JP2013158987A - 印刷方法、印刷装置 - Google Patents

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正和 大橋
Shoki Kasahara
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Abstract

【課題】従来の印刷方法では、印刷にかかるコストを軽減することが困難である。
【解決手段】転写シートTsの金属膜85を、搬送される印刷シートWにおける画像の形成が許可される領域である印刷領域内に転写することによって、印刷シートWの前記印刷領域内に金属膜85で前記画像を形成するときに、
一部の金属膜85が消費された後の転写シートTsにおける一部の金属膜85が消費された領域である消費領域を前記印刷領域に対面させた状態で、転写シートTsに残留している金属膜85を印刷シートWの前記印刷領域に転写することによって、前記画像を形成する、ことを特徴とする印刷方法。
【選択図】図8

Description

本発明は、印刷方法、印刷装置等に関する。
従来から、金属や色材などの膜を印刷媒体に転写することによって、印刷媒体に膜で画像を形成する印刷装置が知られている。このような印刷装置では、金属や色材などの膜が設けられた転写箔と呼ばれるフィルムやシートを、接着剤で画像パターンが描画された印刷媒体に押し付けることによって、画像パターンにならう画像が膜で形成される。
従来、このような印刷装置において、搬送方向に一連して搬送される印刷媒体に、ロール状に巻かれた転写箔を一連して当接させる構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−226863号公報
ところで、上記の印刷装置において、一連する印刷媒体に複数の画像を続けて形成する場合、1つの画像の大きさによって、転写箔に使用されない部分が発生することがある。このような場合には、転写箔の無駄が発生しやすいので、印刷にかかるコストが高くなりやすい。
このように、従来の印刷方法では、印刷にかかるコストを軽減することが困難であるという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現され得る。
[適用例1]膜が設けられた転写媒体の前記膜を、搬送される印刷媒体における画像の形成が許可される領域である印刷領域内に転写することによって、前記印刷媒体の前記印刷領域内に前記膜で前記画像を形成するときに、一部の前記膜が消費された後の前記転写媒体における前記一部の膜が消費された領域である消費領域を前記印刷領域に対面させた状態で、前記転写媒体に残留している前記膜を前記印刷媒体の前記印刷領域に転写することによって、前記画像を形成する、ことを特徴とする印刷方法。
この適用例の印刷方法では、印刷媒体の印刷領域に転写媒体の膜を転写することによって、印刷領域に膜で画像を形成するときに、転写媒体の消費領域を印刷領域に対面させた状態で、転写媒体に残留している膜を印刷領域に転写することによって、画像を形成する。
印刷領域は、搬送される印刷媒体における領域であり、画像の形成が許可される領域である。消費領域は、一部の膜が消費された後の転写媒体における領域であり、一部の膜が消費された領域である。
この印刷方法によれば、一部の膜が消費された後の転写媒体に残留している膜を使用するので、転写媒体における膜の使用率を高めることができる。これにより、転写媒体における膜の無駄を軽減することができるので、印刷にかかるコストを軽減することができる。
[適用例2]前記印刷領域を複数の画像領域に分割し、1つの前記画像領域に1つの前記画像を割り当てて、前記印刷領域に複数の前記画像を形成する上記の印刷方法であって、前記複数の画像のうちの一部の前記画像の形成によって前記一部の膜が消費された前記消費領域を、前記複数の画像のうちの残りの前記画像が割り当てられた前記画像領域に対面させた状態で、前記転写媒体に残留している前記膜を前記残りの画像が割り当てられた前記画像領域に転写するときに、前記印刷領域に対する前記残りの画像の位置を、前記印刷領域に対する前記一部の画像の位置からずらした状態で前記残りの画像を形成する、ことを特徴とする印刷方法。
この適用例の印刷方法は、印刷領域を複数の画像領域に分割し、1つの画像領域に1つの画像を割り当てて、複数の画像を形成するときに適用され得る。
この印刷方法では、複数の画像のうちの一部の画像の形成によって一部の膜が消費された転写媒体を、複数の画像のうちの残りの画像の形成に用いる。この印刷方法では、転写媒体に残留している膜を、残りの画像が割り当てられた画像領域に転写するときに、印刷領域に対する残りの画像の位置を、印刷領域に対する一部の画像の位置からずらした状態で残りの画像を形成するので、転写媒体の消費領域と残りの画像とが重なることを避けることができる。これにより、残りの画像の品位が損なわれることを抑えやすくすることができる。
[適用例3]上記の印刷方法であって、前記複数の画像が相互に同じ前記画像である、ことを特徴とする印刷方法。
この適用例では、複数の画像が相互に同じ画像なので、複数の残りの画像に対して、印刷領域に対する残りの画像の位置を、印刷領域に対する一部の画像の位置からずらす量を統一することができる。
[適用例4]上記の印刷方法であって、前記印刷領域に対する前記一部の画像の位置を平面視で回転させることによってずらした位置を、前記印刷領域に対する前記残りの画像の位置とする、ことを特徴とする印刷方法。
この適用例では、印刷領域に対する一部の画像の位置を平面視で回転させることによってずらした位置を、印刷領域に対する残りの画像の位置とすることができる。
[適用例5]上記の印刷方法であって、前記印刷領域に対する前記一部の画像の位置を平面視で反転させることによってずらした位置を、前記印刷領域に対する前記残りの画像の位置とする、ことを特徴とする印刷方法。
この適用例では、印刷領域に対する一部の画像の位置を平面視で反転させることによってずらした位置を、印刷領域に対する残りの画像の位置とすることができる。
[適用例6]上記の印刷方法で印刷を行う、ことを特徴とする印刷装置。
この適用例の印刷装置によれば、印刷にかかるコストを軽減することができる。
本実施形態における印刷装置の概略の構成を示す側面図。 本実施形態における搬送装置を示す斜視図。 図1中のA−A線における断面図。 本実施形態における印刷シートを示す平面図。 本実施形態における印刷シートを示す平面図。 本実施形態における印刷シートを示す平面図。 本実施形態における転写シートを示す断面図。 本実施形態における支持ローラー及び転写ローラーを示す側面図。 本実施形態における印刷シートを示す平面図。 本実施形態における転写シートを示す平面図。 本実施形態における転写装置を示す側面図。 本実施形態における転写シートを示す平面図。 本実施形態における転写シートを示す平面図。 本実施形態における印刷シートを示す平面図。 本実施形態における印刷シートを示す平面図。
図面を参照しながら、実施形態について説明する。なお、各図面において、それぞれの構成を認識可能な程度の大きさにするために、構成や部材の縮尺が異なっていることがある。
本実施形態における印刷装置1は、側面図である図1に示すように、搬送装置3と、キャリッジ装置5と、転写装置7と、キャリッジ装置9と、を有している。
搬送装置3は、印刷が施される媒体(印刷媒体)である印刷シートWを搬送する。搬送装置3は、印刷シートWの搬送経路Rwを形成する。搬送装置3は、送出装置11と、送り装置13と、張力装置15と、巻取装置17と、テーブル19と、テーブル21と、支持ローラー23と、を有している。
印刷シートWは、送出装置11から、送り装置13、テーブル19、支持ローラー23、テーブル21、及び張力装置15をこの順に経て、巻取装置17に至る搬送経路Rwで搬送される。
キャリッジ装置5は、キャリッジ31と、吐出ヘッド33と、ガイド部35と、を有している。また、キャリッジ装置9は、キャリッジ41と、吐出ヘッド43と、ガイド部45と、を有している。
転写装置7は、送出ローラー51と、転写ローラー53と、巻取ローラー55と、を有している。転写装置7は、転写シートTsを、送出ローラー51から転写ローラー53を経て巻取ローラー55に至る経路Rsで搬送する。
印刷装置1では、吐出ヘッド33と印刷シートWとの平面視での相対位置を変化させつつ、吐出ヘッド33から液状体61を液滴61aとして吐出させることによって、印刷シートWに液状体61で所望のパターンを形成することができる。
同様に、印刷装置1では、吐出ヘッド43と印刷シートWとの平面視での相対位置を変化させつつ、吐出ヘッド43から液状体63を液滴63aとして吐出させることによって、印刷シートWに液状体63で所望のパターンを形成することができる。
なお、図中のX方向は、搬送装置3の斜視図である図2に示すように、平面視での印刷シートWの搬送経路Rwの方向を示している。X方向は、テーブル19とテーブル21との間における搬送経路Rwの方向でもある。また、Y方向は、平面視でX方向とは直交する方向を示している。また、X方向及びY方向によって規定されるXY平面と直交する方向は、Z方向として規定される。
印刷シートWは、図1に示すように、ロール66aとして印刷装置1にセットされる。ロール66aには、印刷する前の印刷シートWが巻き取られている。印刷シートWは、送出装置11によって、ロール66aから巻きほどかれてから、吐出ヘッド33及び吐出ヘッド43に対向しつつ、搬送経路Rwに沿って搬送される。
液状体61や液状体63でパターンが形成された印刷シートWは、吐出ヘッド43よりも搬送経路Rwの下流側で、巻取装置17によってロール66bとして巻き取られる。
このように、印刷装置1では、ロールトゥロールの形態で印刷シートWに印刷を行うことができる。
送出装置11は、送出ローラー67を有している。ロール66aは、送出ローラー67にセットされる。送出ローラー67は、図示しない動力源によって、ロール66aを巻きほどく方向(図1で見て反時計回り方向)に駆動される。これにより、ロール66aから印刷シートWが巻きほどかれる。
送り装置13は、送出装置11よりも搬送経路Rwの下流側に設けられている。送り装置13は、駆動ローラー71aと、従動ローラー71bと、を有している。駆動ローラー71aと従動ローラー71bとは、搬送経路Rwを挟んで互いに対峙している。Z方向において、駆動ローラー71aが印刷シートWの吐出ヘッド33側とは反対側、すなわちZ方向で搬送経路Rwの下側に設けられている。他方で、従動ローラー71bは、Z方向で印刷シートWの吐出ヘッド33側、すなわちZ方向で搬送経路Rwの上側に設けられている。
送出装置11から送り出された印刷シートWは、駆動ローラー71aと従動ローラー71bとによって挟持される。駆動ローラー71aは、図示しない動力源によって、印刷シートWを下流側に送り出す方向(図1で見て時計回り方向)に駆動される。これにより、印刷シートWは、送り装置13によって下流側に搬送される。
テーブル19は、送り装置13よりも搬送経路Rwの下流側に設けられている。テーブル19は、Z方向で印刷シートWの吐出ヘッド33側とは反対側、すなわちZ方向で搬送経路Rwの下側に設けられている。
キャリッジ装置5は、搬送経路Rwを挟んでテーブル19に対峙する位置に設けられている。
ガイド部35は、図1中のA−A線における断面図である図3に示すように、X方向に延在しており、テーブル19及び搬送経路RwをX方向にまたいでいる。ガイド部35は、搬送経路Rwを挟んでテーブル19に対峙している。
キャリッジ31は、ガイド部35に支持されている。キャリッジ31は、ガイド部35によってY方向に沿って案内され、Y方向に往復動可能な状態でガイド部35に支持されている。キャリッジ31は、図示しない動力源及び動力伝達機構によって、Y方向に往復動可能に構成されている。
キャリッジ31は、吐出ヘッド33を支持している。ここで、吐出ヘッド33は、ノズル面Npを有している。ノズル面Npには、液状体61を液滴61aとして吐出する図示しないノズルが設けられている。そして、吐出ヘッド33は、ノズル面NpがZ方向の下方に向けられた状態、すなわちノズル面Npがテーブル19に向けられた状態でキャリッジ31に支持されている。なお、ノズル面Npと搬送経路Rwとの間、すなわちノズル面Npと印刷シートWとの間には、Z方向に隙間が設けられている。
上記の構成により、キャリッジ装置5では、キャリッジ31に支持された吐出ヘッド33を、Y方向に沿って往復移動させることができる。なお、キャリッジ31は、搬送経路RwをY方向にまたぐ領域にわたって移動することができる。これにより、ノズル面Npに設けられているノズルを、印刷シートWをY方向にまたぐ領域にわたって変位させることができる。
送り装置13から搬送経路Rwの下流側に搬送された印刷シートWは、図1に示すように、テーブル19に支持される。そして、テーブル19に支持された印刷シートWに対して、キャリッジ31をY方向に移動させながら吐出ヘッド33から液滴61aを印刷シートWに吐出させることによって、印刷シートWに液状体61で所望のパターンを形成することができる。なお、本実施形態では、液状体61として接着性化合物を含有する液体が採用されている。つまり、本実施形態では、接着性を有する液状体61で印刷シートWに種々のパターンを形成することができる。
接着性化合物としては、アクリル系、ウレタン系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系などの接着剤に汎用されるモノマー、オリゴマー、ポリマーが挙げられ、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、およびそれらの変性体を例示することができる。また、接着性化合物としては、ロジン、糊化デンプン、ニカワ、各種の糖類等の天然樹脂またはその変性体などの粘着性を有する物質であってもよい。
ここで、本実施形態では、印刷シートWにおいて、図4に示すように、印刷領域72が規定される。印刷領域72は、液状体61によるパターン73の形成が許可される領域である。さらに、印刷領域72には、液状体61によるパターン73を形成すべき領域がパターン形成領域75として設定される。パターン形成領域75は、パターン73ごとに設定される領域であり、パターン73の外縁をX方向及びY方向のそれぞれに沿って規定する領域である。本実施形態では、パターン形成領域75は、パターン73のX方向における最大寸法、及びパターン73のY方向における最大寸法を包含している。印刷領域72は、パターン形成領域75を包含する。
本実施形態では、形成すべきパターン73を指示するデータである印刷データに基づいて、パターン73ごとにパターン形成領域75が設定される。印刷データは、液状体61で印刷シートWに形成すべきパターン73を指示するものである。印刷データには、液滴61aで形成すべきドットがビットマップ状に表現されている。印刷シートWに形成されるパターン73は、液滴61aで形成される複数のドットの集合として表現される。
なお、本実施形態では、一連した1つの単位の印刷データに対して1つのパターン形成領域75が設定される。図5に示すように、一連した1つの単位の印刷データに、例えば、パターン73aとパターン73bとが含まれるときには、パターン73a及びパターン73bが1つのパターン73を構成する。この場合、パターン73a及びパターン73bによって構成される1つのパターン73に対して、1つのパターン形成領域75が設定される。つまり、パターン73ごとにパターン形成領域75が設定される。
また、本実施形態では、図6に示すように、相互に同じパターン73を反復して形成する場合、一連した1つの単位の印刷データが反復利用される。この場合も上記と同様に、一連した1つの単位の印刷データに対して1つのパターン形成領域75が設定される。つまり、この場合も、パターン73ごとにパターン形成領域75が設定される。
吐出ヘッド33によって形成されたパターン73は、搬送経路Rwに沿って支持ローラー23に至る。
支持ローラー23は、図1に示すように、テーブル19よりも搬送経路Rwの下流側に設けられている。支持ローラー23は、Z方向で印刷シートWの吐出ヘッド33側とは反対側、すなわちZ方向で搬送経路Rwの下側に設けられている。
転写装置7は、搬送経路Rwを挟んで支持ローラー23に対峙する位置に設けられている。搬送経路Rwを挟んで支持ローラー23に対峙する位置には、転写ローラー53が設けられている。支持ローラー23と転写ローラー53との間には、印刷シートW及び転写シートTsが挟持される。別の観点では、印刷シートWは、支持ローラー23と転写シートTsとによって挟持される。
転写シートTsは、Z方向において搬送経路Rwよりも転写ローラー53側に位置している。他方で、印刷シートWは、Z方向において転写シートTsよりも支持ローラー23側に位置している。つまり、本実施形態では、Z方向において、支持ローラー23、印刷シートW、転写シートTs、及び転写ローラー53が、この順で並んでいる。
ここで、転写シートTsは、断面図である図7に示すように、ベースシート81と、剥離層83と、金属膜85と、を有している。
ベースシート81は、例えば、樹脂製のシート材で構成されている。剥離層83は、ベースシート81に設けられている。金属膜85は、剥離層83のベースシート81側とは反対側に設けられている。金属膜85としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム等の金属が採用され得る。金属膜85は、例えば蒸着法やスパッタリング法などにより、金属の膜を形成することによって得られる。なお、印刷装置1では、転写シートTsは、金属膜85が印刷シートWに向けられた状態で、転写装置7にセットされる。転写シートTsは、転写装置7にセットされた状態において、印刷シートWのY方向における幅寸法にわたっている。
吐出ヘッド33によって形成されたパターン73が支持ローラー23に至ると、図8に示すように、パターン73と金属膜85とが互いに対面した状態で、支持ローラー23と転写ローラー53との間に転写シートTs及び印刷シートWが挟持される。この状態で、転写シートTs及び印刷シートWは、支持ローラー23と転写ローラー53とによって加圧される。そして、パターン73が支持ローラー23と転写ローラー53との間を通過すると、金属膜85が転写シートTsからパターン73に沿って転写される。これにより、印刷シートWには、金属膜85でパターン73に沿った画像が形成される。なお、以下において、金属膜85が転写された後のパターン73を金属膜85が転写される前のパターン73から区別するために、金属膜85が転写された後のパターン73は、転写パターン89と表記される。
転写シートTs及び印刷シートWを支持ローラー23と転写ローラー53とで加圧するときに、転写シートTsや印刷シートWを加熱するようにしてもよい。この場合、支持ローラー23及び転写ローラー53の少なくとも一方をヒートローラーで構成することによって、転写シートTsや印刷シートWを加熱することができる。
転写シートTsは、図1に示すように、ロール91aとして送出ローラー51にセットされる。ロール91aには、転写前の転写シートTsが巻き取られている。送出ローラー51は、図示しない動力源によって、ロール91aを巻きほどく方向(図1で見て反時計回り方向)に駆動される。これにより、ロール91aから転写シートTsが巻きほどかれる。
転写ローラー53を通過した転写シートTsは、転写ローラー53よりも搬送経路Rsの下流側に設けられた巻取ローラー55でロール91bとして巻き取られる。
このように、印刷装置1では、ロールトゥロールの形態で転写シートTsが搬送経路Rsに沿って搬送される。
なお、印刷シートW及び転写シートTsが支持ローラー23と転写ローラー53とによって挟持されている状態では、転写シートTsは、印刷シートWの搬送にともなって搬送経路Rsを進行する。
支持ローラー23と転写ローラー53との間を通過した印刷シートWは、テーブル21に至る。
テーブル21は、転写装置7よりも搬送経路Rwの下流側に設けられている。テーブル21は、Z方向で印刷シートWの吐出ヘッド43側とは反対側、すなわちZ方向で搬送経路Rwの下側に設けられている。
搬送経路Rwを挟んでテーブル21に対峙する位置には、キャリッジ装置9が設けられている。キャリッジ41は、キャリッジ装置5のキャリッジ31と同様の構成を有している。吐出ヘッド43は、液状体61とは異なる液状体63を液滴63aとして吐出することを除いて、キャリッジ装置5の吐出ヘッド33と同様の構成を有している。また、ガイド部45は、キャリッジ装置5のガイド部35と同様の構成を有している。本実施形態では、キャリッジ装置5とキャリッジ装置9とは、液状体61と液状体63とが互いに異なることを除いて、互いに同様の構成を有している。このため、キャリッジ装置9の構成については、詳細な説明を省略する。
転写装置7から搬送経路Rwの下流側に搬送された印刷シートWは、図1に示すように、テーブル21に支持される。そして、テーブル21に支持された印刷シートWに対して、キャリッジ41をY方向に移動させながら吐出ヘッド43から液滴63aを印刷シートWに吐出させることによって、印刷シートWに液状体63で所望のパターンを形成することができる。なお、本実施形態では、液状体63として相互に色が異なる5種類のカラー塗料と、1種類の透光塗料とが採用されている。カラー塗料は、印刷シートWに印刷する画像を形成するための液状体63である。透光塗料は、光透過性を有する液状体63である。透光塗料は、例えば、クリアインクとして活用され得る。クリアインクの用途としては、例えば、画像を被覆するオーバーコート層としての用途や、画像を形成する前の下地層としての用途などが考えられる。
5種類のカラー塗料において、相互に異なる色は、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)及びホワイト(W)である。なお、カラー塗料の色としては、これらに限定されず、任意を色が採用され得る。また、カラー塗料の種類も、5種類に限定されず、任意の種類数が採用され得る。
本実施形態では、異なる5色のカラー塗料(液状体63)が採用されているので、カラー塗料で印刷シートWに種々のパターンを形成することができる。これにより、印刷装置1では、転写パターン89による画像の形成に加えて、印刷シートWにカラー印刷を行うこともできる。
張力装置15は、キャリッジ装置9よりも搬送経路Rwの下流側に設けられている。張力装置15は、駆動ローラー93aと、従動ローラー93bと、を有している。駆動ローラー93aと従動ローラー93bとは、搬送経路Rwを挟んで互いに対峙している。Z方向において、駆動ローラー93aが印刷シートWの吐出ヘッド43側とは反対側、すなわちZ方向で搬送経路Rwの下側に設けられている。他方で、従動ローラー93bは、Z方向で印刷シートWの吐出ヘッド43側、すなわちZ方向で搬送経路Rwの上側に設けられている。
印刷シートWは、駆動ローラー93aと従動ローラー93bとによって挟持される。駆動ローラー93aは、図示しない動力源によって、印刷シートWを下流側に送り出す方向(図1で見て時計回り方向)に駆動される。これにより、印刷シートWは、張力装置15によって下流側に搬送される。ここで、駆動ローラー93aには、印刷シートWを下流側に送り出す向きに、図示しない動力源から所定のトルクが付与される。この動力源は、駆動ローラー93aに付与するトルクが一定になるように駆動が制御される。これにより、印刷シートWには、送り装置13と張力装置15との間において搬送経路Rwに沿った方向に張力が付与される。この結果、テーブル19やテーブル21に支持される印刷シートWを平坦に保ちやすくすることができる。
張力装置15から送り出された印刷シートWは、巻取装置17に至る。巻取装置17は、巻取ローラー95を有している。巻取ローラー95は、張力装置15よりも搬送経路Rwの下流側に設けられている。そして、印刷シートWは、巻取装置17によって、巻取ローラー95にロール66bとして巻き取られる。
上記のように、印刷装置1では、ロールトゥロールの形態で印刷シートWに印刷を行うことができる。
ところで、印刷シートWに対する転写パターン89の大きさによっては、図9に示すように、印刷領域72に余白領域105が発生することがある。図9に示す例では、パターン形成領域75と余白領域105とが、Y方向に隣り合っている。また、図9では、相互に同じ複数の転写パターン89をX方向に沿って並べて形成する例が示されており、複数の転写パターン89が印刷領域72のY方向における片側に寄せられている。
このとき、転写シートTsには、平面図である図10に示すように、転写パターン89の形成によって金属膜85(図7)が消費された痕跡である消費パターン107が形成される。なお、以下において、消費パターン107の外縁をX方向及びY方向のそれぞれに沿って規定する領域を消費領域109と呼ぶ。そして、この転写シートTsには、印刷シートWの余白領域105に対応する領域に残留領域111が発生する。残留領域111には、金属膜85(図7)が残留している。
残留領域111が発生すると、転写シートTsにおける金属膜85の使用率が低下するため、転写にかかるコストが高くなりやすい。
そこで、本実施形態では、転写シートTsを再利用することによって、転写シートTsにおける金属膜85の使用率の低下を軽減する方法が採用されている。
以下において、転写シートTsの再利用方法について説明する。
(再利用方法1)
この再利用方法では、転写パターン89(図9)の形成に供した後の転写シートTsを巻き取ったロール91b(図1)を再利用する。
この再利用方法では、ロール91bが、図11に示すように、転写装置7の送出ローラー51にセットされる。そして、ロール91bから送り出された転写シートTsは、巻取ローラー55でロール91cとして巻き取られる。
ロール91bが送出ローラー51にセットされると、図12に示すように、転写シートTsの消費領域109と残留領域111とのY方向における位置が、ロール91bが巻取ローラー55にセットされている状態から入れ替わる。このため、残留領域111が、印刷シートWにおける新たなパターン形成領域75に対面する。また、消費領域109(図12)は、印刷領域72の余白領域105(図9)に対面する。つまり、この再利用方法では、消費領域109を印刷領域72に対面させた状態で、残留領域111を新たなパターン形成領域75に対面させることができる。
これにより、印刷シートWには、図9に示すように、新たなパターン形成領域75に転写パターン89が形成される。そして、印刷領域72において、消費領域109が対面する領域に余白領域105が形成される。他方で、転写シートTsには、図13に示すように、2つの消費領域109をY方向に並べて形成することができる。
このため、この再利用方法によって、転写シートTsにおける単位面積当たりに占める消費領域109の割合を増大させることができる。この結果、転写シートTsにおける金属膜85の使用率を高めることができるので、転写にかかるコストを軽減することができる。
(再利用方法2)
この再利用方法では、転写パターン89(図9)の形成に供した後のロール91b(図1)を巻き戻すことによって生成した新たなロール91aを再利用する。
この再利用方法では、新たなロール91aが、図1に示すように、転写装置7の送出ローラー51にセットされる。そして、ロール91aから送り出された転写シートTsは、巻取ローラー55でロール91bとして巻き取られる。
この再利用方法において、送出ローラー51から転写ローラー53に向けて送り出される転写シートTsでは、消費領域109と残留領域111とのY方向における位置は、図9に示すように、再利用前と同じである。
この再利用方法では、印刷領域72に対するパターン形成領域75の位置を、再利用前における印刷領域72に対するパターン形成領域75の位置からずらした状態で、転写パターン89を形成する。
印刷領域72に対するパターン形成領域75の位置をずらすことは、印刷データを修正することによって実現され得る。これは、印刷データにおいてビットマップ状に記述されたドットの位置を変更することによって達成され得る。
印刷領域72に対するパターン形成領域75の位置をずらす方法としては、複数の方法が考えられる。以下、これらの複数の方法のうちの一部の例について、ずらす方法ごとに説明する。
(再利用方法2−1)
この方法では、印刷領域72に対するパターン形成領域75の位置をずらす方法として、印刷領域72に対するパターン形成領域75の位置を平面視で回転させることによって、図14に示すように、再利用前の位置75aからずらす方法が採用されている。
この例では、印刷領域72をY方向に二等分する線L1上の任意の点D1を中心にして、再利用前の位置75aを回転させることによって、新たなパターン形成領域75の位置75bとする方法が採用されている。換言すれば、再利用前の位置75aと新たなパターン形成領域75の位置75bとは、点D1に関して対称(点対称)になっている。この再利用方法においても、転写シートTsにおける金属膜85の使用率を高めることができるので、転写にかかるコストを軽減することができる。
なお、この例では、転写パターン89の向きが、再利用前の転写パターン89aの向きと異なっている。しかしながら、転写パターン89を基準としたときの余白領域105の位置は、再利用前後で統一される。従って、印刷結果を再利用前後で統一することができる。
また、この例では、印刷領域72をY方向に二等分する線L1としたが、線L1は、これに限定されない。線L1としては、再利用前の位置75aにおけるパターン形成領域75よりも、Y方向で新たな位置75b側の外側で印刷領域72を二分する線L1であればよい。これにより、新たなパターン形成領域75が消費領域109に重なることを避けることができる。
(再利用方法2−2)
この方法では、印刷領域72に対するパターン形成領域75の位置をずらす方法として、印刷領域72に対するパターン形成領域75の位置を平面視で反転させることによって、図15に示すように、再利用前の位置75aからずらす方法が採用されている。
この例では、印刷領域72をY方向に二等分する線L1を軸として、再利用前の位置75aを反転させることによって、新たなパターン形成領域75の位置75bとする方法が採用されている。換言すれば、再利用前の位置75aと新たなパターン形成領域75の位置75bとは、線L1に関して対称(線対称)になっている。この再利用方法においても、転写シートTsにおける金属膜85の使用率を高めることができるので、転写にかかるコストを軽減することができる。
この例は、転写パターン89が線対称な図形である場合に好適であるが、再利用前後で転写パターン89の反転が許容される場合も適用され得る。
なお、この例では、転写パターン89に対する余白領域105の位置が、再利用前の転写パターン89aに対する余白領域105の位置と異なっている。しかしながら、転写パターン89の向きが再利用前後で統一される。つまり、この例では、転写パターン89の向きを再利用前後で統一することができる。
また、この例では、印刷領域72をY方向に二等分する線L1としたが、線L1は、これに限定されない。線L1としては、再利用前の位置75aにおけるパターン形成領域75よりも、Y方向で新たな位置75b側の外側で印刷領域72を二分する線L1であればよい。これにより、新たなパターン形成領域75が消費領域109に重なることを避けることができる。
なお、上記の再利用方法1、及び再利用方法2のそれぞれにおいて、形成すべき新たなパターン73を、転写シートTsの再利用で形成できるか否かを判定するステップ(以下、判定ステップと呼ぶ)を設けることができる。この判定は、形成すべき新たなパターン73を指示する印刷データに基づいて実現され得る。つまり、この判定は、新たなパターン73を、転写シートTsの残留領域111で網羅できるか否かを判定することによって実現できる。
新たなパターン73が残留領域111から消費領域109にはみ出てしまう状態では、再利用後の転写パターン89において、金属膜85が部分的に欠落した状態になってしまうことがある。つまり、再利用後の転写パターン89の品位が損なわれやすい。品位が損なわれた転写パターン89が不良扱いになると、金属膜85が無駄に消費されたことになってしまう。
このような状況に対して、上記の判定ステップによれば、再利用できないという判定が行われるので、金属膜85の無駄な消費を抑えやすくすることができる。この結果、転写にかかるコストを一層軽減することができる。
本実施形態において、転写シートTsが転写媒体に対応し、金属膜85が膜に対応し、印刷シートWが印刷媒体に対応し、転写パターン89が画像に対応している。
なお、本実施形態では、印刷シートWにパターン73を形成する方法が採用されているが、これに限定されず、転写シートTsにパターン73を形成する方法も採用され得る。この方法においても、印刷シートWに転写パターン89を形成することができる。
また、本実施形態では、転写装置7の下流側に吐出ヘッド43を設ける構成が採用されているが、吐出ヘッド43の位置は、これに限定されない。吐出ヘッド43の位置としては、吐出ヘッド33よりも上流側の位置や、吐出ヘッド33と転写装置7との間の位置なども採用され得る。
しかしながら、転写装置7よりも下流側に吐出ヘッド43を設けることは、転写パターン89にもカラー塗料を塗布することができる点で好ましい。
1…印刷装置、3…搬送装置、7…転写装置、23…支持ローラー、33…吐出ヘッド、43…吐出ヘッド、51…送出ローラー、53…転写ローラー、55…巻取ローラー、72…印刷領域、73…パターン、75…パターン形成領域、75a…位置、75b…位置、85…金属膜、89…転写パターン、89a…転写パターン、105…余白領域、107…消費パターン、109…消費領域、111…残留領域、Ts…転写シート、W…印刷シート。

Claims (6)

  1. 膜が設けられた転写媒体の前記膜を、搬送される印刷媒体における画像の形成が許可される領域である印刷領域内に転写することによって、前記印刷媒体の前記印刷領域内に前記膜で前記画像を形成するときに、
    一部の前記膜が消費された後の前記転写媒体における前記一部の膜が消費された領域である消費領域を前記印刷領域に対面させた状態で、前記転写媒体に残留している前記膜を前記印刷媒体の前記印刷領域に転写することによって、前記画像を形成する、
    ことを特徴とする印刷方法。
  2. 前記印刷領域を複数の画像領域に分割し、1つの前記画像領域に1つの前記画像を割り当てて、前記印刷領域に複数の前記画像を形成する請求項1に記載の印刷方法であって、
    前記複数の画像のうちの一部の前記画像の形成によって前記一部の膜が消費された前記消費領域を、前記複数の画像のうちの残りの前記画像が割り当てられた前記画像領域に対面させた状態で、前記転写媒体に残留している前記膜を前記残りの画像が割り当てられた前記画像領域に転写するときに、
    前記印刷領域に対する前記残りの画像の位置を、前記印刷領域に対する前記一部の画像の位置からずらした状態で前記残りの画像を形成する、
    ことを特徴とする印刷方法。
  3. 前記複数の画像が相互に同じ前記画像である、ことを特徴とする請求項2に記載の印刷方法。
  4. 前記印刷領域に対する前記一部の画像の位置を平面視で回転させることによってずらした位置を、前記印刷領域に対する前記残りの画像の位置とする、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の印刷方法。
  5. 前記印刷領域に対する前記一部の画像の位置を平面視で反転させることによってずらした位置を、前記印刷領域に対する前記残りの画像の位置とする、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の印刷方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の印刷方法で印刷を行う、ことを特徴とする印刷装置。
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