以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、この演出ボタン67は、周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっている。遊技者が所定期間中に、演出ボタン67やジョグダイヤル68を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50の上皿55には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり擬似図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。
センターケース5の下には、第1始動口11が配置され、センターケース5の右には、第2始動口12が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。センターケース5の左にはゲート17が配置されており、ここを遊技球が通過すると普通図柄が変動し、普通図柄が当り図柄で停止すると前記翼片が開放される。センターケース5の左方やや下には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9と第2特別図柄表示装置10とが配置されている。
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、及び第3左入賞口33が設けられており、大入賞口14の右上には右入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。なお、賞球数は、第1始動口11が3個、第2始動口12が4個、大入賞口14が15個、その他の入賞口が10個となっている(図28(a)も参照)。
パチンコ機50の裏面は図3に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
このパチンコ機50の電気的構成は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第1カウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a、右入賞口34に入球した遊技球を検出する右入賞口スイッチ34a等の検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図4では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。 また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67およびジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ボタン67またはジョグダイヤル68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
メインルーチンを図5に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより繰り返し実行される。本実施形態では、当該メインルーチンが1回起動されるごとにS10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「199」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「199」までの200個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)については、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「199」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「199」までの200個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が150であったとすると、大当り決定用乱数は「150」「151」「152」・・・「199」「0」「1」・・・と更新されていく。
なお、大当り決定用乱数が一巡(200回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする。大当り決定用乱数は、その初期値から+1されていく。そして、再び大当り決定用乱数が一巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「149」になると一巡であるから、「149」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「149」「87」「88」・・・「199」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値は、常に「7」である。この当り決定用乱数は普通図柄の抽選に使用し、初期値乱数、大当り決定用乱数、リーチ判定用乱数は特別図柄の抽選に使用し、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数は、普通図柄の抽選・特別図柄の抽選の双方に用いる。
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認、ゲート17の遊技球の通過の確認、及びパチンコ機50に設けられ主制御基板80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12をそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が対応する始動口に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。当否判定処理(S55)では、特別図柄および普通図柄のそれぞれに対応した当否判定や、当否判定に付随する図柄変動や特別遊技処理などの処理を行なう。この当否判定処理(S55)に続く不正監視処理(S60)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御基板80に設けている。
続く画像出力処理等の各出力処理(S65)では、遊技の進行に応じて主制御基板80は演出図柄制御装置82、払出制御基板81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御基板81に賞球信号を送信する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が一巡したときの、初期値乱数の値(0〜199の200通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/200である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
始動入賞確認処理(S50)の概要を図6に示す。主制御装置80は、まず第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1特別図柄の保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を保留記憶として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯態様を1増加させる(S110)。なお、第1特別図柄保留数表示装置18は2個のLEDの点灯または消灯させることにより2進法により保留記憶されている数を表す(ただし保留記憶数が4個の場合は2個のLEDを共に点滅させる)もので、「点灯態様を1増加させる」とは2進法で示される数を1つ増やすという意味である(第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8についても同様)。また、S110では保留個数が更新されたことを示すコマンド(保留個数コマンド)をサブ統合制御装置83に送信する。こうして各乱数を記憶すると、S115に移行する。第1始動口11に遊技球が入球していない場合(S100:no)、又は第1保留記憶が満杯の場合(S105:yes)、はそのままS115に移行する。
S115では第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断なら(S115:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2特別図柄の保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S120)。
保留記憶が満杯でなければ(S120:no)、上記の各乱数を保留記憶として記憶し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯態様を1増加させる(S125)。なお、S125でも保留個数が更新されたことを示すコマンド(保留個数コマンド)をサブ統合制御装置83に送信する。こうして各乱数を記憶すると、S130に移行する。第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S115:no)、又は第2保留記憶が満杯の場合(S120:yes)、はそのままS130に移行する。
S130では普通図柄作動スイッチ17aの検出信号に基づいて、ゲート17を遊技球が通過(図6では入球と表現)したか否かを判断する。肯定判断なら(S130:yes)、当り決定用乱数を該当のカウンタから読み込んで、普通図柄の保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S135)。
保留記憶が満杯でなければ(S135:no)、当り決定用乱数を保留記憶として記憶し、普通図柄保留数表示装置7の点灯態様を1増加させる(S140)。なお、S140では保留個数が更新されたことを示すコマンド(保留個数コマンド)をサブ統合制御装置83に送信する。こうして各乱数を記憶すると、当処理を終了(リターン)する。ゲート17に遊技球が入球していない場合(S130:no)、又は普通図柄保留記憶が満杯の場合(S140:yes)も、当処理を終了する。
S55の当否判定処理の内、特別図柄に係る当否判定などを行なう処理は、図7〜10に示すようなもので、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S200)。S200の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、図8のS215に移行し、第2特別図柄の保留記憶(S125による保留記憶)があるか否かを判断する。この保留記憶があれば(S215:yes)、第2保留記憶数をデクリメントし(S220)、S235に進む。第2特別図柄の保留記憶がなければ(S215:no)、S225に進み、第1特別図柄の保留記憶(S110による保留記憶)があるか否かを判断する。この保留記憶があれば(S225:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S230)、S235に進む。
S235では、大当りか否かを判定(当否判定)する。具体的には予め決定された大当り値が記憶されたテーブルと、大当り決定用乱数を比較する。大当りとなる値は「7」であり、つまり大当り確率は1/200となっている。そしてS240にて当りか(大当り値と大当り決定用乱数が一致したか)否かを判定し、肯定判定であれば(S240:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S245)。こうして大当り図柄が決定されると、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S250)、S275に移行する。
S240において外れと判定された場合は、小当りか否かを判定する(S255)。これは予め決定された小当り値が記憶されたテーブルと、大当り決定用乱数を比較する。小当りとなる値は「70」「140」であり、つまり小当り確率は2/200すなわち1/100となっている。肯定判定であれば(S255:yes)、小当り図柄を決定する(S260)。なお、当パチンコ機50においては小当り図柄は一種類しかなく、S260ではその小当り図柄が設定される。こうして小当り図柄が決定されると、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S265)、S275に合流する。S255で小当りではないと判定された場合は、S270に移って変動パターン決定処理を行ない、S275に合流する。
S275では、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力する。なお、S275の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄を設定し、その変動表示を開始するが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。S275の処理が終了すると特別遊技処理(図11〜13にて後述)に移行する。なお、S225にて第1保留記憶がないと判定された場合も、特別遊技処理に移行する。
図7において特別図柄が変動中(S205:yes)と判定された場合には、図9のS280に移行し、特別図柄の変動時間(S250、S265、又はS270の変動パターンに基づく)が経過したか否かを判定する。肯定判断であれば特図確定図柄表示処理(S285)を行なってから特別遊技処理を行う。特図確定図柄表示処理では、演出図柄の変動を止めるためにサブ統合制御装置83に図柄停止コマンドを送信する。特別図柄の変動時間が経過していない場合(S280:no)は、そのまま特別遊技処理を行う。
図7において確定図柄を表示中と判定された場合(S210:yes)には、図10のS290に移行し、特別図柄を確定表示させる時間が終了したか否かを判定する。否定判断(S290:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示終了処理(S295)を行なう。確定図柄表示終了処理ではサブ統合制御装置83に特別図柄停止終了コマンドを送信する。確定図柄表示終了処理を行なうと、大当りになる組合せや否かを判定(S300)し、肯定判断なら条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする(S305)。そしてS310にて役物連続作動装置を作動させ、S315にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
S300で、確定表示させた特別図柄が大当りになる組み合わせではないと判定された場合は、S320に移行して小当りになる組み合わせか否かを判定する。肯定判断(S450:yes)であれば、特別電動役物の作動を開始させ(S325)、小当り開始演出処理(S330)を行なう。小当り開始演出処理では、小当り遊技を開始するコマンド及び小大当り遊技に係る情報をサブ統合制御装置83に送信する。小当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
図11〜13に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S400)。役物連続作動装置が作動中なら(S400:yes)、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S405)。大入賞口14の開放中ではない場合は(S405:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S410)。インターバル中でもない場合は(S410:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S415)。これも否定判断の場合は(S415:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が、経過したか否かを判定する(S420)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S420:yes)、大入賞口開放処理(S425)を行なって当処理を終了(リターン)する。大当り開始演出時間が経過していない場合は(S420:no)、そのまま当処理を終了する。
S405で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図12のS430に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14に10個入賞した場合(S430:yes)にはS440に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そして大当りインターバル処理(S445)を行なって、特別遊技処理を終了する。大入賞口14に10個入賞していない場合(S430:no)にはS435に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、15ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は30秒に設定している。また2ラウンド大当りの場合の各ラウンドの最大開放時間は0.9秒に設定している。無論、これらの秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S435:yes)には、S440に合流し、終了していない場合(S435:no)は特別遊技処理を終了する。
図11のS410でインターバル中であると判定された場合は、図12のS450に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S450:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S455)。最終ラウンドであれば(S455:yes)、大当り終了演出処理(S460)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S455:no)、再び大入賞口14を開放する処理(S465)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S450:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
図11のS415で大当りの終了演出中であると判定された場合は、図13のS470に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S470:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S475)、条件装置の作動を停止する(S480)。そして、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S485)、特別遊技処理を終了する。大当り終了演出時間が経過していない場合には(S470:no)、そのまま特別遊技処理を終了する。
図11で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S500:no)には、図14に示す小当り遊技処理を実行する。当処理が起動されると主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを判断する(S500)。作動中なら(S500:yes)、大入賞口14が開放中か判断する(S505)。否定判断の場合(S505:no)は、小当り遊技間のインターバル中であるか判断する(S510)。小当り遊技間のインターバルではなく(S510:no)、小当り遊技の終了演出中でもない場合は(S515:no)、小当り遊技の開始演出に要する時間が経過するのを待ち(S520:yes)、大入賞口14を開放させ(S525)、本処理を終了(リターン)する。なお、特別電動役物が作動していないか(S500:no)、または小当り開始演出に要する時間が経過していないと判定された場合(S520:no)には、そのまま本処理を終了する。
図14のS505で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図15のS530に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。大入賞口14に10個入賞していないと判定された場合(S530:no)はS535に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、小当りの場合は各開放の最長時間は0.9秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S535:yes)には、S540にて大入賞口閉鎖処理を行う。つまり大入賞口14の規定数は10個となっている(図28(a)も参照)。そして小当りインターバル処理(S545)を行なって、小当り遊技処理を終了する。大入賞口14に10個入賞した場合(S530:yes)にはS545に直行し、また大入賞口14の開放時間が終了していない場合(S535:no)は小当り遊技処理を終了する。
図14のS510で小当りインターバル中であると判定された場合は、図15のS550に進み、小当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。小当りインターバル時間が経過している場合(S550:yes)にはS555にて大入賞口14が2回開放済みか又は10個入賞済みか否かを判定する。肯定判定の場合(S555:yes)は、小当り終了演出処理(S560)を行なって小当り遊技処理を終了する。否定判定の場合(S555:no)は、大入賞口開放処理(S565)により大入賞口14を0.9秒間、1回開放し、小当り遊技処理を終了する。つまり小当りでは、大入賞口14が基本的に0.9秒、2回開放されるが、1回の開放で10個以上の入賞があった場合は1回の開放のみで小当りが終了する。なお、実際には1回の開放で10個以上の入賞が発生することは殆どない。
図14のS515で小当り終了演出中であると判定された場合は、図15のS570に進み、小当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。小当り終了演出時間が経過したと判定された場合(S570:yes)は、S575にて特別電動役物の作動を停止させ、S580にて小当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信して小当り遊技処理を終了する。小当り終了演出時間が経過していないと判定された場合(S570:no)は、そのまま小当り遊技処理を終了する。以上が小当り遊技処理である。
S55の当否判定処理の内、普通図柄に係る当否判定などを行なう処理は、図16〜18に示すようなもので、主制御装置80は、普通電動役物が作動中か否かを判断する(S600)。S600の判定が否定判断で、普通図柄が変動中でなく(S605:no)、普通図柄の確定図柄の表示中でもなければ(S610:no)、S615に移行し、普通図柄の保留記憶(S140による保留記憶)があるか否かを判断する。この保留記憶があれば(S615:yes)、普通図柄保留記憶数をデクリメントし(S620)、S625に進む。なお、普通図柄の保留記憶がない場合(S615:no)、または普通電動役物が作動中の場合(S600:yes)は、普通図柄遊技処理に移行する。
S625では、当りか否かを判定(当否判定)する。具体的には予め決定された当り値が記憶されたテーブルと、当り決定用乱数を比較する。そしてS630にて当りか(当り決定用乱数が「7」だったか)否かを判定し、肯定判定であれば(S630:yes)、普通図柄当り図柄を決定する(S635)。普通図柄当り図柄は、A,B,Cの3種類があり、それぞれに対して異なる開放パターンが設定されている。この対応関係を図27(b)に示す。普通図柄当り図柄Aでは、第2始動口12が0.1秒を1回、5秒を1回それぞれ開放される。普通図柄当り図柄Bでは、第2始動口12が0.1秒を1回、5秒を1回それぞれ開放される。普通図柄当り図柄Cでは、第2始動口12が0.1秒間、1回だけ開放される。これら普通図柄当り図柄の発生割合は、1回の普通図柄当りに対して、普通図柄当り図柄A,Bが共に20%、普通図柄当り図柄Cが60%となっている。図16に戻る。こうして当り図柄が決定されると、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S640)、普通図柄当り設定処理を行なって(S645)、S655に移行する。S630において外れと判定された場合は、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S655)、S655に合流する。
S655では、普通図柄の当り図柄、普通図柄の変動パターン等のデータが含まれる普通図柄変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力する。なお、S655の処理により演出図柄表示装置6では普通図柄の演出図柄を設定し、その変動表示を開始するが、ほぼ同時に普通図柄の変動も主制御装置80によって開始される。S655の処理が終了すると普通図柄遊技処理(図19〜20にて後述)に移行する。
図16において普通図柄が変動中(S605:yes)と判定された場合には、図17のS660に移行し、普通図柄の変動時間(S640、又はS650の変動パターンに基づく)が経過したか否かを判定する。肯定判断であれば普図確定図柄表示処理(S665)を行なってから普通図柄遊技処理を行う。普図確定図柄表示処理(正確には普通図柄確定図柄表示処理)では、普通図柄の演出図柄の変動を止めるためにサブ統合制御装置83に図柄停止コマンドを送信する。普通図柄の変動時間が経過していない場合(S660:no)は、そのまま普通図柄遊技処理を行う。
図16において確定図柄を表示中と判定された場合(S610:yes)には、図18のS670に移行し、普通図柄を確定表示させる時間が終了したか否かを判定する。否定判断(S670:no)であれば普通図柄遊技処理を行い、肯定判断であれば普通図柄確定図柄表示終了処理(S675)を行なう。普通図柄確定図柄表示終了処理では、サブ統合制御装置83に普通図柄確定表示終了コマンドを送信する。普通図柄確定図柄表示終了処理を行なうと、普通図柄当りになる組合せか否かを判定する(S680)。肯定判断なら普電役物作動開始処理を行なう(S685)。そしてS690にて普通図柄当り開始演出処理を行なう。普通図柄当り開始演出処理では、普通図柄当り遊技を開始するコマンド及び普通図柄当り遊技に係る情報(普通図柄当りのオープニング時間、開放パターン、普通図柄当りのエンディング時間等)をサブ統合制御装置83に送信する。普通図柄当り開始演出処理が終了すると、普通図柄遊技処理を行なう。普通図柄当りになる組合せではないと判定された場合(S680:no)はそのまま普通図柄遊技処理を行なう。
普通図柄遊技処理(普図遊技処理)の概要を図19に示す。当処理が起動されると主制御装置80は、普通電動役物すなわち第2始動口12が作動中か否かを判断する(S700)。作動中なら(S700:yes)、普通電動役物が開放中か判断する(S705)。否定判断の場合(S705:no)は、普通図柄当りの終了演出中であるか判断する(S710)。普通図柄当りの終了演出中でない場合は(S710:no)、普通図柄当りの開始演出に要する時間が経過するのを待ち(S720:yes)、第2始動口12(普通電動役物)を開放させ(S725)、本処理を終了(リターン)する。なお、普通電動役物が作動していない場合(S700:no)、または普通図柄当り開始演出に要する時間が経過していないと判定された場合(S720:no)には、そのまま本処理を終了する。なお、普通図柄の変動開始時と普通電動役物の開放時では遊技状態が変更されている可能性がある。本実施例のように確変、時短を搭載しない構成ならば特に必要ないが、遊技状態が変更する遊技機の場合はS725の地点で遊技状態を参照し、遊技状態に応じた開放パターンにて開放を行う処理が行われることになる。
図19のS705で第2始動口12(普通電動役物)が開放中であると判定された場合は、図20のS730に進み、第2始動口12に10個入賞したか否かを判定する。第2始動口12に10個入賞していないと判定された場合(S730:no)にはS735に進み、第2始動口12の開放時間が終了したか否かを判定する。これは図27(b)に示した開放パターンに従う。開放時間が終了した場合(S735:yes)には、S740にて普電閉鎖処理を行う。つまり普電の規定数は10個となっている(図28(b)も参照)。そして普通図柄当り終了演出処理(S745)を行なって、普通図柄遊技処理を終了する。第2始動口12に10個入賞した場合(S730:yes)にはS740に直行し、また第2始動口12の開放時間が終了していない場合(S735:no)は普通図柄遊技処理を終了する。
図19のS710で普通図柄当り終了演出中であると判定された場合は、図20のS750に進み、普通図柄当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。普通図柄当り終了演出時間が経過したと判定された場合(S750:yes)は、S755にて普通電動役物の作動を停止させ、S760にて普通図柄当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信して普通図柄遊技処理を終了する。普通図柄当り終了演出時間が経過していないと判定された場合(S750:no)は、そのまま普通図柄遊技処理を終了する。以上が普通図柄遊技処理である。
サブ統合制御装置83にて実行される演出決定処理の概要を図21に示す。当処理はサブ統合制御装置83が主制御装置80から変動開始コマンド(S275で送信されるもの)を受信すると起動される。当処理が起動(S800:yes)されると、開始される変動の結果、大当りになるか否かを判定する(S805)。サブ統合制御装置83はこれを変動開始コマンドにより知ることができる。肯定判断(S805:yes)なら大当り演出図柄を決定する(S810)。大当り演出図柄を図27(a)に示す。S810では演出図柄「7」が3桁並ぶという組み合わせが40%、演出図柄「3」が3桁並ぶという組み合わせが40%、その他の数字の演出図柄が3桁並ぶという組み合わせが20%の確率で発生するように乱数を用いて決定される。この乱数の発生は、主制御装置80のメインルーチン(図5)にて大当り決定用乱数やリーチ判定用乱数を発生させたのと同様に、ループ処理(図示省略)をサブ統合制御装置83において実行することにより行なわれる。なお、このようなソフトウェアにより発生される乱数ではなくサブ統合制御装置83のCPUが備えるハード乱数を用いてもよい。こうして大当り演出図柄が決定されると、演出内容を決定し(S830)、当処理を終了(リターン)する。変動が大当りでない場合(S805:no)は、S815にてその変動の結果、小当りになるか否かを判定する。肯定判断(S815:yes)なら小当り演出図柄を決定し(S820)、S830に合流する。なお、小当り演出図柄は1つしかなく、図27(a)の表の最下段に示されたキャラクタが3桁並んだ状態が演出図柄表示装置6に表示される。否定判断(S815:no)すなわち大当りでも小当りでもなければ、ハズレ演出図柄を決定し(S825)、S830に合流する。
サブ統合制御装置83にて実行される演出図柄停止処理の概要を図22〜23に示す。当処理はサブ統合制御装置83が主制御装置80から特別図柄停止終了コマンド(S295で送信されるもの)を受信すると起動される。当処理が起動(S850:yes)されると、停止の結果、大当りになったか否かを判定する(S855)。肯定判断(S855:yes)なら大当り演出図柄が7揃い、すなわち「777」であったか否かを判定し(S860)、肯定判断であればアシスト設定フラグを1にして当処理を終了(リターン)する。アシストとは、普通図柄が変動する場合に、その変動の結果、普通図柄が当り図柄で止まる場合にこれを遊技者に報知することを指す。特に、本発明の遊技機においては、普通図柄に当ることを報知するだけでなく、その当りの結果、第2始動口12がどのような開放パターンで開放されるかも報知する。S860で大当り図柄が7揃いでないと判定された場合(S860:no)には、大当り演出図柄が3揃い、すなわち「333」であったか否かを判定し(S870)、肯定判断であればアシスト設定フラグを2にして当処理を終了する。否定判断であれば(S870:no)、そのまま当処理を終了する。
S855で大当りではないと判定された場合には、図23のS880に移行し、停止の結果、小当りになったか否かを判定する。肯定判断(S880:yes)ならアシスト設定フラグを1にして当処理を終了する。否定判断であれば(S880:no)、アシストフラグが0ではないか否かを判定し、否定判断すなわちアシストフラグが0であれば当処理を終了する。肯定判断(S890:yes)であればアシストカウンタをデクリメントする。アシストカウンタとは、大当り終了後に行なわれるアシストの期間(特別図柄があと何回変動される間、アシストが行なわれるか)を示すものである。このアシストの期間をアシストタイムという。アシストカウンタが0になったか否かを判定する(S900)。肯定判断であればアシストフラグをクリアして当処理を終了する。否定判断であれば(S900:no)、そのまま当処理を終了する。
サブ統合制御装置83にて実行される大当り演出終了処理の概要を図24に示す。当処理はサブ統合制御装置83が主制御装置80から大当り終了コマンド(S485で送信されるもの)を受信すると起動される。当処理が起動(S950:yes)されると、アシスト設定フラグが1か否かを判定する(S955)。肯定判断ならアシストフラグを1にし(S960)、アシストカウンタを80にし(S965)、大当り終了演出終了処理(S985)を行なって当処理を終了(リターン)する。大当り終了演出終了処理(S985)では、アシスト設定フラグをクリアすると共に、演出図柄表示装置6に例えば図29(a)のような画像を表示し、アシストタイムが発生したことを遊技者に報知する。図24に戻る。アシスト設定フラグが1ではないと判定された場合(S955:no)は、S970に進み、アシスト設定フラグが2か否かを判定する。肯定判断(S970:yes)ならアシストフラグを2にし(S975)、アシストカウンタを80にし(S980)、S985に合流する。否定判断(S970:no)なら、そのままS985に合流する。なお、図29(a)の画像はS965またはS980を経てS985が実行された場合に表示されるものであり、S970で否定判断されてS985に至った場合は表示されない。つまり、パチンコ機50においては、演出図柄が「777」または「333」で大当りになった場合には、特別図柄が80回変動する間、アシストタイムが付与され、それ以外の演出図柄の組み合わせ(例えば「111」や「666」)で大当りになった場合には、アシストタイムが付与されない。
サブ統合制御装置83にて実行される小当り演出終了処理の概要を図25に示す。当処理はサブ統合制御装置83が主制御装置80から小当り終了コマンド(S580で送信されるもの)を受信すると起動される。当処理が起動(S1000:yes)されると、アシスト設定フラグが1ではないか否かを判定する(S1005)。肯定判断ならアシストフラグを1にし(S1015)、アシストカウンタを20にし(S1020)、小当り終了演出終了処理(S1030)を行なって当処理を終了(リターン)する。この小当り終了演出終了処理(S1030)では、図29(a)に類似した画像が演出図柄表示装置6に表示される。図29(a)との違いは、「80回」と表示されていた数字が「20回」である点である。図25に戻る。アシスト設定フラグが1であると判定された場合(S1005:no)は、S1025に進み、アシストカウンタに20を加算し(S1025)、S1030に合流する。この小当り終了演出終了処理(S1030)でも、図29(a)に類似した画像が演出図柄表示装置6に表示されるが、先の画像との違いは、「20回」の部分が「+20回」となる点である。
サブ統合制御装置83にて実行される普電開放報知処理の概要を図26に示す。当処理はサブ統合制御装置83が主制御装置80から普通図柄確定表示終了コマンド(S675で送信されるもの)を受信すると起動される。当処理が起動(S1050:yes)されるとS1055にて、普通図柄が当り図柄で停止したかを判定する。肯定判断(S1055:yes)ならアシストフラグが1か否かを判定する(S1060)。肯定判断なら第2始動口12の開放パターンを報知するか否かをアシストAテーブルを用いて判定し、S1085に移行する。アシストテーブルと報知確率の関係は図27(c)のようになっている。アシストAテーブルでは100%の確率で開放パターンを報知する。アシストBテーブルでは50%の確率で開放パターンを報知する。通常テーブルでは5%の確率で開放パターンを報知する。なお、パチンコ機50では普通図柄の当り図柄がA,Bいずれであっても報知確率は同じとしているが、異なる確率としてもよい。図26に戻る。S1060が否定判断ならアシストフラグが2か否かを判定し(S1070)、肯定判断ならアシストBテーブルで報知判定を行い、S1085に合流する。否定判断(S1070:no)なら通常テーブルで報知判定を行い、S1085に合流する。
S1085では報知判定が当りであるか否かを判定し、肯定判断であれば当り図柄が普通当り図柄Aであるか否かを判定する。肯定判断であれば、開放パターンA報知処理(S1095)を行なって当処理を終了(リターン)する。開放パターンA報知処理では、普電が開放パターンAで開放されることを報知する画像を演出図柄表示装置6に出力する。具体的には、報知を行なわない場合は図29(b)に示すように画面の左上に「達吉アシストタイム」と表示することにより、アシストタイム中であることが示され、更に画面の右下にアシストタイムの残り回数(特別図柄があと何回変動される間、アシストタイムが持続するか)が示される。報知を行なう場合は図29(c)に示すように、画面の左上に「右打ちをしてください。」という右打ち(遊技領域3の右側を狙って遊技球を発射すること。ここでは第2始動口12に入球させるために行なう)を遊技者に促す表示と、「ロング開放5秒」という表示がなされる。「ロング開放5秒」というのは、普通図柄当り図柄が当り図柄Aであったことに対応して表示されるもので、後述するS1105が実行された際には「ミドル開放2秒」と表示される。また、当りであっても(S1085:yes)、当り図柄Cで当りの場合は演出図柄表示装置6の画面の左上の表示は図29(b)と同じ「達吉アシストタイム」と表示されるのみで、「右打ちしてください。」や「ショート開放0.1秒」といった表示がされることはない。図26に戻る。否定判断であれば(S1090:no)、当り図柄が普通当り図柄Bであるか否かを判定する(S1100)。肯定判断であれば、普電が開放パターンBで開放されることを報知する処理(S1105)を行なって当処理を終了する。否定判断(S1100:no)であれば、そのまま当処理を終了する。なお、普通図柄がハズレだった場合(S1055:no)、または報知判定の結果、報知しないことになった場合はそのまま当処理を終了する。
以上のように構成されたパチンコ機50によれば、特別図柄を変動させるには左打ち(遊技領域3の左側を狙って遊技球を発射すること)を行なって第1始動口11に入球させる必要があるが、普通図柄として当り図柄Aが確定表示された場合には、第2始動口12が5秒間開放(ロング開放)されるので、右打ちを行なえば特別図柄を変動させることができるだけでなく、第2始動口12に入球したことによる出球も遊技者は獲得することができる。当り図柄Cで普通図柄が当ると第2始動口12が0.1秒しか開放しない(ショート開放)ので、普通図柄が当る都度、右打ちを行なうと、ショート開放だった場合に遊技球を浪費することになるが、ロング開放が発生する場合、演出図柄表示装置6にて図29(c)に示したようにロング開放の発生が報知(報知画面)されるので、遊技者は第2始動口12に対応する賞球を得ることができる。なお、ロング開放の場合も、第2始動口12が5秒間開放されるに先んじて0.1秒間、開放されるので、報知画面が表示されてから右打ちを開始しても十分、第2始動口12に入球させることができる。また、普通図柄として当り図柄Bが確定表示された場合には、第2始動口12が2秒間開放(ミドル開放)され、この場合も演出図柄表示装置6にてミドル開放の発生が報知されるので、遊技者は第2始動口12に対応する賞球を得ることができる。また、これらの報知を行なうか否かは大当り時に演出図柄表示装置6に表示された演出図柄によって、変化される(具体的には、演出図柄が「777」であれば、アシストタイム中のロング開放およびミドル開放は全て報知され、演出図柄が「333」であれば、アシストタイム中のロング開放およびミドル開放は50%の確率で報知される)ので、確変の有無、時短の有無とは異なる報知の有無という特典を遊技者に付与することができ、且つその報知を受けることにより、第2始動口12へ入球させたことに対する出球と、特別図柄の変動権とを得るという実利的な特典とすることができる。
また、報知を行なうか否かは演出図柄に基づいているため、サブ統合制御装置83側で自由に設定することができ、例えば主制御装置80側で決定される特別図柄の当り確率や、これらにより発生された遊技状態(パチンコ機50は備えていないが、特別図柄の当り確率が高い状態や、特別図柄や普通図柄の変動時間が短い状態など)に係わらず、報知するか否かを決定することもできる。例えば、アシストタイムは大当り終了後に80%の確率で発生させていたが(図27(a)参照)、この割合は主制御装置80の仕様を変更することなく、サブ統合制御装置83の仕様を変えるのみで変更する(アシストタイムは大当り終了後に、例えば、60%の確率で発生させたり、「777」と「333」の表示割合を40:40ではなく、例えば50:30にさせたりする)ことができる。
なお、所定のハズレ図柄の並びでアシストタイムに突入させたり、アシストタイムが増加、減少したり、リーチを発生させると突入、増加、減少や、アシストタイム権を取得してもすぐには開始させず、演出ボタンで任意のタイミングで開始させたりすることも考えられる。所定のハズレ図柄を起因にする場合は、リーチにすらならなかった変動でも、所定の並びにさえなればアシストタイムが付与される可能性があるので、ハズレ変動でも興味を維持できる。リーチを起因にする場合は、リーチになりさえすれば大当りはできないかもしれないがアシストタイムが始まることは保証されるため、よりリーチ発生時の喜びが大きくなる。ボタンで開始させる場合は、遊技者の好きなタイミングで開始することができる。これは、サブ統合制御装置83で自由に設定できるからこと可能になった構成であり、有利な状態を任意のタイミングで付与するという新規な遊技性になる。このように、本発明を実施する際にはサブ統合制御装置83が重要な働きをするため、不測の事態が発生しても問題ないようにバックアップ手段を備えておくのが望ましい。そうすれば、不測の事態により電源が断たれても、復帰時にアシストタイムを続きから付与することができる。
このように主制御装置80による遊技状態の変更・非変更に係わらずアシストタイムを発生させることができることを利用し、小当りの終了後にもアシストタイム(ただし特別図柄が20回変動する間)を発生させている。これにより、潜伏演出など用途が限られていた小当りに、アシストタイムという遊技特典を付与することができる。しかも小当り又は当り図柄Aによる大当りの終了後に発生されたアシストタイム中に、更に小当りが発生すると、アシストタイムが特別図柄の変動20回分、更に延長されるという特典があるので、小当りに対する遊技者の興味を高めることができる。
しかもアシストタイムは、アシストタイム発生後に行なわれた特別図柄の変動回数が所定値(例えば80)になることにより終了するので、第1始動口11に入球させることなくゲート17のみを通過させるように遊技球を発射することにより、特別図柄の変動回数を抑えれば、より多くの回数、アシストタイムによる報知を受けることを期待できる。このような攻略要素も備えた妙味のある遊技機とすることができる。なお、本実施例のアシストタイムは、従来よりある確率変動や普電の開放延長といった遊技特典に比べると、第2始動口12が頻繁に開放する訳ではなく、当たり確率が上昇する訳でもないので、遊技者からは分かりにくい面もあるが、図29(a)に示すようにキャラクタを演出図柄表示装置6に表示してアシストタイムに入ったことを報知するので「熊の達吉が笑っているから何かの特典に違いない」などと遊技者に思わせることができる。
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。ゲート17が本発明の「普通図柄始動手段」に相当し、S630の処理が本発明の「普通図柄当否判定手段」に相当し、S655及びS675の処理が本発明の「普通図柄表示制御手段」に相当し、第2始動口12が本発明の「可変入賞口」に相当し、発射ハンドル64を介した指示を受けて遊技を発射する発射制御装置84が本発明の「発射装置」に相当し、普通図柄当り図柄Aによる当り及び普通図柄当り図柄Bによる当りが本発明の「長時間当り」に相当し、普通図柄当り図柄Cによる当りが本発明の「短時間当り」に相当し、S1095及びS1105の処理が本発明の「開放報知手段」に相当し、アシストタイムが本発明の開放報知状態に相当し、S300の処理が本発明の「特別図柄当否判定手段」に相当し、S275及びS295の処理が本発明の「特別図柄表示制御手段」に相当し、S425の処理が本発明の「特別遊技発生手段」に相当し、S320の処理が本発明の「小当り判定手段」に相当し、S525の処理が本発明の「小当り遊技発生手段」に相当する。
[実施例2]
本発明の第2実施例について図30〜34を用いて説明する。なお、本実施例は第1実施例と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。第1実施例との大きな相違点は、普通図柄が当る確率が変動すること(普通図柄が確変すること)である。
第2実施例において主制御装置80が実行する当否判定処理の一部を図30〜31に示す。まず図30に示すのは、当否判定処理において特別電動役物が作動しておらず、特別図柄が変動しておらず、確定図柄の表示中でもない場合に行なわれる処理であるが、第1実施例との違いは変動パターン決定処理(S250,S265,S270)を行なった後に、対応する設定処理を行なう点である。例えばS240にて大当りになると判定された場合には、特別図柄大当り図柄決定処理(S245)、および変動パターン決定処理(S250)を行なった後、大当り設定処理(S1200)を行なう。大当り設定処理では、S245で決定された大当り図柄に基づいて大入賞口14の開放パターンなどが設定される。
同様に、S255にて小当りになると判定された場合には、小当り図柄決定処理(S260)、および変動パターン決定処理(S265)を行なった後、小当り設定処理(S1205)を行なう。小当り設定処理ではS260で決定された小当り図柄に基づいて大入賞口14の開放パターンなどが設定される。そしてS255にて小当りにならないと判定された場合には、変動パターン決定処理(S270)を行なった後、ハズレ設定処理(S1210)を行なう。後述するように第2実施例では、普通図柄が当り図柄で確定表示される確率が高い状態(普通図柄確変状態)があり、ハズレ設定処理では、普通図柄の確変回数のデクリメント(普通図柄確変フラグが1のとき)が行なわれる。
図31に示すのは、当否判定処理において特別電動役物が作動しておらず、特別図柄が変動しておらず、確定図柄の表示中の場合に行なわれる処理で、第1実施例との違いは、確定図柄の表示を終了させる処理(S295)を行なった後、大当りになる組合せと判定されると(S300:yes)、確変フラグが1であるか否かを判定し(S1250)、肯定判断なら普通図柄確変フラグをゼロ(S1255)にしてからS305に移行し、否定判断(S1250:no)ならそのままS305に移行する点である。そしてS300において、大当りなる組み合わせでないと判定された場合には、普通図柄確変フラグがゼロではないか否かを判定し(S1260)、肯定判断なら普通図柄確変カウンタがゼロであるか否かを判定し(S1265)、肯定判断(S1265:yes)なら普通図柄確変フラグをゼロにして、状態指定コマンド送信処理(S1275)を行なう。S1260にて普通図柄確変フラグが0であると判定された場合(S1260:no)、又はS1265にて普通図柄確変カウンタがゼロではないと判定された場合は、そのままS1275に進む。状態指定コマンド送信処理(S1275)では、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。この状態指定コマンドには、普通図柄確変カウンタの値や、普通図柄確変フラグがゼロなのはS1270の処理によるのか或いは元々ゼロだったのか等の情報が含まれる。
第2実施例において主制御装置80が実行する特別遊技処理の一部を図32に示す。図32は、特別遊技処理(図11参照)おいて大当り終了演出中であると判定された場合(S415:yes)に行なわれる処理であり、第1実施例との違いは条件装置作動停止処理(S480)を実行した後に、普通図柄が確変状態に移行するか否かを判定(S1300)する点である。普通図柄が確変に移行するかは大当りを発生させた特別図柄によって決定され、1回の大当りに対して普通図柄が確変される確率は50%とされている(図34(a)も参照)。この50%は演出図柄にもそのまま反映され、演出図柄として「7」が表示される内の50%が普通図柄が確変される図柄であり、演出図柄として「3」が表示される内の50%が普通図柄が確変される図柄であり、演出図柄として「3」「7」以外が表示される内の50%が普通図柄が確変される図柄となっている。肯定判断(S1300:yes)なら、普通図柄確変回数設定処理(S1305)を行なって、普通図柄確変フラグを1にし(S1310)、S485に移行する。普通図柄確変回数設定処理では、普通図柄の確変状態が終了することとなる特別図柄の変動回数が設定され、当実施例では100回が設定される(図34(a)も参照)。S1300で普通図柄が確変に移行しないと判定された場合は、そのままS485へ進む。S485では大当り終了コマンド送信処理を行ない、続いて状態指定コマンド送信処理(S1315)を行なうと特別遊技処理を終了する。状態指定コマンド送信処理では、普通図柄が確変したか否かがサブ統合制御装置83に送信される。
なお、普通図柄が確変すると、普通図柄の当り確率は1/5となり、確変していない状態では1/10となる(図34(c)参照)。普通図柄が確変すると、単に普通図柄の当り確率が増加するだけでなく、ロング開放やミドル開放が発生する割合も増加する。これについて図34(b)に示す。普通図柄が確変していない状態では普通図柄の当り図柄A、Bが洗濯される割合は共に10%であるが、普通図柄が確変すると、何れも20%に増加する。なお、開放パターンは第1実施例と共通である。
第2実施例において主制御装置80が実行する普通図柄当否判定処理の一部を図33に示す。第2実施例の普通図柄当否判定処理では、普通図柄の当否判定(図16ではS625の処理)を、普通図柄が確変しているか否かに応じて切り替えている。すなわち、S1350にて普通図柄が確変中か否かを判定し、否定判断なら普通図柄通常テーブルで当否を判定し(S1355)、肯定判断(S1350:yes)なら普通図柄確変テーブルで当否を判定する(S1360)。
このように第2実施例では、大当り発生後に普通図柄の当り確率が上昇するので、特典としてのアシストタイムの価値が非常に高くなる。また、普通図柄確変図柄で当り、演出図柄が「7」であった場合は、大当り遊技の終了後、特別図柄が80回変動される間は、普通図柄が確変し且つ第2始動口12がロング開放されることを100%報知する状態となり、そこから20回、特別図柄が変動される間は、普通図柄は確変しているが、ロング開放は5%しか報知されない状態となり、それ以降は普通図柄の当選確率は低下し、ロング開放も5%しか報知されない状態となるという、段階的に特典が減少していく仕様となる。普通図柄確変図柄で当選し、演出図柄が「3」であった場合は、100%報知が50%報知に変わるだけであり、同様に段階的に特典が減少していく仕様となる。なお、「3」「7」以外で当った場合も普通図柄が確変する場合があるので、大当り遊技が終了したら第2始動口12の開放頻度に注意を払って普通図柄が確変していることが分かれば、アシストタイムほどの出球ではないにせよ、賞球を期待できる仕様となる。
[他の実施例]
前記いずれの実施例においても、普通図柄の当り図柄Aと当り図柄Bでは、報知確率が同じであったが、異ならせても良い。例えば当り図柄Aが表示された際には100%の確率で当ることが報知され、当り図柄Bが表示された際には75%の確率で当ることが報知されるように構成してもよい。また、アシストタイムの途中で報知する確率を変化させても良い。例えばアシストタイムの発生直後から特別図柄が20回変動されるまでの間は100%の確率で当りが報知され、21回目以降は60%の確率で報知される構成としてもよい。更に前記のように当り図柄Aか当り図柄Bかに応じて報知確率が異なる構成としたり、報知確率が変化するタイミングが異なる(例えば当り図柄Aは特別図柄が20回変動した時点で報知確率が変化するが、当り図柄Bは特別図柄が40回変動した時点で報知確率が変化する等)構成としたり、当り図柄Aはアシストタイムの途中で報知確率が変化するが、当り図柄Bは報知確率が一定という構成としたりしてもよい。
また、前記実施例では大当り遊技の後にもアシストタイムが発生したが、これはない(すなわちアシストタイムが発生するのは小当り遊技の終了時のみ)構成としてもよい。また、アシストタイム中に小当り遊技が発生した際にはアシストタイムの上乗せ(特別図柄の変動20回分)があったが、これがない構成としてもよい。更に、大当り遊技や小当り遊技の終了時以外のタイミングでもアシストタイムが発生する構成としてもよい。こうしたタイミングの例としては、特別図柄が大当り図柄、小当り図柄以外の所定の図柄で停止すること、普通図柄が所定の図柄で停止すること、サブ統合制御装置83が発生させた乱数値が特定の値になること、等を挙げることができる。また、アシストカウンタの減算の契機は、特別図柄の変動であったが、普通図柄の変動にしてもよい。こうすると前記した妙味はなくなるものの、アシストカウンタにより規定された普通図柄の変動回数分、確実にアシストタイムを遊技者に享受させることができる(前記実施例では、特別図柄の変動パターンとして短いものが頻発すると、実質的にアシストタイムが短縮され、十分に特典を享受できなくなってしまう。逆に特別図柄の変動パターンとして長いものばかりが選択されると、実質的にアシストタイムが異様に長くなる可能性もあった。アシストカウンタの減算の契機を普通図柄の変動とすれば、こうしたことがない)。
また、前記実施例ではアシストタイムの発生・非発生をサブ統合制御装置83にて決定していたが、主制御装置80にて決定する構成としてもよい。この決定結果(アシストタイムを発生させるか否か)をコマンドとして主制御装置80が送信し、そのコマンドに従ってサブ統合制御装置83が報知動作の有無を切り替える構成とすることが考えられる。また、こうした専用のコマンドを用いることなく例えば変動開始コマンド(S275で送信されるもの)に基づいて、サブ統合制御装置83にて報知動作を行なうか否かを判断する構成としてもよい。また、通常時と大当り後とで普通図柄の当り図柄の振分率を変えてもよい。例えば、通常時は当り図柄A、B、Cはいずれも1/100の確率で発生し、残る97/100がハズレとし、特別図柄が所定の図柄(例えば奇数)で当った際にはその大当り遊技の終了後には、当り図柄A、Cは共に25/100の確率で発生し、当り図柄Bは50/100の確率で発生し、ハズレることはない構成とすることが考えられる(特別図柄が偶数図柄で当った場合は通常時と同じ)。なお、この構成の場合は報知の確率は一律100%としてもよい。
また、アシストタイム中に第2始動口12に入球した回数や、それによる賞球数を遊技者に報知する構成としてもよい。この例を図35に示す。図35はアシストタイム中の演出図柄表示装置6に出力された画像の一例を示すもので、右打ちを促す表示、ロング開放であるかミドル開放であるかを示す情報(当図では「ロング開放5秒」)、アシストタイムの残り回数(特別図柄の変動数。当図では「残り回数34回」)、変動中の演出図柄に加え、このロング開放時に第2始動口12に入球したことによる賞球数が表示されている(当図では「獲得賞球16個」。なお、第1実施例と同じ賞球数であれば第2始動口12の賞球は4個なので、当図の時点では16/4=4で第2始動口12に4個はいったことになる)。こうすると遊技者は、アシストタイムにおける遊技成果を容易に実感することができる。なお、1回の普通図柄当りで発生した賞球数ではなく、アシストタイム中のトータルの賞球数を表示するように構成してもよいし、前記したように第2始動口12に入球した回数を表示してもよい。更に、賞球数や入球回数が所定数以上になると図35の表示態様が変わる(例えば文字の色が変わる、表示が点滅する、文字の大きさや書体が変わる等)ように構成しても良い。例えば、第2始動口12の規定数は10個であるにも拘らず11個以上、第2始動口12に入球した際には、それによる賞球数(または入球数)を表示するに加え、演出図柄表示装置6の画面を点滅させる等して、遊技者に非常に大きな遊技成果が得られたことを報知することが考えられる。更には、アシストタイム中の獲得賞球数に応じてモードが変化するようにしてもよい。ここでモードとは、演出上のものであり、遊技状態の変化ではないものとする。こうすれば主制御装置80の制御に係わらずサブ統合制御装置83にてモードを設定することが可能となるし、モードを変化させると言う新たな遊技目的を遊技者が持つことができる。
前記実施例はいずれも、ミドル開放する場合があったが、ロング開放とショート開放のみでも良い。また前記実施例はいずれも、払出制御基板81を備え、遊技球を遊技者に払い出すものであったが、遊技球の代わりに賞球データを遊技者に付与する遊技機に本発明を適用しても良い。また第2実施例では普通図柄の当り確率が上昇する仕様であったが、普通図柄に代えて(又は加えて)特別図柄の当り確率が上昇する構成としてもよい。また、第2実施例では普通図柄が確変したことを報知しない仕様であったが、報知する構成としてもよい。