JP4135832B2 - 冷却用ファンの駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷却用ファンを駆動する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建設機械などの油圧駆動機械ではエンジンによって油圧ポンプが駆動され、油圧ポンプから吐出された作動圧油が操作弁を介して油圧シリンダなどの油圧アクチュエータに供給される。これにより作業機が作動することになる。
【0003】
エンジンや作動圧油には冷却が必要である。
【0004】
エンジンの冷却には主として水冷式の冷却装置が用いられる。すなわちエンジン本体に設けられたウオータジェケットにクーラント(冷却水)を循環させることで冷却が行われる。ウオータジャケット内で熱くなったクーラントはラジエタに導かれて冷却され、冷やされたクーラントは再びウオータジャケットに戻される。
【0005】
作動圧油の冷却は作動圧油をオイルクーラに導くことで行われる。油圧回路内のエネルギー損失は熱として作動圧油に伝導する。クーラントと同様に作動圧油はオイルクーラへ導かれて冷却され、冷やされた作動圧油は再び油圧回路に戻される。
【0006】
ラジエータとオイルクーラは共に、冷却用ファンによって発生する風によって冷やされる。大抵の場合冷却用ファンの発生する風の通路にオイルクーラ、ラジエータが順に設置される。その具体的配置は常に冷却効率が考慮される。
【0007】
この冷却用ファンはエンジンの駆動軸に取り付けられている。このため冷却用ファンの回転数はエンジン回転数に応じたものになる。
【0008】
近年建設機械の騒音低減の要請がある。このためエンジンで発生する音を防音するためにエンジンを遮蔽するという対策がとられる。しかしエンジンを遮蔽する場合にはエンジンの駆動軸に冷却用ファンを取り付けることができない。
【0009】
そこで特開平9−250342号公報にみられる技術が採用されている。
【0010】
この公報には、エンジンとは別体のファン駆動用の固定容量型油圧ポンプとファン駆動用の固定容量型油圧モータを配設しファン駆動用の固定容量型油圧ポンプから吐出される圧油をファン駆動用の固定容量型油圧モータに供給して冷却用ファンを駆動する発明が記載されている。
【0011】
この場合固定容量型油圧ポンプはファン駆動専用の油圧ポンプとして設けられている。そしてファン駆動専用の固定容量型油圧ポンプからファン駆動用の固定容量型油圧モータに対する圧力が低下した場合、タンクからファン駆動用固定容量型油圧モータへ圧油を遅れなく補充供給してキャビテーションを防止するために切換弁による制御が行われる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報記載の発明によればエンジンとは別体の油圧ポンプを駆動源として冷却用ファンを駆動している。このため冷却用ファン、ラジエータ、オイルクーラその他機器の配置の自由度が増しエンジンの遮蔽と冷却用ファンによる冷却が両立する。しかし次のような問題点を有している。
【0013】
すなわち上記公報記載のファン駆動用の固定容量型油圧ポンプはファン駆動専用に設けられている。よって専用の油圧ポンプを新たに配設する必要があるため部品点数が増加することになる。ここでエンジンとは別体の油圧源で冷却用ファンを駆動する場合に、より少ない部品点数で油圧回路を構築したいとの要求がある。しかしこの要求には応えることはできない。
【0014】
さらに上記公報記載の制御の内容は、タンクからファン駆動用固定容量型油圧モータへ圧油を遅れなく補充供給してキャビテーションを防止するという制御でしかない。
【0015】
ここでファン駆動用油圧モータの吸収トルクが変動する状況下では冷却用ファンの回転数が変動してしまい回転が安定しなくなる。上記公報記載の発明によればファン駆動用油圧モータの吸収トルクが変動した場合に冷却用ファンの回転数の変動を抑制して回転を安定させる制御を行うことはできなかった。
【0016】
さらにファン駆動用油圧モータの負荷が変動する状況下においても冷却用ファンの回転数が変動してしまい回転が安定しなくなる。上記公報記載の発明によればファン駆動用油圧モータの負荷が変動した場合に冷却用ファンの回転数の変動を抑制して回転を安定させる制御を行うことができなかった。
【0017】
そこで本発明は油圧源で冷却用ファンを駆動する場合に、より少ない部品点数で油圧回路を構築できるようにすることを解決課題とする。
【0018】
さらにまた本発明はファン駆動用油圧モータの吸収トルクが変動した場合に冷却用ファンの回転数の変動を抑制して回転を安定させる制御を行うことを解決課題とする。
【0019】
さらにまた本発明はファン駆動用油圧モータの負荷が変動した場合に冷却用ファンの回転数の変動を抑制して回転を安定させる制御を行うことを解決課題とする。
【0042】
【課題を解決するための手段および効果】
そこで本発明の第1発明では、
駆動源(1)によって駆動される主油圧ポンプ(2)と、前記主油圧ポンプ(2)から吐出された作動圧油が操作弁(3)を介して供給されることによって作動する油圧アクチュエータ(4)と、前記駆動源(1)または前記作動圧油を冷却する冷却用ファン(8)と、前記主油圧ポンプ(2)の吐出圧と前記油圧アクチュエータ(4)の負荷圧との差圧が第1の設定差圧になるように前記主油圧ポンプ(2)の容量(2a)を制御する主ポンプ容量制御弁(20)とを具えた冷却用ファンの駆動装置において、前記冷却用ファン(8)を回転させる可変容量型油圧モータ(7)と、前記主油圧ポンプ(2)の圧油吐出口(2b)と前記可変容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)とを接続する管路(17a、17b)上に設けられ、前記主油圧ポンプ(2)の圧油吐出口(2b)から前記可変容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)に流入させる圧油の流量を制御する流量制御弁(41)と、前記流量制御弁(41)に流入される圧油の圧力と前記流量制御弁(41)から流出される圧油の圧力との差圧が第2の設定差圧になるように前記可変容量型油圧モータ(7)の容量(7c)を制御する差圧制御弁(50)と、前記油圧アクチュエータ(4)の負荷圧と前記流量制御弁(41)から流出される圧油の圧力のうちで大きい方の圧力を選択する圧力選択手段(19)とを具え、前記主油圧ポンプ容量制御手段(20)で、前記主油圧ポンプ(2)の吐出圧と前記圧力選択手段(19)で選択された圧力との差圧を前記第1の設定差圧にする制御を行わせるようにしている。
【0043】
第1発明を図2を参照して説明する。
【0044】
第1発明によれば、冷却用ファン8の回転数(風量)の制御は可変容量型のファン駆動用油圧モータ7の容量(斜板7c)を変化させる斜板駆動機構部6を駆動制御することによって行われる。斜板駆動機構部6という一般の作業機用の主油圧ポンプ2の斜板の駆動に使用されている斜板駆動機構部5と同じものを利用して油圧回路を構築することができる。したがって汎用性の高い冷却用ファンの駆動装置を提供することが可能となる。
【0045】
さらに第1発明によれば、既存の作業機駆動用の主油圧ポンプ2をファン駆動用の油圧ポンプとして利用することでファン駆動専用の油圧ポンプの配設を省略することができる。このため油圧機器の部品点数を少なくすることができる。
【0046】
さらにまた第1発明によれば、作業機用油圧アクチュエータ4に対して供給する圧油の流量を制御する操作弁3と同様に、ファン駆動用油圧モータ7側にもファン駆動用油圧モータ7に供給する圧油の流量を制御する流量制御弁41が設けられる。
【0047】
差圧制御弁50では、上記流量制御弁41の前後の圧P、PmLSの差圧ΔPm=P−PmLSを第2の設定差圧にするロードセンシング制御が行われる。
【0048】
ここで油圧回路の一般公式より流量制御弁41の絞りの開口面積をAr、流量係数をcとすると、流量制御弁41の絞りの前後を流れる流量Qmつまりファン駆動用油圧モータ7に供給される流量Qmと流量制御弁41の絞りの前後差圧ΔPmとの間には以下の関係が成立する。
Qm=c・Ar・√(ΔPm) …(1)
上記(1)式より明らかに前後差圧ΔPmが所望の第2の設定差圧に保持されれば、開口面積Arに比例した流量Qmが得られる。したがってこのとき流量制御弁41に対する駆動指令値(開口指令Ar)に比例してファン駆動用油圧モータ7に対する供給流量Qmは変化し、これに比例して冷却用ファン8の回転数Nが変化する。そして冷却用ファン8の回転数Nの変化に応じてファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクTが変化される。このため流量制御弁41を制御することによってファン駆動用油圧モータ7で必要な一定の吸収トルク値Taが得られ、冷却用ファン8で一定のファン回転数Naが得られる。
【0049】
さらにロードセンシング制御を行うようにしているのでファン駆動用油圧モータ7の負荷PmLSが変動する状況下であっても流量制御弁41に対する開口指令Arに比例した一定のファン回転数Naが冷却用ファン8で得られる。
【0050】
このように第1発明によれば、ファン駆動用油圧モータ7の負荷が変動した場合であっても冷却用ファン8の回転数Nの変動が抑制され回転が安定する。
【0051】
一方主ポンプ容量制御弁20においても、主油圧ポンプ2の吐出圧Pと油圧アクチュエータ4の負荷圧PLSとの差圧ΔPを第1の設定差圧にするロードセンシング制御が行われる。ここで主油圧ポンプ2は油圧アクチュエータ4とファン駆動用油圧モータ7の共通の油圧駆動源である。したがって油圧アクチュエータ4の負荷(作業機の負荷)が軽い状況下でロードセンシング制御を行うとすると、油圧アクチュエータ4の負荷圧PLSは低くなりこれに伴い主油圧ポンプ2の吐出圧Pが低くなる。したがって主油圧ポンプ2からファン駆動用油圧モータ7に供給される流量が不足する。このためファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保できなくなる。
【0052】
そこで本第1発明では、油圧アクチュエータ4の負荷圧PLSと流量制御弁41から流出される圧油の圧力PmLS(ファン駆動用油圧モータ7の負荷圧PmLS)のうちで大きい方の圧力が選択される。油圧アクチュエータ4の負荷(作業機の負荷)が軽い状況下では、流量制御弁41から流出される圧油の圧力PmLS(ファン駆動用油圧モータ7の負荷圧PmLS)が選択される。
【0053】
そして主油圧ポンプ容量制御手段20では、主油圧ポンプ2の吐出圧Pと上記選択された圧力(PmLS)との差圧を所望の設定差圧にするロードセンシング制御が行われる。よって選択された圧力PmLSは油圧アクチュエータ4の負荷圧PLSよりも高いのでこれに伴い主油圧ポンプ2の吐出圧Pが高くなる。したがってファン駆動用油圧モータ7の負荷圧PmLSが増加していく。このためファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保される。
【0054】
また第2発明では、第1発明において、前記流量制御弁(41)に対して前記可変容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)に流入させる圧油の流量を指示する流量指示手段(13、40)をさらに具えるようにしている。
【0055】
第2発明を図2を参照して説明する。
【0056】
第2発明によれば第1発明と同様の効果が得られる。
【0057】
さらに第2発明によれば流量指示手段(コントローラ13、電磁比例制御弁40)によって、ファン駆動用油圧モータ7で必要な流量Qm(吸収トルク値T)が流量制御弁41に対して指示される。具体的には流量制御弁41の開口面積Arを変化させる指示が流量制御弁41に与えられる。この結果ファン駆動用油圧モータ7に対する供給流量Qmが変化される(吸収トルク値Tが変化される)。このように本第2発明によればファン駆動用油圧モータ7に対する供給流量Qm(吸収トルクT)を必要に応じて変化させることができる。
【0058】
また第3発明では、第1発明において、前記主油圧ポンプ(2)以外に前記可変容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)に圧油を供給する補助油圧ポンプ(44)をさらに具えるようにしている。
【0059】
第3発明を図2を参照して説明する。
【0060】
第3発明によれば第1発明と同様の効果が得られる。
【0061】
さらに第3発明によれば、以下のような効果が得られる。
【0062】
すなわち主油圧ポンプ2は作業機用油圧アクチュエータ4とファン駆動用油圧モータ7に共通する油圧駆動源である。したがって作業機用油圧アクチュエータ4が駆動され作業機が作動している状態では、主油圧ポンプ2から吐出される圧油の流量の多くが作業機用油圧アクチュエータ4に供給されている。このため主油圧ポンプ2からファン駆動用油圧モータ7に供給される流量は不足する。このとき本第3発明によれば主油圧ポンプ2以外に設けられた補助油圧ポンプ44からファン駆動用油圧モータ7に圧油が補助供給されて不足分の流量が補われる。
【0067】
また第4発明では、駆動源(1)によって駆動され圧油吐出口(2b、2′b)が複数設けられた主油圧ポンプ(2、2′)と、前記主油圧ポンプ(2、2′)の複数の圧油吐出口(2b、2′b)から吐出された作動圧油が操作弁(3、3′)を介して供給されることによって作動する油圧アクチュエータ(4、4′)と、前記駆動源(1)または前記作動圧油を冷却する冷却用ファン(8)とを具えた冷却用ファンの駆動装置において、前記主油圧ポンプ(2、2′)の複数の圧油吐出口(2b、2′b)から吐出された各作動圧油のうちで最大の圧力となる作動圧油を選択する選択手段(64、65)と、前記選択手段(64、65)で選択された作動圧油が流入ポート(7a)から流入されることによって作動され前記冷却用ファン(8)を回転させる可変容量型油圧モータ(7)とを具えている。
【0068】
第4発明を図3を参照して説明する。
【0069】
第4発明によれば、冷却用ファン8の回転数(風量)の制御は可変容量型のファン駆動用油圧モータ7の容量(斜板7c)を変化させる斜板駆動機構部6を駆動制御することによって行われる。斜板駆動機構部6という一般の作業機用の主油圧ポンプ2、2′の斜板の駆動に使用されている斜板駆動機構部5、5′と同じものを利用して油圧回路を構築することができる。したがって汎用性の高い冷却用ファンの駆動装置を提供することが可能となる。
【0070】
さらに第4発明によれば、既存の作業機駆動用の主油圧ポンプ2、2′をファン駆動用の油圧ポンプとして利用することでファン駆動専用の油圧ポンプの配設を省略することができる。このため油圧機器の部品点数を少なくすることができる。第4発明によれば主油圧ポンプ2、2′に複数の圧油吐出口2b、2′bが設けられている場合に、高圧側のポンプ吐出圧油をファン駆動用油圧モータ7に供給させることができる。
【0071】
また第5発明では、駆動源(1)によって駆動され圧油吐出口(2b、2′b)が複数設けられた主油圧ポンプ(2、2′)と、前記主油圧ポンプ(2、2′)の複数の圧油吐出口(2b、2′b)から吐出された作動圧油が操作弁(3、3′)を介して供給されることによって作動する複数の油圧アクチュエータ(4、4′)と、前記駆動源(1)または前記作動圧油を冷却する冷却用ファン(8)と、前記主油圧ポンプ(2)の吐出圧と前記複数の油圧アクチュエータ(4、4′)の負荷圧との差圧が第1の設定差圧になるように前記主油圧ポンプ(2、2′)の容量(2a、2′a)を制御する主ポンプ容量制御弁(20、20′)とを具えた冷却用ファンの駆動装置において、前記冷却用ファン(8)を回転させる可変容量型油圧モータ(7)と、前記主油圧ポンプ(2、2′)の複数の圧油吐出口(2b、2′b)から吐出された各作動圧油のうちで最大の圧力となる作動圧油を選択するポンプ圧選択手段(64、65)と、前記ポンプ圧選択手段(64、65)で選択された作動圧油を前記可変容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)に連通させる管路(17a、17b)と、前記管路(17a、17b)上に設けられ、前記可変容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)に流入する圧油の流量を制御する流量制御弁(41)と、前記流量制御弁(41)に流入される圧油の圧力と前記流量制御弁(41)から流出される圧油の圧力との差圧が第2の設定差圧になるように前記可変容量型油圧モータ(7)の容量(7c)を制御する差圧制御弁(50)と、前記複数の油圧アクチュエータ(4、4′)の負荷圧と前記流量制御弁(41)から流出される圧油の圧力のうちで大きい方の圧力を選択する負荷圧選択手段(19)とを具え、前記主油圧ポンプ容量制御手段(20、20′)で、前記主油圧ポンプ(2、2′)の吐出圧と前記負荷圧選択手段(19)で選択された圧力との差圧を前記第1の設定差圧にする制御を行わせるようにしたことを特徴とする。
【0072】
第5発明を図3を参照して説明する。
【0073】
第5発明によれば、冷却用ファン8の回転数(風量)の制御は可変容量型のファン駆動用油圧モータ7の容量(斜板7c)を変化させる斜板駆動機構部6を駆動制御することによって行われる。斜板駆動機構部6という一般の作業機用の主油圧ポンプ2、2′の斜板の駆動に使用されている斜板駆動機構部5、5′と同じものを利用して油圧回路を構築することができる。したがって汎用性の高い冷却用ファンの駆動装置を提供することが可能となる。
【0074】
さらに第5発明によれば、既存の作業機駆動用の主油圧ポンプ2、2′をファン駆動用の油圧ポンプとして利用することでファン駆動専用の油圧ポンプの配設を省略することができる。このため油圧機器の部品点数を少なくすることができる。第5発明によれば主油圧ポンプ2、2′に複数の圧油吐出口2b、2′bが設けられている場合に、高圧側のポンプ吐出圧油をファン駆動用油圧モータ7に供給させることができる。
【0075】
さらにまた第5発明によれば、作業機用油圧アクチュエータ4、4′に対して供給する圧油の流量を制御する操作弁3、3′と同様に、ファン駆動用油圧モータ7側にもファン駆動用油圧モータ7に供給する圧油の流量を制御する流量制御弁41が設けられる。
【0076】
差圧制御弁50では、上記流量制御弁41の前後の圧P、PmLSの差圧ΔPm=P−PmLSを第2の設定差圧にするロードセンシング制御が行われる。
【0077】
上記油圧の一般公式を示す(1)式より明らかに前後差圧ΔPmが所望の第2の設定差圧に保持されれば、開口面積Arに比例した流量Qmが得られる。したがってこのとき流量制御弁41に対する駆動指令値(開口指令Ar)に比例してファン駆動用油圧モータ7に対する供給流量Qmは変化し、これに比例して冷却用ファン8の回転数Nが変化する。そして冷却用ファン8の回転数Nの変化に応じてファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクTが変化される。このため流量制御弁41を制御することによってファン駆動用油圧モータ7で必要な一定の吸収トルク値Taが得られ、冷却用ファン8で一定のファン回転数Naが得られる。
【0078】
さらにロードセンシング制御を行うようにしているのでファン駆動用油圧モータ7の負荷PmLSが変動する状況下であっても流量制御弁41に対する開口指令Arに比例した一定のファン回転数Naが冷却用ファン8で得られる。
【0079】
このように第5発明によれば、ファン駆動用油圧モータ7の負荷が変動した場合であっても冷却用ファン8の回転数Nの変動が抑制され回転が安定する。
【0080】
一方主ポンプ容量制御弁20、20′においても、主油圧ポンプ2、2′の吐出圧P1、P2と複数の油圧アクチュエータ4の負荷圧(最大負荷圧)PLSとの差圧ΔPを第1の設定差圧にするロードセンシング制御が行われる。ここで主油圧ポンプ2、2′は油圧アクチュエータ4、4′とファン駆動用油圧モータ7の共通の油圧駆動源である。したがって複数の油圧アクチュエータ4、4′の最大負荷(作業機の最大負荷)が軽い状況下でロードセンシング制御を行うとすると、複数の油圧アクチュエータ4、4′の最大負荷圧PLSは低くなりこれに伴い主油圧ポンプ2、2′の吐出圧P1、P2が低くなる。したがって主油圧ポンプ2、2′からファン駆動用油圧モータ7に供給される流量が不足する。このためファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保できなくなる。
【0081】
そこで本第5発明では、複数の油圧アクチュエータ4、4′の最大負荷圧PLSと流量制御弁41から流出される圧油の圧力PmLS(ファン駆動用油圧モータ7の負荷圧PmLS)のうちで大きい方の圧力が選択される。複数の油圧アクチュエータ4、4′の最大負荷(作業機の負荷)が軽い状況下では、流量制御弁41から流出される圧油の圧力PmLS(ファン駆動用油圧モータ7の負荷圧PmLS)が選択される。
【0082】
そして主油圧ポンプ容量制御手段20では、主油圧ポンプ2の吐出圧Pと上記選択された圧力(PmLS)との差圧を所望の設定差圧にするロードセンシング制御が行われる。よって選択された圧力PmLSは複数の油圧アクチュエータ4、4′の最大負荷圧PLSよりも高いのでこれに伴い主油圧ポンプ2、2′の吐出圧P1、P2が高くなる。したがってファン駆動用油圧モータ7の負荷圧PmLSが増加していく。このためファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保される。
【0083】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明に係る冷却用ファンの駆動装置の実施形態について説明する。
同図1に示す油圧回路はたとえば油圧ショベルなどの建設機械に搭載される。適用対象が建設機械の場合同図1に示す可変容量型の主油圧ポンプ2はたとえばブームを作動させる油圧シリンダ4に圧油を供給する圧油供給源となる。
【0084】
主油圧ポンプ2は駆動源としてのエンジン1によって駆動される。主油圧ポンプ2はたとえば斜板式ピストンポンプで構成される。主油圧ポンプ2の斜板2aが変化することによって主油圧ポンプ2の押し退け容積(容量)(cc/rev)が変化される。
【0085】
主油圧ポンプ2の押し退け容積(容量)は斜板駆動機構部5が作動されることによって変化される。
【0086】
主油圧ポンプ2はタンク9内の圧油を吸い込み圧油吐出口2bから吐出圧Pの圧油を吐出する。主油圧ポンプ2の吐出圧油は管路11を介して操作弁3に供給される。
【0087】
操作弁3は可変絞りを有しており、操作レバー14の操作量に応じて開口面積が変化されることによって主油圧ポンプ2から吐出された圧油の流量が制御される。すなわち操作弁3は流量制御弁として機能する。操作弁3で流量が制御された主油圧ポンプ2の吐出圧油は管路12を介して油圧シリンダ4に供給される。油圧シリンダ4に圧油が供給されることによってこの油圧シリンダ4が駆動される。油圧シリンダ4が駆動されることによって図示せぬ作業機(ブーム)が作動される。操作弁3は圧油の流量を制御するだけではなく油圧シリンダ4に対する圧油の供給方向を切り換える方向切換弁としても機能する。
【0088】
つぎに斜板駆動機構部5の構成について説明する。
【0089】
斜板駆動機構部5には、管路12から分岐されたLS圧管路16が接続されているとともに管路11から分岐された管路12が接続されている。
【0090】
斜板駆動機構部5は、流入される圧油の流量に応じて主油圧ポンプ2の斜板2aを駆動してポンプ容量を変化させるサーボピストン21と、パイロットポートに加えられた主油圧ポンプ2の吐出圧P、油圧シリンダ4の負荷圧PLSに応じて圧油の流量を制御し制御された圧油をサーボピストン21に流入させるLS弁20(ロードセンシング弁20)とから構成されている。
【0091】
LS弁20は、主油圧ポンプ2の吐出圧Pと油圧シリンダ4の負荷圧PLSとの差圧ΔP(=P−PLS)を第1の設定差圧ΔPLSに保持する制御を行う。この制御はロードセンシング制御といわれる。第1の設定差圧ΔPLSはLS弁20に付与されるバネ20aのバネ力に応じて定まる。
【0092】
すなわちLS弁20のパイロットポート20bには管路22を介してポンプ吐出圧Pが加えられる。一方上記パイロットポート20bに対向するようにバネ20aと同じ側に設けられたパイロットポート20cにはLS圧管路16を介して負荷圧PLSが加えられる。
【0093】
したがって差圧P−PLSが第1の設定差圧ΔPLSよりも大きいときにはLS弁20は図中左側の弁位置に移動される。このためLS弁20からサーボピストン21に対してポンプ吐出圧油が流入され、主油圧ポンプ2の斜板2aが最小容量MIN側に移動される。このため主油圧ポンプ2から吐出される流量が減らされ主油圧ポンプ2の吐出圧Pが小さくなる。この結果差圧P−PLSが小さくなり第1の設定差圧ΔPLSに一致される。逆に差圧P−PLSが第1の設定差圧ΔPLSよりも小さくなったときにはLS弁20は右側の弁位置に移動される。このためサーボピストン21からLS弁20を介して圧油がタンク9に流出され、主油圧ポンプ2の斜板2aが最大容量MAX側に移動される。このため主油圧ポンプ2から吐出される流量が増加され主油圧ポンプ2の吐出圧Pが大きくなる。この結果差圧P−PLSが大きくなり第1の設定差圧ΔPLSに一致される。以上のようにしてLS弁20によって常に差圧P−PLSが第1の設定差圧ΔPLSに保持される。
【0094】
本実施形態では作業機駆動用として備えられている上記主油圧ポンプ2が冷却用ファン8の油圧駆動源として利用され、冷却用ファン8が駆動される。図1の油圧回路において二点鎖線で囲まれた部分が冷却用ファン駆動部10である。この冷却用ファン駆動部10は一体のもの(モータアッセンブリ)として構築することができる。
【0095】
主油圧ポンプ2のポンプ吐出圧管路11は分岐管路17に接続されており、この分岐管路17は上記冷却用ファン駆動部10に接続されている。
【0096】
また油圧シリンダ4の負荷圧PLSを検出するLS圧管路16は分岐管路18に接続されており、この分岐管路18は上記冷却用ファン駆動部10に接続されている。
【0097】
上記管路17はファン駆動用油圧モータ7の流入ポート7aに連通している。ファン駆動用油圧モータ7の出力軸には冷却用ファン8が取り付けられている。このため主油圧ポンプ2から吐出された圧油は管路11、17を介してファン駆動用油圧モータ7に供給されこれに応じて冷却用ファン8が回転される。
【0098】
ファン駆動用油圧モータ7は可変容量型の油圧モータである。
【0099】
ファン駆動用油圧モータ7の容量D(cc/rev)は斜板駆動機構部6が作動されることによって変化される。
【0100】
ファン駆動用油圧モータ7は主油圧ポンプ2の吐出圧油を流入ポート7aから流入させて出力軸を出力回転数Nで回転させ冷却用ファン8を回転させる。そしてファン駆動用油圧モータ7の流出ポート7bから流出された圧油は管路27を通過してタンク9に戻される。ファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力は主油圧ポンプ2の吐出圧Pである。ファン駆動用油圧モータ7の出力回転数つまり冷却用ファン8の回転数Nはファン回転数センサ36によって検出される。
【0101】
ここでファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクTと、冷却用ファン8の回転数Nとの間には、k1を冷却用ファン8により定まる定数として次式(2)の関係が成立する。なお^2は2乗を意味する(以下同様である)。
【0102】
T=k1・N^2 …(2)
またファン駆動用油圧モータ7の1回転当たりの容量Dと駆動圧力P(kg/cm2)と、冷却用ファン8の回転数Nとの間には、k2を定数として次式(3)の関係が成立する。
【0103】
P・D・k2=k1・N^2 …(3)
またファン駆動用油圧モータ7の1回転当たりの容量Dと、ファン駆動用油圧モータ7に供給される圧油の流量をQm(l/min)との間には、k3を定数として次式(3)の関係が成立する。
【0104】
Qm=N・D …(4)
したがって上記(2)、(3)、(4)式から明らかなように、ファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力P、流量Qmが大きくなると冷却用ファン8の回転数Nは大きくなる。そして冷却用ファン8の回転数Nの増加に伴いファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクTが大きくなる。
【0105】
図4はファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力Pと容量Dと吸収トルクTの関係を示している。図4においてカーブA1は値の大きな設定吸収トルクTa1が得られる駆動圧力Pと容量Dの関係を示している。カーブA1上では設定吸収トルクTa1の値は一定となる。またカーブA2は中程度の大きさの設定吸収トルクTa2が得られる駆動圧力Pと容量Dの関係を示している。カーブA2上では設定吸収トルクTa2の値は一定となる。またカーブA3は値の小さい設定吸収トルクTa3が得られる駆動圧力Pと容量Dの関係を示している。カーブA3上では設定吸収トルクTa3の値は一定となる。ここで設定吸収トルクTa1を最大トルク値とする。
【0106】
温度センサ23ではタンク9内の作動油の温度tが検出される。
【0107】
コントローラ13は上記温度センサ23の検出温度tを示す信号、上記ファン回転数センサ36の検出ファン回転数Nを示す信号を入力して設定吸収トルク値Taを変化させるための電流指令iを生成しこの電流指令iを冷却用ファン駆動部10に対して出力する。
【0108】
冷却用ファン駆動部10の電磁比例制御弁24はコントローラ13から出力された電流指令iが電磁ソレノイド24aに入力されることによって弁位置が変化され電流値iに対応する大きさのパイロット圧PpをTC弁25のパイロットポート25cに加える弁である。
【0109】
斜板駆動機構部6は、流入される圧油の流量に応じてファン駆動用油圧モータ7の斜板7cを駆動して容量Dを変化させるサーボピストン26と、主油圧ポンプ2の吐出圧P(ファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力P)、電磁比例制御弁24から出力されたパイロット圧Ppに応じて圧油の流量を制御し制御された圧油をサーボピストン26に流入させるTC弁25(トルク制御弁25)とを中心に構成されている。
【0110】
TC弁25は、ファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力Pと容量Dの積つまり吸収トルクTを設定吸収トルク値Taに保持する制御を行う弁である。すなわちTC弁25のパイロットポート25bには管路17、29、29aを介してポンプ吐出圧Pが加えられる。また上記パイロットポート25bと同じ側に設けられたパイロットポート25cには電磁比例制御弁24を介してパイロット圧Ppが加えられる。TC弁25にはパイロットポート25b、25cに対向する側にバネ25aが配設されている。設定吸収トルク値TaはTC弁25に付与されるバネ25aのバネ力に応じて定まる。バネ25aによって最大吸収トルク値Ta1が設定されるとする。また設定吸収トルク値Taは、TC弁25のパイロットポート25cに加えられるパイロット圧Ppに応じて変化される。
【0111】
サーボピストン26とTC弁25は管路35によって接続されている。この管路35を介してTC弁25から圧油がサーボピストン26に流入出される。
【0112】
管路17は管路29、32を介してTC弁25の流入ポートに連通されている。TC弁25の流入ポートには管路17、29、32を介して主油圧ポンプ2のポンプ吐出圧油が流入される。
【0113】
管路18はチェック弁19を介して管路33に接続されている。管路33はTC弁25に接続されている。管路33上には固定絞り34が配設されている。チェック弁19はTC弁25、固定絞り34を通過した圧油のみを管路18側に流出させる弁である。チェック弁19の流出側つまり管路18側の圧力は負荷圧PLSである。一方チェック弁19の流入側つまり管路33側の圧力をPmLSとする。
【0114】
タンク9は管路28、管路31、管路17を介してファン駆動用油圧モータ7の流入ポート7aに連通されている。管路28上にはタンク9内の圧油をファン駆動用油圧モータ7の流入ポート7a側のみに導通させるチェック弁30が配設されている。
【0115】
つぎに図1に示すコントローラ13で行われる処理を中心に図1の油圧回路で行われる動作について説明する。
【0116】
・トルク制御
コントローラ13は、ファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクTが一定の吸収トルク値Taになるトルク一定制御を行う。ここでトルク一定制御を行う理由について説明する。
【0117】
従来技術によれば、作業機を駆動する油圧ポンプと別に設けられたファン駆動専用の油圧ポンプによってファン駆動用油圧モータが駆動される。このためファン駆動用油圧モータの吸収トルクは作業機にかかる負荷、操作弁の開口面積の変動の影響を受けない。したがってファン駆動用油圧モータの吸収トルクは比較的安定しており一定値を維持している。したがって冷却用ファンのファン回転数の変動が抑制されて回転を安定させることができる。
【0118】
これに対して図1に示す実施形態の場合には作業機を駆動する主油圧ポンプ2がファン駆動用の油圧ポンプとしてファン駆動用油圧モータ7を駆動する。このため作業機にかかる負荷、操作弁3の開口面積の変動の影響を受けてファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクは安定しない。したがって冷却用ファン8のファン回転数が変動してしまい回転が安定しないことになる。
【0119】
そこで冷却用ファン8のファン回転数の変動を抑制して回転を安定させるべくファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクTを一定値Taに維持する制御を行うものである。
【0120】
コントローラ13には、タンク9の各温度tに対応づけられて、冷却用ファン8で必要なファン目標回転数Naが記憶されている。温度tに対応するファン目標回転数Naで冷却用ファン8を回転させると、最適に作動油が冷却される。これら温度tとファン目標回転数Naの対応関係は、シミュレーション、実験などにより求められる。
【0121】
なお図1の実施形態では冷却用ファン8によって油圧シリンダ4などを作動させる作動油の温度を冷却する場合を想定しているが、もちろん作動油とエンジン1(クーラント)の両方を冷却する場合にも適用することができる。
【0122】
この場合エンジン1はウオータジャケットを循環するクーラントによって冷却される。エンジン1から熱を奪ったクーラントはラジエータに供給され上記冷却用ファン8で発生する風によって冷却されてエンジン1のウオータジャケットに戻される。またエンジン1が強制空冷エンジンの場合には冷却用ファン8で発生した風によってエンジン1を直接冷却してもよい。
【0123】
また冷却用ファン8によって作動油を冷却しないでエンジン1のみを冷却する場合にも本発明を適用することができる。
【0124】
冷却用ファン8によってエンジン1と作動油の両方を冷却する場合には、検出温度tとしてタンク9の温度t2以外にクーラントの温度(水温)t1が温度センサ23と同様の温度センサによって検出される。
【0125】
この場合の冷却に必要なクーラント温度t1、タンク温度t2とファン目標回転数Naの対応関係を図5に示す。
【0126】
すなわち同図5に示すように予めクーラント温度t1とファン目標回転数N1の対応関係が設定されるとともにタンク温度t2とファン目標回転数N2の対応関係が設定される。そこで現在のクーラント温度t1に対応するファン目標回転数N1が求められる。また現在のタンク温度t2に対応するファン目標回転数N2が求められる。そしてこれら求められたファン目標回転数N1、N2のうちで最も高い回転数MAX(N1、N2)が最終的なファン目標回転数Naとされる。なお上記クーラント、タンク以外の対象を冷却してもよい。この場合の冷却に必要なファン目標回転数Naは、各冷却対象ごとに求められるファン目標回転数をN1、N2、N3、…とした場合Na=MAX(N1、N2、N3、…)によって求めることができる。
【0127】
以上のようにしてコントローラ13で温度センサ23で検出された温度t(たとえば作動油温度t2)に対応する目標ファン回転数Naが求められると、この目標ファン回転数Naに対応する目標吸収トルクTaが上記(2)式(T=k1・N^2)にしたがい求められる。そして上記求められた吸収トルクTaをTC弁25で設定するために必要な電流指令iが電磁比例制御弁24に対して出力される。
【0128】
いま電流指令iが最大吸収トルク値Ta1を設定する指令であるとすると、電磁比例制御弁24からTC弁25に対して加えられるパイロット圧Ppはオフされる。このときのTC弁25の動作について説明する。
【0129】
いまTC弁25のパイロットポート25bに加えられる油圧モータ7の駆動圧力P(ポンプ吐出圧P)がバネ25aによるバネ力よりも大きくなると、TC弁25は図中右側に押され図中左側の弁位置に位置され。これによりTC弁25から管路35を介して圧油がサーボピストン26に流入される。このためサーボピストン26は最小容量MIN側に移動されファン駆動用油圧モータ7の斜板7cを最小容量側に駆動する。この結果ファン駆動用油圧モータ7の容量Dが減少される。
【0130】
一方、TC弁25のパイロットポート25bに加えられる油圧モータ7の駆動圧力P(ポンプ吐出圧P)がバネ25aによるバネ力よりも小さくなると、TC弁25は図中左側に押され図中右側の弁位置に位置され。これによりサーボピストン26から管路35、TC弁25を介して圧油がタンク9に排出される。このためサーボピストン26は最大容量MAX側に移動されファン駆動用油圧モータ7の斜板7cを最大容量側に駆動する。この結果ファン駆動用油圧モータ7の容量Dが増加される。
【0131】
またTC弁25のパイロットポート25bに加えられる油圧モータ7の駆動圧力P(ポンプ吐出圧P)とバネ25aによるバネ力とが釣り合うと、TC弁25は中央の弁位置に位置される。この中央の弁位置に位置されるときには主油圧ポンプ2の吐出圧油が管路32を介してTC弁25内の絞りを通過する。さらに管路33上の固定絞り33を通過する。この結果主油圧ポンプ2の吐出圧Pが圧力PmLSまで減圧された上でチェック弁19に流入されることになる。
【0132】
このようにして図4のカーブA1上でファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力P、容量Dの値が変化され、ファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力Pと容量Dの積が設定吸収トルクTa1に一致される。
【0133】
また目標ファン回転数Naがより低い回転数に決定されると、より低い設定吸収トルクTa2またはさらにより低い吸収トルクTa3にするための電流指令iがコントローラ13から電磁比例制御弁24に対して出力される。このため電磁比例制御弁24からTC弁25に対して加えられるパイロット圧Ppは増加される。
【0134】
このときTC弁25のパイロットポート25cに加えられるパイロット圧Ppが増加するのでパイロットポート25cに対向して設けられたバネ25aによるバネ力が強められる。したがってTC弁25でより低い吸収トルク値Ta2またはさらにより低い吸収トルク値Ta3が設定される。
【0135】
よって設定吸収トルクTa2にするための電流指令iがコントローラ13から出力された場合には図4のカーブA2上でファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力P、容量Dの値が変化され、ファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力Pと容量Dの積が設定吸収トルクTa2に一致される。また設定吸収トルクTa3にするための電流指令iがコントローラ13から出力された場合には図4のカーブA3上でファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力P、容量Dの値が変化され、ファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力Pと容量Dの積が設定吸収トルクTa3に一致される。
【0136】
以上のようにしてファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクTは一定の設定吸収トルク値Ta1またはTa2またはTa3に保持される。この結果冷却用ファン8のファン回転数Nの変動が抑制され回転が安定する。
【0137】
ところでファン駆動用油圧モータ7の流入ポート7aには、主油圧ポンプ2から吐出された圧油とともに、タンク9から圧油が管路28、31、29、17上をチェック弁11を通過して導入されている。したがって急激な圧力変化などが起きた場合にキャビテーション発生を防止することができる。
【0138】
なおコントローラ13において上述したような冷却用ファン8の回転数の制御(吸収トルクの制御)を行うに際して、ファン回転数センサ36で検出された冷却用ファン8の実際のファン回転数Nをフィードバック信号として、目標ファン回転数Naと実際のファン回転数Nとの偏差が零となるようなフィードバック制御を行うようにしてもよい。もちろんファン回転数センサ36で検出された冷却用ファン8の実際のファン回転数Nを制御に使用しないオープンループ制御でファン回転数を制御してもよい。
【0139】
つぎに作業機の作動状況に応じた動作について説明する。なお以下の説明では設定吸収トルクTとしてTa1が設定されているものとする。
【0140】
(a)冷却用ファンと作業機が複合動作していて作業機の負荷が小さい場合
いま冷却用ファン8と油圧シリンダ4により作動される作業機が複合動作していて作業機の負荷が小さい場合を考える。
【0141】
主油圧ポンプ2側のLS弁20では、主油圧ポンプ2の吐出圧Pと油圧シリンダ4の負荷圧PLSとの差圧ΔPを第1の設定差圧にするロードセンシング制御が行われている。ここで主油圧ポンプ2は油圧シリンダ4とファン駆動用油圧モータ7の共通の油圧駆動源である。このためつぎのような問題が生じる。
【0142】
いま操作弁3の絞りの開口が閉じられ油圧シリンダ4の負荷(作業機の負荷)が軽い状況下であるとすると油圧シリンダ4の負荷圧PLSは低くなる。したがってLS弁20でロードセンシング制御が行われると油圧シリンダ4の負荷圧PLSの低下に伴い主油圧ポンプ2の吐出圧Pが低くなる。したがって主油圧ポンプ2からファン駆動用油圧モータ7に供給される流量が不足する。このためファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保できなくなる。
【0143】
そこで本実施形態では、つぎのようにしてファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクを確保している。
【0144】
すなわちいまチェック弁19の流出側の圧力は油圧シリンダ4の負荷圧PLSでありチェック弁19の流入側の圧力はPmLSである。この圧力PmLSは主油圧ポンプ2の吐出圧(ファン駆動用油圧モータ7の負荷圧)Pにほぼ一致する圧力である。
【0145】
油圧シリンダ4の負荷(作業機の負荷)が軽い状況下では、負荷圧PLSよりも圧力PmLSの方が高いのでチェック19から圧力PmLSを示す圧油が管路18に流出され、管路18、LS圧管路16を介してLS弁20のパイロットポート20cに加えられる。なおチェック弁19と同様に、負荷圧PLS、圧力PmLSのうちで大きい方の圧力を選択してLS弁20に導くことができる部材であれば、チェック弁19の代わりに使用することができる。
【0146】
このためLS弁20では、主油圧ポンプ2の吐出圧Pと上記選択された圧力PmLSとの差圧を第1の設定差圧にするロードセンシング制御が行われる。選択された圧力PmLSは油圧シリンダ4の負荷圧PLSよりも高いのでこれに伴い主油圧ポンプ2の吐出圧Pが高くなる。したがってファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力Pが増加していく。つまり図4に示すようにファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力PはPcまで増加される。TC弁25のパイロットポート25bに加えられる油圧モータ7の駆動圧力Pcとバネ25aによるバネ力とが釣り合うと、TC弁25は中央の弁位置に位置される。この中央の弁位置に位置されるときには主油圧ポンプ2の吐出圧油がTC弁25内の絞り、固定絞り33を通過する。この結果主油圧ポンプ2の吐出圧Pcが圧力PmLSまで減圧された上でチェック弁19から流出されLS弁20のパイロットポート20cに加えられる。
【0147】
このようにしてファン駆動用油圧モータ7は圧力Pcで吸収トルクがマッチングし、ファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保される。一方主油圧ポンプ2側のLS弁20では油圧シリンダ4の負荷圧PLSよりも高い圧力PmLSを用いてロードセンシング制御が行われる。
【0148】
(b)冷却用ファンが単独動作している場合
いま冷却用ファン8のみが動作しており油圧シリンダ4により作動される作業機が動作していない場合を考える。この場合も上記(a)の複合動作の場合と同様にして、ファン駆動用油圧モータ7は圧力Pcでマッチングし、ファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保される。一方主油圧ポンプ2側のLS弁20のパイロットポート20cには油圧シリンダ4の負荷圧PLSよりも高い圧力PmLSが加えられた状態になっている。
【0149】
(c)冷却用ファンと作業機が複合動作していて作業機の負荷が大きい場合
いま冷却用ファン8と油圧シリンダ4により作動される作業機が複合動作していて作業機の負荷が大きい場合を考える。
【0150】
主油圧ポンプ2側のLS弁20では、主油圧ポンプ2の吐出圧Pと油圧シリンダ4の負荷圧PLSとの差圧ΔPを第1の設定差圧にするロードセンシング制御が行われている。
【0151】
いま操作弁3の絞りの開口が開かれ油圧シリンダ4の負荷(作業機の負荷)が大きい状況下であるとすると油圧シリンダ4の負荷圧PLSは高くなる。したがってLS弁20でロードセンシング制御が行われると油圧シリンダ4の負荷圧PLSの増大に伴い主油圧ポンプ2の吐出圧Pが高くなる。したがってファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力Pが増加していく。つまり図4に示すようにファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力PはPaまで増加される。これに伴いファン駆動用油圧モータ7の容量DはDaまで低下される。TC弁25のパイロットポート25bに加えられる油圧モータ7の駆動圧力Paとバネ25aによるバネ力とが釣り合うと、TC弁25は中央の弁位置に位置される。このときファン駆動用油圧モータ7の容量DはDaに設定される。TC弁25が中央の弁位置に位置されるときには主油圧ポンプ2の吐出圧油がTC弁25内の絞り、固定絞り33を通過する。チェック弁19の流出側の圧力は油圧シリンダ4の負荷圧PLSでありチェック弁19の流入側の圧力はPmLSである。
【0152】
油圧シリンダ4の負荷(作業機の負荷)が大きい状況下では、負荷圧PLSの方が圧力PmLSよりも高いのでチェック19から圧力PmLSを示す圧油は管路18に流出されない。このためLS弁20では、主油圧ポンプ2の吐出圧Pと油圧シリンダ4の負荷圧PLSとの差圧ΔPを第1の設定差圧にするロードセンシング制御が行われる。
【0153】
このようにしてファン駆動用油圧モータ7は圧力Paでマッチングし、ファン駆動用油圧モータ7が一定吸収トルクTa1で駆動される。一方主油圧ポンプ2側のLS弁20では油圧シリンダ4の負荷圧PLSを用いてロードセンシング制御が行われる。
【0154】
以上のように図1に示す実施形態によれば、冷却用ファン8の回転数(風量)の制御は可変容量型のファン駆動用油圧モータ7の容量(斜板7c)を変化させる斜板駆動機構部6を駆動制御することによって行われる。斜板駆動機構部6はサーボピストン、制御弁を備えた構造である。よって一般の作業機用の主油圧ポンプの斜板の駆動に使用されている斜板駆動機構部と同等のものを利用して油圧回路を構築することができる。したがって汎用性の高い冷却用ファンの駆動装置を提供することが可能となる。
【0155】
さらに本実施形態によれば、既存の作業機駆動用の主油圧ポンプ2をファン駆動用の油圧ポンプとして利用することでファン駆動専用の油圧ポンプの配設を省略することができる。このため油圧機器の部品点数を少なくすることができる。
【0156】
さらにまた本実施形態によれば、ファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクTを設定吸収トルク値Taにするための指令iに応じてトルク制御弁25が駆動制御される。この結果ファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクTが変動する状況下であっても吸収トルクTが一定の設定トルク値Taに保持される。この結果冷却用ファン8のファン回転数Nの変動が抑制され回転が安定する。
【0157】
さらにまた本実施形態によれば、主油圧ポンプ2からファン駆動用油圧モータ7に供給される流量が不足する状況下であっても、ファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保されるという効果が得られる。
【0158】
つぎに図2を参照して別の実施形態について説明する。以下図1と同じ符号は同じ構成要素であるとして重複した説明は省略する。
【0159】
操作盤43には油圧ショベルが行う各種作業種類つまり各作業モードのうちからいずれかの作業モードMを選択する作業モード選択スイッチ43aが設けられている。また主油圧ポンプ2の吐出圧Pが圧力センサ60で検出される。作業モード選択スイッチ43aで選択された作業モードMを示す信号および圧力センサ60の検出圧力Pを示す信号はコントローラ13に入力される。
【0160】
本実施形態では主油圧ポンプ2の圧油吐出口2bとファン駆動用油圧モータ7の流出ポート7aとの間の管路上に流量制御弁41が設けられている。
【0161】
主油圧ポンプ2はタンク9内の圧油を吸い込み圧油吐出口2bから圧油を吐出する。主油圧ポンプ2の吐出圧油は管路17aを介して操作弁3と同様の流量制御弁41に供給される。一般に操作弁3はブロック型あるいはカートリッジ式の筐体内に追加使用を想定しているサービス弁とともに収容されている。したがって流量制御弁41はサービス弁として追加使用することができる。このため既存の油圧回路に冷却用ファンの駆動装置(回路)を後から追加する改造を行う場合に大幅な構造の変更を要しない。
【0162】
流量制御弁41は可変絞りを有しており、電磁比例制御弁40から出力されるパイロット圧Ppに応じて開口面積Arが変化されることによって主油圧ポンプ2から吐出された圧油の流量を制御する。流量制御弁41で流量が制御された主油圧ポンプ2の吐出圧油が管路17bを介してファン駆動用油圧モータ7の流入ポート7aに供給される。
【0163】
コントローラ13は入力された信号に基づき電流指令iを生成しこの電流指令iを電磁比例制御弁40に対して出力するものである。電磁比例制御弁40からは入力された電流指令iに応じたパイロット圧Ppのパイロット圧油が出力され、パイロット圧管路42を介して流量制御弁41のパイロットポート41aに加えられる。パイロット圧Ppがパイロットポート41aに加えられることによって流量制御弁41が駆動される。なお流量制御弁41に電磁ソレノイドを設け電磁弁としコントローラ13から出力される電気信号に応じて流量制御弁41を直接駆動制御してもよい。
【0164】
流量制御弁41に流入される圧油の圧力をP(主油圧ポンプ2の吐出圧)とし、流量制御弁41から流出される圧油の圧力をPmLS(ファン駆動用油圧モータ7の負荷圧)とする。よって流量制御弁41の前後差圧はΔPm(=P−PmLS)となる。
【0165】
流量制御弁41の圧油流入ポートは管路17a、管路45を介して固定容量型の油圧ポンプ44の圧油吐出口に接続されている。固定容量型油圧ポンプ44はたとえばギヤポンプによって構成することができる。固定容量型油圧ポンプ44はエンジン1によって駆動される。管路45上には固定容量型油圧ポンプ44から吐出された圧油を流量制御弁41に流入させる方向のみに圧油を導くチェック弁46が配設されている。固定容量型油圧ポンプ44の圧油吐出口にはリリーフ弁47、アンロード弁48が接続されている。リリーフ弁47、アンロード弁48とタンク9は管路49によって接続されている。
【0166】
一方流量制御弁41の圧油流出ポートは管路17b、管路18を介してLS圧管路16に接続されている。管路18上には図1と同様にして固定絞り34、チェック弁19が配設されている。チェック弁19の流入側の圧力をP′mLSとする。なおチェック弁19の流出側の圧力は油圧シリンダ4の負荷圧PLSである。また流量制御弁41の圧油流出ポートは管路17b、管路38、管路27を介してタンク9に接続されている。管路38上にはリリーフ弁39が配設されている。
【0167】
タンク9とファン駆動用油圧モータ7の流入ポート7aとの間は管路27、管路37によって接続されている。管路37上にはタンク9からファン駆動用油圧モータ7の流入ポート7aの方向のみに圧油を導くチェック弁29が配設されている。
【0168】
つぎにファン駆動用油圧モータ7の斜板7cを駆動する斜板駆動機構部6の構成について説明する。
【0169】
斜板駆動機構部6は、流入される圧油の流量に応じてファン駆動用油圧モータ7の斜板7cを駆動して容量Dを変化させるサーボピストン26と、パイロットポートに加えられた流量制御弁41の流入圧P(主油圧ポンプ2の吐出圧P)、流量制御弁41の流出圧PmLS(ファン駆動用油圧モータ7の負荷圧PmLS)に応じて圧油の流量を制御し制御された圧油をサーボピストン26に流入させるLS弁50(ロードセンシング弁50)とから構成されている。つまり斜板駆動機構部6は主油圧ポンプ2側の斜板駆動機構部5と同様に構成されている。
【0170】
LS弁50は、流量制御弁41に流入される圧油の圧力P(主油圧ポンプ2の吐出圧)と流量制御弁41から流出される圧油の圧力PmLS(ファン駆動用油圧モータ7の負荷圧)との差圧ΔPm(=P−PmLS)を第2の設定差圧ΔPmLSに保持するロードセンシング制御を行う。第2の設定差圧ΔPmLSはLS弁50に付与されるバネ50aのバネ力に応じて定まる。
【0171】
すなわちLS弁50のパイロットポート50bには管路17a、管路45、管路51、管路52を介して流量制御弁41の流入圧P(主油圧ポンプ2の吐出圧P)が加えられる。一方上記パイロットポート50bに対向するようにバネ50aと同じ側に設けられたパイロットポート50cには管路17b、管路54を介して流量制御弁41の流出圧PmLS(ファン駆動用油圧モータ7の負荷圧PmLS)が加えられる。
【0172】
したがって差圧P−PmLSが第2の設定差圧ΔPmLSよりも大きいときにはLS弁50は図中左側の弁位置に移動される。このため管路17a、管路51、管路53、LS弁50、管路55を介してサーボピストン21にポンプ吐出圧油が流入され、ファン駆動用油圧モータ7の斜板7cが最小容量MIN側に移動される。このためファン駆動用油圧モータ7に流入される流量Qmが減らされ主油圧ポンプ2の吐出圧Pが小さくなる。この結果差圧P−PmLSが小さくなり第2の設定差圧ΔPmLSに一致される。
【0173】
逆に差圧P−PmLSが第2の設定差圧ΔPmLSよりも小さくなったときにはLS弁50は右側の弁位置に移動される。このためサーボピストン26から管路55、LS弁50、管路56、管路49を介して圧油がタンク9に流出され、ファン駆動用油圧モータ7の斜板7cが最大容量MAX側に移動される。このためファン駆動用油圧モータ7に流入される流量Qmが増加され主油圧ポンプ2の吐出圧Pが大きくなる。この結果差圧P−PmLSが大きくなり第2の設定差圧ΔPmLSに一致される。以上のようにしてLS弁50によって常に流量制御弁41の前後差圧P−PmLSが第2の設定差圧ΔPmLSに保持される。
【0174】
つぎに図2に示すコントローラ13で行われる処理を中心に図2の油圧回路で行われる動作について説明する。
【0175】
LS弁50では、流量制御弁41の前後の圧P、PmLSの差圧ΔPm=P−PmLSを第2の設定差圧ΔPmLSにするロードセンシング制御が行われる。
【0176】
ここで油圧回路の一般公式より流量制御弁41の絞りの開口面積をAr、流量係数をcとすると、流量制御弁41の絞りの前後を流れる流量Qmつまりファン駆動用油圧モータ7に供給される流量Qmと流量制御弁41の絞りの前後差圧ΔPmとの間には以下の関係が成立する。
Qm=c・Ar・√(ΔPm) …(1)
いまLS弁50でロードセンシング制御が行われることにより前後差圧ΔPmが第2の設定差圧ΔPmLSに保持されている。よって上記(1)式より明らかに開口面積Arに比例した流量Qmが得られる。流量Qmに応じて冷却用ファン8の回転数Nが変化する。よってコントローラ13ではファン目標回転数Naに対応する開口面積Arの指令を生成すればよい。
【0177】
コントローラ13では図1の実施形態と同様にして検出温度tに対応するファン目標回転数Naが求められる。この場合作業モード選択スイッチ43aで選択された作業モードMに応じてファン目標回転数Naを変化させるようにしてもよい。また圧力センサ60で検出されたポンプ吐出圧Pに応じてファン目標回転数Naを変化させるようにしてもよい。そこでコントローラ13は求められたファン目標回転数Naを得るために必要な流量制御弁41の開口面積Arを演算して、この開口面積Arを得るために必要な電流指令iを生成する。そしてこの電流指令iを冷却用ファン駆動部10の電磁比例制御弁40に対して出力する。
【0178】
このため電磁比例制御弁40から流量制御弁41に駆動指令値Pp(開口指令Ar)が加えられ、流量制御弁41が駆動される。これにより開口指令Arに比例してファン駆動用油圧モータ7への供給流量Qmが変化する。そしてこの供給流量Qmに比例して冷却用ファン8の回転数Nが変化する。そして冷却用ファン8の回転数Nの変化に応じてファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクTが変化される。
【0179】
このようにして流量制御弁41を制御することによってファン駆動用油圧モータ7で必要な一定の吸収トルク値Taが得られ、冷却用ファン8で一定のファン回転数Naが得られる。
【0180】
さらにLS弁50でロードセンシング制御を行うようにしているのでファン駆動用油圧モータ7の負荷PmLSが変動する状況下であっても流量制御弁41に対する開口指令Arに比例した一定のファン回転数Naが冷却用ファン8で得られる。このように本実施形態によれば、ファン駆動用油圧モータ7の負荷が変動した場合であっても冷却用ファン8の回転数Nの変動が抑制され回転が安定するという効果が得られる。
【0181】
一方主油圧ポンプ2側のLS弁20においても、主油圧ポンプ2の吐出圧Pと油圧シリンダ4の負荷圧PLSとの差圧ΔPを第1の設定差圧ΔPLSにするロードセンシング制御が行われている。ここで主油圧ポンプ2は油圧シリンダ4とファン駆動用油圧モータ7の共通の油圧駆動源である。したがって油圧シリンダ4の負荷(作業機の負荷)が軽い状況下あるいは冷却用ファン8が単独で動作している状況下でロードセンシング制御を行うとすると、油圧シリンダ4の負荷圧PLSは低くなりこれに伴い主油圧ポンプ2の吐出圧Pが低くなる。したがって主油圧ポンプ2からファン駆動用油圧モータ7に供給される流量が不足する。このためファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保できなくなる。
【0182】
そこで本実施形態では図1の実施形態と同様にしてファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクを確保するようにしている。
【0183】
すなわちいまチェック弁19の流出側の圧力は油圧シリンダ4の負荷圧PLSでありチェック弁19の流入側の圧力はファン駆動用油圧モータ7の負荷圧P′mLSである。
【0184】
油圧シリンダ4の負荷(作業機の負荷)が軽い状況下では、作業機側負荷圧PLSよりもファン側圧力P′mLSの方が高いのでチェック19から圧力P′mLSを示す圧油が管路18に流出され、管路18、LS圧管路16を介してLS弁20のパイロットポート20cに加えられる。
【0185】
このためLS弁20では、主油圧ポンプ2の吐出圧Pとファン側負荷圧P′mLSとの差圧を第1の設定差圧ΔPLSにするロードセンシング制御が行われる。ファン側負荷圧P′mLSは油圧シリンダ4の負荷圧PLSよりも高いのでこれに伴い主油圧ポンプ2の吐出圧Pが高くなる。したがってファン駆動用油圧モータ7に対する負荷圧PmLSが増加していく。このためファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保される。
【0186】
油圧シリンダ4の負荷(作業機の負荷)が大きい状況下では、作業機側負荷圧PLSの方がファン側負荷圧P′mLSよりも高いのでチェック19から圧力P′mLSを示す圧油は管路18に流出されない。このためLS弁20では、主油圧ポンプ2の吐出圧Pと油圧シリンダ4の負荷圧PLSとの差圧ΔPを第1の設定差圧ΔPLSにするロードセンシング制御が行われる。
【0187】
さて主油圧ポンプ2は作業機用油圧シリンダ4とファン駆動用油圧モータ7に共通する油圧駆動源である。したがって作業機用油圧シリンダ4が駆動され作業機が作動している状態では、主油圧ポンプ2から吐出される圧油の流量の多くが作業機用油圧シリンダ4に供給されている。このため主油圧ポンプ2からファン駆動用油圧モータ7に供給される流量は不足する。このとき固定容量型油圧ポンプ44から吐出された圧油が流量制御弁41に流入され、流量制御弁41を介してファン駆動用油圧モータ7に供給される。
【0188】
このように本実施形態によれば主油圧ポンプ2以外に設けられた固定容量型油圧ポンプ44からファン駆動用油圧モータ7に圧油が供給されるので不足分の流量が補われる。なお補助用の油圧ポンプ44は可変容量型で構成してもよい。
【0189】
なお主油圧ポンプ2から吐出される流量が多くなりポンプ吐出圧が高くなるとアンロード弁48が開位置に切り換えられ、固定容量型油圧ポンプ44から吐出された圧油がアンロード弁48、管路49を介してタンク9に排出される。
【0190】
また固定容量型油圧ポンプ44の吐出圧が大きくなるとリリーフ弁47が開位置側に作動され、固定容量型油圧ポンプ44から吐出された圧油がリリーフ弁47、管路49を介してタンク9に排出される。
【0191】
また流量制御弁41の流出ポート側の圧力PmLSが高くなると、リリーフ弁39が開位置側に作動され、流量制御弁41から流出された圧油がリリーフ弁39、管路38、管路27を介してタンク9に排出される。
【0192】
またファン駆動用油圧モータ7の流入ポート7aには、主油圧ポンプ2から吐出された圧油とともに、タンク9から圧油が管路37上のチェック弁29を通過して導入される。したがって急激な圧力変化などが起きた場合にキャビテーション発生を防止することができる。
【0193】
以上のように図2に示す実施形態によれば、冷却用ファン8の回転数(風量)の制御は可変容量型のファン駆動用油圧モータ7の容量(斜板7c)を変化させる斜板駆動機構部6を駆動制御することによって行われる。斜板駆動機構部6という一般の作業機用の主油圧ポンプ2の斜板の駆動に使用されている斜板駆動機構部5と同じものを利用して油圧回路を構築することができる。したがって汎用性の高い冷却用ファンの駆動装置を提供することが可能となる。
【0194】
さらに本実施形態によれば、既存の作業機駆動用の主油圧ポンプ2をファン駆動用の油圧ポンプとして利用することでファン駆動専用の油圧ポンプの配設を省略することができる。このため油圧機器の部品点数を少なくすることができる。
【0195】
さらにまた本実施形態によれば、作業機用油圧シリンダ4に対して供給する圧油の流量を制御する操作弁3と同様に、ファン駆動用油圧モータ7側にもファン駆動用油圧モータ7に供給する圧油の流量を制御する流量制御弁41が設けられる。そしてLS弁50で、上記流量制御弁41の前後の圧P、PmLSの差圧ΔPm=P−PmLSを第2の設定差圧にするロードセンシング制御が行われる。このためファン駆動用油圧モータ7の負荷が変動した場合であっても冷却用ファン8の回転数Nの変動が抑制され回転が安定するという効果が得られる。
【0196】
さらにまた本実施形態によれば、主油圧ポンプ2からファン駆動用油圧モータ7に供給される流量が不足する状況下であっても、ファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保されるという効果が得られる。
【0197】
つぎに図3を参照して別の実施形態について説明する。以下図2と同じ符号は同じ構成要素であるとして重複した説明は省略する。なお図3における冷却用ファン駆動部10は図2とほぼ同一構成であるとして重複した図示は適宜省略する。
【0198】
本実施形態は主油圧ポンプ2、2′が2つ設けられている場合に適用される実施形態である。本実施形態では斜板2a、2′aが独立して駆動されるタンデムポンプ2、2′を想定している。しかし本発明としては圧油吐出口が複数設けられている油圧ポンプであれば適用が可能であり油圧ポンプの構造は任意である。たとえばタンデムポンプの代わりに、斜板が2つの圧油吐出口に共通となっている2フローウエイ型の油圧ポンプを使用してもよい。また圧油吐出口の数としては2つに限らず3以上設けてもよい。そして圧油吐出口の数に対応して油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)についても2つ以上複数設けてもよい。
【0199】
図3において一方の油圧ポンプ2に関わる構成要素と他方の油圧ポンプ2′に関わる構成要素は同一のものであるとして、他方の油圧ポンプ2′に関わる構成要素については一方の油圧ポンプ2に関わる構成要素の符号にダッシュを付して重複した説明を省略する。
【0200】
一方の油圧ポンプ2の圧油吐出口2bから吐出される吐出圧油の圧力をP1とし、他方の油圧ポンプ2′の圧油吐出口2′bから吐出される吐出圧油の圧力をP2とする。
【0201】
一方の油圧ポンプ2のポンプ圧吐出管路11には分岐管路62が接続されている。また他方の油圧ポンプ2′のポンプ圧油吐出管路11′には分岐管路63が接続されている。管路62にはチェック弁64が設けられていると共に、管路63にはチェック弁65が設けられている。チェック弁64、65の各流出口が対向するようにチェック弁64、65が配設されている。チェック弁64、65の流出口は管路17aに接続されている。管路17aは、図2と同様に冷却用ファン駆動部10に接続されている。つまり管路17aは流量制御弁41に連通されている。
【0202】
したがって、チェック弁64、65では2つの油圧ポンプ2、2′の各圧油吐出口2b、2′bから吐出された圧力P1、P2のポンプ吐出圧油のうちで最大圧力Pの圧油が選択され、管路17aに出力される。つまり流量制御弁41には最大圧力Pとなっているポンプ吐出圧油が流入されることになる。
【0203】
なお上記対向するチェック弁64、65の代わりにシャトル弁を使用してもよい。
【0204】
また一方の油圧シリンダ4の負荷圧をP1LSとし、他方の油圧シリンダ4′の負荷圧をP2LSとする。
【0205】
一方の油圧シリンダ4に連通する管路12にはLS圧管路16が接続されている。また他方の油圧シリンダ4′に連通する管路12′にはLS圧管路16′が接続されている。LS圧管路16、16′はシャトル弁61の流入口に接続されている。シャトル弁61の流出口はLS圧管路16″に接続されている。LS圧管路16″は、各斜板駆動機構部5、5′の各LS弁20のパイロットポート20c、20′cに接続されている。またシャトル弁61の流出口はLS圧管路16″を介して管路18に接続されている。管路18は、図2と同様に冷却用ファン駆動部10に接続されている。つまり管路18はチェック弁19の流出口に連通されている。
【0206】
したがって、シャトル弁61では2つの油圧シリンダ4、4′の各負荷圧P1LS、P2LSのうちで最大負荷圧PLSが選択され、LS圧管路16″に出力される。このため一方の主油圧ポンプ2側のLS弁20では、主油圧ポンプ2の吐出圧P1と2つの油圧シリンダ4、4′の最大負荷圧PLSとの差圧ΔPを第1の設定差圧にするロードセンシング制御が行われる。同様に他方の主油圧ポンプ2′側のLS弁20′では、主油圧ポンプ2′の吐出圧P2と2つの油圧シリンダ4、4′の最大負荷圧PLSとの差圧ΔPを第1の設定差圧にするロードセンシング制御が行われる。
【0207】
一方チェック弁19の流出口には2つの油圧シリンダ4、4′の最大負荷圧PLSが作用しているので、この最大負荷圧PLSと、チェック弁19の流入口側の圧力P′mLSのうちで大きい方の圧力が選択されてチェック弁19から管路18に流出される。
【0208】
なおシャトル弁61の代わりに対向するチェック弁を使用してもよい。
【0209】
つぎに図3の実施形態で行われる動作について説明する。
【0210】
本実施形態では図2の実施形態と同様にしてファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保される。
【0211】
すなわちいまチェック弁19の流出側の圧力は2つの油圧シリンダ4、4′の最大負荷圧PLSでありチェック弁19の流入側の圧力はファン駆動用油圧モータ7の負荷圧P′mLSである。
【0212】
油圧シリンダ4、4′の負荷(作業機の負荷)が軽い状況下では、作業機側最大負荷圧PLSよりもファン側圧力P′mLSの方が高いのでチェック19から圧力P′mLSを示す圧油が管路18に流出され、管路18、LS圧管路16″を介してLS弁20、LS弁20′の各パイロットポート20c、20′cに加えられる。
【0213】
このためLS弁20では、主油圧ポンプ2の吐出圧P1とファン側負荷圧P′mLSとの差圧を第1の設定差圧ΔPLSにするロードセンシング制御が行われる。同様にしてLS弁20′では、主油圧ポンプ2′の吐出圧P2とファン側負荷圧P′mLSとの差圧を第1の設定差圧ΔPLSにするロードセンシング制御が行われる。ファン側負荷圧P′mLSは2つの油圧シリンダ4、4′の最大負荷圧PLSよりも高いのでこれに伴い主油圧ポンプ2、2′の吐出圧P1、P2が高くなる。したがって2つの主油圧ポンプ2、2′の吐出圧油の最大吐出圧Pが高くされて流量制御弁41に流入される。この結果流量制御弁41から流出される圧油の圧力つまりファン駆動用油圧モータ7の負荷圧PmLSが増加していく。このためファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保される。
【0214】
油圧シリンダ4、4′の負荷(作業機の負荷)が大きい状況下では、作業機側最大負荷圧PLSの方がファン側負荷圧P′mLSよりも高いのでチェック19から圧力P′mLSを示す圧油は管路18に流出されない。このためLS弁20では、主油圧ポンプ2の吐出圧P1と2つの油圧シリンダ4、4′の最大負荷圧PLSとの差圧ΔPを第1の設定差圧ΔPLSにするロードセンシング制御が行われる。同様にLS弁20′では、主油圧ポンプ2′の吐出圧P2と2つの油圧シリンダ4、4′の最大負荷圧PLSとの差圧ΔPを第1の設定差圧ΔPLSにするロードセンシング制御が行われる。
【0215】
なお図2に示す油圧回路では、冷却用ファン駆動部10においてアンロード弁48とリリーフ弁47を別体に配設しているが、図3に示すようにアンロード弁48の代わりにリリーフ弁47を内蔵したアンロード弁48′を用いる実施も可能である。
【0216】
以上のように図3に示す実施形態によれば、主油圧ポンプ2、2′に複数の圧油吐出口2b、2′bが設けられている場合に、高圧側のポンプ吐出圧油をファン駆動用油圧モータ7に供給させることができる。
【0217】
また本実施形態によれば、主油圧ポンプ2、2′の複数の圧油吐出口2b、2′bからファン駆動用油圧モータ7に供給される流量が不足する状況下であっても、ファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保されるという効果が得られる。
【0218】
なお以上説明した実施形態の冷却用ファンの駆動装置は、建設機械を含むあらゆる油圧駆動機械に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る冷却用ファンの駆動装置の実施形態を示す油圧回路図である。
【図2】図2は本発明に係る冷却用ファンの駆動装置の別の実施形態を示す油圧回路図である。
【図3】図3は本発明に係る冷却用ファンの駆動装置のさらに別の実施形態を示す油圧回路図である。
【図4】図4はファン駆動用油圧モータの圧力と容量の関係を示す図である。
【図5】図5は対象物の温度とファン目標回転数との関係を説明する図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 主油圧ポンプ
3 操作弁
4 油圧シリンダ
5、6 斜板駆動機構部
7 ファン駆動用油圧モータ
8 冷却用ファン
9 タンク
13 コントローラ
20、50 LS弁
25 TC弁
41 流量制御弁
50 LS弁

Claims (5)

  1. 駆動源(1)によって駆動される主油圧ポンプ(2)と、前記主油圧ポンプ(2)から吐出された作動圧油が操作弁(3)を介して供給されることによって作動する油圧アクチュエータ(4)と、前記駆動源(1)または前記作動圧油を冷却する冷却用ファン(8)と、前記主油圧ポンプ(2)の吐出圧と前記油圧アクチュエータ(4)の負荷圧との差圧が第1の設定差圧になるように前記主油圧ポンプ(2)の容量(2a)を制御する主ポンプ容量制御弁(20)とを具えた冷却用ファンの駆動装置において、
    前記冷却用ファン(8)を回転させる可変容量型油圧モータ(7)と、
    前記主油圧ポンプ(2)の圧油吐出口(2b)と前記可変容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)とを接続する管路(17a、17b)上に設けられ、前記主油圧ポンプ(2)の圧油吐出口(2b)から前記可変容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)に流入させる圧油の流量を制御する流量制御弁(41)と、
    前記流量制御弁(41)に流入される圧油の圧力と前記流量制御弁(41)から流出される圧油の圧力との差圧が第2の設定差圧になるように前記可変容量型油圧モータ(7)の容量(7c)を制御する差圧制御弁(50)と、
    前記油圧アクチュエータ(4)の負荷圧と前記流量制御弁(41)から流出される圧油の圧力のうちで大きい方の圧力を選択する圧力選択手段(19)と
    を具え、
    前記主油圧ポンプ容量制御手段(20)で、前記主油圧ポンプ(2)の吐出圧と前記圧力選択手段(19)で選択された圧力との差圧を前記第1の設定差圧にする制御を行わせるようにした
    冷却用ファンの駆動装置。
  2. 前記流量制御弁(41)に対して前記可変容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)に流入させる圧油の流量を指示する流量指示手段(13、40)をさらに具えるようにした請求項1記載の冷却用ファンの駆動装置。
  3. 前記主油圧ポンプ(2)以外に前記可変容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)に圧油を供給する補助油圧ポンプ(44)をさらに具えるようにした請求項1記載の冷却用ファンの駆動装置。
  4. 駆動源(1)によって駆動され圧油吐出口(2b、2′b)が複数設けられた主油圧ポンプ(2、2′)と、前記主油圧ポンプ(2、2′)の複数の圧油吐出口(2b、2′b)から吐出された作動圧油が操作弁(3、3′)を介して供給されることによって作動する油圧アクチュエータ(4、4′)と、前記駆動源(1)または前記作動圧油を冷却する冷却用ファン(8)とを具えた冷却用ファンの駆動装置において、
    前記主油圧ポンプ(2、2′)の複数の圧油吐出口(2b、2′b)から吐出された各作動圧油のうちで最大の圧力となる作動圧油を選択する選択手段(64、65)と、
    前記選択手段(64、65)で選択された作動圧油が流入ポート(7a)から流入されることによって作動され前記冷却用ファン(8)を回転させる可変容量型油圧モータ(7)と
    を具えた冷却用ファンの駆動装置。
  5. 駆動源(1)によって駆動され圧油吐出口(2b、2′b)が複数設けられた主油圧ポンプ(2、2′)と、前記主油圧ポンプ(2、2′)の複数の圧油吐出口(2b、2′b)から吐出された作動圧油が操作弁(3、3′)を介して供給されることによって作動する複数の油圧アクチュエータ(4、4′)と、前記駆動源(1)または前記作動圧油を冷却する冷却用ファン(8)と、前記主油圧ポンプ(2)の吐出圧と前記複数の油圧アクチュエータ(4、4′)の負荷圧との差圧が第1の設定差圧になるように前記主油圧ポンプ(2、2′)の容量(2a、2′a)を制御する主ポンプ容量制御弁(20、20′)とを具えた冷却用ファンの駆動装置において、
    前記冷却用ファン(8)を回転させる可変容量型油圧モータ(7)と、
    前記主油圧ポンプ(2、2′)の複数の圧油吐出口(2b、2′b)から吐出された各作動圧油のうちで最大の圧力となる作動圧油を選択するポンプ圧選択手段(64、65)と、
    前記ポンプ圧選択手段(64、65)で選択された作動圧油を前記可変容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)に連通させる管路(17a、17b)と、
    前記管路(17a、17b)上に設けられ、前記可変容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)に流入する圧油の流量を制御する流量制御弁(41)と、
    前記流量制御弁(41)に流入される圧油の圧力と前記流量制御弁(41)から流出される圧油の圧力との差圧が第2の設定差圧になるように前記可変容量型油圧モータ(7)の容量(7c)を制御する差圧制御弁(50)と、
    前記複数の油圧アクチュエータ(4、4′)の負荷圧と前記流量制御弁(41)から流出される圧油の圧力のうちで大きい方の圧力を選択する負荷圧選択手段(19)と
    を具え、
    前記主油圧ポンプ容量制御手段(20、20′)で、前記主油圧ポンプ(2、2′)の吐出圧と前記負荷圧選択手段(19)で選択された圧力との差圧を前記第1の設定差圧にする制御を行わせるようにした
    冷却用ファンの駆動装置。
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