JP2013144111A - 超音波プローブ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電層と接触する面に電極が形成されて伝導性を提供する整合層を含む超音波プローブ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る超音波プローブの製造方法は、整合層の一面にカーフを形成し、カーフが形成された面及びその反対面のいずれか一面に電極を形成し、電極が形成された面を圧電層に設置することを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波を用いて対象体の内部の映像を生成するための超音波プローブおよびその製造方法に関する。
超音波診断装置は、対象体の体表から体内のターゲット部位に向かって超音波信号を照射し、反射された超音波信号(超音波エコー信号)の情報を用いて軟部組織の断層や血流に関するイメージを無侵襲で得る装置である。
超音波診断装置は、X線診断装置、X線CTスキャナ(Computerized Tomography Scanner)、MRI(Magnetic Resonance Image)、核医学診断装置などの他の映像診断装置に比べて、小型且つ安価で、リアルタイムで表示可能であり、放射線などの被曝がなく安全性が高いという長所があるので、心臓、腹部、泌尿器、および産婦人科の診断のために広く用いられている。
超音波診断装置は、対象体の超音波映像を得るために、超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射してくる超音波エコー信号を受信するためのプローブを含む。
超音波プローブは、圧電物質が振動しながら、電気信号と音響信号とを相互変換させる圧電層と、圧電層から発生した超音波が対象体に最大限に伝達されるように、圧電層と対象体との間の音響インピーダンス差を減少させる整合層と、圧電層の前方に進行する超音波を特定の地点に集束させるレンズと、超音波が圧電層の後方に進行することを遮断させて、映像の歪みを防止する吸音層とを含む。
本発明の一側面は、圧電層と接触する面に電極が形成されて伝導性を提供する整合層を含む超音波プローブ及びその製造方法を提供する。
本発明の一側面に係る超音波プローブは、圧電層と、前記圧電層の前面に位置し、前記圧電層が設置される面に電極が形成された整合層と、を含むことを特徴とする。
また、前記圧電層は、1次元アレイ及び2次元アレイのいずれか一つの形状に加工され、前記整合層は、前記圧電層と同一のアレイの形状に加工されることができる。
また、前記整合層の前記アレイを構成するそれぞれのエレメント間の間隔は、前記圧電層の前記アレイを構成するそれぞれのエレメント間の間隔と同一であってもよい。
また、前記整合層は、少なくとも一層で形成することができる。
本発明の一側面に係る超音波プローブの製造方法は、整合層の一面にカーフを形成し、前記カーフが形成された面及びその反対面のいずれか一面に電極を形成し、前記整合層の前記電極が形成された前記面を圧電層に設置することを含むことを特徴とする。
また、前記整合層の一面にカーフを形成することは、前記整合層を1次元アレイ及び2次元アレイのいずれか一つの形状に加工するために、前記整合層の前記一面に前記カーフを形成するものであってもよい。
また、前記圧電層は、前記整合層に形成された前記カーフと同一のパターンのカーフが形成されて、1次元アレイ及び2次元アレイのいずれか一つの形状に加工されることができる。
また、前記整合層は、少なくとも一層で形成することができる。
また、前記電極を形成することは、前記カーフを材料で充填し、前記カーフに充填した前記材料が露出するように、前記カーフが形成された前記面の前記反対面を横方向にカッティングすることを含むことができる。
超音波が放射される方向に、印刷回路基板などが存在せず、整合層のみ存在するので、より効率的な超音波放射が可能である。
本発明の一実施例に係る超音波プローブの製造過程を示す図である。 本発明の一実施例に係る超音波プローブに接地FPCBが連結されることを示す図である。 図1の(d)における整合層の斜視図である。 本発明の他の実施例に係る超音波プローブの製造過程を示す図である。 図4の(c)における整合層の斜視図である。 本発明の更に他の実施例に係る超音波プローブの製造過程を示す図である。 図6の(c)における整合層の斜視図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施例に係る超音波プローブ及びその製造方法を詳細に説明する。
本発明の一実施例に係る超音波プローブは、圧電層20と、圧電層20の前面(図における上面)に設置される整合層10と、圧電層20の後面(図における下面)に設置される吸音層30とを含む(例えば、図1(f)参照)。
所定の物質に機械的な圧力が加わると電圧が発生し、電圧が印加されると機械的な変形が起こる効果を圧電効果及び逆圧電効果といい、このような効果を有する物質を圧電物質という。
すなわち、圧電物質は、電気エネルギーを機械的な振動エネルギーに、機械的な振動エネルギーを電気エネルギーに変換させる物質である。
本発明の一実施例に係る超音波プローブは、電気的信号が印加されると、これを機械的な振動に変換して超音波を発生させる圧電物質からなる圧電層20を含む。
圧電層20を構成する圧電物質は、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)などのセラミック、マグネシウムニオブ酸鉛及びチタン酸鉛などの固溶体で作られるPZMT単結晶、または亜鉛ニオブ酸鉛及びチタン酸鉛などの固溶体で作られるPZNT単結晶などを含むことができる。
また、圧電層20は、断層構造または多層の積層構造に配列してもよい。
一般に、積層構造の圧電層20は、インピーダンスと電圧を調節するのがより容易であるので、良い感度とエネルギー変換効率、そして軟らかいスペクトルを得ることができるという長所がある。
また、圧電層20の前後面には、電気的信号が印加され得る電極を形成することができる。前後面に電極を形成する場合、前後面に形成した電極のいずれか一つは接地電極であり、残りの一つは信号電極であってもよい。
整合層10は、圧電層20の前面に設置される。整合層10は、圧電層20と対象体の音響インピーダンス差を減少させて、圧電層20と対象体の音響インピーダンスを整合させることにより、圧電層20から発生した超音波が対象体に効率的に伝達されるようにする。
そのために、整合層10は、圧電層20の音響インピーダンスと対象体の音響インピーダンスとの中間値を有するように備えることができる。
整合層10は、ガラスまたは樹脂材質で形成することができる。また、整合層10は、音響インピーダンスが、圧電層20から対象体に向かって段階的に変化することができるように、複数の整合層10で構成することができ、複数の整合層10の材質が互いに異なるように構成することができる。
本発明の一実施例に係る整合層10は、圧電層20と接触する面に電極が形成され、これについては図面を参照して後述する。
圧電層20と整合層10は、ダイシング(dicing)工程によりマトリックス状の2次元アレイの形状に加工することができ(例えば、図3、5等参照)、1次元アレイの形状に加工してもよい。
図示してはいないが、整合層10の前面には保護層を設置することができる。保護層は、圧電層20から発生し得る高周波成分の外部流出を防止し、外部の高周波信号の流入を遮断することができるRF Shieldであってもよい。
また、保護層は、耐湿性及び耐化学性を有するフィルムの表面に伝導性物質をコーティングしたり蒸着することにより、水及び消毒などに用いる薬品から内部部品を保護することができるC/S filmであってもよい。
図示してはいないが、保護層の前面にはレンズを設置することができる。レンズは、超音波を集束させるために超音波の放射方向に膨らんだ形状を有することができ、音速が人体での速度より速い場合には凹んだ形状で具現してもよい。
吸音層30は、圧電層20の後面に設置され(例えば、図1(f)参照)、圧電層20から発生して後方へ進行する超音波を吸収及び散乱して消滅させる。したがって、映像の歪みが発生することを防止できる。
吸音層30は、超音波の減衰または遮断効果を向上させるために、複数の層で作製することができる。
圧電層20と接触する吸音層30の前面または吸音層30の内部には、圧電層20に電気的信号を印加するための電極を形成することができる。
図1は、本発明の一実施例に係る超音波プローブの製造過程を示す図で、図2は、本発明の一実施例に係る超音波プローブに接地FPCBが連結されることを示す図で、図3は、図1の(d)における整合層の斜視図である。
図1に示すように、まず、整合層10として使用される材料の一面にカーフ(kerf)11を形成する(図1(b))。
カーフ11は、ダイシング工程により形成することができ、カーフ11の形成により、整合層10は、1次元アレイまたは2次元アレイの形状に加工され得る。整合層10に形成されたカーフ11は、その幅が、整合層10と同一のアレイの形状に加工される圧電層20のカーフ22の幅と同一に形成される。
図1(b)に示すように、整合層10にカーフ11が形成されると、カーフ11に材料12を充填する(図1(c))。
カーフ11は、超音波プローブのカーフ11を充填する用途として一般的に用いられる公知の材料12で充填されることができる。
図1(c)に示すように、カーフ11を充填すると、カーフ11が形成された面の反対面を、図1(c)示した点線に沿って横方向にカッティング(cutting)する(図1(d))。
ここで、横方向は、xy平面と平行な方向をいう。図面では、カーフ11が形成された面の反対面を横方向にカッティングしたが、これは一実施例に過ぎず、図1の(d)のような形状に加工できれば、カッティングの回数やカッティングされる面には制限がない。
図3は、カーフ11が形成された面の反対面をカッティングした整合層10の斜視図である。図3を参照すると、整合層10は、カーフ11を充填した材料を境界として、マトリックス状の2次元アレイに配列されていることがわかる。2次元アレイは一例であり、圧電層20が1次元アレイの形状に加工されると、整合層10も1次元アレイの形状に加工され得る。
カッティング方法としては、切削やグラインディング(grinding)等の公知の様々な方法を適用することができる。
カーフ11が形成された面の反対面をカッティングして、図1の(d)及び図3に示したように整合層10を加工すると、整合層10の前後面のうち少なくとも一面に電極13を形成する(図1(e))。
図1(e)は、整合層10の後面に電極13が形成されたことを示している。後面だけでなく、後面から側面に延びて前面にまで電極が形成されることができる。電極13は、伝導性物質を整合層10の前面または後面にコーティングしたり、蒸着して形成することができる。本発明の一実施例では、スパッタリング(sputtering)により整合層10の後面に電極13を形成している。
図1は、単一層で形成された整合層10を例に挙げて説明しているが、2以上の層を含むことができることは勿論である。
前述した過程により一面に電極13が形成された整合層10を、電極13と圧電層20が接するように、圧電層20に設置する(図1(f))。
圧電層20は、その後面に吸音層30が設置されて、1次元アレイまたは2次元アレイの形状に加工された状態であってもよい。図1(f)に示すように、整合層10と圧電層20は同一の形状のアレイに加工され、カーフ11,22の間隔も同一に加工されるので、整合層10と圧電層20のエレメントは、1対1に対応する。
圧電層20と接触する吸音層30の前面には電極が形成され、この電極を信号電極として利用して、圧電層アレイを構成するエレメントに電気的信号が印加されることができる。また、吸音層30の内部には、吸音層30の前面から後面まで貫通する電極が形成され、この電極を信号電極として利用して、同様に圧電層アレイを構成するエレメントに電気的信号が印加されることができる。しかし、これに限定されず、公知の様々な方法で圧電層20に電気的信号を印加する信号電極を形成できることは勿論である。
本発明の一実施例に係る超音波プローブは、整合層10の後面に形成された電極13を接地電極として利用できる。
図2は、整合層10に形成された電極13を接地させる様々な実施例を示している。図1に示したように、整合層10の後面に電極13が形成された場合には、図2(a)に示すように、整合層10の後面に形成された電極13にFPCB40を連結して電極13を接地させることができる。
また、整合層10の後面から側面に延びて前面にまで電極13が形成された場合、すなわち、整合層10全体を覆うようにして電極13が形成された場合には、整合層10の前面に形成された電極13にFPCB40を連結して電極13を接地させることができる(図2(b)参照)。
また、整合層10の後面に形成された電極13に連結される電極13を、圧電層20と吸音層30の側面に形成し、このように圧電層20と吸音層30の側面に形成された電極13にFPCB40を連結して電極13を接地させることもできる(図2(c)参照)。
前述のような方式で整合層10に形成された電極13を接地させることができるが、これに限定されず、様々な変形例が実施可能であることは勿論である。以下に説明する本発明の他の実施例においても、前述のような様々な方法で整合層10に形成された電極13を接地させることができる。
このように、整合層10の後面に形成された電極13と、前述したように吸音層30に形成され得る電極により、圧電層アレイを構成するそれぞれのエレメントに電気的信号を印加することができる。
図4は、本発明の他の実施例に係る超音波プローブの製造過程を示す図で、図5は、図4の(c)における整合層の斜視図である。
整合層10にカーフ11を形成する過程(図4(a)、(b))までは、図1と同様である。
整合層10にカーフ11が形成されると、カーフ11を充填せずに、カーフ11が形成された面に電極15を形成する(図4(c))。
電極15は、伝導性物質をカーフ11が形成された面にコーティングしたり、蒸着して形成することができる。本発明の一実施例では、スパッタリング(sputtering)により、カーフ11が形成された面に電極15を形成する。図5は、カーフ11が形成された面に電極15が形成された整合層10を示す斜視図である。図5を参照すると、マトリックス状の2次元アレイに配列された整合層10の面に全て電極15が形成されたことがわかる。2次元アレイは一例であり、圧電層20が1次元アレイの形状に加工されると、整合層10も1次元アレイの形状に加工され得る。
前述した過程により電極15が形成された整合層10を、カーフ11が形成された面が圧電層20に向かうようにして、圧電層20の前面に設置する(図4(d))。図4(d)に示すように、整合層10と圧電層20は同一の形状のアレイに加工され、カーフ11、22の間隔も同一に加工されるので、整合層10と圧電層20のエレメントは、1対1に対応する。
図1と同様に、本発明の他の実施例に係る超音波プローブは、整合層10の電極15を接地電極として用いることができる。信号電極に関する説明は、図1と同一であるので省略する。
図6は、本発明の更に他の実施例に係る超音波プローブの製造過程を示す図で、図7は、図6の(c)における整合層の斜視図である。
整合層10にカーフ11を形成する過程(図6(a)、(b))までは、図1と同様である。
整合層10にカーフ11が形成されると、カーフ11が形成された面の反対面に電極16を形成する(図6(c))。
電極16は、伝導性物質をカーフ11が形成された面の反対面にコーティングしたり、蒸着して形成することができる。本発明の一実施例では、スパッタリング(sputtering)により、カーフ11が形成された面の反対面に電極16を形成する。図7は、カーフ11が形成された面の反対面に電極16が形成された整合層10を示す斜視図である。
前述した過程により電極16が形成された整合層10を、電極16と圧電層20とが接するように、圧電層20に設置する(図6(d))。図6(d)に示すように、整合層10と圧電層20は同一の形状のアレイに加工され、カーフ11の間隔も同一に加工されるので、整合層10と圧電層20のエレメントは、1対1に対応する。
図1と同様に、本発明の更に他の実施例に係る超音波プローブは、整合層10の電極16を接地電極として用いることができる。信号電極に関する説明は、図1と同一であるので省略する。
10 整合層
11 カーフ
12 材料
13、15、16 電極
20 圧電層
22 カーフ
30 吸音層
40 FPCB

Claims (9)

  1. 圧電層と、
    前記圧電層の前面に位置し、前記圧電層が設置される面に電極が形成された整合層と、を含む、超音波プローブ。
  2. 前記圧電層は、1次元アレイ及び2次元アレイのいずれか一つの形状に加工され、
    前記整合層は、前記圧電層と同一のアレイの形状に加工される、請求項1に記載の超音波プローブ。
  3. 前記整合層の前記アレイを構成するそれぞれのエレメント間の間隔は、前記圧電層の前記アレイを構成するそれぞれのエレメント間の間隔と同一である、請求項2に記載の超音波プローブ。
  4. 前記整合層は、少なくとも一層で形成される、請求項1ないし3のいずれかに記載の超音波プローブ。
  5. 整合層の一面にカーフを形成し、
    前記カーフが形成された面及びその反対面のいずれか一面に電極を形成し、
    前記整合層の前記電極が形成された前記面を圧電層に設置することを含む、超音波プローブの製造方法。
  6. 前記整合層の一面にカーフを形成することは、
    前記整合層を1次元アレイ及び2次元アレイのいずれか一つの形状に加工するために、前記整合層の前記一面に前記カーフを形成するものである、請求項5に記載の超音波プローブの製造方法。
  7. 前記圧電層は、前記整合層に形成された前記カーフと同一のパターンのカーフが形成されて、1次元アレイ及び2次元アレイのいずれか一つの形状に加工された、請求項5または6に記載の超音波プローブの製造方法。
  8. 前記整合層は、少なくとも一層で形成される、請求項5ないし7のいずれかに記載の超音波プローブの製造方法。
  9. 前記電極を形成することは、
    前記カーフを材料で充填し、
    前記カーフに充填した前記材料が露出するように、前記カーフが形成された前記面の前記反対面を横方向にカッティングすることを含む、請求項5ないし8のいずれかに記載の超音波プローブの製造方法。
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