JP2013158992A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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翼 近藤
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Abstract

【課題】インクミストによる汚染を低減可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【解決手段】記録媒体を搬送する搬送部と、記録媒体にインクを吐出する複数の記録ヘッドと、複数の記録ヘッドが取り付けられたキャリッジを主走査方向に往復移動する記録ヘッド移動部とを備えたインクジェット記録装置であって、複数の記録ヘッドのうち、一の記録ヘッドと、一の記録ヘッドと別体でかつ一の記録ヘッドと離間して並列する他の記録ヘッドとの間が封鎖されており、複数の記録ヘッドの吐出面以外の外周囲を囲むように保護壁が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェット記録装置に関する。
従来から、各種の記録媒体への画像の記録にインクジェット記録装置が用いられている。そして、インクジェット記録装置に関する提案がされている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1,2には、インクジェット記録ヘッドが開示されている。特許文献1,2のインクジェット記録ヘッドは、4つの記録素子基板H1100を備える。特許文献1,2によれば、4つの記録素子基板H1100のうち記録素子基板H1100aと記録素子基板H1100c、そして記録素子基板H1100bと記録素子基板H1100dとは、吐出口配列方向の同列上に並ぶ。
ここで、特許文献1によれば、記録素子基板H1100aと記録素子基板H1100cの間と、記録素子基板H1100bと記録素子基板H1100dの間には、それぞれダミー基板H1600が、記録素子基板の吐出口形成面と略同一の高さになるように配置されている。各基板間の隙間は封止材H1304により段差が生じないよう処理がされている。
特許文献2によれば、記録素子基板H1100aと記録素子基板H1100cの間と、記録素子基板H1100bと記録素子基板H1100dの間にはそれぞれペルチェ素子等の冷却素子が形成された冷却素子基板H2000が、記録素子基板の吐出口形成面と略同一の高さになるように配置されている。各基板間の隙間は封止材H1304により段差にならないよう処理がされている。
また、出願人も、インクジェット記録装置に関する提案をしている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3のインクジェット記録装置は、記録ヘッド部を吐出インク処理部に対向する位置に移動させて選択されたインク吐出ヘッドのみサブタンク内のインクを加圧して吐出回復処理を行う。そして、記録ヘッド部を元の記録位置に戻す際に清掃処理部により残留インクを拭き取って吸引・除去する。
この他にも、各種の提案がされている(例えば、特許文献4,5,6参照)。なお、特許文献4には、アクチュエータユニットの上面には、給電部材であるFPCが接合され主走査方向の一方に引き出されることが開示されている。特許文献5によれば、アクチュエータユニットに接合されたFPCは、インクタンクの側面に沿って上方に引き出されている。このFPC上には、ドライバICが設置されている。FPCには、FPCの延在方向に沿って配設された複数の信号線が形成されており、ドライバICと表面電極(アクチュエータユニット)とを電気的に接続している。
また、特許文献6には、インクジェット式記録ヘッドを備えた記録装置は、インク滴を極少量のインク滴として飛翔させるため、インク滴がミスト化し易いという問題があることが開示されている。特許文献6によれば、このインクミストは装置内に浮遊しているので、キャリッジやハウジング等に付着してしまうと大粒のインク滴となり得る。大粒のインク滴になってしまうと、このインク滴は毛細管力等によって記録ヘッドとキャリッジとの隙間に浸入し、記録ヘッドを汚損する虞がある。
特開2007−22037号公報 特開2007−22038号公報 特開2009−208408号公報 特開平7−227966号公報 特開2006−44196号公報 特開2004−203060号公報
インクジェット記録装置を用いた画像の記録(模様付け)は、ブロック塀を形成するコンクリートブロック、住宅等の建築物の外壁となる外装材等の産業資材を記録媒体とすることもできる。ところで、産業資材は、記録面に垂直な方向の厚みにばらつきを有する場合がある。また、記録面となる面に大きな凹凸を有する場合もある。従って、記録時に、記録ヘッドと産業資材の記録面とが接触しないようにする必要がある。そのため、記録ヘッドにおいて吐出口(ノズル)が形成されたインク吐出面と、産業資材の記録面とは、接触防止を考慮して相当程度離間される。例えば、両者間のギャップは、5mm〜10mm程度又は十数mm程度離れた状態に設定される。
ここで、記録ヘッドのインク吐出面と記録面との間を離すと、記録ヘッドから吐出されたインクの飛翔距離が長くなる。そのため、吐出されたインクのサテライト及び/又はインク滴の分裂によって、インクがミスト化し易くなる。
インク吐出面に付着するインクミストは定期メンテナンスで除去可能である。ところで、インクジェット記録装置は、その構造が複雑である。そのため、記録ヘッドの上部に設置された基板等の各種部品に、浮遊するインクミストが付着した場合、インクミストによって汚染された部品のメンテナンスが困難となることもある。また、インクミストが、基板等の各種部品に付着すると、インクによって基板等の各種部品に腐食が生じ、インクジェット記録装置の寿命が短くなる恐れもある。
本発明は、インクミストによる汚染を低減可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記従来の課題に鑑みなされた本発明の一側面は、記録媒体を搬送する搬送部と、前記記録媒体にインクを吐出する複数の記録ヘッドと、前記複数の記録ヘッドが取り付けられたキャリッジを主走査方向に往復移動する記録ヘッド移動部とを備えたインクジェット記録装置であって、前記複数の記録ヘッドのうち、一の記録ヘッドと、前記一の記録ヘッドと別体でかつ前記一の記録ヘッドと離間して並列する他の記録ヘッドとの間が封鎖されており、前記複数の記録ヘッドの吐出面以外の外周囲を囲むように保護壁が設けられているインクジェット記録装置である。
これによれば、画像の記録に際し吐出されたインクによるインクミストが、記録ヘッドやその上部に設置された基板等の各種部品に付着することを防止することができる。
このインクジェット記録装置は、次のようにすることもできる。すなわち、前記記録ヘッドはヘッド本体とインクタンクが一体的に構成されているようにしてもよい。これによれば、記録ヘッドやそれを取り付けるキャリッジをコンパクト(小型化・軽量化)にすることが可能となり、浮遊するインクミストの量を減らすことができる。
また、前記一の記録ヘッドと前記他の記録ヘッドとの間の封鎖は、前記一の記録ヘッドと前記他の記録ヘッドとを連結するための連結部によってなされているようにしてもよい。これによれば、好適に封鎖された状態を確保することができる。
本発明によれば、インクミストによる汚染を低減可能なインクジェット記録装置を得ることができる。
走査型のインクジェット記録装置の概略を示す図である。(a)は平面図であり、(b)は正面図である。 インク吐出面側から視認した状態の記録部の概略を示す図である。 図1に示すA−A線の概略断面図である。
本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて説明する。本発明は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に示す構成の一部は、省略し又は他の構成等に置換してもよい。また、他の構成を含むようにしてもよい。
(インクジェット記録装置の構成)
インクジェット記録装置100について、図1を参照して説明する。なお、図1は、インクジェット記録装置100の概略構成を示した図である。インクジェット記録装置100は、走査型のインクジェット記録装置である。インクジェット記録装置100では、光の照射によって硬化する光硬化型インク、例えば、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型インクが用いられ、これによって、所定の画像が、布帛、金属板、樹脂板、外壁材、その他の記録媒体200に記録される。インクジェット記録装置100は、記録ヘッド110と記録ヘッド移動部120と搬送部130と光照射部140と制御部170とを備える。なお、本実施例においては、紫外線硬化型インクを用いたインクジェット記録装置を例に説明するが、使用されるインクの種類についてはこれに限定されず、水系インク、溶剤系インクなども使用することができる。
記録ヘッド110には、光硬化型インクを吐出するノズルが、搬送部130で記録媒体200がセットされる設置面132に対向して複数形成されている。例えば、図1では、例えば、シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)、ブラック(blacK)の色毎に、記録ヘッドユニットが搭載されている。
記録ヘッド移動部120は、記録ヘッド110が取り付けられたキャリッジ112を、主走査方向に往復移動(走査)する。これによって、記録ヘッド110の主走査方向への移動が実現される。搬送部130は、ベルトコンベアやフリーローラーのような回転体により構成され、搬送部130の設置面132にセットされた記録媒体200を、主走査方向に直交する方向(搬送方向)に搬送する。
光照射部140は、記録ヘッド110より搬送方向下流側に設置される。光照射部140は、搬送部130の設置面132に向けて設置された光源を備え、設置面132方向に光を照射する。光照射部140は、例えば、光源から発せられた光が外部に照射されることを防止可能なシャッタ機構を備え、このシャッタ機構を開閉させることで、光の照射を開始し停止することができる。電源のオン、オフに連動して、素早く光を照射し、停止可能な光源(例えば、LED光源)を採用する場合、シャッタ機構を省略し、電源のオン、オフによって、光の照射を開始し停止させることもできる。なお、光照射部140は、記録ヘッド110とは独立した移動機構に取り付けられ、この移動機構を駆動させることで、主走査方向に往復移動することができる。
第1検知センサ150は、搬送部130によって搬送される記録媒体200が記録開始位置に到達したことを検知するセンサである。第2検知センサ160は、記録ヘッド110より搬送方向下流側で、かつ光照射部140の搬送方向上流側の所定の位置に設置され、記録ヘッド110で所定の画像が記録された記録媒体200が、この所定の位置に到達したことを検知するセンサである。第1検知センサ150と第2検知センサ160とは、例えば、発光素子と受光素子とを含む透過型センサによって構成される。
制御部170は、各種処理を実行し、上記各構成を制御する。制御部170は、各種の演算処理を実行するCPUと、各種処理のためのプログラムを記憶するROMと、CPUが実行する各種処理の作業領域(記憶領域)として利用されるRAMとを含む。CPUが、所定のプログラムをROMから読み出し、これをRAM上で実行することで、各種処理が実行され、上記各構成が制御される。したがって、制御部170が各種処理を実行し、上記構成を制御することで、各種機能部が構成される。
なお、インクジェット記録装置100は、パーソナルコンピュータなどの外部装置と通信可能に接続するための接続インターフェースを備える。インクジェット記録装置100は、この接続インターフェースを介して接続された外部装置から、柄データおよび搬送量データなどの所定のデータを受信する。
記録ヘッド110は、図2に示すような記録ヘッドユニット32K,32C,32M,32Yを含む。記録ヘッドユニット32Kは、ブラックの紫外線硬化型インク(以下、「紫外線硬化型ブラックインク」ともいう。)を吐出する複数の記録ヘッドによって構成されている。図2に示す例では、6個の記録ヘッド34K1〜34K6によって構成されている。記録ヘッドユニット32Cは、シアンの紫外線硬化型インク(以下、「紫外線硬化型シアンインク」ともいう。)を吐出する複数の記録ヘッドによって構成されている。図2に示す例では、6個の記録ヘッド34C1〜34C6によって構成されている。記録ヘッドユニット32Mは、マゼンタの紫外線硬化型インク(以下、「紫外線硬化型マゼンタインク」ともいう。)を吐出する複数の記録ヘッドによって構成されている。図2に示す例では、6個の記録ヘッド34M1〜34M6によって構成されている。記録ヘッドユニット32Yは、イエローの紫外線硬化型インク(以下、「紫外線硬化型イエローインク」ともいう。)を吐出する複数の記録ヘッドによって構成されている。図2に示す例では、6個の記録ヘッド34Y1〜34Y6によって構成されている。
記録ヘッド110(詳細には、後述するインク吐出面348)と、記録媒体200の記録面との間のギャップは、5mm〜10mm程度又は十数mm程度離れた状態に設定される。記録ヘッド110がキャリッジ112に取り付けられた状態において、設置面132に対向するキャリッジ112の面及び記録ヘッド110のインク吐出面348は、同一の平面内に含まれるように、同一の高さに設定される。
インクジェット記録装置100は、この他、例えば、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの紫外線硬化型インクをそれぞれ貯留したメインタンク(不図示)を備える。ブラック用のメインタンクに貯留された紫外線硬化型ブラックインクは、ブラック用のインク供給ライン(不図示)を介して記録ヘッドユニット32Kの記録ヘッド34K1〜34K6に供給される。シアン用のメインタンクに貯留された紫外線硬化型シアンインクは、シアン用のインク供給ライン(不図示)を介して記録ヘッドユニット32Cの記録ヘッド34C1〜34C6に供給される。マゼンタ用のメインタンクに貯留された紫外線硬化型マゼンタインクは、マゼンタ用のインク供給ライン(不図示)を介して記録ヘッドユニット32Mの記録ヘッド34M1〜34M6に供給される。イエロー用のメインタンクに貯留された紫外線硬化型イエローインクは、イエロー用のインク供給ライン(不図示)を介して記録ヘッドユニット32Yの記録ヘッド34Y1〜34Y6に供給される。
まず、搬送部130が動作を開始し、設置面132に載せ置かれた記録媒体200の搬送が開始される。次に、記録ヘッド110において、紫外線硬化型ブラックインクによるブラックドットと、紫外線硬化型シアンインクによるシアンインクドットと、紫外線硬化型マゼンタインクによるマゼンタドットと、紫外線硬化型イエローインクによるイエロードットとが、記録媒体200に記録される。記録に際しインクジェット記録装置100では、吐出された紫外線硬化型インクによるインクミストが発生する。記録媒体200が産業資材などの場合、記録面とのギャップを広く取る必要があり、記録面とのギャップが広くなるとインクミストが発生し易くなる。また、キャリッジが主走査方向に往復移動(走査)する走査型のインクジェット記録装置の場合には、往復移動により気流が発生するため、インクミストがより広範囲で発生し易くなる。
その後、さらに搬送部130によって記録媒体200が搬送され、光照射部140において、記録面に紫外線が照射される。これによって、ブラックドット、シアンドット、マゼンタドット、イエロードットが硬化し、1個の記録媒体200に対する画像の記録が終了する。なお、設置面132に記録媒体200を所定のタイミングで順次載せ置き、これの搬送を開始し、上記処理を連続的に繰り返して実行することもできる。
(記録ヘッド)
記録ヘッド34K1は、例えば図3に示すように、ヘッド本体342と、サブタンク344とを含む。記録ヘッド34K1のヘッド本体342は、紫外線硬化型ブラックインクを吐出する複数の吐出口346を含む。複数の吐出口346は、千鳥状に配置されている。ヘッド本体342は、インク吐出面348を含む。インク吐出面348は、複数の吐出口346が形成された面であって、設置面132に載せ置かれた記録媒体200の記録面に対向する面である。記録ヘッド34K1のサブタンク344は、ブラック用のインク供給ライン(不図示)を介してメインタンク(不図示)から供給された紫外線硬化型ブラックインクを一時貯留する。貯留された紫外線硬化型ブラックインクは、サブタンク344とヘッド本体342とをつなぐ所定の流路(不図示)を通してヘッド本体342に供給され、吐出口346から吐出される。
例えば図3に示すように、記録ヘッド34K1の側面のうち、主走査方向に交差、具体的には直交する2つの側面上部には、鍔部350が形成されている。鍔部350の所定の位置には、紫外線硬化型インクの吐出方向に一致する方向に貫通した貫通孔352が設けられている。なお、図3において吐出口346は図示を省略している。記録ヘッド34K1〜34K6は、それぞれ同一の構成を有する。また同様に、記録ヘッド34C1〜34C6、記録ヘッド34M1〜34M6、記録ヘッド34Y1〜34Y6についても、それぞれ同一の構成を有するので、説明は省略する。
なお、記録ヘッド110は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローとは異なるインク色の記録ヘッドユニットを含むようにしてもよい。記録ヘッドユニット32K,32C,32M,32Yそれぞれを構成する記録ヘッド列数は、上記に限るものではなく、諸条件を考慮し適宜変更してもよい。1つの記録ヘッド列を構成する記録ヘッド数についても同じである。以下では、記録ヘッド34K1〜34K3による記録ヘッド列を、第1記録ヘッド列といい、記録ヘッド34K4〜34K6を第2記録ヘッド列という。記録ヘッド34C1〜34C3による記録ヘッド列を、第3記録ヘッド列といい、記録ヘッド34C4〜34C6を第4記録ヘッド列という。記録ヘッド34M1〜34M3による記録ヘッド列を、第5記録ヘッド列といい、記録ヘッド34M4〜34M6を第6記録ヘッド列という。記録ヘッド34Y1〜34Y3による記録ヘッド列を、第7記録ヘッド列といい、記録ヘッド34Y4〜34Y6を第8記録ヘッド列という。
ここで、記録ヘッド110において、第1記録ヘッド列及び第2記録ヘッド列は、主走査方向において幅W1だけ離間して並列している。このことは、第3記録ヘッド列及び第4記録ヘッド列と、第5記録ヘッド列及び第6記録ヘッド列と、第7記録ヘッド列及び第8記録ヘッド列とについても同様である。また、インク色が相違する、第2記録ヘッド列及び第3記録ヘッド列は、主走査方向において幅W2だけ離間して並列している。このことは、第4記録ヘッド列及び第5記録ヘッド列と、第6記録ヘッド列及び第7記録ヘッド列とについても同様である。なお、幅W1と幅W2とは、等しい又は何れか一方が他方より大きい(小さい)関係を有する。
記録ヘッド110において、各記録ヘッドは隣り合う各記録ヘッド列の間に配置された各記録ヘッド支持部材36を介して連結されている。隣り合う各記録ヘッド列の記録ヘッド支持部材36を介した連結は、例えば図3に示すようにねじ止めによって行われる。記録ヘッド支持部材36は、図2及び図3から明らかな通り、板状の部材で、所定の位置に、連結のためのボルト37がねじ込まれる雌ネジ部362が形成されている。記録ヘッド支持部材36は、図2に示すように、記録ヘッドユニット32K,32C,32M,32Yの主走査方向と直交する方向の寸法と略同一の長さを有する。記録ヘッド支持部材36は、図3に示すように所定の厚みtを有する。また、第1記録ヘッド列及び第2記録ヘッド列、第3記録ヘッド列及び第4記録ヘッド列、第5記録ヘッド列及び第6記録ヘッド列、第7記録ヘッド列及び第8記録ヘッド列を連結する記録ヘッド支持部材36は、例えば幅W1より僅かに狭い略同一の幅を有する。第2記録ヘッド列及び第3記録ヘッド列、第4記録ヘッド列及び第5記録ヘッド列、第6記録ヘッド列及び第7記録ヘッド列を連結する記録ヘッド支持部材36は、例えば幅W2より僅かに狭い略同一の幅を有する。なお、記録ヘッド支持部材36には、雌ネジ部362の他、厚み方向を貫通するような孔部は形成されていない。雌ネジ部362も記録ヘッド支持部材36の途中までとし、記録ヘッド支持部材36を貫通していなくてもよい。
また、記録ヘッド110の外周囲には、例えば図3に示すように、記録ヘッド110を囲うように保護壁38が設けられており、これにより、主走査方向、主走査方向と直交する方向及び反吐出方向の3方面よりインクミストが内部に進入することがなく、基板等の各種部品への付着を防止することが出来る。さらに保護壁38の一部、例えば、記録ヘッド移動部120側の面に穴を開け、電源ケーブル等の配線やインク供給ライン等のチューブをまとめて1本に束ね、そこから内部に引き込むことで、スペースの省力化が図れる。また、内部の温度上昇が懸念される場合には、保護壁38の一部に冷却用のファンや空気の取込口などを設けてもよい。例えば空気の取込口を設ける場合には、内部へのインクミストの侵入を防ぐ目的で、その取込口にインクミスト捕獲用のフィルタを取付けるとよい。またさらには、反吐出方向側(記録ヘッド110上面側)の保護壁38の一部もしくは全面を開閉できるようにすることで、ヘッド本体342やサブタンク344等の交換等も容易になり、メンテナンス性を向上することができる。
上述したようにインクジェット記録装置100は、記録ヘッド110の主走査方向、主走査方向と直交する方向及び反吐出方向の3方向においては保護壁38を設け、吐出方向においては記録ヘッド支持部材36を介した連結構造を実現しており、そのため、インクジェット記録装置100によれば、記録ヘッド110を全体的に封鎖した状態とすることができる。
以上説明した本実施形態の構成は、次のようにすることもできる。すなわち、図3に示す例では、記録ヘッド支持部材36による連結が行われた状態において、連結された各記録ヘッド間(各記録ヘッド列間)に、幅W1又は幅W2の空間が残存している。記録ヘッド支持部材36の厚みtを厚くし、幅W1,W2の空間が残存しないようにしてもよい。この場合、記録ヘッド支持部材36がボルト37で締結された状態において、鍔部350と面接触する記録ヘッド支持部材36の面の裏面が、インク吐出面348と同一平面となるように、記録ヘッド支持部材36の厚みtを設定するとよい。記録面に対向する記録ヘッド110の面が平面となり、インク吐出面348のワイピングつまりクリーニングを好適に行うことができる。
上記では、記録ヘッド支持部材36を介して各記録ヘッド列を連結し、記録ヘッド支持部材36によって記録ヘッド間空間を封鎖することとした。つまり、上記では記録ヘッド支持部材36は、記録ヘッド間空間を封鎖する手段として機能した。ところで、このような封鎖は、記録ヘッド間空間に樹脂等を充填等して行ってもよい。樹脂は、図3に示すように幅W1,W2の空間の一部が残存するように充填され、又は幅W1,W2の空間の全部に充填される。さらに、インク色が異なる各記録ヘッド列の間(図2に基づけば、第2,第3記録ヘッド列の間、第4,5記録ヘッド列の間、第6,第7記録ヘッド列の間)を含め、搬送方向に隣り合う各記録ヘッド列を接近又は密着させるようにしてもよい。これらの場合、記録ヘッド支持部材36等を省略することもできる。記録ヘッド34K1〜34K6,34C1〜34C6,34M1〜34M6,34Y1〜34Y6は、キャリッジ20にそれぞれ固定される。なお、主走査方向に平行な側面同士の間についても、樹脂等を充填等し、この間を封鎖するようにしてもよい。
上記では、図2に示すように、記録ヘッド34K1〜34K6、記録ヘッド34C1〜34C6、記録ヘッド34M1〜34M6及び記録ヘッド34Y1〜34Y6が、それぞれ千鳥状に配置された位置関係で、直交方向にずれて配置された構成を例に説明した。このような場合、第1記録ヘッド列〜第8記録ヘッド列の、直交方向の何れか一方側に、所定の空間が形成される。具体的に、第1記録ヘッド列では、搬送方向に平行な記録ヘッド34K3の両側面のうち、記録ヘッド34K2と対向しない側面の側に、この所定の空間が形成される。また、第2記録ヘッド列では、搬送方向に平行な記録ヘッド34K4の両側面のうち、記録ヘッド34K5と対向しない側面の側に、この所定の空間が形成される。なお、説明は省略するが、第3記録ヘッド列〜第8記録ヘッド列についても同様である。
インクジェット記録装置100では、このような所定の空間についても、封鎖するようにしてもよい。具体的に、例えば板状又はブロック状の部材(封鎖部材)を、この所定の空間に配置してもよい。この板状又はブロック状の部材は、記録ヘッド支持部材36に、ねじ止め等の方法で固定される。なお、記録ヘッド34K4,34C3,34C4,34M3,34M4,34Y3における所定の空間については、板状又はブロック状の部材は、これら所定の空間を介して隣り合う記録ヘッド支持部材36を横断するように配置され、それぞれの記録ヘッド支持部材36に固定される。この場合、板状又はブロック状の部材は、記録ヘッド支持部材36の間に嵌め込むようにして固定してもよい。このような構成によれば、さらに好適な封鎖を実現することができる。
100 インクジェット記録装置
110 記録ヘッド
120 記録ヘッド移動部
130 搬送部
200 記録媒体
32K 記録ヘッドユニット(ブラック用)
32C 記録ヘッドユニット(シアン用)
32M 記録ヘッドユニット(マゼンタ用)
32Y 記録ヘッドユニット(イエロー用)
34K1〜34K6 記録ヘッド(ブラック用)
34C1〜34C6 記録ヘッド(シアン用)
34M1〜34M6 記録ヘッド(マゼンタ用)
34Y1〜34Y6 記録ヘッド(イエロー用)
342 ヘッド本体, 344 サブタンク, 348 インク吐出面
350 鍔部
36 記録ヘッド支持部材
38 保護壁

Claims (3)

  1. 記録媒体を搬送する搬送部と、
    前記記録媒体にインクを吐出する複数の記録ヘッドと、
    前記複数の記録ヘッドが取り付けられたキャリッジを主走査方向に往復移動する記録ヘッド移動部とを備えたインクジェット記録装置であって、
    前記複数の記録ヘッドのうち、一の記録ヘッドと、前記一の記録ヘッドと別体でかつ前記一の記録ヘッドと離間して並列する他の記録ヘッドとの間が封鎖されており、
    前記複数の記録ヘッドの吐出面以外の外周囲を囲むように保護壁が設けられていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記記録ヘッドはヘッド本体とインクタンクが一体的に構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記一の記録ヘッドと前記他の記録ヘッドとの間の封鎖は、前記一の記録ヘッドと前記他の記録ヘッドとを連結するための連結部によってなされていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
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Citations (6)

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