JP2013151234A - 車両ドア用被覆部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドアパネルに組み付ける際の部品点数及び作業工数を削減することができる車両ドア用被覆部材を提供する。
【解決手段】車両ドア用被覆部材3は、ドアアウタパネル6の下部を覆う外側被覆部12と、この外側被覆部12の下端にインテグラルヒンジ部13を介して回動可能に連結され、ドアインナパネル7の下部を覆う内側被覆部14とを備えている。外側被覆部12の内面には、外側被覆部12をドアアウタパネル6に固定するための複数のクリップ15、1組のボルト17及びナット18が取り付けられている。内側被覆部14の内面には、内側被覆部14をドアインナパネル7に固定するための複数のフック20が設けられている。また、内側被覆部14の内面には、内側被覆部14と協働してドアインナパネル7のボルト締結用開口窓11を塞ぐ円形リング状のシール部品22が装着されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のドアパネルの下部を保護するための車両ドア用被覆部材に関するものである。
従来の車両ドア用被覆部材としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。特許文献1に記載の車両ドア用被覆部材は、ドアアウタパネルを覆う外側被覆部と、この外側被覆部の下縁に薄肉ヒンジ部を介して回動可能に連結され、ドアインナパネルの下部を覆う内側被覆部とを備えている。車両ドア用被覆部材は、ボルト及びクリップによりドアパネルに固定されている。
特開2007−137410号公報
しかしながら、上記従来技術においては、ボルトによりL字型ブラケットをドアアウタパネルに固定すると共に、他のボルトにより内側被覆部をL字型ブラケットに固定するようになっている。このため、ボルトにより車両ドア用被覆部材をドアパネルに組み付けるための構造が複雑になり、部品点数及び作業工数が増加してしまう。
本発明の目的は、ドアパネルに組み付ける際の部品点数及び作業工数を削減することができる車両ドア用被覆部材を提供することである。
本発明は、車両のドアパネルの下部を保護するための車両ドア用被覆部材において、車両のドアアウタパネルの下部を覆う外側被覆部と、外側被覆部にヒンジ部を介して回動可能に連結され、車両のドアインナパネルの下部を覆う内側被覆部とを備え、外側被覆部には、外側被覆部をドアアウタパネルに固定するためのボルトまたはナットが設けられており、内側被覆部またはドアインナパネルには、ドアインナパネルに形成されたボルト締結用開口窓を内側被覆部と協働して塞ぐシール部品が取り付けられていることを特徴とするものである。
このような本発明の車両ドア用被覆部材をドアパネルに組み付けるときは、例えば外側被覆部に設けられたボルトをドアアウタパネルに通した状態で、ドアインナパネルに形成されたボルト締結用開口窓からドアパネル内にナットを入れて、ボルト及びナットによりドアアウタパネルを締め付けた後、内側被覆部を外側被覆部に対して閉じる方向に回動させて、フック等により内側被覆部をドアインナパネルに固定する。このとき、内側被覆部とシール部品との協働によって、内側被覆部とドアインナパネルとがシールされた状態でボルト締結用開口窓が塞がれることとなる。従って、車両組立工場において、ボルトを用いて車両ドア用被覆部材をドアパネルに組み付ける際に、それ自体でボルト締結用開口窓を塞ぐためのグロメットをドアインナパネルに取り付ける必要が無い。また、ボルト締結を行うための特別なブラケットを使用する必要も無い。これにより、部品点数及び作業工数を削減することができる。
好ましくは、シール部品は、内側被覆部に取り付けられていると共にリング状を有し、内側被覆部におけるシール部品の内側部分には、ドアインナパネルに係合する爪部を有する係止壁が突設されている。
この場合には、内側被覆部におけるシール部品の内側部分に設けられた係止壁の爪部がドアインナパネルに引っ掛かることで、内側被覆部とドアインナパネルとの間に介在されたリング状のシール部品が潰れるようになるため、シール部品による内側被覆部とドアインナパネルとのシール性能を向上させることができる。また、車両ドア用被覆部材とシール部品とを一体部品として扱うことができるので、更に作業工数を削減することができる。
本発明によれば、車両ドア用被覆部材をドアパネルに組み付ける際の部品点数及び作業工数を削減し、低コスト化を図ることができる。
本発明に係る車両ドア用被覆部材の一実施形態がドアパネルに組み付けられた状態を示す断面図である。 図1に示した車両ドア用被覆部材の正面図である。 図1に示した車両ドア用被覆部材がドアパネルに組み付けられる様子を示す断面図である。 従来の車両ドア用被覆部材の一つがドアパネルに組み付けられた状態を示す断面図である。 図4に示したドアアウタパネル及びドアインナパネルを共締めした状態を示す断面図である。 本発明に係る車両ドア用被覆部材の他の実施形態を示す正面図である。 図6に示した車両ドア用被覆部材がドアパネルに組み付けられる様子を示す断面図である。
以下、本発明に係る車両ドア用被覆部材の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明に係る車両ドア用被覆部材の一実施形態がドアパネルに組み付けられた状態を示す断面図である。同図において、車両ドア1は、ドアパネル2と、このドアパネル2の下部に組み付けられる本実施形態の車両ドア用被覆部材(以下、単に被覆部材)3とを備えている。
被覆部材3は、車両の走行時に飛び石等からドアパネル2の下部を保護するための樹脂製部品である。ドアパネル2の内側には、車体の一部を構成するロッカパネル4が配置されている。ロッカパネル4には、被覆部材3と接触するゴム製のウエザーストリップ5が取り付けられている。
ドアパネル2は、ドアアウタパネル6と、このドアアウタパネル6の内側に配置されたドアインナパネル7とからなっている。ドアアウタパネル6には、複数のクリップ受け部8と1つのボルト貫通開口窓9とが形成されている。ドアインナパネル7には、複数のフック受け部10が形成されている。また、ドアインナパネル7におけるボルト貫通開口窓9に対応する位置には、ボルト締結用開口窓11が形成されている。
被覆部材3は、図2にも示すように、ドアアウタパネル6の下部を覆う外側被覆部12と、この外側被覆部12の下端にインテグラルヒンジ部13を介して回動可能に連結され、ドアインナパネル7の下部を覆う内側被覆部14とを備えている。なお、図1(a)は、図2のA−A線に相当する断面図であり、図1(b)は、図2のB−B線に相当する断面図である。
外側被覆部12の内面には、外側被覆部12をドアアウタパネル6に固定するための複数のクリップ15がブラケット16を介して取り付けられている。また、外側被覆部12の内面には、各クリップ15と協働して外側被覆部12をドアアウタパネル6に固定するための1組のボルト17及びナット18がブラケット19を介して取り付けられている。複数のクリップ15の他にボルト17及びナット18を設けるのは、外側被覆部12をドアアウタパネル6に強固に固定するためである。
内側被覆部14の内面には、内側被覆部14をドアインナパネル7に固定するための複数のフック20が設けられている。なお、外側被覆部12の内面には、被覆部材3の未使用時に内側被覆部14を外側被覆部12に対して閉じた際に、内側被覆部14を外側被覆部12に係止しておくために各フック20と係合する複数のフック受け部21が設けられている。
また、内側被覆部14の内面には、内側被覆部14と協働してドアインナパネル7のボルト締結用開口窓11を塞ぐ円形リング状のシール部品22が装着されている。シール部品22は、例えばコーキングスポンジで形成されている。なお、シール部品22の形状としては、円形状や方形状等であっても良い。
以上において、ドアパネル2への被覆部材3の組み付け作業は、車両組立工場において行われる。具体的には、まず予めナット18をボルト17から取り外し、図3(a)に示すように、内側被覆部14を外側被覆部12に対して開いた状態で、外側被覆部12に取り付けられた各クリップ15をドアアウタパネル6の各クリップ受け部8に差し込むことで、外側被覆部12をドアアウタパネル6に固定すると共に、外側被覆部12に取り付けられたボルト17をドアアウタパネル6のボルト貫通開口窓9に通す。そして、ドアインナパネル7に形成されたボルト締結用開口窓11からドアパネル2内にナット18を入れて、ボルト17に対してナット18を嵌めて回すことで、ボルト17及びナット18によりドアアウタパネル6を締め付ける。
次いで、図3(b)に示すように、インテグラルヒンジ部13を回転中心として内側被覆部14を外側被覆部12に対して閉じて、内側被覆部14に設けられた各フック20をドアインナパネル7の各フック受け部10に引っ掛けることで、内側被覆部14をドアインナパネル7に固定する(図1(a)参照)。このとき、内側被覆部14及びシール部品22によって、ボルト締結用開口窓11がシールされた状態で塞がれるようになる。
ここで、従来の被覆部材の一つを図4に示す。図4に示す被覆部材50は、シール部品22が内側被覆部14に装着されていないことのみ、上記の被覆部材3と異なっている。
このような被覆部材50を用いた場合には、ボルト17及びナット18でドアアウタパネル6を締め付けた後に、それ自体でボルト締結用開口窓11を塞ぐためのグロメット51をドアインナパネル7に取り付ける必要がある。このため、車両組立工場において部品点数及び作業工数が増加する要因となる。このとき、グロメット51を使用しないでボルト締結用開口窓11を開けたままにしておくと、ボルト締結用開口窓11からドアパネル2内に路面走行音や風切り音等が侵入するため、NV性能(ドライバーが実際に体験する乗り心地や音質)が悪化してしまう。
例えば図5に示すように、ドアアウタパネル6及びドアインナパネル7をボルト17及びナット18で共締めするような構造とした場合には、ドアインナパネル7にボルト締結用開口窓11を形成しなくて済むため、グロメット51が不要となる。しかし、この場合には、ドアアウタパネル6及びドアインナパネル7の面合わせ部分の面積が増大するため、ドアアウタパネル6及びドアインナパネル7の下地塗装の付着不良が発生し、それらが錆びやすくなる。
これに対し本実施形態では、内側被覆部14の内面に、内側被覆部14と協働してドアインナパネル7のボルト締結用開口窓11を塞ぐシール部品22を予め取り付けておくので、車両組立工場においてドアパネル2に被覆部材3を組み付ける際に、ボルト締結用開口窓11を塞ぐためのグロメットをドアインナパネル7に取り付けなくて済む。これにより、車両組立工場での部品点数及び作業工数を削減することができる。
また、内側被覆部14及びシール部品22によりボルト締結用開口窓11が塞がれることで、ボルト締結用開口窓11からドアパネル2内への路面走行音や風切り音等の侵入が防止されるため、NV性能を悪化させることが無い。さらに、ドアアウタパネル6及びドアインナパネル7をボルト17及びナット18で共締めする必要が無いため、ドアアウタパネル6及びドアインナパネル7の面合わせ部分の面積を必要最小限に抑えることができる。従って、ドアアウタパネル6及びドアインナパネル7の下地塗装の付着不良に起因した錆びの発生を防止することができる。
図6は、本発明に係る車両ドア用被覆部材の他の実施形態を示す正面図である。同図において、被覆部材3の内側被覆部14の内面には、円形リング状のシール部品22が装着されている。また、内側被覆部14の内面におけるシール部品22の内側部分には、内側被覆部14をドアインナパネル7に係止するための1対の係止壁23が突設されている。図7に示すように、各係止壁23の先端部には、ドアインナパネル7に係合する爪部23aがそれぞれ設けられている。なお、係止壁23は3つ以上あっても良いし、或いは係止壁23をリング状とし、その係止壁23の先端部に複数またはリング状の爪部23aを設けても良い。
このような被覆部材3をドアパネル2に組み付ける場合は、まず図7(a)に示すように、複数のクリップ15により外側被覆部12をドアアウタパネル6に固定すると共に、ドアインナパネル7に形成されたボルト締結用開口窓11からドアパネル2内にナット18を入れて、ボルト17及びナット18によりドアアウタパネル6を締め付ける。
そして、図7(b)に示すように、インテグラルヒンジ部13を回転中心として内側被覆部14を外側被覆部12に対して閉じて、複数のフック20により内側被覆部14をドアインナパネル7に固定する。すると、係止壁23がボルト締結用開口窓11からドアパネル2内に入り、内側被覆部14におけるボルト締結用開口窓11の縁部に係止壁23の爪部23aが引っ掛かる。このとき、内側被覆部14とドアインナパネル7との間に介在されたシール部品22が潰れた状態で、内側被覆部14及びシール部品22によりボルト締結用開口窓11が塞がれるようになる。
従って、例えば複数のフック20により内側被覆部14がドアインナパネル7に固定されたときに多少のガタが生じるような場合であっても、内側被覆部14とドアインナパネル7とがシール部品22により確実にシールされるようになる。これにより、シール部品22によるシール性能を十分高くすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、シール部品22をコーキングスポンジで形成したが、シール部品22の材料としては、特にコーキングスポンジには限られず、ゴムや柔軟性を有する樹脂等の弾性体であれば良い。
また、上記実施形態では、内側被覆部14にシール部品22が取り付けられているが、シール部品22をドアインナパネル7に取り付けてから、インテグラルヒンジ部13を回転中心として内側被覆部14を外側被覆部12に対して閉じて、ボルト締結用開口窓11をシールしても良い。
また、上記実施形態では、外側被覆部12にボルト17が取り付けられており、このボルト17にナット18を嵌め込んで、外側被覆部12をドアアウタパネル6に固定するようにしたが、特にその構成には限られず、外側被覆部12にナットを取り付け、そのナットにボルトをねじ込むことで、外側被覆部12をドアアウタパネル6に固定するようにしても良い。
1…車両ドア、2…ドアパネル、3…車両ドア用被覆部材、6…ドアアウタパネル、7…ドアインナパネル、11…ボルト締結用開口窓、12…外側被覆部、13…インテグラルヒンジ部、14…内側被覆部、17…ボルト、18…ナット、22…シール部品、23…係止壁、23a…爪部。

Claims (2)

  1. 車両のドアパネルの下部を保護するための車両ドア用被覆部材において、
    前記車両のドアアウタパネルの下部を覆う外側被覆部と、
    前記外側被覆部にヒンジ部を介して回動可能に連結され、前記車両のドアインナパネルの下部を覆う内側被覆部とを備え、
    前記外側被覆部には、前記外側被覆部を前記ドアアウタパネルに固定するためのボルトまたはナットが設けられており、
    前記内側被覆部または前記ドアインナパネルには、前記ドアインナパネルに形成されたボルト締結用開口窓を前記内側被覆部と協働して塞ぐシール部品が取り付けられていることを特徴とする車両ドア用被覆部材。
  2. 前記シール部品は、前記内側被覆部に取り付けられていると共にリング状を有し、
    前記内側被覆部における前記シール部品の内側部分には、前記ドアインナパネルに係合する爪部を有する係止壁が突設されていることを特徴とする請求項1記載のドア用被覆部材。

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