JP2013149493A - リチウムイオン伝導性材料 - Google Patents

リチウムイオン伝導性材料 Download PDF

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Abstract

【課題】化学式LiLaZr2−y12で表される複合金属酸化物からなるリチウムイオン伝導性材料と比較して、優れた電気化学的安定性を備えるリチウムイオン伝導性材料を提供する。
【解決手段】リチウムイオン伝導性材料は、化学式Li7−yLa3−xZr2−y12(式中、AはY、Nd、Sm、Gdからなる群から選択されるいずれか1種の金属であり、xは0<x<3の範囲であり、MはNb、Ta、Sb、Bi、Pbからなる群から選択されるいずれか1種の金属であり、yは0<y<2の範囲である)で表され、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物からなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リチウムイオン伝導性材料に関する。
従来、リチウムイオン二次電池の電解質として、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート等の有機溶媒に、LiPF、LiBF等の支持塩を溶解させた非水系電解液が用いられている。しかし、前記電解液を用いるリチウムイオン二次電池では、容器が破損した場合等に該電解液が外部に漏洩する虞がある。
また、前記電解液と共にリチウムイオンを用いるリチウムイオン二次電池では、リチウム金属、リチウム合金、グラファイト等からなる負極にリチウムデンドライト(樹枝状晶)が析出、成長するという問題がある。前記リチウムデンドライトが正極にまで到達すると、前記リチウムイオン二次電池内部で短絡を引き起こすことがある。
そこで、前記リチウムイオン二次電池の電解質として、固体電解質等のリチウムイオン伝導性材料を用いることが検討されている。前記リチウムイオン伝導性材料として、例えば、化学式LiLaZr12で表され、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物が知られており、該複合金属酸化物は、優れたリチウムイオン伝導性と優れた電気化学的安定性とを備えているとされている(例えば非特許文献1参照)。
また、前記化学式LiLaZr12で表される複合金属酸化物のZrサイトの一部をNb等のZr以外の金属Mで置換してなり、化学式LiLaZr2−y12(0<y<2)で表される複合金属酸化物は、該化学式LiLaZr12で表される複合金属酸化物と比較して、さらに優れたリチウムイオン伝導性を備えているとされている(例えば特許文献1参照)。
特開2010−202499号公報
Murugan et al., Angew.Chem.Int.Ed. 46(2007), pp.7778〜7781
しかしながら、前記化学式LiLaZr2−y12で表される複合金属酸化物は、前記化学式LiLaZr12で表される複合金属酸化物と比較して、電気化学的安定性が低くなることがあるという不都合がある。
そこで、本発明は、かかる不都合を解消して、化学式LiLaZr2−y12で表される複合金属酸化物からなるリチウムイオン伝導性材料と比較して、優れた電気化学的安定性を備えるリチウムイオン伝導性材料を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、前記リチウムイオン伝導性材料を用いた固体電解質を備え、充放電を繰り返したときにリチウムイオン伝導性を向上することができるリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明のリチウムイオン伝導性材料は、化学式Li7−yLa3−xZr2−y12(式中、AはY、Nd、Sm、Gdからなる群から選択されるいずれか1種の金属であり、xは0<x<3の範囲であり、MはNb、Ta、Sb、Bi、Pbからなる群から選択されるいずれか1種の金属であり、yは0<y<2の範囲である)で表され、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物からなることを特徴とする。
前記LiLaZr12で表される複合金属酸化物を構成するZrの一部を、5価の金属でありZrのイオン半径値に近いイオン半径を備えるNb、Ta、Sb、Bi、Pbからなる群から選択されるいずれか1種の金属で置換することにより得られる前記化学式Li7−yLaZr2−y12で表わされる複合金属酸化物は、その置換量に応じて結晶中Liサイトに空孔が形成されることにより、化学式LiLaZr12で表される複合金属酸化物からなるリチウムイオン伝導性材料と比較して、さらに優れたリチウムイオン伝導性を備えることができる。
しかしながら、前記化学式Li7−yLaZr2−y12で表わされる複合金属酸化物は、前記空孔が形成されることによりLiが電気化学的に挿入される還元反応を起こしやすくなり、電気化学安定性が低下する。
そこで、本発明では、前記Li7−yLaZr2−y12で表される複合金属酸化物を構成するLaの一部を、Laと同じ3価の金属であり、Laのイオン半径値に近いイオン半径を備え、かつLaよりも酸化還元しにくい性質をもつY、Nd、Sm、Gdからなる群から選択されるいずれか1種の金属で置換することにより、その置換量に応じて電気化学安定性の低下を抑制することができる。
したがって、本発明のリチウムイオン伝導性材料によれば、前記化学式LiLaZr2−y12で表される複合金属酸化物からなるリチウムイオン伝導性材料と比較して、優れた電気化学的安定性を得ることができる。
また、本発明のリチウムイオン伝導性材料において、Aは、Nd、Sm、Gdのいずれか1種の金属であってもよいが、Yであることが好ましい。本発明のリチウムイオン伝導性材料において、AがYであるときには、AがNd、Sm、Gdのいずれか1種の金属である場合と比較して、電位窓を広くすることができ、さらに優れた電気化学的安定性を得ることができる。
さらに、AがY、Nd、Sm、Gdのいずれか1種の金属であるリチウムイオン伝導性材料において、MはNb、Ta、Sb、Bi、Pbからなる群から選択されるいずれか1種の金属であってもよいが、Nb又はTaであることが好ましい。本発明のリチウムイオン伝導性材料において、MがNb又はTaであるときには、MがSb、Bi、Pbのいずれか1種の金属である場合と比較して、電位窓を広くすることができ、さらに優れた電気化学的安定性を得ることができる。
また、本発明は、正極と、負極と、該正極及び該負極の間に配設され、リチウムイオン伝導性材料からなる固体電解質とを備えるリチウムイオン二次電池において、該リチウムイオン伝導性材料は、化学式Li7−yLa3−xZr2−y12(式中、AはY、Nd、Sm、Gdからなる群から選択されるいずれか1種の金属であり、xは0<x<3の範囲であり、MはNb、Ta、Sb、Bi、Pbからなる群から選択されるいずれか1種の金属であり、yは0<y<2の範囲である)で表され、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物からなることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン二次電池によれば、前記負極と該固体電解質とにおけるリチウムイオン伝導に対する界面抵抗を低くすることができるとともに、機作不明ながら、充放電を繰り返したときにリチウムイオン伝導性を向上することができる。
実施例1及び比較例1のリチウムイオン伝導性材料における交流インピーダンス測定結果を示すグラフ。 実施例4及び比較例3のリチウムイオン伝導性材料における交流インピーダンス測定結果を示すグラフ。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
本実施形態のリチウムイオン伝導性材料は、化学式Li7−yLa3−xZr2−y12(式中、AはY、Nd、Sm、Gdからなる群から選択されるいずれか1種の金属であり、xは0<x<3の範囲であり、MはNb、Ta、Sb、Bi、Pbからなる群から選択されるいずれか1種の金属であり、yは0<y<2の範囲である)で表され、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物からなる。
本実施形態のリチウムイオン伝導性材料は、化学式LiLaZr12で表される複合金属酸化物において、Laと同じ3価の金属であり、Laのイオン半径値に近いイオン半径を備えるY、Nd、Sm、Gdからなる群から選択されるいずれか1種の金属で置換するとともに、該複合金属酸化物を構成するZrの一部を、Zrと同じ4価の金属であり、Zrのイオン半径値に近いイオン半径を備えるNb、Ta、Sb、Bi、Pbからなる群から選択されるいずれか1種の金属で置換したものである。本実施形態のリチウムイオン伝導性材料は、このようにすることにより、化学式LiLaZr12で表される複合金属酸化物からなるリチウムイオン伝導性材料と比較して、さらに優れたリチウムイオン伝導性を備えるとともに、化学式LiLaZr2−y12で表される複合金属酸化物からなるリチウムイオン伝導性材料と比較して、優れた電気化学的安定性を得ることができる。
本実施形態のリチウムイオン伝導性材料は、Li化合物と、La化合物と、Zr化合物と、Y、Nd、Sm、Gdからなる群から選択されるいずれか1種の金属の化合物と、Nb、Ta、Sb、Bi、Pbからなる群から選択されるいずれか1種の金属の化合物とを混合した混合原料を焼成することにより得ることができる。また、このとき、前記混合原料に、Al化合物とSi化合物とからなる焼結助剤、又はAl化合物とGe化合物とからなる焼結助剤を添加して焼成することにより、焼結を促進し、緻密化されたリチウムイオン伝導性材料を得ることができる。
前記Li化合物としては、例えば、LiOH又はその水和物、LiCO、LiNO、CHCOOLi等を挙げることができる。前記La化合物としては、La、La(OH)、La(CO、La(NO、(CHCOO)La等を挙げることができる。前記Zr化合物としては、Zr、ZrO(NO、ZrO(CHCOO)、Zr(OH)CO、ZrO等を挙げることができる。
また、Y化合物としては、Y、Y(CO、Y(NO、(CHCOO)Y等を挙げることができる。Nd化合物としては、Nd、Nd(CO、Nd(NO、(CHCOO)Nd等を挙げることができる。Sm化合物としては、Sm、Sm(CO、Sm(NO、(CHCOO)Sm等を挙げることができる。Gd化合物としては、Gd、Gd(CO、Gd(NO、(CHCOO)Gd等を挙げることができる。
また、Nb化合物としては、Nb、NbO、NbCl、LiNbO等を挙げることができる。Ta化合物としては、Ta、TaCl、LiTaO等を挙げることができる。Sb化合物としては、Sb、Sb、(CHCOO)Sb、SbCl、SbCl等を挙げることができる。Bi化合物としては、Bi、Bi、Bi(O)NO、(CHCOO)Bi、BiOCl、BiF等を挙げることができる。Pb化合物としては、PbO、Pb、PbO,PbCO、(CHCOO)Pb、PbCl等を挙げることができる。
また、前記Al化合物としては、Al、Al(OH)、Al(NO等を挙げることができる。前記Si化合物としては、SiO、テトラエトキシシラン、オルトケイ酸等を挙げることができる。前記Ge化合物としては、GeO、ゲルマニウムエトキシド、GeCl等を挙げることができる。
前記焼成は、まず、前記混合原料をボールミル、ミキサー等の粉砕、混合機器により、粉砕、混合した後、850〜950℃の範囲の温度に5〜7時間の範囲の時間保持して一次焼成する。次に、前記一次焼成により得られた焼成体を再度ボールミル、ミキサー等の粉砕、混合機器により、粉砕、混合した後、1000〜1100℃の範囲の温度に5〜7時間の時間保持して二次焼成する。
この結果、化学式Li7−yLa3−xZr2−y12(式中、AはY、Nd、Sm、Gdからなる群から選択されるいずれか1種の金属であり、xは0<x<3の範囲であり、MはNb、Ta、Sb、Bi、Pbからなる群から選択されるいずれか1種の金属であり、yは0<y<2の範囲である)で表され、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物を得ることができる。尚、前記焼成の際に前記焼結助剤を用いるときには、前記一次焼成の前に前記混合原料に該焼結助剤を添加し、該混合原料と共に粉砕、混合する。
前記焼成により得られた前記複合金属酸化物は、前記リチウムイオン伝導性材料として用いるために、1〜50μmの範囲の粒径を備えるようにされていることが好ましい。50μmより大きな粒径の粒子が多く含まれる場合には、前記焼成により得られた前記複合金属酸化物を、例えば、ボールミル、ミキサー等の粉砕、混合機器により粉砕して、1〜50μmの範囲の粒径を備えるようにする。
前記リチウムイオン伝導性材料は、さらに前記複合金属酸化物からなる焼結体としてもよい。前記焼結体は、前記焼成により得られた前記複合金属酸化物の粉末をダイに収容して仮成形した後、1000〜1200℃の範囲の温度で焼結処理することにより得ることができる。前記焼結処理は、大気下、真空下、アルゴン雰囲気下等で行うことができ、処理の間に加圧することにより、緻密化された焼結体を得ることができる。
前記リチウムイオン伝導性材料は、前記焼結体とすることにより粒界抵抗を低減して、リチウムイオン伝導性をさらに向上させることができる。
ところで、本実施形態のリチウムイオン伝導性材料の電気化学的安定性は、前記化学式で表されガーネット型構造を備える複合金属酸化物の単位格子に1原子を挿入又は1原子を脱離させた際の自由エネルギー変化から酸化還元電位を算出することにより評価することができる。前記自由エネルギー変化は、第一原理電子状態計算プログラムであるVASP(Vienna Ab initio Simulation Package)を用いて、GGA(Generalized Gradient Approximation)/PAW(Projector Augmented Wave)法により、カットオフエネルギー480eV、k点=3×3×3の条件で、第一原理計算法により、求めることができる。尚、前記酸化還元電位は、Li/Li電極反応の電位を基準とするときの還元電位及び酸化電位である。
そこで、化学式Li7−yLa3−xZr2−y12(式中、AはY、Nd、Sm、Gdからなる群から選択されるいずれか1種の金属であり、x=0.083であり、MはNb、Ta、Sb、Biからなる群から選択されるいずれか1種の金属であり、y=0.25である)で表され、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物からなるリチウムイオン伝導性材料の酸化還元電位を前記のようにして算出した。代表的な組成の結果を表1に示す。
また、化学式LiLaZr12で表されガーネット型構造を備える複合金属酸化物からなるリチウムイオン伝導性材料、及び化学式LiLaZr2−y12(式中、MはNb、Ta、Sb、Biからなる群から選択されるいずれか1種の金属であり、y=0.25である)からなるリチウムイオン伝導性材料の酸化還元電位を本実施例と全く同一にして算出した。結果を表1に示す。
Figure 2013149493
表1から、本実施形態の化学式Li7−yLa3−xZr2−y12で表わされる複合金属酸化物からなるリチウムイオン伝導性材料は、いずれも化学式LiLaZr2−y12で表される複合金属酸化物からなるリチウムイオン伝導性材料と比較して、電位窓が広いことから、優れた電気化学的安定性を備えることが明らかである。尚、前記電位窓は、酸化電位と還元電位との差として示される。
また、AがYである本実施形態のリチウムイオン伝導性材料(LiLa3−xZr2―y12)は、AがNd、Sm、Gdのいずれか1種の金属である場合と比較して、電位窓が広く、さらに優れた電気化学的安定性を備えることが明らかである。
また、MがNb又はTaである本実施形態のリチウムイオン伝導性材料(LiLa3−xZr2―yNb12又はLiLa3−xZr2―yTa12)は、MがSb、Biのいずれか1種の金属である場合と比較して、電位窓が広く、さらに優れた電気化学的安定性を備えることが明らかである。
さらに、本実施形態のリチウムイオン伝導性材料は、リチウムイオン二次電池において、正極と負極との間に配設される固体電解質として用いることができる。
本実施形態のリチウムイオン伝導性材料からなる固体電解質を備えるリチウムイオン二次電池は、前記負極と該固体電解質とにおけるリチウムイオン伝導に対する界面抵抗を低くすることができるとともに、機作不明ながら、充放電を繰り返したときにリチウムイオン伝導性を向上することができる。
次に、本発明の実施例及び比較例を示す。
〔実施例1〕
〔1−1.リチウムイオン伝導性材料の作製〕
本実施例では、まず、水酸化リチウム一水和物を、真空雰囲気下350℃の温度で6時間加熱し脱水処理することにより、水酸化リチウム無水物を得た。また、酸化ランタンを、大気雰囲気下、950℃の温度で24時間加熱することにより、脱水及び脱炭酸処理した。
次に、得られた水酸化リチウム無水物と、脱水及び脱炭酸された酸化ランタンとに加え、酸化イットリウムと、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ(V)とを、Li:La:Y:Zr:Nb=7.43:2.9:0.1:1.75:0.25のモル比となるように秤量し、遊星型ボールミル(商品名:premium line P-7、フリッチュジャパン株式会社製)を用いて、360rpmの回転数で3時間粉砕混合し、混合原料を得た。
次に、前記混合原料をアルミナ製坩堝に収容し、大気雰囲気下、900℃の温度に6時間保持して一次焼成することにより、粉末状の一次焼成物を得た。次に、得られた一次焼成物を、前記遊星型ボールミルを用いて、360rpmの回転数で3時間粉砕混合した後、アルミナ製坩堝に収容し、大気雰囲気下、1050℃の温度に6時間保持して二次焼成することにより、粉末状の二次焼成物を得た。
次に、得られた二次焼成物を、前記遊星型ボールミルを用いて、360rpmの回転数で3時間粉砕し、粉末状のリチウムイオン伝導性材料を得た。得られたリチウムイオン伝導性材料は、化学式Li6.75La2.90.1Zr1.75Nb0.2512で表わされ、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物からなるものであった。
〔1−2.焼結体の作製〕
次に、得られたリチウムイオン伝導性材料をハンドプレス機の内径13.5mmのダイに装入し、100MPaの圧力で加圧することにより、予備成形体を作製した。
次に、前記リチウムイオン伝導性材料をアルミナ製坩堝に収容するとともに、該リチウムイオン伝導性材料の中に前記予備成形体を埋没させた。
次に、アルミナ製坩堝に収容されたリチウムイオン伝導性材料を、大気雰囲気下、5℃/分の昇温速度で昇温させ、600℃の温度に達した後に1℃/分の昇温速度で昇温させ、1170℃の温度で12時間保持することにより焼成を行い、焼結体を得た。
次に、得られた焼結体の両面を、耐水研磨紙で研磨し、厚さ1mmの円盤状に成形した。
〔1−3.密度の測定〕
次に、本実施例で得られた円盤状焼結体について、乾燥重量を測定した後に、マイクロメータで体積を測定した。そして、前記乾燥重量を前記体積で除算することにより、前記焼結体を形成する本実施例のリチウムイオン伝導性材料の密度を求めたところ、4.32g/cmであった。結果を表2に示す。
〔1−4.リチウムイオン伝導率の測定(1)〕
次に、本実施例で得られた円盤状焼結体の一方の底面に、Auをスパッタすることにより、直径10mmの作用極を形成した。次に、本実施例で得られた円盤状の焼結体の他方の底面に、Auをスパッタすることにより電極界面抵抗を低下させるための層を形成した後に、該層上に厚さ0.05mm、直径10mmのLi金属箔を貼付して対極を形成した。次に、前記作用極及び前記対極の表面に、接触抵抗を低減するためにCuメッシュを貼付して、試験体を形成した。前記試験体は、正極と、負極と、該正極及び該負極の間に配設される固体電解質とを備えるリチウムイオン二次電池に相当し、該正極が前記作用極、該負極が前記対極、該固体電解質が前記焼結体に成形されたリチウムイオン伝導性材料に相当する。
次に、前記試験体を2極セルに装着し、インピーダンスアナライザ1287(商品名、Solartron社製、1〜0.1MHz、電圧振幅20mV)を用いて交流インピーダンス測定を行った。そして、得られた交流インピーダンスの値から、前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、1.6×10−4S/cmであった。結果を表2に示す。
〔1−5.リチウムイオン伝導率の測定(2)〕
次に、前記試験体を2極セルにセットし、サイクリックボルタンメトリーを行うことにより該試験体を充放電することを、5サイクル行った。前記サイクリックボルタンメトリーは、電位走査速度は0.5mV/秒、走査電位範囲はLi/Li電極反応の電位を基準として−0.5〜2.5Vの範囲の条件で行った。
前記サイクリックボルタンメトリーを5サイクル行った試験体について、本実施例と全く同一にして、再び交流インピーダンス測定を行った。図1に、得られた交流インピーダンス測定結果を示す。得られた交流インピーダンスの値から、前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、2.4×10−4S/cmであった。結果を表2に示す。
〔実施例2〕
本実施例では、水酸化リチウム無水物と、脱水及び脱炭酸された酸化ランタンとに加え、酸化イットリウムと、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ(V)とを、Li:La:Y:Zr:Nb=7.43:2.8:0.2:1.75:0.25のモル比となるようにして混合原料を得た以外は、実施例1と全く同一にして粉末状のリチウムイオン伝導性材料を得た。得られたリチウムイオン伝導性材料は、化学式Li6.75La2.80.2Zr1.75Nb0.2512で表わされ、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物からなるものであった。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン伝導性材料を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、円盤状焼結体を形成し、該円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料の密度を求めたところ、4.26g/cmであった。結果を表2に示す。
次に、本実施例で得られた円盤状焼結体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、試験体を形成し、前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、1.0×10−4S/cmであった。結果を表2に示す。
次に、本実施例で得られた試験体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、該試験体に対してサイクリックボルタンメトリーを行った後、実施例1と全く同一にして、再び前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、1.3×10−4S/cmであった。結果を表2に示す。
〔比較例1〕
本比較例では、酸化イットリウムを全く用いずに、水酸化リチウム無水物と、脱水及び脱炭酸された酸化ランタンとに加え、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ(V)とを、Li:La:Zr:Nb=7.43:3:1.75:0.25のモル比となるようにして混合原料を得た以外は、実施例1と全く同一にして粉末状のリチウムイオン伝導性材料を得た。得られたリチウムイオン伝導性材料は、化学式Li6.75LaZr1.75Nb0.2512で表わされ、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物からなるものであった。
次に、本比較例で得られたリチウムイオン伝導性材料を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、円盤状焼結体を形成し、該円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料の密度を求めたところ、4.27g/cmであった。結果を表2に示す。
次に、本比較例で得られた円盤状焼結体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、試験体を形成し、前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、2.0×10−4S/cmであった。結果を表2に示す。
次に、本比較例で得られた試験体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、該試験体に対してサイクリックボルタンメトリーを行った。図1に、得られた交流インピーダンス測定結果を示す。得られた交流インピーダンスの値から、前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、1.2×10−4S/cmであった。結果を表2に示す。
Figure 2013149493
図1から、サイクリックボルタンメトリーを行った後の実施例1の試験体は、比較例1の試験体と比較して、リチウムイオン伝導に対する焼結体の内部抵抗が大きいことが明らかである。また、サイクリックボルタンメトリーを行った後の実施例1の試験体は、比較例1の試験体と比較して、前記対極を構成するLi金属箔と該焼結体とにおけるリチウムイオン伝導に対する界面抵抗が小さいことが明らかである。
したがって、正極と、負極と、該正極及び該負極の間に配設される固体電解質とを備えるリチウムイオン二次電池において、該固体電解質として実施例1のリチウムイオン伝導性材料を用いるとき、比較例1のリチウムイオン伝導性材料を用いるときと比較して、負極と該固体電解質とにおけるリチウムイオン伝導に対する界面抵抗を低くすることができることが明らかである。
また、表2から、実施例1,2の試験体は、サイクリックボルタンメトリーを行うことにより、リチウムイオン伝導率が向上していることが明らかである。一方、比較例1の試験体は、サイクリックボルタンメトリーを行うことにより、リチウムイオン伝導率が低下していることが明らかである。
したがって、前記リチウムイオン二次電池において、前記固体電解質として実施例1のリチウムイオン伝導性材料を用いるとき、比較例1のリチウムイオン伝導性材料を用いるときと比較して、充放電を繰り返したときにリチウムイオン伝導性を向上することができることが明らかである。
実施例1,2の試験体において、サイクリックボルタンメトリーを行うことによりリチウムイオン伝導率が向上したのは、サイクリックボルタンメトリーを行うことにより、負極と固体電解質を構成するリチウムイオン伝導性材料との間に、リチウムイオン伝導性に優れる界面層が新たに形成され、前記界面抵抗が低減したためであると考えられる。また、比較例1の試験体において、サイクリックボルタンメトリーを行うことによりリチウムイオン伝導率が低下したのは、サイクリックボルタンメトリーを行うことにより、部分的に還元し界面抵抗が増加したためであると考えられる。
〔実施例3〕
本実施例では、水酸化リチウム無水物と、脱水及び脱炭酸された酸化ランタンとに加え、酸化イットリウムと、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ(V)とを、Li:La:Y:Zr:Nb=7.6:2.9:0.1:1.9:0.1のモル比となるようにして混合原料を得た以外は、実施例1と全く同一にして粉末状のリチウムイオン伝導性材料を得た。得られたリチウムイオン伝導性材料は、化学式Li6.9La2.90.1Zr1.9Nb0.112で表わされ、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物からなるものであった。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン伝導性材料を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、円盤状焼結体を形成し、該円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料の密度を求めたところ、4.40g/cmであった。結果を表3に示す。
次に、本実施例で得られた円盤状焼結体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、試験体を形成し、前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、0.8×10−4S/cmであった。結果を表3に示す。
次に、本実施例で得られた試験体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、該試験体に対してサイクリックボルタンメトリーを行った後、実施例1と全く同一にして、再び前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、0.9×10−4S/cmであった。結果を表3に示す。
〔比較例2〕
本比較例では、酸化イットリウムを全く用いずに、水酸化リチウム無水物と、脱水及び脱炭酸された酸化ランタンとに加え、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ(V)とを、Li:La:Zr:Nb=7.6:3:1.9:0.1のモル比となるようにして混合原料を得た以外は、実施例1と全く同一にして粉末状のリチウムイオン伝導性材料を得た。得られたリチウムイオン伝導性材料は、化学式Li6.9LaZr1.9Nb0.112で表わされ、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物からなるものであった。
次に、本比較例で得られたリチウムイオン伝導性材料を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、円盤状焼結体を形成し、該円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料の密度を求めたところ、4.36g/cmであった。結果を表3に示す。
次に、本比較例で得られた円盤状焼結体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、試験体を形成し、前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、1.1×10−4S/cmであった。結果を表3に示す。
次に、本比較例で得られた試験体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、該試験体に対してサイクリックボルタンメトリーを行った後、実施例1と全く同一にして、再び前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、0.7×10−4S/cmであった。結果を表3に示す。
Figure 2013149493
表3から、実施例3の試験体は、サイクリックボルタンメトリーを行うことにより、リチウムイオン伝導率が向上していることが明らかである。一方、比較例2の試験体は、サイクリックボルタンメトリーを行うことにより、リチウムイオン伝導率が低下していることが明らかである。
したがって、正極と、負極と、該正極及び該負極の間に配設される固体電解質とを備えるリチウムイオン二次電池において、前記固体電解質として実施例3のリチウムイオン伝導性材料を用いるとき、比較例2のリチウムイオン伝導性材料を用いるときと比較して、充放電を繰り返したときにリチウムイオン伝導性を向上することができることが明らかである。
〔実施例4〕
本実施例では、酸化ニオブ(V)に代えて酸化タンタル(V)を用い、水酸化リチウム無水物と、脱水及び脱炭酸された酸化ランタンとに加え、酸化イットリウムと、酸化ジルコニウム、酸化タンタル(V)とを、Li:La:Y:Zr:Ta=7.43:2.9:0.1:1.75:0.25のモル比となるようにして混合原料を得た以外は、実施例1と全く同一にして粉末状のリチウムイオン伝導性材料を得た。得られたリチウムイオン伝導性材料は、化学式Li6.75La2.90.1Zr1.75Ta0.2512で表わされ、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物からなるものであった。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン伝導性材料を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、円盤状焼結体を形成し、該円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料の密度を求めたところ、4.44g/cmであった。結果を表4に示す。
次に、本実施例で得られた円盤状焼結体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、試験体を形成し、前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、1.2×10−4S/cmであった。結果を表4に示す。
次に、本実施例で得られた試験体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、該試験体に対してサイクリックボルタンメトリーを行った。図2に、得られた交流インピーダンス測定結果を示す。得られた交流インピーダンスの値から、前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、1.3×10−4S/cmであった。結果を表4に示す。
〔実施例5〕
本実施例では、水酸化リチウム無水物と、脱水及び脱炭酸された酸化ランタンとに加え、酸化イットリウムと、酸化ジルコニウム、酸化タンタル(V)とを、Li:La:Y:Zr:Ta=7.43:2.8:0.2:1.75:0.25のモル比となるようにして混合原料を得た以外は、実施例4と全く同一にして粉末状のリチウムイオン伝導性材料を得た。得られたリチウムイオン伝導性材料は、化学式Li6.75La2.80.2Zr1.75Ta0.2512で表わされ、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物からなるものであった。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン伝導性材料を用いた以外は、実施例4と全く同一にして、円盤状焼結体を形成し、該円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料の密度を求めたところ、4.42g/cmであった。結果を表4に示す。
次に、本実施例で得られた円盤状焼結体を用いた以外は、実施例4と全く同一にして、試験体を形成し、前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、0.9×10−4S/cmであった。結果を表4に示す。
次に、本実施例で得られた試験体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、該試験体に対してサイクリックボルタンメトリーを行った後、実施例1と全く同一にして、再び前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、1.0×10−4S/cmであった。結果を表4に示す。
〔比較例3〕
本比較例では、酸化イットリウムを全く用いずに、水酸化リチウム無水物と、脱水及び脱炭酸された酸化ランタンとに加え、酸化ジルコニウム、酸化タンタル(V)とを、Li:La:Zr:Ta=7.43:3:1.75:0.25のモル比となるようにして混合原料を得た以外は、実施例4と全く同一にして粉末状のリチウムイオン伝導性材料を得た。得られたリチウムイオン伝導性材料は、化学式Li6.75LaZr1.75Ta0.2512で表わされ、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物からなるものであった。
次に、本比較例で得られたリチウムイオン伝導性材料を用いた以外は、実施例4と全く同一にして、円盤状焼結体を形成し、該円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料の密度を求めたところ、4.33g/cmであった。結果を表4に示す。
次に、本比較例で得られた円盤状焼結体を用いた以外は、実施例4と全く同一にして、試験体を形成し、前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、1.5×10−4S/cmであった。結果を表4に示す。
次に、本比較例で得られた試験体を用いた以外は、実施例4と全く同一にして、該試験体に対してサイクリックボルタンメトリーを行った。図2に、得られた交流インピーダンス測定結果を示す。得られた交流インピーダンスの値から、前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、1.2×10−4S/cmであった。結果を表4に示す。
Figure 2013149493
図2から、サイクリックボルタンメトリーを行った後の実施例4の試験体は、比較例3の試験体と比較して、リチウムイオン伝導に対する焼結体の内部抵抗が同程度であることが明らかである。また、サイクリックボルタンメトリーを行った後の実施例4の試験体は、比較例3の試験体と比較して、前記対極を構成するLi金属箔と該焼結体とにおけるリチウムイオン伝導に対する界面抵抗が小さいことが明らかである。
したがって、正極と、負極と、該正極及び該負極の間に配設される固体電解質とを備えるリチウムイオン二次電池において、該固体電解質として実施例4のリチウムイオン伝導性材料を用いるとき、比較例3のリチウムイオン伝導性材料を用いるときと比較して、負極と該固体電解質とにおけるリチウムイオン伝導に対する界面抵抗を低くすることができることが明らかである。
また、表4から、実施例4,5の試験体は、サイクリックボルタンメトリーを行うことにより、リチウムイオン伝導率が向上していることが明らかである。一方、比較例3の試験体は、サイクリックボルタンメトリーを行うことにより、リチウムイオン伝導率が低下していることが明らかである。
したがって、前記リチウムイオン二次電池において、前記固体電解質として実施例4,5のリチウムイオン伝導性材料を用いるとき、比較例3のリチウムイオン伝導性材料を用いるときと比較して、充放電を繰り返したときにリチウムイオン伝導性を向上することができることが明らかである。
〔実施例6〕
本実施例では、水酸化リチウム無水物と、脱水及び脱炭酸された酸化ランタンとに加え、酸化イットリウムと、酸化ジルコニウム、酸化タンタル(V)とを、Li:La:Y:Zr:Ta=7.6:2.9:0.1:1.9:0.1のモル比となるようにして混合原料を得た以外は、実施例4と全く同一にして粉末状のリチウムイオン伝導性材料を得た。得られたリチウムイオン伝導性材料は、化学式Li6.9La2.90.1Zr1.9Ta0.112で表わされ、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物からなるものであった。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン伝導性材料を用いた以外は、実施例4と全く同一にして、円盤状焼結体を形成し、該円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料の密度を求めたところ、4.47g/cmであった。結果を表5に示す。
次に、本実施例で得られた円盤状焼結体を用いた以外は、実施例4と全く同一にして、試験体を形成し、前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、1.0×10−4S/cmであった。結果を表5に示す。
次に、本実施例で得られた試験体を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、該試験体に対してサイクリックボルタンメトリーを行った後、実施例1と全く同一にして、再び前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、1.1×10−4S/cmであった。結果を表5に示す。
〔比較例4〕
本比較例では、酸化イットリウムを全く用いずに、水酸化リチウム無水物と、脱水及び脱炭酸された酸化ランタンとに加え、酸化ジルコニウム、酸化タンタル(V)とを、Li:La:Zr:Ta=7.6:3:1.9:0.1のモル比となるようにして混合原料を得た以外は、実施例4と全く同一にして粉末状のリチウムイオン伝導性材料を得た。得られたリチウムイオン伝導性材料は、化学式Li6.9LaZr1.9Ta0.112で表わされ、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物からなるものであった。
次に、本比較例で得られたリチウムイオン伝導性材料を用いた以外は、実施例4と全く同一にして、円盤状焼結体を形成し、該円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料の密度を求めたところ、4.41g/cmであった。結果を表5に示す。
次に、本比較例で得られた円盤状焼結体を用いた以外は、実施例4と全く同一にして、試験体を形成し、前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、1.2×10−4S/cmであった。結果を表5に示す。
次に、本比較例で得られた試験体を用いた以外は、実施例4と全く同一にして、該試験体に対してサイクリックボルタンメトリーを行った後、実施例4と全く同一にして、再び前記円盤状焼結体を形成するリチウムイオン伝導性材料のリチウムイオン伝導率を算出したところ、1.1×10−4S/cmであった。結果を表5に示す。
Figure 2013149493
表5から、実施例6の試験体は、サイクリックボルタンメトリーを行うことにより、リチウムイオン伝導率が向上していることが明らかである。一方、比較例4の試験体は、サイクリックボルタンメトリーを行うことにより、リチウムイオン伝導率が低下していることが明らかである。
したがって、正極と、負極と、該正極及び該負極の間に配設される固体電解質とを備えるリチウムイオン二次電池において、前記固体電解質として実施例6のリチウムイオン伝導性材料を用いるとき、比較例4のリチウムイオン伝導性材料を用いるときと比較して、充放電を繰り返したときにリチウムイオン伝導性を向上することができることが明らかである。

Claims (4)

  1. 化学式Li7−yLa3−xZr2−y12(式中、AはY、Nd、Sm、Gdからなる群から選択されるいずれか1種の金属であり、xは0<x<3の範囲であり、MはNb、Ta、Sb、Bi、Pbからなる群から選択されるいずれか1種の金属であり、yは0<y<2の範囲である)で表され、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物からなることを特徴とするリチウムイオン伝導性材料。
  2. 請求項1記載のリチウムイオン伝導性材料において、前記AはYであることを特徴とするリチウムイオン伝導性材料。
  3. 請求項1又は請求項2記載のリチウムイオン伝導性材料において、前記MはNb又はTaであることを特徴とするリチウムイオン伝導性材料。
  4. 正極と、負極と、該正極及び該負極の間に配設され、リチウムイオン伝導性材料からなる固体電解質とを備えるリチウムイオン二次電池において、
    該リチウムイオン伝導性材料は、化学式Li7−yLa3−xZr2−y12(式中、AはY、Nd、Sm、Gdからなる群から選択されるいずれか1種の金属であり、xは0<x<3の範囲であり、MはNb、Ta、Sb、Bi、Pbからなる群から選択されるいずれか1種の金属であり、yは0<y<2の範囲である)で表され、ガーネット型構造を備える複合金属酸化物からなることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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