JP2013147825A - 作業機械の電動モータの冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業機械の油圧回路を流れる作動油を冷媒として電動モータを冷却する際、電動モータの発熱状態に応じて冷媒の流量を調節できるようにすること。
【解決手段】作動油を冷媒としてモータ・ジェネレータ51、旋回モータ12を冷却する冷却通路61が、パラレル回路26から分岐し、制御弁22,23の全ての下流でセンタバイパスライン25に接続された通路から成り、ブーム用、アーム用、旋回用操作レバー装置32,33,34からの指令信号Sr,Sb,Saに基づき冷却制御処理手段45および圧力制御弁70によって流量制御弁69を制御することで、パラレル回路26から冷却通路61に導かれる作動油の流量を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、作業機械を駆動するための電動モータを冷却する作業機械の電動モータの冷却装置に関する。
油圧式の作業機械は、油圧アクチュエータに供給する作動油を吐出するメインポンプ(油圧ポンプ)を含む油圧回路を備える。メインポンプの駆動方式には、電動モータを用いる方式として、内燃機関(ディーゼルエンジン)と電動モータとを用いるハイブリッド式と、内燃機関を用いずに電動モータのみを用いる電動式とがある。また、走行および旋回についてはメインポンプの吐出油を用いずに電動モータのみを用いて行う作業機械も存在する。何れの作業機械においても、電動モータには冷却装置が必要である。
作業機械に冷却装置を設けるにあたっては、その冷却装置の占有スペースの縮小、コストダウンが要望されており、この要望に応える従来の冷却装置が、特許文献1に開示されている。
その特許文献1に開示された冷却装置は、作業機械のメイン回路(油圧回路)、または、作業機械のパイロット回路(油圧回路)を利用したものである。
まず、メイン回路を利用した冷却装置について説明する。
メイン回路は、メインポンプ(油圧ポンプ)と、作動油タンクと、メインポンプから油圧アクチュエータに供給される作動油の流れを制御する複数の制御弁(コントロールバルブ)と、複数の制御弁から排出された作動油(戻り油)を作動油タンクに導く戻り油ライン(センタバイパスライン)とを備える。そして、冷却装置は、メイン回路を流れる作動油を電動モータを冷却する冷媒として利用するための冷却通路を備える。この冷却通路は、複数の制御弁のうちの最下流(最も作動油タンク側)に位置するものと作動油タンクとの間で戻り油ラインに並列して設けられ、電動モータの周囲にリング状、または螺旋状に配置されている。この冷却通路に戻り油が導入されることで、戻り油が冷媒となって電動モータを冷却する。
次に、パイロット回路を利用した冷却装置について説明する。
前述の制御弁は油圧パイロット式の弁であり、パイロット回路は、パイロットポンプ(油圧ポンプ)と、制御弁に与えるパイロット圧を、パイロットポンプの吐出圧を1次圧として生成するリモコン弁と、パイロットポンプの吐出圧の一部を作動油タンクに排出することによって、そのパイロットポンプの吐出圧を規制するリリーフ弁(パイロットリリーフ弁)とを備える。そして、冷却装置は、パイロット回路を流れる作動油を電動モータを冷却する冷媒として利用するための冷却通路を備える。この冷却通路は、リリーフ弁から排出された作動油(戻り油)を作動油タンクに導く戻り油ラインに並列して設けられ、電動モータの周囲にリング状、または螺旋状に配置されている。この冷却通路に戻り油が導入されることで、戻り油が冷媒となって電動モータを冷却する。
前述したように、メイン回路を利用した冷却装置、および、パイロット回路を利用した冷却装置においては、冷却通路に冷媒を供給する管路と、冷却通路からの冷媒を排出させる管路とが、メイン回路またはパイロット回路に含まれるため、冷却装置の設置にあたって冷却装置の占有スペースを縮小でき、かつコストダウンできる。
特開2010−168825公報
前述のように特許文献1にはメイン回路を利用した冷却装置が開示されている。この冷却装置における冷媒はセンタバイパスラインを流れる戻り油であり、そのセンタバイパスラインには複数の制御弁が設けられているため、冷媒の流量は、電動モータの発熱状態に関係なく、それらの制御弁の弁位置の変化に伴って変化する。
前述のように特許文献1にはパイロット回路を利用した冷却装置も開示されている。この冷却装置における冷媒は、リリーフ弁から作動油タンクに延びた戻り油ラインを流れる戻り油であり、この戻り油の流量は制御弁の操作時と非操作時とで変動するが、電動モータの発熱状態に関係なく、略一定である。
つまり、特許文献1に開示された冷却装置は、冷媒の流量を、電動モータの発熱状態に応じて調節することが考慮されたものではなかった。
なお、前述のパイロット回路を利用して冷却装置を設置するにあたり、既設のパイロットポンプを利用した場合、パイロットポンプは、センタバイパスライン上の制御弁などに対するパイロット操作に必要な流量が確保できる容量であればよいため、電動モータから発せられる熱量によっては冷媒の流量(戻り油の流量)が不足する可能性がある。そこで、常に冷媒の流量が足りるようパイロットポンプの容量を大きく設計することが考えられる。しかし、リリーフ弁を通じて作動油タンクに排出される戻り油の流量を増加させることは、パイロットポンプの駆動に関してエネルギーロスを増大させることになり、好ましくない。
本発明は前述の事情を考慮してなされたものであり、その目的は、作業機械の油圧回路を流れる作動油を冷媒として電動モータを冷却する際、電動モータの発熱状態に応じて冷媒の流量を調節することができる作業機械の電動モータの冷却装置を提供することにある。
前述の目的を達成するために本発明の作業機械の電動モータの冷却装置は次のように構成されている。
本発明の作業機械の電動モータの冷却装置は、作業機械を駆動および制御するための油圧回路と、この油圧回路を流れる作動油を冷媒として電動モータを冷却する冷却手段とを備える作業機械の電動モータの冷却装置であって、前記油圧回路は、作業機械を駆動する複数の油圧アクチュエータと、前記複数の油圧アクチュエータに供給される作動油を吐出するメインポンプと、前記メインポンプから前記複数の油圧アクチュエータのそれぞれに供給される作動油の流れを制御する複数のオープンセンタ式の制御弁と、前記複数の制御弁から排出された作動油を作動油タンクに導くセンタバイパスラインと、前記複数の制御弁を前記メインポンプに対してパラレルに接続するパラレル回路と、を備え、前記冷却手段は、前記パラレル回路から分岐し、前記複数の制御弁の全ての下流で前記センタバイパスラインに接続された通路であって、前記パラレル回路から導入した作動油を冷媒として前記電動モータを冷却する冷却通路と、前記パラレル回路から前記冷却通路に導かれる作動油の流量を、前記電動モータの発熱状態に応じて制御する冷却流量制御手段と、を備えることを特徴とする。
このように構成された本発明の冷却装置において、冷却通路は、パラレル回路から分岐した通路であるから、従来のようにセンタバイパスライン上での制御弁の弁位置の変化に伴って冷媒の流量が変化してしまうことを防止できる。
このようにセンタバイパスライン上での制御弁の弁位置の変化に伴って冷媒の流量が変化してしまうことが防止された状態で、冷却流量制御手段は、パラレル回路から冷却通路に導かれる作動油の流量を、電動モータの発熱状態に応じて制御する。これにより、油圧回路を流れる作動油を冷媒として電動モータを冷却する際、電動モータの発熱状態に応じて冷媒の流量を調節することができる。
本発明の作業機械の電動モータの冷却装置は、前述のように構成された冷却装置において、前記油圧回路は、パイロットポンプと、このパイロットポンプの吐出圧を規制するリリーフ弁とを備え、前記制御弁は、前記パイロットポンプの吐出圧を油圧源として生成されるパイロット圧により作動する前記油圧パイロット式の弁であり、前記冷却手段は、前記リリーフ弁から排出された作動油を前記冷却通路に導く接続管路を備えることを特徴とするものであってもよい。
このように構成された本発明の冷却装置においては、パイロットポンプの吐出油がリリーフ弁および接続管路を通じて冷却通路に供給される。そのリリーフ弁から作動油タンクに導かれる作動油(戻り油)の流量は、制御弁の操作時と非操作時とで変動するが略一定である。したがって、冷却通路に定常的に冷媒となる作動油を供給することができる。
本発明の作業機械の電動モータの冷却装置は、前述のように構成された冷却装置において、前記冷却流量制御手段は、前記パラレル回路から前記冷却通路に導かれる作動油の流量を、前記電動モータの温度に基づいて制御することを特徴とするものであってもよい。
電動モータの温度は、電動モータから発せられる熱量が大きいほど高いので、冷却流量制御手段は、パラレル回路から冷却通路に導かれる作動油の流量を、電動モータの温度に基づいて制御することにより、電動モータの発熱状態に応じて冷媒の流量を制御することができる。
本発明の作業機械の電動モータの冷却装置は、前述のように構成された冷却装置において、前記冷却流量制御手段は、前記パラレル回路から前記冷却通路に導かれる作動油の流量を、前記電動モータの回転速度に基づいて制御することを特徴とするものであってもよい。
電動モータから発せられる熱量は、電動モータの回転が速いほど大きいので、冷却流量制御手段は、パラレル回路から冷却通路に導かれる作動油の流量を、電動モータの回転速度に基づいて制御することにより、冷媒の流量を電動モータの発熱状態に応じて冷媒の流量を制御することができる。
なお、冷媒の流量を制御する際に用いられる電動モータの回転速度は、実際の電動モータの回転速度であってもよいし、電動モータの回転速度の制御の際に用いられる電動モータの目標回転速度であってもよい。
本発明の作業機械の電動モータの冷却装置は、前述のように構成された冷却装置において、前記冷却流量制御手段は、前記冷却通路と前記センタバイパスラインとに跨って設けられた流量制御弁を備え、この流量制御弁を、前記電動モータの発熱状態に応じて制御するものであり、前記流量制御弁は、前記パラレル回路から前記冷却通路に導かれる作動油の流量を増加させることと、前記センタバイパスラインから前記作動油タンクに導かれる作動油の流量を減少させこととを並行して行う弁であることを特徴とするものであってもよい。
このように構成された本発明の冷却装置において、冷却流量制御手段は、電動モータから発せられる熱量が増加した場合に、パラレル回路から冷却通路に導かれる作動油の流量を増加させることと、センタバイパスラインから作動油タンクに導かれる作動油の流量を減少させこととを、流量制御弁に並行させる。これにより、油圧アクチュエータの駆動よりも優先させて電動モータの冷却を行うことができる。
本発明の作業機械の電動モータの冷却装置は、前述のように、作業機械の油圧回路を流れる作動油を冷媒として電動モータを冷却する際、電動モータの発熱状態に応じて冷媒の流量を調節することができる。
本発明に係る作業機械であるクローラ式油圧ショベルの側面図である。 図1に示したクローラ式油圧ショベルに備えられ、本発明の第1の実施形態の冷却装置を含む油圧駆動装置を示す図である。 図1に示したクローラ式油圧ショベルに備えられ、本発明の第2の実施形態の冷却装置を含む油圧駆動装置を示す図である。 図1に示したクローラ式油圧ショベルに備えられ、本発明の第3の実施形態の冷却装置を含む油圧駆動装置を示す図である。 本発明に係る作業機械であるホイール式油圧ショベルの側面図である。 図5に示したホイール式油圧ショベルに備えられ、本発明の第4の実施形態の冷却装置を含む油圧駆動装置を示す図である。
以下、本発明の作業機械の電動モータの冷却装置の実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
本発明の冷却装置の第1の実施形態について図1,図2を用いて説明する。
第1の実施形態の冷却装置は、例えば図1に示すクローラ式油圧ショベル1に適用されるものである。このクローラ式油圧ショベル1は、履帯2aを駆動して走行する走行体2と、この走行体2に旋回ベアリング16を介して旋回可能に結合した旋回体3と、この旋回体3に俯仰可能に設けられたフロント作業装置7とを備える。
旋回体3は、フロント作業装置4の左側方に位置するキャブ4と、このキャブ4の後方に設けられた機械室5と、この機械室5の後方に設けられたカウンタウェイト6とを備える。フロント作業装置7は、旋回体3に俯仰可能に結合したブーム8、このブーム8に回動可能に結合したアーム9、このアーム9に回動可能に結合したバケット10と備える。
走行体2の駆動には、油圧モータから成る走行モータ11が用いられ、旋回体3の駆動には電動モータから成る旋回モータ12が用いられ、ブーム8、アーム9およびバケット10のそれぞれの駆動には、油圧シリンダから成るブームシリンダ13、アームシリンダ14およびバケットシリンダ15のそれぞれが用いられる。
クローラ式油圧ショベル1は、走行モータ11、旋回モータ12、ブームシリンダ13、アームシリンダ14、バケットシリンダ15を駆動するための油圧駆動装置20を備える。図2には、ブームシリンダ13、アームシリンダ14の駆動に係る油圧回路の一部を示したが、走行モータ11、バケットシリンダ15の駆動に係る油圧回路は省略した。
図2に示す油圧駆動装置20は、ブームシリンダ13、アームシリンダ14に供給される作動油を吐出するメインポンプ21(可変容量型油圧ポンプ)と、このメインポンプ21からブームシリンダ13、アームシリンダ14のそれぞれに供給される作動油の流れを制御するオープンセンタ式で油圧パイロット式のブーム用制御弁22およびアーム用制御弁23と、これらブーム用制御弁22およびアーム用制御弁23から排出された作動油を作動油タンク24に導くセンタバイパスライン25と、ブーム用制御弁22およびアーム用制御弁23をメインポンプ21に対してパラレルに接続するパラレル回路26と、ブーム用制御弁22およびアーム用制御弁23に与えるパイロット圧の油圧源であるパイロットポンプ30(定容量型油圧ポンプ)と、このパイロットポンプ30の吐出圧を規制するリリーフ弁31とを備える。
メインポンプ21およびパイロットポンプ30は、ディーゼルエンジン50およびモータ・ジェネレータ51の少なくとも一方により駆動されるようになっている。
油圧駆動装置20はさらに、ブーム用操作レバー装置32およびアーム用操作レバー装置33と、コントローラ40とを備える。ブーム用操作レバー装置32はブームシリンダ13の動作を指令するためのものであり、操作レバー32aの操作量に相応する指令信号Sb(電気信号)を出力するようになっている。コントローラ40は、CPU、ROMおよびRAMを備えたマイクロコンピュータであり、コンピュータプログラムで設定された手段であるブーム用制御処理手段41を備える。このブーム用制御処理手段41は、ブーム用操作レバー装置32からの指令信号Sbに基づき、図示省略したブーム用比例電磁弁を制御する。これによって、ブーム用比例電磁弁は、パイロットポンプ30の吐出圧を1次圧として導入し、ブーム用制御弁22に与えるパイロット圧を生成する。
アーム用操作レバー装置33はアームシリンダ14の動作を指令するためのものであり、操作レバー33aの操作量に相応する指令信号Sa(電気信号)を出力するようになっている。コントローラ40は、コンピュータプログラムで設定された手段であるアーム用制御処理手段42を備える。このアーム用制御処理手段42は、アーム用操作レバー装置33からの指令信号Saに基づき、図示省略したアーム用比例電磁弁を制御する。これによって、アーム用比例電磁弁は、パイロットポンプ30の吐出圧を1次圧として導入し、アーム用制御弁23に与えるパイロット圧を生成する。
コントローラ40は、コンピュータプログラムで設定された手段であるポンプ流量制御処理手段43を備える。このポンプ流量制御処理手段43は、ブーム用操作レバー装置32からの指令信号Sbおよびアーム用操作レバー装置33からの指令信号Saの少なくとも一方に基づき、メインポンプ21のレギュレータ21aを制御するものである。レギュレータ21aが制御されることによって、メインポンプ21の押し退け容積が制御される。
油圧駆動装置20はさらに、旋回用操作レバー装置34を備える。この旋回用操作レバー装置34は旋回モータ12の動作を指令するためのものであり、操作レバー34aの操作量に相応する指令信号Sr(電気信号)を出力するようになっている。コントローラ40は、コンピュータプログラムで設定された手段であるインバータ制御処理手段44を備える。このインバータ制御処理手段44は、旋回用操作レバー装置34からの指令信号Srに基づき、旋回モータ12の目標回速度を算出し、この目標回転速度に基づきインバータ52を制御するものである。
また、インバータ制御処理手段44は、メインポンプ21およびパイロットポンプ30の駆動するディーゼルエンジン50をモータ・ジェネレータ51にアシストさせる際に、モータ・ジェネレータ51の目標回転速度に基づきインバータ52を制御するものである。
インバータ52は、モータ・ジェネレータ51と旋回モータ12に供給する電力を制御するものであり、旋回用操作レバー装置34からの指令信号Srに基づきインバータ制御処理手段44に制御されることによって、目標回転速度で旋回モータ12を回転させるための電力を旋回モータ12に供給する。また、インバータ52は、モータ・ジェネレータ51の目標回転数に基づきインバータ制御処理手段44により制御されることによって、ディーゼルエンジン50のアシストに必要な回転速度でモータ・ジェネレータ51を回転させるための電力をモータ・ジェネレータ51に供給する。インバータ52が旋回モータ12に電力を供給する際の電源は、クローラ式油圧ショベル1に搭載された蓄電装置(図示省略)、および、モータ・ジェネレータ51の少なくともの一方である。また、インバータ52がモータ・ジェネレータ51に電力を供給する際の電源は蓄電装置である。
油圧駆動装置20はさらに、油圧回路を流れる作動油を冷却するオイルクーラ60を備える。
本発明の冷却装置の第1の実施形態は、油圧駆動装置20の油圧回路を利用したものであり、その油圧回路を流れる作動油を冷媒としてインバータ52、モータ・ジェネレータ51および旋回モータ12(電動モータ)を冷却する冷却手段を備える。この冷却手段は、冷却通路61と、流量制御弁69と、圧力制御弁70と、コントローラ40に設けられた冷却制御処理手段45とから構成されている。なお、冷却制御処理手段45と圧力制御弁70と流量制御弁69は、本発明における冷却流量制御手段を構成している。
冷却手段を構成する冷却通路61、流量制御弁69、圧力制御弁70および冷却制御処理手段45について詳細に説明する。
冷却通路61は、パラレル回路26を流れる作動油を、インバータ52、モータ・ジェネレータ51および旋回モータ12に導くように形成された通路であり、パラレル回路26から分岐し、ブーム用制御弁22およびアーム用制御弁23の下流でオイルクーラ60を介してセンタバイパスライン25に接続された通路である。具体的には、冷却通路61は、インバータ52、モータ・ジェネレータ51および旋回モータ12のそれぞれの周囲に環状に配置された中空の冷却ジャケット62,63,64と、パラレル回路26からインバータ52の冷却ジャケット62に作動油を導く分岐管路65と、インバータ52の冷却ジャケット62からモータ・ジェネレータ51の冷却ジャケット63に作動油を導く連結管路66と、モータ・ジェネレータ51の冷却ジャケット63から旋回モータ12の冷却ジャケット64に作動油を導く連結管路67と、旋回モータ12の冷却ジャケット64からオイルクーラ60に作動油を導く連結管路68とから構成されている。なお、冷却ジャケット62,63,64は環状に限定されるものではなく、冷却対象であるインバータ52、モータ・ジェネレータ51および旋回モータ12の表面を囲む形状または覆う形状であって、作動油が流通可能な中空の構造体であればよく、リング状の構造体の代わりに例えば螺旋状の構造体であってもよい。
流量制御弁69は、冷却通路61とセンタバイパスライン25とに跨って設けられた油圧パイロット式でスプリングリターン式の弁である。この流量制御弁69は、センタバイパスライン25を開放し、かつ冷却通路61を閉鎖する初期位置69aと、センタバイパスライン25を閉鎖し、かつ冷却通路61を開放する作動位置69bとの間で無段階に弁位置の変更が可能な弁である。つまり、流量制御弁69は、初期位置69aから作動位置69bの方向に弁位置が変更されることによって、パラレル回路26から冷却通路61に導かれる作動油の流量を増加させることと、センタバイパスライン25から作動油タンク24に導かれる作動油の流量を減少させこととを並行して行い、逆に、作動位置69bから初期位置69aの方向に弁位置を変更されることによって、パラレル回路26から冷却通路61に導かれる作動油の流量を減少させることと、センタバイパスライン25から作動油タンク24に導かれる作動油の流量を増加させることとを並行して行う。
圧力制御弁70は比例電磁弁であり、流量制御弁69に与えるパイロット圧をソレノイドに与えられる電流の大きさに応じて生成するものである。そのパイロット圧の油圧源はパイロットポンプ30である。
冷却制御処理手段45は、コンピュータプログラムにより設定された手段であり、旋回用操作レバー装置34からの指令信号Srに基づいて、すなわち、旋回モータ12の目標回転速度に基づいて、圧力制御弁70を制御するようになっている。より詳細には、旋回モータ12の目標回転速度の絶対値が大きいほど大きなパイロット圧を圧力制御弁70に生成させる、すなわち、冷却通路61を開放する流量制御弁69の開度を大きく制御するようになっている。旋回モータ12から発せられる熱量は、旋回モータ12の回転が速いほど大きいので、冷却制御処理手段45は、パラレル回路26から冷却通路61に導かれる作動油の流量を旋回モータ12の目標回転速度に基づいて制御することにより、旋回モータ12の発熱状態に応じて冷媒の流量を制御することになる。
冷却制御処理手段45はさらに、ディーゼルエンジン50をモータ・ジェネレータ51がアシストする際に、モータ・ジェネレータ51の目標回転速度に基づいて圧力制御弁70を制御するようになっている。より詳細には、モータ・ジェネレータ51の目標回転速度の絶対値が大きいほど大きなパイロット圧を圧力制御弁70に生成させる、すなわち、冷却通路61を開放する流量制御弁69の開度を大きく制御するようになっている。モータ・ジェネレータ51から発せられる熱量はモータ・ジェネレータ51の回転が速いほど大きいので、冷却制御処理手段45は、パラレル回路26から冷却通路61に導かれる作動油の流量をモータ・ジェネレータ51の目標回転速度に基づいて制御することにより、モータ・ジェネレータ51の発熱状態に応じて冷媒の流量を制御することになる。
なお、インバータ52から発せられる熱量は、旋回モータ12およびモータ・ジェネレータ51を速く回転させる場合ほど大きくなるので、旋回モータ12の発熱状態およびモータ・ジェネレータ51の発熱状態に応じて冷媒の流量が制御されることに伴って、インバータ52の発熱状態に応じて冷媒の流量が制御されることになる。
冷却制御処理手段45はさらに、ブーム用操作レバー装置32からの指令信号Sb、アーム用操作レバー装置33からの指令信号Sa、旋回用操作レバー装置34からの指令信号Srの何れも入力されていないスタンバイ状態において、流量制御弁69が所定の開度で冷却通路61を開放した状態に維持されるよう、圧力制御弁70に所定のパイロット圧を生成させた状態を維持するようになっている。つまり、冷却制御処理手段45は、スタンバイ状態においてもパラレル回路26から冷却通路61に作動油が供給される状態を維持するようになっている。
冷却制御処理手段45はさらに、ブーム用操作レバー装置32からの指令信号Sb、アーム用操作レバー装置33からの指令信号Sa、旋回用操作レバー装置34からの指令信号Srの何れか、または全てが入力された状態からスタンバイ状態に移行したとき、そのスタンバイ状態になった時点から所定時間が経過したタイミングで流量制御弁69の開度が前述の所定の開度となるよう圧力制御弁70を制御するようになっている。つまり、ブーム用操作レバー装置32からの指令信号Sb、アーム用操作レバー装置33からの指令信号Saの何れもコントローラ40に入力されなくなったことに伴ってモータ・ジェネレータ51が停止されたときにモータ・ジェネレータには余熱があり、また、旋回用操作レバー装置34からの指令信号Srがコントローラ40に入力されなくなったことに伴って旋回モータ12が停止させられたときに旋回モータ12には余熱があるため、冷却制御処理手段45はモータ・ジェネレータ51の停止後および旋回モータ12の停止後に所定時間が経過するまでは冷却を継続し、これによって、その余熱を冷ますようになっている。
第1の実施形態によれば次の効果を得られる。
第1の実施形態において、冷却通路61はインバータ52、モータ・ジェネレータ51および旋回モータ12のそれぞれの冷却ジャケット62,63,64を連結管路66,67で一筋に連結したものであるから、インバータ52、モータ・ジェネレータ51および旋回モータ12をまとめて冷却することができる。
第1の実施形態において、冷却通路61はパラレル回路26から分岐した通路であるから、センタバイパスライン25上でのブーム用制御弁22およびアーム用制御弁23のそれぞれの弁位置の変化に伴って冷媒の流量が変化してしまうことを防止できる。
第1の実施形態においては、センタバイパスライン25上でのブーム用制御弁22およびアーム用制御弁23のそれぞれの弁位置の変化に伴って冷媒の流量が変化してしまうことを防止された状態で、冷却制御処理手段45、圧力制御弁70および流量制御弁69が、パラレル回路26から冷却通路61に導かれる作動油の流量を、モータ・ジェネレータ51の目標回転速度に基づいて制御する。これにより、油圧駆動装置20の油圧回路を流れる作動油を冷媒としてモータ・ジェネレータ51(電動モータ)を冷却する際、モータ・ジェネレータ51の発熱状態に応じて冷媒の流量を調節することができる。
第1の実施形態においては、センタバイパスライン25上でのブーム用制御弁22およびアーム用制御弁23の弁位置の変化に伴って冷媒の流量が変化してしまうことが防止された状態で、冷却制御処理手段45、圧力制御弁70および流量制御弁69が、パラレル回路26から冷却通路61に導かれる作動油の流量を、旋回モータ12の目標回転速度に応じて制御する。これにより、油圧駆動装置20の油圧回路を流れる作動油を冷媒として旋回モータ12(電動モータ)を冷却する際、旋回モータ12の発熱状態に応じて冷媒の流量を調節することができる。
第1の実施形態においては、冷却制御処理手段45、圧力制御弁70および流量制御弁69が、パラレル回路26から冷却通路61に導かれる作動油の流量を、モータ・ジェネレータ51の目標回転速度および旋回モータ12の目標回転速度に応じて制御することにより、インバータ52の発熱状態に応じて冷媒の流量を調節することができる。
第1の実施形態において、冷却制御処理手段45は、モータ・ジェネレータ51または旋回モータ12から発せられる熱量が増加した場合に、パラレル回路26から冷却通路61に導かれる作動油の流量を増加させることと、センタバイパスライン25から作動油タンク24に導かれる作動油の流量を減少させこととを、流量制御弁69に並行させる。これにより、ブームシリンダ13およびアームシリンダ14の駆動よりも優先させてインバータ52、モータ・ジェネレータ51および旋回モータ12の冷却を行うことができる。
なお、前述した第1の実施形態において、冷媒の流量を制御する際に用いられる旋回モータの回転速度は、旋回モータ12の目標回転速度であったが、直接的に検出された実際の旋回モータ12の回転速度であってもよい。
前述した第1の実施形態において、冷却制御処理手段45はモータ・ジェネレータ51の停止後の余熱、または旋回モータ12の停止後の余熱を冷ますことを目的として、スタンバイ状態となった時点から所定時間が経過したタイミングで流量制御弁69の開度がその所定の開度となるよう圧力制御弁70を制御するようになっているが、その目的は、所定時間を掛けて徐々に流量制御弁69の開度が所定の開度となるよう圧力制御弁70を制御することで達成してもよい。
[第2の実施形態]
本発明の冷却装置の第2の実施形態について図3を用いて説明する。図3に示したもののうち図2に示したものと同じものに対しては、図2と同じ符号を付してある。
第2の実施形態は、インバータ52、モータ・ジェネレータ51、旋回モータ12のそれぞれに設けられた温度センサ101,102,103と、第1の実施形態における冷却制御処理手段45とは異なる冷却制御処理手段145とを備える。その冷却制御処理手段145は、温度センサ101,102,103により検出された温度Ti,Tmg,Trに基づいて圧力制御弁70を制御するものである。
冷却制御処理手段145は、より詳細には、インバータ52の冷却が必要な温度として予め設定された閾値を温度Tiが超えた場合と、モータ・ジェネレータ51の冷却が必要な温度として予め設定された閾値を温度Tmgが超えた場合と、旋回モータ12の冷却が必要な温度として予め設定された閾値を温度Trが超えた場合とに、その温度(Ti,TmgまたはTr)が高いほど流量制御弁69の開度が大きくなるよう圧力制御弁70を制御するものである。
インバータ52の温度Tiは、インバータ52から発せられる熱量が大きいほど高く、モータ・ジェネレータ51の温度Tmgは、モータ・ジェネレータ51から発せられる熱量が大きいほど高く、旋回モータ12の温度Trは、旋回モータ12から発せられる熱量が大きいほど高いので、冷却制御処理手段145は、パラレル回路26から冷却通路61に導かれる作動油の流量を、インバータ52の温度Ti、モータ・ジェネレータ51の温度Tmgまたは旋回モータ12の温度Trに基づいて制御することにより、インバータ52、モータ・ジェネレータ51または旋回モータ12の発熱状態に応じて冷媒の流量を制御することになる。
第2の実施形態によれば次の効果を得られる。
第2の実施形態においては第1の実施形態とは異なり、モータ・ジェネレータ51の温度Tmgが閾値を超えた状態において、冷却制御処理手段145、圧力制御弁70および流量制御弁69が温度Tmgに基づき、パラレル回路26から冷却通路61に供給される作動油の流量を制御する。これにより、油圧駆動装置310の油圧回路を流れる作動油を冷媒としてモータ・ジェネレータ51を冷却する際、モータ・ジェネレータ51の発熱状態に応じて冷媒の流量を調節することができる。
第2の実施形態においては第1の実施形態とは異なり、旋回モータ12の温度Trが閾値を超えた状態において、冷却制御処理手段145、圧力制御弁70および流量制御弁69が、温度Trに基づき、パラレル回路26から冷却通路61に供給される作動油の流量を制御する。これにより、油圧駆動装置310の油圧回路を流れる作動油を冷媒として旋回モータ12を冷却する際、旋回モータ12の発熱状態に応じて冷媒の流量を調節することができる。
第2の実施形態においては第1の実施形態とは異なり、インバータ52の温度Tiが閾値を超えた状態において、冷却制御処理手段145、圧力制御弁70および流量制御弁69が温度Tiに基づき、パラレル回路26から冷却通路61に供給される作動油の流量を制御する。これにより、油圧駆動装置310の油圧回路を流れる作動油を冷媒としてインバータ52を冷却する際、インバータ52の発熱状態に応じて冷媒の流量を調節することができる。
第2の実施形態は第1の実施形態とは異なり、インバータ52の温度Ti、モータ・ジェネレータ51の温度Tmg、旋回モータ12の温度Trの何れか1つでも、それらの温度Ti、Tmg、Tr毎に設定された閾値を超えた場合に、冷却制御処理手段145、圧力制御弁70および流量制御弁69が、その閾値を超えた温度Ti、TmgまたはTrに応じて、パラレル回路26から冷却通路61に供給される作動油の流量を制御する。これにより、インバータ52、モータ・ジェネレータ51または旋回モータ12のうち冷却の必要度が最も高いものの温度に応じて冷媒の流量を調節することができる。
第2の実施形態においては第1の実施形態と同様に、冷却通路61はインバータ52、モータ・ジェネレータ51および旋回モータ12をまとめて冷却することができ、また、センタバイパスライン25上でのブーム用制御弁22およびアーム用制御弁23のそれぞれの弁位置の変化に伴って冷媒の流量が変化してしまうことを防止できる。また、冷却制御処理手段145は、ブームシリンダ13およびアームシリンダ14の駆動よりも優先させてインバータ52、モータ・ジェネレータ51および旋回モータ12の冷却を行うことができる。
[第3の実施形態]
本発明の冷却装置の第3の実施形態について図4を用いて説明する。図4に示したもののうち図2に示したものと同じものに対しては、図2と同じ符号を付してある。
第3の実施形態は、リリーフ弁31から排出された作動油を冷却通路61に導く接続管路201と、第1の実施形態における冷却制御処理手段45とは異なる冷却制御処理手段245を備える。
冷却制御処理手段245は、ブーム用操作レバー装置32からの指令信号Sb、アーム用操作レバー装置33からの指令信号Sa、旋回用操作レバー装置34からの指令信号Srの何れかが入力されていた状態からスタンバイ状態になった場合に、第1の実施形態における冷却制御処理手段45とは異なる圧力制御弁70の制御を行うようになっている。具体的には、冷却制御処理手段245は、スタンバイ状態になったタイミングで圧力制御弁70への電流の供給を停止する、すなわち、流量制御弁69の弁位置を初期位置69aに戻すようになっている。
なお、冷却制御処理手段245は、ブーム用操作レバー装置32からの指令信号Sb、アーム用操作レバー装置33からの指令信号Sa、旋回用操作レバー装置34からの指令信号Srの何れか、または全てが入力されている状態においては、第1の実施形態における冷却制御処理手段45と同様に、ディーゼルエンジン50をアシストする際のモータ・ジェネレータ51の目標回転速度および旋回モータ12の目標回転速度に基づき、圧力制御弁70を介して流量制御弁69を制御するようになっている。
第3の実施形態によれば次の効果を得られる。
第3の実施形態においては第1の実施形態と異なり、流量制御弁69により冷却通路61が閉鎖された状態であっても、リリーフ弁31から排出された作動油が接続管路201を通じて冷却通路61に供給されるため、冷却制御処理手段245は、スタンバイ状態において圧力制御弁70への電流の供給を停止する、すなわち、流量制御弁69の弁位置を初期位置69aに戻すようになっている。このことから、スタンバイ状態において圧力制御弁70にパイロット圧を生成させる制御を行わせずに済む分、圧力制御弁70の制御に係るコンピュータプログラムを第1の実施形態よりも簡素化できる。
第3の実施形態に第1の実施形態と同様に、冷却通路61はインバータ52、モータ・ジェネレータ51および旋回モータ12をまとめて冷却することができ、また、センタバイパスライン25上での制御弁の弁位置の変化に伴って冷媒の流量が変化してしまうことを防止できる。また、冷却制御処理手段245は、ブームシリンダ13およびアームシリンダ14の駆動よりも優先させてインバータ52、モータ・ジェネレータ51および旋回モータ12の冷却を行うことができる。
[第4の実施形態]
本発明の冷却装置の第4の実施形態について図5,図6を用いて説明する。図5に示すもののうち、図1に示すものと同等のものに対しては図1に付した符号と同じ符号を付してある。また、図6に示すもののうち、図2に示すものと同等のものに対しては図2に付した符号と同じ符号を付してある。
第4の実施形態は、図5に示すホイール式油圧ショベル301に適用されるものである。このホイール式油圧ショベル301における走行体302は、前述のクローラ式油圧ショベル1とは異なる走行体、すなわち、履帯2aの代わりに前輪302aおよび後輪302bを備えるものである。
このホイール式油圧ショベル301においては、走行体302の駆動には電動モータから成る走行モータ311が用いられ、旋回体3の駆動には油圧モータから成る旋回モータ312が用いられ、ブーム8、アーム9、バケット10のそれぞれの駆動には油圧シリンダから成るブームシリンダ13、アームシリンダ14、バケットシリンダ15のそれぞれが用いられる。図6において、旋回に係る油圧回路(旋回用制御弁など)の図示は省略した。
ホイール式油圧ショベル301の油圧駆動装置310は、走行モータ311が電動モータから成ることに関連して、走行用ペダル装置311を備える。この走行用ペダル装置311は、走行モータ311の動作を指令するものであり、操作ペダル311aの踏込み量に相応する指令信号Sm(電気信号)を出力するようになっている。
油圧駆動装置310のコントローラ340は、走行用ペダル装置311からの指令信号Smに基づき、走行モータ311の目標回速度を算出し、この目標回転速度に基づきインバータ352を制御するインバータ制御処理手段344を備える。
インバータ352は、走行モータ311に供給する電力を制御するものであり、インバータ制御処理手段344に制御されることによって、目標回転速度で走行モータ311を回転させるための電力を走行モータ311に供給する。インバータ352が走行モータ311に電力を供給する際の電源は、ホイール式油圧ショベル301に搭載された蓄電装置(図示省略)およびジェネレータ351の少なくとも一方である。
本発明の冷却装置の第4の実施形態は、前述の油圧駆動装置310の油圧回路を利用したものであり、その油圧回路を流れる作動油を冷媒としてインバータ352、ジェネレータ351および走行モータ311(電動モータ)を冷却する冷却手段を備える。この冷却手段は、冷却通路361と、流量制御弁69と、圧力制御弁70と、コントローラ340に設けられた冷却制御処理手段345とから構成されている。なお、冷却制御処理手段345と圧力制御弁70と流量制御弁69は、本発明における冷却流量制御手段を構成している。
冷却手段を構成する冷却通路361、流量制御弁69、圧力制御弁70および冷却制御処理手段345について詳細に説明する。
冷却通路361は、インバータ352、ジェネレータ351および走行モータ311のそれぞれの周囲に環状に配置された中空の冷却ジャケット362,363,364と、パラレル回路26からインバータ352の冷却ジャケット362に作動油を導く分岐管路365と、インバータ352の冷却ジャケット362からジェネレータ351の冷却ジャケット362に作動油を導く連結管路366と、ジェネレータ351の冷却ジャケット362から走行モータ311の冷却ジャケット364に作動油を導く連結管路367と、走行モータ311の冷却ジャケット364からオイルクーラ60に作動油を導く連結管路368とから構成されている。なお、冷却ジャケット362,363,364は環状に限定されるものではなく、冷却対象であるインバータ352、ジェネレータ351および走行モータ311の表面を囲む形状または覆う形状であって、作動油が流通可能な中空の構造体であればよく、リング状の構造体の代わりに例えば螺旋状の構造体であってもよい。
冷却制御処理手段345は、第1の実施形態における冷却制御処理手段45とは異なり、走行用ペダル装置311からの指令信号Smに基づいて、すなわち、走行モータ311の目標回転速度に基づいて、圧力制御弁70を制御するようになっている。より詳細には、走行モータ311の目標回転速度の絶対値が大きいほど大きなパイロット圧を圧力制御弁70に生成させる、すなわち、冷却通路361を開放する流量制御弁69の開度を大きく制御するようになっている。走行モータ311から発せられる熱量は、走行モータ311の回転が速いほど大きいので、冷却制御処理手段345は、パラレル回路26から冷却通路361に導かれる作動油の流量を走行モータ311の目標回転速度に基づいて制御することにより、走行モータ311の発熱状態に応じて冷媒の流量を制御することになる。
なお、インバータ352から発生される熱量は、走行モータ311を速く回転させる場合ほど大きくなるので、走行モータ311の発熱状態に応じて冷媒の流量が制御されることに伴って、インバータ352の発熱状態に応じて冷媒の流量が制御されることになる。
冷却制御処理手段345はさらに、走行用ペダル装置311からの指令信号Smが入力されていない状態において、流量制御弁69が初期位置69aに維持されるよう、すなわち、パラレル回路26から冷却通路361への作動油の供給が停止された状態となるよう、圧力制御弁70にパイロット圧を生成させないようになっている。つまり、ホイール式油圧ショベル301において走行時以外はインバータ352、ジェネレータ351および走行モータ311は使用されることはなく、これらインバータ352、ジェネレータ351および走行モータ311に対する冷却は不要であるため、走行用ペダル装置311からの指令信号Smが入力されていない状態、すなわち、走行時以外の状態ではパラレル回路26から冷却通路361への作動油の供給が行われないようになっている。
冷却制御処理手段345はさらに、走行用ペダル装置311からの指令信号Smが入力されている状態から、入力されていない状態に移行したとき、この移行の時点から所定時間が経過したタイミングで流量制御弁69が初期位置69aに戻るよう圧力制御弁70を制御するようになっている。つまり、走行用ペダル装置311からの指令信号Smがコントローラ340に入力されなくなったことに伴って走行モータ311が停止させられた後も、走行モータ311には余熱があるため、冷却制御処理手段345は走行モータ311の停止後も所定時間が経過するまでは冷却を継続することで、その余熱を冷ますようになっている。
第4の実施形態によれば次の効果を得られる。
第4の実施形態において、冷却通路361はインバータ352、ジェネレータ351および走行モータ311のそれぞれの冷却ジャケット362,363,364を連結管路366,367,368で一筋に連結したものであるから、インバータ352、ジェネレータ351および走行モータ311を、パラレル回路26から導入した作動油によりまとめて冷却することができる。
第4の実施形態が適用されるホイール式油圧ショベル301の走行は、フロント作業装置7を停止させた状態、すなわちブーム用制御弁22およびアーム用制御弁23の何れの弁位置も中立位置に保持した状態で行われる。そして、第4の実施形態においては走行時においてパラレル回路26から冷却通路361に作動油を供給するため、センタバイパスライン25上でのブーム用制御弁22およびアーム用制御弁23のそれぞれの弁位置の変化に伴って冷媒の流量が変化してしまうことを防止できる。
第4の実施形態においては、センタバイパスライン25上でのブーム用制御弁22およびアーム用制御弁23の弁位置の変化に伴って冷媒の流量が変化してしまうことが防止された状態で、冷却制御処理手段345、圧力制御弁70および流量制御弁69が、パラレル回路26から冷却通路361に導かれる作動油の流量を、走行モータ311の目標回転速度に応じて制御する。これにより、油圧駆動装置310の油圧回路を流れる作動油を冷媒としてインバータ352、ジェネレータ351および走行モータ311を冷却する際、走行モータ311の発熱状態に応じて冷媒の流量を調節することができる。
第4の実施形態においては、冷却制御処理手段345、圧力制御弁70および流量制御弁69が、パラレル回路26から冷却通路361に導かれる作動油の流量を、走行モータ311の目標回転速度に応じて制御することにより、インバータ352の発熱状態に応じて冷媒の流量を調節することができる。
なお、前述した第4の実施形態において、冷媒の流量を制御する際に用いられる走行モータ311の回転速度は、走行モータ311の目標回転速度であったが、直接的に検出された実際の走行モータ311の回転速度であってもよい。
前述した第4の実施形態において、冷却制御処理手段345は走行モータ311の停止後の余熱を冷ますことを目的として、走行用ペダル装置311からの指令信号Smが入力されなくなった時点から所定時間が経過したタイミングで流量制御弁69が初期位置69aに戻るよう圧力制御弁70を制御するものであるが、その目的は、所定時間を掛けて徐々に流量制御弁69の弁位置が初期位置69aに戻るよう圧力制御弁70を制御することで達成してもよい。
1 クローラ式油圧ショベル(作業機械)
12 旋回モータ(電動モータ)
13 ブームシリンダ(油圧アクチュエータ)
14 アームシリンダ(油圧アクチュエータ)
20 油圧駆動装置(油圧回路)
21 メインポンプ
22 ブーム用制御弁
23 アーム用制御弁
25 センタバイパスライン
26 パラレル回路
30 パイロットポンプ
31 リリーフ弁
45 冷却制御処理手段(冷却流量制御手段)
51 モータ・ジェネレータ(電動モータ)
61 冷却通路
69 流量制御弁(冷却流量制御手段)
70 圧力制御弁(冷却流量制御手段)
101,102,103 温度センサ
145 冷却制御処理手段(冷却流量制御手段)
201 接続管路
245 冷却制御処理手段(冷却流量制御手段)
301 ホイール式油圧ショベル(作業機械)
311 走行モータ(電動モータ)
310 油圧駆動装置(油圧回路)
345 冷却制御処理手段(冷却流量制御手段)
361 冷却通路

Claims (5)

  1. 作業機械を駆動および制御するための油圧回路と、この油圧回路を流れる作動油を冷媒として電動モータを冷却する冷却手段とを備える作業機械の電動モータの冷却装置であって、
    前記油圧回路は、作業機械を駆動する複数の油圧アクチュエータと、前記複数の油圧アクチュエータに供給される作動油を吐出するメインポンプと、前記メインポンプから前記複数の油圧アクチュエータのそれぞれに供給される作動油の流れを制御する複数のオープンセンタ式の制御弁と、前記複数の制御弁から排出された作動油を作動油タンクに導くセンタバイパスラインと、前記複数の制御弁を前記メインポンプに対してパラレルに接続するパラレル回路と、を備え、
    前記冷却手段は、前記パラレル回路から分岐し、前記複数の制御弁の全ての下流で前記センタバイパスラインに接続された通路であって、前記パラレル回路から導入した作動油を冷媒として前記電動モータを冷却する冷却通路と、前記パラレル回路から前記冷却通路に導かれる作動油の流量を、前記電動モータの発熱状態に応じて制御する冷却流量制御手段と、を備える
    ことを特徴とする作業機械の電動モータの冷却装置。
  2. 請求項1に記載の発明において、
    前記油圧回路は、パイロットポンプと、このパイロットポンプの吐出圧を規制するリリーフ弁とを備え、
    前記制御弁は、前記パイロットポンプの吐出圧を油圧源として生成されるパイロット圧により作動する前記油圧パイロット式の弁であり、
    前記冷却手段は、前記リリーフ弁から排出された作動油を前記冷却通路に導く接続管路を備える
    ことを特徴とする作業機械の電動モータの冷却装置。
  3. 請求項1または2に記載の発明において、
    前記冷却流量制御手段は、前記パラレル回路から前記冷却通路に導かれる作動油の流量を、前記電動モータの温度に基づいて制御する
    ことを特徴とする作業機械の電動モータの冷却装置。
  4. 請求項1または2に記載の発明において、
    前記冷却流量制御手段は、前記パラレル回路から前記冷却通路に導かれる作動油の流量を、前記電動モータの回転速度に基づいて制御する
    ことを特徴とする作業機械の電動モータの冷却装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の発明において、
    前記冷却流量制御手段は、前記冷却通路と前記センタバイパスラインとに跨って設けられた流量制御弁を備え、この流量制御弁を、前記電動モータの発熱状態に応じて制御するものであり、
    前記流量制御弁は、前記パラレル回路から前記冷却通路に導かれる作動油の流量を増加させることと、前記センタバイパスラインから前記作動油タンクに導かれる作動油の流量を減少させこととを並行して行う弁である
    ことを特徴とする作業機械の電動モータの冷却装置。
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