JP2013154355A - 雄ねじおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ねじ山の適所に、ねじ山のフランクの法線方向に突出する凸部を設ける雄ねじの製造方法において、ねじ山1リード分当たりの凸部の数を増やし、緩み止め効果をより一層大きくする。
【解決手段】複数の転造ダイス12,13の少なくとも1つを、ダイス面14,20の終端部分の素材1′の最後の1回転分の範囲内に、複数の落ち込み部17,18,23,24を有するものとし、素材1′が落ち込み部17,18,23,24を通過する際に、これらの落ち込み部17,18,23,24の立ち下がり部17a,18a,23a,24aと完成後の雄ねじのねじ溝に対応するダイス面14,20の突条との間に形成されるエッジ部が素材1′に食い込み、素材1′の対応する部分の肉を外側に押し出すことにより、ねじ山1リード分につき複数の凸部が形成されるようにする。
【選択図】図16

Description

本発明は、緩み止め機能を有する、タッピンねじ、ボルト、小ねじ、止めねじ、木ねじ等の雄ねじおよびその製造方法に関する。
従来より、ねじの緩み止めの方法としてよく知られている方法としては、「ダブルナット」がある。これは、2つのナットを重ねて螺合し、両ナット間に互いに強く押し合う力を生じさせることにより、ボルトに引張り力を作用させ、ボルトとナットのねじ山を互いに圧着させることによって、緩み止めを図るものである。
しかしながら、この「ダブルナット」は、ナット側で緩み止めを図る方法であるため、タッピンねじ等の場合には適用できないとともに、2つのナットを螺合しなければならないので、螺合作業に手間が掛る等の問題があった。
また、従来より、前記「ダブルナット」以外のねじの緩み止めの方法も多数知られているが、これらは「ダブルナット」の場合と同様に、雌ねじ側で緩み止めを行ったり、座金のようなものを挿入するものがほとんどであった。
そこで、本発明者は、ねじ山の適所に、該ねじ山のフランクの法線方向に突出する凸部を設けた雄ねじおよびその製造方法を発明し、この発明は特許文献1〜3に開示された。この雄ねじは、雌ねじ(タッピンねじや木ねじ等として使用されるときは、自分自身で被螺合材料にねじ立てした雌ねじ)に螺合されたとき、凸部の存在のためにねじ山が雌ねじに圧着され、緩み止めが図られる。したがって、雄ねじ側で緩み止めを図ることができる。また、「ダブルナット」の場合のように螺合作業に手間が掛ることもない。また、この雄ねじの製造方法によれば、前記凸部を有する雄ねじを通常の雄ねじと同様に転造加工により製造できるので、雄ねじを安価に製造できる。
特開平7−259833号公報 米国特許第5,868,536号明細書 米国特許第6,033,313号明細書
しかしながら、前記特許文献1〜3に開示されている実施例においては、雄ねじのねじ山1リード分(1回転分)当たりに形成できる凸部は、1つの転造ダイスにつき1つのみであった(したがって、平ダイスのように2つのダイスを使用してねじ転造を行う場合、雄ねじのねじ山1リード分に当たりに形成できる凸部の数は最大でも2つであった)。このため、緩み止め効果をより一層大きくできないという問題があった。
また、緩み止め効果を大きくするには、雄ねじが螺合したとき前記凸部が雌ねじのフランクを強く押圧するようにする必要がある関係上、通常の雄ねじの製造に使用される標準的な素材の線径より素材の線径をやや太くする必要があり、通常の雄ねじの製造に使用される標準的な線径の素材を使用できず、ひいては素材を加工するヘッダーダイスも標準的な穴径を有するものを使用できず、大きな穴を有するヘッダーダイスを別途に用意する必要があるという問題があった。
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的の一つは、1つの転造ダイスで複数の凸部を形成でき、ねじ山1リード分(1回転分)につき複数の凸部を有し、緩み止め効果が一層大きい雄ねじおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、通常の雄ねじの製造に使用される標準的な線径の素材を使用して製造できる雄ねじおよびその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
本発明による雄ねじの製造方法は、
製造すべき雄ねじのねじ山に対応するねじ山形成溝と、前記雄ねじの前記ねじ山間に形成されるねじ溝に対応する前記ねじ山形成溝間に形成された突条とをそれぞれダイス面に有する複数の転造ダイスの前記ダイス面間に素材を供給するとともに、前記複数の転造ダイスを相対的に動かして前記素材を前記複数の転造ダイス間で転がすことにより、前記雄ねじをねじ転造によって製造する雄ねじ製造方法であって、ねじ山の適所に、該ねじ山のフランクの法線方向に突出する凸部を設ける雄ねじ製造方法において、
前記複数の転造ダイスの少なくとも1つを、前記ダイス面の終端部分の前記素材に対し最後の1回転分の転造加工を行う領域に、該ダイス面の頂部から落ち込む複数の落ち込み部を前記素材の進行方向に並べて設けられている転造ダイスとする段階と、
前記複数の転造ダイス間に供給された前記素材が前記落ち込み部を通過する際に、前記落ち込み部において前記ダイス面の頂部から該落ち込み部の底部へ下降して行く立ち下がり部と前記突条との間に形成されるエッジ部が前記素材に食い込み、前記素材の対応する部分の肉を外側に押し出すことにより、前記ねじ山1リード分につき複数の前記凸部が形成されるようにする段階とを有するものである。
また、本発明による雄ねじは、
雄ねじのねじ山に対応するねじ山形成溝と、前記雄ねじの前記ねじ山間に形成されるねじ溝に対応する前記ねじ山形成溝間に形成された突条とをそれぞれダイス面に有する複数の転造ダイスの前記ダイス面間に素材を供給するとともに、前記複数の転造ダイスを相対的に動かして前記素材を前記複数の転造ダイス間で転がすことにより、ねじ転造によって製造された雄ねじであって、ねじ山の適所に、該ねじ山のフランクの法線方向に突出する凸部を設けられた雄ねじにおいて、
前記複数の転造ダイスの少なくとも1つは、前記ダイス面の終端部分の前記素材に対し最後の1回転分の転造加工を行う領域に、該ダイス面の頂部から落ち込む複数の落ち込み部を前記素材の進行方向に並べて設けられており、前記複数の転造ダイス間に供給された前記素材が前記落ち込み部を通過する際に、前記落ち込み部において前記ダイス面の頂部から該落ち込み部の底部へ下降して行く立ち下がり部と前記突条との間に形成されるエッジ部が前記素材に食い込み、前記素材の対応する部分の肉を外側に押し出すことにより形成された前記凸部を前記ねじ山1リード分につき複数有するものである。
本発明の雄ねじによれば、特許文献1〜3に開示した雄ねじと同様に、ねじ山のフランクの法線方向に突出する凸部を有するため、自分自身で雌ねじをねじ立てしながら螺入対象物に螺入されるか(タッピンねじや木ねじ等として使用される場合)、または自分自身でねじ立てしたのではない雌ねじに螺合されたとき、ねじ山が雌ねじに圧着され、緩み止めが図られる。したがって、雄ねじ側で緩み止めを図ることができる。また、「ダブルナット」の場合のように螺合作業に手間が掛ることもない。
また、本発明の雄ねじの製造方法によれば、特許文献1〜3に開示した雄ねじの製造方法の場合と同様に、前記凸部を有する雄ねじを通常の雄ねじと同様に転造加工により製造できるので、雄ねじを安価に製造できる。
その上、本発明によれば、転造ダイス1つ毎に、ねじ山1リード分につき複数の凸部を形成できるので、ねじ山1リード分当たりの凸部の数を増やし、緩み止め効果をより一層大きくできる。
また、ねじ山1リード分当たりの凸部の数を増やすことができるので、通常の雄ねじの製造に使用される標準的な線径の素材を用いても、凸部を雌ねじのフランクに強く押圧させることができるので、従来のように素材の線径を太くせず、標準的な線径の素材を用いることができる。
本発明の雄ねじおよびその製造方法は、
(イ)ねじ山1リード分当たりの凸部の数を増やし、緩み止め効果をより一層大きくできる、
(ロ)素材の線径を太くせず、標準的な線径の素材を用いることができる、
等の優れた効果を得られるものである。
本発明の実施例1における雄ねじを示す正面図である。 前記雄ねじを示す側面図である。 図1のIII−III線における断面図である。 図3のA方向矢視の要部拡大図である。 実施例1における素材を示す正面図である。 実施例1におけるねじ転造作業の様子を示す平面図である。 実施例1における固定ダイスを示す正面図である。 前記固定ダイスの要部を示す拡大正面図である。 前記固定ダイスの要部を示す拡大側面図である。 前記固定ダイスの要部を示す拡大平面図である。 前記固定ダイスのねじ山形成溝を示す拡大断面図である。 前記固定ダイスのダイス面の要部を示す拡大斜視図である。 実施例1における移動ダイスを示す正面図である。 前記移動ダイスの要部を示す拡大正面図である。 前記移動ダイスの要部を示す拡大平面図である。 実施例1の転造工程において素材が固定ダイスおよび移動ダイスの第一の落ち込み部の立ち下がり部の頂部に達した時点を示す拡大平面図である。 実施例1の転造工程において素材が固定ダイスおよび移動ダイスの第一の落ち込み部の立ち上がり部の頂部に達した時点を示す拡大平面図である。 実施例1の転造工程において素材が固定ダイスおよび移動ダイスの第二の落ち込み部の立ち下がり部の頂部に達した時点を示す拡大平面図である。 本発明の実施例2における転造ダイスを示す要部拡大平面図である。 実施例2における雄ねじを示す拡大断面図である(断面位置は図1のIII−III線に対応する)。 本発明の実施例3における転造ダイスを示す要部拡大平面図である。 実施例3における雄ねじを示す拡大断面図である(断面位置は図1のIII−III線に対応する)。 本発明の実施例4における移動ダイスを示す正面図である。
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1〜18は本発明の実施例1を示し、このうち図1〜4は本実施例において完成された雄ねじ1を示している。まず、この完成された雄ねじ1について説明すると、雄ねじ11は軸部2とこの軸部2の一端部に設けられた頭部3とを備えている。前記軸部2には一条のねじ山4が設けられており、ねじ山4間にはねじ溝5が形成されている。なお、本実施例は一条ねじの場合を示しているが、本発明は多条ねじにも適用できるものである。
前記軸部2のねじ山4には、該ねじ山4の1リード分(この場合、1条ねじなので、1リード=1ピッチである)毎に90度間隔で4個の凸部すなわち第一〜第四の凸部6〜9が設けられている。これらの凸部6〜9は、それぞれねじ山4のフランク10の法線方向および軸部2の径方向に突出している。前記第一〜第四の凸部6〜9の雄ねじ締め付け回転方向に関する後端部は、いずれも、ねじ山4のフランク10から立ち上がる段差部6a〜9aを構成している。これらの後端段差部6a〜9aは、図3によく示されるように、それぞれ雄ねじ1の軸部2の半径方向に対し傾斜されている。図4は、図3のA方向矢視図であり、第一の凸部6の後端段差部6aを示しているが、第二〜四の凸部7〜9の後端段差部7a〜9aも同様の形状となっている。
また、互いに180度をなす位置にある第一の凸部6および第三の凸部8の雄ねじ締め付け回転方向に関する前端部は、ねじ山4のフランク10から立ち上がる段差部6b,8bを構成している。これらの前端段差部6b,8bも、図3によく示されるように、それぞれ雄ねじ1の軸部2の半径方向に対し若干傾斜されている。ただし、これらの前端段差部6b,8bは前記後端段差部6a,8aより高さが低くなっている。
他方、第一の凸部6および第三の凸部8に対して90度ずれた位置において、互いに180度をなす位置にある第二および第四の凸部7,9は、明確に前端部と言えるような段差部を有していない。
前記頭部3にはドライバを嵌合するための駆動穴ないしは溝(リセス)11が設けられている。
この雄ねじ1は、特許文献1〜3に開示した雄ねじと同様に、ねじ山4のフランク10の法線方向に突出する凸部6〜9を有するため、自分自身で雌ねじをねじ立てしながら螺入対象物に螺入されるか(タッピンねじや木ねじ等として使用される場合)、または自分自身でねじ立てしたのではない雌ねじに螺合されたとき、ねじ山4が雌ねじに圧着され、緩み止めが図られる。したがって、雄ねじ側で緩み止めを図ることができる。また、「ダブルナット」の場合のように螺合作業に手間が掛ることもない。
また、この雄ねじ1は、ねじ山4の1リード分につき4つの凸部6〜9を有しているため、緩み止め効果をより一層大きくできる。
さらに、図では、4つの凸部6〜9の突出高さが等しく描かれているが、実際に製造される雄ねじ1では、4つの凸部6〜9の突出高さは等しくならない場合が多い。このため、雄ねじ1の軸部2の横断面が楕円形に近いような非円形になり、これによっても緩み止め効果をより一層大きくすることができる。
また、ねじ山4の1リード分につき4つの凸部6〜9を有しているため、通常の雄ねじ1の製造に使用される標準的な線径の素材を用いても、凸部6〜9を雌ねじのフランク10に強く押圧させることができるので、従来のように素材の線径を太くせず、標準的な線径の素材を用いることができる。
また、従来、プラスチック等の柔らかい材料に雄ねじ1を螺合する場合、過大な締め付けトルクを作用させて、被螺合材料の雌ねじ(自らねじ立てする場合を含む)を破壊してしまい、所謂ねじ馬鹿現象生じさせてしまうことが多かった。しかるに、この雄ねじ1によれば、第一および第三の凸部6,8の雄ねじ1の締め付け回転方向前端にフランク10から立ち上がる前端段差部6b,8bを有するので、締め付け作業時、適度にブレーキ力を作用させ、締め付けトルクが適度に大きくなるようにすることができるため、過大な締め付けトルクを作用させて、被螺合材料の雌ねじを破壊してしまい、所謂ねじ馬鹿現象生じさせてしまう虞を低減できる。
次に、本実施例において、前記雄ねじ1をねじ転造により製造する方法を説明する。図5は本実施例における素材1′を示しており、この素材1′は横断面円形の軸部2′および頭部3を備えている。前記頭部3にはドライバを嵌合するための穴ないしは溝(リセス)11が設けられている。前記頭部3およびドライバを嵌合するための穴ないしは溝11はヘッダー加工により加工されている。
図6は本実施例における転造作業を示す平面図であり、12は転造固定平ダイス(以下、固定ダイスという)、13は転造移動平ダイス(以下、移動ダイスという)である。前記固定ダイス12と移動ダイス13は完全に平行ではなく、移動ダイス13が移動するにつれて素材1′を挟む部分の間隔が若干小さくなるように配置される。
図7は固定ダイス12の正面図、図8はその要部の拡大正面図、図9は固定ダイス12の要部の拡大側面図、図10は固定ダイス12の要部の拡大平面図を示している。前記固定ダイス12のダイス面(素材1′に当接される面)14には、図11に示されるような、雄ねじ1のねじ山4に対応する横断面形状のねじ山形成溝15が設けられており、これらのねじ山形成溝15間には雄ねじ1のねじ溝5に対応する突条16が形成されている。
前記固定ダイス12のダイス面14の終端部分の素材1′に対し最後の1回転分の転造加工を行う領域には、ねじ山形成溝15の底部15aより僅かに深く落ち込む第一の落ち込み部17とねじ山形成溝15の底部15aより大きく深く落ち込む第二の落ち込み部18とが、素材1′が進行する方向に並べて設けられている。前記第一の落ち込み部17と第二の落ち込み部18とは、素材1′の1/4回転分の間隔をおかれて配置されている。図10および12によく示されるように、第一の落ち込み部17は、素材1′が進行する方向に沿って、ダイス面14の頂部(突条16の頂部)からねじ山形成溝15の底部15aより僅かに深い位置まで傾斜して下降して行く立ち下がり部17aと、ねじ山形成溝15の底部15aより僅かに深い位置からダイス面14の頂部(突条16の頂部)まで傾斜して立ち上がって行く立ち上がり部17bとを有している。前記立ち上がり部17bと突条16との間に形成されるエッジ部30(図7,8および12参照)はR面取り、C面取り等の加工を施されることにより、鈍くされている。前記立ち下がり部17aおよび立ち上がり部17bは平面状とされている。前記第二の落ち込み部18は、素材1′が進行する方向に沿って、ダイス面14の頂部からねじ山形成溝15の底部15aより大きく深く落ち込む位置まで下降して行く立ち下がり部18aを有している。この第二の落ち込み部18の後端側は開放されており、第一の落ち込み部17の立ち上がり部17bに相当する立ち上がり部は存在しない。前記立ち下がり部18aは外側に凸の円弧状の曲面状とされている。なお、第一の落ち込み部17の立ち下がり部17aおよび立ち上がり部17bを曲面状としてもよいし、第二の落ち込み部18の立ち下がり部18aを平面状としてもよい。
図13は移動ダイス13の正面図、図14はその要部の拡大正面図、図15は移動ダイス13の要部の拡大平面図を示している。前記移動ダイス13のダイス面(素材1′に当接される面)20にも雄ねじ1のねじ山4に対応する横断面形状のねじ山形成溝21が設けられており、これらのねじ山形成溝21間には雄ねじ1のねじ溝5に対応する突条22が形成されている。
前記移動ダイス13のダイス面20の素材1′に対し最後の1回転分の転造加工を行う領域には、ねじ山形成溝21の底部21aより僅かに深く落ち込む第一の落ち込み部23とねじ山形成溝21の底部21aより大きく深く落ち込む第二の落ち込み部24とが素材1′が、進行する方向に並べて設けられている。前記第一の落ち込み部23と第二の落ち込み部24とは、素材1′の1/4回転分の間隔をおかれて配置されている。図15によく示されるように、第一の落ち込み部23は、素材1′が進行する方向に沿って、ダイス面20の頂部(突条22の頂部)からねじ山形成溝21の底部21aより僅かに深い位置まで傾斜して下降して行く立ち下がり部23aと、ねじ山形成溝21の底部21aより僅かに深い位置からダイス面20の頂部(突条22の頂部)まで傾斜して立ち上がって行く立ち上がり部23bとを有している。前記立ち上がり部23bと突条22との間に形成されるエッジ部31(図13および14参照)はR面取り、C面取り等の加工を施されることにより、鈍くされている。前記立ち下がり部23aおよび立ち上がり部23bは平面状とされている。前記第二の落ち込み部24は、素材1′が進行する方向に沿って、ダイス面20の頂部(突条22の頂部)からねじ山形成溝21の底部21aより大きく深く落ち込む位置まで下降して行く立ち下がり部24aを有している。この第二の落ち込み部24の後端側は開放されており、第一の落ち込み部23の立ち上がり部23bに相当する立ち上がり部は存在しない。なお、第一の落ち込み部23の立ち下がり部23aおよび立ち上がり部23b並びに第二の落ち込み部24の立ち下がり部24aをそれぞれ曲面状としてもよい。
通常のねじ転造の場合と全く同様にして、固定ダイス12と移動ダイス13との間に素材1′を供給し、移動ダイス13を図6の矢印B方向に直線移動し、移動ダイス13と固定ダイス12との間で素材1′を転がして行くと、素材1′の軸部2′にねじ山4が形成されて行く。なお、図16に示されるように、転造過程の終期において、素材1′が固定ダイス12の第一の落ち込み部17の立ち下がり部17aの頂部および移動ダイス13の第一の落ち込み部23の立ち下がり部23aの頂部に同時に接することとなるように固定ダイス12と移動ダイス13との位置関係を決めておく。すると、素材1′が固定ダイス12および移動ダイス13の第一の落ち込み部17,23の立ち下がり部17a,23aを通過して行く際、固定ダイス12の第一の落ち込み部17の立ち下がり部17aと突条16との間に形成されるエッジ部28(図7,8および12参照)が素材1′に食い込み、素材1′の対応する部分の肉を外側に押し出すことにより、ねじ山4に後端段差部6aを有する第一の凸部6が形成されて行くと同時に、移動ダイス13の第一の落ち込み部23の立ち下がり部23aと突条22との間に形成されるエッジ部29(図13および14参照)が素材1′に食い込み、素材1′の対応する部分の肉を外側に押し出すことにより、ねじ山4に後端段差部8aを有する第三の凸部8が形成されて行く。
また、素材1′が固定ダイス12および移動ダイス13の第一の落ち込み部17,23の立ち上がり部17b,23baを通過する際、固定ダイス12の第一の落ち込み部17の立ち上がり部17bと突条16との間に形成されるエッジ部30(図7,8および12参照)が素材1′に食い込み、素材1′の対応する部分の肉を外側に押し出すことにより、ねじ山4に第一の凸部6の前端段差部6bが形成されて行くと同時に、移動ダイス13の第一の落ち込み部23の立ち上がり部23bと突条22との間に形成されるエッジ部31(図13および14参照)が素材1′に食い込み、素材1′の対応する部分の肉を外側に押し出すことにより、ねじ山4に第三の凸部8の前端段差部8bが形成されて行く。
図17は、素材1′が固定ダイス12の第一の落ち込み部17の立ち上がり部17bの頂部および移動ダイス13の第一の落ち込み部23の立ち上がり部23bの頂部に接した時点、図18は素材1′が固定ダイス12の第二の落ち込み部18の立ち下がり部18aの頂部および移動ダイス13の第二の落ち込み部24の立ち下がり部24aの頂部に接した時点を示している。
次に、素材1′が固定ダイス12および移動ダイス13の第二の落ち込み部18,24を通過する際、固定ダイス12の第二の落ち込み部18の立ち下がり部18aと突条16との間に形成されるエッジ部34(図7,8および12参照)が素材1′に食い込み、素材1′の対応する部分の肉を外側に押し出すことにより、ねじ山4に後端段差部7aを有する第二の凸部7が形成されて行くと同時に、移動ダイス13の第二の落ち込み部24の立ち下がり部24aと突条22との間に形成されるエッジ部35(図13および14参照)が素材1′に食い込み、素材1′の対応する部分の肉を外側に押し出すことにより、ねじ山4に後端段差部9aを有する第四の凸部9が形成されて行き、続いて素材1′が固定ダイス12と移動ダイス13との間から排出され、転造工程が終了する。固定ダイス12および移動ダイス13の第二の落ち込み部18,24は、第一の落ち込み部17,23の立ち上がり部17b,23bに相当する立ち上がり部を有していないので、第二および第四の凸部7,9には第一および第二の凸部6,8のような前端段差部は形成されない。
なお、雄ねじ1の先端部の最初の1ピッチ程度の部分は、転造時、固定ダイス12および移動ダイス13に押された素材1′の肉が該素材1′の先端側に逃げてしまうので、第一〜第四の凸部6〜9が形成されないか、または小さく形成される傾向がある。
また、本実施例では、固定ダイス12と移動ダイス13は完全に平行ではなく、移動ダイス13が移動するにつれて素材1′を挟む部分の間隔が小さくなるように配置されていることにより、転造作業の終期に転造圧力が通常の大きさより高くなるようにしているので、凸部6〜9を高く盛り上げ、緩み止め効果を大きくすることができる。ただし、本発明においては、凸部6〜9を高く盛り上げる必要がない場合や、被螺合部材が凸部6〜9により削られて削り屑が多く出るのを避けたい場合等は、転造圧力を高くしないようにしてもよい。
また、固定ダイス12の第一の落ち込み部17および移動ダイス13の第一の落ち込み部23の立ち上がり部17b,23bが突条16,22とそれぞれなすエッジ部30,31は鈍くしておかないと、これらのエッジ部30,31に素材1′が引っ掛かってしまい、素材1′が円滑に転がらず、したがって、上述のような転造加工をうまく行うことができない。実は、本発明者は、1つのダイスに2以上の落ち込み部を設けても、素材が進行する方向に関し最後方に位置されるものでない落ち込み部の立ち上がり部と突条との間に形成されるエッジ部に素材1′が引っ掛かってしまい、素材を円滑に転がすことができないので、1つのダイスによりねじ山1リード分当たりに複数の凸部を形成することは絶対不可能であると長年思い込んでいた。しかるに、落ち込み部の立ち上がり部と突条との間に形成されるエッジ部をR面取り、C面取り等の加工を施すことにより鈍くすれば、素材を転がすことが可能であることをようやく見出し、本願発明を完成させるに至ったという経緯がある。なお、前記立ち上がり部の傾斜を小さくすれば(ダイス面と立ち上がり部とがなす角度を小さくすれば)、前記エッジ部を鈍くしても転造を行うことができる可能性はあるが、そうすると凸部が過大になり、正規のねじ山部分が過小になるという問題を生じてしまう。
図19および20は本発明の実施例2を示している。図19は本実施例における固定ダイス12および移動ダイス13を示しており、固定ダイス12の第一および第二の落ち込み部17,18の立ち下がり部17a,18a並びに移動ダイス13の第一および第二の落ち込み部23,24の立ち下がり部23a,24aはそれぞれダイス面14,20に対して垂直とされている。なお、固定ダイス12の第二の落ち込み部18は立ち下がり部18aのみから構成されていて、該立ち下がり部18aが固定ダイス12の終端面を構成している。他の構成は実施例1と同様である。
このような固定ダイス12および移動ダイス13を用いて実施例1と同様にねじ転造を行うと、図20のように第一〜第四の凸部6〜9の後端段差部6a〜9aがそれぞれ軸部2のほぼ径方向に形成される。このような形状の凸部6〜9が形成される場合も、緩み止め機能を得ることができる。ただし、この場合、雄ねじ1を意図的に緩み方向に回転させようとする際に、凸部6〜9が雌ねじ(タッピンねじとして使用される場合は被螺合部材に自ら形成した雌ねじ)を破壊してしまう虞があるが、実施例1のように落ち込み部17,18,23,24の立ち下がり部17a,18a,23a,24aをダイス面14,20に対して傾斜させれば、凸部6〜9の後端段差部6a〜9aが雄ねじ1の軸部2の半径方向に対し傾斜して形成されるようにし、雄ねじ1を意図的に緩み方向に回転させようとする際、凸部6〜9が雌ねじ(自らねじ立てする場合を含む)を破壊してしまう虞を小さくすることができる。
なお、落ち込み部17,23の立ち上がり部17b,23bもダイス面14,20に対して垂直とすることもできる。この場合、第一の凸部6および第三の凸部8の前端段差部6a,8aがそれぞれ軸部2のほぼ径方向に形成される。ただし、実施例1のように落ち込み部17,23の立ち上がり部17b,23bをダイス面14,20に対する垂直方向に対し5度以上傾斜させた方が落ち込み部17,23の加工が容易になる。しかし、35度より大きく傾斜させると、前述のように凸部6,8が過大になり、正規のねじ山4部分が過小になるという問題を生じる虞がある。
図21および22は本発明の実施例3を示している。図21は本実施例における固定ダイス12および移動ダイス13を示している。本実施例においては、素材1′の進行方向に関して最後方に位置する落ち込み部、すなわち固定ダイス12の第二の落ち込み部18および移動ダイス13の第二の落ち込み部24も、立ち上がり部18b,24bをそれぞれ有している。
固定ダイス12の第二の落ち込み部18の立ち下がり部18aは、ダイス面14の頂部(突条16の頂部)からねじ山形成溝15の底部15aより僅かに深い位置まで傾斜して下降して行く。固定ダイス12の第二の落ち込み部18の立ち上がり部18bは、ねじ山形成溝15の底部15aより僅かに深い位置からダイス面14の頂部(突条16の頂部)まで傾斜して立ち上がって行く。前記立ち上がり部18bと突条16との間に形成されるエッジ部は、第一の落ち込み部17の立ち上がり部17bと突条16との間に形成されるエッジ部30と同様にR面取り、C面取り等の加工を施されることにより、鈍くされている。前記立ち下がり部18aおよび立ち上がり部18bは平面状とされている。固定ダイス12のダイス面14のうちの第二の落ち込み部18に続く後方の部分は、通常のねじ転造におけるダイスと同様の逃げ部36とされている。この逃げ部36は、突条16の頂部およびねじ山形成溝15の底部15aがともに移動ダイス13のダイス面20から徐々に遠ざかって行く方向に傾斜されている。
移動ダイス13の第二の落ち込み部24の立ち下がり部24aは、ダイス面20の頂部(突条22の頂部)からねじ山形成溝21の底部21aより僅かに深い位置まで傾斜して下降して行く。移動ダイス13の第二の落ち込み部24の立ち上がり部24bは、ねじ山形成溝21の底部21aより僅かに深い位置からダイス面20の頂部(突条22の頂部)まで傾斜して立ち上がって行く。前記立ち上がり部24bと突条22との間に形成されるエッジ部は、第一の落ち込み部23の立ち上がり部23bと突条22との間に形成されるエッジ部31と同様にR面取り、C面取り等の加工を施されることにより、鈍くされている。前記立ち下がり部24aおよび立ち上がり部24bは平面状とされている。他の構成は実施例1と同様である。
このような固定ダイス12および移動ダイス13を用いて実施例1と同様にねじ転造を行うと、固定ダイス12の第二の落ち込み部18および移動ダイス13の第二の落ち込み部24も立ち上がり部18b,24bをそれぞれ有しているので、図22に示されるように、第二および第四の凸部7,9にも第一および第二の凸部6,8の前端段差部6b,8bと同様の前端段差部7b,9bが形成される。
なお、固定ダイス12のダイス面14のうちの第二の落ち込み部18に続く後方の部分には逃げ部36が設けられているので、素材1′が固定ダイス12の第二の落ち込み部18および移動ダイス13の第二の落ち込み部24を通過すると、それ以上転造加工は行われないため、既に完成している第一〜第四の凸部6〜9が破壊されてしまうことはない。
図23は本発明の実施例4を示している。この実施例では、固定ダイス12のダイス面14に、第一および第二の落ち込み部17,18が素材1′の進行方向と垂直な方向に対し斜に傾斜して設けられている。図示を省略するが、移動ダイス13のダイス面20にも、第一および第二の落ち込み部23,24が素材1′の進行方向と垂直な方向に対し斜に傾斜して設けられている。
実施例1の場合のように、固定ダイス12および移動ダイス13のダイス面14,20に、第一および第二の落ち込み部17,18,23,24が素材1′の進行方向に対し垂直方向に設けられている場合は、図1および2のようにねじ山4の各リード分に形成される凸部6〜9は軸部2の軸線方向と平行方向に配列されるが、本実施例では、凸部6〜9が軸部2に螺旋状に配列される。
なお、前記各実施例では各ダイス12,13にそれぞれ2つの落ち込み部を設けているが、1つのダイスに3つ以上の落ち込み部を設け、1つのダイスによりねじ山4の1リード分当たりに3つ以上の凸部を形成することも可能である。
また、各ダイスに設ける落ち込み部の数は同数でなくてもよい。1つのダイスに2つ以上の落ち込み部を設け、他のダイスには落ち込み部を1つのみ設けるかまたは全く設けないことも可能である。例えば、平ダイスを用いる場合、固定ダイス12または移動ダイス13のいずれか1つに落ち込み部を2つ、残るダイスに落ち込み部を1つ設けて、ねじ山4の1リード分に3つの凸部を形成してもよいし、固定ダイス12または移動ダイス13のいずれか1つに落ち込み部を3つ設け、残るダイスには落ち込み部を設けず、ねじ山4の1リード分に3つの凸部を形成してもよい。
また、前記実施例においては、軸部2のほぼ全区間のねじ山4に凸部6〜9を形成しているが、軸部の1部区間のねじ山のみに凸部を設けてもよい(ねじの頭部側に設けるのが好ましい)。その場合には、転造ダイスの対応する領域にのみ落ち込み部を設ければよい。
また、前記実施例においては、ねじ山4の山形は三角形状とされているが、本発明においては、ねじ山の山形は台形等の他の種の山形としてもよい。
また、前記実施例は本発明をタッピンねじないしは小ねじに適用した実施例を示しているが、本発明はボルト、止めねじ、木ねじ等の他の種の雄ねじにも適用できるものであることは言うまでもない。
また、前記実施例における雄ねじ1は頭部3を有するものであるが、本発明における雄ねじは頭部がないものであってもよいことも言うまでもない。
また、前記各実施例においては、凸部6〜9はねじ山4のフランクの法線方向および軸部2の径方向に突出しているが、軸部2の径方向には突出しないようにしてもよい(そのようにしても、緩み止め機能は得られる)。
さらに、前記実施例では平ダイスを用いているが、本発明の雄ねじ製造方法においては丸ダイス等の他の形状のダイスを用いてもよい。ただし、丸ダイスを用いる場合は、丸ダイスのダイス面の終端部を決め、1つ1つの素材に対する転造作業が常にこの終端部において完了するように設定する必要がある。
以上のように本発明による雄ねじおよびその製造方法は、緩み止め機能を有する雄ねじおよびその製造方法として有用である。
1 雄ねじ
1′ 素材
2 軸部
2′素材の軸部
3 頭部
4 ねじ山
5 ねじ溝
6 第一の凸部
6a 第一の凸部の後端段差部
6b 第一の凸部の前端段差部
7 第二の凸部
7a 第二の凸部の後端段差部
7b 第二の凸部の前端段差部
8 第三の凸部
8a 第三の凸部の後端段差部
8b 第三の凸部の前端段差部
9 第四の凸部
9a 第四の凸部の後端段差部
9b 第四の凸部の前端段差部
10 ねじ山のフランク
12 固定ダイス
13 移動ダイス
14 固定ダイスのダイス面
15 固定ダイスのねじ山形成溝
15a 固定ダイスのねじ山形成溝の底部
16 固定ダイスの突条
17 固定ダイスの第一の落ち込み部
17a 固定ダイスの第一の落ち込み部の立ち下がり部
17b 固定ダイスの第一の落ち込み部の立ち上がり部
18 固定ダイスの第二の落ち込み部
18a 固定ダイスの第二の落ち込み部の立ち下がり部
18b 固定ダイスの第二の落ち込み部の立ち上がり部
19 固定ダイスの第一の落ち込み部の立ち上がり部の頂部(固定ダイスの第一の落ち
込み部の終端の頂部)がなすエッジ部
20 移動ダイスのダイス面
21 移動ダイスのねじ山形成溝
21a 移動ダイスのねじ山形成溝の底部
22 移動ダイスの突条
23 移動ダイスの第一の落ち込み部
23a 移動ダイスの第一の落ち込み部の立ち下がり部
23b 移動ダイスの第一の落ち込み部の立ち上がり部
24 移動ダイスの第二の落ち込み部
24a 移動ダイスの第二の落ち込み部の立ち下がり部
24b 移動ダイスの第二の落ち込み部の立ち上がり部
25 移動ダイスの第一の落ち込み部の立ち上がり部の頂部(移動ダイスの第一の落ち
込み部の終端の頂部)がなすエッジ部
28 固定ダイスの第一の落ち込み部の立ち下がり部と突条との間に形成されるエッジ 部
29 移動ダイスの第一の落ち込み部の立ち下がり部と突条との間に形成されるエッジ

30 固定ダイスの第一の落ち込み部の立ち上がり部と突条との間に形成されるエッジ

31 移動ダイスの第一の落ち込み部の立ち上がり部と突条との間に形成されるエッジ

34 固定ダイスの第二の落ち込み部の立ち下がり部と突条との間に形成されるエッジ

35 移動ダイスの第二の落ち込み部の立ち下がり部と突条との間に形成されるエッジ

Claims (7)

  1. 製造すべき雄ねじのねじ山に対応するねじ山形成溝と、前記雄ねじの前記ねじ山間に形成されるねじ溝に対応する前記ねじ山形成溝間に形成された突条とをそれぞれダイス面に有する複数の転造ダイスの前記ダイス面間に素材を供給するとともに、前記複数の転造ダイスを相対的に動かして前記素材を前記複数の転造ダイス間で転がすことにより、前記雄ねじをねじ転造によって製造する雄ねじ製造方法であって、前記ねじ山の適所に、該ねじ山のフランクの法線方向に突出する凸部を設ける雄ねじ製造方法において、
    前記複数の転造ダイスの少なくとも1つを、前記ダイス面の終端部分の前記素材に対し最後の1回転分の転造加工を行う領域に、該ダイス面の頂部から落ち込む複数の落ち込み部を前記素材の進行方向に並べて設けられている転造ダイスとする段階と、
    前記複数の転造ダイス間に供給された前記素材が前記落ち込み部を通過する際に、前記落ち込み部において前記ダイス面の頂部から該落ち込み部の底部へ下降して行く立ち下がり部と前記突条との間に形成されるエッジ部が前記素材に食い込み、前記素材の対応する部分の肉を外側に押し出すことにより、前記ねじ山1リード分につき複数の前記凸部が形成されるようにする段階とを有する雄ねじ製造方法。
  2. 前記複数の転造ダイスの前記落ち込み部において該落ち込み部の底部から前記ダイス面の頂部へ立ち上がって行く立ち上がり部と前記突条との間に形成されるエッジ部が鈍くされている請求項1記載の雄ねじ製造方法。
  3. 前記複数の転造ダイス間に供給された前記素材が前記落ち込み部を通過する際に、前記落ち込み部において該落ち込み部の底部から前記ダイス面の頂部へ立ち上がって行く立ち上がり部と前記突条との間に形成されるエッジ部が前記素材に食い込み、前記素材の対応する部分の肉を外側に押し出すことにより、前記ねじ山のフランクから立ち上がり、前記雄ねじの締め付け回転方向に関し前記凸部の前端を構成する段差部が形成されるようにする段階を有する請求項1または2記載の雄ねじ製造方法。
  4. 前記落ち込み部において該落ち込み部の底部から前記ダイス面の頂部へ立ち上がって行く立ち上がり部は、前記ダイス面に対する垂直方向に対し5〜35度傾斜されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の雄ねじ製造方法。
  5. 前記転造ダイスは平ダイスであり、固定ダイスまたは(および)移動ダイスに前記落ち込み部が複数設けられている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の雄ねじ製造方法。
  6. 雄ねじのねじ山に対応するねじ山形成溝と、前記雄ねじの前記ねじ山間に形成されるねじ溝に対応する前記ねじ山形成溝間に形成された突条とをそれぞれダイス面に有する複数の転造ダイスの前記ダイス面間に素材を供給するとともに、前記複数の転造ダイスを相対的に動かして前記素材を前記複数の転造ダイス間で転がすことにより、ねじ転造によって製造された雄ねじであって、前記ねじ山の適所に、該ねじ山のフランクの法線方向に突出する凸部を設けられた雄ねじにおいて、
    前記複数の転造ダイスの少なくとも1つは、前記ダイス面の終端部分の前記素材に対し最後の1回転分の転造加工を行う領域に、該ダイス面の頂部から落ち込む複数の落ち込み部を前記素材の進行方向に並べて設けられており、前記複数の転造ダイス間に供給された前記素材が前記落ち込み部を通過する際に、前記落ち込み部において前記ダイス面の頂部から該落ち込み部の底部へ下降して行く立ち下がり部と前記突条との間に形成されるエッジ部が前記素材に食い込み、前記素材の対応する部分の肉を外側に押し出すことにより形成された前記凸部を前記ねじ山1リード分につき複数有する雄ねじ。
  7. 前記複数の転造ダイス間に供給された前記素材が前記落ち込み部を通過する際に、前記落ち込み部において該落ち込み部の底部から前記ダイス面の頂部へ立ち上がって行く立ち上がり部と前記突条との間に形成されるエッジ部が前記素材に食い込み、前記素材の対応する部分の肉を外側に押し出すことにより形成された、前記ねじ山のフランクから立ち上がり、前記雄ねじの締め付け回転方向に関し前記凸部の前端を構成する段差部を有する請求項6記載の雄ねじ。
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