JP2013147831A - 太陽電池モジュール、太陽電池モジュールの支持構造、太陽電池モジュールの設置方法、及び太陽光発電システム - Google Patents
太陽電池モジュール、太陽電池モジュールの支持構造、太陽電池モジュールの設置方法、及び太陽光発電システム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】各太陽電池モジュールの間のスペースを削減して、発電効率の増大を図ることが可能な太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】太陽電池モジュール12は、3枚の太陽電池パネル16と、2本の連結サポートバー14とをそれぞれ有しており、各太陽電池パネル16の裏面に2本の連結サポートバー14を接着して固定したものである。また、連結サポートバー14の接続部14fが太陽電池パネル16の裏面に対向し、連結サポートバー14の切欠部14eが太陽電池パネル16の裏面と接続部14fとの間に開口部位Sを形成している。
【選択図】図9
【解決手段】太陽電池モジュール12は、3枚の太陽電池パネル16と、2本の連結サポートバー14とをそれぞれ有しており、各太陽電池パネル16の裏面に2本の連結サポートバー14を接着して固定したものである。また、連結サポートバー14の接続部14fが太陽電池パネル16の裏面に対向し、連結サポートバー14の切欠部14eが太陽電池パネル16の裏面と接続部14fとの間に開口部位Sを形成している。
【選択図】図9
Description
本発明は、太陽光を光電変換する太陽電池モジュール、太陽電池モジュールの支持構造、太陽電池モジュールの設置方法、及び太陽光発電システムに関する。
この種の太陽光発電システムとしては、例えば特許文献1に記載のものがある。ここでは、コンクリート製の細長形状の複数の架台を一定間隔で平行に並べて配置し、各架台間にそれぞれの太陽電池モジュールを架け渡している。また、架台の上面両端部に形成されたそれぞれの段差に隣り合う各太陽電池モジュールの端部を配置して、押さえ具を架台の上面に載せて固定し、押さえ具により隣り合う各太陽電池モジュールの端部を上側から押さえ付けて支持している。
ところで、特許文献1のように押さえ具により隣り合う各太陽電池モジュールの端部を上側から押さえ付けて支持する構造では、押さえ具を架台に固定するためのスペースを該各太陽電池モジュールの間に設ける必要があり、該各太陽電池モジュールが離間する。
しかしながら、そのような各太陽電池モジュールの間のスペースは、太陽光発電に全く寄与しないことから、太陽光発電システムの発電効率低下の原因となる。
このため、各太陽電池モジュールの間のスペースを狭くすることが望ましいが、そのスペースを狭くすると、押さえ具の幅が狭くなって、押さえ具を固定するためのボルトやナット等を小型化する必要があり、太陽電池モジュールの端部の支持強度が低下する。
特に、産業用の太陽光発電システムにおいては、太陽電池モジュール1枚当たりの面積が広く、太陽電池モジュールに受ける風圧が大きく、太陽電池モジュールの端部を支持する構造に対して充分な強度が要求され、その強度の低下を避ける必要があることから、各太陽電池モジュールの間のスペースを低減させることができず、これが太陽光発電システムの発電効率の向上を阻む原因であった。
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、太陽電池モジュールの端部を支持する構造の強度を低下させることなく、各太陽電池モジュールの間のスペースを削減して、発電効率の増大を図ることが可能な太陽電池モジュール、太陽電池モジュールの支持構造、太陽電池モジュールの設置方法、及び太陽光発電システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの裏面に接続され、前記太陽電池パネルの端側で開口部を形成する側面形状を有したサポート部材とを備えている。
このような本発明の太陽電池モジュールでは、サポート部材は、太陽電池パネルの裏面に接続され、太陽電池パネルの端側で開口部を形成する側面形状を有している。このため、太陽電池モジュールの裏面側において、その開口部位を通じて、サポート部材を固定するための作業を行い、太陽電池モジュールを固定することができる。従って、各太陽電池モジュールが隣接して並び、各太陽電池モジュールの間のスペースが無くても、各太陽電池モジュールを固定することができ、各太陽電池モジュールの間のスペースを削減して、発電効率の増大を図ることができる。また、各太陽電池モジュールの裏面側においては、サポート部材を固定する固定構造のサイズ等を格別に制約する必要がなく、固定構造の強度を充分に高くすることができ、太陽電池モジュールの面積が広く、太陽電池モジュールに受ける風圧が大きくても、太陽電池モジュールの支持強度が不足することはない。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいては、前記サポート部材は、前記太陽電池パネルの端部において前記太陽電池パネルの裏面とは離間し、前記太陽電池パネルの端部よりも内側において前記太陽電池パネルの裏面に接続されている。
このように太陽電池パネルの端部においてサポート部材が太陽電池パネルの裏面から離間されると、太陽電池パネルの端部とサポート部材との間に開口部位が形成される。
例えば、本発明の太陽電池モジュールにおいては、前記サポート部材の端部は、前記太陽電池パネルの端部と略等しい位置か又は前記太陽電池パネルの内側位置に配され、前記太陽電池パネルの裏面から離間している。
このようにサポート部材の端部を、太陽電池パネルの端部と略等しい位置か又は太陽電池パネルの内側位置に配し、太陽電池パネルの裏面から離間させてもよい。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいては、前記太陽電池モジュールは、前記太陽電池パネルを複数並べ、前記各太陽電池パネルの裏面に前記サポート部材を架け渡して固定し、前記サポート部材により前記各太陽電池パネルを連結したものである。
このようにサポート部材により複数の太陽電池パネルを連結することにより、太陽電池モジュールの構成を簡略化することができる。
次に、本発明の太陽電池モジュールの支持構造は、上記本発明の太陽電池モジュールの前記サポート部材の端部が載置される載置部と、前記サポート部材の端部を前記載置部に固定する固定部材とを備えている。
あるいは、本発明の太陽電池モジュールの支持構造は、上記本発明の太陽電池モジュールを複数並べて支持する太陽電池モジュールの支持構造であって、隣り合う前記各太陽電池モジュールの前記サポート部材の端部が載置される載置部と、隣り合う前記各太陽電池モジュールの前記サポート部材の端部を前記載置部に併せて固定する固定部材とを備えている。
このような本発明の太陽電池モジュールの支持構造では、隣り合う各太陽電池モジュールを概ね隙間なく隣接させて配置した状態で、サポート部材と太陽電池パネルの裏面との間の開口部位を通じて、サポート部材の端部を固定部材により載置部に固定するための作業を行い、各太陽電池モジュールを固定することができる。このため、各太陽電池モジュールの間のスペースを削減して、発電効率の増大を図ることができる。また、各太陽電池モジュールの裏面側においては、固定部材や載置部のサイズ等を格別に制約する必要がなく、固定部材や載置部の強度を充分に高くすることができ、太陽電池モジュールの支持強度が不足することはない。
次に、本発明の太陽電池モジュールの設置方法は、上記本発明の太陽電池モジュールの設置方法であって、前記太陽電池モジュールのサポート部材の端部を載置部に載置し、前記太陽電池モジュールの前記太陽電池パネルの裏面と前記サポート部材との離間した開口部位から挿入された固定部材を、前記太陽電池モジュールの前記サポート部材の端部を押さえるように配置し、前記開口部位から挿入された工具により前記固定部材を前記載置部に固定している。
あるいは、本発明の太陽電池モジュールの設置方法は、上記本発明の太陽電池モジュールを複数並べて設置する太陽電池モジュールの設置方法であって、隣り合う前記各太陽電池モジュールの前記サポート部材の端部を載置部に載置し、隣り合う前記各太陽電池モジュールの前記太陽電池パネルの裏面と前記サポート部材との離間した開口部位から挿入された固定部材を、隣り合う前記各太陽電池モジュールの前記サポート部材の端部を併せて押さえるように配置し、前記開口部位から挿入された工具により前記固定部材を前記載置部に固定している。
このような本発明の太陽電池モジュールの設置方法では、隣り合う各太陽電池モジュールを概ね隙間なく隣接させて配置した状態で、サポート部材と太陽電池パネルの裏面との間の開口部位を通じて、サポート部材の端部を固定部材により載置部に固定するための作業を行い、各太陽電池モジュールを固定することができる。このため、各太陽電池モジュールの間のスペースを削減して、発電効率の増大を図ることができる。また、各太陽電池モジュールの裏面側においては、固定部材や載置部のサイズ等を格別に制約する必要がなく、固定部材や載置部の強度を充分に高くすることができ、太陽電池モジュールの支持強度が不足することはない。
次に、本発明の太陽光発電システムは、上記本発明の太陽電池モジュールの支持構造を用いている。
このような本発明の太陽光発電システムにおいても、上記本発明の太陽電池モジュールの支持構造と同様の作用効果を奏する。
本発明では、サポート部材は、太陽電池パネルの裏面に接続され、太陽電池パネルの端側で開口部を形成する側面形状を有している。このため、太陽電池モジュールの裏面側において、その開口部位を通じて、サポート部材を固定するための作業を行い、太陽電池モジュールを固定することができる。従って、各太陽電池モジュールが隣接して並び、各太陽電池モジュールの間のスペースが無くても、各太陽電池モジュールを固定することができ、各太陽電池モジュールの間のスペースを削減して、発電効率の増大を図ることができる。また、各太陽電池モジュールの裏面側においては、サポート部材を固定する固定構造のサイズ等を格別に制約する必要がなく、固定構造の強度を充分に高くすることができ、太陽電池モジュールの面積が広く、太陽電池モジュールに受ける風圧が大きくても、太陽電池モジュールの支持強度が不足することはない。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の太陽電池モジュールの支持構造の一実施形態を適用した太陽光発電システムを示す斜視図である。また、図2及び図3は、太陽光発電システムを示す正面図及び背面図であり、図4は、太陽光発電システムを示す側面図である。
図1〜図4に示すように太陽光発電システムでは、複数のベース11を等間隔かつ平行に配して地面に置き、複数の太陽電池モジュール12を各ベース11の搭載傾斜面11eに架け渡して、各太陽電池モジュール12を上下2列に配列して設けている。
下側の列では、太陽電池モジュール12の2本の連結サポートバー14の端部がベース11の搭載傾斜面11eの前側2本の溝13に嵌め入れられ、また上側の列では、太陽電池モジュール12の2本の連結サポートバー14の端部がベース11の搭載傾斜面11eの後側2本の溝13に嵌め入れられている。
左右に隣り合う各太陽電池モジュール12の連結サポートバー14の端部は、搭載傾斜面11eの溝13で互いに突き合わされて、1つの固定具15により固定されている。
尚、図1〜図4において、各ベース11の列と平行な方向をX方向(左右方向)とし、このX方向と直交する方向をY方向(前後方向)としている。
図5、図6は、太陽電池モジュール12を示す斜視図及び側面図である。図5、図6に示すように太陽電池モジュール12は、3枚の太陽電池パネル16と、2本の連結サポートバー14とをそれぞれ有しており、各太陽電池パネル16の裏面に2本の連結サポートバー14を接着して固定したものである。
太陽電池パネル16は、矩形平板状のものであって、例えば2枚のガラス板の間に、透明電極膜、光電変換層(半導体層)、及び裏面電極膜を順次積層してなる太陽電池セルを挟み込んで、各ガラス板の端部を封止してなる。この太陽電池パネル16についてより詳細に説明すれば、透光性基板であるガラス基板に透明電極と、半導体層からなる光電変換層と、裏面電極層とをこの順に積層して、太陽電池セルを形成し、裏面電極層側に保護板である透光性のガラス基板を貼り合わせて、各ガラス基板間を封止した構成である。例えば、ガラス板として厚さが2mm程度の強化ガラスを適用し、また半導体層として結晶系のものを適用する。
図7、図8は、連結サポートバー14を示す斜視図及び断面図である。図7、図8に示すように連結サポートバー14は、長形の主板14a、主板14aの両辺で折り曲げられた各側板14b、及び各側板14bの一辺で内側に折り曲げられ、更に上方に折り曲げられてなるそれぞれの折返し補強部14cを有しており、その断面形状が概ねU字型となっている。主板14aには、連結サポートバー14の剛性を高めるための凹部14dが形成されている。
また、図7に示すように連結サポートバー14の両端部には、主板14aの端部と各側板14bの端部上側を切り欠いた切欠部14eが形成され、切り欠かれずに残された各側板14bの端部下側及び各折返し補強部14cの端部が接続部14fとなっている。
このような連結サポートバー14は、鋼板を打ち抜いて折り曲げ、その表面にメッキを施したものである。
ここで、図5に示すように3枚の太陽電池パネル16を並べて配置し、各太陽電池パネル16の境界と2本の連結サポートバー14とを直交させて、各連結サポートバー14を一定の間隔を開けて平行に配置し、この状態で、各連結サポートバー14の主板14aを接着剤を介して各太陽電池パネル16の裏面(ガラスの表面)に重ねて、各連結サポートバー14を各太陽電池パネル16の裏面に接着し、各連結サポートバー14により各太陽電池パネル16を一体的に連結支持している。各太陽電池パネル16の間に僅かな隙間を設けても、また各太陽電池パネル16を互いに接触させてもよい。
各連結サポートバー14は、各太陽電池パネル16の両外側の一端から他端までの長さ(太陽電池モジュール12の横幅)と同一の長さを有し、各太陽電池パネル16の略全幅にわたって接着され、各太陽電池パネル16に対する接着面積の拡大が図られている。また、各連結サポートバー14の長手方向においては、各連結サポートバー14の両端位置と太陽電池モジュール12の両端位置が一致する。
また、各連結サポートバー14は、U字型の断面形状により曲げ強度の向上が図られている。このため、各連結サポートバー14により各太陽電池パネル16が強固に支持される。
更に、各連結サポートバー14は、各太陽電池パネル16の縦幅の概ね1/4の位置に配置されている。これにより、各太陽電池パネル16が各連結サポートバー14上にバランス良く支持される。
また、図1〜図4に示すように各連結サポートバー14は、各ベース11の搭載傾斜面11eに架け渡されて、各太陽電池モジュール12を支持することから、太陽光発電システムの架台の構成要素としての機能を果たす。従って、各連結サポートバー14は、3枚の太陽電池パネル16を連結支持する機能と、太陽光発電システムの架台の構成要素としての機能とを共に果たしている。
このような太陽電池モジュール12は、その端部を保護するための矩形状の金属フレームを備えず、透光性基板(ガラス板)と保護板(ガラス板)の周縁端部が露出した形態のいわゆるフレームレスタイプの太陽電池モジュールと称されるものである。
図9は、太陽電池モジュール12を各連結サポートバー14と直交する方向から見て拡大して示す側面図である。図9に示すように太陽電池パネル16の端部においては連結サポートバー14の接続部14fが太陽電池パネル16の裏面から離間し、連結サポートバー14の切欠部14eが、太陽電池パネル16の裏面と接続部14fとの間に、各連結サポートバー14と直交する太陽電池モジュール12の端部一辺に沿う方向で開口された開口部位Sを形成している。そして、太陽電池パネル16の端部よりも内側(開口部位Sよりも内側)において連結サポートバー14の主板14aが太陽電池パネル16の裏面に接着されている。
図10に示すように隣り合う各太陽電池モジュール12の間では、それぞれの開口部位Sが連続して、より広い開口部位が形成される。
図11は、ベース11を示す斜視図である。図11に示すようにベース11は、コンクリート製であって、側方から見ると台形状であり、地面に載置される底辺部11a、地面に対して傾斜した上辺部11b、及び2つの側辺部11c、11dを有している。上辺部11aの上面は、搭載傾斜面11eとなっている。この搭載傾斜面11eは、Y方向で傾斜しており、搭載傾斜面11eの前端が後端よりも低くなっている。
また、図11に示すようにベース11の搭載傾斜面11eには、X方向に沿って延びる4本の溝13がY方向に離間して形成されている。各溝13は、その断面形状が概ねU字型であり、長方形の底面13aを有している。Y方向では、各溝13の底面13aが搭載傾斜面11eと同様の角度で傾斜し、底面13aの前端が後端よりも低くなっている。X方向では、各溝13の底面13aが傾斜していない。
更に、各溝13の底面13aには、それぞれの底面13aに対して垂直な各アンカーボルト17が突設されている。
図12は、固定具15を示す斜視図である。図12に示すように固定具15は、底板15aと、底板15aの対向2辺で上方に折り曲げられた各補強片15bと、底板15aの他の対向2辺で斜め上方外側に折り曲げられた各傾斜板15cと、それぞれの傾斜板15c上辺で下方に折り曲げられた各側板15dとを有している。また、底板15aには、長形の穿孔15eが形成され、各側板15dの下端15fが鋸刃状に形成されている。
このような固定具15は、鋼板を打ち抜いて折り曲げ、その表面にメッキを施したものである。
図13、図14は、ベース11の搭載傾斜面11eの溝13において隣り合う各太陽電池モジュール12の連結サポートバー14の接続部14fを突き合わせて支持した支持構造を示す横断面図及び縦断面図である。図13、図14に示すようにベース11の溝13の底面13aにはスペーサ18が配置され、このスペーサ18上に、隣り合う各太陽電池モジュール12の連結サポートバー14の接続部14f(各側板14bの端部下側及び各折返し補強部14cの端部)が載せられて突き合わされ、アンカーボルト17の両側に各連結サポートバー14の接続部14fが併せて配されている。そして、固定具15の底板15aの穿孔15eにアンカーボルト17が通されて、固定具15の底板15aがスペーサ18に載せられ、固定具15が各連結サポートバー14の接続部14fを併せて押さえるように配置され、固定金具15の各側板15dが各連結サポートバー14の側板14bの内側に挟み込まれ、各側板15dの鋸刃状の下端15fが各連結サポートバー14の折返し補強部14cの内側底面に接し、固定金具15の各傾斜板15cが各連結サポートバー14の折返し補強部14cの上端に接している。
また、各連結サポートバー14が太陽電池モジュール12の幅と同一の長さを有し、各連結サポートバー14の長手方向においては各連結サポートバー14の両端位置と太陽電池モジュール12の両端位置が一致するため、隣り合う各太陽電池モジュール12の連結サポートバー14の接続部14fが突き合わされると、隣り合う各太陽電池モジュール12の太陽電池パネル16が概ね隙間なく隣接し合う。従って、各太陽電池モジュールの間には、太陽光発電に寄与しない空きスペースが殆どない。
この状態で、アンカーボルト17にナット19がねじ込まれ、ナット19が締め付けられて、各連結サポートバー14の接続部14fがベース11の溝13の底面13aと固定金具15の各側板15dとの間に挟み込まれて固定される。このとき、固定金具15の各側板15dの鋸刃状の下端15fが各連結サポートバー14の折返し補強部14cの内側底面に圧接して食い込み、各連結サポートバー14が強固に固定され、隣り合う各太陽電池モジュール12も強固に固定される。
このナット19の取付け及び締め付け作業は、ナット19及びラチェットレンチ等の工具を図9、図10に示す太陽電池パネル16の裏面と連結サポートバー14の接続部14fとの間の開口部位Sに通して、ナット19をアンカーボルト17にねじ込み、ラチェットレンチによりナット19を締め付けることにより行うことができる。
ここで、ベース11の溝13の底面13aは、Y方向でベース11の搭載傾斜面11eと同様の角度で傾斜し、またX方向で傾斜していない。このため、図13、図14に示すように連結サポートバー14の接続部14fをベース11の溝13の底面13aと固定金具15との間に挟み込んで固定した状態では、図1〜図4に示すようにY方向で、連結サポートバー14の主板14aがベース11の搭載傾斜面11eと同様の角度で傾斜し、連結サポートバー14の主板14aと平行な太陽電池モジュール12の受光面も同様の角度で傾斜して太陽の方向に概ね向く。また、X方向では、連結サポートバー14の主板14aが水平に支持され、太陽電池モジュール12のX方向の端部が水平に保持される。
次に、図15〜図17等を参照しつつ、そのような太陽電池モジュールの設置方法を説明する。
まず、図15に示すように複数のベース11を太陽電池モジュール12の横幅と同一ピッチでかつ平行に配して地面に置く。このとき、各ベース11の列の方向(X方向)を東西方向に向け、各ベース11の列と直交する方向(Y方向)を南北方向に向ける。
一方、図5に示すように3枚の太陽電池パネル16を並べて配置して、各連結サポートバー14を各太陽電池パネル16の裏面に接着し、太陽電池モジュール12を組立てる。この太陽電池モジュール12の組立作業は、架台及び太陽電池モジュール12の設置現場で実施するのが好ましい。これは、太陽電池モジュール12の裏面側から各連結サポートバー14が突出しているので、多数の太陽電池モジュール12を積み重ねると、その容積が大きくなり過ぎて、その運搬が困難なためである。これに対して太陽電池パネル16は、矩形平板状のものであるから、多数のものを積み重ねても、その容積が大きくなり過ぎることはない。また、連結サポートバー14は、棒状のものであるから、多数のものを束ねれば、その容積を小さく収めることができる。このため、太陽電池パネル16、連結サポートバー14を別々に纏めて運搬して、架台の設置現場で太陽電池モジュール12を組立てるのが好ましい。
次に、複数の太陽電池モジュール12を各ベース11の搭載傾斜面11eに順次架け渡して設置する。このとき、各ベース11の溝13別に、図13、図14に示すようにベース11の溝13の底面13aにスペーサ18を配して、図16に示すように隣り合う各太陽電池モジュール12の連結サポートバー14の接続部14fをベース11の溝13に嵌め入れて、図17に示すように固定具の底板15aの穿孔15eにアンカーボルト17を挿し通して、固定具15の各側板15dを各連結サポートバー14の接続部14fに架け渡して配する。
固定具15は、図9、図10に示す太陽電池パネル16の裏面と連結サポートバー14の接続部14fとの間の開口部位Sを通じて各連結サポートバー14の接続部14f上に配することができる。あるいは、ベース11の溝13において各連結サポートバー14の一方を移動させて他方から離間させ、隣り合う各太陽電池モジュール12の間を開けて、固定具15をその間のスペースを通じて各連結サポートバー14の接続部14fの上に配してから、一方の連結サポートバー14をベース11の溝13に沿って移動させ、各連結サポートバー14の接続部14fを突き合わせ、隣り合う各太陽電池モジュール12を接近もしくは隣接させても構わない。
この後、図9、図10に示す太陽電池パネル16の裏面と連結サポートバー14の接続部14fとの間の開口部位Sを通じて、アンカーボルト17にナット19をねじ込み、ラチェットレンチ等の工具によりナット19を締め付けて、隣り合う各太陽電池モジュール12の連結サポートバー14の接続部14fをベース11の溝13の底面13aと固定金具15の各側板15dとの間に挟み込んで固定する。この結果、固定金具15の各側板15dの鋸刃状の下端15fが各連結サポートバー14の折返し補強部14cの内側底面に圧接して食い込み、各連結サポートバー14が強固に固定され、隣り合う各太陽電池モジュール12も強固に固定される。
このように本実施形態の太陽電池モジュール12の設置方法では、隣り合う各太陽電池モジュール12を概ね隙間なく隣接させて配置するので、発電効率の増大を図ることができる。また、隣り合う各太陽電池モジュール12を概ね隙間なく隣接させた状態で、各太陽電池モジュール12の裏面と各連結サポートバー14の接続部14fとの間の開口部位Sを通じて、各連結サポートバー14の接続部14fの固定作業を行うことができる。更に、各太陽電池モジュール12の裏面側においては、ベース11の傾斜搭載面11eサイズ、連結サポートバー14の接続部14fのサイズ、鋼板の厚みに格別な制約がなく、またアンカーボルト17やナット19のサイズにも格別な制約がなく、各連結サポートバー14の接続部14fの固定強度を充分に高くすることができる。このため、3枚の太陽電池パネル16を2本の連結サポートバー14で連結してなる太陽電池モジュール12であって、太陽電池モジュール12の面積が広く、太陽電池モジュール12に受ける風圧が大きくても、太陽電池モジュール12の支持強度が不足することはない。
また、太陽電池モジュール12が2本の連結サポートバー14により3枚の太陽電池パネル16を連結するという簡単な構造であり、その支持構造も太陽電池モジュール12の各連結サポートバー14を各ベース11の搭載傾斜面11eに架け渡して固定するという簡単な構造であることから、部品点数及びコストを大幅に低減することができる。
図18(a)、(b)は、太陽電池モジュールの変形例を部分的に拡大して示す斜視図、及びその太陽電池モジュールの支持構造を示す縦断面図である。この変形例の太陽電池モジュール12Aでは、連結サポートバー14Aの各側板14bの端部を切り欠いて切欠部14gを形成し、また主板14aの端部を切り欠かずに残して、主板14aを太陽電池パネル16の端部まで延ばして接着し、更に各側板14bの端部下側及び各折返し補強部14cの端部を切り欠かずに残して接続部14fとしており、隣り合う各太陽電池モジュール12Aの連結サポートバー14Aの接続部14fを突き合わして、固定具15により各連結サポートバー14Aの接続部14fを併せて押さえ固定している。このような構成においても、隣り合う各太陽電池モジュール12Aを概ね隙間なく隣接させた状態で、各太陽電池モジュール12Aの裏面と各連結サポートバー14Aの接続部14fとの間の開口部位Sを通じて、各連結サポートバー14Aの接続部14fの固定作業を行うことができる。
図19(a)、(b)は、太陽電池モジュールの他の変形例を部分的に拡大して示す斜視図、及びその太陽電池モジュールの支持構造を示す縦断面図である。この他の変形例の太陽電池モジュール12Bでは、断面形状がH型の連結サポートバー21を適用し、連結サポートバー21中央のウェブ21aの端部を切り欠いて切欠部21bを形成し、また連結サポートバー21上側のフランジ21cを太陽電池パネル16の端部まで延ばして接着し、更に下側のフランジ21dの端部の中央部分を切り欠いて、下側のフランジ21dの端部の両側部分を残して接続部21fとしており、隣り合う各太陽電池モジュール12Bの連結サポートバー21の接続部21fを突き合わして、固定具15により各連結サポートバー21の接続部21fを併せて押さえ固定している。このような構成においても、隣り合う各太陽電池モジュール12Bを概ね隙間なく隣接させた状態で、各太陽電池モジュール12Bの裏面と各連結サポートバー21の接続部21fとの間の開口部位Sを通じて、各連結サポートバー21の接続部21fの固定作業を行うことができる。
尚、上記実施形態及び変形例では、各連結サポートバー14の長手方向において各連結サポートバー14の両端位置と太陽電池モジュール12の両端位置を一致させているが、各連結サポートバー14の接続部14fを太陽電池モジュール12の端部から外側に僅かに突き出るように配しても、あるいは各連結サポートバー14の接続部14fを太陽電池モジュール12の端部よりも内側に配してもよい。この場合も、隣り合う各太陽電池モジュール12を概ね隙間なく隣接させて配置した上で、各太陽電池モジュール12の裏面と各連結サポートバー14の接続部14fとの間の開口部位Sを通じて、各連結サポートバー14の接続部14fの固定作業を行うことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態及び変形例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
11 ベース
11e 搭載傾斜面(載置部)
12 太陽電池モジュール
13 溝
14 サポートバー(サポート部材)
14c 折返し補強部(係合部)
14e 切欠部
14f 接続部
15 固定具(固定部材)
15d 側板(係合部)
16 太陽電池パネル
17 アンカーボルト
18 スペーサ
19 ナット
S 開口部位
11e 搭載傾斜面(載置部)
12 太陽電池モジュール
13 溝
14 サポートバー(サポート部材)
14c 折返し補強部(係合部)
14e 切欠部
14f 接続部
15 固定具(固定部材)
15d 側板(係合部)
16 太陽電池パネル
17 アンカーボルト
18 スペーサ
19 ナット
S 開口部位
Claims (9)
- 太陽電池パネルと、
前記太陽電池パネルの裏面に接続され、前記太陽電池パネルの端側で開口部を形成する側面形状を有したサポート部材とを備えたことを特徴とする太陽電池モジュール。 - 請求項1に記載の太陽電池モジュールであって、
前記サポート部材は、前記太陽電池パネルの端部において前記太陽電池パネルの裏面とは離間し、前記太陽電池パネルの端部よりも内側において前記太陽電池パネルの裏面に接続されたことを特徴とする太陽電池モジュール。 - 請求項1又は2に記載の太陽電池モジュールであって、
前記サポート部材の端部は、前記太陽電池パネルの端部と略等しい位置か又は前記太陽電池パネルの内側位置に配され、前記太陽電池パネルの裏面から離間したことを特徴とする太陽電池モジュール。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールであって、
前記太陽電池モジュールは、前記太陽電池パネルを複数並べ、前記各太陽電池パネルの裏面に前記サポート部材を架け渡して固定し、前記サポート部材により前記各太陽電池パネルを連結したものであることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの支持構造であって、
前記太陽電池モジュールの前記サポート部材の端部が載置される載置部と、
前記サポート部材の端部を前記載置部に固定する固定部材とを備えたことを特徴とする太陽電池モジュールの支持構造。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールを複数並べて支持する太陽電池モジュールの支持構造であって、
隣り合う前記各太陽電池モジュールの前記サポート部材の端部が載置される載置部と、
隣り合う前記各太陽電池モジュールの前記サポート部材の端部を前記載置部に併せて固定する固定部材とを備えたことを特徴とする太陽電池モジュールの支持構造。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの設置方法であって、
前記太陽電池モジュールのサポート部材の端部を載置部に載置し、
前記太陽電池モジュールの前記太陽電池パネルの裏面と前記サポート部材との離間した開口部位から挿入された固定部材を、前記太陽電池モジュールの前記サポート部材の端部を押さえるように配置し、
前記開口部位から挿入された工具により前記固定部材を前記載置部に固定することを特徴とする太陽電池モジュールの設置方法。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールを複数並べて設置する太陽電池モジュールの設置方法であって、
隣り合う前記各太陽電池モジュールの前記サポート部材の端部を載置部に載置し、
隣り合う前記各太陽電池モジュールの前記太陽電池パネルの裏面と前記サポート部材との離間した開口部位から挿入された固定部材を、隣り合う前記各太陽電池モジュールの前記サポート部材の端部を併せて押さえるように配置し、
前記開口部位から挿入された工具により前記固定部材を前記載置部に固定することを特徴とする太陽電池モジュールの設置方法。 - 請求項5又は6に記載の太陽電池モジュールの支持構造を用いた太陽光発電システム。
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