JP2013148318A - 熱交換器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の扁平パイプのケース内への容易な組み付け性と、複数の扁平パイプおよびケースの高い組み付け精度とを両立させることができる熱交換器の製造方法を提供すること。
【解決手段】短辺および長辺からなる方形断面の中央部と、中央部の短辺よりも大きな短辺と長辺からなる方形断面の一端開口部および他端開口部とを有し、短辺で接合される扁平パイプと、積層した複数個の扁平パイプを収容するケースとを備えたEGRクーラの製造方法であって、扁平パイプを積層した状態でケースに組み付ける扁平パイプ組付工程と、各扁平パイプの短辺方向の隙間を弾性変形させて詰めるよう、各扁平パイプに治具を挿入する治具挿入工程と、各扁平パイプの短辺方向の隙間が詰められた状態で、各扁平パイプの長辺同士を仮付する仮付工程とを含み、仮付された状態で各扁平パイプおよびケースをろう付けすることを特徴とする。
【選択図】図9

Description

本発明は、熱交換器の製造方法に関し、特に、複数のパイプにより形成される一方の流体通路と他方の流体通路とを流れる流体の間で熱交換させる熱交換器の製造方法に関する。
従来、この種の熱交換器の製造方法として、流体を流通させる複数の伝熱管と、伝熱管を収容する外筒と、伝熱管の端部を支持するともに外筒の端部を閉塞する一対のエンドプレート、外筒の端部に取付けられる一対の筒状のヘッダーとを有する熱交換器の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この熱交換器においては、伝熱管内を流通する流体とこの伝熱管の外側で外筒内を流通する流体との間で熱交換が行われる。
この熱交換器の製造方法においては、外筒の端面部を、この外筒と周囲形状が同一のエンドプレートの板面に当接させる一方、このエンドプレートの外周部および外筒の端部外周面にヘッダーの筒状端部の内周部を嵌合させている。そして、これら外筒、伝熱管、エンドプレートおよびヘッダーを全て同時かつ一体的なろう付けにより接合するようにしている。
この熱交換器の製造方法によれば、外筒の端面部をエンドプレートに当接させ、エンドプレートの外周部および外筒の端部外周面にヘッダーの筒状端部の内周部を嵌合させ、これら部材同士をろう付けにより接合する工程を経るので、ろう付けする各部品が接触して面粗度の範囲で最小クリアランスが確保できる。
また、この熱交換器の製造方法によれば、ろう付けが強固に行え、さらに外筒とエンドプレートはヘッダーとの間に剪断強度が確保される。また、外筒、伝熱管、エンドプレートおよびヘッダーを含めた一体ろう付けにより、伝熱管等に残留応力が残らないので、耐久性、耐蝕性にも優れ品質も安定するとされている。
特開2002−168586号公報
しかしながら、このような従来の熱交換器の製造方法においては、熱交換器が複数の伝熱管を支持し外筒の両端部を閉塞する一対のエンドプレートを有しているので、比較的複雑な構造となっており、製造工程も増加し製造コストが高まってしまうという課題がある。
すなわち、複数の伝熱管の一方をエンドプレートに挿入する工程と、伝熱管の他方を、もう一つのエンドプレートに挿入する工程と、一方のエンドプレートを外筒に挿入する工程と、他方のエンドプレートを外筒に挿入する工程とを経るので、製造工程が比較的に多くなっていた。
このような製造工程を少なくするため、伝熱管をエンドプレートで支持するのに代えて、伝熱管自体を扁平パイプで形成し、複数の扁平パイプを積層して、外筒に収容してろう付けする構造で構成することが考えられる。この構成の場合、一対のエンドプレートが不要となるので、構造が簡単で製造工程を比較的に少なくすることができる。
しかしながら、このような扁平パイプを外筒に収容してろう付けする構造の場合、ろう付けを良好に行うには、扁平パイプと外筒との間の隙間を小さくすることが必要となる。この扁平パイプは複数個が積層されるので、個々の扁平パイプの公差が積み重なって扁平パイプと外筒との間の隙間が大きくなってしまい良好なろう付けができなくなることが懸念される。この隙間を詰めるため、外筒を外側から押圧して変形させることが考えられるが、扁平パイプが薄板で形成されていると、外筒の変形ともに、扁平パイプまで変形してしまい、目的とする設計値が得られないおそれがあるという問題がある。また、ろう付け性を向上させるよう各扁平パイプと外筒を高精度で作製すると、隙間が小さくなるので、扁平パイプをケース内に組み付けしづらくなり、組み付け性が低下してしまうという問題がある。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、複数の扁平パイプのケース内への容易な組み付け性と、複数の扁平パイプおよびケースの高い組み付け精度とを両立させることができる熱交換器の製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る熱交換器の製造方法は、上記課題を解決するため、(1)短辺および長辺からなる方形断面の中央部と、前記短辺よりも大きな短辺と前記長辺からなる方形断面の一端開口部および他端開口部とを有し、前記短辺で接合される扁平パイプと、複数個の前記扁平パイプを短辺方向で積層した状態で収容するケースと、を備えた熱交換器の製造方法において、前記扁平パイプの前記短辺を接合する前に前記扁平パイプを積層した状態で前記ケースに組み付ける扁平パイプ組付工程と、前記扁平パイプ組付工程で組み付けられた前記各扁平パイプの前記短辺方向の隙間を詰めるよう、前記各扁平パイプに治具を挿入する治具挿入工程と、前記治具挿入工程により前記各扁平パイプの前記短辺方向の隙間が詰められた状態で、前記各扁平パイプの前記長辺同士を仮付する仮付工程と、前記仮付工程により仮付された状態で前記各扁平パイプおよび前記ケースをろう付けするろう付け工程と、を含むことを特徴とする。
この構成により、本発明に係る熱交換器の製造方法においては、扁平パイプ組付工程が、扁平パイプの短辺を接合する前に扁平パイプを積層した状態でケースに組み付けるようにしているので、次工程の治具挿入工程により、扁平パイプ組付工程で組み付けられた各扁平パイプの短辺方向の隙間を弾性変形させて容易に詰めることができる。したがって、扁平パイプをケースに組み付ける際に、扁平パイプを簡単にケースに挿入することができる。
なお、ろう材の種類や特性にもよるが、一般にろう付けする母材間の隙間は、0.1mmないし0.5mm程度以内であることが要請され、0.2mm程度が好ましい寸法とされている。従来の製造方法で行われているように、各扁平パイプ12を正寸出しして仮付けした場合には、隙間が小さいので、扁平パイプをケースに組み付ける際に、扁平パイプをケース内に挿入し難くなってしまう。これに対して、本発明に係る熱交換器の製造方法においては、扁平パイプが仮付けされていない変形可能なものとなっているので、扁平パイプをケースに組み付ける際に、扁平パイプをケース内に挿入し易くなり、組み付けの作業性が向上する。
また、治具挿入工程により、各扁平パイプの短辺方向の隙間を弾性変形させて詰めることができるので、次工程の仮付工程において、高い精度で仮付けすることができ、高い組み付け精度が得られる。その結果、次工程のろう付け工程で適正なろう付けを行うことができ、高い品質の熱交換器が得られる。すなわち、本発明に係る熱交換器の製造方法においては、複数の扁平パイプのケース内への容易な組み付け性と、複数の扁平パイプおよびケースの高い組み付け精度とを両立させることができる。
上記(1)に記載の熱交換器の製造方法において、(2)前記扁平パイプ組付工程が、前記短辺方向で前記ケースの内壁面と接する前記扁平パイプの前記短辺が仮付けされた状態で前記ケースに組み付ける工程からなり、前記治具挿入工程が、前記短辺が仮付された状態の前記扁平パイプと前記短辺が仮付されていない状態の前記扁平パイプとを含む全ての扁平パイプに前記治具を挿入する工程からなることを特徴とする。
この構成により、本発明に係る熱交換器の製造方法においては、(1)に記載の熱交換器の製造方法と同様の作用効果がある。すなわち、扁平パイプのケース内への容易な組み付け性と、全ての扁平パイプおよびケースの高い組み付け精度とを両立させることができる。特に、治具挿入工程が、全ての扁平パイプに治具を挿入する工程で構成されていると、ケースと全ての扁平パイプとの間の隙間を弾性変形させて詰めることができ、ろう付けに際して、より最適な隙間を得ることができる。
上記(1)に記載の熱交換器の製造方法において、(3)前記扁平パイプ組付工程が、前記短辺方向で前記ケースの内壁面と接する前記扁平パイプの前記短辺が仮付けされた状態で前記ケースに組み付ける工程からなり、前記治具挿入工程が、前記短辺が仮付された状態の前記扁平パイプを除く他の扁平パイプに前記治具を挿入する工程からなることを特徴とする。
この構成により、扁平パイプ組付工程が、短辺が仮付けされた一対の扁平パイプの間に仮付けされていない扁平パイプが挟まれるようにして、ケース内に組み付けられるので、以下の作用効果がある。
すなわち、仮付工程で、各扁平パイプの長辺同士のみを仮付することができ、扁平パイプとケースの内壁面との間の仮付けの問題を解消することができる。
従来の熱交換器の製造方法においては、扁平パイプとケースの内壁面との間の仮付けを行っていたので、ろう付けの際に、炉内の高温および仮付けの接合部分の残留応力により、短辺の接合部分が扁平パイプの内側に変形してしまうという問題があった。短辺の接合部分が扁平パイプの内側に変形すると、この部分はろう付けがなされず隙間ができてしまうので、気密性や機械的強度が損なわれてしまうという問題があった。
しかしながら、本発明に係る熱交換器の製造方法においては、扁平パイプとケースの内壁面との間の仮付けがされていないので、ろう付けの際に変形することがなくなり、このような問題が解消される。
また、ケースの内壁面に接する扁平パイプの短辺が仮付けされているので、剛性が高められ、治具挿入工程が行われても、変形することなく適正な寸法を確保することができるので、組み付け後の精度が向上する。
上記(1)に記載の熱交換器の製造方法において、(4)前記扁平パイプ組付工程が、前記短辺方向で前記ケースの内壁面と接する前記扁平パイプの前記短辺が仮付けされた状態で前記ケースに組み付ける工程からなり、前記治具挿入工程が、前記短辺が仮付された状態の前記扁平パイプおよび前記短辺が仮付されていない状態の前記扁平パイプのうち、少なくとも1つの扁平パイプに前記治具を挿入する工程からなることを特徴とする。
この構成により、本発明に係る熱交換器の製造方法においては、(1)に記載の熱交換器の製造方法と同様の作用効果がある。すなわち、扁平パイプのケース内への容易な組み付け性と、全ての扁平パイプおよびケースの高い組み付け精度とを両立させることができる。特に、ケースと扁平パイプとの間の隙間が比較的に小さい場合には、隙間の大小の状態に応じて任意の扁平パイプに治具を挿入することができる。この場合、治具の挿入個所を少なくすることができ、最適な隙間を維持しつつ、作業性をより向上させることができる。
上記(1)に記載の熱交換器の製造方法において、(5)前記治具挿入工程が、電極で形成された電極治具を前記扁平パイプに挿入する工程からなり、前記電極治具が、前記扁平パイプの短辺方向の一端でくさびの形に形成された一端くさび型電極と、前記扁平パイプの短辺方向の他端でくさびの形に形成された他端くさび型電極と、前記一端くさび型電極と前記他端くさび型電極とを絶縁する絶縁体とを有し、前記仮付工程が、前記電極治具に通電することにより、前記各扁平パイプの前記長辺同士を抵抗溶接する工程からなることを特徴とする。
この構成により、本発明に係る熱交換器の製造方法においては、仮付工程の前に、くさびの形に形成された電極治具を扁平パイプに挿入する電極治具挿入工程が行われるので、電極治具により各扁平パイプ間および扁平パイプとケース間の短辺方向の隙間を弾性変形させて詰めることができる。その結果、扁平パイプの組み付け精度が向上する。
また、本発明に係る熱交換器の製造方法においては、仮付けされていない変形可能な扁平パイプをケース内に組み付けるので、扁平パイプをケースに挿入する際に、扁平パイプをケース内に挿入し易くなり、組み付けの作業性が向上する。
また、電極治具挿入工程で短方向の隙間が詰められた状態で、そのまま電極治具に通電することにより、一度で仮付けすることができ、仮付けの作業性を向上させることができる。
すなわち、複数の扁平パイプのケース内への容易な組み付け性と、複数の扁平パイプおよびケースの高い組み付け精度とを両立させることができる。
本発明によれば、複数の扁平パイプのケース内への容易な組み付け性と、複数の扁平パイプおよびケースの高い組み付け精度とを両立させることができる熱交換器の製造方法を提供することができる。
本発明に係る熱交換器の製造方法の第1実施形態を示す図であり、EGRクーラの平面図である。 本発明に係る熱交換器の製造方法の第1実施形態を示す図であり、EGRクーラの側面図である。 本発明に係る熱交換器の製造方法の第1実施形態を示す図であり、EGRクーラの正面図である。 本発明に係る熱交換器の製造方法の第1実施形態を示す図であり、図1のA−A断面を示す断面図である。 本発明に係る熱交換器の製造方法の第1実施形態を示す図であり、図2のB−B断面を示す断面図である。 本発明に係る熱交換器の製造方法の第1実施形態を示す図であり、図2のC−C断面を示す断面図である。 本発明に係る熱交換器の製造方法の第1実施形態を示す図であり、ケースに組み付けられる7個の扁平パイプの斜視図である。 本発明に係る熱交換器の製造方法の第1実施形態を示す図であり、扁平パイプの斜視図である。 本発明に係る熱交換器の製造方法の第1実施形態を示す図であり、EGRクーラの製造工程を示す工程図である。 本発明に係る熱交換器の製造方法の第1実施形態を示す図であり、(a)は、ケースに組み付けられる前の扁平パイプの断面図であり、(b)は、ケースに組み付けられる途中の扁平パイプの断面図である。 本発明に係る熱交換器の製造方法の第1実施形態を示す図であり、(a)は、ケース内の扁平パイプに治具を挿入した状態の断面図であり、(b)は、ケース内の扁平パイプが仮付された状態の断面図である。 本発明に係る熱交換器の製造方法の第1実施形態を示す図であり、ケース内の積層された扁平パイプの寸法とケースの内壁面間の寸法を示す断面図である。 従来の熱交換器の製造方法を示す図であり、ろう付けされた状態の扁平パイプとケースの一部を示す断面図である。 本発明に係る熱交換器の製造方法の第2実施形態を示す図であり、EGRクーラの製造工程を示す工程図である。 本発明に係る熱交換器の製造方法の第2実施形態を示す図であり、(a)は、ケース内の扁平パイプに電極治具が挿入される前の状態の断面図であり、(b)は、ケース内の扁平パイプに電極治具が挿入された状態の断面図である。 本発明に係る熱交換器の製造方法の第3実施形態を示す図であり、(a)は、ケース内の全ての扁平パイプに治具を挿入した状態の断面図であり、(b)は、ケース内の1つの扁平パイプに治具を挿入したた状態の断面図である。
以下、本発明に係る熱交換器の製造方法を内燃機関の排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)装置におけるEGRクーラ1の製造方法に適用した第1実施形態ないし第3実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1ないし図6に示すように、EGRクーラ1は、ケース11と、扁平パイプ12と、ガス流入ガイド13と、ガス排出ガイド14と、冷却水流入ガイド15と、冷却水排出ガイド16と、ケース11に設けられEGRクーラ1を図示しないエンジン本体に装着する一対のブラケットとを含んで構成されている。このEGRクーラ1は、エンジン本体から排気される排気ガスと冷却水との間で熱交換し、排気ガスの温度を低下させて吸入空気内に再循環させるよう構成されている。
ケース11は、図7に示すように、ケース本体21と、ケースカバー22とを有しており、内部に扁平パイプ12を収容するようになっている。
ケース本体21は、コの字形状の断面を有し、対向する内壁面21a間の長さがLで形成され、一方の内壁面21bと開口端21cとの間の長さがLよりも長いLで形成されている。このケース本体21には、方形の貫通孔21dが形成されており、この貫通孔21d内を冷却水が流通するようになっている。
このケース本体21は、板金をプレス加工により作製してもよく、他の作製方法、例えば、金属をダイキャストなどの成形方法により作製するようにしてもよい。
ケースカバー22は、長方形の板金で形成されており、ケース本体21の開口端21cにろう付けなどの接合手段により接合されるようになっている。このケースカバー22には、方形の貫通孔22aが形成されており、この貫通孔22a内を冷却水が流通するようになっている。
図8に示すように、扁平パイプ12は、短辺31aおよび長辺31bからなる方形断面の中央部31と、短辺31aよりも大きな短辺32aと長辺31bからなる方形断面の一端開口部32とを有している。また、扁平パイプ12は、一端開口部32の反対側で、短辺31aよりも大きな短辺33aと長辺31bからなる方形断面の他端開口部33を有している。短辺31aは、長さLで形成され、短辺32a、33aは、Lで形成され、長辺31bは、Lで形成されている。短辺31a、32a、33aおよび長辺31bの縦横比、長さL、L、Lは、ケース本体21の長さL、L、EGRクーラ1の構造、形状、熱交換容量などの設計諸元により適宜選択される。
中央部31、一端開口部32および他端開口部33は一体的に形成されている。
一方側の短辺31aおよび短辺32aは、長辺31bから対向するように互いに屈曲し、所定の幅で重ね合わされており、いわゆるオーバーラップされた構成となっている。扁平パイプ12は、短辺31aおよび短辺32aのオーバーラップ部分で接合され、扁平なパイプとして形成されるようになっている。
この扁平パイプ12は、ケース11内に7個が組み付けされ、それぞれが互いに、ろう付けされるようになっている。また、扁平パイプ12がケース11内に組み付けされた状態で、扁平パイプ12の外壁面とケース11の内壁面との間の隙間は、組み付けされる際の作業性やろう付けする際のろう付け性が最適になるよう設定されている。
ガス流入ガイド13は図1ないし図3に示すように、エンジン本体から排気される排気ガスをケース11の各扁平パイプ12内に流入させるよう排気ガス流通管101と連結される連結部13aと、ケース11と連結される連結部13bとを有している。ガス流入ガイド13は、連結部13aおよび連結部13bとの間で排気ガスを流通させる流通部13cを有しており、各構成要素は一体的に形成されている。
連結部13bがケース11に連結された状態で、連結部13bの内壁面とケース11の外壁面との間の隙間は、連結する際の作業性やろう付けする際のろう付け性が最適になるよう設定されている。
ガス排出ガイド14は、ケース11の各扁平パイプ12内を流通した排気ガスを排出させて排気ガス流通管102内に流入させるよう排気ガス流通管102と連結される連結部14aと、ケース11と連結される連結部14bとを有している。ガス排出ガイド14は、ガス流入ガイド13と同様、連結部14aおよび連結部14bとの間で排気ガスを流通させる流通部14cを有しており、各構成要素は一体的に形成されている。
連結部14bがケース11に連結された状態で、連結部14bの内壁面とケース11の外壁面との間の隙間は、連結する際の作業性やろう付けする際のろう付け性が最適になるよう設定されている。
冷却水流入ガイド15は、冷却水と空気との間で熱交換する熱交換器、例えば、ラジエータから供給される冷却水をケース11の内壁面と各扁平パイプ12の中央部31の外壁面との間に形成される間隙内に流入させるよう構成されている。
この冷却水流入ガイド15は、冷却水流通管103と連結される連結部15aと、ケース11のケースカバー22と連結される連結部15bとを有している。
この冷却水流入ガイド15は、連結部15aおよび連結部15bとの間で冷却水を流通させる流通部15cを有しており、各構成要素は一体的に形成されている。
連結部15bは、図6、図7に示すように、方形に形成された開口15dを有しており、供給された冷却水をケース11内の7個の扁平パイプ12により画成される各間隙に均一に流入させるよう、開口を大きくしている。
連結部15bは、ケースカバー22にろう付けや溶接などの接合手段により連結されており、流通する冷却水が漏れないようになっている。
冷却水排出ガイド16は、ケース11の内壁面と各扁平パイプ12の中央部31の外壁面との間に形成される間隙内を流通した冷却水を冷却水流通管104内に流入させるよう構成されている。
この冷却水排出ガイド16は、冷却水流通管104と連結される連結部16aと、ケース11のケース本体21と連結される連結部16bとを有している。
また、この冷却水排出ガイド16は、連結部16aおよび連結部16bとの間で冷却水を流通させる流通部16cを有しており、各構成要素は一体的に形成されている。
連結部16bは、図7に示すように、方形に形成された開口16dを有しており、流通した冷却水7個の扁平パイプ12により画成される各間隙から均一に排出させるよう、開口を大きくしている。
連結部16bは、ケース本体21にろう付けや溶接などの接合手段により連結されており、流通する冷却水が漏れないようになっている。
次に、第1実施形態に係るEGRクーラ1の製造方法を説明する。
EGRクーラ1の製造方法は、次の製造工程によって構成されている。すなわち、EGRクーラ1の製造工程は、図9に示すように、準備工程と、扁平パイプ作製工程と、ケース作製工程と、ろう材内部塗布工程と、組付前仮付工程と、扁平パイプ組付工程と、治具挿入工程と、組付後仮付工程と、ろう材外部塗布工程と、ろう付け工程と、ブラケット類取付工程と、リーク検査工程とを含んで構成されている。
各工程は、上記の記載順に行われるが、扁平パイプ作製工程およびケース類作製工程は、同時に行われてもよく、逆の順で行われてもよい。また、準備工程およびリーク検査工程は、製造工程に含まれていなくてもよい。
準備工程は、EGRクーラ1を製造する加工機などの製造装置、治具や工具などの製造に必要なものを準備し、装置の点検、調整を含む公知の準備工程からなる。
扁平パイプ作製工程は、プレス加工や成形加工などの公知の加工工程からなり、扁平パイプ12が作製される。公知の加工工程としては、例えば、下金型および上金型を備え、曲げ加工、打ち抜き加工および成形加工などのプレス加工を行うプレス機械と、被加工材をプレス機械に供給するよう搬送する搬送機械により作製する加工工程が挙げられる。
ケース類作製工程も、扁平パイプ作製工程と同様の加工工程からなり、ケース本体21、ケースカバー22、ガス流入ガイド13、ガス排出ガイド14、冷却水流入ガイド15、冷却水排出ガイド16およびEGRクーラ1をエンジン本体に装着する一対のブラケットが作製される。
ろう材内部塗布工程は、ケース本体21およびケースカバー22の内部、扁平パイプ12の短辺31a、32aのオーバーラップ部分、すなわち、内壁面のろう付けに必要な領域にろう材を塗布する公知の塗布工程からなる。このろう材は、接合する母材よりも融点の低い合金、例えば、銀の合金で構成されている。このろう材塗布工程には、塗布前に被塗布部品を洗浄し、塗布後に被塗布部品を乾燥する公知の工程が含まれる。
公知の塗布工程としては、例えば、ペースト状態のろう材を塗布する方法、スクリーン印刷なとの印刷による方法、粉末状のろう材を散布する方法、箔帯などのシート材を貼り付ける方法などが挙げられる。なお、この中でも粉末状のろう材を散布する方法などの粉末金属を塗布する方法は、自動化に対応することができ多量生産に適している。
組付前仮付工程は、扁平パイプ作製工程により作製された複数の扁平パイプ12のうち、ケース本体21の内壁面21aに接する扁平パイプ12を仮付けする工程からなる。
この仮付けは、扁平パイプ12をケース本体21に組み付ける前に行われ、図10(a)に示すように、扁平パイプ12の短辺32aのkで示すオーバーラップ部分を接合するもので、TIG溶接やスポット溶接などの溶接により行われる。この仮付け工程により、扁平パイプ12はパイプとしての剛性が高められる。すなわち、外力が加わった際に変形し難いパイプとなる。
扁平パイプ組付工程は、図10(b)に示すように、組付前仮付工程により、仮付けされた一対の扁平パイプ12の間に5個の仮付けされていない扁平パイプ12を挟むようにして、ケース本体21に組み付ける工程からなる。
治具挿入工程は、図11(a)に示すように、仮付けされた一対の扁平パイプ12の間の5個の仮付けされていない扁平パイプ12に治具106を挿入する工程からなる。
この治具106は、くさびの形に形成されており、扁平パイプ12に挿入することにより、ケース本体21と7個の扁平パイプ12との間の隙間を弾性変形させて詰めることができ、ろう付けに最適な隙間を得ることができる。
組付後仮付工程は、図11(b)に示すように、治具挿入工程により前述の隙間が詰められた状態で、扁平パイプ12の各長辺31bを仮付けする工程からなる。
長辺31bの仮付けは、組付前仮付工程と同様、TIG溶接やスポット溶接などの溶接により行われ、例えば、2箇所が溶接される。
ろう材外部塗布工程は、ケース11の外部、すなわち、ガス流入ガイド13とケース11の接合領域、ガス排出ガイド14とケース11の接合領域、冷却水流入ガイド15とケース11の接合領域、冷却水排出ガイド16とケース11の接合領域にろう材を塗布する公知の塗布工程からなる。この塗布工程は、ろう材内部塗布工程と同様の方法で行われる。
なお、ろう材外部塗布工程の前には、治具挿入工程により挿入された治具106は取り外される。
ろう付け工程は、ろう材外部塗布工程によりろう材が塗布されたケース11、ガス流入ガイド13、ガス排出ガイド14、冷却水流入ガイド15および冷却水排出ガイド16が、図1に示すように組立てられた状態で、炉内にセットされ、公知のろう付け方法により行われる。公知のろう付け方法としては、例えば、ろう付けする部品の加熱を炉内で行う炉中ろう付け、炎の燃焼熱を利用したガスろう付け、加熱コイルに高周波誘導電流を流し、加熱コイル遅角の被ろう付け部品に誘導電流を生じさせ、その自己加熱によってろう付けする高周波ろう付け、一定時間、被ろう付け部品に適当な電流を流し、その抵抗熱を利用してろう付けする抵抗ろう付けなどが挙げられる。
このろう付け工程により、塗布されたろう材が溶融して、部品同士が均一に隙間なく接合される。
ブラケット類取付工程は、エンジン本体にEGRクーラ1を装着するための一対のブラケットや、その他必要な部品をケース11に取り付ける工程からなる。取付方法は、公知の方法で行われ、例えば、前述のTIG溶接やスポット溶接などの溶接により行われる。
リーク検査工程は、ろう付け工程によりろう付けがされ、ブラケット類取付工程によりブラケット類が取り付けられたEGRクーラ1に対して公知の検査方法により行われる。
公知の検査方法としては、例えば、ガス流入ガイド13、ガス排出ガイド14、冷却水流入ガイド15および冷却水排出ガイド16の各開口部分をキャップなどの閉塞部材で閉塞して行われる。そして、閉塞されたEGRクーラ1の内部に空気圧を加える圧力供給部材をEGRクーラ1に接続して、所定の圧力を加えて検査する。EGRクーラ1から空気もれが有るか否かを、例えば、EGRクーラ1全体を水中に浸漬して確認するようにしてもよい。
次に、EGRクーラ1の作用について説明する。
図示しないエンジンが始動され、運転状態に応じて、EGRクーラ1と図示しない吸気装置との間に設けられたEGRバルブが開状態となる。EGRバルブが開かれると、エンジンから排出された排気ガスは、排気ガス流通管101を通って、図1の矢印aに示すように、ガス流入ガイド13からケース11内に流入する。そして、排気ガスは、扁平パイプ12内を流通して、図1の矢印bに示すように、ガス排出ガイド14から排気ガス流通管102を通って吸気装置に還流される。
排気ガスがケース11内を流通するとき、図示しないラジエータから冷却水流通管103を経由して冷却水が、図1の矢印cに示すように、冷却水流入ガイド15に流入する。この冷却水は、扁平パイプ12とケース本体21の内壁面21aとの間の間隙および各扁平パイプ12の中央部31間に形成された間隙を流通して、冷却水排出ガイド16から、図1の矢印dに示すように、冷却水流通管104内に排出され、ラジエータに還流される。
扁平パイプ12内を流通する高温の排気ガスは、ケース11内を流通する冷却水との間で熱交換が行われ、温度を下げられて、ガス排出ガイド14から排気ガス流通管102に排出される。排気ガスを冷却してから吸気装置を介してエンジンに送り込むことで、混合気が燃焼する際の最高温度を低くすることができ、窒素酸化物(NO)の発生量を抑えることができる。
吸気中の酸素含有量を排気ガスの量で調整することにより、スロットルを絞っているのと同じ状況を作り出すことができるため、スロットルの開度を大きくすることができ、吸気時における損失、いわゆるポンピングロスを低減することができ、ひいては燃費の向上を図ることができる。すなわち、エンジンのピストン1ストローク当たりの吸入酸素量が減少することで、あたかも小排気量のエンジンのアクセルを踏み込んで走行するのと同等の燃費が得られる。
第1実施形態におけるEGRクーラ1の製造方法は、上記に説明したように構成されているので、以下の効果が得られる。
すなわち、第1実施形態におけるEGRクーラ1の製造方法は、複数の扁平パイプ12のうち、ケース本体21の内壁面21aに接する扁平パイプ12を仮付けする組付前仮付工程と、扁平パイプ組付工程とを含んで構成されている。
また、第1実施形態におけるEGRクーラ1の製造方法は、扁平パイプ組付工程で組み付けられた各扁平パイプ12の短辺方向の隙間を弾性変形させて詰めるよう、短辺31a、32aが仮付された状態の扁平パイプ12を除く他の扁平パイプ12に治具106を挿入する治具挿入工程と、治具挿入工程により各扁平パイプ12の短辺方向の隙間が詰められた状態で、各扁平パイプ12の長辺31b同士を仮付する仮付工程と、仮付工程により仮付された状態で各扁平パイプ12およびケース11をろう付けするろう付け工程とを含んで構成されている。
その結果、第1実施形態におけるEGRクーラ1の製造方法においては、図10(a)、(b)に示すように、扁平パイプ組付工程が、組付前仮付工程により仮付けされた一対の扁平パイプ12の間に5個の仮付けされていない扁平パイプ12を挟むようにして、ケース本体21に組み付けるようにしているので、以下の効果が得られる。
すなわち、図11(b)に示すように、仮付工程で、各扁平パイプ12の長辺31b同士のみを仮付することができ、扁平パイプ12とケース本体21の内壁面21aとの間の仮付けの問題を解消することができるという効果が得られる。
従来のEGRクーラの製造方法においては、図13に示すように、扁平パイプ121とケース本体122の内壁面122aとの間の仮付けを行っていたので、ろう付けの際に、炉内の高温と接合部分の残留応力とにより、短辺123の接合部分が、扁平パイプの内側に変形してしまうという問題があった。短辺123の接合部分が扁平パイプ121の内側に変形すると、この部分はろう付けがなされず隙間ができてしまうので、気密性や機械的強度が損なわれてしまうという問題があった。第1実施形態におけるEGRクーラ1の製造方法においては、扁平パイプ12とケース本体21の内壁面21aとの間の仮付けがされていないので、ろう付けの際に変形することがなくなり、このような問題が解消される。
また、ケース本体21の内壁面21aに接する扁平パイプ12の短辺31a、32aが仮付けされており、剛性が高められている。その結果、治具挿入工程が行われても、変形することなく適正な寸法を確保することができるので、組み付け後の精度を著しく向上させることができる。
また、第1実施形態におけるEGRクーラ1の製造方法においては、図11(a)に示すように、仮付工程の前に、治具挿入工程が行われるので、各扁平パイプ12間および扁平パイプ12とケース本体21間の短辺方向の隙間を弾性変形させて詰めることができる。その結果、扁平パイプ12の組み付け精度が向上する。
なお、前述したように、一般にろう付けする母材間の隙間は、0.1mmないし0.5mm程度以内であることが要請され、0.2mm程度が好ましい寸法とされている。各扁平パイプ12を正寸出しして仮付けした場合には、隙間が小さいので、扁平パイプ12をケース本体21に組み付ける際に、扁平パイプ12をケース本体21内に挿入し難くなってしまう。これに対して、第1実施形態におけるEGRクーラ1の製造方法においては、仮付けされていない変形可能な扁平パイプ12があるので、扁平パイプ12をケース本体21に組み付ける際に、扁平パイプ12をケース本体21内に挿入し易くなり、組み付けの作業性が向上するという効果が得られる。
なお、この隙間をsとすると、隙間sは、図12に示すように、ケース本体21の内壁面21a間の寸法Lと、各扁平パイプ12を積層した短辺方向の寸法、L×7+sが等しくなることから、隙間sは、L−L×7で表される。この隙間sがろう付けに好適な寸法になるよう治具挿入工程により弾性変形させて詰められた状態で仮付けすることができるので、組み付け精度を著しく向上させることができるという効果が得られる。
すなわち、複数の扁平パイプ12のケース本体21内への容易な組み付け性と、複数の扁平パイプ12およびケース本体21の高い組み付け精度とを両立させることができるという効果が得られる。
(第2実施形態)
本発明に係る熱交換器の製造方法は、第2の実施形態に係るEGRクーラ1の製造方法によっても製造することができる。
第2の実施形態に係るEGRクーラ1の製造方法は、第1実施形態に係るEGRクーラ1の製造方法と、製造工程が異なっているが、EGRクーラ1自体は同様に構成されている。
第2実施形態に係るEGRクーラ1の製造方法は、図14に示すように、第1実施形態に係るEGRクーラ1の製造方法に対して、扁平パイプ組付工程、電極治具挿入工程および組付後仮付工程が異なっているが他の工程は同様に構成されている。
扁平パイプ組付工程は、仮付けされていない扁平パイプ12を、ケース本体21に組み付ける工程からなる。
電極治具挿入工程は、図15(a)、(b)に示すように、仮付けされていない7個の扁平パイプ12に電極治具107を挿入する工程からなる。
この電極治具107は、くさびの形に形成されたくさび型電極111と、一方側の電極112と、他方側の電極113と、交流電源114とを備えている。また、電極治具107は、くさび型電極111、一方側の電極112、他方側の電極113および交流電源114をそれぞれ接続する接続部材115を備えている。
くさび型電極111は、側面が傾斜して形成された一端くさび型電極111aと、側面が傾斜して形成された他端くさび型電極111bと、一端くさび型電極111aと他端くさび型電極111bとの間に設けられ、一端くさび型電極111aと他端くさび型電極111bとを絶縁する絶縁体111cとにより構成されている。
この電極治具107は、くさびの形で形成されているので、扁平パイプ12に挿入することにより、ケース本体21と7個の扁平パイプ12との間の隙間を弾性変形させて詰めることができ、ろう付けに最適な、前述の隙間sを得ることができる。
組付後仮付工程は、図15(b)に示すように、電極治具挿入工程により前述の隙間が詰められた状態で、各くさび型電極111に通電することにより、各扁平パイプ12の長辺同士を抵抗溶接する工程からなる。くさび型電極111間に電流が流れると、各扁平パイプ12の長辺31bの接合部分kにジュール熱が発生し、扁平パイプ12の接合部分が溶解し接合される。
各くさび型電極111への通電は、全てのくさび型電極111に同時に行ってもよく、順次に行ってもよい。同時に行うことにより、より短時間で仮付けすることができる。
なお、くさび型電極111への通電時間(sec)や電流密度(A/m)は、ケース11の構造、大きさ、扁平パイプ12の厚みや材質などの設計諸元に応じて適宜選択される。
第2実施形態におけるEGRクーラ1の製造方法は、上記に説明したように構成されているので、以下の効果が得られる。
すなわち、第2実施形態におけるEGRクーラ1の製造方法は、複数の扁平パイプ12をケース内に組み付ける扁平パイプ組付工程と、電極治具挿入工程と、仮付工程とを含んで構成されている。
電極治具挿入工程は、くさび型電極111で形成された電極治具107を各扁平パイプ12に挿入する工程からなり、電極治具107が、扁平パイプ12の短辺方向の一端でくさびの形に形成された一端くさび型電極111aと、扁平パイプ12の短辺方向の他端でくさびの形に形成された他端くさび型電極111bと、一端くさび型電極111aと他端くさび型電極111bとを絶縁する絶縁体111cとを有し、仮付工程が、電極治具107に通電することにより、各扁平パイプ12の長辺同士を抵抗溶接する工程で構成されている。
その結果、第2実施形態におけるEGRクーラ1の製造方法においては、第1実施形態形態と同様の効果が得られる。
すなわち、第2実施形態におけるEGRクーラ1の製造方法においては、図15(a)、(b)に示すように、仮付工程の前に、電極治具挿入工程が行われるので、電極治具107により各扁平パイプ12間および扁平パイプ12とケース本体21間の短辺方向の隙間を弾性変形させて詰めることができる。その結果、扁平パイプ12の組み付け精度が向上する。
第2実施形態におけるEGRクーラ1の製造方法においては、仮付けされていない変形可能な扁平パイプ12で構成されているので、扁平パイプ12をケース本体21に組み付ける際に、扁平パイプ12をケース本体21内に挿入し易くなり、組み付けの作業性が向上するという効果が得られる。
また、電極治具挿入工程で前述の隙間が詰められた状態で、そのまま電極治具107に通電することにより、一度で仮付けすることができ、仮付けの作業性を向上させることができるという効果が得られる。
すなわち、複数の扁平パイプ12をケース本体21内への容易な組み付け性と、複数の扁平パイプ12およびケース本体21の高い組み付け精度とを両立させることができるという効果が得られる。
(第3実施形態)
本発明に係る熱交換器の製造方法は、第3の実施形態に係るEGRクーラ1の製造方法によっても製造することができる。
第3の実施形態に係るEGRクーラ1の製造方法は、第1実施形態に係るEGRクーラ1の製造方法と、製造工程が異なっているが、EGRクーラ1自体は同様に構成されている。
第3実施形態に係るEGRクーラ1の製造方法は、図16(a)、(b)に示すように、第1実施形態に係るEGRクーラ1の製造方法に対して、治具挿入工程が異なっており、他の工程は同様に構成されている。
第3実施形態に係る治具挿入工程は、第1実施形態とは異なり、図16(a)に示すように、kで示す仮付けされた一対の扁平パイプ12および仮付けされていない5個の扁平パイプ12に治具106を挿入する工程からなる。
この治具106は、第1実施形態と同様のくさびの形に形成されており、扁平パイプ12に挿入することにより、ケース本体21と7個の扁平パイプ12との間の隙間を弾性変形させて詰めることができ、ろう付けに最適な隙間を得ることができる。
また、第3実施形態に係る治具挿入工程においては、7個の扁平パイプ12のうち、任意の扁平パイプ12に治具106を挿入するようにしてもよい。例えば、図16(b)に示すように、中央に位置する扁平パイプ12に治具106を挿入するようにしてもよく、他の複数の扁平パイプ12に治具106を挿入するようにしてもよい。
第3実施形態に係るるEGRクーラ1の製造方法においても、第1実施形に係るるEGRクーラ1の製造方法と同様の効果が得られる。すなわち、第3実施形態に係るEGRクーラ1の製造方法おいては、7個の扁平パイプ12のケース11内への容易な組み付け性と、7個の扁平パイプ12およびケース11の高い組み付け精度とを両立させることができる。特に、図16(a)に示すように、扁平パイプ組付工程によりケース11内に組み付けられた全ての扁平パイプ12に治具106が挿入されると、ケース本体21と7個の扁平パイプ12との間の隙間を弾性変形させて詰めることができ、ろう付けに際して、より最適な隙間を得ることができる。
他方、ケース本体21と7個の扁平パイプ12との間の隙間が比較的に小さい場合には、隙間の大小の状態に応じて任意の扁平パイプ12に治具106を挿入することができる。この場合、治具106の挿入個所を少なくすることができ、最適な隙間を維持しつつ、作業性をより向上させることができる。
第1実施形態ないし第3実施形態に係るEGRクーラ1の製造方法においては、ケース11内に7個の扁平パイプ12が組み込まれた構成で説明した。
しかしながら、本発明における熱交換器の製造方法においては、7個以外の他の員数で構成するようにしてもよい。例えば、最小の3個であってもよく、8個ないし15個の員数であってもよく、また、それ以上の員数の扁平パイプで構成するようにしてもよい。
また、第1実施形態ないし第3実施形態に係るEGRクーラ1の製造方法においては、冷却水流入ガイド15が、ガス流入ガイド13の近傍に配置され、冷却水排出ガイド16が、ガス排出ガイド14の近傍でガス流入ガイド13と対向する側面に配置した場合について説明した。
しかしながら、本発明における熱交換器の製造方法においては、冷却水流入ガイドおよび冷却水排出ガイドは、任意の位置に配置するようにしてもよい。例えば、冷却水流入ガイドをガス排出の近傍に配置し、冷却水排出ガイドをガス流入ガイドの近傍で冷却水流入ガイドに対向する側面に配置してもよく、冷却水流入ガイドおよび冷却水排出ガイドをケースの同じ側面に配置するようにしてもよい。
また、第1実施形態ないし第3実施形態に係るEGRクーラ1の製造方法においては、ガス流入ガイド13が、流入する排気ガスをケース11の軸線方向の中心に向かって流入させるよう構成し、ガス排出ガイド14が、ガス流入ガイド13と同様の方向に向かって排気ガスを排出させるよう構成した場合について説明した。
しかしながら、本発明における熱交換器の製造方法においては、ガス流入ガイドおよびガス排出ガイドは、任意の方向に排気ガスを案内するようにしてもよい。例えば、ガス流入ガイドをケースの側面方向に向かって案内するようにしてもよく、ガス排出ガイドをケースの側面方向に向かって案内するようにしてもよい。
以上のように、本発明に係る熱交換器の製造方法は、複数の扁平パイプのケース内への容易な組み付け性と、複数の扁平パイプおよびケースの高い組み付け精度とを両立させることができる熱交換器の製造方法を提供することができるという効果を有し、扁平パイプを備えた熱交換器の製造方法として有用である。
1 EGRクーラ(熱交換器)
11 ケース
12 扁平パイプ
13 ガス流入ガイド
14 ガス排出ガイド
15 冷却水流入ガイド
16 冷却水排出ガイド
21 ケース本体(ケース)
21a 内壁面
22 ケースカバー
31 中央部
31a、32a、33a 短辺
31b 長辺
32 一端開口部
33 他端開口部
101、102 排気ガス流通管
103、104 冷却水流通管
106 治具
107 電極治具
111 くさび型電極
111a 一端くさび型電極
111b 他端くさび型電極
111c 絶縁体

Claims (5)

  1. 短辺および長辺からなる方形断面の中央部と、前記短辺よりも大きな短辺と前記長辺からなる方形断面の一端開口部および他端開口部とを有し、前記短辺で接合される扁平パイプと、複数個の前記扁平パイプを短辺方向で積層した状態で収容するケースと、を備えた熱交換器の製造方法において、
    前記扁平パイプの前記短辺を接合する前に前記扁平パイプを積層した状態で前記ケースに組み付ける扁平パイプ組付工程と、
    前記扁平パイプ組付工程で組み付けられた前記各扁平パイプの前記短辺方向の隙間を詰めるよう、前記各扁平パイプに治具を挿入する治具挿入工程と、
    前記治具挿入工程により前記各扁平パイプの前記短辺方向の隙間が詰められた状態で、前記各扁平パイプの前記長辺同士を仮付する仮付工程と、
    前記仮付工程により仮付された状態で前記各扁平パイプおよび前記ケースをろう付けするろう付け工程と、を含むことを特徴とする熱交換器の製造方法。
  2. 前記扁平パイプ組付工程が、前記短辺方向で前記ケースの内壁面と接する前記扁平パイプの前記短辺が仮付けされた状態で前記ケースに組み付ける工程からなり、
    前記治具挿入工程が、前記短辺が仮付された状態の前記扁平パイプと前記短辺が仮付されていない状態の前記扁平パイプとを含む全ての扁平パイプに前記治具を挿入する工程からなることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器の製造方法。
  3. 前記扁平パイプ組付工程が、前記短辺方向で前記ケースの内壁面と接する前記扁平パイプの前記短辺が仮付けされた状態で前記ケースに組み付ける工程からなり、
    前記治具挿入工程が、前記短辺が仮付された状態の前記扁平パイプを除く他の扁平パイプに前記治具を挿入する工程からなることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器の製造方法。
  4. 前記扁平パイプ組付工程が、前記短辺方向で前記ケースの内壁面と接する前記扁平パイプの前記短辺が仮付けされた状態で前記ケースに組み付ける工程からなり、
    前記治具挿入工程が、前記短辺が仮付された状態の前記扁平パイプおよび前記短辺が仮付されていない状態の前記扁平パイプのうち、少なくとも1つの扁平パイプに前記治具を挿入する工程からなることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器の製造方法。
  5. 前記治具挿入工程が、電極で形成された電極治具を前記扁平パイプに挿入する工程からなり、前記電極治具が、前記扁平パイプの短辺方向の一端でくさびの形に形成された一端くさび型電極と、前記扁平パイプの短辺方向の他端でくさびの形に形成された他端くさび型電極と、前記一端くさび型電極と前記他端くさび型電極とを絶縁する絶縁体とを有し、
    前記仮付工程が、前記電極治具に通電することにより、前記各扁平パイプの前記長辺同士を抵抗溶接する工程からなることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器の製造方法。
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