JP2013154724A - 制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御対象の車両用駆動装置が、内燃機関と車輪とを結ぶ動力伝達経路に沿って、内燃機関の側から順に係合装置及び回転電機を備えている場合に、エネルギ効率の向上を図りつつ内燃機関のトルクにより蓄電装置を充電することが可能な制御装置を実現する。
【解決手段】制御装置3は、回転電機12の目標となる発電状態である目標発電状態を決定する発電状態決定部35を備える。発電状態決定部35は、係合装置CL1が直結係合した状態である間は、充電状態指標を目標充電状態指標に近づけるために必要な電力と、車載機器20の現在の消費電力以上であって車載機器20の最大消費電力以下に定まる車載機器用電力との和に近づける状態である第一発電状態を、目標発電状態として決定し、係合装置CL1がスリップ係合した状態である間は、回転電機12の発電電力を車載機器用電力に近づける状態である第二発電状態を、目標発電状態として決定する。
【選択図】図2
【解決手段】制御装置3は、回転電機12の目標となる発電状態である目標発電状態を決定する発電状態決定部35を備える。発電状態決定部35は、係合装置CL1が直結係合した状態である間は、充電状態指標を目標充電状態指標に近づけるために必要な電力と、車載機器20の現在の消費電力以上であって車載機器20の最大消費電力以下に定まる車載機器用電力との和に近づける状態である第一発電状態を、目標発電状態として決定し、係合装置CL1がスリップ係合した状態である間は、回転電機12の発電電力を車載機器用電力に近づける状態である第二発電状態を、目標発電状態として決定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関と車輪とを結ぶ動力伝達経路に沿って、内燃機関の側から順に、係合装置及び回転電機が設けられていると共に、蓄電装置と、回転電機と蓄電装置とを電気的に接続する第一電気経路と、車両が備える機能を果たすために電力を消費する車載機器と蓄電装置とを電気的に接続する第二電気経路と、を備えた車両用駆動装置を制御対象とする制御装置に関する。
上記のように、制御装置の制御対象の車両用駆動装置が、車輪の駆動力源として内燃機関及び回転電機の双方を備える車両用の駆動装置とされる構成として、例えば特開2003−70103号公報(特許文献1)に記載の構成が既に知られている。特許文献1には、内燃機関のトルクを回転電機に伝達して当該回転電機に発電を行わせ、発電した電力により蓄電装置を充電することが記載されている。
ところで、上記特許文献1の構成とは異なり、例えば特開2008−7094号公報(特許文献2)に記載のように、内燃機関と車輪とを結ぶ動力伝達経路に沿って、内燃機関の側から順に、係合装置及び回転電機が設けられた構成が採用される場合がある。この特許文献2には、係合装置を直結係合した状態で内燃機関のトルクを回転電機に伝達して当該回転電機に発電を行わせ、蓄電装置の蓄電量を回復させることが記載されている。しかし、係合装置をスリップ係合した状態では回転電機の発電効率(内燃機関のエネルギの利用率)が低下するため、係合装置をスリップ係合した状態で直結係合した状態と同様に発電を行うと、装置全体のエネルギ効率が低下する。
そこで、制御対象の車両用駆動装置が、内燃機関と車輪とを結ぶ動力伝達経路に沿って、内燃機関の側から順に、係合装置及び回転電機を備えている場合に、エネルギ効率の低下を抑制しつつ内燃機関のトルクにより蓄電装置を適切に充電することが可能な制御装置の実現が望まれる。
本発明に係る、内燃機関と車輪とを結ぶ動力伝達経路に沿って、前記内燃機関の側から順に、係合装置及び回転電機が設けられていると共に、蓄電装置と、前記回転電機と前記蓄電装置とを電気的に接続する第一電気経路と、車両が備える機能を果たすために電力を消費する車載機器と前記蓄電装置とを電気的に接続する第二電気経路と、を備えた車両用駆動装置を制御対象とする制御装置の特徴構成は、前記係合装置を介して前記内燃機関のトルクを前記回転電機に伝達して前記回転電機に発電を行わせる内燃機関トルク発電の実行に際して、前記蓄電装置の充電状態を表す充電状態指標に基づき当該蓄電装置の充電の必要性を判定する充電必要性判定部と、前記充電必要性判定部により前記蓄電装置の充電が必要であると判定されている場合に、前記回転電機の目標となる発電状態である目標発電状態を決定する発電状態決定部と、前記発電状態決定部が決定した前記目標発電状態に基づき前記回転電機を制御する回転電機制御部と、を備え、前記発電状態決定部は、前記係合装置が直結係合した状態である間は、前記回転電機の発電電力を、前記充電状態指標を目標充電状態指標に近づけるために必要な電力と、前記車載機器の現在の消費電力以上であって前記車載機器の最大消費電力以下に定まる車載機器用電力との和に近づける状態である第一発電状態を、前記目標発電状態として決定し、前記係合装置がスリップ係合した状態である間は、前記回転電機の発電電力を前記車載機器用電力に近づける状態である第二発電状態を、前記目標発電状態として決定する点にある。
上記の特徴構成によれば、蓄電装置の充電の必要性がある場合に、係合装置が直結係合した状態である間は、第一発電状態が回転電機の目標発電状態として決定されて内燃機関トルク発電が実行されるため、回転電機の発電電力により蓄電装置の充電を積極的に行うことができる。
ところで、係合装置がスリップ係合した状態である間は、内燃機関から係合装置に伝達される回転エネルギの全部が回転電機に伝達されず、そのエネルギの一部が係合装置の摩擦材間の発熱により消費されることになるため、係合装置が直結係合した状態に比べて、回転電機で発電する際における内燃機関のエネルギの利用率が低下する。このような状態で、回転電機によって係合装置が直結係合した状態と同様の発電電力を確保しようとすると、係合装置での発熱によって消費されるエネルギの量が多くなり、車両用駆動装置の全体としてのエネルギ効率が低下する。
しかし、上記の特徴構成によれば、係合装置がスリップ係合した状態である間は、第二発電状態が回転電機の目標発電状態として決定される。そして、この第二発電状態を回転電機の目標発電状態として実行される内燃機関トルク発電では、回転電機の発電電力を、車載機器用電力に近づけるような制御が行われる。ここで、車載機器用電力は、車載機器の現在の消費電力以上であって車載機器の最大消費電力以下に定められる。これにより、係合装置がスリップ係合した状態における回転電機の発電電力を、車載機器の現在の消費電力と同じ値、或いは車載機器の現在の消費電力より大きな値であっても現在の消費電力とは大きく異ならない値に抑えることが可能となる。この結果、係合装置がスリップ係合した状態である間は、蓄電装置の充電状態の更なる低下を抑制して車載機器の安定した動作を確保しつつ、回転電機による発電電力を低く抑えることができる。
以上のように、上記の特徴構成によれば、蓄電装置の充電が必要である場合には蓄電装置の充電を積極的に行うことが可能な構成としながら、エネルギ効率が低下する状態では、車載機器の動作が確保できる範囲内で、回転電機による発電電力を低く抑えることができる。これにより、エネルギ効率の低下を抑制しつつ内燃機関のトルクにより蓄電装置を適切に充電することが可能となる。
ところで、係合装置がスリップ係合した状態である間は、内燃機関から係合装置に伝達される回転エネルギの全部が回転電機に伝達されず、そのエネルギの一部が係合装置の摩擦材間の発熱により消費されることになるため、係合装置が直結係合した状態に比べて、回転電機で発電する際における内燃機関のエネルギの利用率が低下する。このような状態で、回転電機によって係合装置が直結係合した状態と同様の発電電力を確保しようとすると、係合装置での発熱によって消費されるエネルギの量が多くなり、車両用駆動装置の全体としてのエネルギ効率が低下する。
しかし、上記の特徴構成によれば、係合装置がスリップ係合した状態である間は、第二発電状態が回転電機の目標発電状態として決定される。そして、この第二発電状態を回転電機の目標発電状態として実行される内燃機関トルク発電では、回転電機の発電電力を、車載機器用電力に近づけるような制御が行われる。ここで、車載機器用電力は、車載機器の現在の消費電力以上であって車載機器の最大消費電力以下に定められる。これにより、係合装置がスリップ係合した状態における回転電機の発電電力を、車載機器の現在の消費電力と同じ値、或いは車載機器の現在の消費電力より大きな値であっても現在の消費電力とは大きく異ならない値に抑えることが可能となる。この結果、係合装置がスリップ係合した状態である間は、蓄電装置の充電状態の更なる低下を抑制して車載機器の安定した動作を確保しつつ、回転電機による発電電力を低く抑えることができる。
以上のように、上記の特徴構成によれば、蓄電装置の充電が必要である場合には蓄電装置の充電を積極的に行うことが可能な構成としながら、エネルギ効率が低下する状態では、車載機器の動作が確保できる範囲内で、回転電機による発電電力を低く抑えることができる。これにより、エネルギ効率の低下を抑制しつつ内燃機関のトルクにより蓄電装置を適切に充電することが可能となる。
ここで、前記発電状態決定部は、前記充電状態指標と前記目標充電状態指標との差分に基づき前記蓄電装置の目標充放電電力を決定する充放電電力決定部を備え、前記発電状態決定部は、検出される前記蓄電装置の充放電電力を前記目標充放電電力に近づけるフィードバック制御により前記第一発電状態を導出するとともに、検出される前記蓄電装置の充放電電力をゼロに近づけるフィードバック制御により前記第二発電状態を導出する構成とすると好適である。
この構成によれば、車載機器の消費電力を推定する演算等を行うことなく、検出することが比較的容易な蓄電装置の充放電電力に基づき第二発電状態を導出することができるため、制御装置の構成の簡素化を図ることができる。また、車載機器用電力を、車載機器の現在の消費電力に相当する電力とすることができるため、係合装置がスリップ係合した状態での蓄電装置の充電を実質的に行わないようにして、エネルギ効率の低下を更に抑制することができる。
或いは、前記発電状態決定部は、前記充電状態指標と前記目標充電状態指標との差分に基づき前記蓄電装置の目標充放電電力を決定する充放電電力決定部と、前記車載機器の消費電力の推定値である推定消費電力を決定する推定消費電力決定部と、を備え、前記発電状態決定部は、前記目標充放電電力と前記推定消費電力との和を前記第一発電状態での前記回転電機の発電電力とするとともに、前記推定消費電力を前記第二発電状態での前記回転電機の発電電力とする構成としても好適である。
この構成によれば、第一発電状態や第二発電状態を導出するための演算を簡素なものとすることができ、制御装置の構成の簡素化を図ることができる。
上記の各構成の制御装置において、前記発電状態決定部は、前記目標発電状態を規定する値の変化率を制限する変化率制限部を備える構成とすると好適である。
この構成によれば、係合装置の係合の状態が、直結係合した状態とスリップ係合した状態との間で切り替わる場合等に、目標発電状態を規定する値が大きく変化することを抑制することができる。従って、このような場合に車両にショックが発生することを抑制することができる。
1.第一の実施形態
本発明に係る制御装置の第一の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係る制御装置3は、駆動装置1を制御対象としている。ここで、駆動装置1は、図1に示すように、車輪15の駆動力源として内燃機関11及び回転電機12の双方を備えた車両(ハイブリッド車両)を駆動するための車両用駆動装置(ハイブリッド車両用駆動装置)である。以下、本実施形態に係る制御装置3について、詳細に説明する。
本発明に係る制御装置の第一の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係る制御装置3は、駆動装置1を制御対象としている。ここで、駆動装置1は、図1に示すように、車輪15の駆動力源として内燃機関11及び回転電機12の双方を備えた車両(ハイブリッド車両)を駆動するための車両用駆動装置(ハイブリッド車両用駆動装置)である。以下、本実施形態に係る制御装置3について、詳細に説明する。
なお、以下の説明では、「駆動連結」とは、2つの回転部材が駆動力(トルクと同義)を伝達可能に連結された状態を意味し、当該2つの回転部材が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転部材が一又は二以上の伝動部材(軸、歯車機構、ベルト等)を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む概念として用いている。なお、このような伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置が含まれていても良い。
また、以下の係合装置(摩擦係合装置)についての説明では、「係合した状態」とは、係合装置に伝達トルク容量が生じている状態、すなわち、係合装置の伝達トルク容量が零より大きい状態である。よって、係合装置が係合した状態では、当該係合装置の係合部材間(入力側係合部材と出力側係合部材との間)で回転及びトルクが伝達される。また、「解放した状態」とは、係合装置に伝達トルク容量が生じていない状態、すなわち、係合装置の伝達トルク容量が零の状態である。よって、係合装置が解放した状態では、当該係合装置の係合部材間で回転及びトルクは伝達されない。ここで、伝達トルク容量とは、摩擦係合装置が摩擦により伝達することができる最大のトルクの大きさであり、伝達トルク容量の大きさは、摩擦係合装置の係合圧(入力側係合部材と出力側係合部材とを相互に押し付け合う圧力)に比例して変化する。
そして、「係合した状態」には、「直結係合した状態」と「スリップ係合した状態」とが含まれる。「直結係合した状態」とは、「係合した状態」であって、且つ、係合装置の係合部材間に回転速度差(滑り)がない状態(回転速度差が零の状態)である。「スリップ係合した状態(滑り係合した状態)」とは、「係合した状態」であって、且つ、係合装置の係合部材間に回転速度差(滑り)がある状態(回転速度差が零より大きい状態)である。
1−1.駆動装置の構成
制御装置3による制御対象となる駆動装置1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。駆動装置1は、図1に示すように、内燃機関11と車輪15とを結ぶ動力伝達経路に沿って、内燃機関11の側から順に、第一係合装置CL1及び回転電機12を備えている。すなわち、第一係合装置CL1の入力側係合部材は、当該第一係合装置CL1の出力側係合部材を介することなく内燃機関11に駆動連結されており、第一係合装置CL1の出力側係合部材は、当該第一係合装置CL1の入力側係合部材を介することなく車輪15に駆動連結されている。本実施形態では、駆動装置1は、更に変速機構13を備えており、この変速機構13は、回転電機12と車輪15との間の動力伝達経路に設けられている。また、図2に示すように、駆動装置1は、第一蓄電装置21を備え、本実施形態では、更に第二蓄電装置22を備えている。本実施形態では、第一係合装置CL1が本発明における「係合装置」に相当し、第一蓄電装置21が本発明における「蓄電装置」に相当する。
制御装置3による制御対象となる駆動装置1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。駆動装置1は、図1に示すように、内燃機関11と車輪15とを結ぶ動力伝達経路に沿って、内燃機関11の側から順に、第一係合装置CL1及び回転電機12を備えている。すなわち、第一係合装置CL1の入力側係合部材は、当該第一係合装置CL1の出力側係合部材を介することなく内燃機関11に駆動連結されており、第一係合装置CL1の出力側係合部材は、当該第一係合装置CL1の入力側係合部材を介することなく車輪15に駆動連結されている。本実施形態では、駆動装置1は、更に変速機構13を備えており、この変速機構13は、回転電機12と車輪15との間の動力伝達経路に設けられている。また、図2に示すように、駆動装置1は、第一蓄電装置21を備え、本実施形態では、更に第二蓄電装置22を備えている。本実施形態では、第一係合装置CL1が本発明における「係合装置」に相当し、第一蓄電装置21が本発明における「蓄電装置」に相当する。
内燃機関11は、機関内部における燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(ガソリンエンジン等)である。内燃機関11は、図1に示すように、駆動装置1の入力部材としての入力軸Iに駆動連結されている。本例では、内燃機関11のクランクシャフト等の内燃機関出力軸が、入力軸Iと一体回転するように駆動連結されている。内燃機関11は、第一係合装置CL1を介して回転電機12に駆動連結されている。本実施形態では、内燃機関11にはスタータ・オルタネータが備えられておらず、内燃機関11の始動時には、第一係合装置CL1を介して伝達される回転電機12の駆動力により内燃機関11の出力軸が回転駆動(クランキング)される。なお、本実施形態では、車両には回転電機12とは別のオルタネータ(発電機)が備えられておらず、本実施形態に係る駆動装置1は、オルタネータレス車両用の駆動装置とされている。
第一係合装置CL1は、内燃機関11と回転電機12との間の動力伝達経路に設けられ、車輪15及び回転電機12等から内燃機関11を切り離すための内燃機関切離用係合装置として機能する。具体的には、第一係合装置CL1の入力側係合部材が入力軸Iに駆動連結され、第一係合装置CL1の出力側係合部材が中間軸Mに駆動連結されている。第一係合装置CL1の係合の状態に応じて、内燃機関11と回転電機12とが連結した状態と、内燃機関11と回転電機12とが分離した状態とが、選択的に実現される。すなわち、第一係合装置CL1が係合した状態では、内燃機関11と回転電機12とが連結した状態となり、第一係合装置CL1が解放した状態では、内燃機関11と回転電機12とが分離した状態となる。ここで、「連結した状態」とは、係合装置を介して駆動連結される2つの回転部材の間での連結が維持される状態(連結維持状態)である。この連結維持状態では、当該2つの回転部材の間で駆動力の伝達が行われる。また、「分離した状態」とは、係合装置を介して駆動連結される2つの回転部材の間での連結が解除された状態(連結解除状態)である。この連結解除状態では、当該2つの回転部材の間で駆動力の伝達は行われない。
第一係合装置CL1は、摩擦係合装置として構成されている。本実施形態では、第一係合装置CL1は、油圧により動作するクラッチ(例えば湿式多板クラッチ)として構成されており、第一係合装置CL1の係合圧は、当該第一係合装置CL1に供給される油圧の大きさに比例して変化する。すなわち、本実施形態では、第一係合装置CL1の伝達トルク容量の大きさは、当該第一係合装置CL1に供給される油圧の大きさに比例して変化する。
回転電機12は、第一係合装置CL1と車輪15との間(具体的には、第一クラッチ
CL1と変速機構13との間)の動力伝達経路に設けられている。回転電機12は、ロータとステータとを有して構成され(図示せず)、モータ(電動機)としての機能とジェネレータ(発電機)としての機能との双方を果たすことが可能である。回転電機12のロータは、変速入力軸としての中間軸Mと一体回転するように駆動連結されている。図2に示すように、回転電機12は、インバータ装置24(直流交流変換装置)を介して第一蓄電装置21に電気的に接続されている。具体的には、回転電機12とインバータ装置24とが第一電力ライン91により電気的に接続され、インバータ装置24と第一蓄電装置21とが第二電力ライン92により電気的に接続されている。回転電機12は、第一蓄電装置21から電力の供給を受けて力行し、或いは、内燃機関11の出力トルクや車両の慣性力により発電(回生)した電力を第一蓄電装置21に供給して蓄電させる。第一蓄電装置21や詳細は後述する第二蓄電装置22は、例えばバッテリやキャパシタ等により構成される。本実施形態では、第一電力ライン91と第二電力ライン92とにより、本発明における回転電機と蓄電装置とを電気的に接続する「第一電気経路」が構成されている。
CL1と変速機構13との間)の動力伝達経路に設けられている。回転電機12は、ロータとステータとを有して構成され(図示せず)、モータ(電動機)としての機能とジェネレータ(発電機)としての機能との双方を果たすことが可能である。回転電機12のロータは、変速入力軸としての中間軸Mと一体回転するように駆動連結されている。図2に示すように、回転電機12は、インバータ装置24(直流交流変換装置)を介して第一蓄電装置21に電気的に接続されている。具体的には、回転電機12とインバータ装置24とが第一電力ライン91により電気的に接続され、インバータ装置24と第一蓄電装置21とが第二電力ライン92により電気的に接続されている。回転電機12は、第一蓄電装置21から電力の供給を受けて力行し、或いは、内燃機関11の出力トルクや車両の慣性力により発電(回生)した電力を第一蓄電装置21に供給して蓄電させる。第一蓄電装置21や詳細は後述する第二蓄電装置22は、例えばバッテリやキャパシタ等により構成される。本実施形態では、第一電力ライン91と第二電力ライン92とにより、本発明における回転電機と蓄電装置とを電気的に接続する「第一電気経路」が構成されている。
変速機構13は、中間軸Mの回転速度を変速比(ギヤ比)に基づき変速して、変速出力軸としての出力軸Oに伝達する。ここで、「変速比」は、出力軸O(変速出力軸)の回転速度に対する、中間軸M(変速入力軸)の回転速度の比である。本実施形態では、変速機構13は、変速比の異なる複数の変速段を切替可能に構成された自動有段変速機構である。複数の変速段を形成するため、変速機構13は、歯車機構と、この歯車機構の回転要素の係合又は解放を行う複数の変速用係合装置とを備え、複数の変速用係合装置のそれぞれの係合の状態を制御することで、変速段が切り替えられる。変速用係合装置には図1に示すように第二係合装置CL2が含まれる。第二係合装置CL2は摩擦係合装置として構成され、本実施形態では、油圧により動作するクラッチ(例えば湿式多板クラッチ)として構成されている。なお、「クラッチ」にはブレーキを含む。以下の説明では、第二係合装置CL2は、変速機構13が有する係合装置であって、現在選択されている変速段或いは次に選択される変速段を形成するために係合した状態に制御される係合装置を指すものとする。例えば、車両の停止状態では、最大変速比の変速段(第1速段)を形成するためのクラッチが第二係合装置CL2とされる。
出力軸Oは、出力用差動歯車装置14を介して左右2つの車輪15に駆動連結されており、出力軸Oに伝達されたトルクは、出力用差動歯車装置14により分配されて2つの車輪15に伝達される。このようにして、駆動装置1は、内燃機関11及び回転電機12の一方又は双方の出力トルクを車輪15に伝達して車両を走行させることができる。
1−2.制御装置の構成
本実施形態に係る制御装置3の構成について、図2を参照して説明する。図2に示すように、本実施形態に係る制御装置3は、複数の機能部を備えている。複数の機能部は、互いに情報の受け渡しを行うことができるように構成されている。制御装置3は、CPU等の演算処理装置を中核として備えると共に、RAMやROM等の記憶装置等を有して構成されている。そして、ROM等に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により、制御装置3の各機能部が構成されている。
本実施形態に係る制御装置3の構成について、図2を参照して説明する。図2に示すように、本実施形態に係る制御装置3は、複数の機能部を備えている。複数の機能部は、互いに情報の受け渡しを行うことができるように構成されている。制御装置3は、CPU等の演算処理装置を中核として備えると共に、RAMやROM等の記憶装置等を有して構成されている。そして、ROM等に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により、制御装置3の各機能部が構成されている。
制御装置3は、車両の各部に備えられたセンサSe1〜Se6による検出結果の情報を取得可能に構成されている。第一回転センサSe1は、内燃機関11(入力軸I)の回転速度を検出するセンサである。第二回転センサSe2は、回転電機12のロータ(中間軸M)の回転速度を検出するセンサであり、例えばレゾルバ等により構成される。第三回転センサSe3は、出力軸Oの回転速度を検出するセンサである。制御装置3は、第三回転センサSe3による検出結果に基づいて、車輪15の回転速度或いは車速を導出する。アクセル開度センサSe4は、アクセルペダル(図示せず)の開度(アクセル開度)を検出するセンサである。
制御装置3は、内燃機関11の動作制御を行う内燃機関制御ユニット23との間で、情報の受け渡しを行うことができるように構成されている。内燃機関制御ユニット23は、制御装置3からの指令に基づき、内燃機関11の動作点(出力トルク及び回転速度)を制御する。例えば、内燃機関制御ユニット23は、制御装置3から出力トルクの目標値が指令されている場合には、内燃機関11の出力トルクを当該目標値に追従させる(或いは近づける)制御であるトルク制御を行う。また、内燃機関制御ユニット23は、制御装置3からの指令に基づき、燃料噴射や点火の開始制御や停止制御を行い、内燃機関11の状態を動作状態(始動状態)と停止状態との間で切り替える。
第一蓄電装置センサSe5は、第一蓄電装置21の状態を検出するセンサである。本実施形態では、第一蓄電装置センサSe5は、第一蓄電装置21の端子間電圧を検出する電圧センサ、第一蓄電装置21の充放電電流を検出する電流センサ、及び、第一蓄電装置21の温度を検出する温度センサを備えている。制御装置3は、これら電圧センサ及び電流センサの検出結果に基づき、第一蓄電装置21のSOC(state of charge:充電状態)或いは蓄電量と、第一蓄電装置21の充放電電力を導出して取得する。SOCは、満充電容量に対する充電残量の比率を、百分率で表す指標である。充放電電力は、例えば、端子間電圧と充放電電流との積により導出される。SOCは、例えば、端子間電圧に基づき導出され、或いは、充放電電力の積算値に基づき導出される。なお、第一蓄電装置センサSe5側でSOCや充放電電力が導出され、導出されたSOCや充放電電力の情報を制御装置3が取得する構成とすることも可能である。第二蓄電装置センサSe6は、第一蓄電装置21が第二蓄電装置22に置き換わる点を除いて、第一蓄電装置センサSe5と同様に構成されている。すなわち、制御装置3は、第二蓄電装置22のSOCや充放電電力を導出して取得することが可能に構成されている。
油圧制御部32は、第一係合装置CL1及び第二係合装置CL2を含む各係合装置への油圧の供給を制御する機能部である。油圧制御部32は、実現すべき走行モードと変速段とに応じて各係合装置に対する油圧指令を出力し、油圧制御装置26を介して各係合装置に供給される油圧を制御する。各係合装置の係合の状態は、供給される油圧に応じて、直結係合した状態、スリップ係合した状態、及び解放した状態の内のいずれかの状態に制御される。なお、本実施形態では、油圧制御装置26は比例ソレノイド等を備えており、油圧制御部32の油圧指令に応じて各係合装置への供給油圧を連続的に制御可能とされている。
油圧制御部32は、トルク制御又は回転速度制御により各係合装置の動作制御を行う。ここで、「トルク制御」は、係合装置の伝達トルク容量の目標値(目標伝達トルク容量)を設定し、当該係合装置の伝達トルク容量を目標伝達トルク容量に追従させる(或いは近づける)制御である。また、「回転速度制御」は、係合装置により係合される2つの係合部材の間の回転速度差の目標値(目標回転速度差)を設定し、当該係合装置の伝達トルク容量を制御して上記回転速度差を目標回転速度差に追従させる(或いは近づける)制御である。なお、回転速度制御では、2つの係合部材の内の一方の係合部材の回転速度が他の要因(例えば車速等)により一意に定まる場合には、他方の係合部材の回転速度を目標回転速度に追従させる(或いは近づける)制御となる。
回転電機制御部33は、回転電機12の動作を制御する機能部である。回転電機制御部33は、インバータ装置24を制御することで、回転電機12の動作点(出力トルク及び回転速度)を制御する。本実施形態では、回転電機制御部33は、トルク制御又は回転速度制御により回転電機12の動作制御を行う。ここで、「トルク制御」は、回転電機12の出力トルクの目標値(目標トルク)を設定し、回転電機12の出力トルクを目標トルクに追従させる(或いは近づける)制御である。また、「回転速度制御」は、回転電機12の回転速度の目標値(目標回転速度)を設定し、回転電機12の出力トルクを制御して回転電機12の回転速度を目標回転速度に追従させる(或いは近づける)制御である。
内燃機関11及び回転電機12は、基本的に、内燃機関11の出力トルクと回転電機12の出力トルクとの和が要求トルク(車両要求トルク)に等しい均衡関係となるように制御される。変速機構13の変速比が「1」でない場合には、動力伝達経路における同一の回転部材に伝達された場合のトルクに換算して上記の均衡関係が成立する。要求トルクは、車輪15に伝達されることが要求されるトルクである。制御装置3は、例えば、車速、アクセル開度、蓄電装置21,22(特に、第一蓄電装置21)の状態(例えば蓄電量等)等に基づいて、要求トルクマップ(図示せず)を参照する等して要求トルクを決定する。
制御装置3は、例えば蓄電装置21,22(特に、第一蓄電装置21)の充電の必要性や車両全体のエネルギ効率等を考慮して、内燃機関11に対して要求する出力トルクである内燃機関要求トルク(すなわち、要求トルクの内の内燃機関11による負担分)、及び回転電機12に対して要求する出力トルクである回転電機要求トルク(すなわち、要求トルクの内の回転電機12による負担分)を決定する。回転電機12に発電を行わせる場合には、回転電機要求トルクは、目標発電電力を発電するために必要となる負トルクに設定される。以下では、この負トルクの絶対値を「発電トルク」という。この場合、回転電機要求トルクが負の値となることで、内燃機関要求トルクは、要求トルクよりも発電トルク分だけ大きな値とされる。なお、発電トルクの目標値である目標発電トルクは、目標発電電力を回転電機12の回転速度(目標値又は検出値)で除算することで得られる。詳細は、後の「1−3.発電状態決定部の構成」の項で説明するが、目標発電トルクは発電状態決定部35により決定され、決定された目標発電トルクに基づき、回転電機制御部33が回転電機12の発電制御を行う。
制御装置3は、基本的に、内燃機関要求トルクが零の場合に電動走行モードを選択し、内燃機関要求トルクが零でない場合にハイブリッド走行モードを選択する。ここで、電動走行モードでは、第一係合装置CL1を解放した状態に制御するとともに第二係合装置CL2を係合した状態(基本的に、直結係合した状態)に制御し、回転電機12の出力トルクを車輪15に伝達させて車両を走行させる。また、ハイブリッド走行モードでは、第一係合装置CL1及び第二係合装置CL2の双方を係合した状態(基本的に、直結係合した状態)に制御し、内燃機関11及び回転電機12の双方の出力トルクを車輪15に伝達させて車両を走行させる。
また、制御装置3は、車両の停止状態で蓄電装置21,22(特に、第一蓄電装置21)を充電する必要がある場合には、停車発電モードを選択する。この停車発電モードでは、車両の停止状態で、第一係合装置CL1を係合した状態(基本的に、直結係合した状態)に制御するとともに第二係合装置CL2を解放した状態に制御し、内燃機関11の出力トルクにより回転電機12に発電を行わせる。この停車発電モードでは、変速機構13内でのトルクの伝達が実質的に行われず、損失を無視して考えると、内燃機関11の出力トルクと回転電機12の発電トルクとを等しくする制御が実行される。
ここで、第一係合装置CL1を介して内燃機関11のトルクを回転電機12に伝達して当該回転電機12に発電を行わせることを「内燃機関トルク発電」と定義すると、内燃機関トルク発電は、ハイブリッド走行モードの実現時であって蓄電装置21,22(特に、第一蓄電装置21)を充電する必要がある場合に実行され、また、停車発電モードの実現時に実行される。蓄電装置21,22の充電の必要性は、以下に述べる充電必要性判定部34により判定される。
充電必要性判定部34は、第一蓄電装置21のSOCに基づき当該第一蓄電装置21の充電の必要性を判定する機能部である。本実施形態では、充電必要性判定部34は、第一蓄電装置センサSe5の検出結果に基づき導出されるSOC(以下、「SOC導出値Sr」とする。)に基づき、第一蓄電装置21の充電の必要性を判定する。例えば、SOC導出値Srが判定閾値以下である場合に、第一蓄電装置21の充電が必要であると判定し、そうでない場合に、第一蓄電装置21の充電が不要であると判定する構成とすることができる。この判定閾値は、例えば、5〜20〔%〕の中から選択される値とすることができ、固定値とすることも可変値とすることもできる。また、SOC導出値Srが、第一蓄電装置21のSOCの目標値(以下、「SOC目標値So」とする。)より判定量以上低い場合に、第一蓄電装置21の充電が必要であると判定し、そうでない場合に、第一蓄電装置21の充電が不要であると判定する構成とすることもできる。SOC目標値Soは、例えば、70〜90〔%〕の中から選択される値とすることができ、固定値とすることも可変値とすることもできる。本実施形態では、SOCが本発明における「充電状態指標」に相当し、SOC目標値が本発明における「目標充電状態指標」に相当する。
上述したように、本実施形態では、第一蓄電装置21に加えて第二蓄電装置22を備えている。そして、充電必要性判定部34は、第二蓄電装置22のSOCに基づき当該第二蓄電装置22の充電の必要性も判定するように構成されている。第一蓄電装置21についての判定と同様、充電必要性判定部34は、第二蓄電装置22のSOC導出値Srに基づき、第二蓄電装置22の充電の必要性を判定する。なお、詳細は省略するが、第二蓄電装置22の充電は、DC/DCコンバータ装置25を介して入力される、第一蓄電装置21に蓄電された電力、或いは、回転電機12が発電した電力により行われる。
第一蓄電装置21が主に回転電機12に電力を供給するための蓄電装置であるのに対し、第二蓄電装置22は、主に車載機器20に電力を供給するための蓄電装置である。ここで、車載機器20は、車両が備える機能を果たすために電力を消費する機器(電力消費機器)である。車両に備えられる電力消費機器であって、動作電圧が回転電機12の駆動電圧より低い電力消費機器が、車載機器20に含まれ得る。本実施形態では、DC/DCコンバータ装置25の低圧側の回路に接続されている電力消費機器の全て又は一部(本例では全て)を、車載機器20とする。すなわち、本実施形態では、第二蓄電装置22から電力の供給を受けて動作する電力消費機器の全て又は一部(本例では全て)を、車載機器20とする。よって、本実施形態では、車載機器20には、例えば、ECU(Electronic Control Unit)、エアコンディショナ用のコンプレッサ、電動ポンプ、灯火装置、内燃機関の点火装置等が含まれ得る。すなわち、一般的に「補機」或いは「車載電装品」等と呼ばれる電力消費機器が車載機器20とされ、本実施形態では、制御装置3も車載機器20に含める。
第二蓄電装置22の定格電圧は、当該第二蓄電装置22の電力の供給対象である車載機器20の動作電圧に基づき設定される。本実施形態では、第二蓄電装置22は第一蓄電装置21より定格電圧の低い低圧の蓄電装置とされている。そのため、第一蓄電装置21と第二蓄電装置22との間の電気経路には、制御装置3により動作制御されるDC/DCコンバータ装置25(直流直流変換装置)が配置されている。具体的には、図2に示すように、DC/DCコンバータ装置25と第二電力ライン92とが、第三電力ライン93により電気的に接続されているとともに、DC/DCコンバータ装置25と第二蓄電装置22とが、第四電力ライン94により電気的に接続されている。また、車載機器20と第四電力ライン94とが、第五電力ライン95により電気的に接続されている。本実施形態では、第二電力ライン92の一部、第三電力ライン93、第四電力ライン94の一部、及び第五電力ライン95により、本発明における車載機器と蓄電装置とを電気的に接続する「第二電気経路」が構成されている。
DC/DCコンバータ装置25は、第一蓄電装置21の出力電圧或いは回転電機12の発電電圧を降圧して、車載機器20を駆動するための電圧、或いは第二蓄電装置22を充電するための電圧を生成する。また、DC/DCコンバータ装置25は、第二蓄電装置22の出力電圧を昇圧して、回転電機12を駆動するための電圧、或いは第一蓄電装置21を充電するための電圧を生成することも可能に構成されている。例えば、第一蓄電装置21を定格電圧が200〜240〔V〕程度の蓄電装置とし、第二蓄電装置22を定格電圧が12〜24〔V〕程度の蓄電装置とすることができる。
ところで、第一係合装置CL1がスリップ係合した状態で、内燃機関トルク発電が実行される場合が想定される。例えば、ハイブリッド走行モードにおいて内燃機関トルク発電を実行する際に、第一係合装置CL1及び第二係合装置CL2の内の少なくともいずれか一方をスリップ係合した状態にしなければ、入力軸Iの回転速度を、内燃機関11が自立運転を継続可能な回転速度の下限値以上の値とすることができない場合に、このような状況となる。具体例を挙げると、例えば車両の発進直後等の車速が低い場合に、このような状況となる。第二係合装置CL2のみをスリップ係合した状態とすることも可能ではあるが、第二係合装置CL2の係合部材間の回転速度差が大きい状態を長く継続することは、第二係合装置CL2の過熱による耐久性低下を抑制するという観点から好ましくない。
特に、本実施形態のように第二係合装置CL2が変速機構13の変速用係合装置である場合には、第二係合装置CL2の冷却性能を十分に確保することは容易ではないため、第二係合装置CL2がスリップ係合した状態では、第二係合装置CL2の発熱量は増大しやすい。これに対し、第一係合装置CL1は、一般的に変速用係合装置に比べて冷却性能を高く確保することが容易である。そのため、本実施形態に係る図1に示す構成では、第二係合装置CL2の係合部材間の回転速度差を小さく抑え、或いは零とすべく、第一係合装置CL1を積極的にスリップ係合した状態とすることが、第二係合装置CL2の保護の観点から好ましい。
しかし、このように第一係合装置CL1がスリップ係合した状態で内燃機関トルク発電を実行すると、第一係合装置CL1が直結係合した状態である場合に比べて、スリップによる発熱分に応じたエネルギ損失により、発電効率(エネルギの利用率)が低下する。そのため、エネルギ効率の観点からは、第一係合装置CL1がスリップ係合した状態では回転電機12の発電を禁止することが好ましいが、本実施形態では上述したように、車両には回転電機12とは別の発電機が備えられていない。すなわち、本実施形態では、車両(駆動装置1)に必要な発電量を全て回転電機12で賄う構成となっている。従って、回転電機12の発電を禁止すると、車載機器20が蓄電装置21,22の電力を消費して動作することになり、充電の必要性があると判定されている蓄電装置21,22のSOCが更に低下するおそれがある。
上記の点に鑑みて、本実施形態では、第一係合装置CL1がスリップ係合した状態である間は、回転電機12の発電電力を車載機器20の現在の消費電力以上であって車載機器20の最大消費電力以下に定まる車載機器用電力に近づける制御を実行するように構成されている。この制御は、後述する発電状態決定部35により実行される。よって、発電効率(エネルギの利用率)が低下する状態である第一係合装置CL1がスリップ係合した状態においては、蓄電装置21,22(特に、第一蓄電装置21)を充電するための電力が回転電機12により発電されることを抑制することができ、車両のエネルギ効率の向上を図ることが可能となっている。
1−3.発電状態決定部の構成
次に、本発明の要部である発電状態決定部35の構成について、図3及び図4を参照して説明する。なお、以下では、第二蓄電装置22の充放電電力が零であるとともに、DC/DCコンバータ装置25が、車載機器20への供給電圧を発生するように駆動されている場合について説明する。すなわち、以下の説明は、駆動装置1が第二蓄電装置22を備えず第一蓄電装置21のみを備える場合についても適用される。
次に、本発明の要部である発電状態決定部35の構成について、図3及び図4を参照して説明する。なお、以下では、第二蓄電装置22の充放電電力が零であるとともに、DC/DCコンバータ装置25が、車載機器20への供給電圧を発生するように駆動されている場合について説明する。すなわち、以下の説明は、駆動装置1が第二蓄電装置22を備えず第一蓄電装置21のみを備える場合についても適用される。
発電状態決定部35は、充電必要性判定部34により第一蓄電装置21の充電が必要であると判定されている場合に、すなわち、内燃機関トルク発電を実行する際に、回転電機12の目標となる発電トルクである目標発電トルクを決定する機能部である。すなわち、目標発電トルクは、内燃機関トルク発電を実行する際の回転電機12の出力トルクの目標値である。本実施形態では、発電トルク及び目標発電トルクが、それぞれ、本発明における「発電状態」及び「目標発電状態」に相当する。また、本実施形態では、目標発電トルクの大きさが、本発明における「目標発電状態を規定する値」に相当する。回転電機制御部33は、発電状態決定部35が決定した目標発電トルクに基づき、回転電機12が目標発電トルクを出力するように制御する。この際、内燃機関11は、要求トルクと目標発電トルクとの和に相当するトルクを出力するように制御される。
発電状態決定部35は、第一係合装置CL1が直結係合した状態である間は、第一発電トルクを目標発電トルクとして決定する。ここで、第一発電トルクは、回転電機12の発電電力を、SOC導出値SrをSOC目標値Soに近づけるために必要な電力と、車載機器用電力との和に近づける発電トルク(すなわち、当該和に近づけるための回転電機12の発電トルク)である。車載機器用電力は、車載機器20の現在の消費電力以上であって車載機器20の最大消費電力以下に定まり、本実施形態では、車載機器20の現在の消費電力と等しい電力となるように制御される。これにより、第一係合装置CL1が直結係合した状態である間は、内燃機関トルク発電の実行によって、第一蓄電装置21のSOCが、回転電機12の発電電力に応じてSOC目標値Soに向かって上昇する。すなわち、回転電機12は、車載機器20の現在の消費電力(車載機器20が複数ある場合は消費電力の総和、以下同様。)より大きな電力を発電する状態となる。本実施形態では、第一発電トルクが本発明における「第一発電状態」に相当する。また、本実施形態では、SOC導出値SrをSOC目標値Soに近づけるために必要な電力が、本発明における「充電状態指標を目標充電状態指標に近づけるために必要な電力」に相当する。
発電状態決定部35は、第一係合装置CL1がスリップ係合した状態である間は、第二発電トルクを目標発電トルクとして決定する。ここで、第二発電トルクは、回転電機12の発電電力を車載機器20の現在の消費電力以上であって車載機器20の最大消費電力以下に定まる車載機器用電力に近づける発電トルク(すなわち、当該車載機器用電力に近づけるための回転電機12の発電トルク)である。上記のように、本実施形態では、車載機器用電力が車載機器20の現在の消費電力と等しい電力となるように制御される。これにより、第一係合装置CL1がスリップ係合した状態である間は、内燃機関トルク発電の実行によって、回転電機12の発電電力が、車載機器20の現在の消費電力に相当する電力となり、第一蓄電装置21には、充電及び放電の双方が実質的になされない状態となる。本実施形態では、第二発電トルクが本発明における「第二発電状態」に相当する。
本実施形態では、発電状態決定部35は、充放電電力検出値Prを目標充放電電力Poに近づけるフィードバック制御により第一発電トルクを導出するとともに、充放電電力検出値Prをゼロに近づけるフィードバック制御により第二発電トルクを導出する。以下、このような制御を実行するための発電状態決定部35の構成について、図3及び図4を参照して具体的に説明する。なお、図3は、本実施形態に係る発電状態決定部35の制御系を機能ブロック図として表したものである。また、図4は、本実施形態に係る発電状態決定部35により実行される目標発電トルクの決定処理の処理手順を示すフローチャートである。発電状態決定部35による処理は、内燃機関トルク発電の実行に際して、予め定められたタイミングで繰り返し実行される。すなわち、内燃機関トルク発電の実行中は、基本的に、発電状態決定部35による処理が繰り返し実行される。発電状態決定部35がプログラムにより構成される場合には、制御装置3が備える演算処理装置が、発電状態決定部35を構成するプログラムを実行するコンピュータとして動作する。
発電状態決定部35には、図3に示すように、SOC目標値So、SOC導出値Sr、電圧検出値Vr、電流検出値Ir、回転速度Nm、第一フラグF1、及び第二フラグF2が入力されるように構成されている。ここで、電圧検出値Vrは第一蓄電装置21の端子間電圧の検出値であり、電流検出値Irは第一蓄電装置21の充放電電流の検出値である。これらの電圧検出値Vr及び電流検出値Irは、本例では、第一蓄電装置センサSe5による検出結果が用いられる。回転速度Nmは、回転電機12の回転速度(検出値又は目標値)である。
図3に示すように、乗算器66には、電圧検出値Vrと電流検出値Irとが入力され、乗算器66は、電圧検出値Vrと電流検出値Irとを積算することで得られる充放電電力検出値Prを、減算器65に出力する。充放電電力検出値Prは、第一蓄電装置21の充放電電力の検出値である。すなわち、充放電電力検出値Prが、本発明における「検出される蓄電装置の充放電電力」に相当する。ここでは、電流検出値Irの符号を、第一蓄電装置21に電流が流れ込む場合を正とし、第一蓄電装置21から流れ出る場合を負とすると、第一蓄電装置21が充電されている場合には充放電電力検出値Prが正の値となり、第一蓄電装置21が放電している場合には充放電電力検出値Prが負の値となる。この乗算器66での処理が、図4のステップ#01の処理に対応する。
切替器64は、第一フラグF1の内容に基づき、目標充放電電力Poと「0」とのいずれか一方を減算器65に出力する。具体的には、切替器64は、第一係合装置CL1が直結係合した状態であることを第一フラグF1が示す場合には、目標充放電電力Poを減算器65に出力し、第一係合装置CL1がスリップ係合した状態であることを第一フラグF1が示す場合には、「0」が減算器65に出力される。切替器64による第一フラグF1の内容の判定が、図4のステップ#02の処理に対応する。
目標充放電電力Poは、充放電電力決定部36により決定される。充放電電力決定部36は、図3に示すように、SOC導出値SrとSOC目標値Soとの差分に基づき第一蓄電装置21の目標充放電電力Poを決定する機能部である。このような機能を実現すべく、図3に示すように、充放電電力決定部36は、減算器61、比例制御器62、及び上下限処理器63を備えている。減算器61には、SOC導出値SrとSOC目標値Soとが入力され、SOC目標値SoからSOC導出値Srを減算することで得られるSOCの差分が、比例制御器62へ出力される。なお、発電状態決定部35による処理は、充電必要性判定部34により第一蓄電装置21の充電が必要であると判定されている場合に実行されるため、基本的に、SOC目標値SoはSOC導出値Srより大きな値に設定される。
上記のSOCの差分は、比例制御器62にてゲイン(比例ゲイン)が乗算された後に前回の目標充放電電力Poと加減算されることで、新たな目標充放電電力Poが導出される。本実施形態では、比例制御器62にて導出された目標充放電電力Poは、上下限処理器63にて予め定められた範囲内の値に収まるように処理された後、切替器64へ出力される。充放電電力決定部36による目標充放電電力Poの導出処理が、図4のステップ#03の処理に対応する。なお、SOC目標値So及び比例制御器62のゲインの一方又は双方を、可変値とすることも可能である。この場合、例えば、車速、外気温、第一蓄電装置21の温度等に基づく可変値とし、或いは、充放電のスケジュール(例えば、道路地図情報に基づき設定される)に基づく可変値とすることが可能である。
上記のように、第一係合装置CL1がスリップ係合した状態であることを第一フラグF1が示す場合には、切替器64から減算器65に「0」が入力される。これは、値が「0」の目標充放電電力Poを減算器65に入力することと等価であり、減算器65への「0」の入力が、図4のステップ#04の処理に対応する。
減算器65は、切替器64から入力される目標充放電電力Po又は「0」と、乗算器66から入力される充放電電力検出値Prとの差分を導出し、フィードバック制御器67が当該差分に基づき、当該差分をゼロに近づけるための回転電機12の目標発電電力Paを導出する。フィードバック制御器67によるフィードバック制御は、比例制御、積分制御、及び微分制御の1つ以上を組み合わせた演算(例えば、比例積分制御の演算)を行う構成とすることができる。そして、フィードバック制御器67は、ゲイン(例えば、比例ゲイン及び積分ゲイン)を用いて導出される補正値と前回の目標発電電力Paとの加減算により、新たな目標発電電力Paを導出する。
ここで、第一係合装置CL1が直結係合した状態である場合には、切替器64から減算器65に目標充放電電力Poが入力されるため、減算器65及びフィードバック制御器67による処理は、検出される第一蓄電装置21の充放電電力(充放電電力検出値Pr)を目標充放電電力Poに近づけるフィードバック制御となる。一方、第一係合装置CL1がスリップ係合した状態である場合には、切替器64から減算器65に「0」が入力されるため、減算器65及びフィードバック制御器67による処理は、検出される第一蓄電装置21の充放電電力(充放電電力検出値Pr)をゼロに近づけるフィードバック制御となる。この後者のフィードバック制御は、前者のフィードバック制御において目標充放電電力Poをゼロに設定した場合に相当する。減算器65及びフィードバック制御器67による目標発電電力Paの導出が、図4のステップ#05の処理に対応する。
本実施形態では、回転電機12の発電状態(本例では、発電トルク)の急変によるショックの発生を抑制すべく、発電状態決定部35は、目標発電状態を規定する値(本例では、目標発電トルクの大きさ)の変化率を制限する変化率制限部37を備えている。図3に示す例では、変化率制限部37は変化率制限器68により構成され、フィードバック制御器67の出力(目標発電電力Pa)が、変化率制限器68による緩変化処理を受けて切替器69に出力されるように構成されている。すなわち、図3の例では、目標発電電力Paに対して緩変化処理を行うことで、緩変化処理後の目標発電電力Pbに基づき導出される目標発電トルクの変化率を制限するように構成されている。
切替器69は、第二フラグF2の内容に基づき、変化率制限器68から入力される目標発電電力と「0」とのいずれかを除算器70に出力する。具体的には、切替器69は、走行モードが電動走行モードではないことを第二フラグF2が示す場合には、目標発電電力Pbを除算器70に出力し、走行モードが電動走行モードであることを第二フラグF2が示す場合には、「0」を除算器70に出力する。なお、発電状態決定部35による処理は、基本的に、内燃機関トルク発電の実行に際して行われるため、図4では切替器69にて行われる処理を省略している。
除算器70は、切替器69から入力される目標発電電力Pbを回転電機12の回転速度Nmで除算することで、回転電機12の目標発電トルクTmを導出する。ここで、回転速度Nmは、制御形態に応じて、第二回転センサSe2による検出値、或いは、回転速度制御における目標値とされる。なお、回転電機12の回転速度制御の実行時には、回転電機12の出力トルクを直接設定することはできないが、例えば、内燃機関11が、要求トルクと目標発電トルクTmとの和に相当するトルクを出力するように制御することで、間接的に回転電機12の出力トルクを目標発電トルクTmに合わせるように制御することができる。
このように、第一係合装置CL1が直結係合した状態である場合には、充放電電力検出値Prを目標充放電電力Poに近づけるフィードバック制御が実行されて、車載機器20の現在の消費電力に加えて第一蓄電装置21を充電するための電力を回転電機12に発生させるための第一発電トルクが目標発電トルクTmとして導出される。一方、第一係合装置CL1がスリップ係合した状態である場合には、充放電電力検出値Prをゼロに近づけるフィードバック制御が実行されて、車載機器20の現在の消費電力に相当する電力を回転電機12に発生させるための第二発電トルクが目標発電トルクTmとして導出される。
2.第二の実施形態
本発明に係る制御装置の第二の実施形態について、図5〜図7を参照して説明する。本実施形態では、車載機器用電力が、車載機器20の現在の消費電力ではなく、車載機器20の最大消費電力と等しい電力となるように制御される点で、上記第一の実施形態とは異なる。なお、車載機器20の現在の消費電力が車載機器20の最大消費電力に一致する場合もあり得るが、そのような状態は一般的には長く続かないためここでは考えない。以下では、上記第一の実施形態との相違点を中心に説明し、特に明記しない点については上記第一の実施形態と同様とする。
本発明に係る制御装置の第二の実施形態について、図5〜図7を参照して説明する。本実施形態では、車載機器用電力が、車載機器20の現在の消費電力ではなく、車載機器20の最大消費電力と等しい電力となるように制御される点で、上記第一の実施形態とは異なる。なお、車載機器20の現在の消費電力が車載機器20の最大消費電力に一致する場合もあり得るが、そのような状態は一般的には長く続かないためここでは考えない。以下では、上記第一の実施形態との相違点を中心に説明し、特に明記しない点については上記第一の実施形態と同様とする。
図5に示すように、本実施形態に係る制御装置3は、基本的に上記第一の実施形態に係る制御装置3(図2参照)と同様に構成されているが、本実施形態では、発電状態決定部35が、充放電電力決定部36及び変化率制限部37に加えて推定消費電力決定部38を備えている。推定消費電力決定部38は、車載機器20の消費電力の推定値である推定消費電力Peを決定する機能部である。
本実施形態では、推定消費電力決定部38は、車載機器20の仕様上の最大消費電力を推定消費電力Peとして決定するように構成されている。車載機器20が複数ある場合には、複数の車載機器20のそれぞれの仕様上の最大消費電力の総和を推定消費電力Peとする。これにより、本実施形態では、上記のように、車載機器用電力が車載機器20の最大消費電力(仕様上の最大消費電力)と等しい電力となるように制御される。なお、複数の車載機器20の内の現在動作中の車載機器20のみを考慮して最大消費電力の総和を導出する構成とすることもできる。このような場合は、車載機器用電力は、車載機器20の現在の消費電力と車載機器20の最大消費電力との間の中間値となり得る。
本実施形態では、発電状態決定部35は、目標充放電電力Poと推定消費電力Peとの和を第一発電状態での回転電機12の発電電力とするとともに、推定消費電力Peを第二発電状態での回転電機12の発電電力とするように構成されている。すなわち、本実施形態では、上記第一の実施形態とは異なり、充放電電力検出値Prには基づかずに目標発電トルクが決定される。なお、「第一発電状態」は、回転電機12の発電トルクが第一発電トルクとなる状態であり、「第二発電状態」は、回転電機12の発電トルクが第二発電トルクとなる状態である。
以下、図6及び図7を参照して、本実施形態に係る発電状態決定部35の構成について説明する。図6に示すように、加算器75には、推定消費電力決定部38が決定した推定消費電力Peが入力される。推定消費電力決定部38による推定消費電力Peの決定処理が、図7のステップ#01に対応する。
切替器74は、上記第一の実施形態(図3)の切替器64と同様に構成されており、目標充放電電力Poを決定するための、減算器71、比例制御器72、及び上下限処理器73のそれぞれも、上記第一の実施形態の減算器61、比例制御器62、及び上下限処理器63と同様に構成されている。そのため、図7のステップ#12、ステップ#13、及びステップ#14の各処理は、上記第一の実施形態に係る図4のステップ#02、ステップ#03、及びステップ#04と同様の処理となる。
加算器75は、切替器74から入力される目標充放電電力Po又は「0」と、推定消費電力決定部38から入力される推定消費電力Peとの和を、回転電機12の目標発電電力Paとして導出する。加算器75による目標発電電力Paの導出が、図7のステップ#15の処理に対応する。変化率制限器76、切替器77、及び除算器78は、それぞれ、上記第一の実施形態(図3)の変化率制限器68、切替器69、及び除算器70と同様に構成されており、除算器78が目標発電トルクTmを出力する。この除算器78による目標発電トルクTmの出力が、図7のステップ#16の処理に対応する。
第一係合装置CL1が直結係合した状態である場合には、切替器74から加算器75に目標充放電電力Poが入力されるため、加算器75により導出される目標発電電力Paは、目標充放電電力Poと推定消費電力Peとの和となる。そのため、この目標発電電力Pa(より正確には緩変化処理後の目標発電電力Pb)に基づき導出される目標発電トルクTmは、回転電機12を第一発電状態とするための第一発電トルクとなる。この場合、推定消費電力Peと実際の車載機器20の消費電力との間の差に応じた電力分、第一蓄電装置21の実際の充電電力が目標充放電電力Poより大きくなる。
一方、第一係合装置CL1がスリップ係合した状態である場合には、切替器74から加算器75に「0」が入力されるため、加算器75により導出される目標発電電力Paは、推定消費電力Peとなる。そのため、この目標発電電力Pa(より正確には緩変化処理後の目標発電電力Pb)に基づき導出される目標発電トルクTmは、回転電機12を第二発電状態とするための第二発電トルクとなる。この場合、推定消費電力Peと実際の車載機器20の消費電力との間の差に応じた電力分、第一蓄電装置21に対する充電が行われる。しかし、上記差は一般的に大きな値とはならず、また、第一係合装置CL1がスリップ係合した状態は一般的に長く継続されないため、エネルギ効率の大きな低下にはつながらない。
3.その他の実施形態
最後に、本発明に係る制御装置の、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。
最後に、本発明に係る制御装置の、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。
(1)上記第一及び第二の実施形態では、制御装置3による制御対象となる駆動装置1において、回転電機12のロータが、変速機構13の入力軸(変速入力軸)と常時一体回転する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、図8及び図9に示す例のように、回転電機12のロータが一体回転する第一中間軸M1と、変速入力軸として機能する第二中間軸M2との間に他の装置が介在する構成とすることも可能である。図8に示す例では、第一中間軸M1と第二中間軸M2とを連結するように、ロックアップクラッチとして機能する第三係合装置CL3を有するトルクコンバータ16(流体継手の一例)が設けられている。図9に示す例では、第一中間軸M1と第二中間軸M2とを連結するように第四係合装置CL4が設けられている。このような構成では、例えば車両の発進直後等の車速の低い場合に、第二係合装置CL2に代えて第三係合装置CL3や第四係合装置CL4をスリップ係合した状態に制御することも可能である。
(2)上記第一及び第二の実施形態では、変速機構13が、回転電機12と車輪15との間の動力伝達経路に設けられた構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、図10に示す例のように、変速機構13が、内燃機関11と回転電機12との間の動力伝達経路に設けられた構成とすることも可能である。なお、図10に示す例では、内燃機関11と変速機構13との間の動力伝達経路に、ロックアップクラッチとして機能する第三係合装置CL3を有するトルクコンバータ16(流体継手の一例)が設けられている。このような構成では、内燃機関11と回転電機12との間の動力伝達経路に配置される第二係合装置CL2又は第三係合装置CL3を本発明における「係合装置」として、当該係合装置が、上記第一及び第二の実施形態の第一係合装置CL1と同様に制御される構成とすることができる。なお、図10に示す例では、回転電機12が係合装置を介することなく車輪15に駆動連結され、回転電機12が常時、車輪15と連動して回転する構成となる。図10に示す例に限らず、本発明では、このように回転電機12が係合装置を介することなく車輪15に駆動連結される構成も権利範囲に含む。
(3)上記第一及び第二の実施形態の構成(図1の構成)、並びに上述した図8〜図10の各構成では、駆動装置1が変速機構13を備える構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、駆動装置1が変速機構13を備えない構成とすることも可能である。この場合、例えば図1の構成では、駆動装置1が単一の係合装置(第一係合装置CL1のみ)を備え、回転電機12が常時、車輪15と連動して回転する構成となる。
(4)上記第一及び第二の実施形態では、変化率制限部37が目標発電電力Paに対して緩変化処理を実行する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、変化率制限部37が、目標充放電電力Poに対して緩変化処理を実行することで、当該目標充放電電力Poに基づき導出される目標発電トルクの変化率を制限する構成とすることも可能である。具体的には、例えば、図3に示す構成において、変化率制限器68が、図3に示す位置に代えて、切替器64と減算器65との間に配置された構成とすることができる。また、例えば、図6に示す構成において、変化率制限器76が、図6に示す位置に代えて、切替器74と加算器75との間に配置された構成とすることができる。なお、発電状態決定部35が、変化率制限部37を備えない構成とすることも可能である。
(5)上記第一の実施形態では、フィードバック制御器67が、ゲイン用いて導出される補正値と前回の目標発電電力Paとの加減算により、新たな目標発電電力Paを導出する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、フィードバック制御器67が、ゲイン用いて導出される補正値と前回の目標発電トルクとの加減算により、新たな目標発電トルクを導出する構成とすることも可能である。このような構成では、図3に示す除算器70は不要となる。
(6)上記第二の実施形態では、推定消費電力決定部38が、車載機器20の仕様上の最大消費電力を推定消費電力Peとして決定する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、推定消費電力決定部38が他の手法に基づき推定消費電力Peを決定する構成とすることもできる。例えば、DC/DCコンバータ装置25の高圧側の回路或いは低圧側の回路に電圧センサ及び電流センサが備えられる場合に、DC/DCコンバータ装置25に高圧側から入力される電力、或いはDC/DCコンバータ装置25から低圧側へ出力される電力を検出して、検出された電力に基づき推定消費電力Peを決定する構成とすることもできる。
(7)上記第一及び第二の実施形態では、本発明における「充電状態指標」がSOCとされる構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、端子間電圧又は充放電電流を、本発明における「充電状態指標」として上記第一及び第二の実施形態と同様の制御を行うことも可能である。
(8)上記第一及び第二の実施形態では、駆動装置1が、第一蓄電装置21とは別に第二蓄電装置22を備えた構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、駆動装置1が、第一蓄電装置21のみを備える構成とすることも可能である。
(9)上記第一及び第二の実施形態では、制御装置3とは別に内燃機関制御ユニット23が備えられた構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、内燃機関制御ユニット23が制御装置3に一体化された構成とすることも可能である。また、上記第一及び第二の実施形態で説明した制御装置3における機能部の割り当ては単なる一例であり、複数の機能部を組み合わせたり、1つの機能部を更に区分けしたりすることも可能である。
(10)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、本願の特許請求の範囲に記載されていない構成に関しては、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、内燃機関と車輪とを結ぶ動力伝達経路に沿って、内燃機関の側から順に、係合装置及び回転電機が設けられていると共に、蓄電装置と、回転電機と蓄電装置とを電気的に接続する第一電気経路と、車両が備える機能を果たすために電力を消費する車載機器と蓄電装置とを電気的に接続する第二電気経路と、を備えた車両用駆動装置を制御対象とする制御装置に好適に利用することができる。
1:駆動装置(車両用駆動装置)
11:内燃機関
12:回転電機
15:車輪
20:車載機器
21:第一蓄電装置(蓄電装置)
3:制御装置
33:回転電機制御部
34:充電必要性判定部
35:発電状態決定部
36:充放電電力決定部
37:変化率制限部
38:推定消費電力決定部
91:第一電力ライン(第一電気経路)
92:第二電力ライン(第一電気経路、第二電気経路)
93:第三電力ライン(第二電気経路)
94:第四電力ライン(第二電気経路)
95:第五電力ライン(第二電気経路)
CL1:第一係合装置(係合装置)
Pe:推定消費電力
Pr:充放電電力検出値(充放電電力)
Po:目標充放電電力
Sr:SOC導出値(充電状態指標)
So:SOC目標値(目標充電状態指標)
11:内燃機関
12:回転電機
15:車輪
20:車載機器
21:第一蓄電装置(蓄電装置)
3:制御装置
33:回転電機制御部
34:充電必要性判定部
35:発電状態決定部
36:充放電電力決定部
37:変化率制限部
38:推定消費電力決定部
91:第一電力ライン(第一電気経路)
92:第二電力ライン(第一電気経路、第二電気経路)
93:第三電力ライン(第二電気経路)
94:第四電力ライン(第二電気経路)
95:第五電力ライン(第二電気経路)
CL1:第一係合装置(係合装置)
Pe:推定消費電力
Pr:充放電電力検出値(充放電電力)
Po:目標充放電電力
Sr:SOC導出値(充電状態指標)
So:SOC目標値(目標充電状態指標)
Claims (4)
- 内燃機関と車輪とを結ぶ動力伝達経路に沿って、前記内燃機関の側から順に、係合装置及び回転電機が設けられていると共に、蓄電装置と、前記回転電機と前記蓄電装置とを電気的に接続する第一電気経路と、車両が備える機能を果たすために電力を消費する車載機器と前記蓄電装置とを電気的に接続する第二電気経路と、を備えた車両用駆動装置を制御対象とする制御装置であって、
前記係合装置を介して前記内燃機関のトルクを前記回転電機に伝達して前記回転電機に発電を行わせる内燃機関トルク発電の実行に際して、前記蓄電装置の充電状態を表す充電状態指標に基づき当該蓄電装置の充電の必要性を判定する充電必要性判定部と、
前記充電必要性判定部により前記蓄電装置の充電が必要であると判定されている場合に、前記回転電機の目標となる発電状態である目標発電状態を決定する発電状態決定部と、
前記発電状態決定部が決定した前記目標発電状態に基づき前記回転電機を制御する回転電機制御部と、を備え、
前記発電状態決定部は、前記係合装置が直結係合した状態である間は、前記回転電機の発電電力を、前記充電状態指標を目標充電状態指標に近づけるために必要な電力と、前記車載機器の現在の消費電力以上であって前記車載機器の最大消費電力以下に定まる車載機器用電力との和に近づける状態である第一発電状態を、前記目標発電状態として決定し、前記係合装置がスリップ係合した状態である間は、前記回転電機の発電電力を前記車載機器用電力に近づける状態である第二発電状態を、前記目標発電状態として決定する制御装置。 - 前記発電状態決定部は、前記充電状態指標と前記目標充電状態指標との差分に基づき前記蓄電装置の目標充放電電力を決定する充放電電力決定部を備え、
前記発電状態決定部は、検出される前記蓄電装置の充放電電力を前記目標充放電電力に近づけるフィードバック制御により前記第一発電状態を導出するとともに、検出される前記蓄電装置の充放電電力をゼロに近づけるフィードバック制御により前記第二発電状態を導出する請求項1に記載の制御装置。 - 前記発電状態決定部は、前記充電状態指標と前記目標充電状態指標との差分に基づき前記蓄電装置の目標充放電電力を決定する充放電電力決定部と、
前記車載機器の消費電力の推定値である推定消費電力を決定する推定消費電力決定部と、を備え、
前記発電状態決定部は、前記目標充放電電力と前記推定消費電力との和を前記第一発電状態での前記回転電機の発電電力とするとともに、前記推定消費電力を前記第二発電状態での前記回転電機の発電電力とする請求項1に記載の制御装置。 - 前記発電状態決定部は、前記目標発電状態を規定する値の変化率を制限する変化率制限部を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2012015977A JP2013154724A (ja) | 2012-01-27 | 2012-01-27 | 制御装置 |
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JP2012015977A Pending JP2013154724A (ja) | 2012-01-27 | 2012-01-27 | 制御装置 |
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2012
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