JP2013151580A - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プロピレンブロック共重合体(成分(A))及びエチレンと炭素原子数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体(成分(B))を含有し、成分(A)の含有量が50質量%以上95質量%以下であり、成分(B)の含有量が50質量%以下5質量%以上であり、温度230℃及び荷重2.16kgにおける成分(B)のメルトマスフローレート(MFR(B))と温度230℃及び荷重2.16kgにおける成分(A)のメルトマスフローレート(MFR(A))との比(MFR(B)/MFR(A))が2.1以上20以下であるポリプロピレン系樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
また、特許文献2には、剛性と強度のバランス、耐傷付き性等に優れるポリプロピレン系樹脂組成物として、プロピレン−エチレンブロック共重合体と特定の2種のエチレン−α−オレフィン共重合体を含有するポリプロピレン系樹脂組成物が提案されている。
かかる状況のもと、本発明が解決しようでは、光沢性に優れる射出成形体の製造に有用なポリプロピレン系樹脂組成物を提供することにある。
成分(A):
下記重合体部(a1)と重合体部(a2)とを有し、下記要件(1)、(2)及び(3)を充足するブロック共重合体。
重合体部(a1):プロピレンに由来する単量体単位の含有量が90質量%以上(但し、重合体部(a1)を100質量%とする。)であるプロピレンとエチレン及び/又は炭素原子数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体部又はプロピレン単独重合体部。
重合体部(a2):プロピレンに由来する単量体単位の含有量が30質量%以上90質量%未満(但し、重合体部(a2)を100質量%とする。)であるプロピレンとエチレン及び/又は炭素原子数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体部。
(1):MFR(A)が5g/10分以上40g/10分以下である。
(2):重合体部(a1)の含有量が55質量%以上89質量%以下であり、重合体部(a2)の含有量が45質量%以下11質量%以上である(但し、重合体部(a1)と重合体部(a2)との総量を100質量%とする。)。
(3):重合体部(a2)の極限粘度が1dl/g以上3dl/g以下である。
成分(B):
下記要件(4)及び(5)を充足するエチレンと炭素原子数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体。
(4):MFR(B)が50g/10分以上200g/10分以下である。
(5):密度が0.85g/cm3以上0.88g/cm3以下である。
本発明で用いる成分(A)は、下記重合体部(a1)と重合体部(a2)とを有するブロック共重合体である。
重合体部(a1):プロピレンに由来する単量体単位の含有量が90質量%以上(但し、重合体部(a1)の質量を100質量%とする。)であるプロピレンとエチレン及び/又は炭素原子数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体部又はプロピレン単独重合体部。
重合体部(a2):プロピレンに由来する単量体単位の含有量が30質量%以上90質量%未満(但し、重合体部(a2)の質量を100質量%とする。)であるプロピレンとエチレン及び/又は炭素原子数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体部。
[η]a2=[η]A×100/Wa2−[η]a1×Wa1/Wa2
なお、成分(A)の極限粘度([η]A)は、ウベローデ型粘度計により、溶媒としてテトラリンを用い、温度135℃で測定される。
本発明で用いる成分(B)は、エチレンと炭素原子数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体である。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、上記成分(A)及び成分(B)を含有する樹脂組成物である。
意匠面が鏡面仕上げされた金型を備えた射出成形機(住友重機械工業製 SE130DU、型締力130トン)を用い、成形温度210℃、金型温度50℃で、樹脂組成物を90mm×150mm×3mm平板に射出成形した。光沢度計(スガ試験機製)を用い、JIS K 7105:1981に規定された方法に従って、ゲートから30mmの位置(以下、「ゲート近傍部」と記す。)及びゲートから75mmの位置(以下、「中央部」と記す。)における当該平板の60度鏡面光沢度を測定し、中央部における60度鏡面光沢度とゲート近傍部における60度鏡面光沢度との差を算出した。
(2)機械物性
射出成形機(住友重機械工業製 SE180DU、型締力180トン)を用い、成形温度210℃、金型温度50℃で、樹脂組成物をASTM D790規定の試験片(長さ127mm、幅12.5mm、厚み6.4mm)及びASTM D638に規定のTYPE−1の形状の試験片(厚み3.2mm)に射出成形した。得られた試験片を用いて、以下に記載の方法により曲げ弾性率および引張破断伸びを測定した。
(2−1)曲げ弾性率
厚み6.4mmの試験片を用い、ASTM D790規定された方法に従って、測定温度23℃、スパン長さ100mm、変形速度2mm/分の条件で、曲げ弾性率を測定した。
(2−2)引張破断伸び
ASTM D638に規定された方法に従って、TYPE−1の形状の試験片を用い、測定温度は23℃、引張速度50mm/分の条件で、引張破断伸びを測定した。
(3)メルトマスフローレート(MFR)
JIS K 7210に規定された方法に従い、温度230℃、荷重2.16kgで測定した。
(A)ブロック共重合体
重合体(A−1):プロピレン単独重合体部とプロピレン−エチレンランダム共重合体部とを多段重合反応で調製した重合体。
MFR(230℃、荷重2.16kg)=30g/10分
プロピレン単独重合体部の含有量/プロピレン−エチレンランダム共重合体部の含有量
=78質量%/22質量%
プロピレン単独重合体部分の極限粘度=1.1dl/g
プロピレン−エチレンランダム共重合体部の極限粘度=2.2dl/g
プロピレン−エチレンランダム共重合体部のエチレンに由来する単量体単位の含有量
=30質量%
重合体(A−2):プロピレン単独重合体部とプロピレン−エチレンランダム共重合体部とを多段重合反応で調製した重合体。
MFR(230℃、荷重2.16kg)=30g/10分
プロピレン単独重合体部の含有量/プロピレン−エチレンランダム共重合体部の含有量
=78質量%/22質量%
プロピレン単独重合体部分の極限粘度=0.9dl/g
プロピレン−エチレンランダム共重合体部の極限粘度=4.5dl/g
プロピレン−エチレンランダム共重合体部のエチレンに由来する単量体単位の含有量
=35質量%
(B)ランダム共重合体
重合体(B−1):エチレン−1−ブテン共重合体
エチレンに由来する単量体単位の含有量/1−ブテンに由来する単量体単位の含有量
=65質量%/35質量%
MFR(230℃、荷重2.16kg)=77g/10分
密度=0.864g/cm3
極限粘度=0.7dl/g
重合体(B−2):エチレン−1−オクテンランダム共重合体
エチレンに由来する単量体単位の含有量/1−オクテンに由来する単量体単位の含有量
=65質量%/35質量%
MFR(230℃、荷重2.16kg)=66g/10分
密度=0.870g/cm3
極限粘度=0.8dl/g
重合体(B−3):エチレン−1−ブテン共重合体
エチレンに由来する単量体単位の含有量/1−ブテンに由来する単量体単位の含有量
=71質量%/29質量%
MFR(230℃、荷重2.16kg)=7g/10分
密度=0.866g/cm3
極限粘度=1.2dl/g
重合体(B−4):エチレン−1−オクテン共重合体
エチレンに由来する単量体単位の含有量/1−オクテンに由来する単量体単位の含有量
=94質量%/6質量%
MFR(230℃、荷重2.16kg)=66g/10分
密度=0.902g/cm3
極限粘度=0.8dl/g
重合体(B−5):エチレン−プロピレン共重合体
エチレンに由来する単量体単位の含有量/プロピレンに由来する単量体単位の含有量
=95質量%/5質量%
MFR(230℃、荷重2.16kg)=20g/10分
密度=0.905g/cm3
極限粘度=1.2dl/g
ブロック共重合体として重合体(A−1)を92質量%と、ランダム共重合体として重合体(B−1)を8質量%とを二軸混練押出機(日本製鋼所社製 TEX44SS−30BW−2V型)を用いてシリンダー温度210℃、スクリュー回転数を300rpm、押出量70kg/hrの条件で溶融混練してポリプロピレン系樹脂組成物を調製した。当該ポリプロピレン系樹脂組成物を上記の通り射出成形し、得られた成形体の光沢性及び機械物性を評価した。評価結果を表1に示す。
重合体(B−1)にかえて重合体(B−2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、射出成形を行った。得られた成形体の光沢性及び機械物性の評価結果を表1に示す。
重合体(B−1)にかえて重合体(B−3)を用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、射出成形を行った。得られた成形体の光沢性及び機械物性の評価結果を表1に示す。
重合体(B−1)にかえて重合体(B−4)を用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、射出成形を行った。得られた成形体の光沢性及び機械物性の評価結果を表1に示す。
重合体(B−1)にかえて重合体(B−5)を用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、射出成形を行った。得られた成形体の光沢性及び機械物性の評価結果を表1に示す。
重合体(A−1)にかえて重合体(A−2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、射出成形を行った。得られた成形体の光沢性及び機械物性の評価結果を表1に示す。
Claims (3)
- 下記成分(A)及び成分(B)を含有し、成分(A)と成分(B)との総量を100質量%として、成分(A)の含有量が50質量%以上95質量%以下であり、成分(B)の含有量が50質量%以下5質量%以上であり、温度230℃及び荷重2.16kgにおける成分(B)のメルトマスフローレート(MFR(B))と温度230℃及び荷重2.16kgにおける成分(A)のメルトマスフローレート(MFR(A))との比(MFR(B)/MFR(A))が2.1以上20以下であるポリプロピレン系樹脂組成物。
成分(A):
下記重合体部(a1)と重合体部(a2)とを有し、下記要件(1)、(2)及び(3)を充足するブロック共重合体。
重合体部(a1):プロピレンに由来する単量体単位の含有量が90質量%以上(但し、重合体部(a1)を100質量%とする。)であるプロピレンとエチレン及び/又は炭素原子数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体部又はプロピレン単独重合体部。
重合体部(a2):プロピレンに由来する単量体単位の含有量が30質量%以上90質量%未満(但し、重合体部(a2)を100質量%とする。)であるプロピレンとエチレン及び/又は炭素原子数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体部。
(1):MFR(A)が5g/10分以上40g/10分以下である。
(2):重合体部(a1)の含有量が55質量%以上89質量%以下であり、重合体部(a2)の含有量が45質量%以下11質量%以上である(但し、重合体部(a1)と重合体部(a2)との総量を100質量%とする。)。
(3):重合体部(a2)の極限粘度が1dl/g以上3dl/g以下である。
成分(B):
下記要件(4)及び(5)を充足するエチレンと炭素原子数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体。
(4):MFR(B)が50g/10分以上200g/10分以下である。
(5):密度が0.85g/cm3以上0.88g/cm3以下である。 - 成分(B)のα−オレフィンの炭素原子数が4以上6以下である請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 温度230℃及び荷重2.16kgにおけるメルトマスフローレートが35g/10分以上100g/10分以下である請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
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