JP2013146988A - 繊維強化複合材料成形体、及び、その製造方法、並びに、それを用いたエレベータかご - Google Patents
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Abstract
【課題】両表面に金属層を備えておりながら生産性も確保されている、繊維強化複合材料成形体等の提供。
【解決手段】繊維強化複合材料成形体1は、一対の金属箔1dと、一対の補強繊維1bと、網目状シート1a(1a’)とを少なくとも含み、網目状シートは、一対の補強繊維の間に挟まれるように配置され、網目状シート及び一対の補強繊維は、一対の金属箔の間に挟まれるように配置されており、一対の補強繊維層には、網目状シートに供給された樹脂が含浸・硬化されている。
【選択図】図4
【解決手段】繊維強化複合材料成形体1は、一対の金属箔1dと、一対の補強繊維1bと、網目状シート1a(1a’)とを少なくとも含み、網目状シートは、一対の補強繊維の間に挟まれるように配置され、網目状シート及び一対の補強繊維は、一対の金属箔の間に挟まれるように配置されており、一対の補強繊維層には、網目状シートに供給された樹脂が含浸・硬化されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、繊維強化複合材料成形体およびその製造方法ならびにそれを用いたエレベータかごに関し、特に、難燃性の繊維強化複合材料成形体と、そのような繊維強化複合材料成形体の製造方法と、そのような繊維強化複合材料成形体を用いたエレベータかごとに関するものである。
炭素等の補強繊維に樹脂(マトリクス樹脂)を含浸させた繊維強化複合材料成形体は、軽量で、かつ、高い剛性を有することから、電気・電子機器、鉄道車両、航空機、建築材料など幅広い分野で使用されている。
しかし、含浸樹脂自体は非常に燃えやすく、火災等により構造部材が着火して燃焼する可能性があるため、難燃性が求められる場合に如何にして所望の難燃性を確保するかという問題はある。
例えば、繊維強化複合材料成形体をエレベータかごに適用するにあたっては、国土交通省建築基準法に定める「発熱性試験」と「ガス有毒性試験」とから成る難燃性試験に合格する必要がある。
現在、繊維強化複合材料成形体の製造態様としては、特許文献1に例示されるように、VaRTM(Vacuum assisted Resin Transfer Molding)成形法による繊維強化複合材料成形体の製造方法がある。かかる方法では、所定の成形型の上に補強繊維を載置し、補強繊維の上に、樹脂透過性を有する離型用シート及び樹脂拡散シートを順次載置する。順次載置されたそれら補強繊維・離型用シート・樹脂拡散シートを、密閉用フィルムにて覆う。そして、順次載置された補強繊維・離型用シート・樹脂拡散シートが位置する密閉用フィルム内を真空引きする。密閉用フィルム内に樹脂を導入し、導入した樹脂を硬化させて繊維強化複合材料成形体を形成する。樹脂透過性離型用シートを剥がすことにより、樹脂拡散シートを取り除き、繊維強化複合材料成形体を成形型から取り外すことで、目的の繊維強化複合材料成形体が得られるものである。
しかしながら、上述した特許文献1に例示される製造方法では、難燃性のある繊維強化複合材料成形体の製造は困難であり、特に、上述した国土交通省建築基準法に定める難燃性試験に合格し、エレベータかごに適用できるような難燃性のある繊維強化複合材料成形体の製造は困難であった。すなわち、本発明者等は、繊維強化複合材料成形体をエレベータかごに適用するために、金属箔を繊維強化複合材料成形体表面に設ける構成を想定したが、特許文献1に例示される製造方法では、このような構成を得ることはできない。これは、特許文献1に例示される製造方法では、繊維強化複合材料成形後に金属箔を貼り付けたり、あるいは、成形型にあらかじめ金属箔を設けておき、一体成形したりしようとしても、成形型の反対側から樹脂を拡散・含浸させるため、成形体の両面に金属箔を一体成形することは困難であることによる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、両表面に金属層を備えておりながら生産性も確保されている、繊維強化複合材料成形体およびその製造方法ならびにそれを用いたエレベータかごを提供することを目的とするものである。
上述した目的を達成するため、本発明の繊維強化複合材料成形体は、一対の金属層と、一対の補強繊維層と、網目状シートとを少なくとも含み、前記網目状シートは、前記一対の補強繊維層の間に挟まれるように配置されており、前記網目状シート及び一対の補強繊維層は、前記一対の金属層の間に挟まれるように配置されており、前記一対の補強繊維層には、前記網目状シートに供給された樹脂が含浸・硬化されている。
本発明によれば、両表面に金属層を備えておりながら生産性も確保されている、繊維強化複合材料成形構造を得ることができる。
以下、本発明に係る実施の形態について添付図面に基づいて説明する。なお、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。
実施の形態1.
実施の形態1に係る繊維強化複合材料成形体について説明する。図1のように、難燃性繊維強化複合材料成形体1は、基材としての繊維強化複合材料層1’と、その両表面に形成された一対の金属箔(金属層)1dとを備えた成形体である。繊維強化複合材料層1’は、樹脂拡散層である網目状シート1a(1a’)と、樹脂(マトリクス樹脂)1cが含浸された炭素等の一対の補強繊維(補強繊維層)1bとを含む。
実施の形態1に係る繊維強化複合材料成形体について説明する。図1のように、難燃性繊維強化複合材料成形体1は、基材としての繊維強化複合材料層1’と、その両表面に形成された一対の金属箔(金属層)1dとを備えた成形体である。繊維強化複合材料層1’は、樹脂拡散層である網目状シート1a(1a’)と、樹脂(マトリクス樹脂)1cが含浸された炭素等の一対の補強繊維(補強繊維層)1bとを含む。
網目状シート1a(1a’)は、一対の補強繊維1bの間に挟まれるように配置されており、さらに、それら網目状シート1a(1a’)及び一対の補強繊維1bは、一対の金属箔1dの間に挟まれるように配置されている。一対の補強繊維1bには、詳しくは後述するが、網目状シート1a(1a’)に供給された樹脂が含浸・硬化されている。
難燃性繊維強化複合材料成形体1は、後述するVaRTM成形法によって金属箔1dと繊維強化複合材料層1’とが一体成形される。一対の金属箔1dはそれぞれ、対応する補強繊維1bと対面する側を粗面化しておくと好適である。
補強繊維1bの形態としては、織物や編み物、組み物、不織布、一方向に引き揃えられたシート材等が挙げられる。補強繊維1bの材質としては炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維等が挙げられ、これらは単独で用いても良いし、併用しても良い。
網目状シート1a(1a’)の形態としては、縦糸と横糸とが重なる少なくとも二層以上の構成である。そのなかで、重ね合わせ網目状シート1aとして、図2に示されるように、縦糸と横糸とを融着するあるいは一体成形してなる重ね合わせ態様を挙げることができ、編組網目状シート1a’として、図3に示されるように、縦糸と横糸とが上下に入れ替わるように編み込む重ね合わせ態様を挙げることができる。
網目のピッチは樹脂拡散の観点から1〜10mmが好ましいが、特に3〜5mmがより好ましい。また、網目状シート1a(1a’)の網の太さは0.1〜1mmが好ましいが、特に0.3〜0.5mmがより好ましい。
網目状シート1a(1a’)の厚さについては特に限定されるものではないが、繊維強化複合材料に占める補強繊維1bの割合を高めることが軽量・高強度の観点から望ましい。したがって、網目状シート1a(1a’)は極力薄く、樹脂の拡散性を確保するために2層の場合、0.6〜1.0mmが好ましい。
網目状シート1a(1a’)の材質としては、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維等に加え、ポリエチレンやポリプロピレン、ナイロンであっても良い。
本発明では、マトリクス樹脂としては特に限定されるものではないが、樹脂の粘度は、含浸性の観点から、500mPa・s以下が好ましく、200mPa・s以下がより好ましい。なお、マトリクス樹脂及び成形型を加温してマトリクス樹脂の粘度を下げても良い。熱硬化性樹脂として例えば、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂等が使用することができる。
金属箔の形態としては、中心線平均粗さが0.01〜10μm、厚さが50〜500μmを用いることができる。例えば、銅、アルミ等が挙げられる。
本実施の形態に係る難燃性繊維強化複合材料成形体の製造方法は、VaRTM成形法によって金属箔1dと繊維強化複合材料層1’とが一体成形される態様を提供するものである。VaRTM成形法は、図4に示されるように、所定の成形型3に炭素等の補強繊維を配置し、これを密閉用フィルム5により密閉して、真空下で樹脂を含浸・硬化させる成型方法である。
より詳細には、以下の工程を備えている。所定の成形型3の上に、金属箔1d、補強繊維1b、網目状シート1a(1a’)、補強繊維1b、金属箔1dを順次載置する。
次に、それら順次載置された金属箔1d、補強繊維1b、網目状シート1a(1a’)、補強繊維1b、金属箔1dを、密閉用フィルム5にて、成形型3の反対側(図示では上方)から覆う。なお、成形型3と密閉用フィルム5との間には、適当なシール材4を配置し、さらに、それら成形型3、密閉用フィルム5及びシール材4によって構成された密閉室4aに対して、注入路6及び吸入路7を連通しておく。一例としては、図示されるように、シール材4の部分において、注入路6及び吸入路7を配置することができる。
注入路6の上流には、樹脂1cを充填した樹脂タンク8を配置し、吸入路7の下流にはポンプ9等の吸入手段を接続する。そして、密閉室4a内に、金属箔1d、補強繊維1b、網目状シート1a(1a’)、補強繊維1b、金属箔1dが順次載置された積層体が配置された状態で、ポンプ9を起動し、密閉室4aを真空引きする。これによって、樹脂タンク8内の樹脂1cが注入路6を介して密閉室4a内に導入され、導入された樹脂1cは、積層体のほぼ中央部に位置する網目状シート1a(1a’)を介して補強繊維1bに含浸される。含浸した樹脂を十分に硬化させたならば、その後、密閉用フィルム5を剥がし、難燃性繊維強化複合材料成形体1を成形型3から取外す。
このようにして得られた難燃性繊維強化複合材料成形体1では、繊維強化複合材料層1’の両表面に金属箔1dが存在することで、国土交通省建築基準法に定める発熱性試験において、試験中に着火することがなく、優れた難燃性を有することが分かった。また、あらかじめ金属箔(金属層)をブラスト加工あるいは化学エッチングにより粗面化しておくことで、アンカー効果による金属箔の繊維強化複合材料への物理的な密着力が得られることが分かった。しかも、樹脂を含浸させた補強繊維を基材(繊維強化複合材料層)とすることで、繊維強化複合材料成形体として、軽量でかつ高い強度が得られる。
なお、上記成形法において一対の金属箔を設けない場合、既存の方法のように樹脂透過性離型用シートを剥がす過程が介在しないため、両表面が滑らかな面を有する繊維強化複合材料成形体が得られることとなる。
このように、本実施の形態1によれば、一体成形による良好な生産性を確保しながら両表面に金属層を備えた繊維強化複合材料成形体を得ることができる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2として、難燃性繊維強化複合材料成形体をエレベータかごに適用した態様を説明する。図5は、上記実施の形態1による難燃性繊維強化複合材料成形体を少なくとも一部に構成部材として使用したエレベータかごを備えるエレベータ装置の斜視図である。図6は、そのエレベータかご室の分解斜視図である。
次に、本発明の実施の形態2として、難燃性繊維強化複合材料成形体をエレベータかごに適用した態様を説明する。図5は、上記実施の形態1による難燃性繊維強化複合材料成形体を少なくとも一部に構成部材として使用したエレベータかごを備えるエレベータ装置の斜視図である。図6は、そのエレベータかご室の分解斜視図である。
図5において、エレベータ装置は、駆動シーブを有する巻上機11と、巻上機11により昇降路内を昇降されるエレベータかご10及び釣合おもり13と、駆動シーブに巻き掛けられ、エレベータかご10及び釣合おもり13を吊り下げるロープ12とを備えている。エレベータかご10は、ガイドレール14によって案内され、エレベータかご10の正面(乗場側)には、スライド開閉式のかごドア15が設けられている。
図6に示されるように、エレベータかご10のかご室は、天板16、左右側面及び後面をなす側板17、床板18等のかご室パネルと、かごドア15を有している。上記実施の形態1による難燃性繊維強化複合材料成形体1は、軽量で高い機械的強度を備えていることから、天板16、側板17、床板18等のかご室パネル、かごドア15のパネルに好適であり、また、乗場ドアのパネルに用いることもできる。
かご室は、断面L字形状の連結部材19(例えば、アングル材)で連結された天板16、側板17、床板18等により構成されている。このかご室は、所定の大きさの難燃性繊維強化複合材料成形体1を複数準備し、隣接する難燃性繊維強化複合材料成形体1を断面L字形状の連結部材19で連結することにより製造することができる。連結部材19の材質は、天板16、側板17、床板18等を高強度に固定することができるものであれば特に限定されるものではなく、本発明に係る難燃性繊維複合材料成形体であってもよいし、金属であってもよい。このように、かご室を構成する天板16、側板17、床板18等に上記実施の形態1による難燃性繊維強化複合材料成形体1を用いることで、軽量で高強度なエレベータかご室を得ることができる。
以上説明したように、本実施の形態2のエレベータかごによれば、両表面に金属層を備える繊維強化複合材料成形体を有することで必要な難燃性を満たし、且つ、そのような繊維強化複合材料成形体が一体成形により得られることで良好な生産性も確保されている。
続いて、本発明の繊維強化複合材料成形体について、種々の繊維強化複合材料成形体を作製して実施した難燃性評価について説明する。
1.繊維強化複合材料成形体の作製
[実施例1]
(1)基材
補強繊維として、トレカ(登録商標)T300(東レ株式会社製)の炭素繊維を用い、樹脂として、リポキシ(登録商標)R806(昭和電工株式会社製)を用いた。その際、硬化剤として、有機過酸化物328E(化薬アクゾ株式会社製)、硬化促進剤として、オクチル酸コバルト(コバルトO)(昭和電工株式会社製)を用いた。
(2)金属層
難燃化に必要な金属層として、中心線平均粗さ0.1〜1μmに粗面化した50μmのアルミ箔を用いた。
(3)副資材
VaRTM成形に用いる副資材を以下に示す。網目状シートGREEN FLOW 75(AIRTECH社製)を上記補強繊維の間に設け、樹脂拡散層とした。補強繊維、網目状シート、補強繊維の積層構成を金属層で挟んだ後、密閉用フィルムWL7400(AIRTECH社製)で覆い、シール材Sealer−V(日本シーカ社製)で外気と遮断した。
[実施例1]
(1)基材
補強繊維として、トレカ(登録商標)T300(東レ株式会社製)の炭素繊維を用い、樹脂として、リポキシ(登録商標)R806(昭和電工株式会社製)を用いた。その際、硬化剤として、有機過酸化物328E(化薬アクゾ株式会社製)、硬化促進剤として、オクチル酸コバルト(コバルトO)(昭和電工株式会社製)を用いた。
(2)金属層
難燃化に必要な金属層として、中心線平均粗さ0.1〜1μmに粗面化した50μmのアルミ箔を用いた。
(3)副資材
VaRTM成形に用いる副資材を以下に示す。網目状シートGREEN FLOW 75(AIRTECH社製)を上記補強繊維の間に設け、樹脂拡散層とした。補強繊維、網目状シート、補強繊維の積層構成を金属層で挟んだ後、密閉用フィルムWL7400(AIRTECH社製)で覆い、シール材Sealer−V(日本シーカ社製)で外気と遮断した。
[比較例1]
比較例1では実施例1と同様の基材を用いた。VaRTM成形に用いる副資材を以下に示す。炭素繊維の上に樹脂透過性離型用シートBLEEDER LEASE−B(AIRTECH社製)を載置し、さらに、その上に樹脂拡散層を配置した。それら炭素繊維、樹脂透過性離型用シート、樹脂拡散層の積層構成を、密閉用フィルムで覆い、シール材で外気と遮断した。
比較例1では実施例1と同様の基材を用いた。VaRTM成形に用いる副資材を以下に示す。炭素繊維の上に樹脂透過性離型用シートBLEEDER LEASE−B(AIRTECH社製)を載置し、さらに、その上に樹脂拡散層を配置した。それら炭素繊維、樹脂透過性離型用シート、樹脂拡散層の積層構成を、密閉用フィルムで覆い、シール材で外気と遮断した。
上述した実施例1と比較例1との構成及び評価について、以下の表1に示す。
2.繊維強化複合材料成形体の難燃性評価
国土交通省建築基準法に定められている発熱性試験により、繊維強化複合材料成形体の難燃性を評価した。この発熱性試験は、縦横が100mm(厚さt<50mm)の試験体に、輻射強度50kW/m2の輻射熱(約650℃)を与えながら、イグナイターにて発生させる電気スパークを点火源として燃焼させる試験であり、経時的な発熱速度と総発熱量を求めることができる。この発熱性試験には、コーンカロリーメーターを用いた。発熱速度や発熱量は「酸素消費法」により算出した。これは有機材料において燃焼により生ずる発熱量は物質の種類によらず、ほぼ一定の数値(酸素1kgあたり13.1MJ)になることを利用している。
国土交通省建築基準法に定められている発熱性試験により、繊維強化複合材料成形体の難燃性を評価した。この発熱性試験は、縦横が100mm(厚さt<50mm)の試験体に、輻射強度50kW/m2の輻射熱(約650℃)を与えながら、イグナイターにて発生させる電気スパークを点火源として燃焼させる試験であり、経時的な発熱速度と総発熱量を求めることができる。この発熱性試験には、コーンカロリーメーターを用いた。発熱速度や発熱量は「酸素消費法」により算出した。これは有機材料において燃焼により生ずる発熱量は物質の種類によらず、ほぼ一定の数値(酸素1kgあたり13.1MJ)になることを利用している。
建築基準法では、材料の燃え難さのグレードの低い方から高い方へ、「難燃材料」、「準不燃材料」、「不燃材料」のカテゴリに分けられている。エレベータかごへの適用には「難燃材料」以上のグレードが必要となる。具体的には、コーンカロリーメーターによる燃焼性試験において、試験開始から5分間の総発熱量が8MJ/m2以下、発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2超えないことが求められる。
以上の評価結果から、金属箔を設けない繊維強化複合材料は発熱性試験において着火し、全焼したのに対し、金属箔を設けることで、国土交通省建築基準法規定の発熱性試験において難燃性を満足することが実証された。
以上、好ましい実施の形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の改変態様を採り得ることは自明である。
例えば、本発明は、難燃性が要求されるエレベータかごに限らず、例えば、電気・電子機器、鉄道車両、航空機、建築材料など、幅広い分野で活用することができる。
また、本発明の方法は、網目状シートが、一対の補強繊維層の間に挟まれるように配置され、網目状シート及び一対の補強繊維層が、一対の金属層の間に挟まれるように配置された積層構成を、上述したように成形型の上で順次積層することで用意することには限定されない。よって、例えば、適当なステージで、必要な積層構成を予め得ておき、その積層構成をまとめて成形型の上に配置する態様も含みうる。
1 難燃性繊維強化複合材料成形体、1’ 繊維強化複合材料層、1a 重ね合わせ網目状シート、1a’ 編組網目状シート、1b 補強繊維、1c 樹脂(マトリクス樹脂)、1d 金属箔(金属層)、3 成形型、10 エレベータかご、16 天板、17 側板、18 床板。
Claims (7)
- 一対の金属層と、一対の補強繊維層と、網目状シートとを少なくとも含み、
前記網目状シートは、前記一対の補強繊維層の間に挟まれるように配置されており、
前記網目状シート及び一対の補強繊維層は、前記一対の金属層の間に挟まれるように配置されており、
前記一対の補強繊維層には、前記網目状シートに供給された樹脂が含浸・硬化されている、
繊維強化複合材料成形体。 - 前記網目状シートは、縦糸と横糸とが重なる少なくとも二層以上の構成を有し、
それら縦糸と横糸とは融着あるいは一体成形で重ね合わせられ、または、縦糸と横糸とは上下に入れ替わるように編み込むことで重ね合わせられている、
請求項1の繊維強化複合材料成形体。 - 一対の金属層と、一対の補強繊維層と、網目状シートとを少なくとも含み、前記網目状シートは、前記一対の補強繊維層の間に挟まれるように配置されており、前記網目状シート及び一対の補強繊維層は、前記一対の金属層の間に挟まれるように配置された積層構成を用意し、
前記網目状シートに樹脂を供給し、
前記樹脂を前記一対の補強繊維層に含浸・硬化させる、
繊維強化複合材料成形体の製造方法。 - 前記一対の金属層はそれぞれ、対応する前記補強繊維層と対面する側が粗面化されている、
請求項3の繊維強化複合材料成形体の製造方法。 - VaRTM法を用い、前記網目状シートを樹脂拡散層として機能させる、
請求項3又は4の繊維強化複合材料成形体の製造方法。 - 前記一対の金属層、前記一対の補強繊維層、前記網目状シートは、成形型の上に、前記金属層、前記補強繊維層、前記網目状シート、前記補強繊維層、前記金属層の順に載置され、
前記金属層には、金属箔が用いられる、
請求項5の繊維強化複合材料成形体の製造方法。 - 床板と、天井板と、左右側面及び後面をなす側板とを含み、
それら床板、天井板及び側板の少なくも一つが請求項1又は2の繊維強化複合材料成形体で構成されている、
エレベータかご。
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JP2014148113A (ja) * | 2013-02-01 | 2014-08-21 | Oji Holdings Corp | アルミニウム被覆複合材パネル |
EP3246146A1 (en) | 2016-05-16 | 2017-11-22 | Noriyuki Kanoh | A method of making a synthetic resin structure |
CN110386535A (zh) * | 2018-04-12 | 2019-10-29 | 三菱电机株式会社 | 难燃性结构部件和使用了该难燃性结构部件的电梯轿厢 |
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