JP2013151894A - ガス供給制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガス燃料の燃料通路に配置された遮断弁の電力消費を低減する。
【解決手段】ガスタンク30内のガス燃料をエンジン10の燃料噴射弁18に供給する燃料通路に、該燃料通路におけるガス燃料の流通を遮断する遮断機能を有する複数の常閉式の遮断弁が直列に配置されている。ECU50は、エンジン10において、エンジントルクが要求されない条件下での燃料噴射弁18の噴射カットの実施中に、燃料通路に配置された複数の遮断弁のうち少なくともいずれかの通電を停止する。また、当該噴射カットの終了に伴う噴射再開時に、通電を停止した遮断弁について通電を再開する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス供給制御装置に関し、詳しくはガス燃料を使用する車載エンジンの燃料供給系において燃料通路に設けた遮断弁の開閉を制御するガス供給制御装置に関する。
従来、例えば天然ガスや液化天然ガスなどのガス燃料をエンジンの燃料として使用する車両が実用化されている。このガス燃料車両では、ガスタンクに充填された高圧のガス燃料を、ガス配管を介して燃料噴射弁に供給し、該燃料噴射弁からエンジンの各気筒にガス燃料を供給する。また、ガス配管の途中には、燃料通路内のガス燃料の流通を遮断する機能を有する燃料遮断弁が配置されており、エンジンの始動操作(イグニッションキーのイグニッション位置への操作)が行われると、燃料通路に燃料を供給するために燃料遮断弁を開弁し、エンジンが停止操作されると、燃料通路から燃料が漏れるのを防止するために燃料遮断弁を閉弁することが行われている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、燃料遮断弁の開弁時には、燃料遮断弁の前後の圧力差に基づいた時間、起動電流を燃料遮断弁に供給し、その後、起動電流よりも低い保持電流を燃料遮断弁に供給することにより、燃料遮断弁の開弁状態を保持することが開示されている。
特許第3383212号公報
燃料遮断弁の開弁状態を維持しておくには、燃料遮断弁に保持電流を供給し続ける必要がある。しかしながら、保持電流の供給を継続することによって電力消費量が多くなり、バッテリの負荷が増大したり、例えばオルタネータなどの発電機の駆動の機会が多くなる結果、燃費悪化を招いたりするおそれがある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、ガス燃料の燃料供給システムにおいて、ガスタンクから燃料噴射弁への燃料通路に配置された遮断弁における電力消費を低減することができるガス供給制御装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、ガスタンク内のガス燃料をエンジンの燃料噴射弁に供給する燃料通路に、該燃料通路におけるガス燃料の流通を遮断する遮断機能を有する複数の常閉式の遮断弁が直列に配置されているガス供給システムに適用され、前記遮断弁の通電制御により前記ガス燃料の前記燃料噴射弁への供給を制御するガス供給制御装置に関する。また、請求項1に記載の発明は、前記エンジンにおいて、エンジントルクが要求されない条件下で前記燃料噴射弁の噴射カットを実施する噴射カット制御手段と、前記噴射カット制御手段による噴射カットの実施中に、前記複数の遮断弁のうち少なくともいずれかの通電を停止する通電停止手段と、前記噴射カット制御手段による噴射カットの終了に伴う噴射再開時に、前記通電停止手段により通電を停止した遮断弁について通電を再開する通電制御手段と、を備えることを特徴とする。
要するに、エンジンが一旦始動された後、エンジントルクが要求されない条件下では噴射カットが実施されることに着目し、上記構成では、その噴射カットの実施中に、ガスタンクから燃料噴射弁までの燃料通路に配置された複数の遮断弁の少なくとも1つを通電停止にする。これにより、遮断弁における電力消費の低減を図ることができる。また、本構成では、遮断弁の閉鎖をエンジントルクが要求されない条件下で実施することから、遮断弁を閉弁状態にして燃料噴射弁への燃料供給を遮断しても、エンジンのトルク生成に支障は生じない。したがって、本構成によれば、エンジンのトルク生成に及ぼす支障を回避しつつ、電力消費の低減を図ることができる。
請求項2に記載の発明では、前記通電停止手段は、前記複数の遮断弁のうち、前記燃料通路において前記燃料噴射弁に最も近い位置に配置された最下流遮断弁の通電を継続し、該最下流遮断弁以外の遮断弁のうち少なくともいずれかの通電を停止する。
すなわち、上記構成では、燃料噴射弁の最も近くに配置された遮断弁を開放した状態にしておき、ガスタンクにより近い側(燃料噴射弁により遠い側)に配置された遮断弁のうち少なくともいずれかの通電を停止する。この場合、燃料噴射の再開時において、いずれかの遮断弁を閉弁状態から開弁状態にする際にガスタンクからの新規のガス供給が若干遅れたとしても、燃料噴射弁に供給可能なガス燃料量をできるだけ多く確保することができる。これにより、燃料噴射の再開直後における燃料噴射量の不足を抑制し、エンジン始動性を確保できる。例えば、仮に、ガス燃料の温度が変化したり、燃料噴射弁でのガス漏れが生じたりした場合、燃料噴射弁付近が意図せず圧力低下することで燃料噴射の再開直後における燃料噴射量が不足し、始動性の低下が生じることが考えられる。その点、上記構成によれば、遮断弁が閉弁された状態で燃料噴射弁に供給可能なガス燃料量を多くすることができ、その結果、エンジン始動性を確保することができる。
請求項3に記載の発明では、前記燃料通路において、前記ガスタンクから前記燃料噴射弁に供給するガス燃料の圧力を減圧調整する減圧弁が前記複数の遮断弁に対して直列に配置されており、前記複数の遮断弁として、前記燃料通路において、前記減圧弁による減圧調整前の燃料通路に配置された高圧側遮断弁と、前記減圧弁による減圧調整後の燃料通路に配置された低圧側遮断弁とを備え、前記通電停止手段は、前記複数の遮断弁のうち前記低圧側遮断弁の通電を継続し、前記高圧側遮断弁の少なくともいずれかの通電を停止する。
噴射カット中において、減圧弁による圧力調整後の燃料通路(すなわち燃料噴射弁側の燃料通路)に配置された遮断弁が開放された状態では、減圧弁〜燃料噴射弁の低圧側通路の全体が、減圧弁による圧力調整がなされた状態で保持される。したがって、上記構成によれば、燃料噴射の再開直後における燃料噴射量の不足を抑制し、エンジン始動性を確保できる。仮に、減圧弁よりも燃料噴射弁側の低圧側遮断弁が閉鎖されていると、噴射カット中における減圧弁による圧力調整範囲は減圧弁〜低圧側遮断弁の範囲となる。そのため、例えばガス温度が変化したり、燃料噴射弁でのガス漏れが生じたりして、燃料噴射弁〜低圧側遮断弁の範囲に充填されているガス燃料の圧力変化が生じた場合には、燃料噴射弁付近が意図せず圧力低下することで燃料噴射の再開直後における燃料噴射量が不足し、始動性の低下が生じることが考えられる。これに対し、上記構成では、噴射カット中において、減圧弁〜燃料噴射弁の低圧側通路の全体を減圧弁による圧力調整が可能な状態にしておくことができる。その結果、燃料噴射の再開直後における燃料噴射量の不足を抑制し、エンジン始動性を確保することができる。
請求項4に記載の発明では、前記通電停止手段は、前記噴射カット制御手段による前記燃料噴射弁の噴射カットの開始と同時に又は開始後に前記遮断弁の通電を停止する。
遮断弁を閉弁するのに際し、噴射カットの前に遮断弁の通電停止を行うと、燃料通路に充填されるガス燃料量が少なくなってしまい、次回の燃料噴射の再開時において、再開直後の燃料噴射量が不足する。その点、本構成では、燃料噴射弁からエンジンへの燃料噴射の停止と同時に又は燃料噴射の停止後に遮断弁によって燃料通路における燃料の流通を遮断するため、燃料通路内にガス燃料が十分に充填された状態でエンジンを停止させることができる。これにより、燃料噴射の再開直後における燃料噴射量の不足を抑制することができ、その結果、エンジン始動性を確保することができる。
また、遮断弁の通電を停止する際には、請求項5に記載の発明のように、前記通電停止手段は、前記複数の遮断弁のうち少なくともいずれかの通電を停止する際、通電停止の対象となる遮断弁を同時に通電停止にするか、又は前記燃料通路において前記燃料噴射弁に近い側に配置された遮断弁から順次通電を停止することが望ましい。これにより、燃料噴射弁近傍の燃料通路におけるガス燃料量を十分に確保することができ、次回の噴射再開直後の燃料噴射量の不足を抑制することができる。
ここで、低温環境下で遮断弁の閉弁状態が継続されると、ガス燃料に含まれる不純物(例えば水やオイル成分)の影響により、遮断弁への通電を再開した時に遮断弁が開弁しにくく、燃料噴射弁への燃料供給が遅延する結果、エンジンの始動性が低下するおそれがある。その点を鑑み、請求項6に記載の発明では、外気温度を検出する温度検出手段を備え、該検出した外気温度が所定の低温判定値よりも低い場合、前記通電停止手段による前記遮断弁の通電停止を禁止するため、外気温度の影響によるエンジン始動性の低下を回避することができる。
請求項7に記載の発明では、所定の自動停止条件が成立した場合に前記噴射カットを実施して前記エンジンを自動停止し、所定の再始動条件が成立した場合に前記噴射カットを終了して前記エンジンを再始動する自動停止再始動機能を有するエンジンに適用され、前記通電停止手段は、前記自動停止条件の成立に伴う前記噴射カット制御手段による噴射カットの実施中に、前記複数の遮断弁のうち少なくともいずれかの通電を停止し、前記通電制御手段は、前記再始動条件の成立に伴う前記噴射カット制御手段による噴射カットの終了に伴う噴射再開時に、前記通電停止手段により通電を停止した遮断弁について通電を再開する。
アイドルストップ制御によるエンジン自動停止では、例えば車両走行中の燃料カットの場合に比べてエンジントルクが要求されない期間が長くなる。したがって、アイドルストップ制御によるエンジン自動停止を行う際に、燃料通路に配置された複数の遮断弁の少なくともいずれかの通電を停止することにより、電力消費の低減の効果をより好適に得ることができる。
電力消費の低減を図る観点からすると、通電停止した遮断弁への通電を開始するタイミングはできるだけ遅いことが望ましい。その反面、通電開始のタイミングを遅くすると、ガスタンクから燃料噴射弁へ燃料供給が再開されるのが遅くなり、始動性の低下を招くおそれがある。
これらの点を鑑み、請求項8に記載の発明では、前記噴射カット制御手段による噴射カットの終了に伴う噴射再開時に、前記燃料通路において、前記燃料噴射弁への前記ガス燃料の流通が許容されている部分のガス燃料量を算出するガス量算出手段を備え、前記通電制御手段は、前記ガス量算出手段により算出したガス燃料量に基づいて、前記通電停止手段により通電を停止した遮断弁の通電を再開するタイミングを可変に設定する。この構成によれば、燃料噴射の再開直後において燃料噴射弁に供給可能な燃料量を考慮して、遮断弁への通電開始のタイミングを該燃料量に応じた適正なタイミングにすることができる。具体的には、例えば、燃料噴射弁に供給可能な燃料量が多いほど、エンジントルクが要求されたタイミングから遅い時期に遮断弁への通電開始を行う(遅延時間を長くする)ことが望ましい。
遮断弁の通電を停止する場合、遮断弁の開から閉への切り替えに伴い作動音が発生し、その作動音によって運転者に違和感を与えることが考えられる。その点を鑑み、請求項9に記載の発明では、前記エンジンの回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、前記通電停止手段は、前記遮断弁の通電停止を、前記回転速度がゼロになる前に実施する。本構成によれば、エンジン音が発生している状況下で遮断弁の開閉を行うことにより、遮断弁の作動音が目立たないようにすることができる。
エンジンの燃料供給制御システムの全体概略構成図。 減圧弁の概略構成を示す図。 自動停止時通電制御のフローチャート。 燃料漏れ判定処理の処理手順を示すフローチャート。 再始動時通電制御のフローチャート。 遮断弁通電制御の具体的態様を示すタイムチャート。 遮断弁通電制御の具体的態様を示すタイムチャート。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、気体燃料である圧縮天然ガスをエンジンの燃料とする車載多気筒エンジンの燃料供給システムに具体化している。当該システムにおいては、電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢としてエンジンやエンジンへの燃料供給系などを制御する。本システムの全体概略図を図1に示す。
図1に示すエンジン10において、吸気通路11には、DCモータ等のスロットルアクチュエータ13によって開度調節される空気量調整手段としてのスロットルバルブ14が設けられている。スロットルバルブ14の開度(スロットル開度)は、スロットルアクチュエータ13に内蔵されたスロットル開度センサ(図示略)により検出される。
また、エンジン10には、エンジン10の各気筒に燃料を噴射供給する燃料噴射弁18が設けられている。本実施形態では、吸気ポート噴射式エンジンを採用しており、燃料噴射弁18が吸気ポート近傍に設けられる構成としている。燃料噴射弁18は、ガス配管19を介してガスタンク30に接続されており、ガスタンク30内に充填された高圧状態(例えば10〜30MPa)のガス燃料が、ガス配管19内に形成された燃料通路を通って燃料噴射弁18に供給されることにより、燃料噴射弁18からエンジン10の気筒内にガス燃料が供給されるようになっている。なお、ガス燃料としては、圧縮天然ガスの他、例えば液化石油ガスなどを使用できる。
エンジン10の吸気ポート及び排気ポートには、それぞれ吸気バルブ21及び排気バルブ22が設けられている。吸気バルブ21の開動作により、空気と燃料との混合気が燃焼室23内に導入され、排気バルブ22の開動作により、燃焼後の排ガスが排気通路24に排出される。
エンジン10のシリンダヘッドには、気筒毎に点火プラグ25が取り付けられている。点火プラグ25には、点火コイル等よりなる点火装置を通じて、所望とする点火時期に高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ25の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室23内に導入した混合気が着火され燃焼に供される。
エンジン10の排気通路24には、排気中のCO,HC,NOx等を浄化するための触媒26が設けられており、本実施形態では触媒26として三元触媒が用いられている。また、触媒26の上流側には、排気を検出対象として混合気の空燃比(酸素濃度)を検出する空燃比センサ(図示略)が設けられている。
次に、エンジン10の燃料供給システムについて、図1を用いて詳しく説明する。図1において、ガス配管19には、ガスタンク30から燃料噴射弁18へ供給される燃料の圧力を減圧調整する減圧弁40が設けられている。減圧弁40は機械駆動式であり、ガスタンク30側の燃料圧力を基準として燃料噴射弁18側の燃料圧力を減圧調整することにより、燃料噴射弁18に供給する燃料圧力を所定の設定範囲(例えば0.4MPa)に減圧調整する。
ここで、減圧弁40の具体的構成を、図2を用いて説明する。図2において、減圧弁40は、ガスタンク30側の高圧通路41と、燃料噴射弁18側の低圧通路42とを有し、それら両通路が、高圧通路41の一部である弁体室41aに形成された連通開口部43で連通されている。弁体室41aには、軸方向に変位可能な弁体44が収容されており、弁体44の軸方向への変位に伴って連通開口部43が開閉される。また、減圧弁40には、弁体44のシフト位置を調整する調整部45が設けられている。調整部45は、大気に開放された空間である大気開放部46と、低圧通路42の一部である低圧室42aとを有するとともに、それら大気開放部46と低圧室42aとを仕切るダイアフラム47が弁体44と一体に設けられている。また、調整部45には、大気開放部46の容積を増大させる方向(低圧室42aの容積を減少させる方向)に付勢する調整バネ48が設けられており、ダイアフラム47には、閉弁方向の力として低圧室42a内の燃料圧力が作用し、開弁方向の力として大気圧と調整バネ48のバネ力とが作用する。
燃料噴射弁18による燃料噴射が行われていない状態において、(閉弁方向の力)>(開弁方向の力)になっていれば、弁体44が閉弁位置で保持される。一方、燃料噴射弁18による燃料噴射が行われ、低圧室42aの圧力が低下すると、(閉弁方向の力)<(開弁方向の力)となり、これに伴い、ダイアフラム47が低圧室42aの容積を減少させる方向に変位する(ダイアフラム47が上昇する)。このダイアフラム47の変位に伴い、弁体44が開弁方向に変位することにより、ガス燃料が、連通開口部43を介して高圧通路41から低圧通路42に流通される。このとき、閉弁方向の力と開弁方向の力との差に応じて弁開度が調整される。なお、符号49は、低圧通路42内の燃料圧力が異常高圧になった場合にガス抜きをするリリーフ弁である。また、大気開放部46において、大気圧に代えてエンジン10の吸気圧が作用される構成であってもよい。
図1の説明に戻り、ガス配管19には更に、配管内に形成された燃料通路のガス燃料の流通を許容及び遮断する遮断弁が複数設けられている。これら複数の遮断弁は電磁式であり、非通電時において燃料通路におけるガス燃料の流通を遮断し、通電時において燃料通路におけるガス燃料の流通を許容する常閉式となっている。本システムには、遮断弁として、減圧弁40による減圧調整前の燃料通路(高圧側通路19a)においてガスタンク30近傍に配置されたタンク主止弁31と、同じく高圧側通路19aにおいてタンク主止弁31よりもガスタンク30から離れた位置に配置された第1遮断弁32と、減圧弁40による減圧調整後の燃料通路(低圧側通路19b)に配置された第2遮断弁33とが設けられている。
なお、本実施形態では、ガスタンク30として第1タンク30aと第2タンク30bとを備えており、それぞれのガスタンク30a,30bに繋がるガス配管19にタンク主止弁31が各々設けられている。また、図2に示す減圧弁40では、減圧弁40内の高圧通路41において電磁式の遮断弁が、減圧弁40に一体化された状態で設けられており、この遮断弁が第1遮断弁32に相当する。なお、第1遮断弁32は、減圧弁40と一体化されたものに限らず、減圧弁40とガスタンク30とを繋ぐガス配管19に取り付けられていてもよい。また本実施形態では、タンク主止弁31及び第1遮断弁32が高圧側遮断弁に相当し、第2遮断弁33が低圧側遮断弁に相当する。また、第2遮断弁33が最下流遮断弁に相当する。
ガス配管19には、ガス配管19内のガス燃料の圧力を検出するセンサとして、高圧側通路19aに配置された第1圧力センサ34と、低圧側通路19bに配置された第2圧力センサ35とが設けられている。また、ガス配管19内のガス燃料の温度を検出するセンサとして、高圧側通路19aに配置された第1温度センサ36と、低圧側通路19bに配置された第2温度センサ37とが設けられている。
その他、本システムには、冷却水温を検出する冷却水温センサ27や、エンジンの所定クランク角毎に矩形状のクランク角信号を出力するクランク角度センサ28、外気温度を検出する外気温センサ29等の各種センサが取り付けられている。また、本システムには、エンジン始動時においてエンジン10に初期回転(クランキング回転)を付与する始動装置としてのスタータ12が設けられている。
ECU50は、周知の通りCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)を主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、都度のエンジン運転状態に応じてエンジン10の各種制御を実施する。すなわち、ECU50のマイコンは、前述した各種センサなどから各々検出信号を入力するとともに、それらの各種検出信号に基づいて燃料噴射量や点火時期等を演算し、燃料噴射弁18や点火装置の駆動を制御する。
また、マイコンは、アイドルストップ制御として、所定の自動停止条件が成立した場合に燃料噴射及び点火を停止してエンジン10の自動停止を行うとともに、自動停止条件の成立後、所定の再始動条件が成立した場合に、スタータ12によりエンジン10に初期回転を付与するとともに、燃料噴射及び点火を再開してエンジン10の自動再始動を行う。ここで、所定の自動停止条件としては、例えばアクセルオフであることや、ブレーキオンであること、車速がゼロであること等とする。また、所定の再始動条件としては、例えばブレーキオフであること等とする。
エンジン10の始動スイッチ(IGスイッチ)がオフであり、エンジン10を停止状態にしておく場合には、ガス配管19に設けられた全ての遮断弁(タンク主止弁31、第1遮断弁32及び第2遮断弁33)の通電を停止して閉弁状態にしておく。これにより、ガスタンク30や燃料通路から燃料が漏れるのを防止するようにしている。一方、エンジン運転時には、ガス配管19に設けられた全ての遮断弁(タンク主止弁31、第1遮断弁32及び第2遮断弁33)の通電を継続することにより、燃料通路におけるガス燃料の流通を許容した状態にする。より詳細には、始動スイッチのオンへの切り替えに伴い、まず、ガス配管19に設けられた全ての遮断弁に対し、遮断弁の上流側と下流側との圧力差等に対抗して開弁できるだけの電流(開弁時電流)を供給する。遮断弁を一旦開弁した後は、その開弁状態を保持するべく、始動時電流よりも小さい電流(保持電流)を遮断弁に供給し続ける。これにより、ガスタンク30から燃料噴射弁18へのガス燃料の流通が許容され、燃料噴射弁18からガス燃料の噴射が可能になる。
ここで、遮断弁の開弁状態を保持するには、遮断弁に電力を供給し続ける必要があり、例えば10〜20Wの電力を消費する。特に、ガス配管19に複数の遮断弁が設けられているシステムでは、遮断弁を開弁状態に保持しておくための電力消費が多くなり、その結果、バッテリの負荷が大きくなったりオルタネータによる発電によって燃費悪化を招いたりするおそれがある。
そこで本実施形態では、エンジン10の噴射カットの実施中には、複数の遮断弁のうち少なくともいずれかの通電を停止し、噴射カットの終了に伴う噴射再開時に、通電を停止した遮断弁について通電を再開することとしている。つまり、エンジン10の始動スイッチをオンしてからオフするまでの期間において、エンジントルクが要求されない条件下では、複数の遮断弁のうち少なくともいずれかの通電を停止して閉弁状態にしておく。そして、次回、エンジントルクが要求された時に、通電を停止した遮断弁について通電を再開し、次回のエンジン再始動を可能にするようにしている。こうして遮断弁の通電を適宜オン/オフすることにより、電力消費の低減を図っている。また特に、本実施形態では、上記の通電停止制御をアイドルストップ制御によるエンジン自動停止中に実施することとしている。アイドルストップ制御によるエンジン自動停止のように、エンジントルクが要求されない期間が比較的長くなる状況において上記の通電停止制御を実施することにより、電力消費の低減の効果を一層得ることが可能になる。
次に、本実施形態の遮断弁(タンク主止弁31、第1遮断弁32及び第2遮断弁33)の通電制御について図3〜図5のフローチャートを用いて説明する。まず、図3によりエンジン自動停止時における遮断弁通電制御について説明する。この処理は、始動スイッチ(IGスイッチ)のオン後、ECU50のマイコンにより所定周期毎に実行される。
図3において、ステップS101では、エンジン運転中にアイドルストップ要求があった(エンジン自動停止条件が成立した)後か否かを判定する。エンジン運転中にエンジン自動停止条件が成立した場合にはステップS101で肯定判定され、ステップS102へ進む。ステップS102では、外気温センサ29の検出値に基づいて、外気温度が所定の低温判定値(例えば0℃)以上か否かを判定し、外気温度が低温判定値未満である場合にはそのまま本処理を終了する。この場合、図示しない別ルーチンにより、エンジン10の燃料噴射カット及び点火カットが実施される。一方、外気温度が低温判定値以上の場合にはステップS103へ進み、点火カットを指令済みか否かを判定し、ステップS103がNOの場合、ステップS104において点火カットを指令する。
点火カットが指令されると、ステップS103で肯定判定され、ステップS105へ進む。ステップS105では、噴射カットを指令済みであるか否かを判定する。噴射カットを指令済みでない場合にはステップS106へ進み、点火カットに伴うエンジン回転速度の変化に基づいて、点火カットからエンジン回転停止までに要する時間(エンジン停止所要時間)を算出する。ここでは、エンジン10の惰性回転中におけるエンジン回転速度の単位時間当たりの低下量を算出し、その低下量を用いてエンジン回転速度がゼロになるまでの時間を算出する。エンジン停止所要時間が判定値以上の場合にはステップS108へ進み、点火カットの指令後において燃料噴射を所定回数以上実施したか否かを判定する。そして、ステップS108がYESになると、ステップS109へ進み、燃料噴射弁18に噴射カット指令を行う。つまり、エンジン自動停止時には、点火カット後に燃料噴射弁18から触媒26に未燃ガスを供給して、排気通路内がリーン化するのを抑制するようにしている。一方、ステップS107がNOの場合、つまりエンジン停止所要時間が判定値未満の場合には、点火カットの指令後において所定回数の燃料噴射が実施されるのを待たずに直ちに噴射カットを指令する。
さて、噴射カットの指令が行われると、ステップS105で肯定判定され、ステップS110及びS111へ進む。ステップS110では、第1遮断弁32への通電をオンからオフに切り替え、ステップS111では、タンク主止弁31への通電をオンからオフに切り替える。このとき、第1遮断弁32の通電オフ後、所定時間の経過を待ってタンク主止弁31が通電オフされる。なお、第1遮断弁32及びタンク主止弁31の通電オフへの切り替えは同じタイミングで行ってもよい。
本実施形態では、エンジン自動停止に伴い遮断弁の通電を停止した後において、エンジン自動停止中におけるガス配管19内のガス圧力の変化に基づいて燃料漏れが発生しているか否かを検出する(燃料漏れ判定処理)。また、燃料漏れ発生時には、そのガス漏れ量に基づいて、次回のエンジン再始動を許容して退避走行を促すか、それともエンジン始動を禁止するかを切り替えている。
図4は、燃料漏れ判定処理のフローチャートである。この処理は、ECU50のマイコンにより所定周期毎に実行される。
図4において、ステップS201ではエンジン10の自動停止中か否かを判定する。エンジン自動停止中の場合にはステップS202へ進み、第2圧力センサ35の検出値に基づいて、低圧側通路19bのガス圧力(噴射弁供給圧)の圧力変化量を算出するとともに、第2温度センサ37の検出値に基づいて、低圧側通路19bのガス温度(噴射弁供給温度)の温度変化量を算出する。ここでは、例えば、所定の判定時間内におけるセンサ検出値の変化量を算出する。
続くステップS203では、算出した圧力変化量及び温度変化量に基づいて、燃料供給系(例えば、ガス配管19や燃料噴射弁18)において燃料漏れが発生しているか否かを判定する。ここでは、圧力変化量が第1圧力異常判定値α1よりも大きいか否か、及び温度変化量が第1温度異常判定値β1よりも大きいか否かを判定し、少なくともいずれかで肯定判定された場合に燃料漏れありと判定する。そして、燃料漏れありと判定された場合、ステップS204へ進み、燃料漏れフラグをオフからオンに切り替えるとともに、運転者に対して燃料漏れが発生している旨を通知する。
ステップS205では、燃料漏れ量が所定量以下であるか否かを判定する。ここでは、例えばステップS202で算出した圧力変化量及び温度変化量を用いて判定し、具体的には、圧力変化量が第2圧力異常判定値α2以下であるか、及び温度変化量が第2温度異常判定値β2以下であるかを判定する。なお、本実施形態では、(第1圧力異常判定値α1)<(第2圧力異常判定値α2)、(第1温度異常判定値β1)<(第2温度異常判定値β2)としてある。そして、これら判定条件を共に満たす場合、燃料漏れ量が所定量以下であると判定し、ステップS206へ進み、始動禁止フラグをオフにする。一方、上記判定条件の少なくともいずれかを満たさない場合には、ステップS207へ進み、始動禁止フラグをオンにする。この始動禁止フラグのオンによって、次回のエンジン再始動条件成立時において、エンジン10の燃料噴射及び点火が禁止される。
次に、図5を用いて、エンジン再始動時における遮断弁通電制御について説明する。この処理は、ECU50のマイコンにより所定周期毎に実行される。
図5において、ステップS300では、エンジン自動停止条件の成立後において再始動条件が成立したか否か(再始動要求があったか否か)を判定する。ステップS300がYESの場合、ステップS301へ進み、燃料漏れ判定処理によって燃料供給系の燃料漏れありと検出されているか否かを判定する。ここでは、燃料漏れフラグがオンか否かによって判定する。燃料漏れフラグがオフの場合、つまり燃料漏れが発生していない場合には、ステップS302へ進み、エンジン自動停止時に通電停止した遮断弁について、通電再開の指令済みであるか否かを判定する。ステップS302がNOの場合、ステップS303へ進み、第2圧力センサ35の検出値に基づいて、低圧側通路19bのガス圧力である噴射弁供給圧を算出するとともに、第2温度センサ37の検出値に基づいて、低圧側通路19bのガス温度である噴射弁供給温度を算出する。
続くステップS304では、算出した噴射弁供給圧及び噴射弁供給温度に基づいて、減圧弁40から燃料噴射弁18までの配管内(低圧側通路19b内)に充填されているガス燃料の量を供給可能ガス量として算出する(ガス量算出手段)。この供給可能ガス量は、燃料噴射弁18へのガス燃料の流通が許容されている部分のガス燃料量でもあり、噴射再開直後に燃料噴射弁18に供給可能なガス燃料量でもある。つまり、供給可能ガス量は、燃料噴射弁18の開弁に伴う低圧側通路19bの燃料圧力の変化によって、減圧弁40の弁体44が閉弁位置から開弁方向に変位するまでの間に燃料噴射弁18に供給可能なガス燃料量である。本実施形態では、ガス圧力とガス密度との関係がガス温度によって変化することを鑑み、ガス圧力及びガス温度をパラメータとして供給可能ガス量を算出する。
ステップS305では、現在の低圧側通路19b内のガス燃料でエンジン10を再始動可能であるか否かを判定する(始動可能判定処理)。具体的には、供給可能ガス量に基づいて判定し、ここでは、供給可能ガス量が始動判定値よりも多いか否かを判定する。ステップS305がYESの場合、ステップS306へ進み、再始動条件の成立に伴うスタータ12の駆動中か否かを判定する。なお、スタータ12の駆動制御は、図示しない別ルーチンによって実施される。
ステップS306がYESになると、ステップS307へ進み、タンク主止弁31の通電を再開し、続くステップS308で、第1遮断弁32の通電を再開する。このとき、タンク主止弁31の通電オン後、所定時間の経過を待って第1遮断弁32が通電オンされる。なお、タンク主止弁31及び第1遮断弁32の通電は同時に再開してもよい。一方、ステップS305がNOの場合には、ステップS306の処理を行わずステップS307及びS308へ進む。つまり、スタータ12の駆動が開始されるのを待たずに(再始動要求の直後に)、エンジン自動停止時に通電停止した遮断弁について通電を再開する。
さて、通電停止中の遮断弁に対し通電が行われると、ステップS302がYESとなり、ステップS309へ進み、噴射カット終了(噴射開始)を指令し、ステップS310で点火開始を指令する。
燃料漏れフラグに基づいてエンジン自動停止中に燃料漏れ有りと検出されている場合、ステップS301がYESとなり、ステップS313へ進む。ステップS313では、始動禁止フラグがオンか否かを判定し、始動禁止フラグ=オフの場合、ステップS307及びS308の処理を実行する。つまり、燃料漏れ発生時において、エンジン再始動が禁止されていない状況下では、閉弁状態の遮断弁について、再始動条件の成立タイミングで通電オンにする。このとき、運転者に対し、退避走行を行う旨の指示を通知してもよい。一方、ステップS313で始動禁止フラグ=オンと判定された場合、ステップS314へ進み、開弁状態の遮断弁(第2遮断弁33)の通電を停止する。これにより、ガス配管19に設けられた全ての遮断弁(タンク主止弁31、第1遮断弁32、第2遮断弁33)の通電が停止され、ガスタンク30から燃料噴射弁18への燃料供給が遮断される。また、エンジン10の始動が禁止される。
次に、本実施形態における遮断弁の通電制御の具体的態様を図6及び図7のタイムチャートを用いて説明する。まず、図6を用いてエンジン自動停止時及び再始動時における遮断弁通電制御について説明する。なお、図6では、エンジン自動停止の開始から終了までの期間に、低圧側通路19bの燃料圧力(噴射弁供給圧)が略一定に保持されている場合を想定している。
図6において、エンジン運転中のタイミングt11で、自動停止条件の成立に伴いエンジントルクが要求されなくなると、まず点火カットの指令が行われ、点火カットの指令に引き続き、タイミングt12で噴射カットが指令される。噴射カットの指令に伴い燃料噴射弁18からの燃料噴射停止が完了すると、タイミングt13で第1遮断弁32の通電が停止され、タイミングt14で、第1遮断弁32よりもガスタンク30に近い側に配置されたタンク主止弁31の通電が停止される。このとき、減圧弁40よりも燃料噴射弁18に近い側であって、燃料噴射弁18に最も近くに配置されている第2遮断弁33は通電が継続されることで、開弁状態が保持される。
また、エンジン10の自動停止後のタイミングt15で、再始動条件の成立に伴うエンジントルクの要求があり、スタータ12の駆動指令がなされた場合、まず、スタータ駆動中のタイミングt16では、複数の遮断弁のうち、ガスタンク30に最も近い側に配置されたタンク主止弁31の通電が開始され、続くタイミングt17で、第1遮断弁32の通電が開始される。続いて、タイミングt18で噴射開始の指令がなされ、所定回数の燃料噴射が行われた後、タイミングt19で点火開始の指令がなされる。
次に、エンジン自動停止中において、外気温度の変化などによって噴射弁供給圧が低下した場合について図7を用いて説明する。なお、図7では、燃料供給系の燃料漏れは発生しておらず、次回のエンジン再始動が許容されている場合を想定している。
図7において、エンジン運転中に自動停止条件が成立し、エンジン10を運転停止状態にする場合、点火カット、噴射カット、第1遮断弁32の通電停止、タンク主止弁31の通電停止の順に各動作が行われる(図6参照)。また、エンジン自動停止中のタイミングt21で再始動条件が成立し、エンジントルク要求があった場合、燃料噴射弁18から減圧弁40までの燃料通路内におけるガス燃料量(供給可能ガス量)が十分に確保されていれば、その再始動要求のタイミングt21でタンク主止弁31及び第1遮断弁32の通電が同時に開始される。これにより、再始動条件が成立した後には、ガスタンク30から燃料噴射弁18への燃料供給が速やかに行われる。
なお、本実施形態では、エンジン自動停止中に燃料漏れが検出された場合であっても、その燃料漏れの程度が軽度であれば、次回のエンジン再始動が許容される。その場合にも、上記の図7と同様に、再始動条件の成立タイミングt21で、タンク主止弁31及び第1遮断弁32の通電が開始される。これにより、ガスタンク30から燃料噴射弁18へのガス燃料の供給が許容され、退避走行が可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、次の優れた効果が得られる。
エンジントルクが要求されない条件下での噴射カットの実施中では、ガスタンク30から燃料噴射弁18までの燃料通路に配置された複数の遮断弁(タンク主止弁31、第1遮断弁32、第2遮断弁33)の一部について通電を停止する構成とした。これにより、遮断弁における電力消費の低減を図ることができる。その際、エンジントルクが要求されない条件下で実施することから、遮断弁を閉弁状態にして燃料噴射弁18への燃料供給を遮断しても、エンジン10のトルク生成に支障を回避することができる。
複数の遮断弁のうち、燃料噴射弁18に最も近い位置に配置された最下流遮断弁である第2遮断弁33の通電を継続し、最下流遮断弁以外の遮断弁であるタンク主止弁31及び第1遮断弁32の通電を停止する構成とした。こうすることにより、燃料噴射の再開時において、ガスタンク30からの新規のガス供給が若干遅れたとしても、燃料噴射弁18に供給可能なガス燃料量をできるだけ多く確保することができ、燃料噴射の再開直後における燃料噴射量の不足を抑制することができる。その結果、エンジン始動性を確保することができる。
通電オンのままとする第2遮断弁33は低圧側通路19bに配置されており、通電オフにするタンク主止弁31及び第1遮断弁32は高圧側通路19aに配置されている。したがって、本構成によれば、噴射カット中において、減圧弁40〜燃料噴射弁18の低圧側通路19bの全体を減圧弁40による圧力調整が可能な状態にしておくことができる。その結果、燃料噴射の再開直後における燃料噴射量の不足を抑制し、エンジン始動性を確保することができる。
燃料噴射弁18からエンジン10への燃料噴射の停止と同時に又は燃料噴射の停止後に遮断弁によって燃料通路における燃料の流通を遮断するため、燃料通路内にガス燃料が十分に充填された状態でエンジン10を停止させることができる。これにより、燃料噴射の再開直後における燃料噴射量の不足を抑制することができる。
また、遮断弁の通電を停止する際には、通電停止の対象となる遮断弁について同時に通電停止にするか、又は燃料噴射弁18に近い側に配置された遮断弁から順次通電を停止するため、燃料噴射弁18の近傍の燃料通路におけるガス燃料量を十分に確保することができ、次回の噴射再開直後の燃料噴射量の不足を抑制することができる。
上記の通電停止制御につき、外気温度が低温判定値よりも低い場合には、エンジントルクが要求されない条件下での遮断弁の通電停止を禁止する構成とした。低温環境下は、ガス燃料に含まれる不純物(例えば水やオイル成分)の影響によって、遮断弁の閉から開への切り替えが速やかに行われず、この場合、エンジン始動性が低下するおそれがある。これに対し、本実施形態では、外気温度に応じて上記通電停止の実施の可否を決定するため、外気温度の影響によるエンジン始動性の低下を回避することができる。
アイドルストップ制御によるエンジン自動停止では、例えば車両走行中の燃料カットの場合に比べてエンジントルクが要求されない期間が長くなることから、本実施形態のように、アイドルストップ制御によるエンジン自動停止を行う際に、燃料通路に配置された複数の遮断弁の少なくともいずれかの通電を停止することにより、電力消費の低減の効果をより好適に得ることができる。
エンジン10の再始動に際し、低圧側通路19b内に充填されているガス燃料量、つまり燃料噴射の再開直後に燃料噴射弁18に供給可能な燃料量を供給可能ガス量として算出し、その算出した供給可能ガス量に基づいて、遮断弁への通電開始のタイミングを設定する構成とした。したがって、電力消費の低減を図ることと、始動性の低下を抑制することとを考慮した適切なタイミングで遮断弁の通電再開を実施することができる。
遮断弁の閉弁状態への切り替えを、エンジン回転速度がゼロになる前に実施する構成としたためエンジン音が発生している状況下で遮断弁の開閉を行うことができる。これにより、遮断弁の作動音をエンジン音によって打ち消すことができる。また、エンジン再始動時において遮断弁を開弁状態に切り替える際には、スタータ12の駆動開始後に遮断弁を開弁状態にする構成としたため、スタータ12の作動音によって遮断弁の開閉切替時の作動音を打ち消すことができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・上記実施形態では、ガス配管19内の燃料通路のうち、高圧側通路19aに3つの遮断弁を備え、低圧側通路19bに1つの遮断弁を備える構成としたが、高圧側通路19a及び低圧側通路19bにおける遮断弁の数はこれに限定しない。例えば、高圧側通路19aに1つ又は2つのタンク主止弁31のみを備え、低圧側通路19bに第2遮断弁33を備える構成としてもよい。
・上記実施形態では、高圧側通路19a及び低圧側通路19bにそれぞれ1つ又は2つ以上の遮断弁を備えるシステムを適用したが、高圧側通路19a及び低圧側通路19bのいずれかのみに遮断弁を複数備えるシステムにも適用することができる。例えば、遮断弁として、減圧弁40による減圧調整後の燃料通路(高圧側通路19a)に配置されたタンク主止弁31及び第1遮断弁32のみを備える構成であってもよい。この場合、エンジントルクが要求されない条件下では、タンク主止弁31及び第1遮断弁32のうち少なくともいずれかの通電を停止し、具体的には、例えば燃料噴射弁18に近い側の遮断弁である第1遮断弁32については通電を継続し、タンク主止弁31については通電を停止するようにしてもよい。
・上記実施形態では、エンジントルクが要求されない条件下で、複数の遮断弁のうち、第2遮断弁33の通電を継続し、第1遮断弁32及びタンク主止弁31の通電を停止する構成としたが、複数の遮断弁の全ての通電を停止する構成としてもよい。この場合、電力消費の抑制の効果を一層得ることができる。
・上記実施形態では、エンジントルクが要求されない条件下で、高圧側遮断弁であるタンク主止弁31及び第1遮断弁32の通電を停止したが、高圧側遮断弁の一部の通電を停止する構成としてもよい。例えば、エンジントルクが要求されない条件下で、第1遮断弁32及び第2遮断弁33の通電を継続し、タンク主止弁31の通電を停止する構成としてもよい。
・低圧側遮断弁として複数の遮断弁を備える場合、それら複数の遮断弁の全部について通電を継続してもよいが、その一部について通電を停止する構成としてもよい。この場合、少なくとも燃料噴射弁18に最も近い側に配置された遮断弁(最下流遮断弁)について通電を継続し、最下流遮断弁以外の遮断弁の少なくともいずれかの通電を停止することが望ましい。
・上記実施形態では、エンジントルクが要求されない条件下では、点火カット、噴射カット、遮断弁の通電停止の順にエンジン停止のための一連の動作を行ったが、これら動作の順序については特に限定しない。例えば、点火カット、噴射カット及び遮断弁の通電停止を同時に行ってもよい。あるいは、点火カットの実施後、噴射カット及び遮断弁の通電停止を同時に行ってもよい。
・遮断弁の通電停止後にエンジントルクが要求され、噴射カットを解除する場合、上記実施形態では、遮断弁への通電開始後に、燃料噴射及び点火を開始したが、遮断弁の通電開始、噴射開始、点火開始の順にエンジン再始動のための一連の動作を行ってもよい。このとき、エンジン10の再始動から燃料噴射を所定回数実施した後に点火開始を指令する構成としてもよい。この場合、点火開始前に燃料噴射弁18から触媒26に未燃ガス燃料が供給され、排気通路のリーン化を抑制することができる。
・図4の燃料漏れ判定処理では、エンジン自動停止中に、該自動停止中におけるガス配管19内のガス圧力の変化に基づいて燃料漏れの有無を検出し、燃料漏れを検出した場合、その時点で燃料漏れフラグをオンにし、次回のエンジン再始動時には、燃料漏れフラグに応じて遮断弁の通電制御を実施した。これに対し、本実施形態では、エンジン再始動時に、エンジン自動停止中(例えば、エンジン自動停止からエンジン再始動までの期間)におけるガス圧力の変化に基づいて燃料漏れの有無を検出し、その検出結果に基づいて遮断弁の通電制御を実施する。
・上記実施形態では、燃料噴射弁18から減圧弁40までの配管内に充填されているガス燃料の量を始動時ガス量として算出し、始動時ガス量が判定値よりも多い場合に、通電停止中の遮断弁を閉弁状態にしたままエンジン10を始動可能であるか否かを判定した。これに対し、本実施形態では、燃料噴射弁18への燃料供給圧、ここでは第2圧力センサ35により検出した低圧側通路19bの燃料圧力と判定値とを比較し、燃料供給圧が判定値よりも多い場合に通電停止中の遮断弁を閉弁状態にしたままエンジン10を始動可能であるか否かを判定する。
・上記実施形態では、エンジントルクが要求されない条件下である場合の具体例としてアイドルストップ制御によるエンジン自動停止について説明したが、車両走行中に実施される燃料カットの場合にも適用することができる。つまり、エンジン回転速度が所定の燃料カット回転速度を下回った場合に燃料噴射弁18による燃料噴射を停止し、燃料噴射停止中に、エンジン回転速度が所定の復帰回転速度を上回った場合に燃料噴射弁18による燃料噴射を再開する燃料カット制御にも適用することにより、遮断弁の通電停止による電力消費の低減を好適に図ることができる。
・上記実施形態では、外気温が所定の低温判定値以上である場合に、エンジントルクが要求されない条件下での遮断弁の通電停止を行ったが、外気温にかかわらず遮断弁の通電停止を行ってもよい。
・上記実施形態では、ガス通路に配置された減圧弁として機械駆動式のものを用いたが、コイルへの通電/非通電によって弁体44の駆動が制御される電磁式のものを用いてもよい。
・上記実施形態では、燃料としてガス燃料を使用するエンジンに適用する場合を説明したが、燃料としてガス燃料とガス燃料以外のその他の燃料(例えばガソリンなど)とを使用するエンジンにも適用することができる。例えば、予備燃料としてガソリンを用い、ガス燃料とガソリンとを切り替えて使用するバイフューエル車用のエンジンや、エンジン運転状態に応じてガス燃料とガソリンとの使用割合を変更するデュアルフューエル車用のエンジンに本発明を適用してもよい。
10…エンジン、18…燃料噴射弁、19…ガス配管、19a…高圧側通路、19b…低圧側通路、28…クランク角度センサ(回転速度検出手段)、29…外気温センサ(温度検出手段)、30…ガスタンク、31…タンク主止弁(遮断弁)、32…第1遮断弁(遮断弁)、33…第2遮断弁(遮断弁)、40…減圧弁、50…ECU(噴射カット制御手段、通電停止手段、通電制御手段、温度検出手段、ガス量算出手段、回転速度検出手段)。

Claims (9)

  1. ガスタンク内のガス燃料をエンジンの燃料噴射弁に供給する燃料通路に、該燃料通路におけるガス燃料の流通を遮断する遮断機能を有する複数の常閉式の遮断弁が直列に配置されているガス供給システムに適用され、前記遮断弁の通電制御により前記ガス燃料の前記燃料噴射弁への供給を制御するガス供給制御装置であって、
    前記エンジンにおいて、エンジントルクが要求されない条件下で前記燃料噴射弁の噴射カットを実施する噴射カット制御手段と、
    前記噴射カット制御手段による噴射カットの実施中に、前記複数の遮断弁のうち少なくともいずれかの通電を停止する通電停止手段と、
    前記噴射カット制御手段による噴射カットの終了に伴う噴射再開時に、前記通電停止手段により通電を停止した遮断弁について通電を再開する通電制御手段と、
    を備えることを特徴とするガス供給制御装置。
  2. 前記通電停止手段は、前記複数の遮断弁のうち、前記燃料通路において前記燃料噴射弁に最も近い位置に配置された最下流遮断弁の通電を継続し、該最下流遮断弁以外の遮断弁のうち少なくともいずれかの通電を停止する請求項1に記載のガス供給制御装置。
  3. 前記燃料通路において、前記ガスタンクから前記燃料噴射弁に供給するガス燃料の圧力を減圧調整する減圧弁が前記複数の遮断弁に対して直列に配置されており、
    前記複数の遮断弁として、前記燃料通路において、前記減圧弁による減圧調整前の燃料通路に配置された高圧側遮断弁と、前記減圧弁による減圧調整後の燃料通路に配置された低圧側遮断弁とを備え、
    前記通電停止手段は、前記複数の遮断弁のうち前記低圧側遮断弁の通電を継続し、前記高圧側遮断弁の少なくともいずれかの通電を停止する請求項1又は2に記載のガス供給制御装置。
  4. 前記通電停止手段は、前記噴射カット制御手段による前記燃料噴射弁の噴射カットの開始と同時に又は開始後に前記遮断弁の通電を停止する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガス供給制御装置。
  5. 前記通電停止手段は、前記複数の遮断弁のうち少なくともいずれかの通電を停止する際、通電停止の対象となる遮断弁を同時に通電停止にするか、又は前記燃料通路において前記燃料噴射弁に近い側に配置された遮断弁から順次通電を停止する請求項4に記載のガス供給制御装置。
  6. 外気温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記温度検出手段により検出した外気温度が所定の低温判定値よりも低い場合、前記通電停止手段による前記遮断弁の通電停止を禁止する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のガス供給制御装置。
  7. 所定の自動停止条件が成立した場合に前記噴射カットを実施して前記エンジンを自動停止し、所定の再始動条件が成立した場合に前記噴射カットを終了して前記エンジンを再始動する自動停止再始動機能を有するエンジンに適用され、
    前記通電停止手段は、前記自動停止条件の成立に伴う前記噴射カット制御手段による噴射カットの実施中に、前記複数の遮断弁のうち少なくともいずれかの通電を停止し、
    前記通電制御手段は、前記再始動条件の成立に伴う前記噴射カット制御手段による噴射カットの終了に伴う噴射再開時に、前記通電停止手段により通電を停止した遮断弁について通電を再開する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のガス供給制御装置。
  8. 前記噴射カット制御手段による噴射カットの終了に伴う噴射再開時に、前記燃料通路において、前記燃料噴射弁への前記ガス燃料の流通が許容されている部分のガス燃料量を算出するガス量算出手段を備え、
    前記通電制御手段は、前記ガス量算出手段により算出したガス燃料量に基づいて、前記通電停止手段により通電を停止した遮断弁の通電を再開するタイミングを可変に設定する請求項1乃至7のいずれか一項に記載のガス供給制御装置。
  9. 前記エンジンの回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、
    前記通電停止手段は、前記遮断弁の通電停止を、前記回転速度がゼロになる前に実施する請求項1乃至8のいずれか一項に記載のガス供給制御装置。
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