JP4217392B2 - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料噴射ポンプに関する。詳細には、燃料噴射ポンプにおいて低温におけるエンジン始動性を向上させ、かつ、エンジン始動直後に所期の性能を得られるようにするための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ディーゼルエンジンにおいては、燃料噴射ポンプで数百気圧に加圧された燃料が高圧管ノズルを介してシリンダ室へ供給され、クランク回転角で上死点より20°程度前(進角)において、噴射弁の噴口から燃焼室内に噴射されるように構成されている。ディーゼルエンジンは空気過剰の状態で燃焼が行われるため、ガソリンエンジンに比してCO及びHCの排出濃度は少ないが、NOxは同程度排出される。このNOxを低減するためには、噴射時期を遅らせる必要がある。この場合、低温始動時は着火性が悪くなるが、エンジンが低温のときは燃料噴射時期を進角側に制御することで、失火を抑制して低温始動性を向上できるとともに、エンジンの通常運転時等、エンジン温度が一定温度以上に高くなっているときは、燃料噴射時期を遅角側に制御することで、NOxの排出量を低減できる。そこで、プランジャとプランジャバレルとの間に燃料圧室を形成し、該プランジャの往復運動によって、燃料ギャラリーからメインポートを介して燃料圧室に燃料を吸い込み、分配軸への連絡通路へ圧送する燃料噴射ポンプにおいて、燃料圧室からサブポートを介して燃料をドレンする燃料ドレン回路を形成し、該燃料ドレン回路において、油密機能を有する変位可能な弁体が摺動する開閉弁構造部を形成し、該弁体はサブポートに対して開閉自在とし、該弁体の開閉制御を、温度変化に伴って伸縮する温感部材によって行い、エンジンが常温のときは弁体がサブポートを開いて一部の燃料をドレンし、燃料圧室の圧力を低下させて燃料噴射時期を遅角側とし、エンジンが低温のときは弁体がサブポートを閉じて燃料をドレンせず、燃料圧室の圧力を常温時より高くさせて、燃料噴射時期を進角側とする技術が考案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のサブポートによる噴射タイミングの制御は液体の動特性を利用しているため、サブポートを開閉することによって、同時にポンプの噴射量が変化していた。低温時にサブポートを閉じることによって、噴射タイミングを進角側に制御すると、始動性及び白煙の改善の効果は大きいが、同時に噴射量が増加するため、その状態が長時間続くとエンジンの許容とする制限噴射量を越えることになり、黒煙、NOxの排出、騒音大などの不具合が発生していた。また、排気エミッションはエンジンの耐久寿命の全期間において規制内であることが条件であり、その要となるサブポート開閉制御用のサーモエレメントの耐久性の確保を求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、燃料ギャラリーからプランジャバレル内部に吸入された燃料油をプランジャにより圧送させる際に、該燃料油の一部をドレンするための、該プランジャバレル内壁面に開口されるサブポートと、該サブポートに連通されるドレン回路とを備えた燃料噴射ポンプにおいて、サブポートの開閉部にスプールバルブを設け、回転速度に比例する燃料のギャラリー圧により、サブポートを開閉制御するように構成したものである。
【0006】
請求項2においては、燃料ギャラリーからプランジャバレル内部に吸入された燃料油をプランジャにより圧送させる際に、該燃料油の一部をドレンするための、該プランジャバレル内壁面に開口されるサブポートと、該サブポートに連通されるドレン回路とを備えた燃料噴射ポンプにおいて、サブポートの開閉部に、該サブポートを開閉するスプールバルブと、該スプールバルブの摺動制御を行うサーモエレメントを直列に配置し、夫々が独立で作動するように構成したものである。
【0007】
請求項3においては、前記スプールバルブの開口の面積変化を任意に変更することにより、噴射タイミング又は噴射量の変化度合いを制御するようにしたものである。
【0008】
請求項4においては、前記スプールバルブとサーモエレメントとの間にインタースピンドルを設け、該インタースピンドルガイドピースに調圧用の絞り穴を介設し、該絞り穴から出た燃料が、サーモエレメント室を経由してドレン回路に排出されるように構成したものである。
【0009】
請求項5においては、前記スプールバルブ、サーモエレメント、インタースピンドル等のサブポートの開閉制御部の構成部品を一体化するように構成したものである。
【0010】
請求項6においては、前記サブポートの開閉部に、前記スプールバルブとサーモエレメントを直列に配置し、夫々が独立で作動するように構成し、サーモエレメントの感温をエンジン冷却水により行うようにしたものである。
【0011】
請求項7においては、燃料ギャラリーからプランジャバレル内部に吸入された燃料油をプランジャにより圧送させる際に、該燃料油の一部をドレンするための、該プランジャバレル内壁面に開口されるサブポートと、該サブポートに連通されるドレン回路とを備えた燃料噴射ポンプにおいて、サブポートの開閉部に、該サブポートを開閉するスプールバルブと、該スプールバルブの摺動制御を行うサーモエレメントを設け、該スプールバルブ仕組に低圧ドレン回路を形成し、ドレンはサーモエレメント室を経由して、外部ドレンに排出されるように構成したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は本発明の第一実施例に係る燃料噴射ポンプの全体的な構成を示した断面図、図2は本発明の第一実施例に係る燃料噴射ポンプの全体的な燃料油系統を示した図、図3は低温時進角制御が行われている様子を示した噴射制御機構の拡大断面図、図4は該低温時進角制御が解除されている様子を示した噴射制御機構の拡大断面図、図5は本発明の第二実施例に係る燃料噴射ポンプの全体的な構成を示した断面図、図6は温感部材の構成例を示した断面図、図7は図5の状態から温度が上昇し、ピストンが伸張された状態を示した図、図8は低温時進角制御が行われている様子を示した噴射制御機構の拡大断面図、図9は該低温時進角制御が解除されている様子を示した噴射制御機構の拡大断面図、図10はスプールバルブの環状溝の構成例を示した図、図11はインタースピンドルを設けた噴射制御機構の拡大断面図、図12はエンジン冷却水用の連通部材を設けた噴射制御機構の拡大断面図、図13は第一実施例に係る回転数に対するギャラリー圧と、燃料噴射量と、噴射タイミングとの関係を示した図、図14は第二実施例に係る回転数に対するギャラリー圧と、燃料噴射量と、噴射タイミングとの関係を示した図、図15はスプールバルブ仕組にドレン回路を構成した断面図、図16は図15の構成に係る燃料油系統を示した図、図17はサーモエレメントとして電磁ソレノイドを用いた場合の回路図である。
【0014】
まず、本発明の燃料噴射ポンプの概略構成について説明する。図1に示すように、燃料噴射ポンプ1の下部にはカム軸2が横設され、該カム軸2の一端はカム軸受3を介して本体ハウジング4に回転自在に軸支されている。カム軸4にはカム5が固設され、該カム5の上方にプランジャバレル6を立設している。プランジャバレル6内にはプランジャ7が上下摺動自在に嵌挿され、該プランジャ7の下端にはタペット仕組8が付設されている。プランジャ7及びタペット仕組8はスプリング9により下方に付勢され、該タペット仕組8がカム5の周縁に当接するようにして、該カム5の回転によりプランジャ7が上下動するように構成している。図2に示すように、プランジャ7の側方には分配軸86がプランジャ7と軸芯を平行としながら回転自在に配置され、ベベルギア89等により前記カム軸2の動力が伝達されて駆動される。ハウジング4にはカム軸2の回転により駆動されるトロコイドポンプ83が配設され、燃料タンク80に貯留される燃料油を、該トロコイドポンプ83の送出側ポートに接続される送出通路等を介して燃料ギャラリー10へ供給するようにしている。
【0015】
プランジャバレル6の内部には、図3に示すように、導入された燃料を加圧するための燃料圧室11がプランジャ7の上方に形成されている。また、該プランジャバレル6には、メインポート12及び分配軸への連絡通路13が燃料圧室11に連通可能に設けられている。前記メインポート12は、前記燃料ポンプのハウジングに穿設された燃料供給油路及び燃料ギャラリー10に連通しており、常時燃料が供給される構成になっている。従って、燃料ギャラリー10からメインポート12を介して該燃料圧室11内に導入された燃料は、プランジャ7により加圧され、プランジャバレル6の上部に設けられた分配軸86への連絡通路13や、該連絡通路13に連通されて形成される燃料圧送通路14を介して、分配軸86に圧送される。燃料油は前記分配軸86の回転により分配されながら複数のデリバリバルブ87へ供給され、各デリバリバルブに供給された燃料は、噴射ノズル88へ圧送されて噴射される。符号15は該プランジャ7の燃料圧送の有効ストロークを定めるためのプランジャリードであり、プランジャ7を軸線まわりに回動させることによって該プランジャリード15がメインポート12へ連通するときのプランジャ7の高さを変更できるようになっている。
【0016】
プランジャバレル6の内壁面にはサブポート16が開口されており、また、プランジャバレル6の内側に形成される燃料圧室11において燃料を圧縮するプランジャ7の上端面7aに、サブリード7bを設けて、プランジャ7の一定回転範囲にて前記サブポート16に連通可能に構成し、メインポート12がプランジャ7の外周面にて塞がれている場合にも、該サブリード7bを介して該燃料圧室11と該サブポート16とを連通できるようにしている。該サブポート16に連通させて油路17がプランジャバレル6に径方向に設けられて、該油路17はプランジャバレル6外周面に軸方向に平行に穿設された溝18に接続され、該溝18はハイドロリックベース19に形設された連通路20と接続されている。該連通路20は、スプールバルブ本体21に形設された通路22を介して、同じくスプールバルブ本体内21に形成した油路33に連通させている。該通路22の具体的構成は、スプールバルブ本体21の外周面に環状の溝22aを設け、該スプールバルブ本体21の径方向に連絡孔22bを穿設して該環状の溝22aに連通させている。該連絡孔22bは、スプールバルブ本体21の軸方向に平行に設けた前記油路33と連通されている。また、該油路33は、前記通路22と同様に環状の溝26aと連絡孔26bから構成された通路26と連通し、該通路26を戻し油路27を介して前記燃料ギャラリー10に連通させている。この油路17と、溝18と、連通路20と、通路22とをもってドレン通路が構成され、該ドレン通路と、油路33と、通路26と、戻し油路27とをもって、燃料圧室11内の燃料油を燃料ギャラリー10に戻すためのドレン回路が構成されている。また、ドレン通路と、油路33と、通路26と、戻し油路27、27aと、スプールバルブ本体21中央部に設けられた通路28と、油路23上部に連通可能に設けられた連通路29と、該連通路29と連通されて形成された絞り穴30と、燃料戻し通路31とをもって、ハウジング4外の燃料タンクに燃料を戻すためのドレン回路が構成されている。
【0017】
この構成において、前記のプランジャ7の上下摺動において上死点に達する前に該プランジャ7頭部の外周面がメインポート12を閉じることにより、燃料圧室11から分配軸86への連絡通路13への燃料圧送が、カム角の進角域にて開始されることとなる。この進角域においては、サブリード7bがサブポート16に連通していることにより、プランジャ7が上方摺動するのにもかかわらず、サブポート16から燃料をドレンさせて、燃料圧送の開始を遅れさせることができる。尚、この燃料圧送の開始タイミングの遅れ度合いは、サブリード7bの深さやサブポート16の高さを調節することで調整することができる。
【0018】
前記油路23には、スプールバルブ32が変位可能かつ油密的に嵌合され、該スプールバルブ32の二つの弁体32a・32bによって環状溝33が形成されている。該スプールバルブ32は、油路23を上部室23aと下部室23bとに仕切っており、該上部室23aにスプールバルブ32を変位可能にするための戻しバネ34が設けられている。そして、該上部室23aに設けられた通路29と連通されている絞り穴30と調圧弁84とによって、燃料ポンプから燃料が圧送される際に生じるギャラリー圧が、回転速度に比例するように制御されており、該ギャラリー圧が上部室23aに導かれ、該ギャラリー圧及び下部室23bの燃料タンク80へのドレン圧と戻しバネ34のバランスによりスプールバルブ32を制御駆動するようにしている。
【0019】
この構成において、ギャラリー圧がスプールバルブ32の開弁圧設定値以下であると、上部室23aに導かれたギャラリー圧がスプールバルブ32の戻しバネ34により戻し力が加えられている前記スプールバルブ32は、図3に示すように、その弁体32bが前記連絡孔26bを完全に閉鎖するように駆動する。従って、サブポート16が閉じられて燃料がドレンされず、燃料圧送の開始タイミングが遅延されない。そして、この状態からギャラリー圧が開弁圧設定値以上に上昇すると、上部室23aに導かれたギャラリー圧は戻しバネ34を収縮駆動させて、スプールバルブ32を図3における下方向へ変位させ、スプールバルブ32の弁体32a・32bにより形成される環状溝33によって連絡孔22bと連絡孔26bとを徐々に連通させ、前記ドレン回路の通路面積を徐々に増加させていくことになる。従って、図13に示すように、ギャラリー圧の上昇に伴ってサブポート16の開度が増大して燃料のドレン量が多くなって、燃料圧送の開始タイミングが徐々に遅延されていくとともに燃料の噴射量も徐々に減少していく。最終的には、図4に示すように、該サブポート16に対しドレン回路が完全に開かれ、該開始タイミングは所定のタイミングだけ遅延され、燃料の噴射量も減少されることとなる。即ち、ギャラリー圧によってサブポートを開閉制御して、エンジン始動時の低回転域ではサブポート16を閉じて燃料圧送の開始タイミングを遅延させないことで進角制御を行うとともに、燃料の噴射量の増加を行う。一方、エンジン始動後の中、高回転域ではサブポート16を開いて開始タイミングを遅延させることで、該進角制御の解除を行い、燃料の噴射量を減少させることとしている。従って、進角によるNOxの増加と騒音並びに噴射量の増加による出力の増加や黒煙の排出などの不具合を解消することができる。
【0020】
次に、燃料噴射ポンプの別実施例について説明する。この実施例に係る燃料噴射ポンプ1´においては、図5に示すように、前記スプールバルブ32上方にサーモエレメント40を設け、前述のスプールバルブ32を変位可能に構成している。該スプールバルブ32は、油路23を上部室23aと下部室23bとに仕切っており、上部室23aに該スプールバルブ32を駆動するためのサーモエレメント40と、該スプールバルブ32を回転速度に比例する該ギャラリー圧により制御するための戻しバネ34を収容している。上部室23aに収められるサーモエレメント40として、本実施例では温感部材を用いており、具体的には、低温域では縮んでおり高温域では伸びるように構成した、ワックスの膨張率を利用して伸縮するワックスペレット型のサーモスタットとしている。図6に示すように、流動性を有するワックス41がカップ42に封入され、可撓性素材をもって構成したスリーブ43により封止してある。該スリーブ43には筒状部分を形成してあり、該筒状部分にピストン44が摺動自在に嵌合されて、該ピストン44は軸方向に変位自在となるよう、前記カップ42のカバー45に支持してある。従って、温度上昇によってワックス41が膨張すると、図7に示すように、ピストン44を押し出す方向の圧力が前記スリーブ43に加わって、ピストン44が押進されることとなる。この温感部材40の伸縮駆動部であるピストン44の先端を、前記スプールバルブ32に当接して、前記スプールバルブ32を変位可能としている。上部室23aに収められる戻しバネ34は、前記温感部材40の押進に抗する付勢力を、該スプールバルブ32を介して加えている。
【0021】
この構成において、温感部材40が温度上昇を検知してピストン44を押進させると、スプールバルブ32を介して前記戻しバネ34を圧縮して、該戻しバネ34はその弾発力を増大させることとなる。従って、前記スプールバルブ32は、該温感部材40の伸張力と前記戻しバネ34の弾発力とが釣り合う平衡位置にて静止され、その位置は、温感部材40が検知する温度に応じて定まる。
【0022】
この構成において、エンジンが低温環境下にあると、温感部材40はピストン44を縮退させるので、戻しバネ34により戻し力が加えられている前記スプールバルブ32は、図7に示すように、その弁体32bが前記通路26bを完全に閉鎖するように駆動する。従って、サブポート16が閉じられて燃料がドレンされず、燃料圧送の開始タイミングが遅延されない。そして、この状態からエンジンの温度が上昇すると、温感部材40はピストン44を伸張駆動させて、スプールバルブ32を図7における下方向へ変位させ、スプールバルブ32の弁体32a・32bにより形成される環状溝33によって前記通路22bと通路26bとを徐々に連通させ、前記ドレン回路の通路面積を徐々に増加させていくことになる。従って、図14に示すように、温度上昇に伴ってサブポート16の開度が増大して燃料のドレン量が多くなって、燃料圧送の開始タイミングが徐々に遅延されていく。最終的には、図9に示すように、該サブポート16に対しドレン回路が完全に開かれ、該開始タイミングは所定のタイミングだけ遅延されることとなる。更に、フェールセルフ機能として、前記スプールバルブ32をエンジンの許容出力範囲でサブポートを開くように、戻しバネの弾力やピストンの断面積並びにギャラリー圧を調節することで、燃料の噴射時期と噴射量を徐々に減少していくことができる。即ち、ギャラリー圧によってサブポートを開閉制御して、低温時はサブポート16を閉じて燃料圧送の開始タイミングを遅延させないことで進角制御を行うとともに、燃料の噴射量の増加を行う一方、高温(常温)時はサブポート16を開いて開始タイミングを遅延させることで、該進角制御の解除を行い、燃料の噴射量を減少させることとしているのである。
【0023】
更に、図10に示すように、スプールバルブ32の前記環状溝33を形成する弁体32a・32bの傾斜部32cの角度またはVノッチの深さなどを調節することで、噴射タイミング及び燃料噴射量の変化度合いを制御することができる。これによって、バルブの急激な開放による、エンジンのハンチング或は、噴射タイミングの変化に伴うノック音、フィーリング不調などを解消することができる。
【0024】
また、図11に示すように、ギャラリー圧が温感部材40に直接掛からないように、油路23の上部室23aに設けられた温感部材40とスプールバルブ32の間にインタースピンドル46を設けることもできる。該インタースピンドル46は温感部材40のピストン44とスプールバルブ32とを接続したピン47が摺動可能なように設けられ、上部室23aを戻しバネ室23cとサーモエレメント室23dに仕切っている。該インタースピンドル46には、ピン47と直角方向に絞り穴48が介設されており、該絞り穴48をもって回路圧調圧用手段を構成している。該絞り孔48は、一端を油路23を介して燃料ギャラリー10側に接続し、他端を、スプールバルブ本体21に設けた通路49を介して戻し通路31に接続させている。前記サーモエレメント室23dは戻し通路31と連通して低圧側となっているので、絞り孔48を通じてサーモエレメント室23dへ漏出した燃料ギャラリー10からの燃料油が、高圧状態で温感部材40に作用することがない。
【0025】
このように構成することによって、サーモエレメントたる温感部材40に大きなギャラリー圧が作用することが防止される。従って、該サーモエレメント40を耐久性に優れる構成とすることができるのである。また、絞り穴48からサーモエレメント室23dに流出による燃料油の温度上昇によって、温感部材40が速やかに反応するため、該音感部材40によってスプールバルブ32が下方へ変位して、サブポート16が開放されるので燃料の噴射量を減少ができ、黒煙の排出や破損などの不具合を防止することができる。
【0026】
また、図12に示すように、前記スプールバルブ本体21の上部にエンジン冷却水用の連通部材50を外装し、エンジン冷却水が温感部材40周囲の環状通路51を流れるように構成している。これによって、温感部材40の感温が、エンジンの作動媒体で昇温する速度の速いエンジン冷却水により行われるため、速やかに温度上昇を検知し、サブポート16を開放して、進角を解除できるとともに、万一温感部材40が破損した場合などに燃料への水の混入を防ぐことができる。
【0027】
そして、前記スプールバルブ32、サーモエレメント40、インタースピンドル46などの構成部品を一体化するように構成したため、スプールバルブ32の開弁圧を容易に調整できるとともに、小型化や低コスト化を図ることができる。
【0028】
また、図15及び図16に示すように、ギャラリー圧がサーモエレメント40の感温部材に直接掛からないように、該スプールバルブ本体21で遮蔽し、バルブ部からのドレンは該スプールバルブ320の内部に設けた流路を通り、該サーモエレメント室230を経由して、外部ドレン回路に排出するよう構成している。このように構成することにより、該サーモエレメント40の感温部材に燃料噴射の終わりのスピルにより生じる高圧のギャラリー圧が作用することが防止され、長時間の耐久性が確保される。
【0029】
また、図17に示すように、前記スプールバルブ320を制御する構成として、電磁ソレノイドを用いることも可能である。該電磁ソレノイド24は、エンジンの適宜場所に設けた温度センサ25によって温度を検知し、それに応じて前記スプールバルブ320を開閉駆動するように構成することができる。あるいは電磁ソレノイド24を適宜タイマ回路35に接続して、エンジンの始動後一定時間はスプールバルブ320が前記サブポート16を閉じて進角制御を行い、該時間を経過後はスプールバルブ320が前記サブポート16を開いて進角制御を解除するように構成することができる。また、タイマ回路35の代わりにエンジン回転数を検出する回転センサを設けて、エンジン回転数が一定の回転数になると、電磁ソレノイド24が作動するように構成することもできる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0031】
即ち、請求項1に示す如く、燃料ギャラリーからプランジャバレル内部に吸入された燃料油をプランジャにより圧送させる際に、該燃料油の一部をドレンするための、該プランジャバレル内壁面に開口されるサブポートと、該サブポートに連通されるドレン回路とを備えた燃料噴射ポンプにおいて、サブポートの開閉部にスプールバルブを設け、回転速度に比例する燃料のギャラリー圧により、サブポートを開閉制御するように構成したので、低温時の始動性を向上させるために、サブポートを閉じることによって噴射時期の進角制御と噴射量の増量を行うことができるとともに、始動後速やかにサブポートを開くことにより、噴射時期の進角によるNOxの低減と燃料の噴射量を減少させ、噴射量の増量による出力の増加や黒煙の排出などの不具合を解消することができる。
【0032】
請求項2に示す如く、燃料ギャラリーからプランジャバレル内部に吸入された燃料油をプランジャにより圧送させる際に、該燃料油の一部をドレンするための、該プランジャバレル内壁面に開口されるサブポートと、該サブポートに連通されるドレン回路とを備えた燃料噴射ポンプにおいて、サブポートの開閉部に、該サブポートを開閉するスプールバルブと、該スプールバルブの摺動制御を行うサーモエレメントを直列に配置し、夫々が独立で作動するように構成したので、低温時においてはエンジンが暖気するまで、噴射時期を進めることで、多量の白煙が排出することを防止でき、また、フェールセルフ機能として、前記スプールバルブをエンジンの許容出力範囲でサブポートを開くことによって、同時に増量する噴射量を減少させることができる。
【0033】
請求項3に示す如く、前記スプールバルブの開口の面積変化を任意に変更することにより、噴射タイミング又は噴射量の変化度合いを制御するようにしたので、バルブの急激な開閉による、エンジンのハンチング或は噴射タイミングの変化に伴うノック音、フィーリング不調などを解消することができる。
【0034】
請求項4に示す如く、前記スプールバルブとサーモエレメントとの間にインタースピンドルを設け、該インタースピンドルガイドピースに調圧用の絞り穴を介設し、該絞り穴から出た燃料が、サーモエレメント室を経由してドレン回路に排出されるように構成したので、サーモエレメントの耐久性の向上を図ることができ、絞り穴からの流れる燃料による昇温によって、サーモエレメントを速やかに作動させ、サブポートを迅速に開放することで、燃料噴射量を減少させ、出力の増加や黒煙の排出などの不具合を解消することができる。
【0035】
請求項5に示す如く、前記スプールバルブ、サーモエレメント、インタースピンドル等のサブポートの開閉制御部の構成部品を一体化するように構成したので、仕組でのスプールバルブの開弁圧の調整を行うことができるとともに、小型化や低コスト化を図ることができる。
【0036】
請求項6に示す如く、前記サブポートの開閉部に、前記スプールバルブとサーモエレメントを直列に配置し、夫々が独立で作動するように構成し、サーモエレメントの感温をエンジン冷却水により行うようにしたので、サーモエレメントの感温がエンジンの作動媒体で昇温する速度の速いエンジン冷却水により行われるため、速やかに温度上昇を検知し、サブポートを開放して、噴射時期の進角制御を解除できるとともに、万一サーモエレメントが破損した場合などに燃料への水の混入を防ぐことができる。
【0037】
請求項7に示す如く、燃料ギャラリーからプランジャバレル内部に吸入された燃料油をプランジャにより圧送させる際に、該燃料油の一部をドレンするための、該プランジャバレル内壁面に開口されるサブポートと、該サブポートに連通されるドレン回路とを備えた燃料噴射ポンプにおいて、サブポートの開閉部に、該サブポートを開閉するスプールバルブと、該スプールバルブの摺動制御を行うサーモエレメントを設け、該スプールバルブ仕組に低圧ドレン回路を形成し、ドレンはサーモエレメント室を経由して、外部ドレンに排出されるように構成したので、噴射時期の進角制御の早期解除と、サーモエレメントの小形化や耐久性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施例に係る燃料噴射ポンプの全体的な構成を示した断面図。
【図2】 本発明の第一実施例に係る燃料噴射ポンプの全体的な燃料油系統図。
【図3】 低温時進角制御が行われている様子を示した噴射制御機構の拡大断面図。
【図4】 該低温時進角制御が解除されている様子を示した噴射制御機構の拡大断面図。
【図5】 本発明の第二実施例に係る燃料噴射ポンプの全体的な構成を示した断面図。
【図6】 温感部材の構成例を示した断面図。
【図7】 図5の状態から温度が上昇し、ピストンが伸張された状態を示した図。
【図8】 低温時進角制御が行われている様子を示した噴射制御機構の拡大断面図。
【図9】 該低温時進角制御が解除されている様子を示した噴射制御機構の拡大断面図。
【図10】 スプールバルブの環状溝の構成例を示した図。
【図11】 インタースピンドルを設けた噴射制御機構の拡大断面図。
【図12】 エンジン冷却水用の連通部材を設けた噴射制御機構の拡大断面図。
【図13】 第一実施例に係る回転数に対するギャラリー圧と、燃料噴射量と、噴射タイミングとの関係を示した図。
【図14】 第二実施例に係る回転数に対するギャラリー圧と、燃料噴射量と、噴射タイミングとの関係を示した図。
【図15】 スプールバルブ仕組にドレン回路を構成した断面図。
【図16】 図15の構成に係る燃料油系統図。
【図17】 サーモエレメントとして電磁ソレノイドを用いた場合の回路図。
【符号の説明】
1 燃料噴射ポンプ
6 プランジャバレル
7 プランジャ
10 燃料ギャラリー
16 サブポート
32 スプールバルブ
40 サーモエレメント
46 インタースピンドル
320 スプールバルブ(内部流路付)

Claims (7)

  1. 燃料ギャラリーからプランジャバレル内部に吸入された燃料油をプランジャにより圧送させる際に、該燃料油の一部をドレンするための、該プランジャバレル内壁面に開口されるサブポートと、該サブポートに連通されるドレン回路とを備えた燃料噴射ポンプにおいて、サブポートの開閉部にスプールバルブを設け、回転速度に比例する燃料のギャラリー圧により、サブポートを開閉制御するように構成したことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  2. 燃料ギャラリーからプランジャバレル内部に吸入された燃料油をプランジャにより圧送させる際に、該燃料油の一部をドレンするための、該プランジャバレル内壁面に開口されるサブポートと、該サブポートに連通されるドレン回路とを備えた燃料噴射ポンプにおいて、サブポートの開閉部に、該サブポートを開閉するスプールバルブと、該スプールバルブの摺動制御を行うサーモエレメントを直列に配置し、夫々が独立で作動するように構成したことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  3. 前記スプールバルブの開口の面積変化を任意に変更することにより、噴射タイミング又は噴射量の変化度合いを制御するようにしたことを特徴とする請求項2記載の燃料噴射ポンプ。
  4. 前記スプールバルブとサーモエレメントとの間にインタースピンドルを設け、該インタースピンドルガイドピースに調圧用の絞り穴を介設し、該絞り穴から出た燃料が、サーモエレメント室を経由してドレン回路に排出されるように構成したことを特徴とする請求項2記載の燃料噴射ポンプ。
  5. 前記スプールバルブ、サーモエレメント、インタースピンドル等のサブポートの開閉制御部の構成部品を一体化するように構成したことを特徴とする請求項4記載の燃料噴射ポンプ。
  6. 前記サブポートの開閉部に、前記スプールバルブとサーモエレメントを直列に配置し、夫々が独立で作動するように構成し、サーモエレメントの感温をエンジン冷却水により行うようにしたことを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射ポンプ。
  7. 燃料ギャラリーからプランジャバレル内部に吸入された燃料油をプランジャにより圧送させる際に、該燃料油の一部をドレンするための、該プランジャバレル内壁面に開口されるサブポートと、該サブポートに連通されるドレン回路とを備えた燃料噴射ポンプにおいて、サブポートの開閉部に、該サブポートを開閉するスプールバルブと、該スプールバルブの摺動制御を行うサーモエレメントを設け、該スプールバルブ仕組に低圧ドレン回路を形成し、ドレンはサーモエレメント室を経由して、外部ドレンに排出されるように構成したことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
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