定時間以内に舵角の入力があったか(例えば、操舵角の絶対値|θH|が所定値以上になったか、或いは、操舵角速度の絶対値|dθH/dt|が所定値以上になったか)判定され、設定時間内に舵角の入力があった場合には、S105に進み、操舵方向を記憶してS106に進む。逆に、設定時間を過ぎても舵角の入力が無い場合には、プログラムを抜ける。
S105で、操舵方向を記憶してS106に進むと、急操舵が行われたか否か判定する。具体的には、操舵角の絶対値|θH|が設定値θHc1以上、且つ、操舵角速度の絶対値|dθH/dt|が設定値ΔθHc1以上の場合を急操舵として判定する。そして、急操舵が行われた場合には、S107に進み、急操舵が行われていない場合には、プログラムを抜ける。
S106で急操舵が行われたと判定されてS107に進むと、横加速度の絶対値|Gy|が予め設定した設定値Gyc1以上(|Gy|≧Gyc1)か否か判定される。この判定の結果、|Gy|≧Gyc1の場合は、車両は高μ路や滑りにくい路面を走行中であると判定してS108へと進む。逆に、|Gy|<Gyc1の場合は、車両は低μ路や滑りやすい路面を走行中であり、車両の安定性を確保するためにドライバがカウンタステア等を行った場合等が考えられ、また、低μ路や滑りやすい路面では安定性を確保する必要が高いと考えられるため、そのままプログラムを抜ける。このように、S107では、横加速度を用いて路面状態を把握する判定となっているが、他に、路面摩擦係数等を推定し、この路面摩擦係数の値を判定に用いるようにしても良い。
S107で、|Gy|≧Gyc1と判定され、S108に進むと、ブレーキスイッチ14がOFF状態か否か判定される。そして、ブレーキスイッチ14がOFF状態の場合は、S109に進み、旋回運転状態カウンタSをインクリメント(S=S+1)してS110に進む。逆に、ブレーキスイッチ14がON状態の時は、ドライバが回避動作をしていると考えられるため、プログラムを抜ける。
S109で、旋回運転状態カウンタSをインクリメントしてS110に進むと、旋回運転状態カウンタSが4以上(S≧4)となったか否か判定される。
この判定の結果、旋回運転状態カウンタSが4未満(S<4)の場合は、未だスラローム走行状態と判定することはできないとして、S111でスラローム走行判定フラグFsを0に設定して(Fs=0)、S113に進む。また、旋回運転状態カウンタSが4以上(S≧4)の場合は、車両がスラローム走行状態と判定して、S112でスラローム走行判定フラグFsを1に設定して(Fs=1)、S113に進む。尚、このスラローム走行判定フラグFsは、適宜、各制御装置21、22、23、24、25、26、27、28により読み込まれる。
S111、或いは、S112でスラローム走行判定フラグFsの設定を行って、S113に進むと、設定時間以内に舵角の入力があったか(例えば、操舵角の絶対値|θH|が所定値以上になったか、或いは、操舵角速度の絶対値|dθH/dt|が所定値以上になったか)判定され、設定時間内に舵角の入力があった場合には、S114に進み、操舵方向を記憶してS115に進む。逆に、設定時間を過ぎても舵角の入力が無い場合には、旋回運転状態が継続されず、スラローム走行とは判断できないため、S119に進んで、旋回運転状態カウンタSをクリア(S=0)してプログラムを抜ける。
S114で、操舵方向を記憶してS115に進むと、前回の操舵方向と今回の操舵方向が異なるか否か判定され、前回の操舵方向と今回の操舵方向が異なる場合は、S116に進む。逆に、前回の操舵方向と今回の操舵方向が同じ場合は、操舵の切り増しであり、スラローム走行ではないと判定できるため、S119に進んで、旋回運転状態カウンタSをクリア(S=0)してプログラムを抜ける。
S115で、前回の操舵方向と今回の操舵方向が異なると判定されてS116に進むと、急操舵が行われたか否か判定する。具体的には、操舵角の絶対値|θH|が設定値θHc1以上、且つ、操舵角速度の絶対値|dθH/dt|が設定値ΔθHc1以上の場合を急操舵として判定する。そして、急操舵が行われた場合には、S117に進み、急操舵が行われていない場合には、S119に進んで、旋回運転状態カウンタSをクリア(S=0)してプログラムを抜ける。
S116で急操舵が行われたと判定されてS117に進むと、横加速度の絶対値|Gy|が予め設定した設定値Gyc1以上(|Gy|≧Gyc1)か否か判定される。この判定の結果、|Gy|≧Gyc1の場合は、車両は高μ路や滑りにくい路面を走行中であると判定してS118へと進む。逆に、|Gy|<Gyc1の場合は、車両は低μ路や滑りやすい路面を走行中であり、車両の安定性を確保するためにドライバがカウンタステア等を行った場合等が考えられ、また、低μ路や滑りやすい路面では安定性を確保する必要が高いと考えられるため、S119に進んで、旋回運転状態カウンタSをクリア(S=0)してプログラムを抜ける。このように、S117では、横加速度を用いて路面状態を把握する判定となっているが、他に、路面摩擦係数等を推定し、この路面摩擦係数の値を判定に用いるようにしても良い。
S117で、|Gy|≧Gyc1と判定され、S118に進むと、ブレーキスイッチ14がOFF状態か否か判定される。そして、ブレーキスイッチ14がOFF状態の場合は、S109に進み、旋回運転状態カウンタSをインクリメント(S=S+1)してS110に進む。逆に、ブレーキスイッチ14がON状態の時は、ドライバが回避動作をしていると考えられるため、S119に進んで、旋回運転状態カウンタSをクリア(S=0)してプログラムを抜ける。
すなわち、旋回運転状態が1回だけ(S=1)の場合、単に、前方障害物を回避しようとして、或いは、レーンチェンジしようとして旋回運動する場合等が含まれてスラローム走行とは判定できない。また、旋回運転状態が2回(S=2)の場合、回避操舵、レーンチェンジから元の進行方向に車体を戻そうとして転舵した場合等が含まれてスラローム走行とは判定できない。更に、旋回運転状態が3回(S=3)の場合も、回避操舵、レーンチェンジから車体が元の進行方向に戻り、修正操舵を行った場合等が含まれてスラローム走行とは判定できない。3回目の旋回運転状態までには車両挙動制御装置が作動して車両の安定性確保が図られると考えられるが、このような旋回運転状態が4回(S=4)以上も連続して実行されるのは、ドライバが意図的にそのような旋回運転を行っているものと考えられる。従って、旋回運転状態を検出した後、前回の旋回運転状態から設定時間内に前回の旋回運転状態の際の操舵方向とは逆の操舵方向に、旋回運転状態が3回以上連続して検出された場合(S=4以上の場合)にスラローム走行状態と判定するのである。このため、本発明の実施の形態1によれば、回避操舵、レーンチェンジ、そして回避操舵、レーンチェンジからの切り戻しと修正操舵を判定して、ドライバの意図に基づくスラローム走行を精度良く判定できるようになっている。
そして、このようにして判定されたスラローム走行の判定結果を用いて、上述の各制御装置21、22、23、24、25、26、27、28は、例えば、以下のような制御を行う。
まず、横すべり防止装置21について説明する。この横すべり防止装置21は、車体の横すべりを検出した場合に、所定の車輪を選択し、制動力を付加することにより車両にヨーモーメントを発生させて車両の横すべりを防止する公知の制御装置である。
この横すべり防止装置21で実行される横すべり防止制御は、その一例として、図4に示すフローチャートのように実行される。
まず、S201で、必要パラメータ(車速V、ハンドル角θH、ヨーレートγ、スラローム走行判定フラグFs)を読み込む。
次に、S202に進み、例えば、以下の(1)式により、目標ヨーレートγtを演算する。
γt=(1/(1+T・s))・Gγδf(0)・(θH/n) …(1)
ここで、Tは時定数、sはラプラス演算子、Gγδf(0)はヨーレート定常ゲイン、nはステアリングギヤ比であり、時定数T、ヨーレート定常ゲインGγδf(0)は、例えば、以下の(2)、(3)式により演算される。
T=(m・Lf・V)/(2・L・CPr) …(2)
Gγδf(0)=1/(1+A0・V)・V/L …(3)
ここで、mは車両質量、Lfは前軸と重心間の距離、Lはホイールベース、CPrはリア等価コーナリングパワーである。また、A0はスタビリティファクタであり、例えば、以下の(4)式により求められる。
A0=(−m・(Lf・CPf−Lr・CPr))
/(2・L・CPf・CPr) …(4)
ここで、CPfはフロント等価コーナリングパワー、Lrは後軸と重心間の距離である。
次いで、S203に進み、以下の(5)式によりヨーレート偏差Δγを演算する。
Δγ=γ−γt …(5)
次に、S204に進み、以下の(6)式により、制御閾値εγを設定する。
εγ=Kγs・εγb …(6)
ここで、εγbは制御閾値の基本値(予め実験・計算等により設定しておいた値)であり、Kγsはスラローム走行判定フラグFsに応じて設定される係数である。尚、この係数Kγsは、スラローム走行判定フラグFsが1の場合(スラローム走行の場合)、1より大きな値に設定され、一方、スラローム走行判定フラグFsが0の場合(スラローム走行ではない場合)、1に設定される。
次いで、S205に進み、ヨーレート偏差の絶対値|Δγ|と制御閾値εγとが比較され、ヨーレート偏差の絶対値|Δγ|が制御閾値εγ以上(|Δγ|≧εγ)の場合は、S206に進み、ハンドル角θHとヨーレート偏差Δγの符号が参照される。
このS206で、ハンドル角θHとヨーレート偏差Δγの符号が同符号の場合は、車両はオーバーステア傾向にあるため、S207に進んで、オーバーステア防止制御が実行される。具体的には、旋回外側前輪にFB=CB・|Δγ|(但し、CBは定数)の制動力を付加してプログラムを抜ける。
逆に、ハンドル角θHとヨーレート偏差Δγの符号が異符号の場合は、車両はアンダーステア傾向にあるため、S208に進んで、アンダーステア防止制御が実行される。具体的には、旋回内側後輪にFB=CB・|Δγ|(但し、CBは定数)の制動力を付加してプログラムを抜ける。
また、上述のS205で、ヨーレート偏差の絶対値|Δγ|が制御閾値εγ未満(|Δγ|<εγ)の場合は、車両はニュートラルステアに近い、或いは、横すべり防止制御を作動させる必要がないと判断してプログラムを抜ける。
このように、本実施の第1形態による横すべり防止制御では、スラローム走行の場合、制御閾値εγが大きな値に設定されて横すべり防止制御が介入し難い方向になる。従って、横すべり防止制御が不必要に作動することなく、ドライバが車両の運動性能を優先した走行が可能となる。
尚、本実施の第1形態の横すべり防止装置は、あくまでも一例であり、例えば、横すべり防止制御が、制御のタイミングが早く、介入量の多い(車両安定性重視)モードと、通常のモードとをドライバが選択できるような場合には、スラローム走行の場合、車両安定性重視モードをキャンセルするような制御であっても良い。また、このような車両安定性重視モードと通常のモードが選択できるような場合、車両安定性重視モードが選択されている場合に、スラローム走行を検出した場合に、そのタイミング、介入量を抑制するようにしても良い。更に、横すべり防止制御に、例えば、予め車両安定性重視モード、通常のモード、制御のタイミングが遅く、介入量が少ない(運動性重視)モードがある場合、スラローム走行の場合には、運動性重視モードを選択させるようにしても良い。
次に、トラクション制御装置22について説明する。このトラクション制御装置22は、各車輪のスリップ率を算出し、そのスリップ率を基に、エンジンのトルクダウン量を設定し、エンジンをトルクダウンして車輪のスリップを防止する公知の制御装置である。
このトラクション制御装置22で実行されるトラクション制御は、その一例として、図5に示すフローチャートのように実行される。
まず、S301で、必要パラメータ(左前輪車輪速ωfl、右前輪車輪速ωfr、左後輪車輪速ωrl、右後輪車輪速ωrr、スラローム走行判定フラグFs)を読み込む。
次に、S302に進み、スリップ率λを、各輪のスリップ率の最大値をとることにより算出する。
λ=MAX((ωfl−ω0)/ωfl・100、((ωfr−ω0)/ωfr・100、
(ωrl−ω0)/ωrl・100、(ωrr−ω0)/ωrr・100)
…(7)
ここで、ω0は4輪車輪速の平均((ωfl+ωfr+ωrl+ωrr)/4)である。
次に、S303に進み、制御閾値ελを、例えば、以下の(8)式により算出する。
ελ=Kλs・ελb …(8)
ここで、ελbは制御閾値の基本値(予め実験・計算等により設定しておいた値)であり、Kλsはスラローム走行判定フラグFsに応じて設定される係数である。尚、この係数Kλsは、スラローム走行判定フラグFsが1の場合(スラローム走行の場合)、1より大きな値に設定され、一方、スラローム走行判定フラグFsが0の場合(スラローム走行ではない場合)、1に設定される。
次いで、S304に進み、スリップ率λと制御閾値ελとが比較され、スリップ率λが制御閾値ελ以上(λ≧ελ)の場合は、S305に進み、車輪のスリップを抑制させるべく、エンジンに対して、予め設定しておいたトルクダウン量を出力してプログラムを抜ける。また、スリップ率λが制御閾値ελ未満(λ<ελ)の場合は、そのままプログラムを抜ける。
このように、本実施の第1形態によるトラクション制御では、スラローム走行の場合、制御閾値ελが大きな値に設定されて車輪のスリップの許容範囲が広くなって、トラクション制御が不必要に作動することなく、ドライバが車両の運動性能を優先した走行が可能となる。尚、車両の特性によっては、スラローム走行の場合に、トラクション制御をOFFにするようにしても良い。
また、ここに例示するトラクション制御は、あくまでも一例であり、他のトラクション制御に対しても本発明が適用できることは云うまでもない。
次に、エンジン制御装置23について説明する。このエンジン制御装置23は、車両のエンジン(図示せず)についての燃料噴射制御、点火時期制御等の主要な制御を行う公知のものである。そして、これらエンジンについての制御に必要な情報に加え、制御ユニット2からスラローム走行判定フラグFsが読み込まれる。
エンジン制御装置23は、図6に示すような、予め設定されているアクセル開度θACCに対するエンジン出力トルクTEGの特性を、同一のアクセル開度θACCであっても、スラローム走行判定フラグFsが1の場合(スラローム走行の場合)、通常(スラローム走行以外の状態)よりも高くなるように変更させてエンジンを制御する。
このように、本実施の第1形態によるエンジン制御では、スラローム走行の場合、エンジン出力トルクTEGが高めに設定されて、より車両運動性が重視された走行ができるようになっている。
次に、変速制御装置24について説明する。この変速制御装置24は、車速V、スロットル開度θth、その他の車両情報に基づいて、自動変速機(図示せず)の変速段を自動設定する、公知の自動変速機の制御装置である。この変速制御装置24は、上述の各情報に加え、制御ユニット2からスラローム走行判定フラグFsを読み込む。そして、車速Vとスロットル開度θthで表される変速パターンが、スラローム走行判定フラグFsが1の場合(スラローム走行の場合)、図7(a)に示すパターンから、図7(b)に示すようなパターンに変更され、車速が上昇していってもシフトアップされるタイミングが遅くされ、より車両運動性が重視された走行ができるようになっている。
次に、左右駆動力配分制御装置25について説明する。この左右駆動力配分制御装置25は、例えば、本出願人が特開2008−30626号公報で開示するような後軸の左右輪間に設けた油圧モータ(図示せず)により左後輪から右後輪、或いは、右後輪から左後輪に駆動トルクを移動自在に構成したもので、左右輪間の駆動力配分を制御するものである。
この左右駆動力配分制御装置25で実行される左右駆動力配分制御は、その一例として、図8に示すフローチャートのように実行される。
まず、S401で、必要パラメータ(左前輪車輪速ωfl、右前輪車輪速ωfr、左後輪車輪速ωrl、右後輪車輪速ωrr、横加速度Gy、アクセル開度θACC、エンジン回転数Ne、ハンドル角θH、ヨーレートγ、スラローム走行判定フラグFs)を読み込む。
次いで、S402に進み、上述の各パラメータからエンジンからの入力トルクを算出し、このエンジン入力トルクに応じた入力トルク感応付加ヨーモーメントM1を、所定の計算や予め設定しておいたマップ等により設定する。また、ハンドル角θH、ヨーレートγ、左前輪車輪速ωfl、右前輪車輪速ωfr、左後輪車輪速ωrl、右後輪車輪速ωrrから、予め設定しておいた計算式による計算、及び、マップ等の参照により、舵角/ヨーレート感応付加ヨーモーメントM2を算出し、これら入力トルク感応付加ヨーモーメントM1と舵角/ヨーレート感応付加ヨーモーメントM2を所定のゲインを乗算して加算し、付加ヨーモーメントMrを算出する。尚、この付加ヨーモーメントMrの算出の具体的な例は、上述の特開2008−30626号公報に示す通りである。
次に、S403に進み、上述の付加ヨーモーメントMrを、例えば、以下の(9)式により補正する。
Mr=Km・Mr …(9)
ここで、Kmはスラローム走行判定フラグFsに応じて設定される係数である。尚、この係数Kmは、スラローム走行判定フラグFsが1の場合(スラローム走行の場合)、1より大きな値に設定され、一方、スラローム走行判定フラグFsが0の場合(スラローム走行ではない場合)、1に設定される。
そして、S404に進み、S403で補正したMrを、予め設定しておいた換算係数を乗算することにより、移動トルクTTVDに換算し、上述の油圧モータの駆動部に出力する。
このように、本実施の第1形態による左右駆動力配分制御では、スラローム走行の場合、付加ヨーモーメントMrが大きな値に設定されて回頭性が向上し、ドライバが車両の運動性能を優先した走行が可能となる。
次に、前後駆動力配分制御装置26について説明する。この前後駆動力配分制御装置26は、例えば、本出願人が特開2008−30626号公報で開示するような前後軸間に設けたセンターディファレンシャル(図示せず)による前後軸間の差動を、トランスファクラッチ(図示せず)により制御することで行うものとなっている。
この前後駆動力配分制御装置26で実行される前後駆動力配分制御は、その一例として、図9に示すフローチャートのように実行される。
まず、S501で、必要パラメータ(左前輪車輪速ωfl、右前輪車輪速ωfr、左後輪車輪速ωrl、右後輪車輪速ωrr、横加速度Gy、アクセル開度θACC、エンジン回転数Ne、ハンドル角θH、ヨーレートγ、スラローム走行判定フラグFs)を読み込む。
次いで、S502に進み、上述の各パラメータからエンジンからの入力トルクを算出し、このエンジン入力トルクに応じた入力トルク感応トランスファクラッチトルクTLSDIを、所定の計算や予め設定しておいたマップ等により設定する。また、ハンドル角θH、ヨーレートγ、左前輪車輪速ωfl、右前輪車輪速ωfr、左後輪車輪速ωrl、右後輪車輪速ωrrから、予め設定しておいた計算式による計算、及び、マップ等の参照により、舵角/ヨーレート感応トランスファクラッチトルクTLSDPを算出し、これら入力トルク感応トランスファクラッチトルクTLSDIと舵角/ヨーレート感応トランスファクラッチトルクTLSDPを加算してトランスファクラッチトルクTLSDを算出する。尚、このトランスファクラッチトルクTLSDの算出の具体的な例は、上述の特開2008−30626号公報に示す通りである。
次に、S503に進み、上述のトランスファクラッチトルクTLSDを、例えば、以下の(10)式により補正する。
TLSD=KLSD・TLSD …(10)
ここで、KLSDはスラローム走行判定フラグFsに応じて設定される係数である。尚、この係数KLSDは、スラローム走行判定フラグFsが1の場合(スラローム走行の場合)、1より小さな値に設定され、一方、スラローム走行判定フラグFsが0の場合(スラローム走行ではない場合)、1に設定される。
そして、S504に進み、S503で補正したTLSDを、上述のトランスファクラッチの駆動部に出力する。
このように、本実施の第1形態による前後駆動力配分制御では、スラローム走行の場合、トランスファクラッチトルクTLSDが小さな値に設定されて回頭性が向上し、ドライバが車両の運動性能を優先した走行が可能となる。
次に、操舵制御装置27について説明する。この操舵制御装置27は、車両の操舵系に設けた電動パワーステアリングモータ(図示せず)によるアシストトルクを制御する、公知の制御装置である。
この操舵制御装置27で実行される操舵制御は、その一例として、図10に示すフローチャートのように実行される。
まず、S601で、必要パラメータ(車速V、操舵トルクTs、スラローム走行判定フラグFs)を読み込む。
次に、S602に進み、予め設定しておいた車速V、操舵トルクTs、基本アシストトルクTbのマップ(図11)を参照して、基本アシストトルクTbを設定する。
次いで、S603に進み、例えば、以下の(11)式によりアシストトルクTAを算出して電動パワーステアリングモータの駆動部に出力する。
TA=KEPS・Tb …(11)
ここで、KEPSはスラローム走行判定フラグFsに応じて設定される係数である。尚、この係数KEPSは、スラローム走行判定フラグFsが1の場合(スラローム走行の場合)、1より大きな値に設定され、一方、スラローム走行判定フラグFsが0の場合(スラローム走行ではない場合)、1に設定される。
このように、本実施の第1形態による操舵制御では、スラローム走行の場合、アシストトルクTAが大きな値に設定され、素早い切り返しに対して、引っ掛かり感が少なくなり、ドライバが車両の運動性能を優先した転舵走行が可能となる。
次に、サスペンション制御装置28について説明する。このサスペンション制御装置28は、車体側と車輪側との間に介在されて減衰力特性が可変自在なショックアブソーバ(図示せず)の減衰力を制御する、公知の制御装置で構成されている。
このサスペンション制御装置28で実行されるサスペンション制御は、その一例として、図12に示すフローチャートのように実行される。
まず、S701で、必要パラメータ(4輪のバネ上上下加速度(dzsfl/dt)、(dzsfr/dt)、(dzsrl/dt)、(dzsrr/dt);(以下、(dzs/dt)で代表する)、4輪のバネ下上下加速度(dzufl/dt)、(dzufr/dt)、(dzurl/dt)、(dzurr/dt);(以下、(dzu/dt)で代表する))
次に、S702に進み、バネ上上下加速度(dzs/dt)を積分計算してバネ上上下速度(dzs/dt)を算出し、バネ下上下加速度(dzu/dt)を積分計算してバネ下上下速度(dzu/dt)を算出する。
次いで、S703に進み、以下の(12)式により、ストローク速度(dST/dt)を演算する。
(dST/dt)=(dzs/dt)−(dzu/dt) …(12)
次に、S704に進み、予め設定しておいたマップ(図13)等を参照して減衰力Faを設定する。
次に、S705に進み、例えば、以下の(13)式により減衰力Faを補正し、S706に進み、S705で補正した減衰力Faを駆動回路に出力する。
Fa=KFA・Fa …(13)
ここで、KFAはスラローム走行判定フラグFsに応じて設定される係数である。尚、この係数KFAは、スラローム走行判定フラグFsが1の場合(スラローム走行の場合)、1より大きな値に設定され、一方、スラローム走行判定フラグFsが0の場合(スラローム走行ではない場合)、1に設定される。
このように、本実施の第1形態によるサスペンション制御では、スラローム走行の場合、アシストトルクTAが大きな値に設定され、車両の剛性が高くなり、ドライバが車両の運動性能を優先した走行が可能となる。
次に、図14乃至図16は、本発明の実施の第2形態を示す。尚、この第2形態は、スラローム走行状態の判定を前方認識装置からの画像情報を基に行うようにしたことが前述の第1形態と異なり、他の構成、作用効果は第1形態と同様であるので、同じ構成には同じ符号を記し、説明は省略する。
すなわち、本第2形態による車両の制御装置1の制御ユニット2には、前述の車速センサ11、ハンドル角センサ12、横加速度センサ13、ブレーキスイッチ14等のセンサ、スイッチ類に加え、前方認識手段としての前方認識装置15が接続されている。
前方認識装置15は、車室内の天井前方に一定の間隔を持って取り付けられ、車外の対象を異なる視点からステレオ撮像し、撮像した画像情報を出力する電荷結合素子(CCD)等の固体撮像素子を用いた左右1組のCCDカメラ(ステレオカメラ:図示せず)から画像情報が入力されるとともに自車速V等が入力される。そして、これらの情報に基づき、前方認識装置15は、ステレオカメラからの画像情報に基づいて自車両前方の立体物データや白線データ等の前方情報を認識する。
ここで、前方認識装置15は、ステレオカメラからの画像情報の処理を、例えば以下のように行う。先ず、ステレオカメラで自車進行方向を撮像した1組のステレオ画像対に対し、対応する位置のずれ量から三角測量の原理によって距離情報を生成する。この距離情報に対して周知のグルーピング処理を行い、グルーピング処理した距離情報を予め設定しておいた三次元的な道路形状データや立体物データ等と比較することにより、白線データ、道路に沿って存在するガードレール、縁石等の側壁データ、立体物データ等を抽出する。そして、抽出した立体物データの中から、三角錐形状の立体物が、前方に所定の間隔で併設されている場合(図16に一例を示す:尚、図中、符号Pcは三角錐形状の立体物(パイロン)である)に、パイロンスラロームで走行すべき進行路として認識して、制御ユニット2に出力する。
尚、本実施の形態では、前方認識装置15は、前方情報の検出を、ステレオカメラからの画像情報を基に、認識するようになっているが、他に、単眼カメラからの画像情報を基に認識するようにしても良い。また、本実施の形態では、三角錐形状の立体物が、前方に所定の間隔で併設されている場合にパイロンスラロームで走行すべき進行路として認識するようになっているが、他の形状の立体物(例えば、円柱状)であっても、前方に所定の間隔で併設されている場合にパイロンスラロームで走行すべき進行路として認識するようにしても良い。
そして、本実施の第2形態による制御ユニット2におけるスラローム走行の判定は、図14、15のスラローム走行判定プログラムに示す如く実行される。まず、S801で、必要パラメータ(前方認識装置15によりパイロンスラロームで走行すべき進行路が認識されているか否かの信号、車速V、ハンドル角θH、横加速度Gy、ブレーキのON−OFF信号)を読み込む。
次に、S802に進み、車速VがVcL以上(V≧VcL)で走行中か否か判定する。そして、V≧VcLである場合はS803に進む。逆に、V<VcLで、車両が停止中、或いは、極低速走行の場合は、プログラムを抜ける。
S802で、車両がV≧VcLで走行中と判定して、S803に進むと、前方認識装置15によりパイロンスラロームで走行すべき進行路が認識されているか否か判定され、パイロンスラロームで走行すべき進行路が認識されている場合は、S804に進み、パイロンスラロームで走行すべき進行路が認識されていない場合は、プログラムを抜ける。
S803でパイロンスラロームで走行すべき進行路が認識されていると判定されてS804に進むと、急操舵が行われたか否か判定する。具体的には、操舵角の絶対値|θH|が設定値θHc1以上、且つ、操舵角速度の絶対値|dθH/dt|が設定値ΔθHc1以上の場合を急操舵として判定する。そして、急操舵が行われた場合には、S805に進み、急操舵が行われていない場合には、プログラムを抜ける。
S804で急操舵が行われたと判定されてS805に進むと、操舵方向、或いは、パイロンの通過方向(自車直前に認識したパイロンが自車両の右側前方で認識された場合は、パイロンの左側通過、逆に、自車両の左側前方で認識された場合は、パイロンの右側通過と認識する)を記憶する。
その後、S806に進み、横加速度の絶対値|Gy|が予め設定した設定値Gyc1以上(|Gy|≧Gyc1)か否か判定される。この判定の結果、|Gy|≧Gyc1の場合は、車両は高μ路や滑りにくい路面を走行中であると判定してS807へと進む。逆に、|Gy|<Gyc1の場合は、車両は低μ路や滑りやすい路面を走行中であり、車両の安定性を確保するためにドライバがカウンタステア等を行った場合等が考えられ、また、低μ路や滑りやすい路面では安定性を確保する必要が高いと考えられるため、そのままプログラムを抜ける。このように、S806では、横加速度を用いて路面状態を把握する判定となっているが、他に、路面摩擦係数等を推定し、この路面摩擦係数の値を判定に用いるようにしても良い。
S806で、|Gy|≧Gyc1と判定され、S807に進むと、ブレーキスイッチ14がOFF状態か否か判定される。そして、ブレーキスイッチ14がOFF状態の場合は、S808に進み、旋回運転状態カウンタSをインクリメント(S=S+1)してS809に進む。逆に、ブレーキスイッチ14がON状態の時は、ドライバが回避動作をしていると考えられるため、プログラムを抜ける。
S808で、旋回運転状態カウンタSをインクリメントしてS809に進むと、旋回運転状態カウンタSが4以上(S≧4)となったか否か判定される。
この判定の結果、旋回運転状態カウンタSが4未満(S<4)の場合は、未だスラローム走行状態と判定することはできないとして、S810でスラローム走行判定フラグFsを0に設定して(Fs=0)、S812に進む。また、旋回運転状態カウンタSが4以上(S≧4)の場合は、車両がスラローム走行状態と判定して、S811でスラローム走行判定フラグFsを1に設定して(Fs=1)、S812に進む。尚、このスラローム走行判定フラグFsは、適宜、各制御装置21、22、23、24、25、26、27、28により読み込まれる。
S810、或いは、S811でスラローム走行判定フラグFsの設定を行って、S812に進むと、設定時間以内に舵角の入力があったか(例えば、操舵角の絶対値|θH|が所定値以上になったか、或いは、操舵角速度の絶対値|dθH/dt|が所定値以上になったか)判定され、設定時間内に舵角の入力があった場合には、S813に進み、操舵方向、或いは、パイロンの通過方向(自車直前に認識したパイロンが自車両の右側前方で認識された場合は、パイロンの左側通過、逆に、自車両の左側前方で認識された場合は、パイロンの右側通過と認識する)を記憶して、S814に進む。逆に、S812で、設定時間を過ぎても舵角の入力が無い場合には、旋回運転状態が継続されず、スラローム走行とは判断できないため、S818に進んで、旋回運転状態カウンタSをクリア(S=0)してプログラムを抜ける。
S813で、操舵方向、或いは、パイロンの通過方向を記憶してS814に進むと、前回の操舵方向と今回の操舵方向が異なるか否か、或いは、前回のパイロンの通過方向と今回のパイロンの通過方向が異なるか否か判定され、前回の操舵方向(パイロンの通過方向)と今回の操舵方向(パイロンの通過方向)が異なる場合は、S815に進む。逆に、前回の操舵方向(パイロンの通過方向)と今回の操舵方向(パイロンの通過方向)が同じ場合は、操舵の切り増しであり、スラローム走行ではないと判定できるため、S818に進んで、旋回運転状態カウンタSをクリア(S=0)してプログラムを抜ける。
S814で、前回の操舵方向(パイロンの通過方向)と今回の操舵方向(パイロンの通過方向)が異なると判定されてS815に進むと、急操舵が行われたか否か判定する。具体的には、操舵角の絶対値|θH|が設定値θHc1以上、且つ、操舵角速度の絶対値|dθH/dt|が設定値ΔθHc1以上の場合を急操舵として判定する。そして、急操舵が行われた場合には、S816に進み、急操舵が行われていない場合には、S818に進んで、旋回運転状態カウンタSをクリア(S=0)してプログラムを抜ける。
S815で急操舵が行われたと判定されてS816に進むと、横加速度の絶対値|Gy|が予め設定した設定値Gyc1以上(|Gy|≧Gyc1)か否か判定される。この判定の結果、|Gy|≧Gyc1の場合は、車両は高μ路や滑りにくい路面を走行中であると判定してS817へと進む。逆に、|Gy|<Gyc1の場合は、車両は低μ路や滑りやすい路面を走行中であり、車両の安定性を確保するためにドライバがカウンタステア等を行った場合等が考えられ、また、低μ路や滑りやすい路面では安定性を確保する必要が高いと考えられるため、S818に進んで、旋回運転状態カウンタSをクリア(S=0)してプログラムを抜ける。このように、S816では、横加速度を用いて路面状態を把握する判定となっているが、他に、路面摩擦係数等を推定し、この路面摩擦係数の値を判定に用いるようにしても良い。
S816で、|Gy|≧Gyc1と判定され、S817に進むと、ブレーキスイッチ14がOFF状態か否か判定される。そして、ブレーキスイッチ14がOFF状態の場合は、S808に進み、旋回運転状態カウンタSをインクリメント(S=S+1)してS809に進む。逆に、ブレーキスイッチ14がON状態の時は、ドライバが回避動作をしていると考えられるため、S818に進んで、旋回運転状態カウンタSをクリア(S=0)してプログラムを抜ける。
このように本発明の実施の第2形態によっても、前述の第1形態と同様、前方認識装置15からのスラローム走行路の認識情報と、ドライバの旋回運転状態を考慮して車両のスラローム走行を精度良く検出することが可能である。そして、この精度の良い車両のスラローム走行の判定結果を用いて、横すべり防止装置21、トラクション制御装置22、エンジン制御装置23、変速制御装置24、左右駆動力配分制御装置25、前後駆動力配分制御装置26、操舵制御装置27、サスペンション制御装置28等を作動させることにより、スラローム走行をしている場合には車両の運動性能を適切に向上させ、また、スラローム走行を行っていない場合には車載の様々な制御装置により車両の安全性、走行安定性を十分に確保することが可能となる。
尚、本実施の各形態では、車両挙動制御手段として、横すべり防止装置21、トラクション制御装置22、エンジン制御装置23、変速制御装置24、左右駆動力配分制御装置25、前後駆動力配分制御装置26、操舵制御装置27、サスペンション制御装置28が搭載されている車両を例に説明したが、これらの制御装置の中の1つ、或いは、幾つかの制御装置を搭載している車両に対しても本発明が適応できることは云うまでもない。
1 制御装置
2 制御ユニット(スラローム走行判定装置)
11 車速センサ
12 ハンドル角センサ
13 横加速度センサ
14 ブレーキスイッチ
15 前方認識装置(前方認識手段)
21 横すべり防止装置(車両挙動制御手段)
22 トラクション制御装置(車両挙動制御手段)
23 エンジン制御装置(車両挙動制御手段)
24 変速制御装置(車両挙動制御手段)
25 左右駆動力配分制御装置(車両挙動制御手段)
26 前後駆動力配分制御装置(車両挙動制御手段)
27 操舵制御装置(車両挙動制御手段)
28 サスペンション制御装置(車両挙動制御手段)

Claims (6)

  1. ドライバによる少なくとも急操舵による旋回運転状態を検出する旋回運転状態検出手段と、
    上記旋回運転状態検出手段で上記旋回運転状態を検出した後、前回の旋回運転状態から設定時間内に該前回の旋回運転状態の際の操舵方向とは逆の操舵方向に、上記旋回運転状態が3回以上連続して検出された場合にスラローム走行状態と判定する判定手段と、
    を備えたことを特徴とする車両のスラローム走行判定装置。
  2. 前方情報を検出して車両の転舵を促す複数のパイロン部材を認識する前方認識手段と、
    ドライバによる少なくとも急操舵による旋回運転状態を検出する旋回運転状態検出手段と、
    上記前方認識手段で上記複数のパイロン部材を認識し、上記旋回運転状態検出手段で上記旋回運転状態を検出した後、前回の旋回運転状態から設定時間内に該前回の旋回運転状態の際の操舵方向とは逆の操舵方向で上記前回の旋回運転状態の際の上記パイロン部材の通過方向とは逆の上記パイロン部材の通過方向に、上記旋回運転状態が3回以上連続して検出された場合にスラローム走行状態と判定する判定手段と、
    を備えたことを特徴とする車両のスラローム走行判定装置。
  3. 上記旋回運転状態検出手段は、ドライバによる急操舵、且つ、ブレーキオフの旋回運転状態を検出するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両のスラローム走行判定装置。
  4. 上記旋回運転状態検出手段は、路面が滑りやすい路面の場合には、上記旋回運転状態の検出をキャンセルすることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の車両のスラローム走行判定装置。
  5. 上記請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の車両のスラローム走行判定装置を備え、上記スラローム走行判定装置で車両が上記スラローム走行状態であると判定した場合は、車載の車両挙動制御手段に車両の安定性を向上させる制御よりも車両の運動性を向上させる制御を優先させることを特徴とする車両の制御装置。
  6. 上記車両挙動制御手段は、所定の車輪に制動力を付加して車両の横すべりを防止する横すべり防止装置と、エンジンのトルクダウンにより車輪のスリップを防止するトラクション制御装置と、アクセル開度に対するエンジントルクの特性を可変自在なエンジン制御装置と、変速マップを切換え自在な変速制御装置と、左右輪間の駆動力配分を可変自在な左右駆動力配分制御装置と、前後軸間の駆動力配分を可変自在な前後駆動力配分制御装置と、操舵トルクに対するアシストトルクを変更自在な操舵制御装置と、サスペンションの減衰力を可変自在なサスペンション制御装置の少なくとも1つであることを特徴とする請求項5記載の車両の制御装置。
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