JP2013158817A - 金属板の接合方法及び溶接構造体 - Google Patents

金属板の接合方法及び溶接構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】2枚の厚肉板と1枚の薄肉板を重ね接合する際、薄肉板の外観性が良好に保たれ、且つ薄肉板の成形をより容易に行える金属板の接合技術を提供することを課題とする。
【解決手段】(a)にて、電極13を厚肉板10の薄肉部20に当て、電極14を薄肉板12に当てる。通電して抵抗溶接を実施する。
【効果】(b)にて、先ず厚肉板10、11の接触部が溶融する。溶融部23から電極13までの距離H2が小さく、電極13で溶融部23の冷却が促進され、溶融部23が薄肉板12側へ成長する。(c)にて、板10、11、12にナゲット24が形成される。外観部材の薄肉板12に加工を施さず、厚肉板10、11と薄肉板12とを接合でき、薄肉板12の外観性が良好に保たれる。また、薄肉板12に加工を施さないから、薄肉板12の成形性に影響を及ぼさず、薄肉板12の成形をより容易に行える。
【選択図】図2

Description

本発明は、金属板の接合方法及び溶接構造体に関する。
2枚の厚肉金属板に1枚の薄肉金属板を重ね、これら3枚の金属板に抵抗溶接を施すことで、3枚の金属板を一体化させる接合技術が各種提案されている(例えば、特許文献1(図3、図4)参照。)。
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図11は従来の技術の基本原理を説明する図であり、(a)に示すように、厚肉の第1の金属板101に厚肉の第2の金属板102を重ね、この第2の金属板102に第1の金属板101及び第2の金属板102よりも薄肉の第3の金属板103を重ねる。そして、第1の金属板101に固定側電極104を当て、移動側電極105を矢印(1)のように第3の金属板103の凸部106へ向けて移動させる。
結果、(b)に示すように、凸部106が移動側電極105により押し潰され、凸部106の内面107が第2の金属板102の外面108に接触する。
ところで、自動車の車体の外観部材には、薄板が適用され、構造部材には、厚板が適用される。すなわち、特許文献1では、第3の金属板103が外観部材に適用され、第2の金属板102及び第1の金属板101が強度部材に適用される。
第3の金属板103は、デザインを構成するため、比較的複雑な形状であり、且つ高い外観性が要求される。しかしながら、第3の金属板103の凸部106には、移動側電極105で押し潰された凹部109が形成される。第3の金属板103に凹部109が残ると、外観性の低下を招く。
また、第3の金属板103に、凸部106が設けることにより、外観部材の形状がより複雑になり、成形がより難しくなる。
そこで、厚肉の第1の金属板及び第2の金属板と、薄肉の第3の金属板とを重ね接合したとき、薄肉金属板の外観性が良好に保たれ、且つ薄肉金属板の成形がより容易になることが求められる。
特開2003−71569公報
本発明は、2枚の厚肉金属板と1枚の薄肉金属板を重ね接合する際、薄肉金属板の外観性を良好に保つことができ、且つ薄肉金属板の成形をより容易に行うことができる金属板の接合技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、厚肉の第1の金属板に、厚肉の第2の金属板を重ね、この第2の金属板に、前記第1の金属板及び前記第2の金属板よりも薄肉となる第3の金属板を重ね、前記第1〜3の金属板を一対の電極で挟んで、抵抗溶接を実施する溶接工程を有する金属板の接合方法において、前記溶接工程では、前記一対の電極の一方を、前記第1の金属板にて局部の板厚を薄くして形成される薄肉部に当て、前記一対の電極の他方を、前記第3の金属板に当てて、前記第1〜3の金属板が溶接されることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、溶接工程の前に、第1の金属板の一部に加工を施し、一方の電極が当接する電極当接面が平坦になるように薄肉部を形成させる薄肉化工程を実施することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、厚肉の第1の金属板に、厚肉の第2の金属板を重ね、この第2の金属板に、前記第1の金属板及び前記第2の金属板よりも薄肉となる第3の金属板を重ね、一対の電極のうち一方の電極で、前記第1の金属板の被接合部を加圧し、他方の電極で、前記第3の金属板を加圧し、前記一方の電極及び前記他方の電極に通電することにより、前記第1〜3の金属板を抵抗溶接する溶接工程を有する金属板の接合方法において、前記溶接工程の前に、前記第1の金属板の被接合部の強度を低下させる強度低下工程を実施することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、厚肉の第1の金属板に、厚肉の第2の金属板を重ね、この第2の金属板に、前記第1の金属板及び前記第2の金属板よりも薄肉となる第3の金属板を重ね、前記第1〜3の金属板を抵抗溶接で結合することにより構成される溶接構造体において、前記第1〜3の金属板の結合部にて、前記第1の金属板は、局部的に板厚が薄い薄肉部を備えることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、厚肉の第1の金属板に、厚肉の第2の金属板を重ね、この第2の金属板に、第1、2の金属板より薄肉の第3の金属板を重ね、第1の金属板の薄肉部に一方の電極を当て、第3の金属板に他方の電極を当てて、抵抗溶接を実施する。
この抵抗溶接を実施すると、金属板同士の接触部が溶融する。溶融部から一方の電極までの距離が小さいため、一方の電極により溶融部の冷却が促進され、溶融部が第3の金属板側へ向かって成長する。結果、第1の金属板と第2の金属板と第3の金属板とにナゲットが形成される。外観部材となる第3の金属板に加工を施さなくても、厚肉の第1の金属板及び第2の金属板と、薄肉の第3の金属板とを接合できるから、薄肉金属板の外観性を良好に保つことができる。また、第3の金属板に対する加工が不要であるから、薄肉金属板の成形性に影響を及ぼすことがなく、薄肉金属板の成形をより容易に行うことができる。したがって、薄肉金属板の外観性を良好に保つことができ、且つ薄肉金属板の成形をより容易に行うことができる金属板の接合方法を提供できる。
請求項2に係る発明では、溶接工程の前に、第1の金属板の一部に加工を施し、電極当接面が平坦になるように薄肉部を形成させる薄肉化工程を実施する。
第1の金属板の一部に、工具で加工を施し、平坦な電極当接面が得られる。電極当接面が平坦であるため、電極の先端形状の種類を問わずに、電極の当たりを向上させることができる。
請求項3に係る発明では、溶接工程の前に、第1の金属板の被接合部の強度を低下させる強度低下工程を実施する。
被接合部の強度を低下させた第1の金属板と、第2の金属板と、第3の金属板を重ねる。第1の金属板の被接合部を一方の電極で加圧し、第3の金属板を他方の電極で加圧する。電極による加圧力で、第1の金属板の被接合部の板厚が減少し、第1の金属板に薄肉部が形成される。電極による加圧は、溶接工程中に実施されるため、溶接装置の他に加圧装置を別途用意する必要がなく、装置費用の増加を抑えることができる。
請求項4に係る発明では、溶接構造体は、厚肉の第1の金属板と、厚肉の第2の金属板と、第1、2の金属板よりも薄肉の第3の金属板とを重ね、第1〜3の金属板を抵抗溶接して構成され、第1〜3の金属板の結合部にて、第1の金属板は、局部的に板厚が薄い薄肉部を備える。
抵抗溶接を実施すると、金属板同士の接触部が溶融する。溶融部から電極までの距離が小さいため、電極により溶融部の冷却が促進され、溶融部が第3の金属板側へ向かって成長する。結果、第1の金属板と第2の金属板と第3の金属板とにナゲットが形成される。外観部材となる第3の金属板に加工を施さなくても、厚肉の第1の金属板及び第2の金属板と、薄肉の第3の金属板とを接合できるから、薄肉金属板の外観性を良好に保つことができる。また、第3の金属板に対する加工が不要であるから、薄肉金属板の成形性に影響を及ぼすことがなく、薄肉金属板の成形をより容易に行うことができる。したがって、薄肉金属板の外観性を良好に保つことができ、且つ薄肉金属板の成形をより容易に行うことができる溶接構造体を提供できる。
本発明に係る溶接工程のうち金属板を準備して金属板を重ねるまでの作業を説明する図である。 溶接工程のうち金属板に電極を当てて金属板に溶接を施すまでの作業を説明する図である。 薄肉化工程を説明する図である。 金属板の接合方法のフロー図である。 別の薄肉化工程を説明する図である。 強度低下工程を説明する図である。 強度低下済みの金属板を加圧して金属板の板厚を薄くするまでの作業を説明する図である。 別の金属板の接合方法のフロー図である。 別の強度低下工程を説明する図である。 別の強度低下済みの金属板を加圧して金属板の板厚を薄くするまでの作業を説明する図である。 従来の技術の基本原理を説明する図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
本発明に係る金属板の接合方法を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る溶接工程のうち金属板を準備して金属板を重ねるまでの作業を説明する図であり、(a)に示すように、厚肉であると共に局部的に薄肉とした第1の金属板10(詳細後述)と、厚肉の第2の金属板11と、第1の金属板10及び第2の金属板11よりも薄肉の第3の金属板12とを準備する。
第1の金属板10は、板厚をT1とする厚肉部15と、この厚肉部15に加工を施す(詳細後述)ことにより高さH1だけ小さくなるように形成され厚肉部15よりも板厚が薄い薄肉部20とからなる。薄肉部20の板厚をT2とする。このような第1の金属板10に、矢印(2)のように第2の金属板11を重ね、この第2の金属板11に、矢印(3)のように第3の金属板12を重ねる。
(b)に示すように、第1の金属板10と第2の金属板11と第3の金属板12を、第1金属板側押さえ部材21と第3金属板側押さえ部材22で押さえる。次に、第1の金属板10側に位置する第1金属板側電極13を、矢印(4)のように第1の金属板10の薄肉部20へ向けて移動させ、第3の金属板12側に位置する第3金属板側電極14を、矢印(5)のように第3の金属板12へ向けて移動させる。
一対の電極13、14は、抵抗溶接装置に備えられる。抵抗溶接装置は、電極13、14を金属板側へ移動させる機構や溶接電源等を備える。実施例では、抵抗溶接にスポット溶接を適用する。
溶接工程のうち金属板に電極を当てて金属板に溶接を施すまでの作業を図2に基づいて説明する。
図2(a)に示すように、第1金属板側電極13を第1の金属板10の薄肉部20に当て、第3金属板側電極14を第3の金属板12に当てる。第1の金属板10、第2の金属板11、第3の金属板12を一対の電極13、14で挟んで、一対の電極13、14に通電する。
(b)に示すように、先ず第1の金属板10と第2の金属板11の接触部が溶融する。つまり、23は溶融部である。
溶融部23から第1金属板側電極13までの距離H2が小さいため、第1金属板側電極13により溶融部23の冷却が促進され、溶融部23が第3の金属板12側へ向かって成長する。
結果、(c)に示すように、第1の金属板10と第2の金属板11と第3の金属板12とにナゲット24が形成される。第1の金属板10と第2の金属板11と第3の金属板12が溶接で一体化することにより、溶接構造体30が形成される。
溶接構造体30の構成を説明する。
溶接構造体30は、(a)において、第1の金属板10に、第2の金属板11を重ね、この第2の金属板11に、第1の金属板10及び第2の金属板11よりも薄肉となる第3の金属板12を重ね、第1の金属板10と第2の金属板11と第3の金属板12を抵抗溶接で結合することにより構成される。
加えて、溶接構造体30は、(c)に示すように、第1の金属板10と第2の金属板11と第3の金属板12の結合部40にて、第1の金属板10は、局部的に板厚が薄い薄肉部20を備える。薄肉部20には、第1金属板側電極13が当接する。
ところで、第1の金属板10には、厚肉部15よりも板厚が薄い薄肉部20が設けた。この薄肉部20を形成する薄肉化工程の一例を次に説明する。
図3(a)に示すように、第1の金属板10を準備する。矢印(6)のように回転する工具32及びその他工具を用いて、第1の金属板10に機械加工を施す。
結果、(b)に示すように、第1の金属板10に薄肉部20が形成される。
次に金属板の接合方法の手順を図4に基づいて説明する。
図4に示すように、ステップ(以下STと記す。)01において、薄肉化工程を実施する。具体的には図3(a)において、溶接工程の前に、第1の金属板10の一部50に工具32等を用いて加工を施し、(b)に示すように、第1金属板側電極(図2、符号13)が当接する電極当接面60が平坦になるように薄肉部20を形成させる。
ST02において、溶接工程を実施する。具体的には図2(a)に示すように、第1金属板側電極13を、第1の金属板10の薄肉部20に当て、第3金属板側電極14を、第3の金属板12に当てて、第1の金属板10と第2の金属板11と第3の金属板12を溶接する。
上記の薄肉化工程では、工具を用いて第1の金属板10に機械加工を施した。薄肉化工程には、機械加工以外の加工法を用いることも可能である。その例を次に説明する。
図5において、金属板にしごき加工を施して、金属板に薄肉部を形成する例を説明する。(a)に示すように、第1の金属板38の一部64に、ポンチ33が押し当てられる。このポンチ33の反加工側面には、ポンチ側傾斜面34が形成される。このポンチ側傾斜面34に、ポンチ33を金属板38の長手方向に沿って移動させる押し部材35が載せられる。押し部材35のポンチ側面には、ポンチ側傾斜面34の傾斜角と同一の傾斜角を有する押し側傾斜面36が形成される。
押し部材35を矢印(7)のように押し、ポンチ33を矢印(8)のように移動させる。
結果、(b)に示すように、第1の金属板38に薄肉部37が形成される。
第1の金属板38は、(c)に示すように、板厚T3を有する厚肉部39と、この厚肉部39よりも高さH3だけ小さくなるように形成され板厚T4を有する薄肉部37とからなる。
なお、薄肉化工程で用いる加工法は、実施例では、図3に示される機械加工と図5に示されるしごき加工で説明したが、一対の金型を用いたプレス加工を適用してもよい。
これまでに説明した例では、第1の金属板に薄肉部を設けるために、単に第1の金属板を板厚方向に圧縮するようにした。その他の加工法で第1の金属板に薄肉部を設ける例を次に説明する。
図6において、第1の金属板の被接合部の強度を低下させる強度低下工程を説明する。(a)に示すように、第1の金属板41を準備する。
(b)に示すように、第1の金属板41を加工台42にセットし、第1の金属板41の両端をクランプ部材43、43で押さえる。次に矢印(9)のように回転するドリル44を用いて、第1の金属板41の被接合部46に穴加工を施す。
(c)に示すように、被接合部46に複数の穴45が開けられる。
次に、第1の金属板41と、第2の金属板(図1、符号11)と、第3の金属板(図1、符号12)とを重ねた状態で、第1の金属板41の被接合部46を板厚方向に圧縮し、薄肉部を得る手順を説明する。
図7(a)に示すように、第1の金属板41と第2の金属板11と第3の金属板12が重ねられ、これら金属板41、11、12が第1金属板側押さえ部材21と第3金属板側押さえ部材22で押さえられる。第1金属板側電極13を矢印(10)のように第1の金属板41の被接合部46へ向けて移動させ、第3金属板側電極14を、矢印(11)のように第3の金属板12へ向けて移動させる。
(b)に示すように、被接合部46に第1金属板側電極13が当てられ、第3の金属板12に第3金属板側電極14が当てられる。このとき、被接合部46の板厚はT5となる。第1金属板側電極13と第3金属板側電極14を互いに近づけるようにしてさらに移動させる。
第1金属板側電極13及び第3金属板側電極14の加圧力により、被接合部46が第1の金属板41の板厚方向に圧縮され、(c)に示すように、壁部47が潰される。第1金属板側電極13と第3金属板側電極14を互いに近づけるようにしてさらに移動させる。
結果、(d)に示すように、壁部47が押し潰され、第1の金属板41に板厚T6の薄肉部48が形成される。薄肉部48は、板厚T5の被接合部46を高さH4だけ押し潰して形成される。
次に強度低下工程を有する金属板の接合方法の手順を図8に基づいて説明する。
図8に示すように、ST03において、強度低下工程を実施する。具体的には図6(b)に示すように、矢印(9)のように回転するドリル44を用いて、第1の金属板41に穴加工を施すことで、(c)に示される複数の穴45が第1の金属板41に形成される。すなわち、溶接工程の前に、第1の金属板41の被接合部46の強度を低下させる。
ST04において、溶接工程を実施する。具体的には図7(d)において、第1の金属板41の薄肉部48に、第1金属板側電極13を当て、第3の金属板12に第3金属板側電極14を当てて、第1の金属板41と第2の金属板11と第3の金属板12に抵抗溶接を施す。
上述の強度低下工程では、第1の金属板41に穴加工を施し、第1の金属板41の強度を低下させた。加えて、第1の金属板41と第2の金属板11と第3の金属板12を重ね、電極13で第1の金属板41の被接合部46を加圧し、電極14で第3の金属板12を加圧して、第1の金属板41の被接合部46を押し潰すようにした。ところで、第1の金属板の強度を低下させる加工法は他にもある。その例を次に説明する。
図9において、別の強度低下工程を説明する。(a)に示すように、中央に大径の穴51が形成された第1の金属板52を準備する。
(b)に示すように、複数の突起53を有する下型54に、第1の金属板52をセットする。第1の金属板52の上方には、下型54の突起53とは水平方向位置をずらした複数の突起55を有する上型56が待機している。つまり、第1の金属板52の被接合部65を下型54と上型56との間に配置した。上型56を矢印(12)のように下降させる。
結果、(c)に示すように、第1の金属板52の下面に複数の溝57が形成され、第1の金属板52の上面に複数の溝58が形成される。
次に、第1の金属板52と、第2の金属板(図1、符号11)と、第3の金属板(図1、符号12)とを重ねた状態で、第1の金属板52の被接合部65を板厚方向に圧縮し、薄肉部を得る手順を説明する。
図10(a)に示すように、第1の金属板52と第2の金属板11と第3の金属板12が重ねられ、これら金属板52、11、12が第1金属板側押さえ部材21と第3金属板側押さえ部材22で押さえられる。第1金属板側電極13を矢印(13)のように第1の金属板52の被接合部65へ向けて移動させ、第3金属板側電極14を矢印(14)のように第3の金属板12へ向けて移動させる。
(b)に示すように、被接合部65に第1金属板側電極13が当てられ、第3の金属板12に第3金属板側電極14が当てられる。このとき、被接合部65の厚さはT7となる。第1金属板側電極13と第3金属板側電極14を互いに近づけるようにしてさらに移動させる。
第1金属板側電極13及び第3金属板側電極14の加圧力により、被接合部65が第1の金属板52の板厚方向に圧縮され、(c)に示すように、被接合部65の厚さ寸法が小さくなると共に溝57、58の幅寸法が大きくなる。加えて、穴51が押し潰される。第1金属板側電極13と第3金属板側電極14を互いに近づけるようにしてさらに移動させる。
結果、穴51や溝57、58がなくなり、(d)に示すように、第1の金属板52に板厚T8の薄肉部62が形成される。薄肉部62は、被接合部65を厚さH5だけ押し潰して形成される。
なお、強度低下工程は、実施例では、図6に示されるドリルによる穴開けと、図9に示されるエンボス加工とを挙げて説明したが、この他にプレス加工や鍛造加工を用いてもよい。
以上に述べた金属板の接合方法及び溶接構造体の作用効果を以下に記載する。
図2(a)において、抵抗溶接を実施すると、(b)に示すように、先ず第1の金属板10と第2の金属板11の接触部が溶融する。溶融部23から一方の電極13までの距離H2が小さいため、一方の電極13により溶融部23の冷却が促進され、溶融部23が第3の金属板12側へ向かって成長する。結果、(c)に示すように、第1の金属板10と第2の金属板11と第3の金属板12とにナゲット24が形成される。外観部材となる第3の金属板12に加工を施さなくても、厚肉の第1の金属板10及び第2の金属板11と、薄肉の第3の金属板12とを接合できるから、薄肉金属板(第3の金属板12)の外観性を良好に保つことができる。
また、第3の金属板12に対する加工が不要であるから、薄肉金属板(第3の金属板12)の成形性に影響を及ぼすことがなく、薄肉金属板(第3の金属板12)の成形をより容易に行うことができる。したがって、薄肉金属板の外観性を良好に保つことができ、且つ薄肉金属板の成形をより容易に行うことができる金属板の接合方法を提供できる。
図3(a)において、第1の金属板10の一部50に、工具32で加工を施し、(b)に示される平坦な電極当接面60が得られる。電極当接面60が平坦であるため、電極の先端形状の種類を問わずに、電極の当たりを向上させることができる。
図7(a)において、被接合部46の強度を低下させた第1の金属板41と、第2の金属板11と、第3の金属板12を重ねる。(b)において、第1の金属板41の被接合部46を一方の電極13で加圧し、第3の金属板12を他方の電極14で加圧する。電極13、14による加圧力で、第1の金属板41の被接合部46の板厚が減少し、(d)に示すように第1の金属板41に薄肉部48が形成される。電極13、14による加圧は、溶接工程中に実施されるため、溶接装置の他に加圧装置を別途用意する必要がなく、装置費用の増加を抑えることができる。
図2に示す構成により、(a)において、抵抗溶接を実施すると、(b)に示すように、先ず第1の金属板10と第2の金属板11の接触部が溶融する。溶融部23から一方の電極13までの距離H2が小さいため、一方の電極13により溶融部23の冷却が促進され、溶融部23が第3の金属板12側へ向かって成長する。結果、(c)に示すように、第1の金属板10と第2の金属板11と第3の金属板12とにナゲット24が形成される。外観部材となる第3の金属板12に加工を施さなくても、厚肉の第1の金属板10及び第2の金属板11と、薄肉の第3の金属板12とを接合できるから、薄肉金属板(第3の金属板12)の外観性を良好に保つことができる。
また、第3の金属板12に対する加工が不要であるから、薄肉金属板(第3の金属板12)の成形性に影響を及ぼすことがなく、薄肉金属板(第3の金属板12)の成形をより容易に行うことができる。したがって、薄肉金属板の外観性を良好に保つことができ、且つ薄肉金属板の成形をより容易に行うことができる溶接構造体30を提供できる。
尚、本発明に係る抵抗溶接は、実施の形態ではスポット溶接を適用して説明したが、シーム溶接を適用してもよい。
本発明の金属板の接合方法は、自動車の車体溶接に好適である。加えて、本発明の溶接構造体は、自動車の車体溶接構造に好適である。
10、41…第1の金属板、11…第2の金属板、12…第3の金属板、13…一方の電極(第1金属板側電極)、14…他方の電極(第3金属板側電極)、20…薄肉部、30…溶接構造体、40…結合部、46…被接合部、50…一部、60…電極当接面。

Claims (4)

  1. 厚肉の第1の金属板に、厚肉の第2の金属板を重ね、この第2の金属板に、前記第1の金属板及び前記第2の金属板よりも薄肉となる第3の金属板を重ね、
    前記第1〜3の金属板を一対の電極で挟んで、抵抗溶接を実施する溶接工程を有する金属板の接合方法において、
    前記溶接工程では、前記一対の電極の一方を、前記第1の金属板にて局部の板厚を薄くして形成される薄肉部に当て、前記一対の電極の他方を、前記第3の金属板に当てて、前記第1〜3の金属板が溶接されることを特徴とする金属板の接合方法。
  2. 前記溶接工程の前に、前記第1の金属板の一部に加工を施し、前記一方の電極が当接する電極当接面が平坦になるように前記薄肉部を形成させる薄肉化工程を実施することを特徴とする請求項1記載の金属板の接合方法。
  3. 厚肉の第1の金属板に、厚肉の第2の金属板を重ね、この第2の金属板に、前記第1の金属板及び前記第2の金属板よりも薄肉となる第3の金属板を重ね、
    一対の電極のうち一方の電極で、前記第1の金属板の被接合部を加圧し、他方の電極で、前記第3の金属板を加圧し、前記一方の電極及び前記他方の電極に通電することにより、
    前記第1〜3の金属板を抵抗溶接する溶接工程を有する金属板の接合方法において、
    前記溶接工程の前に、前記第1の金属板の被接合部の強度を低下させる強度低下工程を実施することを特徴とする金属板の接合方法。
  4. 厚肉の第1の金属板に、厚肉の第2の金属板を重ね、この第2の金属板に、前記第1の金属板及び前記第2の金属板よりも薄肉となる第3の金属板を重ね、
    前記第1〜3の金属板を抵抗溶接で結合することにより構成される溶接構造体において、
    前記第1〜3の金属板の結合部にて、前記第1の金属板は、局部的に板厚が薄い薄肉部を備えることを特徴とする溶接構造体。
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