JP2013153688A - 精製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を含有する試料液中から優れた精製率でエンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を分離・精製することができる精製方法を提供すること。
【解決手段】本発明の精製方法は、エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を含有する試料液中からこれらを精製する精製方法であり、陰イオン交換樹脂に試料液を接触させ、試料液中に含まれる夾雑物の少なくとも一部を陰イオン交換樹脂に吸着させる工程と、リン酸カルシウム系化合物に、陰イオン交換樹脂に接触させた後の試料液を接触させ、エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原をリン酸カルシウム系化合物に吸着させる工程と、リン酸カルシウム系化合物に溶出液を供給することにより、リン酸カルシウム系化合物からエンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を溶出させる工程とを有する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の精製方法は、エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を含有する試料液中からこれらを精製する精製方法であり、陰イオン交換樹脂に試料液を接触させ、試料液中に含まれる夾雑物の少なくとも一部を陰イオン交換樹脂に吸着させる工程と、リン酸カルシウム系化合物に、陰イオン交換樹脂に接触させた後の試料液を接触させ、エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原をリン酸カルシウム系化合物に吸着させる工程と、リン酸カルシウム系化合物に溶出液を供給することにより、リン酸カルシウム系化合物からエンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を溶出させる工程とを有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、試料液中からエンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を精製する精製方法に関するものである。
ウイルスまたはウイルス性抗原(以下、「ウイルス等」と言うこともある。)を含有する培養液、培地、宿主細胞等の試料液中からウイルス等を分離・精製することは、遺伝子工学や臨床診断およびワクチン製造の分野では重要なステップである。
一般に、上述した試料液中に含まれるウイルス等は、それ単独で存在するものではなく、培養細胞、夾雑タンパク質等とともに存在しているため、試料液中からウイルス等を分離・精製する必要がある。
このようなウイルス等の分離・精製は、従来、超遠心分離法、密度勾配遠心法等により行われていたが、これらの方法は、高価で大がかりな装置を使用し、また複雑な操作を要するため作業が非常に煩雑であった。
かかる問題点を解決することを目的に、ウイルス等を含有する試料液中からウイルス等の活性を損なうことなく分離・精製し得る方法として、ハイドロキシアパタイトを吸着剤として備える吸着装置を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、かかる方法で、エンベロープを備えるエンベロープウイルスを分離・精製しようとした場合、吸着装置から流出される溶出液中に、特に、エンベロープウイルスと宿主細胞が備えるDNAとがほぼ同時に溶出してしまうことに起因して、エンベロープウイルスの精製率が向上しないという問題があった。
本発明の目的は、エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を含有する試料液中から優れた精製率でエンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を分離・精製することができる精製方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(9)に記載の本発明により達成される。
(1) エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を含有する試料液中から前記エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を精製する精製方法であって、
陰イオン交換樹脂に前記試料液を接触させ、前記試料液中に含まれる夾雑物の少なくとも一部を前記陰イオン交換樹脂に吸着させる第1の工程と、
リン酸カルシウム系化合物に、前記陰イオン交換樹脂に接触させた後の前記試料液を接触させ、前記エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を前記リン酸カルシウム系化合物に吸着させる第2の工程と、
前記リン酸カルシウム系化合物に溶出液を供給することにより、前記リン酸カルシウム系化合物から前記エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を溶出させる第3の工程とを有することを特徴とする精製方法。
(1) エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を含有する試料液中から前記エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を精製する精製方法であって、
陰イオン交換樹脂に前記試料液を接触させ、前記試料液中に含まれる夾雑物の少なくとも一部を前記陰イオン交換樹脂に吸着させる第1の工程と、
リン酸カルシウム系化合物に、前記陰イオン交換樹脂に接触させた後の前記試料液を接触させ、前記エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を前記リン酸カルシウム系化合物に吸着させる第2の工程と、
前記リン酸カルシウム系化合物に溶出液を供給することにより、前記リン酸カルシウム系化合物から前記エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を溶出させる第3の工程とを有することを特徴とする精製方法。
これにより、エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を含有する試料液中から優れた精製率でエンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を分離・精製することができる。
(2) 前記溶出液は、リン酸系緩衝液である上記(1)に記載の精製方法。
これにより、吸着剤に吸着している各物質が有するこの吸着剤に対する吸着力の差に応じて、より確実に各分画内に溶出させることができる。
これにより、吸着剤に吸着している各物質が有するこの吸着剤に対する吸着力の差に応じて、より確実に各分画内に溶出させることができる。
(3) 前記溶出液は、さらに、塩化ナトリウムを含有する上記(2)に記載の精製方法。
これにより、夾雑物としてリン酸カルシウム系化合物に例えば、宿主細胞が備えるDNAが吸着していると、この宿主細胞が備えるDNAのリン酸カルシウム系化合物に対する吸着能を高くすることができる。その結果、エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原と、宿主細胞が備えるDNAとを異なる分画内に溶出させることができるため、エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原の精製率をさらに向上させることができる。
(4) 前記エンベロープウイルスは、オルトミクソウイルス科に属するものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の精製方法。
オルトミクソウイルス科に属するウイルスは、吸着剤として、リン酸カルシウム系化合物を単独で用いた場合、宿主細胞が備えるDNAと、溶出液中にほぼ同時に溶出してしまうことがあるため、本発明の精製方法がより好ましく適用される。
(5) 前記エンベロープウイルスは、インフルエンザウイルスである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の精製方法。
インフルエンザウイルスは、吸着剤として、リン酸カルシウム系化合物を単独で用いた場合、特に、宿主細胞が備えるDNAと、溶出液中にほぼ同時に溶出してしまうことがあるため、本発明の精製方法がさらに好ましく適用される。
(6) 前記第1の工程において、前記陰イオン交換樹脂に吸着する前記夾雑物は、宿主細胞が備えるDNAである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の精製方法。
夾雑物が、宿主細胞が備えるDNAである場合、陰イオン交換樹脂に対する試料液の接触を省略した場合と比較して、リン酸カルシウム系化合物に吸着している、宿主細胞が備えるDNAの絶対量が少なくなっている。そのため、エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原と共に同一の分画内に溶出される宿主細胞が備えるDNAの含有料をも少なくすることができ、その結果、エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原の精製率が向上する。
(7) 前記陰イオン交換樹脂は、粒子状をなしている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の精製方法。
これにより、その表面積を増大させることができ、エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原に対する分離特性の向上を図ることができる。
(8) 前記リン酸カルシウム系化合物は、粒子状をなしている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の精製方法。
これにより、その表面積を増大させることができ、エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原に対する分離特性の向上を図ることができる。
(9) 前記リン酸カルシウム系化合物は、ハイドロキシアパタイトである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の精製方法。
これにより、エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を変質・劣化しない状態で吸着させることができる。
本発明の精製方法によれば、エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を含有する試料液中から優れた精製率でエンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を分離・精製することができる。また、まず陰イオン交換樹脂によって多くの夾雑物を除去してしまうので、夾雑物によってリン酸カルシウムの吸着能が飽和せず、一度に多量の試料をリン酸カルシウムに接触させることができる。さらに、本発明の精製方法により分離・精製されたウイルス等は良好に生物活性を維持しているため、安全性、有効性に優れたワクチンの製造等に利用することができる。
以下、本発明の精製方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
まず、本発明の精製方法を説明するのに先立って、本発明の精製方法に用いられる吸着装置(分離装置)の一例について説明する。
まず、本発明の精製方法を説明するのに先立って、本発明の精製方法に用いられる吸着装置(分離装置)の一例について説明する。
<吸着装置>
図1は、本発明の精製方法に用いられる吸着装置の一例を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「流入側」、下側を「流出側」と言う。
図1は、本発明の精製方法に用いられる吸着装置の一例を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「流入側」、下側を「流出側」と言う。
ここで、流入側とは、目的とするエンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原(以下、これらを「エンベロープウイルス等」と言うこともある。)を分離(精製)する際に、例えば、試料液(エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を含む液体)、溶出液等の液体を、吸着装置内に供給する側のことを言い、一方、流出側とは、前記流入側と反対側、すなわち、前記試料液が流出液として吸着装置内から流出する側のことを言う。
なお、本発明の精製方法では、吸着装置1として、このものが備える吸着剤3の種類が異なるもの、すなわち、吸着剤3が陰イオン交換樹脂とリン酸カルシウム系化合物とでそれぞれ構成されるものを、2つ用意する。
以下では、吸着装置1の吸着剤3以外の構成について説明した後、吸着剤3について説明する。
図1に示す吸着装置1は、カラム2と、吸着剤(充填剤)3と、2枚のフィルタ部材4、5とを有している。
カラム2は、カラム本体21と、このカラム本体21の流入側端部および流出側端部に、それぞれ装着されるキャップ(蓋体)22、23とで構成されている。
カラム本体21は、例えば円筒状の部材で構成されている。カラム本体21を含めカラム2を構成する各部(各部材)の構成材料としては、例えば、各種ガラス材料、各種樹脂材料、各種金属材料、各種セラミックス材料等が挙げられる。
カラム本体21には、その流入側開口および流出側開口を、それぞれ塞ぐようにフィルタ部材4、5を配置した状態で、その流入側端部および流出側端部に、それぞれキャップ22、23が螺合により装着される。
このような構成のカラム2では、カラム本体21と各フィルタ部材4、5とにより、吸着剤充填空間20が画成されている。そして、この吸着剤充填空間20の少なくとも一部に(本実施形態では、ほぼ満量で)、吸着剤3が充填されている。
吸着剤充填空間20の容積は、試料液の容量に応じて適宜設定され、特に限定されないが、試料液1mLに対して、0.05〜100mL程度が好ましく、0.1〜100mL程度がより好ましく、0.5〜50mL程度がさらに好ましい。
また、カラム2では、カラム本体21に各キャップ22、23を装着した状態で、これらの間の液密性が確保されるように構成されている。
これらキャップ22、23のほぼ中央には、それぞれ、流入管24および流出管25が液密に固着(固定)されている。この流入管24およびフィルタ部材4を介して吸着剤3に、試料液(液体)が供給される。また、吸着剤3に供給された試料液は、吸着剤3同士の間(間隙)を通過して、フィルタ部材5および流出管25を介して、カラム2外へ流出する。
各フィルタ部材4、5は、それぞれ、吸着剤充填空間20から吸着剤3が流出するのを防止する機能を有するものである。これらのフィルタ部材4、5は、それぞれ、例えば、ガラス焼結体、金属あるいはポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリエーテルポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の合成樹脂からなる不織布、発泡体(連通孔を有するスポンジ状多孔質体)、織布、メッシュ等で構成されている。
また、本発明の精製方法では、前述したように、2つの吸着装置のうち一方の吸着装置1(第1の吸着装置1A)は、吸着剤3として陰イオン交換樹脂を備え、他方の吸着装置1(第2の吸着装置1B)は、吸着剤3としてリン酸カルシウム系化合物を備えている。
陰イオン交換樹脂は、正電荷を備える構造を有している。そのため、陰イオン交換樹脂で構成された粒子は、負電荷を有する各種物質に対して優れた吸着能を有するため、その表面に、負電荷を有する各種物質を吸着させる吸着剤として好適に使用される。
陰イオン交換樹脂としては、例えば、最強塩基性陰イオン交換樹脂、Uno Qのような強塩基性陰イオン交換樹脂、中塩基性陰イオン交換樹脂、トリエチルアミノエチル(TEAE)セルロース、ジエチルアミノエチル(DEAE)セルロースのような弱塩基性陰イオン交換樹脂等があり、これらは、例えば、スチレン系、アクリル系等の各種ポリマーの主鎖に、第4級アンモニウム塩基、第3アミン等の各種の官能基が導入されてなるものを用いることができる。なお、官能基は、陰イオン交換樹脂の種類等に応じて、適宜選択される。
また、リン酸カルシウム系化合物は、Ca10(PO4)3X2で表され、Ca/P比が1.0〜2.0のものが用いられ、カルシウムイオンとリン酸基とが高密度に規則的に配列した構造を有し、両性イオン交換体として静電相互作用に基づく吸着能を有する。このため、リン酸カルシウム系化合物で構成された粒子は、正または負電荷を有する各種物質に対して優れた吸着能を有するため、その表面に、エンベロープウイルスやエンベロープウイルス性抗原のような生体関連物質等の各種吸着物を吸着させる吸着剤として好適に使用される。
リン酸カルシウム系化合物としては、例えば、ハイドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)、フッ素アパタイト(Ca10(PO4)6F2)、塩素アパタイト(Ca10(PO4)6Cl2)、炭酸フッ素アパタイト(Ca10(PO4,CO3)6F2)、炭酸水酸アパタイト(Ca10(PO4,CO3)6(OH)2)等のうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
中でも、リン酸カルシウム系化合物は、ハイドロキシアパタイトを主成分として構成されるものが好ましい。生体関連物質に対するダメージを与える可能性が特に低いため、生体関連物質(特に、エンベロープウイルス等)を変質・劣化しない状態で吸着させることができる。
なお、これらのリン酸カルシウム系化合物は、公知の湿式合成法、乾式合成法等によって合成することができる。この場合、リン酸カルシウム系化合物中には、その合成の際に残存する物質(原料等)または合成の過程で生じる二次反応生成物等が含まれていてもよい。
以上のような2つの吸着装置1(第1の吸着装置1Aおよび第2の吸着装置1B)に、それぞれ充填される吸着剤3の形態(形状)は、図1に示すように、粒子状(顆粒状)のものであるのが好ましいが、その他、例えばペレット状(小塊状)、ブロック状(例えば、隣接する空孔同士が互いに連通する多孔質体、ハニカム形状、モノリス)等とすることもできる。なお、吸着剤3を粒子状とすることにより、その表面積を増大させることができ、エンベロープウイルス等のような生体関連物質に対する分離特性の向上を図ることができる。
粒状の吸着剤3の平均粒径は、特に限定されないが、0.5〜150μm程度であるのが好ましく、10〜80μm程度であるのがより好ましい。このような平均粒径の吸着剤3を用いることにより、前記フィルタ部材5の目詰まりを確実に防止しつつ、吸着剤3の表面積を十分に確保することができる。
次に、このような吸着装置(分離装置)1(第1の吸着装置1Aおよび第2の吸着装置1B)を用いたエンベロープウイルス等を含有する試料液中から、このエンベロープウイルス等を精製する精製方法、すなわち、イオン交換樹脂およびリン酸カルシウム系化合物を用いたエンベロープウイルス等の精製方法(本発明の精製方法)について説明する。
<精製方法>
[1] 調製工程
まず、培養液、培地、宿主細胞等を含有する試料液を調製する。
[1] 調製工程
まず、培養液、培地、宿主細胞等を含有する試料液を調製する。
ここで、エンベロープウイルス等は、動物由来である哺乳類の脳細胞、神経細胞および鶏卵の他、培養細胞において増殖させること等により得られる。したがって、エンベロープウイルス等を含有する試料液としては、これらを増殖させた培養液、培地および宿主細胞等を含有するものが使用される。
また、エンベロープウイルスとしては、特に限定されず、例えば、デングウイルスおよび日本脳炎ウイルスが属するフラビウイルス科、インフルエンザウイルスが属するオルトミクソウイルス科、風疹ウイルスが属するトガウイルス科、麻疹ウイルスおよびムンプスウイルスが属するパラミクソウイルス科のウイルス等が挙げられる。これらの中でも、オルトミクソウイルス科に属するものであるのが好ましい。オルトミクソウイルス科に属するウイルス(特に、インフルエンザウイルス)は、吸着装置として、リン酸カルシウム系化合物を吸着剤として備えるものを単独で用いた場合、特に、宿主細胞が備えるDNAと、吸着装置から流出される溶出液中にほぼ同時に溶出してしまうため、本発明の精製方法がより好ましく適用される。
なお、エンベロープウイルス性抗原としては、エンベロープウイルスとしての毒性を無くしたか、あるいは弱めたものや、抗原性を示す部位をエンベロープウイルスから選択的に切断したもの等が挙げられる。
[2] 第1の吸着装置への供給工程
次に、得られた試料液を、まず、2つの吸着装置1のうち第1の吸着装置1Aに供給する。すなわち、第1の吸着装置1Aの流入管24およびフィルタ部材4を介して吸着剤3に供給する。
次に、得られた試料液を、まず、2つの吸着装置1のうち第1の吸着装置1Aに供給する。すなわち、第1の吸着装置1Aの流入管24およびフィルタ部材4を介して吸着剤3に供給する。
これにより、カラム2(第1の吸着装置1A)内を、試料液が通過して、陰イオン交換樹脂で構成される吸着剤3に接触する。
この際、試料液中に含まれる生態関連物質のうち、吸着剤3に対する吸着能の高いものが、カラム2内に吸着(保持)され、吸着剤3に対する吸着能が低いものが、フィルタ部材5および流出管25を介してカラム2内から流出液として流出する。
すなわち、負電荷を有する生態関連物質がカラム2内に保持され、正電荷を有する生態関連物質および電荷を有しない生態関連物質がカラム2内から流出する。
したがって、本発明では、試料液中に含まれる生態関連物質のうちエンベロープウイルス等を、さらに、第2の吸着装置1Bに供給し得るように、流出液として流出されるようになっている。すなわち、エンベロープウイルス等が負電荷を有しないように、試料液が調製されている。
このような試料液の調製には、後述するリン酸系緩衝液、塩化ナトリウム溶液等が用いられる。
そして、この際、試料液中に含まれる生態関連物質のうちエンベロープウイルス等以外の夾雑物は、その正負電荷の状態に応じて、吸着剤3に吸着したり、流出液として流出することとなるが、本発明者の検討によりこの夾雑物のうち、宿主細胞が備えるDNAのうちの少なくとも一部が吸着剤3に吸着することが判っている。
なお、本実施形態では、第1の吸着装置1Aに試料液を供給することで、かかる装置が備える、陰イオン交換樹脂で構成される吸着剤(充填剤)3に試料液を接触させることとしたが、このような場合に限定されない。例えば、容器(例えば、ビーカー、シャーレ等)中に収納された吸着剤3に、試料液を供給した後、攪拌することで、吸着剤3に試料液を接触させ、そして、静置した後の上清液を、次工程[3]に供するようにしてもよい。
[3] 第2の吸着装置への供給工程
次に、第1の吸着装置1Aからの流出液、すなわち、陰イオン交換樹脂で構成される吸着剤3に接触させた後の試料液を、第2の吸着装置1Bに供給する。すなわち、第2の吸着装置1Bの流入管24およびフィルタ部材4を介して吸着剤3に供給する。
次に、第1の吸着装置1Aからの流出液、すなわち、陰イオン交換樹脂で構成される吸着剤3に接触させた後の試料液を、第2の吸着装置1Bに供給する。すなわち、第2の吸着装置1Bの流入管24およびフィルタ部材4を介して吸着剤3に供給する。
これにより、カラム2(第2の吸着装置1B)内を、試料液が通過して、リン酸カルシウム系化合物で構成される吸着剤3に接触する。
この際、エンベロープウイルス等は、リン酸カルシウム系化合物で構成される吸着剤3に対する吸着能が高いため、リン酸カルシウム系化合物で構成される吸着剤3に対して吸着する。
また、エンベロープウイルス等以外の夾雑物の中でも、リン酸カルシウム系化合物で構成される吸着剤3に対して比較的吸着能の高いものは、カラム2内に吸着(保持)される。
そして、吸着剤3に対して吸着能の低い夾雑物は、フィルタ部材5および流出管25を介してカラム2内から流出する。
[4] 第2の吸着装置による分画工程
次に、第2の吸着装置1Bの流入管24からカラム2内に、リン酸カルシウム系化合物で構成される吸着剤3に対してエンベロープウイルス等を溶出させるための溶出液を供給する。
次に、第2の吸着装置1Bの流入管24からカラム2内に、リン酸カルシウム系化合物で構成される吸着剤3に対してエンベロープウイルス等を溶出させるための溶出液を供給する。
そして、カラム2内から流出管25を介して流出する流出液を、所定量ずつ分画(採取)する。
これにより、吸着剤3に吸着しているエンベロープウイルス等と、吸着剤3に対して比較的吸着能が高いことに起因して吸着剤3に吸着している夾雑物は、それぞれ、各物質が有する吸着剤3に対する吸着力の差に応じて、各分画内に溶出した状態で回収(分離)される。
溶出液としては、特に限定されないが、特に、リン酸系緩衝液が好ましく用いられる。これにより、各物質が有する吸着剤3に対する吸着力の差に応じて、より確実に各分画内に溶出させることができる。
また、リン酸系緩衝液には、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムおよびリン酸リチウム等が挙げられる。
ここで、本発明者の検討により、溶出液としてリン酸系緩衝液を用いると、エンベロープウイルス等と、宿主細胞が備えるDNAとでは、吸着剤3に対する吸着力の差が小さいため、これらは共に同一の分画内に溶出されることが判っている。
そのため、前記工程[2]における、第1の吸着装置1Aへの試料液の供給、すなわち陰イオン交換樹脂で構成される吸着剤3に対する試料液の接触を省略すると、エンベロープウイルス等と、宿主細胞が備えるDNAとが共に同一の分画内に溶出されるため、エンベロープウイルス等の精製率が向上しないという問題がある。
しかしながら、本発明では、第2の吸着装置1Bへの試料液の供給に先立って、第1の吸着装置1Aに試料液を供給して、試料液を陰イオン交換樹脂で構成される吸着剤3に接触させているため、試料液中に含まれる宿主細胞が備えるDNAの少なくとも一部が、陰イオン交換樹脂で構成される吸着剤3に吸着している。したがって、陰イオン交換樹脂で構成される吸着剤3に対する試料液の接触を省略した場合と比較して、リン酸カルシウム系化合物で構成される吸着剤3に吸着している、宿主細胞が備えるDNAの絶対量が少なくなっている。そのため、エンベロープウイルス等と共に同一の分画内に溶出される宿主細胞が備えるDNAの含有料をも少なくすることができ、その結果、エンベロープウイルス等の精製率が向上する。
また、上記のとおり、前記工程[2]において、まず、試料液を第1の吸着装置1Aへ供給して、陰イオン交換樹脂で構成される吸着剤3によって、試料液中に含まれる多くの夾雑物を除去してしまうので、本工程において、夾雑物によってリン酸カルシウムで構成される吸着剤3の吸着能が飽和せず、一度に多量のエンベロープウイルス等を、リン酸カルシウムで構成される吸着剤3に接触させることができる。
なお、リン酸系緩衝液のpHは、特に限定されないが、中性領域であるのが好ましく、具体的には、6〜8程度であるのが好ましく、6.5〜7.5程度であるのがより好ましい。これにより、分離するエンベロープウイルス等の変質(変成)を防止することができ、エンベロープウイルス等が失活してしまうのを確実に防止することができる。また、吸着剤3の変質(溶解等)を好適に防止することができ、第2の吸着装置1Bにおける分離能の変化を防止することもできる。
このリン酸系緩衝液の温度も、特に限定されないが、室温程度であるのが好ましく、常温以下であるのがより好ましい。これにより、分離するエンベロープウイルス等の変質(変成)を防止することができる。
したがって、かかるpH範囲および温度範囲のリン酸系緩衝液を用いることにより、目的とするエンベロープウイルス等の回収率の向上を図ることができる。
また、リン酸系緩衝液の塩濃度は、600mM以下であるのが好ましい。このような塩濃度のリン酸系緩衝液を用いて、エンベロープウイルス等の分離を行うことにより、リン酸系緩衝液中の金属イオンによるエンベロープウイルス等への悪影響を防止することができる。
具体的には、塩濃度が1〜600mM程度のリン酸系緩衝液を用いることができる。また、リン酸系緩衝液は、エンベロープウイルス等の分離操作の際に、連続的または段階的に変化させるのが好ましい。これにより、エンベロープウイルス等の分離操作の効率化を図ることができる。
また、リン酸系緩衝液には、さらに塩化ナトリウムが含まれているのが好ましい。これにより、宿主細胞が備えるDNAのリン酸カルシウム系化合物で構成される吸着剤3に対する吸着能が高くすることができる。その結果、エンベロープウイルス等と、宿主細胞が備えるDNAとを異なる分画内に溶出させることができるため、エンベロープウイルス等の精製率をさらに向上させることができる。
リン酸系緩衝液中における塩化ナトリウムの含有量は、特に限定されないが、0.01〜2.0M程度であるのが好ましく、0.1〜1.0M程度であるのがより好ましい。かかる範囲内に塩化ナトリウムの含有量を設定することにより、エンベロープウイルス等と、宿主細胞が備えるDNAとを異なる分画内に確実に溶出させることができる。
なお、溶出液(リン酸系緩衝液)の流速は、50−400cm/時程度であるのが好ましく、100−360cm/時程度であるのがより好ましい。このような流速で、エンベロープウイルス等の分離を行うことにより、分離操作に長時間を要することなく、目的とするエンベロープウイルス等を確実に分離すること、すなわち、高純度なエンベロープウイルス等を得ることができる。
以上のような操作により、所定の画分に、エンベロープウイルス等が優れた精製率(純度)で回収される。
また、本発明の精製方法を用いて目的とするウイルス等を精製し(精製工程)、その後、精製されたエンベロープウイルス等を不活性化すること(不活化工程)によりワクチンを製造することができる。このようなワクチンの製造方法によれば、エンベロープウイルス等が高い純度で精製されるため、他の微生物による汚染の危険性を極めて小さくすることができ、安全性の高いワクチンを製造することができる。
なお、前記不活化工程において、エンベロープウイルス等を不活性化させる方法としては、製造されるワクチンの種類に応じて種々の方法を選択することができる。
なお、本発明では、上述のとおり、リン酸カルシウム系化合物で構成される吸着剤3への試料液の接触に先立って、陰イオン交換樹脂に試料液を接触させる構成とした。これにより、試料液中に含まれるエンベロープウイルス等を陰イオン交換樹脂に吸着させることなく、エンベロープウイルス等以外の夾雑物の一部を陰イオン交換樹脂に吸着させることができ、このような試料液をリン酸カルシウム系化合物で構成される吸着剤3に接触させることで、エンベロープウイルス等の精製率の向上を図ることができる。ところで、技術的には、陰イオン交換樹脂に代えて陽イオン交換樹脂を用い、陽イオン交換樹脂にエンベロープウイルス等を吸着させた後、溶出液を用いて陽イオン交換樹脂からエンベロープウイルス等を溶出させることによっても、エンベロープウイルス等の精製率の向上を図ることは可能である。しかしながら、この場合、エンベロープウイルス等を精製するまでに、時間および手間の増大を招くため、本発明のように陰イオン交換樹脂を用いる構成とするのが好ましい。
以上、本発明の精製方法について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、本発明では、任意の目的で、工程[1]の前工程、各工程[1]〜[4]同士の間に存在する中間工程、または工程[4]の後工程を追加するようにしてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
・インフルエンザウイルスの精製
(実施例1)
−1− まず、試料液として、インフルエンザウイルスをMDCK(Madin-Darby canine kidney)細胞で増殖させた後、この培養上清を採取し、0.45μmのフィルタでろ過して試料液を調製した。
・インフルエンザウイルスの精製
(実施例1)
−1− まず、試料液として、インフルエンザウイルスをMDCK(Madin-Darby canine kidney)細胞で増殖させた後、この培養上清を採取し、0.45μmのフィルタでろ過して試料液を調製した。
−2− 次に、5mLの試料液(サンプル)にDEAE (Bio-rad Laboratories, Inc.、「Macro-Prep DEAE」)を1mL加え室温で1時間撹拌した。
−3− 次に、この上清5mLを、CHT Type II、40um(Bio-rad Laboratories, Inc.)を吸着剤として詰めたφ4.6x35mmのステンレス製カラム(第2の吸着装置)に供給(アプライ)した。
−4− 次に、24-120-300-600mMリン酸緩衝液(pH7.5)を用いてステップワイズに溶出を行った。なお、リン酸緩衝液は、1mL/minの流速で供給し、各濃度のリン酸緩衝液による溶出は、それぞれ、8分間行った。
また、カラム内から流出する流出液を、1mLずつ分画した。
また、カラム内から流出する流出液を、1mLずつ分画した。
なお、各画分(フラクション)は、HAテストでインフルエンザウイルス活性を、Quant-iT PicoGreen dsDNA Assay kit(インビトロジェン)で宿主細胞由来のDNAを測定した。
その結果、図2に示すように、インフルエンザウイルスは、試料液中に含まれ、溶出時間が27分付近に流出する画分(フラクション)中に回収(精製)され、溶出時間が36分付近に流出する画分中に回収された宿主細胞由来のDNAと分離して回収することができた。
(実施例2)
前記工程−2−において用いる陰イオン交換樹脂として、DEAEに代えてUno Q(Bio-rad Laboratories, Inc.、「UNOsphere Q Strong Anion Exchange Media」)を用い、さらに、Uno Qからのインフルエンザウイルスの溶出は、0.3M NaCl溶液を用いてウイルスを非吸着画分より得て、NaCl濃度を140mMに希釈して第2の吸着装置に供給したこと以外は、前記実施例1と同様にしてインフルエンザウイルスの精製を行った。
前記工程−2−において用いる陰イオン交換樹脂として、DEAEに代えてUno Q(Bio-rad Laboratories, Inc.、「UNOsphere Q Strong Anion Exchange Media」)を用い、さらに、Uno Qからのインフルエンザウイルスの溶出は、0.3M NaCl溶液を用いてウイルスを非吸着画分より得て、NaCl濃度を140mMに希釈して第2の吸着装置に供給したこと以外は、前記実施例1と同様にしてインフルエンザウイルスの精製を行った。
その結果、図3に示すように、インフルエンザウイルスは、試料液中に含まれ、溶出時間が33分付近に流出する画分(フラクション)中に回収(精製)され、溶出時間が41分付近に流出する画分中に回収された宿主細胞由来のDNAと分離して回収することができた。
(実施例3)
−1− まず、試料液として、インフルエンザウイルスをMDCK(Madin-Darby canine kidney)細胞で増殖させた後、この培養上清を採取し、0.45μmのフィルタでろ過して試料液を調製した。
−1− まず、試料液として、インフルエンザウイルスをMDCK(Madin-Darby canine kidney)細胞で増殖させた後、この培養上清を採取し、0.45μmのフィルタでろ過して試料液を調製した。
−2− 次に、4mLの試料液(サンプル)にDEAE (Bio-rad Laboroatories社製、「Macro-Prep DEAE」)を1mL加え室温で1時間撹拌した。
−3− 次に、この上清5mLを、CHT Type II、40um(Bio-rad Laboratories, Inc.)を吸着剤として詰めたφ4.6x35mmのステンレス製カラム(第2の吸着装置)に供給(アプライ)した。
−4− 次に、1M NaClの存在下で、5-100mMリン酸緩衝液(pH7.5)を用いてグラジエント溶出を行った。なお、リン酸緩衝液は、1mL/minの流速で供給した。
また、カラム内から流出する流出液を、1mLずつ分画した。
また、カラム内から流出する流出液を、1mLずつ分画した。
なお、各画分(フラクション)は、HAテストでインフルエンザウイルス活性を測定し、吸光度260nmで宿主細胞由来のDNAを検出した。
その結果、図4に示すように、インフルエンザウイルスは、試料液中に含まれ、溶出時間が20分付近に流出する画分(フラクション)中に回収(精製)され、溶出時間が63分付近に流出する画分中に回収された宿主細胞由来のDNAと分離して回収することができた。
(比較例)
前記工程−2−を省略したこと以外は、前記実施例1と同様にしてインフルエンザウイルスの精製を行った。
前記工程−2−を省略したこと以外は、前記実施例1と同様にしてインフルエンザウイルスの精製を行った。
その結果、図5に示すように、インフルエンザウイルスは、試料液中に含まれ、溶出時間が27分付近に流出する画分(フラクション)中に回収されるものの、この画分中には、宿主細胞由来のDNAも同時に回収される結果となった。
1 吸着装置
1A 第1の吸着装置
1B 第2の吸着装置
2 カラム
20 吸着剤充填空間
21 カラム本体
22、23 キャップ
24 流入管
25 流出管
3 吸着剤
4、5 フィルタ部材
1A 第1の吸着装置
1B 第2の吸着装置
2 カラム
20 吸着剤充填空間
21 カラム本体
22、23 キャップ
24 流入管
25 流出管
3 吸着剤
4、5 フィルタ部材
Claims (9)
- エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を含有する試料液中から前記エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を精製する精製方法であって、
陰イオン交換樹脂に前記試料液を接触させ、前記試料液中に含まれる夾雑物の少なくとも一部を前記陰イオン交換樹脂に吸着させる第1の工程と、
リン酸カルシウム系化合物に、前記陰イオン交換樹脂に接触させた後の前記試料液を接触させ、前記エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を前記リン酸カルシウム系化合物に吸着させる第2の工程と、
前記リン酸カルシウム系化合物に溶出液を供給することにより、前記リン酸カルシウム系化合物から前記エンベロープウイルスまたはエンベロープウイルス性抗原を溶出させる第3の工程とを有することを特徴とする精製方法。 - 前記溶出液は、リン酸系緩衝液である請求項1に記載の精製方法。
- 前記溶出液は、さらに、塩化ナトリウムを含有する請求項2に記載の精製方法。
- 前記エンベロープウイルスは、オルトミクソウイルス科に属するものである請求項1ないし3のいずれかに記載の精製方法。
- 前記エンベロープウイルスは、インフルエンザウイルスである請求項1ないし3のいずれかに記載の精製方法。
- 前記第1の工程において、前記陰イオン交換樹脂に吸着する前記夾雑物は、宿主細胞が備えるDNAである請求項1ないし5のいずれかに記載の精製方法。
- 前記陰イオン交換樹脂は、粒子状をなしている請求項1ないし6のいずれかに記載の精製方法。
- 前記リン酸カルシウム系化合物は、粒子状をなしている請求項1ないし7のいずれかに記載の精製方法。
- 前記リン酸カルシウム系化合物は、ハイドロキシアパタイトである請求項1ないし8のいずれかに記載の精製方法。
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-
2012
- 2012-01-30 JP JP2012017199A patent/JP2013153688A/ja active Pending
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