以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のいずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアは、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、又は、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5では、可変表示部としての各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが、接着して、あるいは分離して、あるいは接着及び分離が可能に、設けられてもよい。画像表示装置5における表示動作は、図2に示す演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120によって制御される。演出制御用CPU120は、第1特別図柄表示装置4Aで第1特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示装置4Bで第2特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
一例として、始動入賞記憶表示エリア5Hには、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)を青色表示に変化させる。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときには、通常非表示となっている表示部位のうちの1つを赤色表示に変化させる。その後、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件(第1開始条件)と第2特図を用いた特図ゲームの開始条件(第2開始条件)のいずれかが成立したときには、例えば左端の表示部位における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、青色表示や赤色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば表示色が変化していた表示部位のうち右端の表示部位)を非表示に戻す。
なお、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した有効始動入賞球数としての第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した有効始動入賞球数としての第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
こうして、第1始動条件や第2始動条件が成立したものの、先に開始された特図ゲームが実行中であることや、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、特図ゲームを開始するための開始条件が成立しないときには、特図ゲームに対応した可変表示の保留が発生する。例えば、第1始動条件が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動条件が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
加えて、画像表示装置5の表示領域には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにより実行される特図ゲームにて可変表示される特別図柄を、飾り図柄とは別個に特定可能として表示する特別図柄可変表示エリアが設けられていてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されたことに対応して、特別図柄可変表示エリアにて特別図柄の可変表示に対応した「○」、「×」などを示す演出画像の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が終了して確定特別図柄が停止表示されることに対応して、特別図柄可変表示エリアにて確定特別図柄に対応して予め定められた「○」、「×」などの演出画像を停止表示すればよい。例えば、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当り図柄である場合には特別図柄可変表示エリアに「○」を停止表示し、ハズレ図柄である場合には「×」を停止表示すればよい。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(又はLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(又はLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口が1つ又は複数設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
例えば上皿の上面における手前側の中央位置といった、パチンコ遊技機1の遊技機用枠3における所定位置には、押下操作などにより遊技者が所定の指示操作を可能な操作ボタン30が設置されている。この操作ボタン30は、押下可能であるとともに、回動可能なジョグダイアルになっていてもよい。なお、操作ボタン30は、押下操作や回動操作が可能なものに限定されず、例えばタッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン30に代えて、例えば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン30は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ボタン30に対する遊技者の指示操作は、図2に示す操作検出ユニット31によって検出される。
こうした操作ボタン30に代えて、あるいは、操作ボタン30とともに、例えば下皿を形成する部材において、下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラが取り付けられてもよい。スティックコントローラは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。スティックコントローラの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。なお、下皿におけるスティックコントローラの取付位置は、下皿の中央部分に限定されず、左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。
スティックコントローラと操作ボタン30の取付位置は、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にあればよい。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、スティックコントローラ及び操作ボタン30の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、スティックコントローラと操作ボタン30の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄は、いずれも15R大当り図柄となる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として15R大当り図柄が停止表示された後に制御される大当り遊技状態(15R大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15R大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15R大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15R大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに所定個数(例えば「15」)の出玉(賞球)が得られる。
なお、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(大入賞口の開放回数)や、各ラウンドにおいて大入賞口が閉鎖状態から開放状態となって再び閉鎖状態に戻るまでの時間(開放時間)は、パチンコ遊技機1の仕様に応じて任意に変更可能である。一例として、15R大当り状態とともに、2R大当り状態を設けて、2R大当り状態となった場合には、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間)が、15R大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となるようにしてもよい。また、2R大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15R大当り状態におけるラウンド数よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となる。なお、2R大当り状態では、ラウンドの実行回数が第2ラウンド数となるように制御されればよく、それ以外の制御は15R大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。ラウンドの実行回数が「2」となる2R大当り状態における遊技は、2回開放遊技とも称される。2R大当り状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた所定の入賞球装置において、大入賞口となる所定の入賞口を閉鎖状態から開放状態とすることなどにより、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間又は第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
このような2R大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば15個の出玉(賞球)が得られるが、大入賞口の開放期間が第2期間(0.5秒間)であって、非常に短い。そのため、2R大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、第2特定遊技状態は、第1特定遊技状態に比べてラウンドの実行回数が少ないものに限定されず、例えばラウンドの実行回数は同一である一方で、大入賞口を開放状態とする上限期間(例えば2秒間)が第1特定遊技状態での上限期間(例えば29秒間)に比べて短くなるものであってもよい。第2特定遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を開放状態に変化させる期間が第1特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第1特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
大当り図柄のうちで「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15R大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
大当り図柄のうちで「5」または「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける特別図柄として停止表示されたことに基づき15R大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時間短縮制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続すればよい。確変状態における時短制御は、時短状態の場合と同様に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、終了してもよい。あるいは、確変状態における時短制御は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。
一例として、「5」または「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御がともに開始され、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときには、時短制御を終了させる。その一方で、確変制御は、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続させる。
他の一例として、「5」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御がともに開始され、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときには、時短制御を終了させる。その一方で、確変制御は、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続させる。また、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御がともに開始され、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御と時短制御をともに継続させる。
確変制御とともに時短制御が行われる確変状態は、高確高ベース状態とも称される。また、確変制御のみが行われて時短制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。さらに、確変制御が行われずに時短制御のみが行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御と時短制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。このように、確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御が行われる高確高ベース状態の他に、確変制御のみが行われて時短制御が行われない高確低ベース状態が含まれていてもよい。
「5」の数字を示す特別図柄は、第1確変大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち第1確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「第1確変大当り」と称される。「7」の数字を示す特別図柄は、第2確変大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち第2確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「第2確変大当り」と称される。なお、非確変大当り図柄「3」や第1確変大当り図柄「5」、および第2確変大当り図柄「7」は、一例であり、各大当り図柄はこれらに限定されない。例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号(例えば「コ」など)にしてもよい。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。時短制御と高開放制御は、それらの開始と終了が同時に(連動して)行われる一方で、確変制御の開始と終了は、時短制御や高開放制御の開始や終了と必ずしも連動するものでなくてもよい。時短制御と高開放制御がともに行われている遊技状態を、高ベース状態ともいい、高ベース状態であることを高ベース中であるともいう。
パチンコ遊技機1では、可変表示結果が「大当り」となったことに基づき、大当り遊技状態に制御されてラウンドが実行され、開放状態となった大入賞口に遊技球を入賞させて遊技者が多数の賞球を容易に得られるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。また、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態になりやすくなるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。その他にも、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となることや、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることといった、様々な遊技価値が付与されることがある。こうした所定の遊技価値が付与されるか否かは、例えば特図ゲームにおける可変表示結果となる確定大当り図柄といった、所定図柄の表示結果に応じて定められるものであればよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることといった、所定の遊技価値が付与される可能性があることなどを、遊技者に示唆するための予告演出が実行されることがある。この実施の形態では、第2始動入賞口を通過した遊技媒体が第2始動口スイッチ22B(図2)によって検出されたことに基づき、例えば第2始動入賞口における遊技媒体の通過タイミング、あるいは特図ゲームの実行に対応した飾り図柄の可変表示中における所定タイミングといった、所定演出タイミングにて、第1特図を用いた特図ゲームに対応した保留データとして、所定の遊技価値が付与されることを示す保留データが記憶されている可能性を示唆する予告演出が実行される。
第2始動入賞口における遊技媒体の通過タイミングにて実行される予告演出は、始動入賞時予告演出ともいう。始動入賞時予告演出となる演出動作は、例えば画像表示装置5の画面上に所定の演出画像(キャラクタ画像など)を表示すること、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力すること、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを所定の点灯態様で点灯させること、遊技領域の内部又は外部に設けられた演出用模型が備える可動部材を動作させること、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせることにより、所定の遊技価値が付与される保留データが記憶されていることを示唆できればよい。
特図ゲームの実行に対応した飾り図柄の可変表示中における所定タイミングにて実行される予告演出は、変動開始時予告演出ともいう。変動開始時予告演出となる演出動作は、第1特図を用いた特図ゲームに対応した保留データとして、所定の遊技価値が付与される保留データが記憶されている可能性を示唆する予告演出となり、複数回の特図ゲームなどに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり、連続した演出動作を含んだものであってもよい。すなわち、変動開始時予告演出は、連続予告演出となるものであってもよい。連続予告演出が実行される複数回の可変表示のうちで最後の可変表示は、連続予告演出により所定の遊技価値が付与される可能性などが示唆される対象となる可変表示であり、連続予告演出による予告対象となる可変表示ともいう。連続予告演出が実行される場合には、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、第1特図を用いた特図ゲームの保留データに基づいて所定の遊技価値が付与される可能性などを示唆する予告演出が開始される。なお、変動開始時予告演出は、連続予告演出となり得るものであればよく、1回の特図ゲームに対応して1回実行される飾り図柄の可変表示中における演出動作となることがあってもよい。
第2始動入賞口を遊技媒体が通過してから予告演出を実行する所定演出タイミングとなるより前に、第2特図を用いた特図ゲームの実行に対応した飾り図柄の可変表示中における導入演出タイミングにて、所定の導入演出が実行されてもよい。導入演出となる演出動作は、例えば画像表示装置5の画面上に所定の演出画像(キャラクタ画像など)を表示すること、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力すること、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを所定の点灯態様で点灯させること、遊技領域の内部又は外部に設けられた演出用模型が備える可動部材を動作させること、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせることにより、その後に変動開始時予告演出などが実行されることを遊技者に認識させるものであればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せともいう)となる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。なお、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄と、リーチ組合せとなる確定飾り図柄は、まとめてハズレ組合せ(非特定の組合せ)の確定飾り図柄ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち非確変大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の非確変大当り組合せ(「通常大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が非確変大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、非確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「非確変」であるともいう。こうして「非確変大当り」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態が終了すると、時短状態に制御される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち第1確変大当り図柄である「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。また、この場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
この実施の形態では、特図ゲームにおける確定特別図柄として第1確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態に制御されることが報知される。こうした飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」で「再抽選・昇格あり」となる場合に対応した「第1確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「第1確変」であるともいう。再抽選演出や大当り中昇格演出のように、確変状態に制御されるか否かを報知するために実行される演出は、確変昇格演出ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち第2確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。こうした飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」で「直当り」となる場合に対応した「第2確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「第2確変」であるともいう。
なお、「直当り」とは、可変表示時間が経過したときに、飾り図柄の可変表示結果として確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されることを直ちに(大当り遊技状態の開始前に)認識可能とするものである。これに対して、再抽選演出や大当り中昇格演出が実行される場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを直ちには認識不能とし、再抽選演出(例えば飾り図柄の再変動)が実行されて確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることが報知されたり、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出を実行することによって確変状態に制御されることが報知される。また、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」である場合には、可変表示時間の経過時に、飾り図柄の可変表示結果として非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示され、「第1確変」の場合と同様に大当り遊技状態中に大当り中昇格演出が実行される場合がある。さらに、飾り図柄の可変表示中にも、「第1確変」の場合と同様に再抽選演出が実行される場合がある。ただし、「非確変」の場合には、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、大当り遊技状態中に大当り中昇格演出が実行されても、確変状態に制御されることは報知されない。
再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選失敗演出が行われる。これに対して、大当り種別が「第1確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選成功演出が行われる。なお、大当り種別が「第1確変」である場合でも、再抽選失敗演出が行われるようにしてもよい。
このように、再抽選演出は、可変表示結果が「大当り」となることが事前に決定されている場合に、飾り図柄の可変表示時間が経過して確定飾り図柄が導出表示される以前に、確変状態に制御されるか否かを報知する演出である。なお、飾り図柄の可変表示時間が経過して確定飾り図柄が導出表示された後、大当り遊技状態が開始されるより前に、例えば大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)の実行中に、再抽選演出が実行されるようにしてもよい。再抽選演出の具体的な演出態様としては、飾り図柄の再変動表示を行うものに限定されず、例えば、非確変大当り組合せの飾り図柄を仮停止表示するなどして、一旦「非確変」であると思わせておいてから、演出用模型を可動させたり、画像表示装置5の表示領域に所定のキャラクタ画像を表示させたり、遊技効果ランプ9を所定のパターンで点灯又は点滅させたり、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させたりすることにより、再抽選演出を実行してもよい。
大当り中昇格演出では、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時における演出動作の一環として、あるいは別個の演出動作として、遊技状態が確変状態となるか否かを報知する演出動作が行われる。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄を可変表示させて非確変図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させることにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に大当り中昇格演出が実行されるときには、その大当り中昇格演出として、飾り図柄の演出表示結果が非確変図柄となる大当り中昇格失敗演出が行われる。これに対して、大当り種別が「第1確変」である場合に大当り中昇格演出が実行されるときには、その大当り中昇格演出として、飾り図柄の演出表示結果が確変図柄となる大当り中昇格成功演出が行われる。
このように、大当り中昇格演出は、可変表示結果が「大当り」となることが事前に決定されている場合に、飾り図柄の可変表示時間が経過して確定飾り図柄が導出表示された後、大当り遊技状態が開始された後の所定期間にて、確変状態に制御されるか否かを報知する演出である。大当り中昇格演出の具体的な演出態様としては、飾り図柄の可変表示を行うものに限定されず、例えば、飾り図柄とは異なる演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させたり、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させたり、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを所定のパターンで点灯又は点滅させたり、演出用模型を可動させたりすることにより、大当り中昇格演出を実行してもよい。
確変状態や時短状態では、例えば「確変中」や「時短中」といった確変状態や時短状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、画像表示装置5の表示領域における背景画像や飾り図柄の表示態様を通常の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、確変状態や時短状態であることを遊技者が認識できる演出モードとなるようにしてもよい。あるいは、確変状態では、例えば通常状態と同様の演出モードとなることにより、確変状態であることを遊技者が認識不可能あるいは認識困難になることがあってもよい(いわゆる潜伏確変)。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11の側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
この実施の形態では、第1及び第2変動開始コマンドと、変動パターン指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1特図及び第2特図のいずれが変動開始となるかの指定内容と、変動パターンの指定内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)と変動パターンとの組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを特定できるようにしてもよい。ここで、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)に応じた2種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動開始となる特別図柄を指定する演出制御コマンドと、変動パターンを指定する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動開始となる特別図柄に対応した2種類の演出制御コマンドと、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別(飾り図柄の可変表示態様)を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果に対応して「非確変大当り」を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第1確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果に対応して「第1確変大当り(再抽選・昇格あり)」を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第2確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果に対応して「第2確変大当り(直当り)」を通知する第4可変表示結果通知コマンドである。
コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば15R大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかにかかわりなく、大当り遊技状態の開始時点から、あるいは、飾り図柄の可変表示開始時点から、大当り遊技状態の終了時点まで、継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。あるいは、大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかに応じて、異なる演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。大当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドや大当り開始指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドや大当り開始指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
コマンドB1XXHは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
この実施の形態において、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第1始動入賞時に、所定の数値データを用いた判定結果を通知する演出制御コマンドとしても用いられる。例えば図3(C)に示すように、第1始動口入賞指定コマンドでは、特図表示結果が「ハズレ」となる場合に、変動パターンを決定するために用いる所定の可変表示決定用数値(例えば変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ)が特図ゲームの保留記憶数(特図保留記憶数)にかかわらず特定の変動パターン(例えばスーパーリーチを伴う変動パターン)とする特定パターン共通範囲の範囲内であるか範囲外であるかに応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンドB100Hは特定パターン共通範囲外であることを通知する一方で、コマンドB101Hは特定パターン共通範囲内であることを通知する。また、第1始動口入賞指定コマンドでは、可変表示結果を「大当り」とするか否かを決定するために用いる所定の特定表示結果決定用数値(例えば特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データ)に基づいて、特図表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定結果などに応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンドB102Hは、特図表示結果が「大当り」に決定されると判定した入賞時大当り判定を通知する。これに対して、コマンドB100HやコマンドB101Hでは、特図表示結果が「大当り」には決定されないと判定したことが通知される。
コマンドC0XXHは、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。保留記憶数通知コマンドでは、例えば図12に示す第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの総記憶数(例えば「0」〜「8」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板12の側では、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときや、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立して特図ゲームの実行が開始されるときなどに、主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信して、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの総記憶数を特定することができる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、乱数回路104やI/O105は、外付けであってもよい。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ100ではCPU103がROM101に格納されている遊技制御用のプログラムを実行して遊技制御を行うので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(又はCPU103)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11とは異なる他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
主基板11では、例えば図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図12に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路104によりCPU103とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR5を示す数値データは、CPU103がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路104により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路104が更新する数値データの初期値を設定する機能を有していてもよい。例えば、ROM101等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路104が更新する数値データの初期値として設定する。このような処理を行うことにより、乱数回路104が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。すなわち、普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける可変表示結果に基づき普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しがたい状態(通常開放状態)から遊技球が通過(進入)しやすい状態(拡大開放状態)へと変化させるか否かなどの決定を行うために用いられる。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
図5に示すように、この実施の形態では、非リーチ変動パターンとして、変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−4と、変動パターンPB1−1及び変動パターンPB1−2とが、予め用意されている。また、リーチ変動パターンとして、変動パターンPA2−1、変動パターンPA2−2、変動パターンPA3−1、変動パターンPA3−2、変動パターンPA4−1、変動パターンPA4−2が、予め用意されている。可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した大当り変動パターンとしては、変動パターンPA5−1、変動パターンPA5−2、変動パターンPA6−1、変動パターンPA6−2、変動パターンPA7−1、変動パターンPA7−2が、予め用意されている。
この実施の形態では、非リーチ変動パターンとして、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数(第1特図保留記憶数)に応じて、特図変動時間が異なる複数の変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−3と、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数(第2特図保留記憶数)にかかわらず、所定の特図変動時間となる変動パターンPA1−4とが、予め用意されている。変動パターンPA1−4における特図変動時間は、第1特図保留記憶数が「3」である場合に対応した変動パターンPA1−2における特図変動時間や、第1特図保留記憶数が「4」である場合に対応した変動パターンPA1−3における特図変動時間よりも、長くなるように設定されている。したがって、可変表示態様が「非リーチ」となる場合に、第2特図を用いた特図ゲームに対応した飾り図柄の可変表示時間は、その特図ゲームの保留記憶数にかかわらず、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が所定数以上である場合に対応した可変表示時間よりも長くなるように設定される。
図6は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図5に示す各変動パターンは、図6に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作などに基づいて分類(グループ化)された1つ又は複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチα(スーパーリーチα1又はスーパーリーチα2)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチβ(スーパーリーチβ1又はスーパーリーチβ2)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図6に示す例では、可変表示結果が「ハズレ」で「非リーチ」の可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−6が、予め用意されている。また、可変表示結果が「ハズレ」で「リーチ」の可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3が、予め用意されている。可変表示結果が「大当り」となる場合に対応して、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3が、予め用意されている。
変動パターン種別CA1−1は、遊技状態が通常状態であるときに、第1特図を用いた特図ゲームに対応して、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されない「第1特図短縮なし(通常状態)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−1を含んでいる。変動パターン種別CA1−2は、遊技状態が通常状態であるときに、第1特図保留記憶数が3個である場合の第1特図を用いた特図ゲームに対応して、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される「第1特図保留3個短縮(通常状態)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−2を含んでいる。変動パターン種別CA1−3は、遊技状態が通常状態であるときに、第1特図保留記憶数が4個である場合の第1特図を用いた特図ゲームに対応して、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される「第1特図保留4個短縮(通常状態)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−3を含んでいる。
変動パターン種別CA1−4は、遊技状態が通常状態であるときに、第2特図を用いた特図ゲームに対応した「第2特図(通常状態)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−4を含んでいる。変動パターン種別CA1−5は、遊技状態が時短状態や確変状態であるときに、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されない「短縮なし(時短・確変中)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPB1−1を含んでいる。変動パターン種別CA1−6は、遊技状態が時短状態や確変状態であるときに、合計保留記憶数としての特図保留記憶数が2〜8個であることに対応して、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されて、分割表示演出が実行されない「保留2〜8個短縮(時短・確変中)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPB1−2を含んでいる。
変動パターン種別CA2−1は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後に通常のリーチ演出となるノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA2−1、変動パターンPA2−2を含んでいる。変動パターン種別CA2−2は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチαを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「スーパーリーチα(ハズレ)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA3−1、変動パターンPA3−2を含んでいる。変動パターン種別CA2−3は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチβを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「スーパーリーチβ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA4−1、変動パターンPA4−2を含んでいる。
変動パターン種別CA3−1は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの飾り図柄を表示する「ノーマルリーチ(大当り)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA5−1、変動パターンPA5−2を含んでいる。変動パターン種別CA3−2は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチαを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの飾り図柄を表示する「スーパーリーチα(大当り)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA6−1、変動パターンPA6−2を含んでいる。変動パターン種別CA3−3は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチβを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの飾り図柄を表示する「スーパーリーチβ(大当り)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA7−1、変動パターンPA7−2を含んでいる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図6に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図7は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立したときや、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立したときに、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果のいずれかに割り当てられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、同一の特図表示結果決定テーブル130を参照して特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
図8は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定(事前決定)されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、可変表示態様を「非確変」や「第1確変」や「第2確変」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、図12に示す遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)が「1」であるか「2」であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「第1確変」や「第2確変」などの大当り種別に割り当てられている。ここで、変動特図指定バッファ値は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームが実行されるときに「1」となり、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときに「2」となる。なお、変動特図指定バッファ値にかかわらず、同一のテーブルデータを参照して大当り種別が決定されるようにしてもよい。
大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「非確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御しないとの決定結果に対応する一方で、「第1確変」や「第2確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御するとの決定結果を示している。大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、決定された大当り種別に対応する値(例えば「0」〜「2」のいずれか)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。また、大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、例えば大当り遊技状態において実行可能なラウンドの上限回数や、時短状態において実行可能な特図ゲームの上限回数といった、可変表示結果が「大当り」となることなどに基づいて所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果に対応した決定用データを含んでいてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドの実行態様(実行回数や大入賞口の開放時間など)と、確変状態に制御するか否かのうち、いずれか一方又は両方が特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて決定されるようにしてもよい。例えば、特図表示結果決定テーブル130では、「大当り」の特図表示結果となる場合に、「非確変大当り」とするか「確変大当り」とするかの決定結果に対して、決定値が割り当てられていてもよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル130では、「大当り」の特図表示結果となる場合に、複数種類の大当り種別に対して決定値が割り当てられており、乱数値MR1のみを用いて大当り種別を決定できるようにしてもよい。
図9は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図9(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図9(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(第1特図用)132Bと、図9(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(第2特図用)132Cと、図9(D)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Dとが、予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3のいずれかに割り当てられている。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」である場合と「第1確変」及び「第2確変」のいずれかである場合とでは、変動パターン種別CA3−2、変動パターン種別CA3−3に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかにかかわらず、各変動パターン種別に決定される割合が同一となるように、決定値が割り当てられている部分があってもよい。例えば、変動パターン種別CA3−1に対しては、大当り種別が「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれであるかにかかわらず、同一範囲となる「1」〜「11」の決定値が対応付けられるように割り当てられている。また、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分があってもよい。これにより、特図表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせた部分があってもよいし、異なる変動パターン種別に決定値を割り当てた部分があってもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることや、異なる変動パターン種別に決定することができる。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第1特図用)132Bと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第2特図用)132Cと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Dは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第1特図用)132Bは、例えば遊技状態が通常状態であり第1特図を用いた特図ゲームが実行されるときに、使用テーブルとして選択される。ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第2特図用)132Cは、例えば遊技状態が通常状態であり第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときに、使用テーブルとして選択される。ハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Dは、例えば遊技状態が時短状態や確変状態で時短制御が行われているときに、使用テーブルとして選択される。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第1特図用)132Bでは、第1特図保留記憶数に応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3のいずれかに割り当てられている。ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第2特図用)132Cでは、第2特図保留記憶数や合計保留記憶数にかかわらず、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA1−4、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3のいずれかに割り当てられている。ハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Dでは、合計保留記憶数としての特図保留記憶数に応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA1−5、変動パターン種別CA1−6、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3のいずれかに割り当てられている。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第1特図用)132B、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第2特図用)132C、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Dでは、互いに各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第1特図用)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(第2特図用)132Cとハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Dとを比べると、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3に対する決定値の割当てが異なっている部分がある。これにより、第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームであるかや、遊技状態が通常状態であるか時短状態や確変状態であるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
また、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第1特図用)132B、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第2特図用)132C、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Dでは、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。例えば、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第1特図用)132Bやハズレ変動パターン種別決定テーブル(第2特図用)132Cでは、変動パターン種別CA1−5や変動パターン種別CA1−6に対して決定値が割り当てられていない。その一方で、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第1特図用)132Bでは、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3に対して、第1特図保留記憶数に応じて決定値が割り当てられる部分がある。ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第2特図用)132Cでは、変動パターンPA1−4に対して、第2特図保留記憶数などにかかわらず決定値が割り当てられている部分がある。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Dでは、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−4に対して決定値が割り当てられていない一方で、変動パターン種別CA1−5や変動パターン種別CA1−6に対しては、特図保留記憶数に応じて決定値が割り当てられることがある。これにより、第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームであるかや、遊技状態が通常状態であるか時短状態や確変状態であるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
この実施の形態では、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第1特図用)132B、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第2特図用)132C、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Dのいずれかを参照することにより、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−6や変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3のいずれかに決定することができる。ここで、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−6は、図5に示すように、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した変動パターン種別である。また、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3は、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「リーチ」となる場合に対応した変動パターン種別である。したがって、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づき、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第1特図用)132Bやハズレ変動パターン種別決定テーブル(第2特図用)132C、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Dを参照して変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定することができる。
図10は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブル133の構成例を示している。変動パターン決定テーブル133は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル133では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、1つ又は複数の変動パターンに割り当てられている。
図11は、ROM101に記憶される普図表示結果決定テーブル134の構成例を示している。普図表示結果決定テーブル134は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおいて普図表示結果となる確定普通図柄が導出表示される以前に、その普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを、普図表示結果決定用の乱数値MR5に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
普図表示結果決定テーブル134では、時短フラグがオフであるかオンであるかに応じて、普図表示結果決定用の乱数値MR5と比較される数値(決定値)が、「普図当り」又は「普図ハズレ」の普図表示結果に割り当てられている。ここで、時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態といった特別遊技状態であるときに、時短制御が行われることに対応してオン状態にセットされる一方、時短制御が終了することに対応してクリアされてオフ状態となる。普図表示結果決定テーブル134では、時短フラグがオンであるか否かに応じて、「普図当り」又は「普図ハズレ」の普図表示結果に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、時短制御が行われる時短中には、時短中以外であるときよりも「普図当り」の普図表示結果に決定される割合が高くなるように、各普図表示結果に決定値が割り当てられている。このような設定により、時短制御が行われる時短中には時短中以外であるときよりも、普図表示結果が「普図当り」となって第2始動入賞口を通過有利状態とする割合(頻度)が高められる。
なお、普図表示結果が「普図当り」となる割合を高める他にも、時短中には時短中以外であるときに比べて、普図ゲームにおける平均的な可変表示時間を短縮することや、普図表示結果が「普図当り」となったときに第2始動入賞口を通過有利状態とする回数(拡大開放回数)や時間(拡大開放時間)を増加させることにより、第2始動入賞口を通過有利状態とする割合(頻度)が高められるようにすればよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図13に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図13に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞して第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞して第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御フラグ設定部152に、特図プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、大当りフラグ、確変フラグ、時短フラグなどが設けられている。
特図プロセスフラグは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの進行や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの進行などを制御するために実行される図15のステップS15や図16に示す特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普図プロセスフラグは、普通図柄表示器20による普通図柄を用いた普図ゲームの進行などを制御するために図15のステップS16や図24に示す普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
大当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに特図表示結果を「大当り」とする旨の決定(事前決定)に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、大当りフラグがクリアされてオフ状態となる。確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、確変状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態となり時間短縮制御などが開始されることに対応してオン状態にセットされる一方で、確変状態や時短状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御タイマ設定部153に、遊技制御プロセスタイマ、特図変動タイマ、普図変動タイマなどが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、例えば大当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
特図変動タイマは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)といった特図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、特図変動タイマは、特図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、特図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、特図変動タイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
普図変動タイマは、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)といった普図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、普図変動タイマは、普図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、普図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、普図変動タイマは、普図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御カウンタ設定部154に、ランダムカウンタ、第1始動入賞判定カウンタ、第2始動入賞判定カウンタ、第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタ、合計保留記憶数カウンタ、時短回数カウンタ、ラウンド数カウンタなどが設けられている。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタは、遊技の進行を制御するために用いられる乱数値を示す数値データの一部を、乱数回路104とは別個に、あるいは、乱数回路104から抽出された数値データを用いて、CPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのものである。例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
第1始動入賞判定カウンタは、第1始動口スイッチ22Aから伝送される遊技球の検出信号となる第1始動入賞信号における信号状態がオンであることが、続けて判定された回数をカウントするためのものである。例えば、第1始動口スイッチ22Aからの第1始動入賞信号における信号状態がオンであると判定されるごとに、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値が1加算される。そして、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値が予め定められた入賞判定値に達したときに、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した遊技球を正常に検出した旨の判定がなされる。また、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値は、第1始動入賞信号における信号状態がオフであると判定されたときや、入賞判定値に達したと判定されたときなどに、クリアされて「0」に初期化されればよい。
第2始動入賞判定カウンタは、第2始動口スイッチ22Bから伝送される遊技球の検出信号となる第2始動入賞信号における信号状態がオンであることが、続けて判定された回数をカウントするためのものである。例えば、第2始動口スイッチ22Bからの第2始動入賞信号における信号状態がオンであると判定されるごとに、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値が1加算される。そして、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値が予め定められた入賞判定値に達したときに、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した遊技球を正常に検出した旨の判定がなされる。また、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値は、第2始動入賞信号における信号状態がオフであると判定されたときや、入賞判定値に達したと判定されたときなどに、クリアされて「0」に初期化されればよい。
第1保留記憶数カウンタは、第1特図を用いた特図ゲームに対応する保留データの数である第1特図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第1保留記憶数カウンタには、第1特図保留記憶数に対応したカウント値データが、第1保留記憶数カウント値として記憶され、第1特図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。第2保留記憶数カウンタは、第2特図を用いた特図ゲームに対応する保留データの数である第2特図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第2保留記憶数カウンタには、第2特図保留記憶数に対応したカウント値データが、第2保留記憶数カウント値として記憶され、第2特図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。合計保留記憶数カウンタは、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを合計した合計保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、合計保留記憶数カウンタには、合計保留記憶数に対応したカウント値データが、合計保留記憶数カウント値として記憶され、合計保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
時短回数カウンタは、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態であるときに、時間短縮制御を終了するまでに実行可能な特図ゲームの残存回数を特定可能にカウントするためのものである。一例として、時短回数カウンタには、大当り遊技状態が終了するときに、大当り種別バッファ値が「0」であるに対応したカウント初期値「70」を示すデータが、時短回数カウント値として設定される。その後、可変表示結果が「大当り」となるまでは、特図ゲームが終了するごとに、時短回数カウント値が1減算されるなどして更新される。そして、時短回数カウント値が「0」に達したときには、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短状態を終了して通常状態へと移行する制御が行われる。なお、確変状態であるときにも特図ゲームの実行回数が所定回数に達したことにより、時間短縮制御を終了させるようにしてもよい。この場合には、大当り種別バッファ値にかかわらず、大当り遊技状態が終了するときに、時短回数カウンタにカウント初期値を設定した後、可変表示結果が「大当り」となるまでは、特図ゲームが終了するごとに、時短回数カウント値が1減算されるなどして更新されればよい。そして、時短回数カウント値が「0」に達したときには、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時間短縮制御を終了させればよい。
ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数などをカウントするためのものである。例えば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンド遊技が終了して次回のラウンド遊技が開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御バッファ設定部155に、送信コマンドバッファ、始動口バッファ、変動特図指定バッファ、大当り種別バッファなどが設けられている。
送信コマンドバッファは、主基板11からサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納するために用いられる。例えば、送信コマンドバッファは、複数(例えば「12」)のバッファ領域を備えて構成され、送信する制御コマンドに対応したコマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データなどが、各バッファ領域に格納される。また、送信コマンドバッファにおいて設定データの書込や読出を行うバッファ領域は、送信コマンドポインタなどによって指定され、複数のバッファ領域をリングバッファとして使用することができるように構成されていればよい。
始動口バッファには、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに進入した遊技球が検出されたかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1始動口スイッチ22Aにより第1始動入賞口に進入した遊技球が正常に検出されたことに対応して、始動口バッファ値には「1」が設定される。また、第2始動口スイッチ22Bにより第2始動入賞口に進入した遊技球が正常に検出されたことに対応して、始動口バッファ値には「2」が設定される。
変動特図指定バッファには、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、いずれの特図ゲームが実行されるかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値には「1」が設定される。また、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値には「2」が設定される。そして、特図ゲームが終了したことなどに対応して、変動特図指定バッファ値が「0」に設定される。
大当り種別バッファには、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別を複数種類のいずれかとする決定結果に対応したバッファ値が格納される。一例として、図8に示すような大当り種別決定テーブル131での設定に基づき、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値には「0」が設定され、大当り種別が「第1確変」であれば大当り種別バッファ値には「1」が設定され、大当り種別が「第2確変」であれば大当り種別バッファ値には「2」が設定される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。あるいは、演出制御用CPU120は演出制御用マイクロコンピュータに内蔵される一方で、ROM121やRAM122の少なくともいずれか一方は、演出制御用マイクロコンピュータに外付けされてもよい。乱数回路124も、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵又は外付けされるものであればよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、操作ボタン30に対する遊技者の指示操作(押下操作や回動操作など)を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、操作検出ユニット31から伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出における演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して、飾り図柄の可変表示中などに実行される予告演出や導入演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
図13(A)は、各種の演出制御パターンの構成例を示している。図13(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御プロセスタイマ判定値は、図14(A)に示す演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30に対する指示操作を有効に検出する操作有効期間や、指示操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者による指示操作に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用模型が備える可動部材における動作態様を示す演出用模型制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図13(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させるための制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させるための制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9等の発光体を点滅させるための制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にて操作ボタン30に対する指示操作を受け付けて演出内容を決定するための制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の発光体など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図14(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図14(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、例えば演出制御バッファ設定部194などに、図14(B)に示すような第1始動入賞時判定結果バッファ140が設けられている。第1始動入賞時判定結果バッファ140には、主基板11から伝送された第1始動口入賞指定コマンドによる通知内容などが記憶される。一例として、第1始動入賞時判定結果バッファ140は、第1始動口入賞指定コマンドを受信した順(遊技球の検出順)に記憶番号と関連付けて、「特定パターン共通範囲外」、「特定パターン共通範囲内」、「入賞時大当り判定」といった通知内容などを、保留記憶情報として記憶する。
図2に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の画面上に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドや操作検出ユニット31から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9などに供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図15のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図15に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図16は、特別図柄プロセス処理として、図15に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図17及び図18は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、所定の入力ポートレジスタに格納された入力ポートデータを読み出す(図17のステップS201)。ここで、入力ポートレジスタは、例えばI/O105に含まれる入力ポートにおける外部信号の入力状態を示すビット値などが、格納されるレジスタである。この実施の形態では、入力ポートレジスタのビット番号[0]に格納される入力ポートデータが、第1始動口スイッチ22Aから伝送される検出信号となる第1始動入賞信号の入力状態(オフ/オン)を示し、入力ポートレジスタのビット番号[1]に格納される入力ポートデータが、第2始動口スイッチ22Bから伝送される遊技球の検出信号となる第2始動入賞信号の入力状態(オフ/オン)を示している。
ステップS201にて読み出した入力ポートレジスタのビット番号[1]におけるビット値が“1”であるか否かを判定する(ステップS202)。このとき、ビット値が“1”であれば(ステップS202;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2始動入賞判定カウンタの格納値である第2始動入賞判定カウント値を、例えば1加算するなどしてカウントアップするように、更新する(ステップS203)。これに対して、ステップS202にて“0”であると判定された場合には(ステップS202;No)、第2始動入賞判定カウンタをクリアして、その格納値を「0」に初期化する(ステップS204)。
ステップS203、S204の処理のいずれかを実行した後には、ステップS201にて読み出した入力ポートレジスタのビット番号[0]におけるビット値が“1”であるか否かを判定する(ステップS205)。このとき、ビット値が“1”であれば(ステップS205;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1始動入賞判定カウンタの格納値である第1始動入賞判定カウント値を、例えば1加算するなどしてカウントアップするように、更新する(ステップS206)。これに対して、ステップS205にて“0”であると判定された場合には(ステップS205;No)、第1始動入賞判定カウンタをクリアして、その格納値を「0」に初期化する(ステップS207)。
ステップS206、S207の処理のいずれかを実行した後には、第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値として予め定められた所定の判定値(例えば「2」)に達したか否かを判定する(ステップS208)。このとき、第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していれば(ステップS208;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS209)。また、第1始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS210)。
ステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していなければ(ステップS208;No)、第1始動入賞口への有効な遊技球の入賞が第1始動口スイッチ22Aにより検出されていないことに対応して、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したか否かを判定する(ステップS211)。このとき、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していなければ(ステップS211;No)、第2始動入賞口への有効な遊技球の入賞が第2始動口スイッチ22Bにより検出されていないことに対応して、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していれば(ステップS211;Yes)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS212)。また、第2始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS213)。
ステップS210、S213の処理のいずれかを実行した後、CPU103は、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を読み出す(ステップS214)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み出し、始動口バッファ値が「2」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み出す。そして、ステップS214における読出値が、所定の上限値(例えば「4」)に達しているか否かを判定する(図18のステップS215)。このとき、ステップS214での読出値が上限値に達していなければ、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始するための始動条件が有効に成立することになる。例えば、図17に示すステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、ステップS215にて読出値が上限値に達していないと判定されたときには、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームや、飾り図柄の可変表示を実行するための第1始動条件が成立する。また、図17に示すステップS211にて第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、ステップS215にて読出値が上限値に達していないと判定されたときには、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームや、飾り図柄の可変表示を実行するための第2始動条件が成立する。
このように、ステップS215にて読出値が上限値に達していないときには(ステップS215;No)、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算する(ステップS216)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1保留記憶数カウント値を1加算し、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2保留記憶数カウント値を1加算する。そして、CPU103は、第1特図保留記憶数(第1保留記憶数カウント値)と第2特図保留記憶数(第2保留記憶数カウント値)とを加算した合計保留記憶数を示す合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算する(ステップS217)。
ステップS217の処理に続いて、CPU103は、乱数回路104やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS218)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS219)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
ステップS219にて乱数値を記憶した後には、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS220)。続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS221)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図15に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS215にて読出値が上限値に達している場合や(ステップS215;Yes)、ステップS221の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS222)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS222;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS223)、図17に示すステップS211の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS222;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS224)、始動入賞判定処理を終了する。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合には、2ミリ秒内で実行される処理によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。すなわち、図17に示すステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されたときには、図17に示すステップS209、S210、S214の処理を実行してから、図18に示すステップS215〜S221の処理を実行した後、ステップS222にて始動口バッファ値が「1」であることに対応して、ステップS223の処理を実行してから、図17に示すステップS211の処理に進む。そして、ステップS211にて第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されたときには、図17に示すステップS212〜S214の処理を実行してから、図18に示すステップS215〜S221の処理を実行した後、ステップS222にて始動口バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS224の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図19は、図18のステップS220にて実行される入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図16のステップS110、図20)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、大当り種別の決定が行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が第1始動入賞口を通過(進入)したと検出されたときには、CPU103がステップS220の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果が「大当り」に決定される乱数値MR1であるか否かや、飾り図柄の変動パターンが特定の変動パターン(例えば少なくともスーパーリーチを伴うもの)となるか否かを、予め特定する。これにより、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づく飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、特定の変動パターンとなることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより予告演出を実行するか否かなどを決定することができる。
図19に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS401)。このとき、第1始動入賞口を通過した遊技球が検出されたことに基づき始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS401;「1」)、図18のステップS218にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS402)。
例えば、ステップS402の処理では、図7に示す特図表示結果決定テーブル130を選択して、使用テーブルにセットする。ここで、使用テーブルにセットする際には、例えばRAM102の所定領域に設けられたテーブルポインタなどに、ROM101におけるテーブルデータの記憶アドレス(先頭アドレス)をセットすればよい。続いて、使用テーブルにセットした特図表示結果決定テーブル130を参照することにより、ステップS218にて抽出された乱数値MR1に応じた特図表示結果が「大当り」であるか否かが判定される。より具体的には、乱数値MR1を示す数値データと、特図表示結果決定テーブル130に格納された決定値とを比較して、乱数値MR1と合致した決定値が割り当てられている特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する。ここでは、パチンコ遊技機1における遊技状態にかかわらず、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態又は時短状態である場合に応じたテーブルデータを参照して、特図表示結果が「大当り」であるか否かを特定すればよい。こうしたステップS401の処理により、図18のステップS218にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データは、特図表示結果が「大当り」に決定される決定用数値の範囲内であるか否かが判定される。
ステップS402にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS402;Yes)、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて「入賞時大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB102H(図3(A)及び(C)を参照)を、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS403)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
ステップS402にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS402;No)、図18のステップS218にて抽出された変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データが特定パターン共通範囲の範囲内であるか否かを判定する(ステップS404)。ここで、図9(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(第1特図用)132Bや図9(D)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Dの設定例では、遊技状態や特図保留記憶数にかかわらず、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が「231」〜「251」の範囲内であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチα又はスーパーリーチβ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別CA2−2又は変動パターン種別CA2−3に決定されることになる。したがって、ステップS404の処理では、乱数値MR3が「231」〜「251」の範囲内であれば特定パターン共通範囲の範囲内であると判定すればよい。
ステップS404にて乱数値MR3が特定パターン共通範囲内であると判定されたときには(ステップS404;Yes)、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて「特定パターン共通範囲内」を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB101H(図3(A)及び(C)を参照)を、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS405)、入賞時乱数値判定処理を終了する。これに対して、ステップS404にて乱数値MR3が特定パターン共通範囲内ではないと判定されたときには(ステップS404;No)、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて「特定パターン共通範囲外」を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB100H(図3(A)及び(C)を参照)を、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS406)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
ステップS401にて第2始動入賞口を通過した遊技球が検出されたことに基づき始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS401;「2」)、第2始動口入賞指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS407)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
以上のような入賞時乱数値判定処理が実行されることにより、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたときに(第1始動入賞時)、パチンコ遊技機1における遊技状態や第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数にかかわらず、特図表示結果が「大当り」に決定されるか否かや、スーパーリーチを伴う特定の変動パターンに決定されるか否かを判定し、これらの判定結果に応じて異なる第1始動口入賞指定コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して伝送させることができる。
図16に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部151Aに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」や「第1確変」や「第2確変」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、15R大当り状態とする設定が行われればよい。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り種別に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。
図20は、図16のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。なお、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技媒体が通過したかにかかわらず、各遊技球の入賞順に従って、第1特図を用いた特図ゲームと第2特図を用いた特図ゲームとが実行されるようにしてもよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS239)。CPU103は、こうしてセットされた特図表示結果決定テーブル130を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「大当り」と「ハズレ」の各特図表示結果に対応して割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。このときには、ステップS240にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。
ステップS241にて「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データが、「非確変」や「第1確変」、「第2確変」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれとするかを決定する(ステップS244)。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「第1確変」であれば「1」とし、「第2確変」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS241;No)、ステップS245の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS246)。一例として、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、非確変大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「第1確変」とする決定結果に応じて、第1確変大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「第2確変」とする決定結果に応じて、第2確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS246にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図21は、図16のステップS111にて実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えば遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」や「第1確変」、「第2確変」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
ステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、時短状態や確変状態において時短制御や高開放制御が行われる高ベース中であるか否かを判定する(ステップS264)。このとき、遊技状態が高ベース中でない場合には(ステップS264;No)、変動特図指定バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS265)。
第1特図を用いた特図ゲームの実行を許容する第1開始条件の成立に基づいて、変動特図指定バッファ値が「1」であるときには(ステップS265;「1」)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第1特図用)132Bを選択してセットする(ステップS266)。これに対して、第2特図を用いた特図ゲームの実行を許容する第2開始条件の成立に基づいて、変動特図指定バッファ値が「2」であるときには(ステップS265;「2」)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(第2特図用)132Cを選択してセットする(ステップS267)。また、ステップS264にて遊技状態が高ベース中である場合には(ステップS264;Yes)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Dを選択してセットする(ステップS268)。
ステップS263、S266〜S268の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。ここで、ステップS269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオフであるときには、ステップS266にて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブル(第1特図用)132B、又はステップS267にて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブル(第2特図用)132C、又はステップS268にて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Dを参照して変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定する。このときには、変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とするか「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、ステップS269の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS269にて変動パターン種別を決定した後には、変動パターン決定テーブル133を選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS270)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS270にてセットした変動パターン決定テーブル133を参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS271)。変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS271の処理が実行されるときに乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出された始動入賞時に抽出されたものを、乱数値MR1〜MR3とともに、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bにおける保留データとして記憶しておいてもよい。
ステップS271の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。また、ステップS271の処理では、ステップS269における変動パターン種別の決定結果にかかわらず、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
ステップS271にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS272)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。ステップS272の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS273)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS273の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS274)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうしたステップS274での設定を行った場合には、変動パターン設定処理が終了してから図15に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS275)、変動パターン設定処理を終了する。
図22は、図16のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。ここで、特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS295の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS291;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS292)。このときには、図柄確定指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。また、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば1000ミリ秒)を設定する(ステップS294)。例えば、ステップS294の処理では、特図確定表示時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。こうして、ステップS292の処理により確定特別図柄が導出表示された後に、ステップS294にて設定された特図確定表示時間が経過するまでは、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて特別図柄停止処理が実行されるごとに、ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであると判定されることになる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS296)。例えば、ステップS296の処理では、ステップS294の処理によりタイマ初期値が設定された遊技制御プロセスタイマの格納値である遊技制御プロセスタイマ値を読み取り、そのタイマ値が「0」となったか否かに応じて、特図確定表示時間が経過したか否かを判定すればよい。なお、遊技制御プロセスタイマ値は、そのタイマ値が「0」以外の値であれば、タイマ割込みの発生に基づき遊技制御用タイマ割込み処理が実行されるごとに、1減算されるように更新すればよい。ステップS296にて特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS296;No)、特別図柄停止処理を終了することで、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS296にて特図確定表示時間が経過したときには(ステップS296;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS297)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS298)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS298;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS299)。また、大当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS300)。例えば、ステップS300の処理では、大当り種別バッファ値に応じた大当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された大当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。
ステップS300の処理に続いて、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS301)。また、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS302)。例えば、ステップS302の処理として、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、時短制御や高開放制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理などが実行されればよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS303)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS298にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS298;No)、高ベース中における時短制御や高開放制御などを終了させるか否かの判定を行う(ステップS304)。そして、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS305)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS304の処理では、例えば時短フラグがオンであるときに、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値を、例えば1減算するなどして更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が所定の時短終了判定値(例えば「0」など)と合致するか否かの判定を行う。このとき、時短終了判定値と合致すれば、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、高ベース中における時短制御や高開放制御などを終了すればよい。他方、時短終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持して、ステップS304の処理を終了すればよい。なお、遊技状態が確変状態であるときでも時短フラグがオンであれば時短制御を終了するか否かの判定を行い、終了するとの判定結果に基づき時短制御を終了するようにしてもよい。こうして時短制御を終了する一方で、確変制御については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで、あるいは、さらに所定回数の特図ゲームが実行されるまで、継続させてもよい。これにより、遊技状態が潜伏確変中となることができる。あるいは、時短フラグがオンであるとともに確変フラグがオンとなっている確変状態については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続して時短制御が行われるようにしてもよい。
また、ステップS304の処理では、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタから、確変制御終了判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、予めROM101などに格納された確変制御終了判定テーブルを参照すること、あるいは、確変制御中における特図ゲームの実行回数が所定の確変終了判定値に達したことなどにより、確変制御を終了するか否かの判定を行うようにしてもよい。これに対して、ステップS304の処理では、確変制御を終了するための処理を実行せず、次に可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御を継続させるようにしてもよい。あるいは、確変制御終了判定用の乱数値を示す数値データに基づき確変制御を終了するか否かを判定する処理は、例えば図17に示すステップS240にて特図表示結果を決定(事前決定)する以前に、実行されるようにしてもよい。
図23は、図16のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図16に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS322)、大当り種別が「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれであったかを特定する。このときには、特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS323)。
ステップS323にて大当り種別が「非確変」であると判定された場合には(ステップS323;Yes)、遊技状態を時短状態とする制御を開始するための設定を行う(ステップS324)。例えば、CPU103は、時短フラグをオン状態にセットするとともに、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)を、時短回数カウンタに設定する。その一方で、大当り種別が「第1確変」又は「第2確変」と判定された場合には(ステップS323;No)、遊技状態を確変状態とする制御を開始するための設定を行う(ステップS325)。例えば、CPU103は、確変フラグと時短フラグをともにオン状態にセットする。
なお、大当り種別が「第1確変」と判定された場合と、大当り種別が「第2確変」と判定された場合とで、種類が異なる確変状態へと制御するための設定を行うようにしてもよい。一例として、大当り種別が「第2確変」と判定された場合には、確変フラグと時短フラグをともにオン状態にセットして、時短回数カウント値の初期値設定は行わず、次に特図表示結果が「大当り」となるまで、確変制御と時短制御の双方が継続して行われるように設定する。これに対して、大当り種別が「第1確変」と判定された場合には、確変フラグと時短フラグをともにオン状態にセットして、時短状態に制御される場合と同様に時短回数カウント値の初期値設定を行い、確変制御は次に特図表示結果が「大当り」となるまで継続して行われる一方、時短制御は特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば「100」)に達するまで継続するように設定してもよい。
ステップS324、S325の処理のいずれかを実行した後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS326)、大当り終了処理を終了する。
図24は、普通図柄プロセス処理として、図15のステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、ゲート通過判定処理を実行する(ステップS130)。例えば、ステップS130のゲート通過判定処理では、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づき、ゲートスイッチ21がオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのままゲート通過判定処理を終了する。これに対して、ゲートスイッチ21がオンであるときには、普図保留記憶部151Cにおける保留データの記憶数である普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウント値が、普図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留上限値に達していれば、通過ゲートにおける今回の遊技球の通過を無効として、ゲート通過判定処理を終了する。その一方で、普図保留上限値に達していない場合には、例えば乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR5を示す数値データが、保留データとして普図保留記憶部151Cにおける空きエントリの先頭にセットされることで、乱数値MR5が記憶される。この場合には、普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してから、ゲート通過判定処理を終了する。
ステップS130のゲート通過判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値に応じて、図24に示すステップS140〜S143の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部151Cに格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部151Cに格納された保留データがある場合には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果である普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを決定する普図表示結果決定処理が実行してから、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
普図表示結果決定処理では、普図保留記憶部151Cから読み出した保留データに含まれる普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどに基づき、普図表示結果決定テーブル134を参照して、普図表示結果を決定する。ここで、普図表示結果決定テーブル134では、時短フラグがオンである場合に、時短フラグがオフである場合よりも普図表示結果を「普図当り」とする決定がなされる割合が高くなるように決定値が普図表示結果に割り当てられている。これにより、確変状態や時短状態といった特別遊技状態では、通常状態に比べて普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となりやすくなることで、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。
また、普図表示結果決定処理では、普図表示結果に対応する普図変動時間の決定も行われる。このとき、時短フラグがオンである場合には、時短フラグがオフである場合よりも普図変動時間が短くなるように設定される。これにより、確変状態や時短状態といった特別遊技状態では、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の可変表示結果が導出表示される間隔も短くなり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。さらに、普図表示結果決定処理では、普図表示結果を「普図当り」とする場合に、第2始動入賞口を拡大開放状態とする時間である傾動制御時間や拡大開放状態とする回数である傾動制御回数を設定してもよい。このとき、時短フラグがオンである場合には、時短フラグがオフである場合よりも傾動制御時間や傾動制御回数が増加するように設定される。これにより、確変状態や時短状態といった特別遊技状態では、第2始動入賞口が拡大開放状態となる時間や回数が増加することで、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。なお、第2始動入賞口を拡大開放状態とする設定は、ステップS142の普通図柄停止処理やステップS143の普通電動役物作動処理にて行うようにしてもよい。
遊技状態が通常状態であるときには、普図表示結果を「普図当り」とする決定がなされる割合が低いことや、普図変動時間が長いこと、第2始動入賞口を拡大開放状態とする傾動制御時間や傾動制御回数が少ないことなどにより、第2始動入賞口は第1始動入賞口よりも遊技球が通過(進入)しにくい。なお、遊技状態が通常状態であるときといった所定の遊技状態であるときに遊技球が第1始動入賞口よりも第2始動入賞口を通過(進入)しにくくなるものに限定されない。一例として、第2始動入賞口の周囲における釘の配置などにより、遊技状態にかかわらず、第2始動入賞口は、第1始動入賞口よりも遊技球が通過(進入)しにくくなるように構成されてもよい。第2始動入賞口が通常開放状態と拡大開放状態とに変化するものに限定されず、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれるものの、第1始動入賞口よりも遊技球の通過経路が狭くなるように形成することなどによって、第1始動入賞口よりも遊技球が通過(進入)しにくくなるように構成されてもよい。
ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器20において普通図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が所定の普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図変動時間が経過したことに基づき、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)させるための設定などを行う。ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を通常開放状態から拡大開放状態に変化させるための設定などが行われる。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図25のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図25に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図26は、コマンド解析処理として、図25のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介した主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS151)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS151;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS151にて受信コマンドがある場合には(ステップS151;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS152)。そして、受信コマンドが変動パターン指定コマンドであるときには(ステップS152;Yes)、例えば受信コマンドのEXTデータを演出制御バッファ194に設けられた変動パターンバッファに格納することなどにより、変動パターンを記憶させる(ステップS153)。ステップS153の処理を実行した後には、ステップS151の処理に戻る。
ステップS152にて受信コマンドが変動パターン指定コマンドではない場合には(ステップS152;No)、その受信コマンドは可変表示結果通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS154)。そして、受信コマンドが可変表示結果通知コマンドであるときには(ステップS154;Yes)、例えば受信コマンドのEXTデータを演出制御バッファ194に設けられた可変表示結果バッファに格納することなどにより、特図表示結果等の可変表示結果を記憶させる(ステップS155)。ステップS155の処理にて可変表示結果通知コマンドのEXTデータを可変表示結果バッファに格納すれば、特図表示結果を「大当り」や「ハズレ」のいずれとするかの事前決定結果とともに、特図表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別の決定結果を、記憶させることができる。ステップS155の処理を実行した後には、ステップS151の処理に戻る。
ステップS154にて受信コマンドが可変表示結果通知コマンドではない場合には(ステップS154;No)、その受信コマンドは第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS156)。そして、受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS156;Yes)、第1始動口入賞時に対応した表示更新の設定を行う(ステップS157)。例えば、ステップS157の処理において、画像表示装置5の画面上に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hで非表示となっている表示部位のうちの1つを、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出による第1始動条件の成立に応じて、青色表示に変化させるための表示設定などが行われればよい。
ステップS157の処理に続いて、第1始動口入賞指定コマンドによる通知内容を、第1始動入賞時判定結果バッファ140に記憶させる(ステップS158)。例えば、ステップS158の処理では、主基板11から伝送された第1始動口入賞指定コマンドのEXTデータを、保留記憶情報として第1始動入賞時判定結果バッファ140における空きエントリの先頭にセットすることで、保留記憶情報が記憶されるようにすればよい。ステップS158の処理を実行した後には、ステップS151の処理に戻る。
ステップS156にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS156;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS159)。そして、受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS159;Yes)、第2始動口入賞時に対応した表示更新の設定を行う(ステップS160)。例えば、ステップS160の処理において、画像表示装置5の画面上に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hで非表示となっている表示部位のうちの1つを、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出による第2始動条件の成立に応じて、赤色表示に変化させるための表示設定などが行われればよい。ステップS160の処理を実行した後には、第2始動口入賞時予告設定処理を実行してから(ステップS161)、ステップS151の処理に戻る。
ステップS159にて第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS159;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS162)、ステップS151の処理に戻る。
図27は、図26のステップS161にて実行される第2始動口入賞時予告設定処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す第2始動口入賞時予告設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、予告演出を実行可能な期間であるか否かを判定する(ステップS501)。一例として、予告演出や導入演出となる演出動作の実行が一旦開始されたときには、その後に一定時間(例えば5分間など)が経過するまで、予告演出の実行を制限して、予告演出を実行不可能な期間としてもよい。なお、一定時間が経過するまで予告演出の実行を制限するものに限定されず、所定回数の特図ゲームが実行されるまで予告演出の実行を制限してもよいし、合計保留記憶数が「0」になるまで予告演出の実行を制限してもよいし、第1特図保留記憶数が所定数以上になるまで予告演出の実行を制限してもよいし、画像表示装置5の画面上にてデモンストレーション画像の表示(デモ表示)が開始されるまで予告演出の実行を制限するなどしてもよい。すなわち、予告演出や導入演出となる演出動作が実行されたことに基づいて、所定条件が成立するまでは予告演出を実行不可能な期間となり、それ以外の期間が、予告演出を実行可能な期間となればよい。また、例えば大当り遊技状態においてラウンドが実行されている期間のように、予告演出による演出効果を高めることが困難であるとして予め定められた期間においては、予告演出を実行可能な期間ではないと判定されるようにしてもよい。
所定条件が成立するまで予告演出の実行を制限するために、始動入賞時予告演出や変動開始時予告演出(導入演出を含む)が実行されるときには、特図保留記憶数を保存するなどして、予告演出が行われる可変表示の回数を記憶するようにしてもよい。そして、ステップS501の処理では、記憶された可変表示の回数に基づいて、一定時間が経過したか否かの判定や、所定回数の特図ゲームが実行されたか否かの判定などが、行われるようにしてもよい。始動入賞時予告演出や変動開始時予告演出(導入演出を含む)が実行されるときに、特図保留記憶数(予告対象となる可変表示までの実行回数)に対応して新たな予告演出の実行を制限する時間や特図ゲームの実行回数などが設定されるようにしてもよい。始動入賞時予告演出や変動開始時予告演出(導入演出を含む)が実行される時点での特図保留記憶数にかかわらず、新たな予告演出の実行を制限するための十分に長い時間(例えば10分間など)や十分に多い特図ゲームの実行回数(例えば「20」など)が設定されるようにしてもよい。
始動入賞時予告演出が実行されたときには、始動入賞時予告演出のみについて予告演出を実行不可能な期間となる一方で、変動開始時予告演出(導入演出を含む)については予告演出を実行可能な期間のままとしてもよい。変動開始時予告演出が実行されたときには、変動開始時予告演出のみについて予告演出を実行不可能な期間となる一方で、入賞時予告演出については予告演出を実行可能な期間のままとしてもよい。あるいは、始動入賞時予告演出と変動開始時予告演出のうちいずれか一方の予告演出が実行されたときには、双方の予告演出を実行不可能な期間となるようにしてもよい。始動入賞時予告演出と変動開始時予告演出のうちいずれか一方の予告演出が開始されるときに、双方の予告演出を実行不可能な期間とする設定が行われるようにしてもよい。これにより、始動入賞時予告演出と変動開始時予告演出とが重複して実行されないようにしてもよい。あるいは、始動入賞時予告演出と変動開始時予告演出とを重複して実行することができるようにしてもよい。
ステップS501にて予告演出を実行可能な期間ではないと判定されたときには(ステップS501;No)、第2始動口入賞時予告設定処理を終了する。これに対して、予告演出を実行可能な期間であるときには(ステップS501;Yes)、第1始動入賞時判定結果バッファ140の記憶内容に基づいて始動入賞時予告演出を実行するための処理が行われる。このときには、まず、第1始動入賞時判定結果バッファ140の記憶内容をチェックするために用意された変数Nに、初期値となる「1」を設定する(ステップS502)。続いて、変数Nに対応する記憶番号が付された判定結果を、第1始動入賞時判定結果バッファ140から読み出す(ステップS503)。そして、ステップS503での読出結果が、「入賞時大当り判定」を示すものであるか否かを判定する(ステップS504)。
ステップS504にて「入賞時大当り判定」ではない場合には(ステップS504;No)、その読出結果が「特定パターン共通範囲内」を示すものであるか否かを判定する(ステップS505)。そして、ステップS504にて「入賞時大当り判定」である場合や(ステップS504;Yes)、ステップS505にて「特定パターン共通範囲内」である場合には(ステップS505;Yes)、始動入賞時予告演出を実行するための演出動作制御を行ってから(ステップS506)、第2始動口入賞時予告設定処理を終了する。
例えば、ステップS506の処理では、始動入賞時予告演出となる予告演出における演出態様に対応した予告パターンを決定する。このときには、ステップS503での読出結果が「入賞時大当り判定」であるか「特定パターン共通範囲内」であるかに応じた割合で、予告パターンが予め用意された複数パターンのいずれかに決定されればよい。一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される始動入賞時予告パターン決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の始動入賞時予告パターン決定テーブルを参照することなどにより、始動入賞時予告演出の予告パターンを決定できればよい。
始動入賞時予告パターン決定テーブルでは、ステップS503での読出結果(「入賞時大当り判定」または「特定パターン共通範囲内」など)に応じて、始動入賞時予告パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、始動入賞時予告演出用となる複数の予告パターンに対応して割り当てられていればよい。そして、始動入賞時予告パターン決定用の乱数値と合致する決定値がいずれの予告パターンに割り当てられているかに対応して、予告パターンを決定できればよい。
始動入賞時予告演出用となる予告パターンには、例えば始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて第1特図保留記憶数が変数Nに対応した表示部位の形状が通常時の丸形から花形(サクラ柄)に変化するといったように、保留記憶表示の表示態様を通常時からは変化させる予告パターンが含まれていてもよい。また、始動入賞時予告演出用となる予告パターンには、保留記憶表示とは異なる所定の演出画像(キャラクタ画像など)を画像表示装置5の画面上に表示すること、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力すること、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを所定の点灯態様で点灯させること、遊技領域の内部又は外部に設けられた演出用模型が備える可動部材を動作させること、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせた演出動作を行う予告パターンが含まれていてもよい。始動入賞時予告演出における演出態様に応じて、可変表示結果が「大当り」になる可能性(大当り信頼度)といった、所定の遊技価値が付与される可能性が異なるように、各予告パターンに決定値が割り当てられていればよい。例えば、始動入賞時予告パターン決定テーブルでは、ステップS503での読出結果が「入賞時大当り判定」であるか「特定パターン共通範囲内」であるかに応じて、各々の予告パターンに対応した決定値の割当てを異ならせればよい。
なお、ステップS504にて「入賞時大当り判定」である場合や、ステップS505にて「特定パターン共通範囲内」である場合でも、所定割合で始動入賞時予告演出を実行しない旨の決定が行われるようにしてもよい。一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される始動入賞時予告実行決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の始動入賞時予告実行決定テーブルを参照することなどにより、始動入賞時予告演出を実行するか否かの決定を可能にすればよい。このときには、ステップS503での読出結果が「入賞時大当り判定」であるか「特定パターン共通範囲内」であるか、あるいは変数Nが所定数(例えば「2」など)以上であるか否かなどに応じて、始動入賞時予告演出を実行するか否かの決定割合を異ならせるようにしてもよい。
ステップS505にて「特定パターン共通範囲内」ではない場合には(ステップS505;No)、変数Nが第1始動入賞時判定結果バッファ140における判定結果の記憶数に達したか否かを判定する(ステップS507)。このとき、判定結果の記憶数に達していなければ(ステップS507;No)、変数Nを1加算するように更新してステップS503の処理に戻り、さらに第1始動入賞時判定結果バッファ140から判定結果を読み出すようにする。ステップS507にて判定結果の記憶数に達したときには(ステップS507;Yes)、第2始動口入賞時予告設定処理を終了する。
なお、ステップS507にて判定結果の記憶数に達したと判定されたときでも、所定割合で始動入賞時予告演出を実行することがあるようにしてもよい。このときには、ステップS504にて「入賞時大当り判定」である場合や、ステップS505にて「特定パターン共通範囲内」である場合に比べて低い割合で、始動入賞時予告演出を実行する旨の決定が行われるようにすればよい。また、始動入賞時予告演出用の予告パターンのうち、特定の予告パターンについては、ステップS504にて「入賞時大当り判定」である場合や、ステップS505にて「特定パターン共通範囲内」である場合に限り、使用パターンに決定できるように、始動入賞時予告パターン決定テーブルにおいて、各々の予告パターンに対応した決定値が割り当てられるようにしてもよい。このように、始動入賞時予告演出の有無や始動入賞時予告演出における演出態様に応じて、所定の遊技価値を付与する保留データが記憶されている可能性(例えば大当り信頼度など)を異ならせることができればよい。
ステップS506にて始動入賞時予告演出を開始するための設定を行ったときには、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられた予告制限フラグをオン状態にセットすることなどにより、予告演出を実行不可能な期間とする設定が行われるようにしてもよい。こうして、始動入賞時予告演出の実行が開始された後には、例えば一定時間が経過したことや、所定回数の特図ゲームが実行されたこと、デモ表示が行われたことなどといった、所定条件が成立するまで、ステップS501にて予告演出を実行可能な期間ではないと判定されるようにすればよい。
なお、予告演出を実行可能な期間と実行不可能な期間とに分けるものに限定されず、予告演出の実行を許可する決定割合が高い期間と低い期間とが含まれるようにしてもよい。一例として、ステップS501の処理では、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される始動入賞時予告許可決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の始動入賞時予告許可決定テーブルを参照することなどにより、始動入賞時予告演出の実行を許可するか制限するかを決定可能にする。始動入賞時予告許可決定テーブルでは、例えば予告演出の実行後に一定時間が経過したことや、所定回数の特図ゲームが実行されたこと、デモ表示が行われたこと、第1特図保留記憶数が所定数以上であることなどといった、所定条件が成立した期間であるか否かに応じて、始動入賞時予告演出の実行を許可するか否かの決定割合が異なるように、乱数値と比較される数値(決定値)が割り当てられるようにすればよい。そして、実行を許可すると決定した場合にはステップS502の処理に進み、実行を制限すると決定した場合には第2始動口入賞時予告設定処理を終了すればよい。
ステップS501の処理では、例えば第1始動入賞時判定結果バッファ140に有効な判定結果が記憶されているか否かをチェックして、第1特図保留記憶数が「0」であるときに、予告演出を実行不可能な期間であると判定してもよい。すなわち、第2始動入賞口における遊技球の通過タイミングにて、第1特図を用いた特図ゲームに対応する保留データが第1特図保留記憶部151Aに記憶されているときに、始動入賞時予告演出の実行が許可される一方で、このような保留データが記憶されていないときには、始動入賞時予告演出の実行が制限されるようにすればよい。
図28は、演出制御プロセス処理として、図25のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図29は、図28のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS431)。このとき、特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされれば(ステップS431;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS432)。
ステップS432にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS432;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS433)。一例として、ステップS433の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS432にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS432;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS434)。一例として、ステップS434の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS431にて特図表示結果が「ハズレ」ではなく「大当り」であると判定されたときには(ステップS431;No)、確変昇格演出を実行するための設定が行われる(ステップS435)。例えば、ステップS435の処理では、大当り種別が「非確変」や「第1確変」である場合に、再抽選決定テーブルや大当り中昇格決定テーブルを参照することなどにより、再抽選演出や大当り中昇格演出を実行するか否かを決定する。また、例えば再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS435での設定に続いて、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS436)。一例として、ステップS436の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」と「第1確変」または「第2確変」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄と確変図柄のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。具体的には、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、大当り種別が「第1確変」でステップS435において大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときや、大当り種別が「第2確変」であるときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、大当り種別が「第1確変」である場合であっても、ステップS435において大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにする。
ステップS433、S434、S436の処理のいずれかを実行した後には、変動開始時予告設定処理を実行する(ステップS437)。続いて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS438)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、例えばステップS437の変動開始時予告設定処理による設定に基づいて、予告演出や導入演出を実行するために複数用意された予告演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS438の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS439)。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS440)。このときには、例えばステップS438にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS441)、可変表示開始設定処理を終了する。
図30は、図29のステップS437にて実行される変動開始時予告設定処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す変動開始時予告設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPA1−4が指定されたか否かを判定する(ステップS521)。図5などに示すように、変動パターンPA1−4は、第2特図を用いた特図ゲームに対応して、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」となる場合に、第2特図保留記憶数にかかわらず、一定の特図変動時間(10000ミリ秒)となる変動パターンである。
ステップS521にて変動パターンPA1−4である場合には(ステップS521;Yes)、導入演出を実行可能な期間であるか否かを判定する(ステップS522)。一例として、予告演出や導入演出となる演出動作が一旦開始されたときには、その後に一定時間(例えば5分間など)が経過するまで、導入演出の実行を制限して、導入演出を実行不可能な期間としてもよい。なお、一定時間が経過するまで導入演出の実行を制限するものに限定されず、所定回数の特図ゲームが実行されるまで導入演出の実行を制限してもよいし、合計保留記憶数が「0」になるまで導入演出の実行を制限してもよいし、第1特図保留記憶数が所定数以上になるまで予告演出の実行を制限してもよいし、画像表示装置5の画面上にてデモ表示が開始されるまで導入演出の実行を制限するなどしてもよい。すなわち、予告演出や導入演出となる演出動作が実行されたことに基づいて、所定条件が成立するまでは導入演出を実行不可能な期間となり、それ以外の期間が、導入演出を実行可能な期間となればよい。
なお、導入演出を実行可能な期間と実行不可能な期間とに分けるものに限定されず、導入演出を実行する決定割合が高い期間と低い期間とが含まれるようにしてもよい。一例として、ステップS522の処理では、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される導入演出許可決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の導入演出許可決定テーブルを参照することなどにより、導入演出の実行を許可するか制限するかを決定可能にする。導入演出許可決定テーブルでは、例えば予告演出の実行後に一定時間が経過したことや、所定回数の特図ゲームが実行されたこと、デモ表示が行われたこと、第1特図保留記憶数が所定数以上であることなどといった、所定条件が成立した期間であるか否かに応じて、導入演出の実行を許可するか否かの決定割合が異なるように、乱数値と比較される数値(決定値)が割り当てられるようにすればよい。そして、実行を許可すると決定した場合にはステップS523の処理に進み、実行を制限すると決定した場合にはステップS530の処理に進めばよい。
ステップS522にて導入演出を実行可能な期間であるときには(ステップS522;Yes)、入賞時判定結果特定処理を実行して、第1始動入賞時判定結果バッファ140の記憶内容から、特定の判定結果が記憶されているか否かや、こうした判定結果の記憶番号などを特定する(ステップS523)。一例として、入賞時判定結果特定処理では、図27に示すステップS502〜S508の処理(ステップS506の処理は除く)を実行して、ステップS504にて「入賞時大当り判定」である場合や、ステップS505にて「特定パターン共通範囲内」である場合に、その時点での変数Nを特定の判定結果が記憶されている記憶番号として、それぞれの判定結果とともに保存すればよい。また、ステップS507にて変数Nが判定結果の記憶数に達したときには、変数Nを、「特定パターン共通範囲外」の判定結果とともに保存すればよい。
ステップS523における入賞時判定結果特定処理に続いて、予告種別の決定を行う(ステップS524)。一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される予告種別決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の予告種別決定テーブルを参照することにより、導入演出を含めた変動開始時予告演出となる予告演出を実行するか否かや、実行する場合における予告種別を決定できればよい。
予告種別決定テーブルでは、ステップS523における入賞時判定結果特定処理の実行結果に応じて、予告演出を実行しない「予告なし」の決定結果や、予告演出を実行する場合の予告種別CY1や予告種別CY2に対し、予告種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が割り当てられていればよい。図31(A)は、各予告種別に対応した予告演出での演出内容を示している。予告種別CY1は、連続予告RAとなる連続予告演出における演出動作を実行して、導入演出の実行中に第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づく第1特図を用いた特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示なども、連続予告演出の予告対象とすることができる。予告種別CY2は、連続予告RAとは演出態様が異なり連続予告RBとなる連続予告演出における演出動作を実行して、導入演出の実行中に第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づく第1特図を用いた特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示は、連続予告演出の予告対象としない。ステップS524では、例えば図31(B)に示すように、ステップS523で特定された判定結果に応じた割合で、予告演出の有無や予告種別が決定されればよい。
図31(B)に示す決定割合の設定例では、判定結果が「入賞時大当り判定」であるか「特定パターン共通範囲内」であるか、これら以外であるかに応じて、予告演出の有無や予告種別の決定割合が異なっている。このような設定により、予告演出が実行されるか否かや、導入演出を含む予告演出が実行されたときの演出内容などに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)や、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性(リーチ信頼度)、リーチ演出における演出態様がスーパーリーチといった特定の態様となる可能性などを、異ならせることができる。なお、大当り信頼度を異ならせるものに限定されず、所定の遊技価値が付与される可能性を異ならせるものであればよい。図30に示すステップS524の処理では、第1特図を用いた特図ゲームの保留データのうちに、可変表示結果が「大当り」になると判定されたものが記憶されているか否かといった、所定の遊技価値を付与する保留データが記憶されているか否かの判定結果に応じて異なる割合で、予告演出の有無や予告種別を決定できればよい。
ステップS524の処理に続いて、導入演出を含めた変動開始時予告演出を実行しない予告なしに決定されたか否かを判定する(ステップS525)。このとき、予告なしに決定されていれば(ステップS525;Yes)、変動開始時予告設定処理を終了する。これに対して、いずれかの予告種別に決定されて予告ありの場合には(ステップS525;No)、予告種別CY2に決定されたか否かを判定する(ステップS526)。
ステップS526にて予告種別CY2である場合には(ステップS526;Yes)、導入演出中における始動入賞に基づく可変表示結果が連続予告演出の演出態様に影響を与えることがないように、この時点で変動開始時予告演出の演出態様を決定するための処理が行われ、ステップS523で特定された判定結果や記憶数(変数Nに対応した記憶番号)に応じた予告パターンを決定する(ステップS527)。一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される変動開始時予告パターン決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の変動開始時予告パターン決定テーブルを参照することなどにより、変動開始時予告演出の予告パターンを決定できればよい。
ステップS527にて参照される変動開始時予告パターン決定テーブルでは、ステップS523で特定された判定結果や記憶数に応じて、変動開始時予告パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、変動開始時予告演出用となる複数の予告パターンに対応して割り当てられていればよい。そして、変動開始時予告パターン決定用の乱数値と合致する決定値がいずれの予告パターンに割り当てられているかに対応して、予告パターンを決定できればよい。
予告種別CY2に対応した変動開始時予告演出用となる予告パターンは、導入演出も含めて、複数回の可変表示にわたり所定の演出態様で連続予告演出となる演出動作を実行する予告パターンであればよい。変動開始時予告演出用となる予告パターンには、所定の演出画像(キャラクタ画像など)を画像表示装置5の画面上に表示すること、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力すること、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを所定の点灯態様で点灯させること、遊技領域の内部又は外部に設けられた演出用模型が備える可動部材を動作させること、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせた演出動作を行う予告パターンが含まれていればよい。導入演出を含めた変動開始時予告演出における演出態様に応じて、可変表示結果が「大当り」になる可能性(大当り信頼度)といった、所定の遊技価値が付与される可能性(信頼度)が異なるように、各予告パターンに決定値が割り当てられていればよい。例えば、変動開始時予告パターン決定テーブルでは、ステップS523で特定された判定結果が「入賞時大当り判定」であるか否かに応じて、各々の予告パターンに対応した決定値の割当てを異ならせればよい。
導入演出を含めた予告演出における演出態様としては、キャラクタ画像の種類を異ならせること、同一のキャラクタ画像の形状や表示色や模様(例えばサクラ柄を含むか否か)を異ならせること、キャラクタ画像のセリフなどとして報知されるメッセージの内容を異ならせること、その他の演出画像における任意の表示態様を異ならせること、スピーカ8L、8Rから出力される効果音を異ならせること、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯態様を異ならせること、演出用模型に含まれる可動部材の動作態様を異ならせること、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせることにより、所定の遊技価値を付与する保留データが記憶されている可能性(信頼度)が異なることを遊技者が認識できるものであればよい。また、導入演出や予告演出の実行タイミング(開始タイミングなど)を異ならせることにより、信頼度が異なることを遊技者が認識できるようにしてもよい。なお、遊技者が容易に認識できる演出態様を異ならせるものに限定されず、遊技者が認識困難な演出態様を異ならせることにより、信頼度が異なることを示唆してもよい。すなわち、同一の予告種別CY2に決定された場合であっても、導入演出を含めた予告演出における演出態様を異ならせることにより、所定の遊技価値を付与する保留データが記憶されている可能性(信頼度)が異なることを示唆できるようにしてもよい。
ステップS526にて予告種別CY2ではない場合には(ステップS526;No)、導入演出中における始動入賞に基づく可変表示結果も含めて連続予告演出の演出態様を決定するために、この時点では変動開始時予告演出の演出態様を決定しないようにして、導入演出フラグをオン状態にセットしておく(ステップS528)。
ステップS527、S528の処理のいずれかを実行した後には、導入演出となる演出動作を開始するための設定を行ってから(ステップS529)、変動開始時予告設定処理を終了する。例えば、ステップS529の処理では、予告演出CY2の場合に、ステップS527にて決定された予告パターンに対応する演出態様で導入演出を実行するための導入演出パターンが選択されてもよい。あるいは、ステップS527にて決定された予告パターンのうちから、導入演出を実行するための設定を読み出してもよい。また、予告種別CY1の場合には、その予告種別に対応して予め用意された導入演出パターンが選択されてもよい。この場合には、ステップS529の処理が実行される時点での第1始動入賞時判定結果バッファ140における記憶内容に基づいて、導入演出の演出態様を異ならせるように、導入演出パターンの選択が行われるようにしてもよい。一例として、ステップS523で特定された判定結果に応じた割合で、導入演出パターンが予め用意された複数パターンのいずれかに決定されればよい。こうしたステップS529における設定により、第1特図を用いた特図ゲームに対応する保留データのうちに、可変表示結果が「大当り」になると判定されたものが記憶されているか否かといった、所定の遊技価値を付与する保留データが記憶されているか否かの判定結果に応じて異なる割合で、導入演出における演出態様を複数態様のいずれかに決定できればよい。すなわち、同一の予告種別CY1に決定された場合であっても、導入演出における演出態様を異ならせることにより、所定の遊技価値を付与する保留データが記憶されている可能性(信頼度)が異なることを示唆できるようにしてもよい。
ステップS521にて変動パターンPA1−4以外の変動パターンである場合や(ステップS521;No)、ステップS522にて導入演出を実行可能な期間ではない場合には(ステップS522;No)、導入演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS530)。このとき、導入演出フラグがオフであれば(ステップS530;No)、変動開始時予告設定処理を終了する。
ステップS530にて導入演出フラグがオンである場合には(ステップS530;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームに対応した変動開始であるか否かを判定する(ステップS531)。そして、第1特図を用いた特図ゲームに対応した変動開始であるときには(ステップS531;Yes)、予告種別CY1の場合に対応して、導入演出中における始動入賞に基づく可変表示も連続予告演出の予告対象に設定可能としつつ、変動開始時予告演出の演出態様を決定するための処理が行われる。このときには、まず、ステップS523の処理と同様に、入賞時判定結果特定処理を実行する(ステップS532)。そして、ステップS532で特定された判定結果や記憶数に応じた予告パターンを決定する(ステップS533)。一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される変動開始時予告パターン決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の変動開始時予告パターン決定テーブルを参照することなどにより、変動開始時予告演出の予告パターンを決定できればよい。
ステップS533にて参照される変動開始時予告パターン決定テーブルでは、ステップS532で特定された判定結果や記憶数に応じて、変動開始時予告パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、変動開始時予告演出用となる複数の予告パターンに対応して割り当てられていればよい。そして、変動開始時予告パターン決定用の乱数値と合致する決定値がいずれの予告パターンに割り当てられているかに対応して、予告パターンを決定できればよい。
予告種別CY1に対応した変動開始時予告演出用となる予告パターンは、導入演出とは別に、複数回の可変表示にわたり所定の演出態様で連続予告演出となる演出動作を実行する予告パターンであればよい。なお、今回の特図ゲームに対応する可変表示結果が「大当り」となる場合などには、1回の可変表示のみにおいて所定の演出態様で演出動作を実行する予告パターンに決定されてもよい。導入演出における演出態様は、保留データの判定結果にかかわらず一定の導入演出パターンに対応したものとする一方で、導入演出以外の変動開始時予告演出における演出態様に応じて、可変表示結果が「大当り」になる可能性(大当り信頼度)といった、所定の遊技価値が付与される可能性が異なるように、各予告パターンに決定値が割り当てられていてもよい。
予告種別CY1の予告演出における演出態様としては、予告種別CY2の場合と同様に、キャラクタ画像の種類を異ならせること、同一のキャラクタ画像の形状や表示色や模様(例えばサクラ柄を含むか否か)を異ならせること、キャラクタ画像のセリフなどとして報知されるメッセージの内容を異ならせること、その他の演出画像における任意の表示態様を異ならせること、スピーカ8L、8Rから出力される効果音を異ならせること、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯態様を異ならせること、演出用模型に含まれる可動部材の動作態様を異ならせること、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせることにより、所定の遊技価値を付与する保留データが記憶されている可能性(信頼度)が異なることを遊技者が認識できるものであればよい。また、予告演出の実行タイミング(開始タイミングなど)を異ならせることにより、信頼度が異なることを遊技者が認識できるようにしてもよい。なお、遊技者が容易に認識できる演出態様を異ならせるものに限定されず、遊技者が認識困難な演出態様を異ならせることにより、信頼度が異なることを示唆してもよい。なお、信頼度に応じて異ならせる演出態様の内容や組合せは、予告種別CY1の場合と予告種別CY2の場合とで、異ならせるようにしてもよい。こうして、同一の予告種別CY1に決定された場合であっても、予告演出における演出態様を異ならせることにより、所定の遊技価値を付与する保留データが記憶されている可能性(信頼度)が異なることを示唆できるようにしてもよい。
ステップS531にて第1特図を用いた特図ゲームに対応した変動開始ではなく、第2特図を用いた特図ゲームに対応した変動開始である場合や(ステップS531;No)、ステップS533の処理を実行した後には、導入演出フラグをクリアしてオフ状態としてから、変動開始時予告設定処理を終了する。ステップS531にて第2特図を用いた特図ゲームに対応した変動開始である場合には、導入演出が実行される可変表示が終了した後、さらに第2特図を用いた特図ゲームに対応した飾り図柄の可変表示が実行されることになる。この場合には、導入演出以外の変動開始時予告演出が開始されないようにして、連続予告演出の予告対象となる可変表示が行われるまでの所要時間が長期化することによる演出の間延びなどを防止できればよい。
なお、ステップS531にて第1特図を用いた特図ゲームに対応した変動開始ではなく、第2特図を用いた特図ゲームに対応した変動開始である場合には、導入演出と変動開始時予告演出との間につなぎ演出となる演出動作を実行するための設定が行われるようにしてもよい。この場合には、ステップS534の処理を実行せず、導入演出フラグをオンのままに維持して、変動開始時予告設定処理を終了すればよい。これにより、導入演出とつなぎ演出とが実行された後、第1特図を用いた特図ゲームに対応した可変表示が開始される変動開始時に、予告種別CY1の場合に対応した変動開始時予告演出を実行するための設定を行うことができる。つなぎ演出となる演出動作は、変動開始時予告演出に含まれるいずれかの演出動作と同一であってもよい。このように、第2特図を用いた特図ゲームに対応した飾り図柄の可変表示中において、導入演出が実行される導入演出タイミングより後に、変動開始時予告演出が実行される所定演出タイミングより前の中間演出タイミングにて、変動開始時予告演出と同様の演出動作が実行されてもよい。また、つなぎ演出となる演出動作は、変動開始時予告演出に含まれる演出動作として設定されてもよい。このように、第2特図を用いた特図ゲームに対応した飾り図柄の可変表示中においても、所定演出タイミングにて変動開始時予告演出となる演出動作が実行されることがあってもよい。
ステップS531にて第1特図を用いた特図ゲームに対応した変動開始ではなく、第2特図を用いた特図ゲームに対応した変動開始であるときに、変動開始時予告演出を実行するための予告パターンが所定領域に保存されるなどして、変動開始時予告演出を実行するための設定がなされている場合には、変動開始時予告演出となる演出動作を終了させると判断して、予告演出の終了設定が行われるようにしてもよい。このときには、連続予告演出を実行するために保存されている設定を全て初期化するようにしてもよい。すなわち、変動開始時予告演出における連続予告演出の実行を開始した後、予告対象となる飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことなどに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立し、これに対応した飾り図柄の可変表示が開始されるときには、連続予告演出の実行を中止して、以後の可変表示において連続予告演出に含まれる後続の演出動作が実行されないようにしてもよい。第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合には、連続予告演出の予告対象となる飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)するなどして第2特図を用いた特図ゲームを実行するための始動条件(第2始動条件)が成立すると、第1特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第1開始条件よりも第2開始条件が先に成立してしまい、連続予告演出の予告対象となる可変表示にズレが生じるおそれがある。連続予告演出の予告対象となる可変表示よりも前に第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、連続予告演出の実行を中止することで、連続予告演出の予告対象となる可変表示にズレが生じることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。なお、この場合にも、導入演出の実行後で連続予告演出の実行前の場合と同様に、つなぎ演出を実行するようにして、連続予告演出が中止されないようにしてもよい。
ステップS524にて予告種別CY2に決定された場合には、ステップS527の処理にて変動開始時予告演出の予告パターンが決定される。そのため、予告種別CY2の場合には、導入演出の実行中に第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)しても、その遊技球の検出に基づく保留データは変動開始時予告演出の予告パターンを決定するための判定対象(ステップS523における入賞時判定結果特定処理の対象)には含まれない。したがって、予告種別CY2の場合には、導入演出の実行中に記憶された保留データに基づく第1特図を用いた特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示は、連続予告演出の予告対象にならない。なお、保留データが予告パターンを決定するための判定対象に含まれないことによって連続予告演出の予告対象としないようにするものに限定されず、保留データは予告パターンを決定するための判定対象に含まれるものの、連続予告演出を実行する可変表示の回数を制限することにより、その保留データに基づく特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示中には連続予告演出が実行されないようにしたものであってもよい。
図32は、図28のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。一例として、ステップS451の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS451にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS451;No)、導入演出を実行するための導入演出期間であるか否かを判定する(ステップS452)。導入演出期間は、例えば変動パターンPA1−4に対応した特図変動時演出制御パターン、あるいは導入演出パターンに対応した予告演出制御パターンなどにより、予め定められていればよい。
ステップS452にて導入演出期間であるときには(ステップS452;Yes)、導入演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS453)。一例として、ステップS453の処理では、演出制御パターンから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用模型の動作などのうち、一部又は全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。
ステップS452にて導入演出期間ではない場合には(ステップS452;No)、予告演出を実行するための予告演出期間であるか否かを判定する(ステップS454)。予告演出期間は、例えば予告パターンに対応した予告演出制御パターンなどにより、予め定められていればよい。
ステップS454にて予告演出期間であるときには(ステップS454;Yes)、予告演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS455)。一例として、ステップS455の処理では、予告演出制御パターンから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用模型の動作などのうち、一部又は全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。
ステップS455の処理に続いて、予告演出を終了させるか否かの判定を行う(ステップS456)。このとき、予告演出を終了させると判定した場合には(ステップS456;Yes)、予告演出を終了させるための設定を行う(ステップS457)。一例として、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった場合には、変動開始時予告演出となる演出動作を終了させると判断して、ステップS457の処理により予告演出の終了設定が行われるようにすればよい。このときには、連続予告演出を実行するための設定を全て初期化するようにしてもよい。すなわち、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった場合には、連続予告演出の実行を中止して、以後の可変表示において連続予告演出に含まれる後続の演出動作が実行されないようにしてもよい。このように、連続予告演出の予告対象となる可変表示よりも前にリーチ状態となる可変表示が行われたときには、連続予告演出の実行を中止することで、連続予告演出に間延びが生じることによる演出効果の低減を防止できればよい。
ステップS453、S457の処理のいずれかを実行した後や、ステップS454にて予告演出期間ではない場合(ステップS454;No)、あるいはステップS456にて予告演出を終了させないと判定した場合には(ステップS456;No)、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他の飾り図柄の可変表示に関連した演出動作制御を行ってから(ステップS462)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS451にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS451;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS459)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS459;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS459にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS459;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS460)。また、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS461)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS462)、可変表示中演出処理を終了する。
次に、パチンコ遊技機1において実行される演出動作の具体例について説明する。
図33及び図34は、予告種別CY1の変動開始時予告演出が実行される場合における演出表示例を示している。この演出表示例では、まず、図33(A)に示すように、画像表示装置5の画面上で、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄の可変表示が行われている。このとき、第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの記憶数(第1特図保留記憶数)が「2」であり、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、2つの表示部位が青色表示となっている。
図33(A)に示すような飾り図柄の可変表示が行われているときに、図33(B)に示すように普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための始動条件(第2始動条件)が成立した。これに対応して、図19に示すステップS407の送信設定などにより、主基板11から演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドが伝送される。そして、図26に示すステップS160の表示更新設定などにより、例えば図33(C)に示すように、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、1つの表示部位が非表示から赤色表示に変化する。その後、図33(D)に示すように、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されることで、可変表示が終了する。
続いて、図20に示すステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」ではないと判定されたことに基づき(ステップS231;No)、第2特図を用いた特図ゲームの開始を許容する開始条件(第2開始条件)が成立して第2特図の可変表示が開始される。これに対応して、例えば図33(E)に示すように、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部において、飾り図柄の可変表示が開始される。また、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、赤色表示されていた表示部位の1つが非表示となることにより、第2特図保留記憶数が「0」になったことを特定可能に表示する。
この可変表示が開始されるときには、図21に示すステップ271の処理により変動パターンPA1−4に決定されたことなどに基づいて、図30に示すステップS524の処理により予告種別CY1に決定できる。また、ステップS529の処理による導入演出を開始する設定に基づき、図32に示すステップS453の演出動作制御が行われることにより、例えば図33(F)に示すようなキャラクタ画像を画像表示装置5の画面上に表示して、導入演出となる演出動作が実行される。このように、変動開始時予告演出のうち連続予告演出となる演出動作を実行する所定演出タイミングより前に、第2特図を用いた特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示開始時あるいは可変表示中における導入演出タイミングにて、導入演出を実行することができればよい。
こうした導入演出が実行される飾り図柄の可変表示中にて、図33(G)に示すように、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、第1特図を用いた特図ゲームを実行するための始動条件(第1始動条件)が成立した。第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときには、通常状態で可変表示結果が「ハズレ」となり可変表示態様が「非リーチ」となる場合に、図9(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(第2特図用)132Cや図10に示す変動パターン決定テーブル133の設定などにより、第2特図保留記憶数にかかわらず、図21に示すステップS271の処理にて変動パターンPA1−4が使用パターンに決定される。
変動パターンPA1−4は、変動パターンPA1−2や変動パターンPA1−3よりも、特図変動時間が長くなるように設定されている。変動パターンPA1−2は、第1特図保留記憶数が「3」であるときに、第1特図を用いた特図ゲームに対応して使用パターンとすることができる。変動パターンPA1−3は、第1特図記憶数が「4」であるときに、第1特図を用いた特図ゲームに対応して使用パターンに決定することができる。このように、第2特図を用いた特図ゲームに対応して決定可能な変動パターンPA1−4は、第1特図保留記憶数が所定数以上であるときに第1特図を用いた特図ゲームに対応して決定可能な変動パターンよりも、特図変動時間が長くなるように設定されている。これにより、第2特図を用いた特図ゲームに対応した可変表示時間が長くなり、導入演出を実行する飾り図柄の可変表示中に第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性を高めることができる。予告種別CY1の場合には、導入演出の実行中に第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づく第1特図を用いた特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示なども、連続予告演出の予告対象とすることができる。したがって、第2特図を用いた特図ゲームに対応した可変表示時間が長くなるように設定することで、連続予告演出の予告対象となり得る可変表示が増加しやすくなり、複数回の可変表示にわたり段階的に所定の遊技価値が付与される期待感を高めていくことなどが可能になる。また、導入演出を実行するために十分な時間を確保して、変動開始時予告演出となる演出動作が実行されることを遊技者が容易に認識することができる。
第1始動条件の成立に対応して、図18に示すステップS218の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づき、図19に示すステップS402の処理にて、乱数値MR1が大当り判定範囲内であると判定された場合には、ステップS403の送信設定などにより、主基板11から演出制御基板12に対して「入賞時大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドが伝送される。このときには、図26に示すステップS157の表示更新設定などにより、例えば図33(H)に示すように、始動入賞記憶表示エリア5Hにて、青色表示となる表示部位が1つ追加されるように表示変更が行われる。また、図26に示すステップS158の処理により、「入賞時大当り判定」を示す判定結果が、第1始動入賞時判定結果バッファ140にて記憶番号「3」と関連付けて記憶される。
その後、例えば図33(I)に示すように、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されることで、可変表示が終了する。続いて、第2特図保留記憶数が「0」であり、第1特図保留記憶数が「3」であることから、第1特図を用いた特図ゲームの開始を許容する開始条件(第1開始条件)が成立して第1特図を用いた特図ゲームが開始される。このときには、図30に示すステップS533の処理により、ステップS532で特定された判定結果や記憶数に応じて、変動開始時予告演出を実行するための予告パターンが決定される。このように、予告種別CY1の場合には、導入演出が実行される可変表示を行ってから、第1特図を用いた特図ゲームに対応した飾り図柄の可変表示が開始されるときに、変動開始時予告演出を実行するための予告パターンが決定される。したがって、導入演出の実行中に第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づく第1特図を用いた特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示なども、連続予告演出の予告対象とすることができる。
こうして変動開始時予告演出を実行するための予告パターンが決定された後、例えば図33(J)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始されるときには、始動入賞記憶表示エリア5Hにて、青色表示されていた表示部位の1つが非表示となることなどにより、第1特図保留記憶数が「2」になったことを特定可能に表示する。そして、図32のステップS454にて予告演出期間であると判定されたことに基づいて(ステップS454;Yes)、ステップS455の演出動作制御が行われ、変動開始時予告演出となる演出動作が実行される。これにより、例えば図33(J)に示すような「アツイかも」といった、所定の遊技価値が付与される可能性を示唆するメッセージが、キャラクタ画像のセリフなどとして報知されればよい。報知されるメッセージの内容は、予告パターンに応じて異ならせることにより、所定の遊技価値が付与される可能性(大当り信頼度など)を、演出態様に応じて異ならせるようにすればよい。こうした所定の遊技価値が付与される可能性に応じて異ならせる演出態様としては、キャラクタ画像の種類、同一のキャラクタ画像の形状や表示色や模様(例えばサクラ柄を含むか否か)、その他の演出画像における任意の表示態様、スピーカ8L、8Rから出力される効果音、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯態様、演出用模型に含まれる可動部材の動作態様、あるいは、これらの一部又は全部を含む任意の演出態様であればよい。また、予告演出となる演出動作の実行タイミングに応じて、所定の遊技価値が付与される可能性が異なることを示唆してもよい。その後、図33(K)に示すように、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されることで、可変表示が終了する。このように、変動開始時予告演出のうち連続予告演出となる演出動作は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームに対応した飾り図柄の可変表示中に導入演出が実行された後、所定演出タイミングにて実行することができればよい。
さらに、第2特図保留記憶数が「0」であり、第1特図保留記憶数が「2」であることから、第1特図を用いた特図ゲームが開始され、これに対応した飾り図柄の可変表示も開始される。このときには、例えば図33(L)に示すように、始動入賞記憶表示エリア5Hにて青色表示されていた表示部位の1つが非表示となる。また、前回の可変表示開始時に決定された予告パターンなどに基づいて、図32に示すステップS455の演出動作制御が行われ、例えば図33(L)に示すようなメッセージの報知が継続(連続)して行われるようにすればよい。なお、可変表示が開始されるごとに、変動開始時予告演出により報知されるメッセージの内容を変化させてもよい。その後、図34(A)に示すように、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されることで、可変表示が終了する。
さらにまた、第2特図保留記憶数が「0」であり、第1特図保留記憶数が「1」であることから、第1特図を用いた特図ゲームが開始され、これに対応した飾り図柄の可変表示も開始される。このときには、例えば図34(B)に示すように、始動入賞記憶表示エリア5Hにて青色表示されていた表示部位の残り1つが非表示となり、第1特図保留記憶数が「0」になったことを特定可能に表示する。また、既に決定された予告パターンなどに基づいて、図32に示すステップS455の演出動作制御が行われ、例えば図34(B)に示すような演出画像(キャラクタ画像など)の表示とともに、「いくよ〜!」といった、連続予告演出の予告対象となる可変表示であることや、この可変表示における表示結果に基づき所定の遊技価値が付与される可能性などを、示唆するメッセージが報知されればよい。
こうして連続予告演出の予告対象となる可変表示が開始された後、例えば図34(C)に示すように、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて「7」の数字を示す同一の飾り図柄が揃って停止表示されることなどにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となってもよい。このときには、変動開始時予告演出で表示された演出画像(キャラクタ画像など)に対応したリーチ演出が実行されるようにしてもよい。一例として、図19に示すステップS404の処理にて、乱数値MR3に基づき、少なくともスーパーリーチβ(スーパーリーチβ1又はスーパーリーチβ2)といった特定のリーチ演出を実行する特定の変動パターンに決定される所定範囲内である場合に、特定パターン共通範囲の範囲内であると判定されるようにすればよい。また、図19に示すステップS402にて乱数値MR1が大当り判定範囲内であると判定されたときにも、乱数値MR3に基づき、少なくともスーパーリーチβといった特定のリーチ演出を実行する特定の変動パターンに決定される所定範囲内である場合に、「入賞時大当り判定」とともに「特定パターン共通範囲内」の判定結果を通知する第1始動口入賞指定コマンドが送信されるようにすればよい。そして、スーパーリーチβのリーチ演出として、予告種別CY1の変動開始時予告演出で表示される演出画像に対応した演出動作が実行されるようにすればよい。
図34(C)に示すようなリーチ演出が実行された後、例えば図34(D)に示すような大当り組合せの最終停止図柄(確定飾り図柄)が可変表示結果として導出表示されて、可変表示結果が「大当り」となり、遊技状態が大当り遊技状態に制御されるようにすればよい。なお、リーチ組合せの最終停止図柄(確定飾り図柄)が可変表示結果として導出表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となることがあるようにしてもよい。
図35及び図36は、予告種別CY2の変動開始時予告演出が実行される場合における演出表示例を示している。図35(A)〜図35(D)では、図33(A)〜(D)と同様にして、飾り図柄の可変表示が進行し、その可変表示中に第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立している。
続いて、第2開始条件の成立に基づき第2特図の可変表示が開始され、これに対応して、例えば図35(E)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始される。このときには、図30に示すステップS524の処理により予告種別CY2に決定できる。また、ステップS527の処理により、ステップS523で特定された判定結果や記憶数に応じて、変動開始時予告演出を実行するための予告パターンが決定される。さらに、ステップS529の処理により、導入演出を開始する設定が行われる。このように、予告種別CY2の場合には、第2特図を用いた特図ゲームに対応した飾り図柄の可変表示が開始されるときに、変動開始時予告演出を実行するための予告パターンが決定される。したがって、導入演出が開始された後に第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づく第1特図を用いた特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示などは、連続予告演出の予告対象にはならない。
こうして、例えば図35(F)に示すようなキャラクタ画像が画像表示装置5の画面上に表示されて、導入演出となる演出動作が実行される。その後、導入演出が実行される飾り図柄の可変表示中にて、図35(G)に示すように、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することにより第1始動条件が成立した。そして、図19に示すステップS402の処理にて、乱数値MR1が大当り判定範囲内であると判定された場合には、「入賞時大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドが伝送され、「入賞時大当り判定」を示す判定結果が、第1始動入賞時判定結果バッファ140にて記憶番号「3」と関連付けて記憶される。また、例えば図35(H)に示すように、始動入賞記憶表示エリア5Hにて、青色表示となる表示部位が1つ追加されるように表示変更が行われる。
その後、例えば図35(I)に示すように、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されることで、可変表示が終了する。このとき、第2特図保留記憶数が「0」であり、第1特図保留記憶数が「3」であることから、第1開始条件が成立して第1特図を用いた特図ゲームが開始され、これに対応した飾り図柄の可変表示も開始される。このときには、図30に示すステップS530の処理にて、導入演出フラグがオフであると判定されることから、新たな予告パターンの決定は行われず、前回の可変表示開始時に決定された予告パターンなどに基づいて、図32に示すステップS455の演出動作制御が行われ、例えば図35(J)に示すような所定の遊技価値が付与される可能性を示唆する演出動作が行われればよい。その後、図35(K)に示すように、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されることで、可変表示が終了する。
さらに、第2特図保留記憶数が「0」であり、第1特図保留記憶数が「2」であることに基づいて、例えば図35(L)に示すような飾り図柄の可変表示や変動開始時予告演出となる演出動作が実行される。このとき実行される飾り図柄の可変表示は、連続予告演出の予告対象となっている。そのため、図36(A)に示すように、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されることで、可変表示が終了するとともに、変動開始時予告演出の実行も終了する。
続いて、導入演出を実行した飾り図柄の可変表示中における第1始動条件の成立に対応して、第1特図保留記憶数が「1」であることから、さらに第1開始条件が成立して第1特図を用いた特図ゲームが開始され、これに対応した飾り図柄の可変表示も開始される。このときには、図30に示すステップS521の処理にて変動パターンPA1−4ではないと判定されたことなどにより、変動開始時予告演出を実行するための設定が行われない。したがって、例えば図35(B)に示すように飾り図柄の可変表示が開始されても、変動開始時予告演出となる演出動作が実行されない。その後、例えば図35(C)に示すように、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となり、変動パターンに対応したリーチ演出などが実行されてから、例えば図35(D)に示すような大当り組合せの最終停止図柄(確定飾り図柄)が可変表示結果として導出表示されて、可変表示結果が「大当り」となり、遊技状態が大当り遊技状態に制御されるようにすればよい。また、例えばリーチ組合せの最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となることがあってもよい。
図37は、始動入賞時予告演出が実行される場合における演出表示例を示している。この演出表示例では、図37(A)に示すように飾り図柄の可変表示が行われているときに、第1特図保留記憶数が「2」となっている。また、第1始動入賞時判定結果バッファ140には、記憶番号「2」と関連付けて「入賞時大当り判定」を示す判定結果が記憶されている。
図37(A)に示すような飾り図柄の可変表示が行われているときに、図37(B)に示すように第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することにより第2始動条件が成立した。これに対応して、図19に示すステップS407の送信設定などにより、主基板11から演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドが伝送される。このときには、図27に示すステップS501の処理にて予告演出を実行可能な期間であると判定されたことなどに基づいて(ステップS501;Yes)、第1始動入賞時判定結果バッファ140の記憶内容に基づいて始動入賞時予告演出を実行するための処理が行われる。そして、変数Nが「2」であるときに、ステップS504にて「入賞時大当り判定」を示すものと判定される(ステップS504;Yes)。これにより、ステップS506の処理が実行されて、始動入賞時予告演出となる演出動作が開始される。
こうして、例えば図37(C)に示すように、始動入賞記憶表示エリア5Hにて丸形で青色表示されていた表示部位のうち、保留番号が「2」に対応した表示部位が、花形(サクラ柄)に変化することで、所定の遊技価値を付与する保留データが記憶されている可能性を示唆する予告演出が実行される。なお、所定の遊技価値を付与する保留データが記憶されている可能性を示唆する演出態様は、例えば始動入賞時予告演出を実行するために予め複数パターンが用意された予告パターンなどに対応して、複数の演出態様のうちいずれかとすることができればよい。この場合、図27に示すステップS506の処理では、例えばステップS504、S505における判定結果に応じて異なる割合で複数の予告パターンから使用パターンとなる予告パターンを決定してもよい。これにより、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示部位の表示態様に応じて、所定の遊技価値を付与する保留データが記憶されている可能性(大当り信頼度など)を異ならせることができる。複数の予告パターンに対応した複数の演出態様としては、例えば表示部位に表示する演出画像の一部又は全部を異ならせることや、同一の演出画像でも表示色を異ならせること、継続表示と点滅表示とを異ならせること、一定倍率での表示と拡大縮小表示とを異ならせること、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせることといった、任意の表示態様を異ならせたものが含まれていればよい。その後、図37(D)に示すように、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されることで、可変表示が終了する。このように、第2始動入賞口における遊技球の通過タイミングにて第1特図を用いた特図ゲームに対応した保留データが記憶されているときには、この通過タイミングを所定演出タイミングとして、始動入賞時予告演出を実行することができればよい。
このとき、第1特図保留記憶数が「2」であることから、第1開始条件が成立して第1特図を用いた特図ゲームが開始され、これに対応した飾り図柄の可変表示も開始される。なお、この演出表示例では、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものではなく、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したかにかかわらず、各遊技球の入賞順に従って、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームとが実行されるようにしている。
図37(E)に示すような飾り図柄の可変表示が開始されるときに、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、青色表示されていた左端の表示部位における表示を除去するとともに、保留番号「2」に対応して花形(サクラ柄)となっている表示部位における表示を1つ左方向に移動させることなどにより、第1特図保留記憶数が「1」になったことを特定可能に表示する。その後、図37(F)に示すように、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されることで、可変表示が終了する。
続いて、第1特図保留記憶数が「1」であることから、さらに第1開始条件が成立して第1特図を用いた特図ゲームが開始され、図37(G)に示すように、飾り図柄の可変表示も開始される。そして、例えば図37(H)に示すように、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となり、変動パターンに対応したリーチ演出などが実行されてから、例えば図37(I)に示すような大当り組合せの最終停止図柄(確定飾り図柄)が可変表示結果として導出表示されて、可変表示結果が「大当り」となり、遊技状態が大当り遊技状態に制御されるようにすればよい。また、例えばリーチ組合せの最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となることがあってもよい。
以上説明したように、パチンコ遊技機1では、例えば遊技状態が通常状態であるときなどに、第1始動入賞口よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しにくく、この第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、図27に示すステップS506の処理により始動入賞時予告演出を実行することや、図32に示すステップS455の処理により変動開始時予告演出を実行することで、可変表示結果を「大当り」にすると決定される保留データといった、所定の遊技価値を付与する保留データが第1特図保留記憶部151Aに記憶されている可能性を示唆する演出動作が所定演出タイミングにて行われる。これにより、第2始動入賞口を遊技球が通過した場合に、第2始動入賞口とは異なる第1始動入賞口に対応した特図ゲームや飾り図柄の可変表示での表示結果に基づいて所定の遊技価値が付与される期待感を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
第2始動入賞口における遊技球の通過タイミングにて、例えば図27に示すステップS501の処理で第1特図保留記憶数が「0」以外であり、第1特図を用いた特図ゲームに対応する保留データが第1特図保留記憶部151Aに記憶されているときに、ステップS506の演出動作制御が実行されることで、この通過タイミングを所定演出タイミングとして始動入賞時予告演出が実行される。これにより、第2始動入賞口における遊技球の通過と始動入賞時予告演出の実行とが関連付けられていることを、遊技者が容易かつ明確に認識可能として、遊技興趣を向上させることができる。
第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときには、例えば通常状態で可変表示結果が「ハズレ」となり可変表示態様が「非リーチ」となる場合に、図21に示すステップS271の処理にて変動パターンPA1−4が使用パターンに決定される。これに対応した飾り図柄の可変表示が開始されるときに、図30に示すステップS524の処理により予告種別CY1や予告種別CY2に決定されたときには、図32に示すステップS453の演出動作制御などが行われることで、導入演出となる演出動作が実行される。変動パターンPA1−4は、例えば変動パターンPA1−2や変動パターンPA1−3といった、第1特図保留記憶数が所定数以上であるときに第1特図を用いた特図ゲームに対応して決定可能な変動パターンよりも、可変表示時間が長くなるように設定されている。これにより、導入演出となる演出動作を実行するために十分な時間を確保して、変動開始時予告演出となる演出動作が実行されることを遊技者が容易に認識可能として、遊技興趣を向上させることができる。
図30のステップS529における設定では、第1特図を用いた特図ゲームに対応する保留データのうちに、可変表示結果が「大当り」になると判定されたものが記憶されているか否かといった、所定の遊技価値を付与する保留データが記憶されているか否かの判定結果に応じて異なる割合で、導入演出における演出態様を複数態様のいずれかに決定してもよい。これにより、導入演出の演出態様に応じて所定の遊技価値が付与される期待感を異ならせて、遊技興趣を向上させることができる。
図27に示すステップS501の処理では、予告演出や導入演出となる演出動作の実行が一旦開始された後、所定条件が成立するまでの所定期間において、予告演出を実行不可能な期間であるとして、始動入賞時予告演出の実行が制限される。また、図30に示すステップS522の処理では、予告演出や導入演出となる演出動作の実行が一旦開始された後、所定条件が成立するまでの所定期間において、導入演出を実行不可能な期間であるとして、導入演出とともに変動開始時予告演出の実行が制限される。これにより、予告演出などが重複して、あるいは短期間のうちに連続して実行されることを防止して演出効果を高め、遊技興趣を向上させることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。具体的な一例として、始動入賞時予告演出と導入演出を含めた変動開始時予告演出とのうち、いずれか一方の予告演出などを実行するための演出動作制御を実行可能な演出制御用CPU120などを備えていればよく、他方の予告演出などを実行するための構成を備えていないものであってもよい。
上記実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときに、通常状態で可変表示結果が「ハズレ」となり可変表示態様が「非リーチ」となる変動パターンPA1−4は、変動パターンPA1−2や変動パターンPA1−3といった、第1特図保留記憶数が所定数以上であるときに第1特図を用いた特図ゲームに対応して決定可能な変動パターンよりも、特図変動時間などの可変表示時間が長くなるように設定されるものとして説明した。これに対して、変動パターンPA1−4は、変動パターンPA1−1よりも特図変動時間が長くなるように設定されてもよい。すなわち、第2特図を用いた特図ゲームに対応して決定可能な変動パターンPA1−4は、第1特図保留記憶数にかかわらず、可変表示結果が「ハズレ」となり可変表示態様が「非リーチ」となる場合の第1特図を用いた特図ゲームに対応する全ての変動パターンよりも、特図変動時間などの可変表示時間が長くなるように設定されてもよい。
また、第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときに、通常状態で可変表示結果が「ハズレ」となり可変表示態様が「非リーチ」となる変動パターンとして、複数の変動パターンを用意してもよい。この場合には、いずれの変動パターンに対応する飾り図柄の可変表示中においても導入演出となる演出動作を実行可能とし、導入演出を実行するために十分な時間を確保できるように、特図変動時間などの可変表示時間が設定されればよい。あるいは、第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときに、通常状態で可変表示結果が「ハズレ」となり可変表示態様が「非リーチ」となる複数の変動パターンのうちには、飾り図柄の可変表示中において導入演出となる演出動作が実行されないものが含まれるようにしてもよい。この場合には、図21に示すステップS271の処理にて決定された変動パターンに応じて、導入演出や変動開始時予告演出となる予告演出の実行を許容するか制限するかが決められる。このように、所定の演出動作を実行するか否かの決定のうち、少なくとも一部の決定が遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103などにより行われるようにしてもよい。いずれにしても、第2特図を用いた特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示中において導入演出を実行することができ、第2特図を用いた特図ゲームにおける特図変動時間などの可変表示時間が、平均的に第1特図を用いたときの特図変動時間などの可変表示時間よりも長くなるものであればよい。一例として、導入演出を実行可能な1の変動パターンとして、他の変動パターンよりも特図変動時間などの可変表示時間が長くなるように設定された変動パターンを用意して、第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときには、第2特図保留記憶数にかかわらず、この可変表示時間が長くなるように設定された変動パターンが、第1特図を用いた特図ゲームの実行時よりも高い割合で、使用パターンに決定されるようにすればよい。
上記実施の形態では、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)した通過タイミングにて始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示態様を変化させることにより、始動入賞時予告演出となる演出動作が実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)した後、予告対象となる飾り図柄の可変表示が開始されるよりも前に、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示態様を変化させることなどにより、所定の遊技価値を付与する保留データが記憶されている可能性を示唆する予告演出が実行されるようにしてもよい。具体的な一例として、図30に示すステップS524の処理にて決定可能な予告種別として、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示態様を変化させることを演出内容とする予告種別を設け、予告対象となる飾り図柄の可変表示が開始されるよりも前であって、他の保留データに基づく特図ゲームの実行開始に対応して飾り図柄の可変表示が開始されるときなどに、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示態様を変化させることにより所定の遊技価値を付与する保留データが記憶されている可能性を示唆する予告演出が実行されるようにしてもよい。すなわち、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、予告対象となる飾り図柄の可変表示が開始されるよりも前に、所定の遊技価値を付与する保留データが記憶されている可能性を示唆する予告演出を実行できるものであれば、その実行タイミングとなる所定演出タイミングは任意に設定可能である。
上記実施の形態では、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、所定の遊技価値を付与する保留データが第1特図保留記憶部151Aに記憶されている可能性を示唆する演出動作が行われ、第1特図を用いた特図ゲームに対応して所定の遊技価値を付与する保留データが記憶されているか否かの判定結果に応じて異なる割合で、導入演出における演出態様を複数態様のいずれかに決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば第1特図を用いた特図ゲームに対応する保留データに基づく導入演出や予告演出(始動入賞時予告演出や変動開始時予告演出など)が実行されない場合には、第2特図を用いた特図ゲームに対応して所定の遊技価値を付与する保留データが記憶されている可能性を示唆する導入演出や予告演出が実行されるようにしてもよい。この場合、例えば第2始動口入賞指定コマンドのEXTデータにより、第2始動入賞に対応した入賞時大当り判定などの判定結果を特定可能にして、図19のステップS401にて始動口バッファ値が「2」であると判定されたときにも、ステップS402、S404の処理と同様に、乱数値MR1や乱数値MR3に基づく判定が行われるようにすればよい。また、演出制御基板12の側では、例えば第2始動口入賞指定コマンドを受信した場合に対応して、図14(B)に示す第1始動入賞時判定結果バッファ140と同様に構成した第2始動入賞時判定結果バッファを設け、図26に示すステップS161の第2始動口入賞時予告設定処理において、第2始動入賞時判定結果バッファの記憶内容に基づいて始動入賞時予告演出を実行するための演出動作制御などが行われるようにすればよい。また、図29に示すステップS437の変動開始時予告設定処理において、第2始動入賞時判定結果バッファの記憶内容に基づいて導入演出や変動開始時予告演出を実行するための演出動作制御などが行われるようにしてもよい。
上記実施の形態では、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、特別図柄を用いた特図ゲームに対応して飾り図柄の可変表示を行う場合に、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、所定の遊技価値が付与される保留データが第1特図保留記憶部151Aに記憶されている可能性を示唆する予告演出などが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、任意の通過領域を遊技球が通過したことに基づいて所定図柄の可変表示を行う場合に、複数の通過領域のうち遊技球が通過しにくい通過領域を通過したことに基づいて、所定の遊技価値が付与される保留データが記憶されている可能性を示唆する演出動作が実行されるものであればよい。一例として、普通図柄を用いた普図ゲームに対応した飾り図柄の可変表示を行う場合に、第1通過ゲートや第2通過ゲートとなる複数の通過ゲートを設け、第2通過ゲートは第1通過ゲートよりも遊技球が通過しにくいように構成され、第2通過ゲートを遊技球が通過したことに基づいて、所定の遊技価値が付与される保留データが記憶されている可能性を示唆する予告演出などが実行されてもよい。他の一例として、第1大入賞口や第2大入賞口となる複数の大入賞口を設け、第2大入賞口は第1大入賞口よりも遊技球が通過しにくいように構成され、第2大入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、所定の遊技価値が付与される可能性を示唆する演出動作が実行されてもよい。
上記実施の形態では、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120が、図26のステップS161や図27に示す第2始動口入賞時予告設定処理、図29に示すステップS431〜S436、S438〜S441の処理、図29のステップS437や図30に示す変動開始時予告設定処理、図32に示すステップS451〜S462の処理を実行することにより、各種演出動作の決定や制御を行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出動作を制御するために設けられた複数の制御基板にそれぞれ搭載された複数のCPUなどにより、各種演出動作の制御内容を分担して決定するようにしてもよい。
一例として、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、表示制御基板を設ける。表示制御基板には、表示制御用CPUと、ROMと、RAMと、乱数回路と、I/Oとが搭載されていればよい。この場合、表示制御基板に搭載された表示制御用CPUが画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行することから、上記実施の形態で演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、表示制御基板に搭載されればよい。表示制御基板では、例えば表示制御用CPUがROMから読み出したプログラムを実行することにより、画像表示装置5における演出画像の表示による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、表示制御用CPUがROMから固定データを読み出す固定データ読出動作や、表示制御用CPUがRAMに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、表示制御用CPUがRAMに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、表示制御用CPUがI/Oを介して表示制御基板の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、表示制御用CPUがI/Oを介して表示制御基板の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
この場合、表示制御用CPUは、例えば演出制御基板12からの表示制御指令や演出制御基板12を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドなどに基づき、図26のステップS161や図27に示す第2始動口入賞時予告設定処理、図29に示すステップS431〜S436、S438〜S441の処理、図29のステップS437や図30に示す変動開始時予告設定処理、図32に示すステップS451〜S462の処理の一部又は全部を実行してもよい。なお、表示制御用CPUは、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部を実行するものであればよい。また、音声制御基板13やランプ制御基板14は、演出制御基板12からの制御指令を伝送する配線により、演出制御基板12と接続されていてもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120により、演出動作を統括的に制御するための処理が実行されればよい。
あるいは、音声制御基板13やランプ制御基板14が備える機能を、演出制御基板12に搭載された音声制御回路やランプ制御回路などに備えさせ、音声制御基板13やランプ制御基板14となる独立の制御基板は設けられないようにしてもよい。この場合には、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、前述したような表示制御基板を設け、演出制御用CPU120により図29のステップS438にて決定した演出制御パターンなどに応じた表示制御コマンドが、演出制御基板12から表示制御基板に対して伝送されるようにしてもよい。図2に示す構成において、音声制御基板13に搭載されたマイクロコンピュータやランプ制御基板14に搭載されたマイクロコンピュータにより、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部が実行されるようにしてもよい。このように、演出動作を制御するために複数の制御基板が設けられた場合には、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作の制御内容を決定するための処理、遊技効果ランプ9といった発光体における点灯動作の制御内容を決定するための処理といった、各種の演出動作の制御内容を決定するための処理がそれぞれ、いずれの制御基板で実行されるかの組合せは、任意の組合せであればよい。
上記実施の形態では、可変表示結果が「大当り」または「ハズレ」に決定されるものとして説明した。これに対して、可変表示結果を「小当り」にも決定可能とし、このときには小当り遊技状態に制御され、小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われないようにしてもよい。また、可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別を「突確」にも決定可能とし、このときには2R大当り状態に制御され、2R大当り状態が終了した後には、確変状態に制御されるようにしてもよい。
2R大当り状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間)が、上記実施の形態における大当り遊技状態での第1期間(例えば29秒間)よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となる。また、2R大当り状態では、ラウンドの実行回数が、上記実施の形態における大当り遊技状態での第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となる。なお、2R大当り状態では、ラウンドの実行回数が第2ラウンド数となるように制御されればよく、それ以外の制御は上記実施の形態における大当り遊技状態と同様に行われるようにしてもよい。ラウンドの実行回数が「2」となる2R大当り状態における遊技は、2回開放遊技とも称される。2R大当り状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた所定の入賞球装置において、大入賞口となる所定の入賞口を閉鎖状態から開放状態とすることなどにより、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間又は第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
小当り遊技状態では、2R大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が、第2回数(第2ラウンド数に等しい実行回数)に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、2R大当り状態と同様に、特別可変入賞球装置7を第1状態とする期間が第2期間となることと、第1状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。可変入賞動作により特別可変入賞球装置7を第1状態とする回数が「2」である小当り遊技状態における遊技は、2R大当り状態における遊技と同様に、2回開放遊技とも称される。なお、2R大当り状態における各ラウンドで特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた入賞球装置を第1状態に変化させる場合には、小当り遊技状態でも、2R大当り状態と同様の態様で、その入賞球装置を第1状態に変化させるようにすればよい。
さらに、大当り種別が「突確」となる場合や可変表示結果が「小当り」となる場合に代えて、あるいは、これらの場合に加えて、「突然時短」や「突然通常」となる場合を設けるようにしてもよい。一例として、「突然時短」と「突然通常」は、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別に含まれるものとする。この場合、大当り種別決定テーブル131は、変動特図指定バッファ値(例えば図20のステップS234、S238を参照)に応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)を、「突確」や「突然時短」、「突然通常」の大当り種別に割り当てるテーブルデータが含まれるように構成されればよい。そして、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突然時短」となるときには、大当り種別が「突確」の場合と同様にして2R大当り状態に制御され、2R大当り状態が終了した後には、大当り種別が「突確」の場合とは異なり時短状態(低確高ベース状態)に制御される。他方、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突然通常」となるときには、大当り種別が「突確」の場合と同様にして2R大当り状態に制御され、2R大当り状態が終了した後には、大当り種別が「突確」の場合とは異なり通常状態(低確低ベース状態)に制御される。これにより、2R大当り状態の終了後に制御される遊技状態に対する遊技者の期待感を高め、遊技興趣を向上させることができる。
このような「突然時短」や「突然通常」を設ける場合には、「突然時短」及び「突然通常」以外である場合とは異なる変動パターン種別や変動パターンに決定するようにしてもよい。これにより、大当り種別が「突然時短」や「突然通常」であることにより2R大当り状態に制御されるにもかかわらず、上記実施の形態における大当り遊技状態に制御される場合と同様の演出動作が行われて遊技者に不信感を与えてしまうことを防止できる。また、大当り種別が「突然時短」や「突然通常」となる場合には、可変表示結果が「小当り」となる場合、あるいは、大当り種別が「突確」となる場合と、共通の変動パターン種別に決定可能としてもよい。これにより、変動パターンを決定する際には、大当り種別が「突然時短」や「突然通常」となる場合であるか、可変表示結果が「小当り」となる場合あるいは大当り種別が「突確」となる場合であるかにかかわらず、共通の変動パターン決定テーブルを用いることができ、データ容量の削減を図ることができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。