JP2013143671A - 無線基地局装置、通信制御方法および通信制御プログラム - Google Patents

無線基地局装置、通信制御方法および通信制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ハンドオーバに伴うパケットの伝送遅延の増大を抑制し、通信の安定化を図ることが可能な無線基地局装置、通信制御方法および通信制御プログラムを提供する。
【解決手段】無線基地局装置101は、自己の無線基地局装置から他の無線基地局装置への無線端末装置202のハンドオーバ動作の発生を予測するためのハンドオーバ予測部21と、上位ネットワークから受信したパケットのうち、ハンドオーバ予測部21によってハンドオーバ動作の発生を予測された無線端末装置202を宛先とするパケットである対象パケットを優先的に上記無線端末装置202へ送信するための送信制御部14とを備える。
【選択図】図15

Description

本発明は、無線基地局装置、通信制御方法および通信制御プログラムに関し、特に、無線端末装置がハンドオーバ動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な通信システムにおける無線基地局装置、通信制御方法および通信制御プログラムに関する。
従来、移動通信システムでは、半径数百メートルから数十キロメートルのセルすなわち無線端末装置が通信可能なエリアを形成する無線基地局装置(以下、マクロ基地局とも称する。)による通信サービスが提供されてきた。
近年、移動通信サービスの加入者数の劇的な増加およびデータ通信による通信トラヒック量の増大から、より半径の小さいセルを形成することによって加入者および通信トラヒックを分散し、また、一定レベルの通信速度をユーザへ安定して提供することが望まれている。また、ビルの超高層化に伴う不感地対策のため、企業フロア内および一般家庭内への無線基地局装置の設置も望まれている。
これらの要望と併せて、無線基地局装置で使用される種々のデバイスの処理能力が飛躍的に向上したことによって無線基地局装置の小型化が進み、このような小型化された基地局が注目を集めている。
この小型基地局(以下、フェムト基地局とも称する。)が形成するフェムトセル(Femto Cell)の半径は10メートル前後と小さいため、フェムト基地局は、マクロ基地局が形成するマクロセル(Macro Cell)の圏外となりマクロ基地局の設置が困難な屋内および地下街等の場所で使用されることが考えられる。
また、フェムト基地局は特定のエリアに多数設置されることから、フェムト基地局を直接コアネットワークに接続することは難しい。このため、特定のエリアに設置された多数のフェムト基地局を一旦、HeNB−GW等のゲートウェイ装置に接続し、フェムト基地局とコアネットワークとをHeNB−GW経由で接続することが考えられる。
また、フェムト基地局に加えて、マクロ基地局をベースに、たとえば半径100メートルから200メートルのピコセルを形成するピコ基地局も開発されている。
このようなフェムト基地局、ピコ基地局およびマクロ基地局が混在する通信システムであるヘテロジーニアスネットワークでは、たとえばマクロセル内に複数のフェムトセルまたはピコセルが形成される。このため、無線端末装置のハンドオーバが起こりやすくなる。
ここで、無線端末装置のハンドオーバ中に上位ネットワークからハンドオーバ元の無線基地局装置に到着した当該無線端末装置宛の下りパケットを、当該ハンドオーバ元の無線基地局装置がハンドオーバ先の無線基地局装置へ転送するデータフォワーディングを行なう構成が、3GPP TS 36.300 V10.5.0 2011.10(非特許文献1)に開示されている。
3GPP TS 36.300 V10.5.0 2011.10
無線端末装置のハンドオーバが行なわれると、たとえば、ハンドオーバ元の無線基地局装置において蓄積されている当該無線端末装置宛のパケットが廃棄される場合があり、再送処理等によってパケットの伝送遅延時間が増大してしまう。
また、非特許文献1に記載されるようなデータフォワーディングを行なう場合、パケットの伝送遅延時間は、転送に要する時間分長くなる。特に、フェムト基地局においてデータフォワーディングが行なわれる場合には、上位ネットワークおよびフェムト基地局間をパケットが一般回線経由で往復することになるため、パケットの伝送遅延時間が大幅に増大してしまい、QCI(Quality of Service Class Identifier)等で定義されるパケットの許容遅延時間を超えてしまう可能性がある。このような伝送遅延の増大を抑制し、良好な通信システムを構築する技術が望まれる。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、ハンドオーバに伴うパケットの伝送遅延の増大を抑制し、通信の安定化を図ることが可能な無線基地局装置、通信制御方法および通信制御プログラムを提供することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる無線基地局装置は、無線端末装置がハンドオーバ動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な通信システムにおいて、無線端末装置との間で無線信号を送受信するための無線基地局装置であって、自己の無線基地局装置から他の無線基地局装置への無線端末装置のハンドオーバ動作の発生を予測するためのハンドオーバ予測部と、上位ネットワークから受信したパケットのうち、上記ハンドオーバ予測部によってハンドオーバ動作の発生を予測された上記無線端末装置を宛先とするパケットである対象パケットを優先的に上記無線端末装置へ送信するための送信制御部とを備える。
このように、無線基地局装置から無線端末装置へのパケット送信において、ハンドオーバ動作の発生を予測し、予測された無線端末装置宛のパケットを優先的に送信する構成により、ハンドオーバ元の無線基地局装置において蓄積されている当該無線端末装置宛のパケットの廃棄を防ぎ、再送処理等によるパケットの伝送遅延時間の増大を抑制することができる。したがって、ハンドオーバに伴うパケットの伝送遅延の増大を抑制し、通信の安定化を図ることができる。
(2)好ましくは、上記無線基地局装置は、さらに、自己の無線基地局装置から他の無線基地局装置への無線端末装置のハンドオーバ動作が実行される際、上位ネットワークから受信した上記無線端末装置宛のパケットを上記他の無線基地局装置へ転送する転送動作を行なうための転送制御部を備える。
このように、転送動作すなわちデータフォワーディングを行なうことが可能な通信システムにおいて、自己から他の無線基地局装置へ転送されるパケットの蓄積量を少なくすることができるため、データフォワーディングによるパケットの伝送遅延の影響を、無線基地局装置におけるパケット送信の優先制御によって軽減することができる。
(3)好ましくは、上記ハンドオーバ予測部は、自己の無線基地局装置が他の無線基地局装置へハンドオーバ要求を送信した場合、上記ハンドオーバ動作が発生すると判断する。
このように、ハンドオーバ要求の送信を判断基準とする構成により、ハンドオーバ動作の発生をより正確に判断することができる。
(4)好ましくは、上記ハンドオーバ予測部は、自己の無線基地局装置が他の無線基地局装置へハンドオーバ要求を送信し、上記ハンドオーバ要求に対する応答を上記他の無線基地局装置から受信した場合、上記ハンドオーバ動作が発生すると判断する。
このように、ハンドオーバ要求に対する応答を判断基準とする構成により、ハンドオーバ動作の発生をより正確に判断することができる。
(5)好ましくは、上記ハンドオーバ予測部は、無線端末装置における電波環境が所定条件を満たしたことによって上記無線端末装置が送信する、無線基地局装置からの無線信号の上記無線端末装置における受信電力を示す受信電力情報を、自己の無線基地局装置が受信した場合、上記無線端末装置の上記ハンドオーバ動作が発生すると判断する。
このように、無線端末装置における電波環境が所定条件を満たしたか否かを判断基準とする構成により、ハンドオーバ動作の発生をより正確に判断することができる。
(6)好ましくは、上記ハンドオーバ予測部は、無線端末装置における電波環境が、自己の無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力が所定の閾値未満である状態、および自己の無線基地局装置から送信される無線信号の受信品質が悪い状態の少なくとも一方になった場合、上記無線端末装置の上記ハンドオーバ動作が発生すると判断する。
このように、無線端末装置における電波環境の劣化を判断基準とする構成により、ハンドオーバ動作の発生をより正確に判断することができる。
(7)より好ましくは、上記ハンドオーバ予測部は、無線基地局装置からの無線信号の無線端末装置における受信電力を示す受信電力情報よりも短い周期で更新され、上記無線端末装置における自己の無線基地局装置からの無線信号の受信品質を示す受信品質情報を取得し、上記受信品質情報の示す受信品質が悪い場合、上記無線端末装置の上記ハンドオーバ動作が発生すると判断する。
このように、受信電力情報よりも更新周期の短い受信品質情報を判断基準とする構成により、急激な電波環境の変化に追従することが可能となるため、対象パケットの優先送信を迅速に行なうことができる。
(8)好ましくは、上記ハンドオーバ予測部は、無線端末装置における電波環境が、自己の無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力と他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力との差が小さい状態、および自己の無線基地局装置から送信される無線信号の受信品質と他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信品質との差が小さい状態の少なくとも一方になった場合、上記無線端末装置の上記ハンドオーバ動作が発生すると判断する。
このように、無線端末装置における自己の基地局および周辺基地局からの無線信号の受信電力差を判断基準とする構成により、ハンドオーバ動作の発生をより正確に判断することができる。
(9)好ましくは、上記ハンドオーバ予測部は、無線端末装置における電波環境が、他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力が所定の閾値以上である状態、および他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信品質が良い状態の少なくとも一方になった場合、上記無線端末装置の上記ハンドオーバ動作が発生すると判断する。
このように、無線端末装置における周辺基地局からの無線信号の受信状態が良好になったことを判断基準とする構成により、ハンドオーバ動作の発生をより正確に判断することができる。
(10)好ましくは、上記送信制御部は、上記対象パケットの宛先の無線端末装置における電波環境が所定条件を満たす場合には、上記対象パケットの優先送信を停止するか、または上記対象パケットの送信を停止する。
このように、電波環境が悪化した無線端末装置宛の対象パケットの優先的な送信を少なくとも停止する構成により、パケット送信に必要な無線基地局装置におけるリソースの無駄な消費を抑制することができる。
(11)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる通信制御方法は、無線端末装置がハンドオーバ動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な通信システムにおいて、無線端末装置との間で無線信号を送受信するための無線基地局装置における通信制御方法であって、自己の無線基地局装置から他の無線基地局装置への無線端末装置のハンドオーバ動作の発生を予測するステップと、上位ネットワークから受信したパケットのうち、ハンドオーバ動作の発生を予測された上記無線端末装置を宛先とするパケットである対象パケットを優先的に上記無線端末装置へ送信するステップとを含む。
このように、無線基地局装置から無線端末装置へのパケット送信において、ハンドオーバ動作の発生を予測し、予測された無線端末装置宛のパケットを優先的に送信する構成により、ハンドオーバ元の無線基地局装置において蓄積されている当該無線端末装置宛のパケットの廃棄を防ぎ、再送処理等によるパケットの伝送遅延時間の増大を抑制することができる。したがって、ハンドオーバに伴うパケットの伝送遅延の増大を抑制し、通信の安定化を図ることができる。
(12)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる通信制御プログラムは、無線端末装置がハンドオーバ動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な通信システムにおいて、無線端末装置との間で無線信号を送受信するための無線基地局装置において用いられる通信制御プログラムであって、コンピュータに、自己の無線基地局装置から他の無線基地局装置への無線端末装置のハンドオーバ動作の発生を予測するステップと、上位ネットワークから受信したパケットのうち、ハンドオーバ動作の発生を予測された上記無線端末装置を宛先とするパケットである対象パケットを優先的に上記無線端末装置へ送信するステップとを実行させるためのプログラムである。
このように、無線基地局装置から無線端末装置へのパケット送信において、ハンドオーバ動作の発生を予測し、予測された無線端末装置宛のパケットを優先的に送信する構成により、ハンドオーバ元の無線基地局装置において蓄積されている当該無線端末装置宛のパケットの廃棄を防ぎ、再送処理等によるパケットの伝送遅延時間の増大を抑制することができる。したがって、ハンドオーバに伴うパケットの伝送遅延の増大を抑制し、通信の安定化を図ることができる。
本発明によれば、ハンドオーバに伴うパケットの伝送遅延の増大を抑制し、通信の安定化を図ることができる。
本発明の実施の形態に係る通信システムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る通信システムにおいてハンドオーバ動作が行なわれる状況の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る通信システムにおけるハンドオーバ動作およびデータフォワーディング動作のシーケンスの一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る通信システムにおけるハンドオーバ動作およびデータフォワーディング動作のシーケンスの一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る通信システムにおけるハンドオーバ動作中の下りパケットの流れを示す図である。 図4に示すハンドオーバ動作およびデータフォワーディング動作のシーケンスを概略的に示す図である。 ハンドオーバ準備時間を説明するための図である。 ハンドオーバ実行時間を説明するための図である。 データフォワーディングによるパケットの遅延時間を説明するための図である。 パス切り替え時間を説明するための図である。 ターゲット基地局における転送パケットの処理を説明するための図である。 フェムト基地局においてデータフォワーディングが行なわれる場合のパケットの伝送経路を示す図である。 QCIの具体的な内容を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線基地局装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線基地局装置におけるネットワーク処理部および制御部の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る通信システムにおけるパケットの伝送経路を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線基地局装置におけるパケット送信の優先制御を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線基地局装置におけるパケット送信の優先制御を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線基地局装置の通信プロトコルにおける各レイヤ、およびレイヤ間でやり取りされる情報を示す図である。 MACスケジューラによるパケットの優先制御の具体例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線基地局装置がパケットの優先制御を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
無線基地局装置は、自らの形成するセルおよび周辺セルについての情報、すなわち無線信号の周波数および周辺セルのID(identification)等を無線端末装置に通知する。無線端末装置は、無線基地局装置から通知された情報に基づいて、周辺セルの検出および測定を行なう。無線端末装置は、この測定結果に基づいて、周辺セルへの移動を開始する。ここで、無線端末装置の「移動」とは、ハンドオーバを意味することに加えて、アイドル状態の無線端末装置が今後通信を開始する、すなわち通話またはデータ通信を開始する際にどのセルを介して通信を行なうかを選択することを意味する。
たとえば、無線端末装置が無線基地局装置と通信しているときには、無線端末装置の移動先は無線基地局装置またはコアネットワークにおける上位装置が決定する。また、たとえば、無線端末装置が無線基地局装置と通信していないときには、無線端末装置の移動先は無線端末装置が決定する。
また、ハンドオーバとは、通話中またはデータ通信中の無線端末装置の通信相手となる無線基地局装置が切り替えられることを意味する。
また、無線端末装置がセルに在圏している、とは、無線端末装置が、当該セルを形成する無線基地局装置を通信先として選択し、かつ当該無線基地局装置と通信可能な状態または通信中である状態を意味する。
フェムトセルおよびアクセスモードは、3GPP(Third Generation Partnership Project) SPEC TS22.220において以下のように説明されている。すなわち、フェムト基地局は、無線インタフェースを介して接続されている無線端末装置を、IPバックホール(backhaul)を用いて、移動通信事業者網に接続する顧客構内装置である。
また、フェムトセルのアクセスモードにおいて、クローズドアクセスモードのフェムト基地局は、関連するCSG(Closed Subscriber Group)メンバーにのみサービスを提供する。また、ハイブリッドモードのフェムト基地局は、関連するCSGメンバーおよびCSGノンメンバーにサービスを提供する。また、オープンアクセスモードのフェムト基地局は、通常の基地局として動作する。
本発明の実施の形態に係る通信システムにおいても、このような3GPPの定義を適用してもよい。
また、上記定義と合わせて、あるいは別個に、以下のような定義を適用することも可能である。
マクロ基地局およびピコ基地局は、事業者の管理下にあり、事業者と契約している無線基地局装置が通信可能な無線基地局装置である。また、マクロ基地局およびピコ基地局は、基本的に電源がオフになることはないと考えられる。
また、フェムト基地局は、主に個人または法人の建物内に設置され、ユーザの事情により移動するまたは電源がオフとなる可能性がある無線基地局装置である。
また、フェムト基地局は、オープン/ハイブリッド/クローズドのいずれかのアクセスモードで動作する。フェムト基地局は、クローズドアクセスモードで動作する場合には、登録済みのメンバー(端末)のみ接続可能となる。また、クローズドアクセスモードで動作する場合には、登録済みのメンバーにのみサービスを提供する。また、ハイブリッドモードで動作する場合には、登録済みのメンバー、および未登録のメンバーすなわちノンメンバーの両方にサービスを提供する。また、オープンアクセスモードで動作する場合には、マクロ基地局およびピコ基地局と同じ動作をする。
[構成および基本動作]
図1は、本発明の実施の形態に係る通信システムの構成を示す図である。
図1を参照して、通信システム401は、たとえば3GPPで規格化されたLTE(Long Term Evolution)に従う移動体通信システムであり、無線基地局装置101A,101Bを備える。図1では、2つの無線基地局装置を代表的に示しているが、さらに多数の無線基地局装置が設けられてもよい。通信システム401は、さらに、コアネットワーク301に設けられたS−GW(Serving Gateway)161と、MME(Mobility Management Entity)162と、P−GW(Packet Data Network Gateway)163とを含む。
無線端末装置202は、無線基地局装置101Aまたは無線基地局装置101Bと、S−GW161と、P−GW163と、ルータ171〜173とを介してIP網302におけるサーバ174と通信コネクションを確立し、たとえばIP(Internet Protocol)パケットを含む通信データを送受信する。IP網302では、経由するルータの数に応じてIPパケットの伝送遅延時間が増大する。
より詳細には、無線基地局装置101A,101Bは、無線信号を無線端末装置202と送受信することにより、無線端末装置202との通信を行なう。
S−GW161は、無線基地局装置101A,101BとIP網302との間に接続されている。S−GW161は、無線基地局装置101A,101B経由で無線端末装置202から受信した通信データをP−GW163経由でIP網302へ送信するとともに、IP網302におけるサーバ174からルータ171〜173およびP−GW163経由で受信した通信データを無線基地局装置101A,101B経由で無線端末装置202へ送信する。
MME162は、通信システム401における無線基地局装置101A,101B、および無線端末装置202等を管理する。MME162は、無線基地局装置101A,101Bとの間で制御メッセージを送受信する。
無線基地局装置101A,101Bは、S−GW161およびP−GW163を介してIP網302との間で通信データを送受信する。
無線基地局装置101A,101BおよびS−GW161は、論理的なインタフェースであるS1−Uインタフェースに従う通信データを互いに送受信することにより、S1−Uインタフェース経由で種々の情報を互いにやり取りする。
無線基地局装置101A,101BおよびMME162は、点線で示すように、論理的なインタフェースであるS1−MMEインタフェースに従う通信データを互いに送受信することにより、S1−MMEインタフェース経由で種々の情報を互いにやり取りする。
MME162およびS−GW161は、論理的なインタフェースであるS11インタフェースに従う通信データを互いに送受信することにより、S11インタフェース経由で種々の情報を互いにやり取りする。
S−GW161およびP−GW163は、論理的なインタフェースであるS5インタフェースに従う通信データを互いに送受信することにより、S5インタフェース経由で種々の情報を互いにやり取りする。
図2は、本発明の実施の形態に係る通信システムにおいてハンドオーバ動作が行なわれる状況の一例を示す図である。
図2を参照して、無線基地局装置101A,101Bは、たとえばフェムト基地局、ピコ基地局またはマクロ基地局である。
無線基地局装置101Aは、セルCAを形成し、セルCA内に存在する無線端末装置202と無線信号を送受信することにより、当該無線端末装置202と通信することが可能である。無線基地局装置101Bは、セルCBを形成し、セルCB内に存在する無線端末装置202と無線信号を送受信することにより、当該無線端末装置202と通信することが可能である。
ここで、無線端末装置202からコアネットワーク301への方向を上り方向と称し、コアネットワーク301から無線端末装置202への方向を下り方向と称する。
また、無線端末装置202と通信中の無線基地局装置またはハンドオーバ元の無線基地局装置をサービング基地局とも称し、ハンドオーバ先の無線基地局装置をターゲット基地局とも称する。以下、無線基地局装置101Aがサービング基地局であり、無線基地局装置101Bがターゲット基地局である場合について説明する。
本発明の実施の形態に係る通信システムにおける無線基地局装置および無線端末装置は、以下の各シーケンスの各ステップを含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。このインストールされるプログラムは、たとえば記録媒体に格納された状態で流通する。
本発明の実施の形態に係る通信システムでは、ハンドオーバ動作の実行判断に電力測定処理(Measurement)を利用する。この電力測定処理は、たとえば3GPPでは、レイヤ3スタックのRRC(Radio Resource Control)に対応する。
電力測定処理には、たとえば、周期的電力測定処理(Periodic Measurement)およびイベント起動電力測定処理(Event Triggered Measurement)の2種類がある。イベント起動電力測定処理における測定結果通知の送信は、無線端末装置202における電波環境が所定条件を満たしたことによって開始される。
たとえば3GPPでは、周期的電力測定処理の報告周期は120ミリ秒〜60分で設定可能あり、イベント起動電力測定処理の報告周期は0〜5120ミリ秒で設定可能であるが、”TS36.508”および”TS36.523”において推奨値として記載されているように、測定結果の報告周期の最短時間は、イベントA1の256ミリ秒であり、それほど短くない。
図3は、本発明の実施の形態に係る通信システムにおけるハンドオーバ動作およびデータフォワーディング動作のシーケンスの一例を示す図である。
ここでは、図2に示すように、無線端末装置202が、セルCA内に位置し、無線基地局装置101Aと通信中である状態から、セルCAおよびセルCBの重複領域へ移動した場合を想定する。また、基地局−基地局間の論理インタフェースであるX2インタフェースが無線基地局装置101Aおよび無線基地局装置101B間で用いられない場合について説明する。
図3を参照して、まず、無線基地局装置101Aおよび無線端末装置202間でRRCコネクションが確立している状態において、無線基地局装置101Aは、自己および他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力を無線端末装置202に測定させるための指示を含むRRCコネクション再構成指示(RRC Connection Reconfiguration)を無線端末装置202へ送信する。このRRCコネクション再構成指示には、周辺セル情報、すなわち測定対象となる無線基地局装置のセルIDが含まれる。また、この測定開始要求には、各無線基地局装置の送信周波数が含まれる(ステップS1)。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101Aから測定開始要求を受信して、電力測定処理を開始する、すなわち受信した測定開始要求の示す周波数において、測定開始要求の示す無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力を測定する。ここでは、無線端末装置202は、イベント起動電力測定処理を行なうものとする。
そして、無線端末装置202は、たとえば、受信電力の測定を定期的に行ない、無線基地局装置101Aとの通信状態が悪くなった場合、および無線基地局装置101A以外の他の無線基地局装置との通信状態が良くなった場合に、受信電力の測定結果を示す測定結果通知(Measurement Report)を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS2)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202から受信した測定結果通知に基づいて、当該無線端末装置202のハンドオーバ動作を実行すべきか否かを判断し、ハンドオーバ動作を実行すべきであると判断すると、周辺セル情報を参照してたとえば無線基地局装置101Bをハンドオーバ先として決定する(ステップS3)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bを示すハンドオーバ要求をMME162へ送信する(ステップS4)。
次に、MME162は、無線基地局装置101Aからハンドオーバ要求を受信して、無線基地局装置101Bへ当該ハンドオーバ要求を送信する(ステップS5)。
次に、無線基地局装置101Bは、無線基地局装置101Aからハンドオーバ要求を受信して、RRCコネクション確立処理を行ない(ステップS6)、MME162へ当該ハンドオーバ要求に対するハンドオーバ応答を送信する(ステップS7)。
次に、MME162は、無線基地局装置101Bからハンドオーバ応答を受信して、無線基地局装置101Aへハンドオーバ指示を送信する(ステップS8)。
次に、無線基地局装置101Aは、MME162からハンドオーバ指示を受信して、無線端末装置202へハンドオーバ指示を含むRRCコネクション再構成指示(RRC Connection Reconfiguration)を送信する(ステップS9)。
次に、無線基地局装置101Aは、MME162へ自己の通信状態等を示す状態通知を送信する。この状態通知に、データフォワーディングにおいて、ターゲット基地局である無線基地局装置101Bが転送パケットを処理するための、パケットのシリアル番号等の情報が含まれる(ステップS10)。
次に、MME162は、無線基地局装置101Aから受信した状態通知の内容を含む、無線端末装置202との通信内容等を示す状態通知を無線基地局装置101Bへ送信する(ステップS11)。
そして、無線基地局装置101Aは、S1インタフェース経由のデータフォワーディングを開始する、すなわち、自己に蓄積されているかまたはS−GW161から新たに受信する当該無線端末装置202宛のパケットである対象パケットをS−GW161経由で無線基地局装置101Bへ転送する(ステップS12およびステップS13)。以下、このようにS1インタフェースを用いる転送動作をインダイレクトデータフォワーディングとも称する。
次に、無線端末装置202および無線基地局装置101B間でRRCコネクションが確立されると、無線端末装置202は、無線基地局装置101BへRRCコネクション再構成完了通知(RRC Connection Reconfiguration Complete)を送信する(ステップS14)。
次に、無線基地局装置101Bは、無線端末装置202からRRCコネクション再構成完了通知を受信して、無線基地局装置101Aから転送されたパケットを無線端末装置202へ送信する。ここで、無線基地局装置101Bは、無線基地局装置101Aから受信した状態通知の示すシリアル番号等を用いて、パケットの順序制御を行なう(ステップS15)。
また、無線端末装置202は、無線基地局装置101Bへパケットを送信し、無線基地局装置101Bは、当該パケットをS−GW161へ送信する(ステップS16)。
また、無線基地局装置101Bは、無線端末装置202からRRCコネクション再構成完了通知を受信して、MME162へハンドオーバ完了通知を送信し(ステップS17)、RRCコネクションが確立する(ステップS18)。このハンドオーバ完了通知に、S−GW161に対するパス切り替え要求が含まれる。
次に、MME162は、無線基地局装置101Bからハンドオーバ完了通知を受信して、上記パス切り替え要求を含むベアラ変更要求をS−GW161へ送信する(ステップS19)。
次に、S−GW161は、MME162からベアラ変更要求を受信して、パスの切り替え処理を行なう、すなわち、当該無線端末装置202宛の対象パケットの送信先を無線基地局装置101Aから無線基地局装置101Bへ切り替える(ステップS20)。
次に、S−GW161は、ベアラ変更要求に対する、パス切り替え応答を含むベアラ変更応答をMME162へ送信する(ステップS21)。
次に、S−GW161は、エンドマーカが付された対象パケットを無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS22)。
そして、S−GW161は、対象パケットの無線基地局装置101Aへの送信を終了し、対象パケットの無線基地局装置101Bへの送信を開始する(ステップS23)。
次に、無線基地局装置101Bは、無線基地局装置101Aを経由していないS−GW161からの対象パケットの無線端末装置202への送信を保留し、蓄積しておく(ステップS24)。
次に、無線基地局装置101Aは、S−GW161から受信したエンドマーカ付きの対象パケットをS−GW161経由で無線基地局装置101Bへ転送する。無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bへ転送する対象パケットの最後を、このエンドマーカ付きの対象パケットとする(ステップS25およびステップS26)。
次に、無線基地局装置101Bは、無線基地局装置101Aからエンドマーカ付きの対象パケットを受信して、無線基地局装置101Aによる自己へのデータフォワーディングが完了したことを認識する。そして、無線基地局装置101Bは、無線基地局装置101Aから転送された対象パケットをすべて無線端末装置202へ送信した後、蓄積していたS−GW161からの対象パケットの無線端末装置202への送信を開始する(ステップS27)。
また、MME162は、S−GW161からベアラ変更応答を受信して、端末情報解放指示を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS28)。
次に、無線基地局装置101Aは、MME162から端末情報解放指示を受信して、無線端末装置202に関する情報を解放し(ステップS29)、MME162へ端末情報解放完了通知を送信し(ステップS30)、RRCアイドル状態となる(ステップS31)。
図4は、本発明の実施の形態に係る通信システムにおけるハンドオーバ動作およびデータフォワーディング動作のシーケンスの一例を示す図である。
ここでは、図2に示すように、無線端末装置202が、セルCA内に位置し、無線基地局装置101Aと通信中である状態から、セルCAおよびセルCBの重複領域へ移動した場合を想定する。また、基地局−基地局間の論理インタフェースであるX2インタフェースが無線基地局装置101Aおよび無線基地局装置101B間で用いられる場合について説明する。
図4を参照して、ステップS41〜ステップS43の動作は、図3に示すステップS1〜ステップS3の動作と同様である。
次に、無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bを示すハンドオーバ要求を無線基地局装置101Bへ送信する(ステップS44)。
次に、無線基地局装置101Bは、無線基地局装置101Aからハンドオーバ要求を受信して、RRCコネクション確立処理を行ない(ステップS45)、無線基地局装置101Aへ当該ハンドオーバ要求に対するハンドオーバ応答を送信する(ステップS46)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bからハンドオーバ応答を受信して、無線端末装置202へハンドオーバ指示を含むRRCコネクション再構成指示を送信する(ステップS47)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bへ自己の通信状態等を示す状態通知を送信する。この状態通知に、データフォワーディングにおいて、ターゲット基地局である無線基地局装置101Bが転送パケットを処理するための、パケットのシリアル番号等の情報が含まれる(ステップS48)。
そして、無線基地局装置101Aは、X2インタフェース経由のデータフォワーディングを開始する、すなわち、自己に蓄積されているかまたはS−GW161から新たに受信する当該無線端末装置202宛のパケットである対象パケットを無線基地局装置101Bへ転送する(ステップS49)。以下、このようにX2インタフェースを用いる転送動作をダイレクトデータフォワーディングとも称する。
次に、無線端末装置202および無線基地局装置101B間でRRCコネクションが確立されると、無線端末装置202は、無線基地局装置101BへRRCコネクション再構成完了通知を送信する(ステップS50)。
次に、無線基地局装置101Bは、無線端末装置202からRRCコネクション再構成完了通知を受信して、無線基地局装置101Aから転送されたパケットを無線端末装置202へ送信する。ここで、無線基地局装置101Bは、無線基地局装置101Aから受信した状態通知の示すシリアル番号等を用いて、パケットの順序制御を行なう(ステップS51)。
また、無線端末装置202は、無線基地局装置101Bへパケットを送信し、無線基地局装置101Bは、当該パケットをS−GW161へ送信する(ステップS52)。
また、無線基地局装置101Bは、無線端末装置202からRRCコネクション再構成完了通知を受信して、MME162へハンドオーバ完了通知を送信し(ステップS53)、RRCコネクションが確立する(ステップS54)。このハンドオーバ完了通知に、S−GW161に対するパス切り替え要求が含まれる。
次に、MME162は、無線基地局装置101Bからハンドオーバ完了通知を受信して、上記パス切り替え要求を含むベアラ変更要求をS−GW161へ送信する(ステップS55)。
次に、S−GW161は、MME162からベアラ変更要求を受信して、パスの切り替え処理を行なう、すなわち、当該無線端末装置202宛の対象パケットの送信先を無線基地局装置101Aから無線基地局装置101Bへ切り替える(ステップS56)。
次に、S−GW161は、ベアラ変更要求に対する、パス切り替え応答を含むベアラ変更応答をMME162へ送信する(ステップS57)。
次に、S−GW161は、エンドマーカが付された対象パケットを無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS58)。
そして、S−GW161は、対象パケットの無線基地局装置101Aへの送信を終了し、対象パケットの無線基地局装置101Bへの送信を開始する(ステップS59)。
次に、無線基地局装置101Bは、無線基地局装置101Aを経由していないS−GW161からの対象パケットの無線端末装置202への送信を保留し、蓄積しておく(ステップS60)。
次に、無線基地局装置101Aは、S−GW161から受信したエンドマーカ付きの対象パケットを無線基地局装置101Bへ転送する。無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bへ転送する対象パケットの最後を、このエンドマーカ付きの対象パケットとする(ステップS61)。
次に、無線基地局装置101Bは、無線基地局装置101Aからエンドマーカ付きの対象パケットを受信して、無線基地局装置101Aによる自己へのデータフォワーディングが完了したことを認識する。そして、無線基地局装置101Bは、無線基地局装置101Aから転送された対象パケットをすべて無線端末装置202へ送信した後、蓄積していたS−GW161からの対象パケットの無線端末装置202への送信を開始する(ステップS62)。
また、MME162は、S−GW161からベアラ変更応答を受信して、当該ベアラ変更応答を無線基地局装置101Bへ送信する(ステップS63)。
無線基地局装置101Bは、MME162からベアラ変更応答を受信して、端末情報解放指示を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS64)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bから端末情報解放指示を受信して、無線端末装置202に関する情報を解放し(ステップS65)、無線基地局装置101Bへ端末情報解放完了通知を送信し(ステップS66)、RRCアイドル状態となる(ステップS67)。
次に、データフォワーディングがパケットの伝送遅延に与える影響について説明する。
図5は、本発明の実施の形態に係る通信システムにおけるハンドオーバ動作中の下りパケットの流れを示す図である。
図5を参照して、ハンドオーバ動作におけるS−GW161から無線端末装置202へのパケットPの伝送経路として、S−GW161からサービング基地局101Aを経由して無線端末装置202へ到達する経路RA、およびS−GW161からターゲット基地局101Bを経由して無線端末装置202へ到達する経路RBがある。
また、データフォワーディングが行なわれる場合には、これらの経路に加えて、S−GW161からサービング基地局101Aおよびターゲット基地局101Bを経由して無線端末装置202へ到達する経路RCが存在する。
図6は、図4に示すハンドオーバ動作およびデータフォワーディング動作のシーケンスを概略的に示す図である。
図6を参照して、ハンドオーバ動作の性能に影響を与える要因として、(1)ハンドオーバ準備時間、(2)ハンドオーバ実行時間、(3)データフォワーディングによるパケットの遅延時間、(4)パス切り替え時間、および(5)ターゲット基地局における転送パケットの処理がある。
図7は、ハンドオーバ準備時間を説明するための図である。
図7を参照して、(1)ハンドオーバ準備時間は、サービング基地局101Aがハンドオーバ動作の実行を判断してから、ハンドオーバ指示を無線端末装置202へ送信するまでの時間である。
ハンドオーバ準備時間において、無線端末装置202は、サービング基地局101Aと通信する。ハンドオーバ準備時間が長いと、ターゲット基地局101Bからの電波干渉によって無線リンク断(RLF:Radio Link Failure)の発生確率が高くなる。
図8は、ハンドオーバ実行時間を説明するための図である。
図8を参照して、(2)ハンドオーバ実行時間は、無線端末装置202およびターゲット基地局101B間のRRCコネクションが確立してから、無線端末装置202およびターゲット基地局101B間をパケットPが流れ始めるまでの時間である。
ハンドオーバ実行時間は、たとえば3GPPで規定されているランダムアクセス手順(Random Access Procedure)およびアタッチ手順(Attach Procedure)に要する時間に相当する。ハンドオーバ実行時間が長いと、パケットの伝送遅延が大きくなる。
図9は、データフォワーディングによるパケットの遅延時間を説明するための図である。
図9を参照して、(3)データフォワーディングによるパケットの遅延時間は、データフォワーディングにおいてサービング基地局101Aからターゲット基地局101Bへパケットを転送するのに要する時間である。この遅延時間が長いと、S−GW161から無線端末装置202までのパケットの伝送遅延が大きくなる。
インダイレクトデータフォワーディングが行なわれる場合、すなわちサービング基地局101Aおよびターゲット基地局101B間でX2インタフェースが存在しない場合には、各無線基地局装置とS−GW161との間で論理パスを確立することにより、すなわちS1インタフェースを用いることにより、パケットの転送が行なわれる。この場合、パケットの伝送遅延がより大きくなる。
図10は、パス切り替え時間を説明するための図である。
図10を参照して、(4)パス切り替え時間は、S−GW161におけるパス切り替えの実行をターゲット基地局101Bが判断してから、サービング基地局101Aを経由せずにS−GW161からターゲット基地局101Bへ直接パケットが流れ始めるまでの時間である。
パス切り替え時間が長いと、サービング基地局101A経由の伝送経路すなわちデータフォワーディング用の伝送経路が長時間使用されることになるため、パケットの伝送遅延が大きくなる。
図11は、ターゲット基地局における転送パケットの処理を説明するための図である。
図11を参照して、S−GW161がパスを切り替えてからある程度の時間が経過するまでは、S−GW161からターゲット基地局101Bへ直接送信されるパケットP11と、S−GW161からサービング基地局101A経由でターゲット基地局101Bへ送信されるパケットP12とが併存することになる。
この場合、ターゲット基地局101Bは、前述のようにエンドマーカを用いることにより、最後の転送パケットを送信した後、S−GW161から直接送信されるパケットの送信を開始する。
ここで、前述のように、サービング基地局101Aは、ハンドオーバ動作によって無線端末装置202宛のパケットの無線区間における伝送経路を切り替える際、自己のバッファに残っている当該無線端末装置202宛のパケットについては、基本的にデータフォワーディングを行なう。
一方、非特許文献1に記載されているように、サービング基地局101Aは、たとえば、再送処理中のパケットについては、データフォワーディングを行なわない。サービング基地局101Aおよび無線端末装置202は、たとえば、ハンドオーバ動作の準備完了、すなわちハンドオーバ指示が無線端末装置202へ送信された後、当該ハンドオーバ指示に対する応答の送受信を待つことなく、再送処理中のパケットをすべて廃棄する。
図12は、フェムト基地局においてデータフォワーディングが行なわれる場合のパケットの伝送経路を示す図である。
図12を参照して、特に、家庭内またはオフィスに設置されたフェムト基地局においてデータフォワーディングが行なわれる場合には、コアネットワーク301およびマクロ基地局間のような専用回線ではなく、コアネットワーク301およびフェムト基地局間をDSL(Digital Subscriber Line)およびFTTH(Fiber To The Home)等の一般回線経由でパケットが往復するため、パケットの伝送遅延が大きくなる。
このため、パケットの伝送遅延時間が、QCI(QoS Class Identifier)等で定義される許容遅延時間を越えてしまう可能性が高くなる。
図13は、QCIの具体的な内容を示す図である。図13は、3GPP TS 23.203 table 6.1.7に記載された内容と同様である。
図13を参照して、無線端末装置202に提供されるサービスすなわちアプリケーションに対応する論理チャネルには、QCI(QoS Class Identifier)が付される。
QCIは、Qos(Quality of Service)の異なる9つのクラスを、1〜9の数字で表したものである。Qosの各クラスにおいて、サービスに応じて異なる許容遅延時間(Packet Delay Budget)が設定されている。
より詳細には、QCI=1のリソースタイプはGBR(Guaranteed Bit Rate)すなわち速度保証型であり、優先度は2であり、許容遅延時間は100msであり、許容されるパケットエラーロスレートは10-2であり、会話音声(Conversational Voice)等のサービスに用いられる。
QCI=2のリソースタイプはGBRであり、優先度は4であり、許容遅延時間は150msであり、許容されるパケットエラーロスレートは10-3であり、会話映像(Conversational Video(Live Streaming))等のサービスに用いられる。
QCI=3のリソースタイプはGBRであり、優先度は3であり、許容遅延時間は50msであり、許容されるパケットエラーロスレートは10-3であり、リアルタイムゲーム(Rea Time Gaming)等のサービスに用いられる。
QCI=4のリソースタイプはGBRであり、優先度は5であり、許容遅延時間は300msであり、許容されるパケットエラーロスレートは10-6であり、非会話映像(Non-Conversational Video(Buffered Streaming))等のサービスに用いられる。
QCI=5のリソースタイプはNon−GBRすなわち速度非保証型であり、優先度は1であり、許容遅延時間は100msであり、許容されるパケットエラーロスレートは10-6であり、IMSシグナリング(IMS Signaling)等のサービスに用いられる。
QCI=6のリソースタイプはNon−GBRであり、優先度は6であり、許容遅延時間は300msであり、許容されるパケットエラーロスレートは10-6であり、映像(Video(Buffered Streaming))またはTCPに従うデータ送信(たとえば、www、e−mail、chat、ftp、p2p file sharing、およびprogressive videoなど)等のサービスに用いられる。
QCI=7のリソースタイプはNon−GBRであり、優先度は7であり、許容遅延時間は100msであり、許容されるパケットエラーロスレートは10-3であり、音声(Voice)、映像(Video(Live Steaming))または双方向ゲーム(Interactive Gaming)等のサービスに用いられる。
QCI=8,9のリソースタイプはNon−GBRであり、優先度はそれぞれ8,9であり、許容遅延時間は300msであり、許容されるパケットエラーロスレートは10-6であり、映像(Video(Buffered Streaming))またはTCPに従うデータ送信(たとえば、www、e−mail、chat、ftp、p2p file sharing、およびprogressive videoなど)等のサービスに用いられる。
QCI=1等、高いリアルタイム性が要求されるサービスでは遅延要求が厳しく設定されており、また、許容遅延時間が比較的短く設定されている。一方、QCI=8等、リアルタイム性がさほど要求されないサービスでは、遅延要求が緩く、許容遅延時間が比較的長く設定されている。
データフォワーディングによってパケットの伝送遅延が大きくなると、このようなQCIで定められた要求を満たせない可能性がある。
そこで、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、以下のような構成および動作により、データフォワーディングに伴うパケットの伝送遅延の増大を抑制する。
[無線基地局装置]
図14は、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置の構成を示す図である。
図14を参照して、無線基地局装置101は、アンテナ91と、サーキュレータ92と、無線受信部93と、無線送信部94と、信号処理部95と、制御部98と、ネットワーク処理部99とを備える。信号処理部95は、受信信号処理部96と、送信信号処理部97とを含む。信号処理部95、制御部98およびネットワーク処理部99は、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)等によって実現される。
サーキュレータ92は、アンテナ91において受信された無線端末装置202からの無線信号を無線受信部93へ出力し、また、無線送信部94から受けた無線信号をアンテナ91へ出力する。
無線受信部93は、サーキュレータ92から受けた無線信号をベースバンド信号またはIF(Intermediate Frequency)信号に周波数変換し、この周波数変換した信号をデジタル信号に変換して受信信号処理部96へ出力する。
受信信号処理部96は、無線受信部93から受けたデジタル信号に対してCDMA(Code Division Multiple Access)方式における逆拡散等の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号の一部または全部を所定のフレームフォーマットに変換し、変換後の通信データをネットワーク処理部99へ出力する。
ネットワーク処理部99は、受信信号処理部96から受けた通信データをコアネットワーク301へ送信するとともに、コアネットワーク301から受信した通信データを送信信号処理部97へ出力する。
送信信号処理部97は、ネットワーク処理部99から受けた通信データを所定のフレームフォーマットに変換した通信データまたは自ら生成した通信データに対してOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式におけるIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)等の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号を無線送信部94へ出力する。
無線送信部94は、送信信号処理部97から受けたデジタル信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を無線信号に周波数変換してサーキュレータ92へ出力する。
制御部98は、無線基地局装置101における各ユニットおよびコアネットワーク301との間で、各種情報をネットワーク処理部99経由でやり取りする。
図15は、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置におけるネットワーク処理部および制御部の構成を示す図である。
図15を参照して、ネットワーク処理部99は、ネットワーク送信部11と、ネットワーク受信部12と、バッファ13と、送信制御部14と、転送制御部15とを含む。制御部98は、ハンドオーバ予測部21と、受信電力情報取得部22と、受信品質情報取得部23とを含む。
ネットワーク受信部12は、たとえばIPパケットを含む通信データを、コアネットワーク301におけるS−GW161から受信し、受信した通信データをバッファ13に保存する。
送信制御部14は、バッファ13から取り出した通信データを信号処理部95における送信信号処理部97へ出力する。
転送制御部15は、自己の無線基地局装置から他の無線基地局装置への無線端末装置202のハンドオーバ動作が実行される際、コアネットワーク301およびIP網302等の上位ネットワークから受信した当該無線端末装置202宛のパケットを他の無線基地局装置へ転送する転送動作すなわちデータフォワーディング動作を行なう。具体的には、転送制御部15は、データフォワーディング動作において、バッファ13から通信データを取り出してネットワーク送信部11へ出力する。
ネットワーク送信部11は、信号処理部95における受信信号処理部96、または転送制御部15から受けた、たとえばIPパケットを含む通信データをコアネットワーク301におけるS−GW161へ送信する。
ハンドオーバ予測部21は、自己の無線基地局装置から他の無線基地局装置への無線端末装置202のハンドオーバ動作の発生を予測する。
受信電力情報取得部22は、無線端末装置202における各無線基地局装置101からの無線信号の受信電力の測定結果を示す受信電力情報すなわち測定結果通知を取得する。
受信品質情報取得部23は、受信電力情報よりも短い周期で更新され、無線端末装置202における自己の無線基地局装置101からの無線信号の受信品質を示す受信品質情報たとえばCQIレポートを取得する。
より詳細には、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、たとえば、受信電力情報よりも短い周期で更新される情報、たとえば3GPPにおいて、最短で5ミリ秒周期の報告が可能なCQI(Channel Quality Indication)レポートを使用する。CQIレポートは、レイヤ2スタックのMAC(Medium Access Control)またはPHY(Physical Layer)に対応する。
CQIレポートは、直接現在の各セルにおける電波状況を通知するものではなく、SINRを用いた以下の式により0〜15の16段階で表現される値である。CQI=0の場合、無線端末装置202の受信品質が最も悪く、CQI=15の場合、無線端末装置202の受信品質が最も良い。
CQI=min(max(round((SINR[dB]+8)/1.892),0),15)
図16は、本発明の実施の形態に係る通信システムにおけるパケットの伝送経路を示す図である。
図16を参照して、通常パス経由でコアネットワーク301からターゲット基地局101Bへ伝送されたパケットよりも、データフォワーディングによってサービング基地局101Aからターゲット基地局101Bへ転送されるパケットの方が、伝送遅延が大きい。
さらに、インダイレクトデータフォワーディング、すなわちS1インタフェース経由のデータフォワーディングでは、S−GW161と無線基地局装置101との論理パスを確立するための処理が必要となるため、ダイレクトデータフォワーディング、すなわちX2インタフェース経由のデータフォワーディングよりもパケットの伝送遅延が大きい。すなわち、X2インタフェース経由では、S1インタフェース経由とは異なり、無線基地局装置間で直接、論理パスを確立してメッセージのやり取りが行なえるため、パケットの伝送遅延が小さくなる。
なお、図16は、パケットの論理的な伝送経路を示しており、ダイレクトデータフォワーディングによって転送されるパケットも、物理的にはコアネットワーク301におけるS−GW161経由で伝送される。
図17は、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置におけるパケット送信の優先制御を示す図である。
図17を参照して、サービング基地局は、自己からターゲット基地局へデータフォワーディングによって転送されるパケットができるだけ少なくなるように、ハンドオーバ動作の実行が近いと判断した無線端末装置202宛のパケットPHOを、他の無線端末装置202宛のパケットPNよりも優先して送信する。これにより、無線端末装置202のハンドオーバ動作が実行される際に、無線基地局装置101に当該無線端末装置202宛のパケットが溜まっている状態を防ぐことができる。
図18は、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置におけるパケット送信の優先制御を示す図である。
図18を参照して、本発明の実施の形態に係る通信システムでは、サービング基地局において下りパケットの優先制御を行なう。
制御部98において、送信制御部14は、コアネットワーク301およびIP網302等の上位ネットワークから受信したパケット、すなわちバッファ13に保存されたパケットのうち、ハンドオーバ予測部21によってハンドオーバ動作の発生を予測された無線端末装置202を宛先とするパケットである対象パケットを優先的に送信する。
より詳細には、サービング基地局における送信制御部14は、たとえばMACスケジューラを含み、MACスケジューラは、(1)ハンドオーバ動作の発生が予測された無線端末装置202宛のパケットPHO、(2)ハンドオーバ動作の発生が予測されていない無線端末装置202宛のパケットPNを、この順番で優先して無線端末装置202へ送信する。
たとえば、MACスケジューラは、このような優先順位を加味してQCIの優先度を補正する。具体的には、たとえば、MACスケジューラは、QCIの優先度を1ランクまたは2ランク上げるかまたは下げた補正後の優先度に基づいて、パケット送信の優先制御を行なう。
ここでは、ある一定期間において、パケットPHOが優先され、3つのパケットPHOが無線端末装置Xへ送信されている。これに対して、優先度の低いパケットPNは、1つだけが無線端末装置Yへ送信されている。なお、データフォワーディングによって転送されるパケットには、ハンドオーバ動作の開始前に無線基地局装置101に到着して蓄積されたパケットも含まれる場合がある。
ハンドオーバ予測部21は、図3または図4に示すシーケンスから、あるいは各種情報から、ハンドオーバ動作の発生を予測することができる。ハンドオーバ予測部21は、この予測結果を送信制御部14に通知する。
より詳細には、ハンドオーバ予測部21は、自己の無線基地局装置が他の無線基地局装置へハンドオーバ要求を送信した場合(図3のステップS4または図4のステップS44)、ハンドオーバ動作が発生すると判断する。
あるいは、ハンドオーバ予測部21は、自己の無線基地局装置が他の無線基地局装置へハンドオーバ要求を送信し、当該ハンドオーバ要求に対する応答を他の無線基地局装置から受信した場合(図3のステップS8または図4のステップS46)、ハンドオーバ動作が発生すると判断する。
あるいは、ハンドオーバ予測部21は、イベント起動電力測定処理における測定結果通知を自己の無線基地局装置が無線端末装置202から受信した場合(図3のステップS2または図4のステップS42)、当該無線端末装置202のハンドオーバ動作が発生すると判断する。
あるいは、ハンドオーバ予測部21は、たとえば受信電力情報取得部22によって取得された受信電力情報を参照して、無線端末装置202における電波環境が、自己の無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力が所定の閾値未満である状態、および自己の無線基地局装置から送信される無線信号の受信品質が悪い状態の少なくとも一方になった場合、無線端末装置202のハンドオーバ動作が発生すると判断する。
また、たとえば、ハンドオーバ予測部21は、受信品質情報取得部23によって取得された無線端末装置202の受信品質情報の示す受信品質が悪い場合、当該無線端末装置202のハンドオーバ動作が発生すると判断する。
あるいは、ハンドオーバ予測部21は、たとえば受信電力情報取得部22によって取得された受信電力情報および受信品質情報取得部23によって取得された受信品質情報を参照して、無線端末装置202における電波環境が、自己の無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力と他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力との差が小さい状態、および自己の無線基地局装置から送信される無線信号の受信品質と他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信品質との差が小さい状態の少なくとも一方になった場合、無線端末装置202のハンドオーバ動作が発生すると判断する。
あるいは、ハンドオーバ予測部21は、たとえば受信電力情報取得部22によって取得された受信電力情報および受信品質情報取得部23によって取得された受信品質情報を参照して、無線端末装置202における電波環境が、他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力が所定の閾値以上である状態、および他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信品質が良い状態の少なくとも一方になった場合、無線端末装置202のハンドオーバ動作が発生すると判断する。
なお、ハンドオーバ予測部21は、無線端末装置202のハンドオーバ動作の発生を予測する際、上記各方法のうちの一部を用いてもよいし、全部を用いてもよい。
図19は、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置の通信プロトコルにおける各レイヤ、およびレイヤ間でやり取りされる情報を示す図である。
図19を参照して、無線基地局装置101は、たとえば、自己および無線端末装置202間について、RRCレイヤ、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤ、RLC(Radio Link Control)レイヤ、MACレイヤおよびPHYレイヤを有する通信プロトコルに従って動作する。ここでは、RRCレイヤが最上位レイヤであり、PHYレイヤが最下位レイヤである。また、無線基地局装置101は、たとえば、自己およびコアネットワーク301間について、U−Planeレイヤ、C−PlaneレイヤおよびS1APレイヤを有する通信プロトコルに従って動作する。また、以上のようなレイヤのさらに上位レイヤとして、アプリケーションレイヤが存在する。
QCIは、コアネットワーク301からC−Planeレイヤ、S1APレイヤおよびアプリケーションレイヤ経由でMACスケジューラに与えられる。また、パケットの遅延情報は、アプリケーションレイヤ経由でMACスケジューラに与えられる。
また、無線端末装置202から受信したCQIレポートの示すCQIは、PHYレイヤからMACスケジューラに与えられる。
図17および図18において説明したパケットPHOおよびPNは、コアネットワーク301からU−Plane、アプリケーションレイヤ、PDCPレイヤおよびRLCレイヤを経由してMACスケジューラに与えられ、バッファに蓄積される。
MACスケジューラは、MACレイヤからバッファ情報すなわちバッファ13に蓄積されているパケットの情報を取得する。MACスケジューラは、パケットを無線端末装置202へ送信するための無線基地局装置101におけるリソースの割り当てを行ない、この割り当て情報をMACレイヤおよびPHYレイヤに与える。
図20は、MACスケジューラによるパケットの優先制御の具体例を示す図である。
図20を参照して、MACスケジューラは、論理チャネルごとの、バッファの蓄積量、RNTIすなわち通信先の無線端末装置202の識別番号、QCI、およびハンドオーバ情報をMACレイヤおよび上位レイヤから取得する。また、MACスケジューラは、RNTIごと、すなわち無線端末装置202ごとのCQIをPHYレイヤから取得する。
また、MACスケジューラは、MACレイヤに対する割り当て情報として、論理チャネルごとの、割り当て量すなわちバッファ13から取り出し可能なパケットのデータ量を、MACレイヤに通知する。
また、MACスケジューラは、PHYレイヤに対する割り当て情報として、RNTIごとの、MCS(Modulation Coding Scheme)すなわち1リソースブロックあたりのビット数、リソースブロック数およびリソースブロック位置をPHYレイヤに通知する。
ここで、リソースブロックは、無線端末装置202への無線信号の送信において割り当てられる、周波数および時間によって分割された単位である。
具体的には、MACスケジューラがMACレイヤおよび上位レイヤから取得する情報において、論理チャネル番号が1のパケットについて、バッファ蓄積量が100KB(キロバイト)であり、RNTIが1であり、QCIが2であり、ハンドオーバ動作の発生が予測されている。論理チャネル番号が2のパケットについて、バッファ蓄積量が200KBであり、RNTIが1であり、QCIが3であり、ハンドオーバ動作の発生が予測されている。論理チャネル番号が3のパケットについて、バッファ蓄積量が100KBであり、RNTIが2であり、QCIが4であり、ハンドオーバ動作の発生が予測されていない。論理チャネル番号が4のパケットについて、バッファ蓄積量が300KBであり、RNTIが3であり、QCIが5であり、ハンドオーバ動作の発生が予測されていない。
また、MACスケジューラがPHYレイヤから取得する情報において、RNTIが1の無線端末装置202のCQIが3であり、RNTIが2の無線端末装置202のCQIが3であり、RNTIが3の無線端末装置202のCQIが6である。
また、MACスケジューラがMACレイヤに与える割り当て情報において、論理チャネル番号が1のパケットの割り当て量が100KBであり、論理チャネル番号が2のパケットの割り当て量が200KBであり、論理チャネル番号が3のパケットの割り当て量が0KBであり、論理チャネル番号が4のパケットの割り当て量が0KBである。
また、MACスケジューラがPHYレイヤに与える割り当て情報において、RNTIが1の無線端末装置202のMCSが12ビットであり、リソースブロック数が50であり、リソースブロック位置がゼロである。RNTIが2,3の無線端末装置202には、リソースブロックが割り当てられていない。
なお、ここでは、MACスケジューラは、論理チャネルごとの優先制御を行なう構成であるとしたが、これに限定するものではない。MACスケジューラは、無線端末装置202ごとに優先制御を行なう構成であってもよいし、あるいは、パケットごとに優先制御を行なう構成であってもよい。
[優先制御の例外処理]
前述のように、無線基地局装置101では、ハンドオーバ動作の発生が予測される無線端末装置202宛のパケットを、他の無線端末装置202宛のパケットよりも優先して送信することにより、ハンドオーバ動作に伴うデータフォワーディングによるパケットの伝送遅延を低減することができる。
別の観点からみると、ハンドオーバ動作の発生が予測される無線端末装置202宛のパケットができるだけ無線基地局装置101に溜まらないようにすることで、データフォワーディングによって転送されるパケットを減らしている。
ここで、無線伝送路の状態が急激に悪化して無線端末装置202におけるパケットの受信が困難になった場合、この無線端末装置202へパケットを優先的に送信しても意味が無く、パケット送信に必要な無線基地局装置101のリソースを無駄に消費することになる。
そこで、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、制御部98における送信制御部14は、対象パケットの宛先の無線端末装置202における電波環境が所定条件を満たす場合には、対象パケットの優先送信を停止するか、または対象パケットの送信を停止する。
そして、制御部98は、即座にハンドオーバ動作の準備を行ない、実行する。制御部98は、ハンドオーバ動作の準備が完了していれば、ハンドオーバ指示を含むRRCコネクション再構成指示を無線端末装置202へ送信し、ハンドオーバ動作の準備中であれば、準備完了まで待って、ハンドオーバ指示を含むRRCコネクション再構成指示を送信する。
図21は、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置がパケットの優先制御を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
図21を参照して、ハンドオーバ予測部21は、自己の無線基地局装置から他の無線基地局装置への無線端末装置202のハンドオーバ動作の発生を予測する(ステップS101でYES)。
次に、送信制御部14は、コアネットワーク301およびIP網302等の上位ネットワークから受信したパケット、すなわちバッファ13に保存されたパケットのうち、ハンドオーバ予測部21によってハンドオーバ動作の発生を予測された無線端末装置202を宛先とするパケットである対象パケットを優先的に送信する(ステップS102)。
次に、送信制御部14は、対象パケットの宛先の無線端末装置202における電波環境が悪化し、パケットの受信が困難になった場合には(ステップS103でYES)、対象パケットの優先送信を停止するか、あるいは対象パケットの送信自体を停止する(ステップS104)。
ここで、制御部98は、たとえば、自己の無線基地局装置101から上記無線端末装置202へ送信した対象パケットに対するACK/NACK、または当該無線端末装置202からのCQIレポートに基づいて、当該無線端末装置202においてパケットの受信が困難になったことを判断する。具体的には、たとえば、CQIレポートにおける全帯域のCQI平均値(Wideband CQI)の値がゼロである場合に、無線端末装置202において下りパケットを受信することが不可能になっていると判断することができる。
ところで、無線端末装置のハンドオーバが行なわれると、たとえば、ハンドオーバ元の無線基地局装置において蓄積されている当該無線端末装置宛のパケットが廃棄される場合があり、再送処理等によってパケットの伝送遅延時間が増大してしまう。
これに対して、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、ハンドオーバ予測部21は、自己の無線基地局装置から他の無線基地局装置への無線端末装置202のハンドオーバ動作の発生を予測する。そして、送信制御部14は、コアネットワーク301およびIP網302等の上位ネットワークから受信したパケットのうち、ハンドオーバ予測部21によってハンドオーバ動作の発生を予測された無線端末装置202を宛先とするパケットである対象パケットを優先的に当該無線端末装置202へ送信する。
このように、無線基地局装置から無線端末装置へのパケット送信において、ハンドオーバ動作の発生を予測し、予測された無線端末装置202宛のパケットを優先的に送信する構成により、ハンドオーバ元の無線基地局装置において蓄積されている当該無線端末装置202宛のパケットの廃棄を防ぎ、再送処理等によるパケットの伝送遅延時間の増大を抑制することができる。
したがって、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、ハンドオーバに伴うパケットの伝送遅延の増大を抑制し、通信の安定化を図ることができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、転送制御部15は、自己の無線基地局装置から他の無線基地局装置への無線端末装置202のハンドオーバ動作が実行される際、上位ネットワークから受信した無線端末装置202宛のパケットを他の無線基地局装置へ転送する転送動作を行なう。
このように、転送動作すなわちデータフォワーディングを行なうことが可能な通信システムにおいて、自己から他の無線基地局装置へ転送されるパケットの蓄積量を少なくすることができるため、データフォワーディングによるパケットの伝送遅延の影響を、無線基地局装置におけるパケット送信の優先制御によって軽減することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、ハンドオーバ予測部21は、自己の無線基地局装置が他の無線基地局装置へハンドオーバ要求を送信した場合、ハンドオーバ動作が発生すると判断する。
このように、ハンドオーバ要求の送信を判断基準とする構成により、ハンドオーバ動作の発生をより正確に判断することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、ハンドオーバ予測部21は、自己の無線基地局装置が他の無線基地局装置へハンドオーバ要求を送信し、当該ハンドオーバ要求に対する応答を他の無線基地局装置から受信した場合、ハンドオーバ動作が発生すると判断する。
このように、ハンドオーバ要求に対する応答を判断基準とする構成により、ハンドオーバ動作の発生をより正確に判断することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、ハンドオーバ予測部21は、無線端末装置202における電波環境が所定条件を満たしたことによって無線端末装置202が送信する、無線基地局装置からの無線信号の無線端末装置202における受信電力を示す受信電力情報を、自己の無線基地局装置が受信した場合、無線端末装置202のハンドオーバ動作が発生すると判断する。
このように、無線端末装置202における電波環境が所定条件を満たしたか否かを判断基準とする構成により、ハンドオーバ動作の発生をより正確に判断することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、ハンドオーバ予測部21は、無線端末装置202における電波環境が、自己の無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力が所定の閾値未満である状態、および自己の無線基地局装置から送信される無線信号の受信品質が悪い状態の少なくとも一方になった場合、無線端末装置202のハンドオーバ動作が発生すると判断する。
このように、無線端末装置202における電波環境の劣化を判断基準とする構成により、ハンドオーバ動作の発生をより正確に判断することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、ハンドオーバ予測部21は、無線基地局装置からの無線信号の無線端末装置202における受信電力を示す受信電力情報よりも短い周期で更新され、無線端末装置202における自己の無線基地局装置からの無線信号の受信品質を示す受信品質情報を取得し、上記受信品質情報の示す受信品質が悪い場合、無線端末装置202のハンドオーバ動作が発生すると判断する。
このように、受信電力情報よりも更新周期の短いCQIを判断基準とする構成により、急激な電波環境の変化に追従することが可能となるため、対象パケットの優先送信を迅速に行なうことができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、ハンドオーバ予測部21は、無線端末装置202における電波環境が、自己の無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力と他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力との差が小さい状態、および自己の無線基地局装置から送信される無線信号の受信品質と他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信品質との差が小さい状態の少なくとも一方になった場合、無線端末装置202のハンドオーバ動作が発生すると判断する。
このように、無線端末装置202におけるサービング基地局および周辺基地局からの無線信号の受信電力差を判断基準とする構成により、ハンドオーバ動作の発生をより正確に判断することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、ハンドオーバ予測部21は、無線端末装置202における電波環境が、他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力が所定の閾値以上である状態、および他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信品質が良い状態の少なくとも一方になった場合、無線端末装置202のハンドオーバ動作が発生すると判断する。
このように、無線端末装置202における周辺基地局からの無線信号の受信状態が良好になったことを判断基準とする構成により、ハンドオーバ動作の発生をより正確に判断することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、送信制御部14は、対象パケットの宛先の無線端末装置202における電波環境が所定条件を満たす場合には、対象パケットの優先送信を停止するか、または対象パケットの送信を停止する。
このように、電波環境が悪化した無線端末装置202宛の対象パケットの優先的な送信を少なくとも停止する構成により、パケット送信に必要な無線基地局装置101におけるリソースの無駄な消費を抑制することができる。
なお、本発明の実施の形態に係る通信システムは、データフォワーディングを行なう構成であるとしたが、これに限定するものではない。データフォワーディングを行なわない通信システムにおいても、無線基地局装置101が、ハンドオーバ動作の発生予測の有無によってパケットの優先制御を行なうことが可能であり、このような通信システムにおいても、ハンドオーバに伴うパケットの伝送遅延の増大を抑制し、通信の安定化を図ることが可能である。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11 ネットワーク送信部
12 ネットワーク受信部
13 バッファ
14 送信制御部
15 転送制御部
21 ハンドオーバ予測部
22 受信電力情報取得部
23 受信品質情報取得部
91 アンテナ
92 サーキュレータ
93 無線受信部
94 無線送信部
95 信号処理部
96 受信信号処理部
97 送信信号処理部
98 制御部
99 ネットワーク処理部
101,101A,101B 無線基地局装置
161 S−GW
162 MME
163 P−GW
171〜173 ルータ
202 無線端末装置
301 コアネットワーク
302 IP網
401 通信システム

Claims (12)

  1. 無線端末装置がハンドオーバ動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な通信システムにおいて、無線端末装置との間で無線信号を送受信するための無線基地局装置であって、
    自己の無線基地局装置から他の無線基地局装置への無線端末装置のハンドオーバ動作の発生を予測するためのハンドオーバ予測部と、
    上位ネットワークから受信したパケットのうち、前記ハンドオーバ予測部によってハンドオーバ動作の発生を予測された前記無線端末装置を宛先とするパケットである対象パケットを優先的に前記無線端末装置へ送信するための送信制御部とを備える、無線基地局装置。
  2. 前記無線基地局装置は、さらに、
    自己の無線基地局装置から他の無線基地局装置への無線端末装置のハンドオーバ動作が実行される際、上位ネットワークから受信した前記無線端末装置宛のパケットを前記他の無線基地局装置へ転送する転送動作を行なうための転送制御部を備える、請求項1に記載の無線基地局装置。
  3. 前記ハンドオーバ予測部は、自己の無線基地局装置が他の無線基地局装置へハンドオーバ要求を送信した場合、前記ハンドオーバ動作が発生すると判断する、請求項1または請求項2に記載の無線基地局装置。
  4. 前記ハンドオーバ予測部は、自己の無線基地局装置が他の無線基地局装置へハンドオーバ要求を送信し、前記ハンドオーバ要求に対する応答を前記他の無線基地局装置から受信した場合、前記ハンドオーバ動作が発生すると判断する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無線基地局装置。
  5. 前記ハンドオーバ予測部は、無線端末装置における電波環境が所定条件を満たしたことによって前記無線端末装置が送信する、無線基地局装置からの無線信号の前記無線端末装置における受信電力を示す受信電力情報を、自己の無線基地局装置が受信した場合、前記無線端末装置の前記ハンドオーバ動作が発生すると判断する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の無線基地局装置。
  6. 前記ハンドオーバ予測部は、無線端末装置における電波環境が、自己の無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力が所定の閾値未満である状態、および自己の無線基地局装置から送信される無線信号の受信品質が悪い状態の少なくとも一方になった場合、前記無線端末装置の前記ハンドオーバ動作が発生すると判断する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の無線基地局装置。
  7. 前記ハンドオーバ予測部は、無線基地局装置からの無線信号の無線端末装置における受信電力を示す受信電力情報よりも短い周期で更新され、前記無線端末装置における自己の無線基地局装置からの無線信号の受信品質を示す受信品質情報を取得し、前記受信品質情報の示す受信品質が悪い場合、前記無線端末装置の前記ハンドオーバ動作が発生すると判断する、請求項6に記載の無線基地局装置。
  8. 前記ハンドオーバ予測部は、無線端末装置における電波環境が、自己の無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力と他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力との差が小さい状態、および自己の無線基地局装置から送信される無線信号の受信品質と他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信品質との差が小さい状態の少なくとも一方になった場合、前記無線端末装置の前記ハンドオーバ動作が発生すると判断する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の無線基地局装置。
  9. 前記ハンドオーバ予測部は、無線端末装置における電波環境が、他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力が所定の閾値以上である状態、および他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信品質が良い状態の少なくとも一方になった場合、前記無線端末装置の前記ハンドオーバ動作が発生すると判断する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の無線基地局装置。
  10. 前記送信制御部は、前記対象パケットの宛先の無線端末装置における電波環境が所定条件を満たす場合には、前記対象パケットの優先送信を停止するか、または前記対象パケットの送信を停止する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の無線基地局装置。
  11. 無線端末装置がハンドオーバ動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な通信システムにおいて、無線端末装置との間で無線信号を送受信するための無線基地局装置における通信制御方法であって、
    自己の無線基地局装置から他の無線基地局装置への無線端末装置のハンドオーバ動作の発生を予測するステップと、
    上位ネットワークから受信したパケットのうち、ハンドオーバ動作の発生を予測された前記無線端末装置を宛先とするパケットである対象パケットを優先的に前記無線端末装置へ送信するステップとを含む、通信制御方法。
  12. 無線端末装置がハンドオーバ動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な通信システムにおいて、無線端末装置との間で無線信号を送受信するための無線基地局装置において用いられる通信制御プログラムであって、コンピュータに、
    自己の無線基地局装置から他の無線基地局装置への無線端末装置のハンドオーバ動作の発生を予測するステップと、
    上位ネットワークから受信したパケットのうち、ハンドオーバ動作の発生を予測された前記無線端末装置を宛先とするパケットである対象パケットを優先的に前記無線端末装置へ送信するステップとを実行させるための、通信制御プログラム。
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