JP2013148932A - 清掃部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発泡弾性層100Bとなる短冊状の発泡弾性部材100Cの少なくとも長手方向端部の一方又は両方には、発泡弾性層100Bの厚み方向に圧縮処理が施されており、発泡弾性層100Bの少なくとも長手方向端部の一方又は両方における芯体の外周面と対向する側の面のうち、接着層を介して芯体100Aの外周面と接触する領域の単位面積当りの接触面積率Sと条件式(A1):W=ε×t3×(1/R)に示す発泡弾性層100Bの剥離指標Wとが条件式(A2):W<1.42×S×αの関係を満たす清掃部材とする。但し、条件式(A1)及び(A2)中、εは発泡弾性層のヤング率(N/mm)を示す。tは発泡弾性層の厚み(mm)を示す。Rは芯体の半径(mm)を示す。αは接着層の接着係数(単位:無次元)を示す。
【選択図】図1
Description
また、特許文献2では、帯電ロールとクリーニングロールに周速差を付ける方法が提案されている。
また、特許文献3、4では、スパイラル形状をしたクリーニングロール等により汚染物に帯電ロールの長手方向に力を付加させる方法が提案されている。
請求項1に係る発明は、
芯体と、
前記芯体の外周面に、前記芯体の一端から他端にかけて、短冊状の発泡弾性部材を螺旋状に巻き回されて配置された発泡弾性層と、
前記芯体と前記発泡弾性層とを接着するための接着層と、
を備え、
前記発泡弾性層となる前記短冊状の発泡弾性部材の少なくとも長手方向端部の一方又は両方に、前記発泡弾性層の厚み方向に圧縮処理が施されており、
前記発泡弾性層の少なくとも長手方向端部の一方又は両方における前記芯体の外周面と対向する側の面のうち、前記接着層を介して前記芯体の外周面と接触する領域の単位面積当りの接触面積率Sと、下記条件式(A1)に示す前記発泡弾性層の剥離指標Wと、が下記条件式(A2)の関係を満たす清掃部材。
・条件式(A1):W=ε×t3×(1/R)
・条件式(A2):W<1.42×S×α
(但し、条件式(A1)及び(A2)中、εは発泡弾性層のヤング率(N/mm)を示す。tは発泡弾性層の厚み(mm)を示す。Rは芯体の半径(mm)を示す。αは接着層の接着係数(単位:無次元)を示す。
前記発泡弾性層が、少なくとも2本以上の短冊状の発泡弾性部材からなり、該2本以上の短冊状の発泡弾性部材の接着面の長手方向の辺を互いに接触させた状態で螺旋状に巻き回されて配置されたものである請求項1に記載の清掃部材。
前記発泡弾性層が、少なくとも2本以上の短冊状の発泡弾性部材からなり、該2本以上の短冊状の発泡弾性部材の長手方向の辺を接触させない状態で螺旋状に巻き回されて配置されたものである請求項1に記載の清掃部材。
図1は、本実施形態に係る清掃部材を示す概略斜視図である。図2は、本実施形態に係る清掃部材の概略平面図である。図3は、本実施形態に係る清掃部材における発泡弾性層の肉厚を示す拡大断面図である。
なお、図3は、図1のA−A断面図、つまり、発泡弾性層の螺旋方向に対して直交方向に沿った断面図である。
発泡弾性層100Bは、芯体の外周面に、芯体の一端から他端にかけて、短冊状の発泡弾性部材100C(以下、短冊100Cと称する)を螺旋状に巻き回されて形成されている。具体的には、発泡弾性層100Bは、例えば、芯体100Aの一端から他端にかけて、芯体100Aを螺旋軸とし、短冊100Cを間隔を持って螺旋状に巻き回された状態で配置されている。但し、発泡弾性層100Bとなる短冊100Cの少なくとも長手方向端部の一方又は両方には、発泡弾性層100Bの厚み方向に圧縮処理が施されている。
・条件式(A1): W=ε×t3×(1/R)
・条件式(A2): W<1.42×S×α
(但し、条件式(A1)及び(A2)中、εは発泡弾性層のヤング率(N/mm)を示す。tは発泡弾性層の厚み(mm)を示す。Rは芯体の半径(mm)を示す。αは接着層の接着係数(単位:無次元)を示す。
剥離指標Wは、発泡弾性層100Bが弾性変形をした状態で芯体100A外周面に沿って固定されることで、発泡弾性層100Bに生じる反発弾性力に基づいて規定された指標である。
芯体100Aに巻き付けた状態の発泡弾性層100Bは、弾性変形をした状態(例えば、巻き付ける前の短冊100Cの幅方向中央部の厚みに対して小さくなった状態)で配置されると考えられる。
このとき、発泡弾性層100Bは、発泡弾性層100Bのヤング率εに従った弾性変形を伴うため、反発弾性力は弾性変形量、すなわちヤング率εに従うと考えられる。
ここで、発泡弾性層100Bの厚みtは、巻き付ける前の短冊100Cが幅方向中央部の厚みに対して小さくなった部分の発泡弾性層100Bの厚みとする。
接触面積率Sは発泡弾性層100Bの下面が、接着層100Dを介して芯体100Aの外周面と接触する領域の単位面積当りの接触面積率であり、両者の間に働く接着力は接触面積率Sに依存する。
また、発泡弾性層100B下面と芯体100Aの剥れが抑制されている場合、接触面積率Sによって決まる接着力は、発泡弾性層100Bにかかる反発弾性力以上の力を有していると考えられる。
ここで、接着層100Dの接着係数αは、接着層100Dの接着力を示す指標であり、測定の詳細は後述に示すが、JIS K6854−1:1999に記載の90度剥離試験法によって求めたものである。
芯体100Aに用いる材質としては、金属(例えば、快削鋼又はステンレス鋼等)、又は樹脂(例えば、ポリアセタール樹脂(POM)等)が挙げられる。なお、材質及び表面処理方法等は必要に応じて選択するのが望ましい。
特に、芯体100Aが金属で構成される場合メッキ処理を施すのが望ましい。また、樹脂等で導電性を有さない材質の場合、メッキ処理等の一般的な処理により加工して導電化処理を行ってもよいし、そのまま使用してもよい。
芯体100Aの外径、すなわち半径Rが小さすぎると、結果的に発泡弾性層100Bの曲率が大きくなるため反発弾性力が大きくなり発泡弾性層100Bの剥れが発生しやすくなってしまうことがある。
接着層としては、芯体100Aと発泡弾性層100Bとを接着し得るものであれば、特に制限はないが、例えば、両面テープ、その他接着剤により構成される。
まず、発泡弾性層となる発泡弾性部材のシートを幅25mm×100mm、厚さ4mmに加工した試験片を準備する。次に、前記試験片表面端部から幅25mm×70mmの範囲に0.15mmの層厚の接着層100Dを付し、試験片とNiめっき鋼板とを接着層100Dを介して接触させ、接触面に対抗する面の外側から10Paの外力を押圧して両者を密着させ、接着させる。
接着させた試験片を未接着部位と接着部位の接点を支点に90度上方に折り曲げ、荷重試験機MODEL−1605N(アイコーエンジニアリング社製)の荷重測定ロードセルに未接着部位幅25mm×10mmをチャックし、引張り速度300mm/min、測定環境温室度が23℃、50RH%の条件下で試験片が破断するまで上方に引張り上げ、試験片が破断した時点での引張り強度と、発泡弾性層100Bと接着層100Dの界面の剥離量(剥離距離)を計測し、(引張り強度)/(剥離量)から算出した値を接着係数αとした。
なお、接着係数αは大きければ大きいほど剥れを抑制できるが、例えば10N/mm以上であることが望ましい。
発泡弾性層100Bは、気泡を有する材料(いわゆる発泡体)で構成されている。
発泡弾性層100Bの材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、又はポリプロピレン等の発泡性の樹脂、或いは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、EPDM、NBR、CR、塩素化ポリイソプレン、イソプレン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム等のゴム材料を1種類、又は2種類以上をブレンドしてなる材料が挙げられる。
なお、これらには必要に応じて、発泡助剤、整泡剤、触媒、硬化剤、可塑剤、又は加硫促進剤等の助剤を加えてもよい。
ポリウレタンとしては、例えば、ポリオール(例えばポリエステルポリオール、ポリーエテルポリエステルやアクリルポリオール等)と、イソシアネート(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートや4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等)と、の反応物が挙げられ、鎖延長剤(1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン)が含まれたものであってもよい。
そして、ポリウレタンの発泡は、例えば、水やアゾ化合物(例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等)等の発泡剤を用いて行われるのが一般的である。
発泡ポリウレタンには、必要に応じて発泡助剤、整泡剤、触媒などの助剤を加えてもよい。
ここで、シリコーンオイル以外の整泡剤として具体的には、例えば、Siを含まない有機系の界面活性剤(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤)が挙げられる。また、特開2005−301000に記載のシリコーン系整泡剤を用いない製法も適用できる。
なお、エステル系発泡ポリウレタンが、シリコーンオイル以外の整泡剤を用いたか否かは、成分分析により、「Si」を含むか否かで判断される。
発泡弾性層100Bのヤング率は、例えば発泡弾性層の硬度、発泡率などによって制御される。
発泡弾性層100Bを接着層100Dを介して芯体100A外周面上に固定した状態の清掃部材100を用意し、荷重試験機MODEL−1605N(アイコーエンジニアリング社製)の測定台上に清掃部材100の両端をVブロックを用いて水平となるように固定する。荷重ロードセルの荷重速度を1mm/minの条件で発泡弾性層の圧縮時の歪み量と応力(圧縮強度)を測定し、測定から求めた応力/歪み量の比(傾き)から発泡弾性層100Bのヤング率ε(単位:N/mm)を求める。
レーザー測定機(ミツトヨ社製レーザースキャンマイクロメータ、型式:LSM6200)を用いて、清掃部材の周方向は固定した状態で、1mm/sのトラバース速度にて清掃部材の長手方向(軸方向)へスキャンさせて発泡弾性層厚み(発泡弾性層肉厚)のプロファイルの測定を行う。その後、周方向位置をずらし同様の測定を行う(周方向位置は120°間隔、3箇所)。このプロファイルを基に発泡弾性層100Bの厚みの算出を行う。
この被覆率を上記範囲よりも大きいと、発泡弾性層100Bが被清掃部材に接触する時間が長くなるため、清掃部材の表面に付着する付着物が被清掃部材へ再汚染する傾向が高くなる一方で、被覆率が上記範囲より小さいと、発泡弾性層100Bの厚み(肉厚)が安定し難くなり、清掃能力が低下する傾向となる。
螺旋幅R1とは、発泡弾性層100Bの清掃部材100の軸方向Q(芯体軸方向)に沿った長さを意味する。
螺旋ピッチR2とは、発泡弾性層100Bの清掃部材100の軸方向Q(芯体軸方向)に沿った、隣合う発泡弾性層100B間の長さを意味する。
また、発泡弾性層100Bとは100Paの外力印加により変形しても、もとの形状に復元する材料から構成される層をいう。
なお、この面積率は、高ければ高い程、発泡弾性層100Bの長手方向端部の一方又は両方で生じる反発弾性力以上の接着力が得られ易く、芯体100Aからの発泡弾性層100Bの剥れ(特に発泡弾性層100Bの長手方向端部からの剥れ)が抑制される。
なお、発泡弾性層100Bにおいて、接触面積率の範囲とする長手方向端部の一方又は両方とは、発泡弾性層100Bの長手方向両端から中央部に向かって10mm以内(望ましくは5mm以内)の部分である。
清掃部材101からカッターにより、測定対象となる発泡弾性層100Bを一部剥ぎ取り、弾性層試料を得る。
液状のインク膜(厚み100μm)が形成された水平なインク台上に、測定対象となる面(発泡弾性層100Bの下面である層)がインクに接触するようにして、弾性層試料を置いた後、40g/cm2荷重の力で弾性層試料の上から押し付け、弾性層試料の測定対象面の一部(発泡体の構造骨格部分)をインクで着色する。
そして、弾性層試料の測定対象面を、マイクロスコープ(キーエンス社製、型式:VHX−200)を用いて撮影し、撮影した画像1mmx1mm四方の範囲を画像解析ソフトウェア(三谷コーポレーション社製、WinROOF)を用いて、着色部と非着色部とで2値化を行い、測定対象面に占める接触部の割合を測定し、これを接触面積率とする。
なお、画像解析ソフトウェアでの2値化の条件は、255階調に白黒化処理した撮影画像に対し「判別分析法」により得られたしきい値を元に画像解析処理を行っており、しきい値以上を着色部、しきい値未満を非着色部として定義している。
具体的には、例えば、芯体100Aに巻き回す前の短冊100C(例えば、発泡率50個/25mm以上70個/25mm以下の短冊状の発泡弾性部材)を準備し、この少なくとも長手方向端部の一方又は両方に対して、厚み方向に圧縮率(圧縮後の厚み/圧縮前の厚み×100)が10%〜70%となるように熱・圧力を付与して、圧縮処理を施す。
この圧縮処理は、短冊状に切り出す前の発泡弾性部材に対して行ってもよい。
これにより、短冊100C(発泡弾性層100B)の下面を構成する発泡構造骨格が消失し易くなり(完全に消失するわけではない)、接触面積率が増加し易くなる。
具体的には、例えば、短冊100C(発泡弾性層100B)は、少なくとも長手方向端部の一方又は両方において、非発泡層と発泡層との積層体で構成する。
この構成は、例えば、作製した発泡弾性体(成形後、切り出し前の発泡体の塊:例えば発泡ウレタンフォーム等)から、その表面のスキン層(金型と接触した面を構成する非発泡層)が短冊100C(発泡弾性層100B)の下面を構成するようにして、当該短冊100C(発泡弾性層100B)を切り出すことで実現される。
これにより、短冊100C(発泡弾性層100B)の下面が非発泡層で構成され、接触面積率が増加し易くなる。
発泡弾性層100Bが2本以上の短冊100Cを芯体100Aに螺旋状に巻き付けた構成を用いることで、清掃部材100のクリーニング性能が向上し易くなる。
短冊100Cの巻き付ける本数は数が多いほどクリーニング性能向上の効果が得られるが、巻き付けた際の発泡弾性層100Bの螺旋幅R1は、例えば3mm以上25mm以下、好ましくは3mm以上10mm以下であることがよい。
螺旋幅R1が3mm以下の場合、発泡弾性層100Bを構成する短冊100Cを2本以上用いても十分なクリーニング性能向上の効果が得られない場合がある。
特に、発泡弾性層100Bが、例えば、2本の短冊100Cの接着面の長手方向の辺を互いに接触させた状態で螺旋状に巻き回されて配置された場合(図4参照)、同一の螺旋幅R1で1本の発泡弾性部材を用いた場合(図3)と比較して、被清掃体への高い接触圧がもたらされることからより優れたクリーニング性能が得られ易くなると考えられる。
図5は、本実施形態に係る清掃部材100の製造方法の一例を示す工程図である。
また、接触面積率Sが条件式(A2)の関係を満たすために、スライス加工を施してシート状の発泡弾性部材を得る際、スライス加工前の発泡弾性体の表面のスキン層(金型と接触した面を構成する非発泡層)が短冊100C(発泡弾性層100B)の下面を構成するようにして、スライス加工を施してシート状の発泡弾性部材を得てもよい。
この伸びは、短冊100Cが芯体100Aに巻き付く曲率半径と短冊100Cの厚みにより制御され、短冊100Cが芯体100Aに巻き付く曲率半径は芯体100Aの外径及び短冊100Cの巻き付け角度により制御される。
短冊100Cの厚みとしては、例えば、1.5mm以上4mm以下程度がよく、望ましくは1.5mm以上3.0mm以下である。また、短冊100Cの幅としては、発泡弾性層100Bの被覆率が上記範囲となるように調整することがよい。また、短冊100Cの長さは、例えば、芯体100Aに巻き付ける領域の軸方向長さと巻き角度と巻き付ける際の張力により決定される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置について図面に基づいて説明する。
図6は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
なお、記録用紙24は、用紙収納容器28から取出ローラ30により取り出され、搬送ロール32,34により用紙搬送ベルト20まで搬送される。
ここでは、清掃部材100を帯電部材14へ常時当接させ、帯電部材14と従動させて使用する方法に関して説明を行うが、清掃部材100は常時接触させて従動による使用でもよいし、帯電部材14のクリーニング時のみ接触させ従動する使用でもよい。また、清掃部材100は、帯電部材14のクリーニング時のみ接触させ、別駆動により帯電部材14に対して周速差を付けても構わない。但し、清掃部材100を常時帯電部材14へ接触させて周速差を付ける方法は帯電部材14上の汚れを清掃部材100へ溜め込み、帯電ロールへ再付着させ易くなることから、望ましくない。
以下、帯電部材の説明をするが、以下の構成に限定されるものではない。
共重合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、の内のいずれか1種又は複数種を重合単位として含むものであって、この共重合体に含まれる他の重合単位としては、6ナイロン、66ナイロン等が挙げられる。ここで、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロンよりなる重合単位が共重合体中に含まれる割合は、重量比で合わせて10%以上であるのが望ましい。
カーボンブラックはpH4.0以下が望ましい。
厚さ2.5mmの発泡ウレタン(EP−70;株式会社イノアックコーポレーション社製)シートに厚み0.15mmの両面テープ(4801−015;住友3M社製)を貼付け、厚み(幅方向中央部での厚み)2.5mm、幅10mm、長さ356mmの短冊になるように切り出した。
得られた短冊を、両面テープに貼り付けた離型紙が下に向くよう水平な台上に置き、上部から加熱したステンレス鋼を用いて、短冊(両面テープを除く発泡ポリウレタンで構成された短冊)全体の厚みが8%となるように圧縮した。
次に、圧縮後の短冊を、金属芯体(半径3mm、全長331mm)へ、巻き付け角度40°で、短冊全長が0%以上5%以下程度伸びるように張力を付与しつつ巻き付けて、螺旋状に配置した発泡弾性層を形成した。
このようにして、清掃部材としてのクリーニングロール1を得た。
条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターを前述に記載の方法で求めたところ、クリーニングロール1の発泡ウレタンのヤング率は1.4N/mm、厚みtは0.2mm、接触面積率Sは76%、接着係数αは17であった。
厚み0.15mmの両面テープ(No.510;日東電工社製)を使用した以外は、クリーニングロール1と同様にして、クリーニングロール2を得た。
クリーニングロール2の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、接着係数αが11であること以外は、クリーニングロール1と同様であった。
厚み0.15mmの両面テープ(No.501L;日東電工社製)を使用した以外は、クリーニングロール1と同様にして、クリーニングロール3を得た。
クリーニングロール3の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、接着係数αが6であること以外は、クリーニングロール1と同様であった。
短冊(両面テープを除く発泡ポリウレタンで構成された短冊)全体の厚みが48%となるように圧縮した以外は、クリーニングロール1〜3と同様にして、クリーニングロール4〜6を得た。
クリーニングロール4〜6の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、発泡ウレタンの厚みtが1.2mm、接触面積率Sが51%であること以外は、クリーニングロール1〜3と同様であった。
短冊(両面テープを除く発泡ポリウレタンで構成された短冊)全体の厚みが72%となるように圧縮した以外は、クリーニングロール1〜3と同様にして、クリーニングロール7〜9を得た。
クリーニングロール7〜9の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、発泡ウレタンの厚みtが1.8mm、接触面積率Sが36%であること以外は、クリーニングロール1〜3と同様であった。
短冊(両面テープを除く発泡ポリウレタンで構成された短冊)に対して圧縮処理を施さなかった以外は、クリーニングロール1〜3と同様にして、クリーニングロール10〜12を得た。
クリーニングロール10〜12の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、発泡ウレタンの厚みtが2.4mm、接触面積率Sが18%であること以外は、クリーニングロール1〜3と同様であった。
金属芯体の半径が2mmのものを用いたこと以外は、クリーニングロール1〜12と同様にして、クリーニングロール13〜24を作製した。
クリーニングロール13〜24の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、表1〜表3にまとめる。
発泡ウレタンのヤング率が3.0N/mmのものを用いたこと以外は、クリーニングロール13〜24と同様にして、クリーニングロール25〜36を作製した。
クリーニングロール25〜36の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、表1〜表3にまとめる。
厚さ2.5mmの発泡ウレタン(EP−70;株式会社イノアックコーポレーション社製)シートとして、シートの一方の面(厚み方向に対向する面の一方の面)が発泡ウレタンフォームのスキン層(金型と接触した面を構成する非発泡層)となるようにスライス加工されたものを準備した。
このスキン層で構成された面を持つ発泡ウレタンシートの当該スキン層で構成された面側に厚み0.15mmの両面テープ(No.501L;日東電工社製)を貼付け、厚み(幅方向中央部での厚み)2.5mm、幅10mm、長さ356mmの短冊になるように切り出した。
そして、得られた短冊を用いた以外は、クリーニングロール1と同様にして、クリーニングロール37を得た。
クリーニングロール37の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、表1〜表3にまとめる。
クリーニングロール37の作製と同様にしてスキン層で構成された面を持つ短冊を用いたこと以外は、クリーニングロール22〜24と同様にして、クリーニングロール38〜40を得た。
クリーニングロール38〜40の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、表1〜表3にまとめる。
クリーニングロール37の作製と同様にしてスキン層で構成された面を持つ短冊を用いたこと以外は、クリーニングロール36と同様にして、クリーニングロール41を得た。
クリーニングロール41の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、表1〜表3にまとめる。
短冊(両面テープを除く発泡ポリウレタンで構成された短冊)の長手方向両端部(両端端から中央部に向かって10mmまでの部分)のみの厚みが8%となるように圧縮した以外は、クリーニングロール3と同様にして、クリーニングロール42を得た。
クリーニングロール42の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、表1〜表3にまとめる。
短冊(両面テープを除く発泡ポリウレタンで構成された短冊)の長手方向両端部(両端端から中央部に向かって10mmまでの部分)のみの厚みが48%となるように圧縮した以外は、クリーニングロール6と同様にして、クリーニングロール43を得た。
クリーニングロール43の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、表1〜表3にまとめる。
短冊(両面テープを除く発泡ポリウレタンで構成された短冊)の長手方向両端部(両端端から中央部に向かって10mmまでの部分)のみの厚みが72%となるように圧縮した以外は、クリーニングロール9と同様にして、クリーニングロール44を得た。
クリーニングロール44の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、表1〜表3にまとめる。
幅5mmとしたこと以外はクリーニングロール1の作製と同様にして切り出した短冊2本を、短冊全体の厚みが8%となるように圧縮し、圧縮した短冊を接着面の長手方向の辺を互いに接触させた状態で螺旋状に巻き付けた以外は、クリーニングロール3と同様にして、クリーニングロール45を得た。
クリーニングロール45の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、表1〜表3にまとめる。
幅5mmとしたこと以外はクリーニングロール1の作製と同様にして切り出した短冊2本を、短冊(両面テープを除く発泡ポリウレタンで構成された短冊)の長手方向両端部(両端端から中央部に向かって10mmまでの部分)のみの厚みが8%となるように圧縮し、圧縮した短冊を接着面の長手方向の辺を互いに接触させた状態で螺旋状に巻き付けた以外は、クリーニングロール3と同様にして、クリーニングロール46を得た。
クリーニングロール46の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、表1〜表3にまとめる。
幅5mmとしたこと以外はクリーニングロール1の作製と同様にして切り出した短冊2本を、短冊(両面テープを除く発泡ポリウレタンで構成された短冊)の長手方向両端部(両端端から中央部に向かって10mmまでの部分)のみの厚みが48%となるように圧縮し、圧縮した短冊を接着面の長手方向の辺を互いに接触させた状態で螺旋状に巻き付けた以外は、クリーニングロール6と同様にして、クリーニングロール47を得た。
クリーニングロール47の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、表1〜表3にまとめる。
幅5mmとしたこと以外はクリーニングロール1の作製と同様にして切り出した短冊2本を、短冊(両面テープを除く発泡ポリウレタンで構成された短冊)の長手方向両端部(両端端から中央部に向かって10mmまでの部分)のみの厚みが72%となるように圧縮し、圧縮した短冊を接着面の長手方向の辺を互いに接触させた状態で螺旋状に巻き付けた以外は、クリーニングロール9と同様にして、クリーニングロール48を得た。
クリーニングロール48の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、表1〜表3にまとめる。
幅3.3mmとしたこと以外はクリーニングロール1の作製と同様にして切り出した短冊3本を、短冊全体の厚みが8%となるように圧縮し、圧縮した短冊を接着面の長手方向の辺を3本並べて接触させた状態で螺旋状に巻き付けた以外は、クリーニングロール3と同様にして、クリーニングロール49を得た。
クリーニングロール49の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、表1〜表3にまとめる。
幅3.3mmとしたこと以外はクリーニングロール1の作製と同様にして切り出した短冊3本を、短冊(両面テープを除く発泡ポリウレタンで構成された短冊)の長手方向両端部(両端端から中央部に向かって10mmまでの部分)のみの厚みが8%となるように圧縮し、圧縮した短冊を接着面の長手方向の辺を3本並べて接触させた状態で螺旋状に巻き付けた以外は、クリーニングロール3と同様にして、クリーニングロール50を得た。
クリーニングロール50の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、表1〜表3にまとめる。
幅3.3mmとしたこと以外はクリーニングロール1の作製と同様にして切り出した短冊3本を、短冊(両面テープを除く発泡ポリウレタンで構成された短冊)の長手方向両端部(両端端から中央部に向かって10mmまでの部分)のみの厚みが48%となるように圧縮し、圧縮した短冊を接着面の長手方向の辺を3本並べて接触させた状態で螺旋状に巻き付けた以外は、クリーニングロール6と同様にして、クリーニングロール51を得た。
クリーニングロール51の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、表1〜表3にまとめる。
幅3.3mmとしたこと以外はクリーニングロール1の作製と同様にして切り出した短冊3本を、短冊(両面テープを除く発泡ポリウレタンで構成された短冊)の長手方向両端部(両端端から中央部に向かって10mmまでの部分)のみの厚みが72%となるように圧縮し、圧縮した短冊を接着面の長手方向の辺を3本並べて接触させた状態で螺旋状に巻き付けた以外は、クリーニングロール9と同様にして、クリーニングロール52を得た。
クリーニングロール52の条件式(A1)および(A2)を求めるのに必要な各パラメーターは、表1〜表3にまとめる。
−発泡弾性層の形成−
下記混合物をオープンロールで混練りし、SUS416からなる直径6mmの導電性支持体表面に、厚さ3mmとなるように円筒状に被覆し、内径18.0mmの円筒型の金型に入れ、170℃で30分間加硫させ、金型から取り出した後、研磨し円筒状の導電性発泡弾性層Aを得た。
・ゴム材 ・・・・100質量部
(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム)Gechron3106:日本ゼオン社製)
・導電剤(カーボンブラック アサヒサーマル:旭カーボン社製)・・・・・25質量部
・導電剤(ケッチェンブラックEC:ライオン社製) ・・・・・・8質量部
・イオン導電剤(過塩素酸リチウム) ・・・・・・1質量部
・加硫剤(硫黄)200メッシュ:鶴見化学工業社製 ・・・・・・1質量部
・加硫促進剤(ノクセラーDM:大内新興化学工業社製) ・・・・2.0質量部
・加硫促進剤(ノクセラーTT:大内新興化学工業社製) ・・・・0.5質量部
下記混合物をビーズミルにて分散し得られた分散液Aを、メタノールで希釈し、導電性発泡弾性層Aの表面に浸漬塗布した後、140℃で15分間加熱乾燥し、厚さ4μmの表面層を形成し、導電性ロールを得た。これを帯電ロールとした。
・高分子材料 ・・・・100質量部
(共重合ナイロン)アラミンCM8000:東レ社製
・導電剤 ・・・・・30質量部
(アンチモンドープ酸化スズ)SN−100P:石原産業社製
・溶剤(メタノール) ・・・・500質量部
・溶剤(ブタノール) ・・・・240質量部
表4〜表6に示すように、作製したクリーニングロール1〜52を、それぞれ各実施例、各比較例とした。
そして、作製したクリーニングロール1〜52と帯電ロールを用いて、表4〜表6に示す実施例1〜37、比較例1〜15のクリーニングロールの発泡弾性層の剥れ、クリーニング性の評価を行った。
(剥れ評価)
上記各例で作製したクリーニングロール・帯電ロールをカラー複写機DocuCentre−IV C2260:富士ゼロックス社製のドラムカートリッジ内に装着し、50℃/75%環境下に30日放置した後に、以下の基準に基づいて、クリーニングロールの発泡弾性層の剥れ評価を行った。
なお、ここで判断した、クリーニングロールの発泡弾性層の剥れ発生の状態は、発泡弾性層の長手方向一端部又は両端が金属芯体から1mm以上離れた状態を示す。
−剥れ評価:判断基準−
G0:剥れ発生なし
G1:剥れが発生したウレタン長さが10mm以下
G2:剥れが発生したウレタン長さが10mmより大きい
上記剥れ評価実施後のクリーニングロール・帯電ロールを同様にカラー複写機DocuCentre−IV C2260:富士ゼロックス社製のドラムカートリッジ内に装着し、クリーニング性評価試験を行った。
評価試験は、30℃、75RH%の環境下で、A4用紙状に画像平均密度5%の画質パターンを10,000枚および10,0000枚印字した後に、濃度30%のハーフトーン画像を出力し、帯電ロールのクリーニングムラによる濃度ムラ(クリーニング性)をX−rite404を用いてランダムに10点の画像濃度を測定し、その最大値と最小値の差から以下の基準に基づいてクリーニング性を評価した。
−クリーニング性評価:判断基準−
G0:最大値と最小値の差が0.05以下
G1:最大値と最小値の差が0.05より大きく0.10以下
G2:最大値と最小値の差が0.10より大きく0.15以下
G3:最大値と最小値の差が0.15より大きい
Claims (3)
- 芯体と、
前記芯体の外周面に、前記芯体の一端から他端にかけて、短冊状の発泡弾性部材を螺旋状に巻き回されて配置された発泡弾性層と、
前記芯体と前記発泡弾性層とを接着するための接着層と、
を備え、
前記発泡弾性層となる前記短冊状の発泡弾性部材の少なくとも長手方向端部の一方又は両方に、前記発泡弾性層の厚み方向に圧縮処理が施されており、
前記発泡弾性層の少なくとも長手方向端部の一方又は両方における前記芯体の外周面と対向する側の面のうち、前記接着層を介して前記芯体の外周面と接触する領域の単位面積当りの接触面積率Sと、下記条件式(A1)に示す前記発泡弾性層の剥離指標Wと、が下記条件式(A2)の関係を満たす清掃部材。
・条件式(A1):W=ε×t3×(1/R)
・条件式(A2):W<1.42×S×α
(但し、条件式(A1)及び(A2)中、εは発泡弾性層のヤング率(N/mm)を示す。tは発泡弾性層の厚み(mm)を示す。Rは芯体の半径(mm)を示す。αは接着層の接着係数(単位:無次元)を示す。 - 前記発泡弾性層が、少なくとも2本以上の短冊状の発泡弾性部材からなり、該2本以上の短冊状の発泡弾性部材の接着面の長手方向の辺を互いに接触させた状態で螺旋状に巻き回されて配置されたものである請求項1に記載の清掃部材。
- 前記発泡弾性層が、少なくとも2本以上の短冊状の発泡弾性部材からなり、該2本以上の短冊状の発泡弾性部材の長手方向の辺を接触させない状態で螺旋状に巻き回されて配置されたものである請求項1に記載の清掃部材。
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