JP2013150419A - 熱電発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱電変換モジュールの熱害による損傷を防止しつつ、熱電変換モジュールの発電量を増加させることができる熱電発電装置を提供すること。
【解決手段】主通路25を形成する下流側内管24と副通路28を形成する外管22とを連通孔47によって連通するとともに、連通孔47に対して下流側の下流側内管24と外管22とを連通孔48aによって連通し、連通孔47に対して上流側の上流側内管23に縮径部23aを形成する。また、下流側内管24の上流部と冷却水管29の上流部との間に作動温度領域が高い熱電変換モジュール30を設け、下流側内管24の下流部と冷却水管29の下流部との間に作動温度領域が低い熱電変換モジュール38を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱電発電装置に関し、特に、内燃機関から排出される排気ガスを利用して熱電発電を行う熱電発電装置に関する。
従来、自動車等の車両の内燃機関から排出される排気ガス等には、熱エネルギーが含まれているため、排気ガスをそのまま捨てると熱エネルギーの無駄となる。そこで、排気ガスに含まれる熱エネルギーを熱電発電装置によって回収して電気エネルギーに変換し、例えば、バッテリに充電するようにしている。
従来のこの種の熱電発電装置としては、内燃機関から排出された排気ガスが導入される排気管に熱電変換モジュールの高温部を接触させるとともに、熱電変換モジュールの低温部を冷却水が流通する冷却水管に接触させたものが知られている。
この熱電変換モジュールは、半導体等の熱電変換素子、電極、高温部となる受熱基板および低温部となる放熱基板等を含んで構成されており、ゼーベック効果を利用して温度の高い排気ガスと温度の低い冷却水により、熱電変換モジュールの高温部と低温部との間に温度差を生じさせて発電を行うようになっている。
ところで、熱電変換モジュールの発電効率は、熱電変換モジュールの高温部と低温部との間の温度差が大きくなるほど大きくなるが、熱電変換素子として多用される、例えば、Bi−Te系の熱電材料を使用した熱電変換モジュールは、作動温度領域が100℃から200℃程度で熱電変換効率が高くなり、Mg−Si系の熱電材料を使用した熱電変換モジュールは、作動温度領域が400℃〜500℃程度で熱電変換効率が高くなる。
また、Bi−Te系の熱電材料を使用した熱電変換モジュールは、耐熱温度が200℃程度であり、Mg−Si系の熱電材料を使用した熱電変換モジュールは、耐熱温度が500℃程度である。
このため、耐熱温度を超えると熱電変換モジュールの熱電変換素子やケーブル等が熱害を受けて損傷してしまうことがあり、却って発電効率が低下しまうおそれがある。したがって、熱電変換モジュールを用いる場合には高温部の温度を耐熱温度以下のなるべく高い温度にすることで、最も良い発電効率を得られるようにする必要がある。
従来、熱電変換モジュールの熱害を防止しつつ、発電効率を向上させることができるようにした熱電発電装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
この熱電発電装置は、内燃機関から排出された排気ガスが導入される内管としての排気管と、排気管の外方に設けられ、排気管と共に受熱通路としての遮熱空間を画成する外管と、高温部が外管に接触するとともに、低温部が冷却水管に接触し、高温部と低温部との温度差に応じて熱電発電を行う熱電変換モジュールと、排気管の内部に設けられ、排気管を開閉する開閉弁とを備えている。
また、この熱電発電装置は、排気管の排気方向上流側に形成され、排気管の内部と遮熱空間とを連通する排気ガス導入通路と、排気管の排気方向下流側に設けられ、排気管の内部と遮熱空間とを連通する排気ガス排出通路とを備えている。
このような構成を有する熱電発電装置は、熱電変換モジュールの耐熱温度以上に温度が上昇する場合には、開閉弁を開方向に駆動し、排気ガス導入通路を通して排気管と遮熱空間を連通することにより、遮熱空間内に流れる排気ガスの流量を低減させる。
このため、遮熱空間を断熱層として作用させることにより、熱電変換モジュールの高温部の表面温度を下げて、熱電変換モジュールの温度がさらに上昇するのを防止することにより熱電変換モジュールが破損するのを防止することができる。
また、エンジンの始動直後や、アイドリング時等のように排気ガスの温度が低いときには、開閉弁を閉じ、遮熱空間に排気ガスを積極的に流すことにより、熱電変換モジュールの高温部の温度を早期に上昇させることができる。
特開2000−18095号公報
しかしながら、このような従来の熱電発電装置にあっては、熱電変換モジュールの耐熱温度以上に温度が上昇する場合には、開閉弁を開方向に駆動し、排気ガス導入通路を通して排気管と遮熱空間を連通するようにしているので、受熱通路を流れる排気ガスは、遮熱空間の上流側の熱電変換モジュールによって排気ガスの熱量の多くが奪われてしまい、遮熱空間の下流側において排気ガスの熱量が低下してしまう。
この結果、下流側の熱電変換モジュールの発電効率が上流側の熱電変換モジュールに比べて低下し、下流側で電力を十分に回収することができず、結果的に熱電変換モジュールの発電量が低下してしまうという問題が発生してしまった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、熱電変換モジュールの熱害による損傷を防止しつつ、熱電変換モジュールの発電量を増加させることができる熱電発電装置を提供することを目的とする。
本発明に係る熱電発電装置は、上記目的を達成するため、(1)排気ガスが流れる排気ガス通路に高温部が対向するとともに、冷却水が流れる冷却水通路に低温部が対向し、作動温度領域が高い第1の熱電変換モジュールおよび前記第1の熱電変換モジュールよりも作動温度領域が低い第2の熱電変換モジュールを備えた熱電発電装置であって、前記排気ガス通路が、内燃機関から排出された排気ガスが導入される主通路を形成する第1の排気管と、前記第1の排気管と同軸上に設けられ、副通路を形成する第2の排気管と、前記第1の排気管と前記第2の排気管とを連通する第1の連通路と、前記第1の連通路に対して排気方向下流側に位置し、前記第1の排気管と前記第2の排気管とを連通する第2の連通路とを含んで構成され、前記第1の連通路に対して排気方向上流側の前記第1の排気管に縮径部を形成し、前記第2の熱電変換モジュールの高温部を前記第2の排気管に対向させるとともに、前記第1の熱電変換モジュールの高温部を前記第1の排気管および前記第2の排気管のいずれか一方に対向させたものから構成されている。
この熱電発電装置は、主通路を形成する第1の排気管と第1の排気管と共に副通路を形成する第2の排気管とが第1の連通路によって連通されるとともに、第1の連通路に対して下流側の第1の排気管と第2の排気管とが第2の連通路によって連通され、第1の連通路に対して上流側の第1の排気管に縮径部が形成される。
このため、縮径部の下流側の排気ガスの流速を増加させることができ、縮径部の排気方向下流側でベンチュリ効果による負圧が発生して、第1の連通路を通して副通路に負圧が発生する。この負圧により、主通路を流れる排気ガスが第2の連通路を通して副通路に導入される。
このため、主通路において高温の排気ガスを作動温度領域が高い第1の熱電変換モジュールで回収した後に、低温となった排気ガスを副通路において作動温度領域が低い第2の熱電変換モジュールによって回収することができる。この結果、排気ガスの熱を第1の熱電変換モジュールおよび第2の熱電変換モジュールによって効率よく回収することができ、熱電変換モジュールの発電量を増大させることができる。
また、負圧によって第1の排気管を流れる排気ガスが第2の連通路を通して副通路に導入されて、主通路を流れる排気ガスの流れと逆流し、第1の連通路を通して再び主通路に導入されるので、内燃機関から主通路に排出された新規の排気ガスが、第1の連通路を通して主通路に導入された熱回収後の排気ガスと混合されて温度が低下する。
このため、上流側の第1の熱電変換モジュールに高温の新規の排気ガスを直接接触させないようにすることができ、第1の熱電変換モジュールの熱電変換素子やケーブル等が排気ガスの熱害を受けて損傷するのを防止することができる。
上記(1)に記載の熱電発電装置において、(2)前記第2の排気管は、前記第1の排気管の外方に前記冷却水通路を形成する冷却水管を挟んで設けられ、前記冷却水管と前記第1の排気管との間に前記第1の熱電変換モジュールが介装されるとともに、前記冷却水管と前記第2の排気管との間に前記第2の熱電変換モジュールが介装されるものから構成されている。
この熱電発電装置は、冷却水管と第1の排気管との間に第1の熱電変換モジュールが介装されるとともに、冷却水管と第2の排気管との間に第2の熱電変換モジュールが介装されるので、主通路において高温の排気ガスを作動温度領域が高い第1の熱電変換モジュールで回収した後に、低温となった排気ガスを副通路において作動温度領域が低い第2の熱電変換モジュールによって回収することができる。
また、内燃機関から主通路に排出された新規の排気ガスを第1の連通路を通して主通路に導入された熱回収後の排気ガスと混合して主通路から副通路に導入することができるため、上流側の第1の熱電変換モジュールに高温の新規の排気ガスを直接接触させないようにすることができ、第1の熱電変換モジュールの熱電変換素子やケーブル等が排気ガスの熱害を受けて損傷するのを防止することができる。
上記(1)に記載の熱電発電装置において、(3)前記第2の排気管が前記冷却水通路を形成する冷却水管と前記第1の排気管との間に位置するように前記第1の排気管の外方に設けられ、前記第1の熱電変換モジュールが前記冷却水管と前記第2の排気管の排気方向上流側に設けられるとともに、前記第2の熱電変換モジュールが前記冷却水管と前記第2の排気管の排気方向下流側に設けられ、前記副通路が、前記第1の排気管の排気方向上流側と前記第2の排気管の排気方向上流側との間に形成され、前記第1の熱電変換モジュールに排気ガスの熱を伝達する第1の受熱路と、前記第1の排気管の排気方向下流側と前記第2の排気管の排気方向下流側との間に形成され、前記第2の熱電変換モジュールに排気ガスの熱を伝達する第2の受熱路とから構成され、前記第1の受熱路と前記第2の受熱路との間に位置するように前記第2の連通路が形成されるとともに、前記第2の受熱路の排気方向下流側に、前記第2の受熱路から排気ガスを排出する排出孔が形成され、前記第1の排気管に前記内燃機関の回転数に応じて前記第1の排気管を開閉する開閉弁が設けられるものから構成されている。
この熱電発電装置は、第1の熱電変換モジュールが設置された上流側の第1の受熱路と第2の熱電変換モジュールが設置された下流側の第2の受熱路との間に主通路と連通する第2の連通路が形成され、第1の排気管に内燃機関の回転数に応じて開閉される開閉弁が設けられる。
このため、内燃機関の回転数に応じた流速の排気ガスによって開閉弁の開度が調整されることにより、内燃機関の回転数に応じた温度の排気ガスが第1の受熱路および第2の受熱路に選択的に供給され、第1の熱電変換モジュールおよび第2の熱電変換モジュールが排気ガスの温度に応じた発電を行うことができる。
このため、排気ガスの熱を第1の熱電変換モジュールおよび第2の熱電変換モジュールによってより効率よく回収することができ、熱電変換モジュールの発電量をより増大させることができる。
上記(1)〜(3)に記載の熱電発電装置において、(4)前記第1の排気管が、内燃機関から排気ガスが導入される上流側排気管と、前記上流側排気管に対して排気方向下流側に設けられた下流側排気管とから構成され、前記上流側排気管の排気方向下流部の内径が前記下流側排気管の内径よりも絞られているものから構成されている。
この熱電発電装置は、上流側排気管の下流部の内径を下流側排気管の内径よりも絞ることにより、縮径部を通過した排気ガスによって縮径部の下流側に負圧を発生させることができ、副通路に負圧を発生させることができる。
本発明によれば、熱電変換モジュールの熱害による損傷を防止しつつ、熱電変換モジュールの発電量を増加させることができる熱電発電装置を提供することができる。
本発明に係る熱電発電装置の第1の実施の形態を示す図であり、熱電発電装置を備えるエンジンの排気系の概略構成図である。 本発明に係る熱電発電装置の第1の実施の形態を示す図であり、熱電発電装置の断面図である。 本発明に係る熱電発電装置の第1の実施の形態を示す図であり、作動温度領域が高い熱電変換モジュールの斜視図である。 本発明に係る熱電発電装置の第1の実施の形態を示す図であり、作動温度領域が低い熱電変換モジュールの斜視図である。 本発明に係る熱電発電装置の第1の実施の形態を示す図であり、熱電発電装置の排気ガスの流れを示す図である。 本発明に係る熱電発電装置の第1の実施の形態を示す図であり、他の構成の熱電発電装置の断面図である。 本発明に係る熱電発電装置の第2の実施の形態を示す図であり、熱電発電装置の断面図である。 本発明に係る熱電発電装置の第2の実施の形態を示す図であり、エンジンの低回転域における排気ガスの流れを示す図である。 本発明に係る熱電発電装置の第2の実施の形態を示す図であり、エンジンの中回転域における排気ガスの流れを示す図である。 本発明に係る熱電発電装置の第2の実施の形態を示す図であり、エンジンの高回転域における排気ガスの流れを示す図である。 本発明に係る熱電発電装置の第2の実施の形態を示す図であり、他の構成の熱電発電装置の断面図である。
以下、本発明に係る熱電発電装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、熱電発電装置を、自動車等の車両に搭載される水冷式の多気筒の内燃機関、例えば4サイクルガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)に適用した場合について説明している。また、エンジンは、ガソリンエンジンに限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1〜図6は、本発明に係る熱電発電装置の第1の実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。
図1に示すように、自動車等の車両に搭載される内燃機関としてのエンジン1は、吸気系から供給される空気と燃料供給系から供給される燃料とを適宜の空燃比で混合して成る混合気を燃焼室に供給して燃焼させた後、この燃焼に伴って発生する排気ガスを排気系から大気に放出するようになっている。
排気系は、エンジン1に取り付けられたエキゾーストマニホールド2と、このエキゾーストマニホールド2に球面継手3を介して連結された排気管4とを含んで構成されており、エキゾーストマニホールド2と排気管4とによって排気通路が形成されている。
球面継手3は、エキゾーストマニホールド2と排気管4との適度な揺動を許容するとともに、エンジン1の振動や動きを排気管4に伝達させないか、または、減衰して伝達するように機能する。
排気管4上には、2つの触媒5、6が直列に設置されており、この触媒5、6により排気ガスが浄化されるようになっている。
この触媒5、6のうち、排気管4において排気ガスの排気方向の上流側に設置される触媒5は、所謂、スタートキャタリスタ(S/C)と呼ばれるものであり、排気管4において排気ガスの排気方向の下流側に設置される触媒6は、所謂、メインキャタリスタ(M/C)またはアンダーフロアキャタリスタ(U/F)と呼ばれるものである。
これらの触媒5、6は、例えば三元触媒により構成されている。この三元触媒は、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)を一括して化学反応により無害な成分に変化させるといった浄化作用を発揮する。
エンジン1の内部には、ウォータジャケットが形成されており、このウォータジャケットにはロングライフクーラント(LLC)と呼ばれる冷却液(以下、単に冷却水と言う)が充填されている。
この冷却水は、エンジン1に取付けられた導出管8から導出された後、ラジエータ7に供給され、このラジエータ7から冷却水の還流管9を経てエンジン1に戻されるようになっている。
ラジエータ7は、ウォータポンプ10によって循環される冷却水を外気との熱交換により冷却するものである。
また、還流管9にはバイパス管12が連結されており、このバイパス管12と還流管9との間にはサーモスタット11が介装され、このサーモスタット11によって、ラジエータ7を流通する冷却水量とバイパス管12を流通する冷却水量とが調節されるようになっている。
例えば、エンジン1の暖機運転時においてはバイパス管12側の冷却水量が増加されて暖機が促進されるようになっている。
バイパス管12にはヒータ配管13が連結されており、このヒータ配管13の途中には、ヒータコア14が設けられている。このヒータコア14は、冷却水の熱を利用して車室内の暖房を行うための熱源である。
このヒータコア14によって暖められた空気は、ブロアファン15によって車室内に導入されるようになっている。なお、ヒータコア14とブロアファン15とによりヒータユニット16が構成されている。
また、ヒータ配管13には後述する熱電発電装置17に冷却水を供給する上流側配管18aが設けられており、熱電発電装置17と還流管9との間には熱電発電装置17から還流管9に冷却水を排出する下流側配管18bが設けられている。
このため、熱電発電装置17において排熱回収動作(この排熱回収動作の詳細については後述する)が行われている場合には、下流側配管18bを流れる冷却水は、上流側配管18aを流れる冷却水の温度よりも高くなる。
一方、エンジン1の排気系には、熱電発電装置17が設けられており、この熱電発電装置17は、エンジン1から排出される排気ガスの熱を回収し、排気ガスの熱エネルギーを電気エネルギーに変換するようになっている。
図2に示すように、熱電発電装置17は、エンジン1から排出された排気ガスが導入される第1の排気管としての内管21と、内管21の外方に内管21と同軸上に設けられ、下流端がテールパイプ19に連結される第2の排気管としての外管22とを備えている。
内管21は、上流側の排気管4に連結された上流側排気管としての上流側内管23と、上流側内管23に対して排気ガスの排気方向下流側に設けられた下流側排気管としての下流側内管24とを備えており、上流側内管23および下流側内管24の内部によって排気ガスが流れる主通路25が形成されている。
このため、排気管4から内管21に排出された排気ガスは、主通路25を通してテールパイプ19に排出された後、テールパイプ19から外気に排出される。
なお、本発明の熱電発電装置17において定義される排気方向とは、内管21を流れる排気ガスの排気方向のことを指すものであり、上流および下流とは、この排気方向に対する方向である。すなわち、熱電発電装置17に対して上流側とはエンジン1側であり、下流側とはテールパイプ19側である。
このため、後述する副通路28を流れる排気ガスの方向が主通路25の排気ガスの流れ方向と反対方向であっても、副通路28を流れる排気ガスは、表現上、排気方向の下流側から上流側に流れるものとする。
また、外管22は、アウターパイプ26およびインナーパイプ27から構成されており、アウターパイプ26とインナーパイプ27とによって副通路28が形成されている。
また、下流側内管24およびインナーパイプ27の間には冷却水通路を形成する冷却水管29が介装されており、冷却水管29は、上流側配管18aに連結される冷却水導入部29aおよび下流側配管18bに連結される冷却水排出部29bを備えている。
また、インナーパイプ27には上流側配管18aおよび下流側配管18bが挿通される開口27a、27bが形成されている。なお、本実施の形態では、主通路25および副通路28が排気ガス通路を構成している。
また、インナーパイプ27の上流端は、下流側内管24の上流端に固定されることによってインナーパイプ27の上流端に支持されている。
また、インナーパイプ27の下流端は、下流側内管24の下流端に固定されているとともに、アウターパイプ26は、支持ブラケット48を介して下流側内管24に連結されており、下流側内管24の下流側は、支持ブラケット48によってインナーパイプ27に支持されている。
また、上流側配管18aが冷却水管29を介してインナーパイプ27に取付けられることにより、下流側内管24の上流部は、アウターパイプ26に支持される。
下流側内管24と冷却水管29との間には第1の熱電変換モジュールとしての複数の熱電変換モジュール30が設けられており、この熱電変換モジュール30は、排気方向に直列に設けられている。
図3に示すように、熱電変換モジュール30は、高温部を構成する絶縁セラミックス製の受熱基板31と、低温部を構成する絶縁セラミックス製の放熱基板32との間に、ゼーベック効果により温度差に応じた起電力を発生するN型熱電変換素子33およびP型熱電変換素子34が複数個設置されており、N型熱電変換素子33およびP型熱電変換素子34が電極35a、35bを介して交互に直列に接続されている。また、隣接する熱電変換モジュール30は、配線36を介して電気的に接続されている。
この熱電変換モジュール30は、受熱基板31が下流側内管24に接触するとともに、放熱基板32が冷却水管29に接触しており、受熱基板31と放熱基板32との温度差に応じて熱電発電を行うことにより、ケーブル37を介してバッテリに電力を供給するようになっている。
また、N型熱電変換素子33およびP型熱電変換素子34は、Mg−Si系等の熱電材料から構成されており、作動温度領域が400℃〜500℃程度で熱電変換効率が高くなる特性を有している。なお、図2では、熱電変換モジュール30を簡略化している。
また、インナーパイプ27と冷却水管29との間には第2の熱電変換モジュールとしての複数の熱電変換モジュール38が設けられており、この熱電変換モジュール38は、排気方向に直列に設けられている。
図4に示すように、熱電変換モジュール38は、受熱部を構成する絶縁セラミックス製の受熱基板39と、低温部を構成する絶縁セラミックス製の放熱基板40との間に、ゼーベック効果により温度差に応じた起電力を発生するN型熱電変換素子41およびP型熱電変換素子42が複数個設置されており、N型熱電変換素子41およびP型熱電変換素子42が電極43a、43bを介して交互に直列に接続されている。また、隣接する熱電変換モジュール38は、配線44を介して電気的に接続されている。
この熱電変換モジュール38は、受熱基板39がインナーパイプ27に接触するとともに、放熱基板40が冷却水管29に接触しており、受熱基板39と放熱基板40との温度差に応じて熱電発電を行うことにより、ケーブル46を介してバッテリに電力を供給するようになっている。
また、N型熱電変換素子41およびP型熱電変換素子42は、Bi−Te系等の熱電材料から構成されており、作動温度領域が100℃〜200℃程度で熱電変換効率が高くなる特性を有している。なお、図2では、熱電変換モジュール38を簡略化している。
すなわち、本実施の形態の熱電変換モジュール30は、作動温度領域が高く設定されており、熱電変換モジュール38は、熱電変換モジュール30に対して作動温度領域が低く設定されている。
なお、熱電変換モジュール30、38は、略正方形のプレート形状をしており、下流側内管24、インナーパイプ27および冷却水管29のそれぞれに密着させる必要があるため、内管21、外管22および冷却水管29は、多角形に形成されている。
さらに、内管21、外管22および冷却水管29は、円形であってもよい。この場合には、熱電変換モジュール30、38の受熱基板31、39および放熱基板32、40等を湾曲させるようにすればよい。
また、上流側内管23の下流側には縮径部23aが形成されており、この縮径部23aの流路面積は、下流側内管24の流路面積よりも小さくなっている。また、上流側内管23の下流端と下流側内管24の上流端との間には隙間が画成されており、この隙間によって内管21と外管22とが連通、すなわち、主通路25の上流側と副通路28とが連通されている。本実施の形態では、上流側内管23の下流端と下流側内管24の上流端との間の隙間が第1の連通路としての連通孔47を構成している。
また、連通孔47に対して下流側の支持ブラケット48には連通孔48aが形成されており、内管21および外管22は、連通孔48aを介して連通、すなわち、主通路25の下流側と副通路28とが連通されている。本実施の形態では、連通孔48aが第2の連通路を構成している。なお、連通孔47および連通孔48aは、排気ガス通路を構成している。
次に、作用を説明する。
エンジン1の冷間始動時には、触媒5、6、エンジン1の冷却水の全てが低温(外気温程度)になっている。
この状態からエンジン1が始動されると、エンジン1の始動に伴いエンジン1からエキゾーストマニホールド2を経て排気管4に、低温の排気ガスが排出されることになり、2つの触媒5、6が排気ガスにより昇温されることになる。
また、冷却水がラジエータ7を通らずにバイパス管12を経てエンジン1に戻されることによって暖機運転が行われることになる。
エンジン1の冷間始動時には、排気管4から内管21の主通路25に導入された排気ガスによって冷却水管29を流通する冷却水Wが昇温され、エンジン1の暖機が促される。
エンジン1の暖機後には、排気管4から内管21の主通路25に導入された排気ガスの熱エネルギーが、熱電変換モジュール30によって電気エネルギーに効率よく変換される。
また、エンジン1の暖機後には、サーモスタット11によってバイパス管12と還流管9との連通が遮断されるので、エンジン1から導出管8を介して導出された冷却水Wがラジエータ7を介して還流管9に導出される。このため、エンジン1に低温の冷却水Wが供給され、エンジン1の冷却性能を高めることができる。
次に、図5に基づいて暖機終了後の熱電発電装置17の作用を説明する。
本実施の形態の熱電発電装置17は、内管21が、上流側内管23と、上流側内管23に対して下流側に設けられた下流側内管24とを備え、上流側内管23の下流部に、下流側内管24の流路面積よりも小さい流路面積を構成する縮径部23aが形成されている。
このため、上流側内管23から下流側内管24の主通路25に導入される排気ガスG1は、上流側内管23の下流部に形成された縮径部23aを通過するときに流速が増加され、縮径部23aの排気方向下流側でベンチュリ効果による負圧が発生する。
縮径部23aの下流側には主通路25と副通路28とを連通する連通孔47が形成されているため、連通孔47を通して副通路28に負圧が発生する。
副通路28に負圧が発生すると、主通路25を流れる排気ガスG1が連通孔47よりも下流に設けられた連通孔48aを通して副通路28に導入されて、主通路25を流れる排気ガスG1の流れと逆流する流れとなる。なお、図5では、主通路25の排気ガス流れをG1で示し、副通路28の排気ガスの流れをG2で示す。
上流側内管23から下流側内管24の主通路25に導入された排気ガスG1は、作動温度領域が高い熱電変換モジュール30の受熱基板31に作用し、冷却水管29を流通する低温の冷却水が熱電変換モジュール30の放熱基板32に作用することにより、熱電変換モジュール30の受熱基板31と放熱基板32との間の温度差によって発電が行われる。そして、発電された電力は、ケーブル37を介してバッテリに供給され、バッテリに充電される。
主通路25を流れる高温の排気ガスは、主通路25の下流側に行くに従って冷却水によって熱を奪われて低温となり、1回目の熱回収が行われた低温の排気ガスG2は、負圧が作用する副通路28に連通孔48aを介して導入される。
ここで、上流側内管23に導入される新規の排気ガスGの温度を、例えば、600℃とすると、主通路25の出口側の排気ガスG2の温度は、200℃程度まで低下して副通路28に導入される。
副通路28に導入された低温の排気ガスG2は、作動温度領域が低い熱電変換モジュール38の受熱基板39に作用し、冷却水管29を流通する低温の冷却水が熱電変換モジュール38の放熱基板40に作用することにより、熱電変換モジュール38の受熱基板39と放熱基板40との間の温度差によって発電が行われる。そして、発電された電力は、ケーブル46を介してバッテリに供給され、バッテリに充電される。すなわち、排気ガスG2は、副通路28で2回目の熱回収が行われる。
副通路28を流れる2回目の熱回収後の排気ガスG2は、温度が100℃程度まで低下する。この排気ガスG2は、連通孔47を通して副通路28から主通路25に導入され、主通路25に導入される新規の排気ガスGに混合されることにより、主通路25を流れる排気ガスが500℃程度まで下がり、熱電変換モジュール30の作動温度領域の上限値、すなわち、耐熱温度の上限値となる。
主通路25を流れる混合ガスは、熱電変換モジュール30によって熱回収される。このため、主通路25の排気方向に配列された熱電変換モジュール30は、高温の排気ガスGに晒されることがなく、熱電変換モジュール30の熱害を防止することができる。
このように本実施の形態では、主通路25を形成する下流側内管24と副通路28を形成する外管22とを連通孔47によって連通するとともに、連通孔47に対して下流側の下流側内管24と外管22とを連通孔48aによって連通し、連通孔47に対して上流側の上流側内管23に縮径部23aを形成した。
このため、縮径部23aの下流側の排気ガスの流速を増加させることができ、縮径部23aの排気方向下流側でベンチュリ効果による負圧を発生させて、連通孔47を通して副通路28に負圧を発生させることができる。そして、この負圧により、主通路25を流れる排気ガスを連通孔48aを通して副通路28に導入することができる。
このため、主通路25において高温の排気ガスを作動温度領域が熱電変換モジュール30で回収した後に、低温となった排気ガスを副通路28において作動温度領域が低い熱電変換モジュール38によって回収することができる。
この結果、排気ガスの熱を熱電変換モジュール30、38によって効率よく回収することができ、熱電変換モジュール30、38の発電量を増大させることができる。
また、下流側内管24の主通路25を流れる排気ガスG1を、副通路28に発生する負圧によって連通孔48aを通して副通路28に導入して、主通路25を流れる排気ガスの流れと逆流させ、連通孔47を通して再び主通路25に導入させることができるため、エンジン1から主通路25に排出された新規の排気ガスGを、連通孔47を通して主通路25に導入された熱回収後の排気ガスG2と混合させて温度を下げることができる。
このため、上流側に設置された熱電変換モジュール38に高温の新規の排気ガスGを直接接触させないようにすることができ、熱電変換モジュール30のN型熱電変換素子33、P型熱電変換素子34、ケーブル37等が排気ガスの熱害を受けて損傷するのを防止することができる。
また、上流側の冷却水管29に伝達される排気ガスの熱量を少なくすることができるため、冷却水が高温になるのを抑制することができ、冷却水管29が破損したり、エンジン1の冷却性能が低下するのを防止することができる。
また、冷却水の温度が上昇するのを抑制することができるため、排気ガスと冷却水との温度差を大きくすることができ、熱電変換モジュール38の発電効率を向上させることができる。
なお、排気量が大きい車両等によっては、副通路28で熱回収した排気ガスが高くなり、温度条件が厳しくなることがある。このため、図6に示すように、副通路28の下流側(副通路28に逆流する排気ガスG2に対して上流側)に作動温度領域が高い熱電変換モジュール30を設置するようにしてもよい。また、副通路28に設置する熱電変換モジュール30は、車両の温度環境に応じて適宜の数を設置すればよい。
なお、本実施の形態では、排気方向に6つの熱電変換モジュール30、38を設けているが、熱電変換モジュール30、38の数は、特に限定されるものではない。
(第2の実施の形態)
図7〜図11は、本発明に係る熱電発電装置の第2の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同一の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図7において、熱電発電装置51は、エンジン1から排出された排気ガスが導入される第1の排気管としての内管52と、内管52の外方に内管52と同軸上に設けられ、下流端がテールパイプ19に連結される第2の排気管としての外管53とを備えている。
内管52は、上流側の排気管4に連結された上流側排気管としての上流側内管54と、上流側内管54に対して排気ガスの排気方向下流側に設けられた下流側排気管としての下流側内管55とを備えており、上流側内管54および下流側内管55の内部によって排気ガスが流れる主通路56が形成されている。
このため、排気管4から内管52に排出された排気ガスは、主通路56を通してテールパイプ19に排出された後、テールパイプ19から外気に排出される。
なお、本発明の熱電発電装置51において定義される排気方向とは、内管52を流れる排気ガスの排気方向のことを指すものであり、上流および下流とは、この排気方向に対する方向である。すなわち、熱電発電装置51に対して上流側とはエンジン1側であり、下流側とはテールパイプ19側である。
このため、後述するように副通路60を流れる排気ガスの方向が主通路56の排気ガスの流れ方向と反対方向であっても、副通路60を流れる排気ガスは、表現上、排気方向の下流側から上流側に流れるものとする。
また、外管53の上流端は、上流側内管54に固定されており、外管53の下流端は、支持ブラケット57を介して下流側内管55に固定されている。このため、上流側内管54および下流側内管55は、外管53に支持されている。
また、熱電発電装置51は、図3、図4に示すものと同一の第1の熱電変換モジュールとしての熱電変換モジュール30と、第2の熱電変換モジュールとしての熱電変換モジュール38と、筒状の冷却水管58とを備えている。なお、図7では、熱電変換モジュール30、38を簡略化している。
熱電変換モジュール30は、上流側内管54の上流側と冷却水管58との間に排気方向に直列に介装されており、受熱基板31が上流側内管54に接触するとともに、放熱基板32が冷却水管58に接触している。
また、熱電変換モジュール38は、上流側内管54の下流側と冷却水管58との間に排気方向に直列に介装されており、受熱基板39が上流側内管54に接触するとともに、放熱基板40が冷却水管58に接触している。
なお、熱電変換モジュール30、38は、略正方形のプレート形状をしており、外管53および冷却水管58の間に密着させる必要があるため、外管53および冷却水管58は、多角形に形成されている。
さらに、外管53および冷却水管58は、円形であってもよい。この場合には、熱電変換モジュール30、38の受熱基板31、39および放熱基板32、40等を湾曲させるようにすればよい。
また、上流側内管54の下流側には縮径部54aが形成されており、この縮径部54aの流路面積は、下流側内管55の流路面積よりも小さくなっている。また、上流側内管54の下流端と下流側内管55の上流端との間には隙間が画成されており、この隙間によって内管52と外管53とが連通、すなわち、主通路56の上流側と副通路60とが連通されている。
本実施の形態では、上流側内管54の下流端と下流側内管55の上流端との間の隙間が第1の連通路としての連通孔59を構成している。
冷却水管58は、上流側配管18aに連結される冷却水導入部58aおよび下流側配管18bに連結される冷却水排出部58bを備えており、外管53は、内管52と冷却水管58との間に設けられている。
すなわち、本実施の形態の熱電発電装置51は、外管53が冷却水管58と内管52との間に位置するように内管52の外方に設けられている。
下流側内管55と外管53との間に形成された副通路60は、熱電変換モジュール30に排気ガスの熱を伝達する第1の受熱路としての受熱路62と、熱電変換モジュール38に排気ガスの熱を伝達する第2の受熱路としての受熱路63から構成されており、受熱路62と受熱路63との間に位置するように第2の連通路としての連通孔61が形成されている。
本実施の形態では、連通孔59および連通孔61は、排気ガス通路を構成している。
また、支持ブラケット57には排出孔57aが形成されており、この排出孔57aは、外管53の下流に接続されたテールパイプ19と受熱路63とを連通し、受熱路63内の排気ガスをテールパイプ19に排出するようになっている。
また、下流側内管55には開閉弁64が設けられており、この開閉弁64は、連通孔61に対して下流側に設けられ、下流側内管55を開閉するように外管53に回動自在に取付けられている。
この開閉弁64は、主通路56を流れる排気ガスの圧力の大きさに応じて自動的に開閉するものである。なお、排気ガスの圧力の大きさは、エンジン1の回転数に相関関係があり、エンジン1の回転数が大きくなる程、排気ガスの圧力は、大きくなる。
すなわち、開閉弁64は、エンジン1のアイドリング時や低回転域では、排気ガスの圧力が低いため、下流側内管55を閉塞する。また、開閉弁64は、エンジン1の中回転域では、排気ガスの圧力が高くなるため、小さい開度で開いて、または、閉じたままとなり、下流側内管55を少しだけ解放、または、閉塞する。さらに、エンジン1の高回転域では、排気ガスの圧力がさらに高くなるため、下流側内管55を解放する。
次に、作用を説明する。
本実施の形態の熱電発電装置51は、熱電変換モジュール30が設置された上流側の受熱路62と熱電変換モジュール38が設置された下流側の受熱路63との間に主通路56と連通する連通孔61が形成され、下流側内管55にエンジン1の回転数に応じて開閉される開閉弁64が設けられている。
エンジン1の低回転域では、図8に示すように、上流側内管54に導入される新規の排気ガスGの圧力が低いため、開閉弁64は、閉じた状態となる。このとき、上流側内管54の下流部に形成された縮径部54aを通過する排気ガスによる負圧が小さいため、連通孔61から受熱路62に逆流する排気ガスが少なく、下流側内管55を流れる排気ガスG1の多くが、G2で示すように、連通孔61から受熱路63に導入される。
また、エンジン1の低回転域では、排気ガスの温度が低いため、受熱路63に導入された低温の排気ガスG2が、作動温度領域が低い熱電変換モジュール38の受熱基板39に作用し、冷却水管29を流通する低温の冷却水が熱電変換モジュール38の放熱基板40に作用する。
このため、熱電変換モジュール38の受熱基板39と放熱基板40との間の温度差によって発電が行われ、発電された電力は、ケーブル46を介してバッテリに供給され、バッテリに充電される。
したがって、エンジン1の低回転域では作動温度領域が低い熱電変換モジュール38によって効率よく発電を行うことができる。また、受熱路62に導入された排気ガスは、排出孔57aを通してテールパイプ19に排出される。
また、エンジン1の中回転域では、図9に示すように、上流側内管54に導入される新規の排気ガスGの圧力が高くなるため、開閉弁64が閉じたまま(または、低開度となり)、上流側内管54が閉塞(または、少しだけ解放)される。
このとき、上流側内管54の下流部に形成された縮径部54aを排気ガスが通過するときに流速が増加され、縮径部54aの排気方向下流側でベンチュリ効果による負圧が大きくなり、連通孔59を通して副通路60に負圧が発生する。
副通路60に負圧が発生すると、主通路56を流れる排気ガスG1が連通孔59よりも下流に設けられた連通孔61を通してG2で示すように受熱路62に導入されて、受熱路62を流れる排気ガスG2が主通路56を流れる排気ガスG1の流れと逆流する流れとなる。
このため、受熱路62に導入された排気ガスG2は、作動温度領域が高い熱電変換モジュール30の受熱基板31に作用し、冷却水管29を流通する低温の冷却水が熱電変換モジュール30の放熱基板32に作用することにより、熱電変換モジュール30の受熱基板31と放熱基板32との間の温度差によって発電が行われる。そして、発電された電力は、ケーブル37を介してバッテリに供給され、バッテリに充電される。
また、受熱路62を逆流する排気ガスG2は、上流側に行くに従って冷却水によって熱を奪われて低温となるが、上流側内管54から下流側内管55に流れる高温の新規の排気ガスの輻射熱によって、熱電変換モジュール30で熱回収された排気ガスの熱量が回復され、熱電変換モジュール30の発電効率が低下することがない。
一方、受熱路62を流れる排気ガスG2は、連通孔59を通して再び下流側内管55に導入される。エンジン1から排気管4を通して上流側内管54に排出された新規の排気ガスは、連通孔59を通して下流側内管55に導入された熱回収後の排気ガスと混合され、符号G2で示すように、下流側内管55から連通孔61を通して受熱路62に導入される。
このため、熱電変換モジュール30に高温の新規の排気ガスを直接接触させないようにすることができ、熱電変換モジュール30のN型熱電変換素子33やP型熱電変換素子34、または、ケーブル37が排気ガスの熱害を受けて損傷するのを防止することができる。
また、上流側の冷却水管58に伝達される排気ガスの熱量を少なくすることができるため、冷却水が高温になるのを抑制することができ、冷却水管58が破損したり、エンジン1の冷却性能が低下するのを防止することができる。
上述したように受熱路62によって1回目の熱回収が行われ、この熱回収された排気ガスは、G3で示すように連通孔61を通して受熱路63に導入され、熱電変換モジュール38によって2回目の熱回収が行われた後、排出孔57aを通してテールパイプ19に排出される。
エンジン1の高回転域では、図10に示すように、上流側内管54に導入される排気ガスGの圧力が中回転域よりも高く、かつ高温となるため、開閉弁64は、全開となる。このとき、上流側内管54の下流部に形成された縮径部54aを通過する排気ガスの流速がさらに大きくなるため、受熱路62の負圧がさらに大きくなり、連通孔61から受熱路62に逆流する排気ガスG2の量が多くなる。
このため、受熱路62に導入された排気ガスG2は、作動温度領域が高い熱電変換モジュール30によって熱回収され、ケーブル37を介してバッテリに充電される。
また、主通路56を逆流する排気ガスG2は、上流側に行くに従って冷却水によって熱を奪われて低温となるが、上流側内管54から下流側内管55に流れるより高温の新規の排気ガスの輻射熱によって熱電変換モジュール30によって熱回収された排気ガスの熱量が回復され、熱電変換モジュール30の発電効率が低下することがない。
一方、受熱路62を流れる排気ガスG2は、連通孔59を通して再び下流側内管55に導入される。エンジン1から排気管4を通して上流側内管54に排出された新規の排気ガスに混合されて温度が下げられ、下流側内管55を流れ、連通孔61を通して受熱路62に導入される。
このため、熱電変換モジュール30に高温の新規の排気ガスを直接接触させないようにすることができ、熱電変換モジュール30のN型熱電変換素子33やP型熱電変換素子34、または、ケーブル37が排気ガスの熱害を受けて損傷するのを防止することができる。
また、上流側の冷却水管58に伝達される排気ガスの熱量を少なくすることができるため、冷却水が高温になるのを抑制することができ、冷却水管58が破損したり、エンジン1の冷却性能が低下するのを防止することができる。
また、開閉弁64が全開状態であることから、上流側内管54を流れる新規の排気ガスGと連通孔59を通して下流側内管55に導入された熱回収後の排気ガスとの混合ガスG3は、受熱路63に導入されることなく、テールパイプ19に排出される。
このとき、上流側内管54を流れる混合ガスG3は、輻射熱となるとともに、受熱路63が空気層(断熱層)となることにより、熱電変換モジュール38に伝達される輻射熱の温度が低下されて熱電変換モジュール38に伝達される。このため、混合ガスG3が熱電変換モジュール38によって熱回収され、熱電変換モジュール38が発電を行うことにより、バッテリに供給され、バッテリに充電される。
すなわち、エンジン1の高回転域では、高温の排気ガスGが受熱路63に導入されることがなく、テールパイプ19に排出されることで、熱電変換モジュール38のN型熱電変換素子41やP型熱電変換素子42、ケーブル46が排気ガスの熱害を受けて損傷するのを防止しつつ、熱電変換モジュール38の発電量が低下するのを防止することができる。
このように本実施の形態では、熱電変換モジュール30が設置された上流側の受熱路62と熱電変換モジュール38が設置された下流側の受熱路63との間に主通路56と連通する連通孔61を形成し、上流側内管54にエンジン1の回転数に応じて開閉される開閉弁64を設けたので、エンジン1の回転域に応じた流速の排気ガスによって開閉弁64の開度を調整することができる。
このため、エンジン1の回転域に応じた温度の排気ガスを受熱路62、63に選択的に供給して、熱電変換モジュール30、38が排気ガスの温度に応じた発電を行うことができる。
この結果、排気ガスの熱を熱電変換モジュール30、38によってより効率よく回収することができ、熱電変換モジュール30、38の発電量をより増大させることができる。
なお、排気量が大きい車両等によっては、副通路60で熱回収した排気ガスが高くなり、温度条件が厳しくなることがある。このため、図11に示すように、副通路60の下流側(副通路60に逆流する排気ガスに対して上流側)に作動温度領域が高い熱電変換モジュール30を設置するようにしてもよい。また、副通路60に設置する熱電変換モジュール30は、車両の温度環境に応じて適宜の数を設置すればよい。
なお、本実施の形態では、排気方向に6つの熱電変換モジュール30、38を設けているが、熱電変換モジュール30、38の数は、特に限定されるものではない。
以上のように、本発明に係る熱電発電装置は、熱電変換モジュールの熱害による損傷を防止しつつ、熱電変換モジュールの発電量を増加させることができるという効果を有し、内燃機関から排出される排気ガスを利用して熱電発電を行う熱電発電装置等として有用である。
1 エンジン(内燃機関)
17、51 熱電発電装置
21、52 内管(第1の排気管)
22、53 外管(第2の排気管)
23、54 上流側内管(上流側排気管)
23a、54a 縮径部
24、55 下流側内管(下流側排気管)
25、56 主通路(排気ガス通路)
28、60 副通路(排気ガス通路)
29、58 冷却水管
30 熱電変換モジュール(第1の熱電変換モジュール)
38 熱電変換モジュール(第2の熱電変換モジュール)
47、59 連通孔(第1の連通路、排気ガス通路)
48a、61 連通孔(第2の連通路、排気ガス通路)
57a 排出孔
62 受熱路(第1の受熱路)
63 受熱路(第2の受熱路)
64 開閉弁

Claims (4)

  1. 排気ガスが流れる排気ガス通路に高温部が対向するとともに、冷却水が流れる冷却水通路に低温部が対向し、作動温度領域が高い第1の熱電変換モジュールおよび前記第1の熱電変換モジュールよりも作動温度領域が低い第2の熱電変換モジュールを備えた熱電発電装置であって、
    前記排気ガス通路が、内燃機関から排出された排気ガスが導入される主通路を形成する第1の排気管と、前記第1の排気管と同軸上に設けられ、副通路を形成する第2の排気管と、前記第1の排気管と前記第2の排気管とを連通する第1の連通路と、前記第1の連通路に対して排気方向下流側に位置し、前記第1の排気管と前記第2の排気管とを連通する第2の連通路とを含んで構成され、
    前記第1の連通路に対して排気方向上流側の前記第1の排気管に縮径部を形成し、前記第2の熱電変換モジュールの高温部を前記第2の排気管に対向させるとともに、前記第1の熱電変換モジュールの高温部を前記第1の排気管および前記第2の排気管のいずれか一方に対向させたことを特徴とする熱電発電装置。
  2. 前記第2の排気管は、前記第1の排気管の外方に前記冷却水通路を形成する冷却水管を挟んで設けられ、前記冷却水管と前記第1の排気管との間に前記第1の熱電変換モジュールが介装されるとともに、前記冷却水管と前記第2の排気管との間に前記第2の熱電変換モジュールが介装されることを特徴とする請求項1に記載の熱電発電装置。
  3. 前記第2の排気管が前記冷却水通路を形成する冷却水管と前記第1の排気管との間に位置するように前記第1の排気管の外方に設けられ、
    前記第1の熱電変換モジュールが前記冷却水管と前記第2の排気管の排気方向上流側に設けられるとともに、前記第2の熱電変換モジュールが前記冷却水管と前記第2の排気管の排気方向下流側に設けられ、
    前記副通路が、前記第1の排気管の排気方向上流側と前記第2の排気管の排気方向上流側との間に形成され、前記第1の熱電変換モジュールに排気ガスの熱を伝達する第1の受熱路と、前記第1の排気管の排気方向下流側と前記第2の排気管の排気方向下流側との間に形成され、前記第2の熱電変換モジュールに排気ガスの熱を伝達する第2の受熱路とから構成され、
    前記第1の受熱路と前記第2の受熱路との間に位置するように前記第2の連通路が形成されるとともに、前記第2の受熱路の排気方向下流側に、前記第2の受熱路から排気ガスを排出する排出孔が形成され、
    前記第1の排気管に前記内燃機関の回転数に応じて前記第1の排気管を開閉する開閉弁が設けられることを特徴とする請求項1に記載の熱電発電装置。
  4. 前記第1の排気管が、内燃機関から排気ガスが導入される上流側排気管と、前記上流側排気管に対して排気方向下流側に設けられた下流側排気管とから構成され、前記上流側排気管の排気方向下流部の内径が前記下流側排気管の内径よりも絞られていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載の熱電発電装置。
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