JP2013144947A - ピストンクーリングジェット - Google Patents

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由貴 山口
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幸保 田口
Katsuhiro Ashihara
克宏 芦原
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Abstract

【課題】冷間時におけるオイル噴射を制御可能なピストンクーリングジェットを提供する。
【解決手段】ピストンクーリングジェット1は、本体側流路20を有する本体2と、ノズル側流路30を有するノズル3と、本体側流路20とノズル側流路30とを連通、遮断可能な弁体4と、弁体4を付勢する付勢部材5と、を備える。付勢部材5は、単一のばね部52を有する。弁体4は、付勢部材5の付勢力と、オイルOの油圧の押圧力と、により駆動される。ピストンクーリングジェット1は、本体側流路20とノズル側流路30とを連通する開弁状態と、開弁状態に対して、付勢力が押圧力を上回ることにより弁体4が移動し、本体側流路20とノズル側流路30とを遮断する第一閉弁状態と、開弁状態に対して、付勢力が押圧力を下回ることにより弁体4が移動し、本体側流路20とノズル側流路30とを遮断する第二閉弁状態と、に切り替え可能である。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンのピストンの背面にオイルを噴射することにより、ピストンを冷却するピストンクーリングジェットに関する。
ピストンクーリングジェットは、エンジンのシリンダブロックに取り付けられている。ピストンクーリングジェットは、シリンダブロックのメインオイルギャラリに連通している。メインオイルギャラリは、エンジンのオイル循環回路の一部を構成している。ピストンクーリングジェットには、油圧式バルブ機構が配置されている。
メインオイルギャラリのオイルの油圧が所定のしきい値以上になると、ピストンクーリングジェットの油圧式バルブ機構が開く。このため、メインオイルギャラリのオイルが、ピストンクーリングジェットにより、ピストンの背面に噴射される。当該噴射により、ピストンが冷却される。
ここで、エンジンの暖機が完了しピストンが高温の場合は、ピストンクーリングジェットによりピストンを冷却する方が好ましい。しかしながら、エンジンの暖機が未完了でピストンが低温の場合(以下、「冷間時」と称す。)は、ピストンを早期に昇温させる必要がある。このため、冷間時にピストンクーリングジェットを用いてピストンを冷却すると、ピストンの昇温を阻害してしまう。また、ピストンの背面に噴射されたオイルは、クランクシャフトに落下する。ここで、冷間時においては、オイルの油温が低い。このため、オイルの粘度が高い。したがって、粘度の高いオイルがクランクシャフトに落下することになり、クランクシャフトの回転抵抗(オイルに対する攪拌抵抗)が大きくなってしまう。このような理由から、冷間時においては、オイルを噴射しない方が好ましい。しかしながら、従来のピストンクーリングジェットの油圧式バルブ機構は、エンジンの温度ではなく、メインオイルギャラリの油圧に応じて開閉する。このため、冷間時においても、ピストンクーリングジェットが作動してしまう。
特開2011−12619号公報 特開2011−12650号公報 特開2007−32416号公報
この点に鑑み、特許文献1、2には、油圧式バルブ機構と、温度式バルブ機構と、を備えるピストンクーリングジェットが開示されている。これらの文献に記載されているピストンクーリングジェットによると、油圧式バルブ機構が、オイルの油圧に応じて、オイルの噴射状態を切り替える。また、温度式バルブ機構が、オイルの温度に応じて、オイルの噴射状態を切り替える。このため、冷間時においては、温度式バルブ機構が閉じることにより、オイルの噴射を停止することができる。また、エンジンの暖機完了後でピストンが高温の場合(以下、「温間時」と称す。)であって、オイルの油圧が低い場合には、温度式バルブ機構が開くものの、油圧式バルブ機構が閉じることにより、オイルの噴射を停止することができる。また、温間時であって、オイルの油圧が高い場合には、温度式バルブ機構および油圧式バルブ機構が開くことにより、オイルの噴射を許容することができる。
しかしながら、温度に応じて開閉するバルブ機構には、Ni−Ti系合金(形状記憶合金)製のコイルばねが用いられている。すなわち、温度に応じてばね定数が変化するコイルばねが用いられている。このため、バルブ機構、延いてはピストンクーリングジェットの製造コストが高くなってしまう。また、二つのバルブ機構(油圧式バルブ機構、温度式バルブ機構)が配置されているため、ピストンクーリングジェットの構造が複雑化してしまう。また、ピストンクーリングジェットが大型化してしまう。
また、特許文献3には、エンジン回転速度に応じてオイルの噴射を制御するピストンクーリングジェットが開示されている。すなわち、同文献記載のピストンクーリングジェットは、油圧式バルブ機構と、電子制御式バルブ機構(ソレノイドバルブ)と、を備えている。ソレノイドバルブは、油圧式バルブの上流側(メインオイルギャラリ側)に配置されている。同文献記載のピストンクーリングジェットによると、当該ソレノイドバルブの開閉制御により、温間時であってエンジン回転速度が高い場合に、オイルの噴射を停止することができる。
しかしながら、同文献には、冷間時のオイル噴射の制御に関する記載はない。また、二つのバルブ機構(油圧式バルブ機構、電子制御式バルブ機構)が配置されているため、ピストンクーリングジェットの構造が複雑化してしまう。また、ピストンクーリングジェットが大型化してしまう。また、車両の電子制御の回路構成が複雑化してしまう。
本発明のピストンクーリングジェットは、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、冷間時におけるオイルの噴射を制御可能であって、構造が簡単で、小型化が可能なピストンクーリングジェットを提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明のピストンクーリングジェットは、オイルが流れる本体側流路を有する本体と、ノズル側流路を有するノズルと、該本体側流路と該ノズル側流路とを連通、遮断可能な弁体と、該弁体を付勢する付勢部材と、を備えるピストンクーリングジェットであって、前記付勢部材は、単一のばね部を有し、前記弁体は、該付勢部材の付勢力と、前記オイルの油圧の押圧力と、により駆動され、前記本体側流路と前記ノズル側流路とを連通する開弁状態と、該開弁状態に対して、該付勢力が該押圧力を上回ることにより該弁体が移動し、該本体側流路と該ノズル側流路とを遮断する第一閉弁状態と、該開弁状態に対して、該付勢力が該押圧力を下回ることにより該弁体が移動し、該本体側流路と該ノズル側流路とを遮断する第二閉弁状態と、に切り替え可能なことを特徴とする。
本発明のピストンクーリングジェットは、本体と、ノズルと、弁体と、付勢部材と、を備えている。付勢部材は、単一のばね部を有している。ピストンクーリングジェットは、開弁状態と、第一閉弁状態と、第二閉弁状態と、に切り替え可能である。
開弁状態においては、本体側流路とノズル側流路とが連通している。第一閉弁状態においては、開弁状態に対して、付勢力が押圧力を上回ることにより、弁体が移動している。このため、本体側流路とノズル側流路とが遮断されている。反対に、第二閉弁状態においては、開弁状態に対して、付勢力が押圧力を下回ることにより、弁体が移動している。このため、本体側流路とノズル側流路とが遮断されている。
冷間時のエンジン始動直後においては、オイルの油温が低い。このため、オイルの粘度が高く、オイルの油圧が過度に高い。したがって、従来のピストンクーリングジェットの油圧式バルブ機構によると、ピストンクーリングジェットが作動してしまう。つまり、ピストンにオイルを噴射してしまう。
この点、本発明のピストンクーリングジェットによると、油圧が低く、付勢部材の付勢力が油圧の押圧力を上回る状態(第一閉弁状態)のみならず、油圧が過度に高く、付勢部材の付勢力が油圧の押圧力を下回る状態(第二閉弁状態)においても、本体側流路とノズル側流路とを遮断することができる。このため、エンジン始動直後のオイルの油圧が過度に高い状態であっても、第二閉弁状態により、ピストンに対するオイルの噴射を遮断することができる。
このように、本発明のピストンクーリングジェットによると、冷間時におけるオイルの噴射を制御することができる。このため、ピストンの温度を早期に昇温させることができる。また、ピストンの過冷却を抑制することができる。また、エンジンの暖機を早期に完了させることができる。また、粘度の高いオイルがクランクシャフトに落下しにくいため、クランクシャフトの回転抵抗(オイルに対する攪拌抵抗)が大きくなるのを抑制することができる。
また、本発明のピストンクーリングジェットによると、温度式バルブ機構や電子制御式バルブ機構を配置する必要がない。このため、構造が簡単で、小型化が可能である。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記開弁状態は、前記油圧が低圧側しきい値以上高圧側しきい値以下の状態であり、前記第一閉弁状態は、該油圧が該低圧側しきい値未満の状態であり、前記第二閉弁状態は、該油圧が該高圧側しきい値超過の状態である構成とする方がよい。
本構成によると、油圧が低圧側しきい値以上であって高圧側しきい値以下の場合、本体側流路とノズル側流路とを連通することができる。つまり、ピストンにオイルを噴射することができる。一方、油圧が、低圧側しきい値未満の場合や高圧側しきい値超過の場合には、本体側流路とノズル側流路とを遮断することができる。つまり、オイルの噴射を停止することができる。
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記本体は、前記弁体を往復動可能に収容する収容室を有し、該弁体は、前記開弁状態において前記本体側流路と前記ノズル側流路とを連通する連通孔と、該連通孔の往復動方向一方に配置され前記第一閉弁状態において該本体側流路と該ノズル側流路とを遮断する第一遮断部と、該連通孔の往復動方向他方に配置され前記第二閉弁状態において該本体側流路と該ノズル側流路とを遮断する第二遮断部と、を有する構成とする方がよい。
本構成によると、弁体の往復動方向に沿って、第一遮断部と連通孔と第二遮断部とが並んでいる。第一遮断部により第一閉弁状態を、連通孔により開弁状態を、第二遮断部により第二閉弁状態を、それぞれ達成することができる。
(4)好ましくは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、前記本体は、前記第一閉弁状態における前記弁体の位置を決定する第一ストッパ部と、前記第二閉弁状態における該弁体の位置を決定する第二ストッパ部と、を有する構成とする方がよい。
ここで、「弁体の位置を決定する」とは、第一ストッパ部や第二ストッパ部が、直接、弁体に当接して弁体の位置を決定する場合は勿論、第一ストッパ部や第二ストッパ部が、間接的に弁体の位置を決定する場合も含まれる。例えば、第一ストッパ部や第二ストッパ部が、弾性限界内における最大長や最短長の付勢部材を介して、弁体の位置を決定する場合も含まれる。
本構成によると、第一閉弁状態における弁体の位置を、第一ストッパ部により決定することができる。また、第二閉弁状態における弁体の位置を、第二ストッパ部により決定することができる。
本発明によると、冷間時におけるオイルの噴射を制御可能であって、構造が簡単で、小型化が可能なピストンクーリングジェットを提供することができる。
第一実施形態のピストンクーリングジェットの配置図である。 図1の枠II内の拡大図である。 同ピストンクーリングジェットの第一閉弁状態における軸方向断面図である。 同ピストンクーリングジェットの第二閉弁状態における軸方向断面図である。 冷間時のエンジン回転速度とメインオイルギャラリの油圧との相関図である。 温間時のエンジン回転速度とメインオイルギャラリの油圧との相関図である。 第二実施形態のピストンクーリングジェットの第二閉弁状態における軸方向断面図である。 第三実施形態のピストンクーリングジェットの第一閉弁状態における軸方向断面図である。
以下、本発明のピストンクーリングジェットの実施の形態について説明する。
<第一実施形態>
[ピストンクーリングジェットの配置]
まず、本実施形態のピストンクーリングジェットの配置について説明する。図1に、本実施形態のピストンクーリングジェットの配置図を示す。図1に示すように、エンジン9は、シリンダブロック90と、ピストン91と、コンロッド92と、クランクシャフト93と、を備えている。ピストン91は、コンロッド92を介して、クランクシャフト93に接続されている。ピストン91は、シリンダブロック90内を、上下方向に往復動可能である。シリンダブロック90には、メインオイルギャラリ900が形成されている。メインオイルギャラリ900は、エンジン9のオイル循環回路の一部を構成している。ピストンクーリングジェット1は、シリンダブロック90に取り付けられている。なお、図1に示すピストンクーリングジェット1は、開弁状態である。図1に太線矢印で示すように、ピストンクーリングジェット1は、メインオイルギャラリ900内のオイルOを、ピストン91の背面(下面。燃焼室と反対側の面)に噴射可能である。
[ピストンクーリングジェットの構成]
次に、本実施形態のピストンクーリングジェットの構成について説明する。図2に、図1の枠II内の拡大図を示す。図2に示すように、ピストンクーリングジェット1は、本体2と、ノズル3と、弁体4と、付勢部材5と、を備えている。
本体2は、鋼製であって、上方に開口する有底円筒状(カップ状)を呈している。本体2の上端は、シリンダブロック90に固定されている。本体2の内部には、収容室2aが区画されている。収容室2aは、後述する弁体4の底壁により、上方の本体側流路20と、下方の付勢部材収容室21と、に分割されている。本体側流路20は、図1に示すメインオイルギャラリ900と連通している。収容室2aの上端には、径方向内側に張り出す第一ストッパ部201が形成されている。収容室2aの底面は、第二ストッパ部203である。収容室2aの底面からは、円環状にばね座200が突設されている。
ノズル3は、鋼製であって、長軸筒状を呈している。ノズル3は、本体2の側周壁から、径方向外側に突設されている。図1に示すように、ノズル3の先端は、上方つまりピストン91の方向を向いている。ノズル3の内部には、ノズル側流路30が区画されている。ノズル側流路30は、後述する弁体4により、本体側流路20と連通、遮断可能である。
弁体4は、鋼製であって、上方に開口する有底円筒状を呈している。弁体4は、収容室2aに収容されている。弁体4の底壁は、収容室2aを、上方の本体側流路20と、下方の付勢部材収容室21と、に仕切っている。本体側流路20にはオイルOが流動している。付勢部材収容室21は、本体側流路20に対して、液密的に隔離されている。弁体4は、収容室2a内を、上下方向に往復動可能である。弁体4の底壁下面からは、円環状にばね座40が突設されている。弁体4の側周壁右側には、上方から下方に向かって、第二遮断部43と、連通孔41と、第一遮断部42と、が並んで配置されている。
付勢部材5は、付勢部材収容室21に収容されている。付勢部材5は、ばね定数が一定のコイルばね52を備えている。コイルばね52は、本発明の「ばね部」の概念に含まれる。コイルばね52は、鋼製であって、上下方向に伸縮可能である。コイルばね52は、弁体4のばね座40と、収容室2aのばね座200と、の間に介装されている。コイルばね52は、収縮状態から自然長状態(外力が加わっていない状態)に戻る際の伸張力を利用して、弁体4を上方に付勢する。
[開弁状態]
次に、本実施形態のピストンクーリングジェットの開弁状態について説明する。図2に示すように、開弁状態においては、コイルばね52の上向きの付勢力と、オイルOの油圧による下向きの押圧力と、が釣り合う位置に、弁体4が配置されている。開弁状態においては、連通孔41を介して、本体側流路20とノズル側流路30とは連通している。このため、本体側流路20からノズル側流路30にオイルOが流れ込む。つまり、図1に示すピストン91に対して、オイルOが噴射される。
[第一閉弁状態]
次に、本実施形態のピストンクーリングジェットの第一閉弁状態について説明する。図3に、本実施形態のピストンクーリングジェットの第一閉弁状態における軸方向断面図を示す。なお、図3は、図2に対応している。
図3に示すように、第一閉弁状態においては、コイルばね52の上向きの付勢力の方が、オイルOの油圧による下向きの押圧力よりも、大きい。このため、図2に示す開弁状態に対して、弁体4が上昇している。弁体4の上端は、第一ストッパ部201に当接している。当接により、弁体4の位置(上死点)が決定される。
弁体4が上昇することにより、連通孔41の代わりに、第一遮断部42が、本体側流路20とノズル側流路30との間に配置される。このため、本体側流路20とノズル側流路30とが遮断される。したがって、第一閉弁状態においては、本体側流路20からノズル側流路30にオイルOが流れない。つまり、図1に示すピストン91に対して、オイルOが噴射されない。
[第二閉弁状態]
次に、本実施形態のピストンクーリングジェットの第二閉弁状態について説明する。図4に、本実施形態のピストンクーリングジェットの第二閉弁状態における軸方向断面図を示す。なお、図4は、図2に対応している。
図4に示すように、第二閉弁状態においては、オイルOの油圧による下向きの押圧力の方が、コイルばね52の上向きの付勢力よりも、大きい。このため、図2に示す開弁状態に対して、弁体4が下降している。コイルばね52は、弾性限界内における最短長の状態である。つまり、コイルばね52は、潰れきっている。弁体4の位置(下死点)は、潰れきったコイルばね52を介して、第二ストッパ部203(収容室2aの底面)により決定される。
弁体4が下降することにより、連通孔41の代わりに、第二遮断部43が、本体側流路20とノズル側流路30との間に配置される。このため、本体側流路20とノズル側流路30とが遮断される。したがって、第二閉弁状態においては、本体側流路20からノズル側流路30にオイルOが流れない。つまり、図1に示すピストン91に対して、オイルOが噴射されない。
[ピストンクーリングジェットの冷間時の動き]
次に、本実施形態のピストンクーリングジェットの冷間時(図1に示すエンジン9の暖機時)の動きについて説明する。図5に、冷間時のエンジン回転速度とメインオイルギャラリの油圧との相関図を示す。外気の温度は、T=20℃である。
図1に示すエンジン9を始動すると、図5に示すように、0秒から3秒までの間に、エンジン回転速度は、0rpmから1700rpm程度まで、急激に上昇する。また、図1に示すメインオイルギャラリ900のオイルOの油圧は、図5に示すように、0kPaから410kPa程度まで、急激に上昇する。その理由は、エンジン9の始動直後は、オイルOの油温が低く、オイルOの粘度が高いためである。なお、図5に細線で示すように、外気の温度Tがさらに低い場合(極低温の場合)、オイルOの油圧はさらに上昇する。
エンジン9の始動後3秒から43秒の間においては、エンジン回転速度は、1700rpm程度から1000rpm程度まで下降する。また、オイルOの油温は徐々に上昇し、オイルOの粘度は低くなる。このため、オイルOの油圧は、410kPa程度から370kPa程度まで、下降する。
エンジン9の始動後43秒から500秒の間においては、エンジン回転速度は、1000rpm程度から700rpm程度まで下降する。また、オイルOの油温はさらに上昇し、オイルOの粘度はさらに低くなる。このため、オイルOの油圧は、370kPa程度から170kPa程度まで、急激に下降する。
エンジン9の始動後500秒から1800秒の間においては、エンジン回転速度は、700rpm程度のままである。一方、オイルOの油温はさらに上昇し、オイルOの粘度はさらに低くなる。このため、オイルOの油圧は、170kPa程度から80kPa程度まで、下降する。
エンジン9の始動後1800秒以降は、エンジン回転速度は、700rpm程度のままである。また、オイルOの油圧は、80kPa程度のままである。このようにして、エンジン9の暖機が完了する。
冷間時においては、図1に示すピストンクーリングジェット1は、付勢部材5の付勢力と、オイルOの油圧の押圧力と、のバランス状態により、上述した開弁状態と、第一閉弁状態と、第二閉弁状態と、に切り替わる。
具体的には、油圧が、低圧側しきい値である170kPa以上であって高圧側しきい値である370kPa以下の場合、ピストンクーリングジェット1は、図2に示す開弁状態に切り替わる。この場合、図1に示すピストン91にオイルOが噴射される。
また、油圧が170kPa未満の場合は、ピストンクーリングジェット1は、図3に示す第一閉弁状態に切り替わる。この場合、図1に示すピストン91にオイルOが噴射されない。
また、油圧が170kPa超過の場合は、ピストンクーリングジェット1は、図4に示す第二閉弁状態に切り替わる。この場合、図1に示すピストン91にオイルOが噴射されない。
このように、冷間時においては、オイルOの油圧が低圧側しきい値(=170kPa)未満の場合、および高圧側しきい値(=370kPa)超過の場合に、ピストン91に対するオイルOの噴射を停止することができる。
[ピストンクーリングジェットの温間時の動き]
次に、本実施形態のピストンクーリングジェットの温間時(図1に示すエンジン9の暖機完了後)の動きについて説明する。図6に、温間時のエンジン回転速度とメインオイルギャラリの油圧との相関図を示す。図に示すのは、油温T=80℃の場合と油温T=100℃の場合である。
エンジン回転速度が上昇すると、図1に示すメインオイルギャラリ900のオイルOの油圧は、上昇する。同じエンジン回転速度で比較すると、油温Tが低い方が油圧が高くなっている。その理由は、油温Tが低い方がオイルOの粘度が高いからである。
油温T=80℃の場合、エンジン回転速度が1700rpm以上になると、油圧が170kPa以上になる。このため、図3に示す第一閉弁状態から図2に示す開弁状態に、ピストンクーリングジェット1が切り替わる。したがって、図1に示すピストン91にオイルOが噴射される。
油温T=100℃の場合、エンジン回転速度が2100rpm以上になると、油圧が170kPa以上になる。このため、図3に示す第一閉弁状態から図2に示す開弁状態に、ピストンクーリングジェット1が切り替わる。したがって、図1に示すピストン91にオイルOが噴射される。
[作用効果]
次に、本実施形態のピストンクーリングジェットの作用効果について説明する。本実施形態のピストンクーリングジェットは、図2に示す開弁状態と、図3に示す第一閉弁状態と、図4に示す第二閉弁状態と、に切り替え可能である。図5に示すように、冷間時のエンジン9の始動直後(図5では3秒から43秒の間)においては、オイルOの粘度が高く、オイルOの油圧が過度に高い(図5では370kPa超過)。したがって、従来のピストンクーリングジェットの油圧式バルブ機構によると、ピストンクーリングジェットが作動してしまう。つまり、図1に示すピストン91にオイルOを噴射してしまう。
この点、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、油圧が低く、付勢部材5の付勢力が油圧の押圧力を上回る状態(図3に示す第一閉弁状態)のみならず、油圧が過度に高く、付勢部材5の付勢力が油圧の押圧力を下回る状態(図4に示す第二閉弁状態)においても、本体側流路20とノズル側流路30とを遮断することができる。このため、エンジン9の始動直後のオイルOの油圧が過度に高い状態であっても、第二閉弁状態により、ピストン91に対するオイルOの噴射を遮断することができる。
このように、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、冷間時におけるオイルOの噴射を制御することができる。このため、ピストン91の温度を早期に昇温させることができる。また、ピストン91の過冷却を抑制することができる。また、エンジン9の暖機を早期に完了させることができる。また、粘度の高いオイルOがクランクシャフト93に落下しにくいため、クランクシャフト93の回転抵抗(オイルOに対する攪拌抵抗)が大きくなるのを抑制することができる。
また、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、温度式バルブ機構や電子制御式バルブ機構を配置する必要がない。このため、構造が簡単で、小型化が可能である。
また、図6に示すように、温間時においては、油温Tによらず、エンジン回転速度が上限まで上昇しても、油圧が高圧側しきい値(=370kPa)を超えることはない。このため、図2に示す開弁状態から図4に示す第二閉弁状態に、ピストンクーリングジェット1が切り替わることはない。したがって、温間時においては、油圧が低圧側しきい値(=170kPa)以上の全領域において、図1に示すピストン91にオイルOを噴射することができる。
また、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、弁体4の往復動方向に沿って、第一遮断部42と連通孔41と第二遮断部43とが並んでいる。第一遮断部42により第一閉弁状態を、連通孔41により開弁状態を、第二遮断部43により第二閉弁状態を、それぞれ達成することができる。
また、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、図3に示すように、第一閉弁状態における弁体4の位置を、第一ストッパ部201により決定することができる。また、図4に示すように、第二閉弁状態における弁体4の位置を、第二ストッパ部203により決定することができる。
<第二実施形態>
本実施形態のピストンクーリングジェットと、第一実施形態のピストンクーリングジェットとの相違点は、段差状の第二ストッパ部が配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図7に、本実施形態のピストンクーリングジェットの第二閉弁状態における軸方向断面図を示す。なお、図4と対応する部位については、同じ符号で示す。図7に示すように、収容室2aの底面からは、円環状の第二ストッパ部203が突設されている。第二閉弁状態において、弁体4の底壁下面は、第二ストッパ部203に当接している。当接により、弁体4の位置(下死点)が決定される。
本実施形態のピストンクーリングジェットと、第一実施形態のピストンクーリングジェットとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態によると、弁体4が第二ストッパ部203に、直接、当接することにより、第二閉弁状態における弁体4の位置を決定することができる。
<第三実施形態>
本実施形態のピストンクーリングジェットと、第一実施形態のピストンクーリングジェットとの相違点は、付勢部材が、伸張状態から自然長状態に戻る際の収縮力を利用して、弁体を付勢している点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図8に、本実施形態のピストンクーリングジェットの第一閉弁状態における軸方向断面図を示す。なお、図3と対応する部位については、同じ符号で示す。図8に示すように、コイルばね52の上端は、抜け止め用のストッパ部202に係止されている。一方、コイルばね52の下端は、抜け止め用のストッパ部44に係止されている。コイルばね52は、弁体4に、引張方向(上方に引き上げる方向)の付勢力を加えている。第一閉弁状態において、コイルばね52は、弾性限界内における最短長の状態である。つまり、コイルばね52は、縮みきっている。弁体4の位置(上死点)は、縮みきったコイルばね52を介して、第一ストッパ部201により決定される。
本実施形態のピストンクーリングジェットと、第一実施形態のピストンクーリングジェットとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態のように、付勢部材5が、伸張状態から自然長状態に戻る際の収縮力を利用して、弁体4を付勢してもよい。つまり、付勢部材5が弁体4を引っ張ってもよい。
<その他>
以上、本発明のピストンクーリングジェットの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
上記実施形態においては、図5、図6に示すように、低圧側しきい値を170kPaに、高圧側しきい値を370kPaに、それぞれ設定した。しかしながら、低圧側しきい値、高圧側しきい値の設定値は特に限定しない。例えば、図6に示す温間時において、ピストン91を冷却を開始したい油圧に、低圧側しきい値を設定してもよい。また、図5に示す冷間時に到達する油圧であって、図6に示す温間時に到達しない油圧に、高圧側しきい値を設定してもよい。
また、付勢部材5のばね部を、コイルばね以外のばね(板ばね、皿ばね、空気ばねなど)により構成してもよい。また、ばね部を、ゴム、弾性発泡体などの弾性体により構成してもよい。
1:ピストンクーリングジェット、2:本体、2a:収容室、3:ノズル、4:弁体、5:付勢部材、9:エンジン。
20:本体側流路、21:付勢部材収容室、30:ノズル側流路、40:ばね座、41:連通孔、42:第一遮断部、43:第二遮断部、44:ストッパ部、52:コイルばね(ばね部)、90:シリンダブロック、91:ピストン、92:コンロッド、93:クランクシャフト。
200:ばね座、201:第一ストッパ部、202:ストッパ部、203:第二ストッパ部、900:メインオイルギャラリ。
O:オイル。

Claims (4)

  1. オイルが流れる本体側流路を有する本体と、
    ノズル側流路を有するノズルと、
    該本体側流路と該ノズル側流路とを連通、遮断可能な弁体と、
    該弁体を付勢する付勢部材と、
    を備えるピストンクーリングジェットであって、
    前記付勢部材は、単一のばね部を有し、
    前記弁体は、該付勢部材の付勢力と、前記オイルの油圧の押圧力と、により駆動され、
    前記本体側流路と前記ノズル側流路とを連通する開弁状態と、
    該開弁状態に対して、該付勢力が該押圧力を上回ることにより該弁体が移動し、該本体側流路と該ノズル側流路とを遮断する第一閉弁状態と、
    該開弁状態に対して、該付勢力が該押圧力を下回ることにより該弁体が移動し、該本体側流路と該ノズル側流路とを遮断する第二閉弁状態と、
    に切り替え可能なことを特徴とするピストンクーリングジェット。
  2. 前記開弁状態は、前記油圧が低圧側しきい値以上高圧側しきい値以下の状態であり、
    前記第一閉弁状態は、該油圧が該低圧側しきい値未満の状態であり、
    前記第二閉弁状態は、該油圧が該高圧側しきい値超過の状態である請求項1に記載のピストンクーリングジェット。
  3. 前記本体は、前記弁体を往復動可能に収容する収容室を有し、
    該弁体は、前記開弁状態において前記本体側流路と前記ノズル側流路とを連通する連通孔と、該連通孔の往復動方向一方に配置され前記第一閉弁状態において該本体側流路と該ノズル側流路とを遮断する第一遮断部と、該連通孔の往復動方向他方に配置され前記第二閉弁状態において該本体側流路と該ノズル側流路とを遮断する第二遮断部と、を有する請求項1または請求項2に記載のピストンクーリングジェット。
  4. 前記本体は、前記第一閉弁状態における前記弁体の位置を決定する第一ストッパ部と、前記第二閉弁状態における該弁体の位置を決定する第二ストッパ部と、を有する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のピストンクーリングジェット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015048727A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 ダイハツ工業株式会社 車両の制御装置
US10149425B2 (en) 2013-10-15 2018-12-11 Lemken Gmbh & Co. Kg. Seed meter for a single-grain seeder
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